JPH0812989A - 塑性加工用防錆潤滑剤組成物 - Google Patents

塑性加工用防錆潤滑剤組成物

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JPH0812989A
JPH0812989A JP16865594A JP16865594A JPH0812989A JP H0812989 A JPH0812989 A JP H0812989A JP 16865594 A JP16865594 A JP 16865594A JP 16865594 A JP16865594 A JP 16865594A JP H0812989 A JPH0812989 A JP H0812989A
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pentaerythritol
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glycerin
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Yukio Matsuzaki
幸雄 松崎
Tsunetoshi Sugawara
常年 菅原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に鋼板や表面処理鋼板の塑性加工、すなわ
ちプレス成形、曲げ成形、引き抜き成形、しごき成形な
どの塑性加工において好ましく用いられる塑性加工用防
錆潤滑剤組成物を開発する。 【構成】 組成物全量基準で、(A)特定の蒸気圧を有
する炭化水素系溶剤20〜70重量%、(B)特定の硫
黄含有量の硫化エステル20〜70重量%、(C)特定
の動粘度を有する精製鉱油および/または合成油2〜3
0重量%、並びに(D)特定の(a)〜(d)の中から
選ばれる1種または2種以上の化合物2〜20重量%を
必須成分として配合することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塑性加工用防錆潤滑剤組
成物に関し、詳しくは特に鋼板や表面処理鋼板の塑性加
工、すなわちプレス成形、曲げ成形、引き抜き成形、し
ごき成形などの塑性加工において好ましく用いられる塑
性加工用防錆潤滑剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、硫化エステルを含有する塑性
加工用潤滑剤は優れた加工性を有していることが知られ
ていた。したがって鋼板や表面処理鋼板のブレス成形、
曲げ成形、引き抜き成形、しごき成形などの塑性加工に
おいては、潤滑油基油に対して組成物全量基準で硫化エ
ステルを3〜10重量%程度含有する潤滑剤が多用され
てきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、鋼板グレードの
統一化動向や自動車等の車体重量軽減のために、深絞り
性の比較的低い鋼板やアルミニウム合金板などの難加工
性材料を、深絞りプレス部位へ適用したいという要求が
高くなってきた。しかしながら、このような難加工性材
料の深絞りプレス加工を行うには、塑性加工用潤滑剤に
非常に高い加工性が要求される。従来公知の潤滑剤では
プレス加工の際にプレス割れが生じるなどの問題が発生
し、更に高い加工性を有する塑性加工用潤滑剤の開発が
望まれていた。また一般的に硫黄を含有する添加剤は優
れた加工性を有することが知られているが、同時にこの
ような硫黄含有添加剤は腐食性を有するものが多いた
め、加工性と防錆性との両立は非常に困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく研究を重ねた結果、硫化エステルを極めて
多量に含有し、さらに特定性状の揮発性溶剤、鉱油系潤
滑油および特定の構造の化合物を所定量配合してなる潤
滑剤組成物が、極めて優れた加工性と防錆性を有するこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、特
に鋼板や表面処理鋼板の塑性加工において、極めて良好
な加工性と防錆性を兼ね備えた塑性加工用防錆潤滑剤組
成物を提供することを目的とする。
【0005】本発明は、組成物全量基準で、 (A)25℃での蒸気圧が5.0×10-6〜2.0×10-2MPaの炭化水素系 溶剤、 20〜70重量%、 (B)硫黄含有量5〜20重量%の硫化エステル、20〜70重量%、 (C)40℃での動粘度が5.0〜2000mm2 /sの精製鉱油および/また は合成油、 2〜30重量%、 並びに (D)以下の(a)〜(d)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物、 2〜20重量%、 (a)スルフォン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアミン塩 (b)酸化ワックス金属塩 (c)グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタ エリスリトールおよびソルビタンの中から選ばれる1種類以上の多価ア ルコールと炭素数10〜22の脂肪酸の部分エステル (d)ラノリン脂肪酸エステル を必須成分として配合してなる塑性加工用防錆滑潤剤組
成物を提供するものである。以下、本発明の内容をより
詳細に説明する。
【0006】本発明における(A)成分は、25℃での
蒸気圧が5.0×10-6〜2.0×10-2MPaの炭化
水素系溶剤である。この炭化水素系溶剤の25℃での蒸
気圧の下限は5.0×10-6MPa、好ましくは1.0
×10-4MPaであり、一方、上限は2.0×10-2
Pa、好ましくは5.0×10-3MPaである。25℃
での蒸気圧が5.0×10-6MPa未満の場合は防錆潤
滑剤塗布後の塗布被膜の乾燥性が悪く、一方、蒸気圧が
2.0×10-2MPaを超える場合は防錆潤滑剤の引火
性が大きくなり安全面で問題があるため、それぞれ好ま
しくない。
【0007】(A)成分の炭化水素系溶剤としては、上
記の蒸気圧の規定以外には特に限定されるものではな
く、通常の炭化水素系溶剤として使用されている鉱油系
および/または合成系炭化水素溶剤が使用できる。鉱油
系溶剤としては、具体的には例えば、原油を常圧蒸留ま
たは減圧蒸留して得られた溶剤留分を、水素化精製、硫
酸洗浄、白土処理等の精製処理を適宜組み合わせて精製
した、パラフィン系、ナフテン系、アロマティック系な
どの溶剤留分およびこれらの混合物などが使用できる。
【0008】また、合成系炭化水素溶剤としては、例え
ば、パラフィン系、ナフテン系、アロマティック系、オ
レフィン系合成炭化水素溶剤が使用できる。こごいうパ
ラフィン系合成炭化水素溶剤としては、具体的には例え
ば、プロピレン、プテンおよびイソブチレンなどのオレ
フィンを単独で、またはその混合物を重合して得られる
低分子量オリゴマーを、さらにその中に含まれる二重結
合を水素化して製造される、いわゆる合成イソパラフィ
ンなどが挙げられる。
【0009】またナフテン系合成炭化水素溶剤として
は、具体的には例えば、α−メチルスチレンの2量体化
やベンゼン、トルエン、キシレンのスチレンによるアル
キル化により得られるジアリールアルカンをさらに核水
素化することにより製造される、いわゆる合成ナフテン
などが挙げられる。
【0010】また、アロマティック系合成炭化水素溶剤
としては、具体的には例えば、プロピレンオリゴマーで
ベンゼンをアルキル化することによって得られるハード
型アルキルベンゼンや、灯油より分離したノルマルパラ
フィンを脱水素化して得られるノルマルオレフィン、あ
るいはノルマルパラフィンを塩素化して得られる塩素化
パラフィンによってベンゼンをアルキル化して製造され
るソフト型アルキルベンゼンなどが挙げられる。
【0011】またオレフィン系合成炭化水素溶剤として
は、具体的には例えば、エチレン、プロピレン、ブテン
およびイソブチレンなどのオレフィンを単独で、またそ
の混合物の形で重合することによって製造される低分子
量オリゴマーなどが挙げられる。これらの合成系炭化水
素溶剤は単独で使用してもよく、また2種類以上併用し
てもよい。さらに鉱油系炭化水素溶剤と任意の割合で混
合した混合溶剤も使用できる。
【0012】本発明の塑性加工用防錆潤滑剤組成物にお
ける(A)成分の配合量の下限は、組成物全量基準で2
0重量%、好ましくは25重量%であり、一方、配合量
の上限は、組成物全量基準で70重量%、好ましくは6
5重量%である。(A)成分の配合量が組成物全量基準
で20重量%未満の場合は防錆剤の粘度が高くなり作業
性が低下し、一方、配合量が組成物全量基準で70重量
%を超える場合は得られる防錆潤滑剤の被膜が薄くな
り、加工性や防錆性が低下するため、それぞれ好ましく
ない。
【0013】また、本発明における(B)成分は、硫黄
含有量が5〜20重量%の硫化エステルである。本発明
における硫化エステルの製造方法は任意であるが、通
常、油脂や1分子中に1個以上の不飽和結合を有するカ
ルボン酸エステルと、硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄、
メルカプタン類などの硫黄化合物とを高温で反応させる
ことによって得られる。この製造方法の詳細について
は、具体的には例えば、特開昭59−159896号公
報に記載されている。
【0014】ここでいう油脂としては、具体的には例え
ば、魚油、牛脂、豚脂、抹香鯨油、ラノリン油脂などの
動物油脂や、トール油、亜麻仁油、オリーブ油、大豆
油、ナタネ油、ヒマシ油、落花生油、米糖油などの植物
油脂およびこれらの混合物などが好ましく用いられる。
【0015】またここでいうカルボン酸エステルとして
は、炭素数3〜20の不飽和カルボン酸、具体的には例
えば、アクリル酸、プロピオル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸、オレイン酸、エライジン酸、
リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、および上記動
植物油脂から抽出、加水分解し、精製して得られる油脂
カルボン酸などの不飽和カルボン酸の炭素数1〜20の
アルキルエステル、具体的には例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシ
ル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプ
タデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシルなど
のアルキルエステルが好ましく用いられる。
【0016】本発明の(B)成分としては、特に加工性
に優れる点から、上記に例示したような動植物油脂の硫
化物、いわゆる硫化油脂がより好ましく用いられる。本
発明の(B)成分の硫化エステルの硫黄含有量の下限
は、5重量%、好ましくは8重量%であり、一方、硫黄
含有量の上限は、20重量%、好ましくは15重量%で
ある。(B)成分の硫黄含有量が5重量%未満の場合は
加工性が低下し、一方、硫黄含有量が20%を超える場
合は防錆性が低下するため、それぞれ好ましくない。
【0017】本発明の塑性加工用防錆潤滑剤組成物にお
ける(B)成分の配合量の下限は、組成物全量基準で2
0重量%、好ましくは25重量%、一方、配合量の上限
は、組成物全量基準で70重量%、好ましくは50重量
%である。(B)成分の配合量が組成物全量基準で20
重量%未満の場合は加工性が低下し、一方、配合量が組
成物全量基準で70重量%を超える場合は防錆潤滑剤の
粘度が高くなり作業性が低下するため、それぞれ好まし
くない。
【0018】また本発明における(C)成分は、40℃
での動粘度が5.0〜2000mm2 /sの精製鉱油お
よび/または合成油である。この精製鉱油および/また
は合成油は、40℃における動粘度が5.0〜2000
mm2 /s、好ましくは10〜1000mm2 /sのも
のであるが、その種類は特に限定されるものではなく、
通常潤滑油の基油として使用される精製鉱油や合成油が
使用できる。
【0019】精製鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸
留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れ
き、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、
水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を適宜組
み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系などの油
が使用できる。
【0020】また、合成油としては、例えば、ポリα−
オレフィン(ポリブテン、1−オクテンオリゴマー、1
−デセンオリゴマーなど)、アルキルベンゼン、アルキ
ルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレー
ト、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルア
ジペート、ジトリデシルアジペート、ジ2−エチルヘキ
シルセバケートなど)、ポリオールエステル(トリメチ
ロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパン
ペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキ
サノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネートな
ど)、ポリオキシアルキレングリコール、ポリフェニル
エーテルなどが使用できる。これらの精製鉱油および合
成油は単独でも、また2種以上組み合わせて使用しても
よい。
【0021】本発明の塑性加工用防錆潤滑剤組成物にお
ける(C)成分の配合量の下限は、組成物全量基準で2
重量%、好ましくは5重量%であり、一方、配合量の上
限は、組成物全量基準で30重量%、好ましくは20重
量%である。(C)成分の配合量が組成物全量基準で2
重量%未満の場合は防錆性が低下し、一方、配合量が組
成物全量基準で30重量%を超える場合は加工性が低下
するため、それぞれ好ましくない。
【0022】また本発明における(D)成分は、以下の
(a)〜(d)の中から選ばれる1種または2種以上の
化合物である。 (a)スルフォン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金
属塩またはアミン塩 (b)酸化ワックス金属塩 (c)グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトールおよびソルビタン
の中から選ばれる1種類以上の多価アルコールと炭素数
10〜22の脂肪酸の部分エステル (d)ラノリン脂肪酸エステル
【0023】この(a)成分は、スルフォン酸のアルカ
リ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアミン塩である。
アルカリ金属としては具体的にはナトリウムやカリウム
などが挙げられ、アルカリ土類金属としては具体的に
は、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどが挙げら
れる。またアミンとしてはアンモニア;モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピ
ルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミンな
ど、炭素数1〜3のアルキル基を有するアルキル;モノ
メタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノー
ルアミン、モノタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプ
ロパノールアミン、トリプロパノールアミンなど、炭素
数1〜3のアルカノール基を有するアルカノールアミ
ン;などが挙げられる。
【0024】上記(a)成分は特に製造方法を限定する
ものではなく、任意の方法によって製造されたものが使
用可能であるが、具体的には例えば、分子量100〜1
500、好ましくは200〜700のアルキル芳香族化
合物をスルフォン化することによって得られるアルキル
芳香族スルフォン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金
属塩、アミン塩およびこれらの混合物などが使用でき
る。
【0025】ここでいうアルキル芳香族スルフォン酸と
しては、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合
物をスルフォン化したものやホワイトオイル製造時に副
生する、いわゆるマホガニー酸などの石油スルフォン酸
や、例えば洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラ
ントから副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアル
キル化することにより得られる、直鎖状や分枝状のアル
キル基を有するアルキルベンゼンをスルフォン化したも
の、あるいはジノニルナフタレンなどのアルキルナフタ
レンをスルフォン化したものなどの合成スルフォン酸な
どが挙げられる。
【0026】この(a)成分としては、上記のアルキル
芳香族スルフォン酸を直接アルカリ金属塩基(アルカリ
金属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土類塩基(ア
ルカリ土類金属の酸化物や水酸化物など)または上述し
たアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノール
アミンなど)と反応させることにより得られる中性(正
塩)スルフォネートや塩基性スルフォネートだけでな
く、中性(正塩)スルフォネートを炭酸ガスの存在下で
さらに過剰のアルカリ金属塩基やアルカリ土類金属基と
反応させることによって製造される炭酸塩過塩基化スル
フォネートや、中性(正塩)スルフォネートをアルカリ
金属塩基やアルカリ土類金属塩基、およびホウ酸または
無水ホウ酸などのホウ酸化合物と反応させることによっ
て製造されるホウ酸塩過塩基化スルフォネートなどを用
いることができる。
【0027】(a)成分のJIS K 2501な規定
する過塩素酸法による全塩基価は任意であるが、通常0
〜500mgKOH/g、好ましくは0〜400mgK
OH/gの塩基価を有するスルフォン酸塩を用いること
ができる。
【0028】また上記の(b)成分は、酸化ワックス金
属塩である。この酸化ワックス金属塩とは、石油留分の
精製の際に得られるパラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックス、ペトロラタムや合成により得られる
ポリオレフィンワックスなどのワックスを酸化すること
によって製造される酸化ワックスに対して、さらにナト
リウム、カリウムなどのアルカリ金属やマグネシウム、
カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属の塩や塩
基を反応させ、酸化ワックスが有する酸性基の一部また
は全部を中和して金属塩としたものであり、本発明にお
いては特に酸化ワックスバリウム塩が好ましく用いら
れ、酸化パラフィンパリウム塩がより好ましく用いられ
る。
【0029】(b)成分のケン化価、全酸価および金属
含有量は任意であるが、組成物の貯蔵安定性や酸化安定
性、水置換性およびさび止め性に優れる点から、JIS
K2503に規定するケン化価が50〜100mgK
OH/g、JIS K 2501に規定する全酸価が2
〜20mgKOH/gおよび金属含有量2〜6重量%の
性状を有するものが好ましく用いられる。
【0030】また上記の(c)成分は、グリセリン、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトールおよびソルビタンの中から選ばれる1種
類以上の多価アルコールと炭素数10〜22の脂肪酸の
部分エステルである。なおここでいう部分エステルとは
多価アルコール中の水酸基の少なくとも1個以上がエス
テル化されない水酸基の形のままで残っているエステル
を意味する。
【0031】ここでいう脂肪酸としては飽和脂肪酸でも
不飽和脂肪酸でもよく、また直鎖状脂肪酸でも分枝状脂
肪酸でもよい。具体的には例えば、デカン酸(全ての異
性体を含む)、ウンデカン酸(全ての異性体を含む)、
ドデカン酸(全ての異性体を含む)、トリデカン酸(全
ての異性体を含む)、テトラデカン酸(全ての異性体を
含む)、ペンタデカン酸(全ての異性体を含む)、ヘキ
サデカン酸(全ての異性体を含む)、ヘプタデカン酸
(全ての異性体を含む)、オクタデカン酸(全ての異性
体を含む)、ノナデカン酸(全ての異性体を含む)、エ
イコサン酸(全ての異性体を含む)、ヘンエイコサン酸
(全ての異性体を含む)、ドコサン酸(全ての異性体を
含む)などの飽和脂肪酸;デセン酸(全ての異性体を含
む)、ウンデセン酸(全ての異性体を含む)、ドデセン
酸(全ての異性体を含む)、トリデセン酸(全ての異性
体を含む)、テトラデセン酸(全ての異性体を含む)、
ペンタデセン酸(全ての異性体を含む)、ヘキサデセン
酸(全ての異性体を含む)、ヘプタデセン酸(全ての異
性体を含む)、オクタデセン酸(全ての異性体を含
む)、ノナデセン酸(全ての異性体を含む)、エイコセ
ン酸(全ての異性体を含む)、ヘンエイコセン酸(全て
の異性体を含む)、ドコセン酸(全ての異性体を含む)
などの不飽和脂肪酸;およびこれらの混合物などが挙げ
られる。
【0032】(c)成分としては、具体的には例えば、
グリセリンモノドデカノエート(グリセリンモノラウレ
ート)、グリセリンモノイソラウレート、グリセリンジ
ドデカノエート(グリセリンジラウレート)、グリセリ
ンジイソラウレート、グリセリンモノテトラデカノエー
ト(グリセリンモノミリステート)、グリセリンモノイ
ソミリステート、グリセリンジテトラデカノエート(グ
リセリンジミリステート)、グリセリンジイソミリステ
ート、グリセリンモノヘキサデカノエート(グリセリン
モノパルミテート)、グリセリンモノイソパルミテー
ト、グリセリンジヘキサデカノエート(グリセリンジパ
ルミテート)、グリセリンジイソパルミテート、グリセ
リンモノオクタデカノエート(グリセリンモノステアレ
ート)、グリセリンモノイソステアレート、グリセリン
ジオクタデカノエート(グリセリンジステアレート)、
グリセリンジイソステアレート、グリセリンモノオクタ
デセノエート(グリセリンモノオレエート)、グリセリ
ンモノイソオレエート、グリセリンジオクタデセノエー
ト(グリセリンジオレエート)、グリセリンジイソオレ
エートなどのグリセリン部分エステル;トリメチロール
エタンモノドデカノエート(トリメチロールエタンモノ
ラウレート)、トリメチロールエタンモノイソラウレー
ト、トリメチロールエタンジドデカノエート(トリメチ
ロールエタンジラウレート)、トリメチロールエタンジ
イソラウレート、トリメチロールエタンモノテトラデカ
ノエート(トリメチロールエタンモノミリステート)、
トリメチロールエタンモノイソミリステート、トリメチ
ロールエタンジテトラデカノエート(トリメチロールエ
タンジミリステート)、トリメチロールエタンジイソミ
リステート、トリメチロールエタンモノヘキサデカノエ
ート(トリメチロールエタンモノパルミテート)、トリ
メチロールエタンモノイソパルミテート、トリメチロー
ルエタンジヘキサデカノエート(トリメチロールエタン
ジパルミテート)、トリメチロールエタンジイソパルミ
テート、トリメチロールエタンモノオクタデカノエート
(トリメチロールエタンモノステアレート)、トリメチ
ロールエタンモノイソステアレート、トリメチロールエ
タンジオクタデカノエート(トリメチロールエタンジス
テアレート)、トリメチロールエタンジイソステアレー
ト、トリメチロールエタンモノオクタデセノエート(ト
リメチロールエタンモノオレエート)、トリメチロール
エタンモノイソオレエート、トリメチロールエタンジオ
クタデセノエート(トリメチロールエタンジオレエー
ト)、トリメチロールエタンジイソオレエートなどのト
リメチロールエタン部分エステル;トリメチロールプロ
パンモノドデカノエート(トリメチロールプロパンモノ
ラウレート)、トリメチロールプロパンモノイソラウレ
ート、トリメチロールプロパンジドデカノエート(トリ
メチロールプロパンジラウレート)、トリメチロールプ
ロパンジイソラウレート、トリメチロールプロパンモノ
テトラデカノエート(トリメチロールプロパンモノミリ
ステート)、トリメチロールプロパンモノイソミリステ
ート、トリメチロールプロパンジテトラデカノエート
(トリメチロールプロパンジミリステート)、トリメチ
ロールプロパンジイソミリステート、トリメチロールプ
ロパンモノヘキサデカノエート(トリメチロールプロパ
ンモノパルミテート)、トリメチロールプロパンモノイ
ソパルミテート、トリメチロールプロパンジヘキサデカ
ノエート(トリメチロールプロパンジパルミテート)、
トリメチロールプロパンジイソパルミテート、トリメチ
ロールプロパンモノオクタデカノエート(トリメチロー
ルプロパンモノステアレート)、トリメチロールプロパ
ンモノイソステアレート、トリメチロールプロパンジオ
クタデカノエート(トリメチロールプロパンジステアレ
ート)、トリメチロールプロパンジイソステアレート、
トリメチロールプロパンモノオクタデセノエート(トリ
メチロールプロパンモノオレエート)、トリメチロール
プロパンモノイソオレエート、トリメチロールプロパン
ジオクタデセノエート(トリメチロールプロパンジオレ
エート)、トリメチロールプロパンジイソオレエートな
どのトリメチロールプロパン部分エステル;ペンタエリ
スリトールモノドデカノエート(ペンタエリスリトール
モノラウレート)、ペンタエリスリトールモノイソラウ
レート、ペンタエリスリトールジドデカノエート(ペン
タエリスリトールジラウレート)、ペンタエリスリトー
ルジイソラウレート、ペンタエリスリトールトリドデカ
ノエート(ペンタエリスリトールトリラウレート)、ペ
ンタエリスリトールトリイソラウレート、ペンタエリス
リトールモノテトラデカノエート(ペンタエリスリトー
ルモノミリステート)、ペンタエリスリトールモノイソ
ミリステート、ペンタエリスリトールジテトラデカノエ
ート(ペンタエリスリトールジミリステート)、ペンタ
エリスリトールジイソミリステート、ペンタエリスリト
ールトリテトラデカノエート(ペンタエリスリトールト
リミリステート)、ペンタエリスリトールトリイソミリ
ステート、ペンタエリスリトールモノヘキサデカノエー
ト(ペンタエリスリトールモノパルミテート)、ペンタ
エリスリトールモノイソパルミテート、ペンタエリスリ
トールジヘキサデカノエート(ペンタエリスリトールジ
パルミテート)、ペンタエリスリトールジイソパルミテ
ート、ペンタエリスリトールトリヘキサデカノエート
(ペンタエリスリトールトリパルミテート)、ペンタエ
リスリトールトリイソパルミテート、ペンタエリスリト
ールモノオクタデカノエート(ペンタエリスリトールモ
ノステアレート)、ペンタエリスリトールモノイソステ
アレート、ペンタエリスリトールジオクタデカノエート
(ペンタエリスリトールジステアレート)、ペンタエリ
スリトールジイソステアレート、ペンタエリスリトール
トリオクタデカノエート(ペンタエリスリトールトリス
テアレート)、ペンタエリスリトールトリイソステアレ
ート、ペンタエリスリトールモノオクタデセノエート
(ペンタエリスリトールモノオレエート)、ペンタエリ
スリトールモノイソオレエート、ペンタエリスリトール
ジオクタデセノエート(ペンタエリスリトールジオレエ
ート)、ペンタエリスリトールジイソオレエート、ペン
タエリスリトールトリオクタデセノエート(ペンタエリ
スリトールトリオレエート)、ペンタエリスリトールト
リイソオレエートなどのペンタエリスリトール部分エス
テル;ソルビタンモノドデカノエート(ソルビタンモノ
ラウレート)、ソルビタンモノイソラウレート、ソルビ
タンジドデカノエート(ソルビタンジラウレート)、ソ
ルビタンジイソラウレート、ソルビタントリドデカノエ
ート(ソルビタントリラウレート)、ソルビタントリイ
ソラウレート、ソルビタンモノテトラデカノエート(ソ
ルビタンモノミリステート)、ソルビタンモノイソミリ
ステート、ソルビタンジテトラデカノエート(ソルビタ
ンジミリステート)、ソルビタンジイソミリステート、
ソルビタントリテトラデカノエート(ソルビタントリミ
リステート)、ソルビタントリイソミリステート、ソル
ビタンモノヘキサデカノエート(ソルビタンモノパルミ
テート)、ソルビタンモノイソパルミテート、ソルビタ
ンジヘキサデカノエート(ソルビタンジパルミテー
ト)、ソルビタンジイソパルミテート、ソルビタントリ
ヘキサデカノエート(ソルビタントリパルミテート)、
ソルビタントリイソパルミテート、ソルビタンモノオク
タデカノエート(ソルビタンモノステアレート)、ソル
ビタンモノイソステアレート、ソルビタンジオクタデカ
ノエート(ソルビタンジステアレート)、ソルビタンジ
イソステアレート、ソルビタントリオクタデカノエート
(ソルビタントリステアレート)、ソルビタントリイソ
ステアレート、ソルビタンモノオクタデセノエート(ソ
ルビタンモノオレエート)、ソルビタンモノイソオレエ
ート、ソルビタンジオクタデセノエート(ソルビタンジ
オレエート)、ソルビタンジイソオレエート、ソルビタ
ントリオクタデセノエート(ソルビタントリオレエー
ト)、ソルビタントリイソオレエートなどのソルビタン
部分エステル;およびこれらの混合物などが好ましく用
いられ、特にモノエステルであるグリセリンモノドデカ
ノエート(グリセリンモノラウレート)、グリセリンモ
ノイソラウレート、グリセリンモノテトラデカノエート
(グリセリンモノミリステート)、グリセリンモノイソ
ミリステート、グリセリンモノヘキサデカノエート(グ
リセリンモノパルミテート)、グリセリンモノイソパル
ミテート、グリセリンモノオクタデカノエート(グリセ
リンモノステアレート)、グリセリンモノイソステアレ
ート、グリセリンモノオクタデセノエート(グリセリン
モノオレエート)、グリセリンモノイソオレエート;ト
リメチロールエタンモノドデカノエート(トリメチロー
ルエタンモノラウレート)、トリメチロールエタンモノ
イソラウレート、トリメチロールエタンモノテトラデカ
ノエート(トリメチロールエタンモノミリステート)、
トリメチロールエタンモノイソミリステート、トリメチ
ロールエタンモノヘキサデカノエート(トリメチロール
エタンモノパルミテート)、トリメチロールエタンモノ
イソパルミテート、トリメチロールエタンモノオクタデ
カノエート(トリメチロールエタンモノステアレー
ト)、トリメチロールエタンモノイソステアレート、ト
リメチロールエタンモノオクタデセノエート(トリメチ
ロールエタンモノオレエート)、トリメチロールエタン
モノイソオレエート;トリメチロールプロパンモノドデ
カノエート(トリメチロールプロパンモノラウレー
ト)、トリメチロールプロパンモノイソラウレート、ト
リメチロールプロパンモノテトラデカノエート(トリメ
チロールプロパンモノミリステート)、トリメチロール
プロパンモノイソミリステート、トリメチロールプロパ
ンモノヘキサデカノエート(トリメチロールプロパンモ
ノパルミテート)、トリメチロールプロパンモノイソパ
ルミテート、トリメチロールプロパンモノオクタデカノ
エート(トリメチロールプロパンモノステアレート)、
トリメチロールプロパンモノイソステアレート、トリメ
チロールプロパンモノオクタデセノエート(トリメチロ
ールプロパンモノオレエート)、トリメチロールプロパ
ンモノイソオレエート;ペンタエリスリトールモノドデ
カノエート(ペンタエリスリトールモノラウレート)、
ペンタエリスリトールモノイソラウレート、ペンタエリ
スリトールモノテトラデカノエート(ペンタエリスリト
ールモノミリステート)、ペンタエリスリトールモノイ
ソミリステート、ペンタエリスリトールモノヘキサデカ
ノエート(ペンタエリスリトールモノパルミテート)、
ペンタエリスリトールモノイソパルミテート、ペンタエ
リスリトールモノオクタデカノエート(ペンタエリスリ
トールモノステアレート)、ペンタエリスリトールモノ
イソステアレート、ペンタエリスリトールモノオクタデ
セノエート(ペンタエリスリトールモノオレエート)、
ペンタエリスリトールモノイソオレエート;ソルビタン
モノドデカノエート(ソルビタンモノラウレート)、ソ
ルビタンモノイソラウレート、ソルビタンモノテトラデ
カノエート(ソルビタンモノミリステート)、ソルビタ
ンモノイソミリステート、ソルビタンモノヘキサデカノ
エート(ソルビタンモノパルミテート)、ソルビタンモ
ノイソパルミテート、ソルビタンモノオクタデカノエー
ト(ソルビタンモノステアレート)、ソルビタンモノイ
ソステアレート、ソルビタンモノオクタデセノエート
(ソルビタンモノオレエート)、ソルビタンモノイソオ
レエート;およびこれらの混合物などがより好ましく用
いられる。
【0033】また上記の(d)成分は、ラノリン脂肪酸
エステルである。このラノリン脂肪酸エステルとは、羊
の毛に付着するろう状物質を精製して得られるラノリン
(羊毛脂)にグリセリン、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタ
ンなどの多価アルコールを反応させ、ラノリン中に含有
される脂肪酸成分の一部または全部をエステル化したも
のである。本発明のラノリン脂肪酸エステルのケン化価
および全酸価は任意であるが、組成物の貯蔵安定性や酸
化安定性、水置換性およびさび止め性に優れる点から、
JIS K2503に規定するケン化価50〜220m
gKOH/gおよびJIS K2501に規定する全酸
価2〜10mgKOH/gの性状を有するものが好まし
く用いられる。
【0034】また、もちろんのことであるが、本発明の
(D)成分としては上記(a)成分、(b)成分、
(c)成分および(d)成分の中から選ばれる2種以上
の化合物を任意の割合で混合した混合物も好ましく用い
ることができる。本発明の塑性加工用防錆潤滑剤組成物
における(D)成分の配合量の下限は、組成物全量基準
で2重量%、好ましくは5重量%であり、一方、配合量
の上限は、組成物全量基準で20重量%、好ましくは1
0重量%である。(D)成分の配合量が組成物全量基準
で2重量%未聞の場合は防錆性が低下し、一方、配合量
が組成物全量基準で20重量%を超える場合は加工性が
低下するため、それぞれ好ましくない。
【0035】本発明においては上述のように、(A)〜
(D)成分を所定量配合することにより、加工性に優れ
た塑性加工用防錆潤滑剤塑性物を得ることができるが、
その各種性能をさらに高める目的で公知の潤滑油添加剤
を単独で、または数種類組み合わせた形で使用すること
ができる。
【0036】これらの添加剤としては、具体的には例え
ば、トリクレジルフォスフェートなどのリン酸エステ
ル、豚脂などの油脂、脂肪酸などに代表される潤滑性向
上剤;2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−
ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t
ert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6
−tert−ブチル−o−クレゾール)などに代表され
る酸化防止剤;ジエチレングリコールモノアルキルエー
テルなどの湿潤剤;アクリルポリマー、パラフィンワッ
クス、マイクロワックス、スラックワックス、ポリオレ
フィンワックスなどの造膜剤;脂肪酸アミン塩などの水
置換剤;ジアルキルジチオリン酸亜鉛、硫化油脂、リン
化合物などの極圧剤;グラファイト、フッ化黒鉛、二流
化モリブデン、窒化ホウ素、ポリエチレン粉末などの固
体潤滑剤;アミン、アルカノールアミン、アミド、カル
ボン酸などの腐食防止剤;ベンゾトリアゾール、チアジ
アゾールなどの金属不活性化剤;メチルシリコーン、フ
ルオロシリコーン、ポリアクリレートなどの消包剤;な
どが挙げられ、これらを単独で使用してもよく、また2
種類以上組み合わせて使用してもよい。これら公知の添
加剤を併用する場合の含有量は任意であるが、通常、こ
れらの公知の添加剤の合計含有量が組成物全量基準で
0.1〜10重量%となるような量を添加するのが望ま
しい。
【0037】本発明に係る塑性加工用防錆潤滑剤組成物
は、例えば通常の鋼板や、溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化
溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛−
鉄合金メッキ鋼板、電気亜鉛−ニッケル合金メッキ鋼
板、二層メッキ鋼板、ターンシートなどの表面処理鋼板
の塑性加工、具体的には例えば、プレス成形、曲げ成
形、引き抜き成形、しごき成形などにおいて特に好まし
く使用されるものである。また鋼板や表面処理鋼板の塑
性加工のみでなく、アルミニウムおよびアルミニウム合
金などの非鉄金属の圧延、絞り、しごき、引き抜きなど
の塑性加工においても好適に用いられるものである。
【0038】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例および比較例に
よりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの内容
に何ら限定されるものではない。 (実施例1〜5)下記の(A)成分〜(D)成分を用い
表1に示す組成により、本発明に係る塑性加工用防錆潤
滑剤組成物を調製した。各組成物につき、以下に示す試
験により性能評価を行い、その結果を表1に併記した。
【0039】(A)成分 A:鉱油系のナフテン系炭化水素系溶剤(蒸気圧3.0
×10-4MPa(@25℃)) B:イソブチレンオリゴーマの水素添加物からなる合成
イソパラフィン(蒸気圧3.0×10-3MPa(@25
℃)) (B)成分 A:硫化豚脂(硫黄含有量13重量%) B:硫化ラノリン油脂(硫黄含有量10重量%) (C)成分 A:パラフィン系溶剤精製鉱油(動粘度25cSt(@
40℃)) (D)成分 A:石油スルフォン酸の中性バリウム塩(全塩基価(過
塩素酸法)0mgKOH/g) B:酸化パラフィンBa塩(ケン化価65mgKOH/
g、全酸価4.0mgKOH/g、Ba含有量4.0重
量%) C:ソルビタンモノオレエート D:ラノリン脂肪酸ペンタエリスリトールエステル(ケ
ン化価100mgKOH/g、全酸価5mgKOH/
g)
【0040】[円筒成形性試験]以下の試験板材A〜C
の表面に試料油を2g/m2 の割合でスプレー塗油し、
室温で12時間放置乾燥後、ポンチ径50mmのSKD
11製工具を用い、ポンチ速度600mm/minの条
件で円筒成形試験を行ってその最大のしわ押さえ力(t
f)で評価した。この値が大きいほど加工性に優れてい
ることを示す。なお、絞り比は冷間鋼板および合金化溶
融亜鉛メッキ鋼板では2.2、アルミニウム合金板では
1.9とした。 試験板材 A:冷間圧延鋼板でJISグレードSPCE材(板厚
0.8mm) B:溶融メッキ法により片面当たり45g/m2 の亜鉛
をメッキし、熱処理によりメッキ層を合金化した、両面
合金化溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚0.8mm) C:5000系アルミニウム合金板(板厚1.0mm)
【0041】[極圧性試験]JIS K2519.4.
1に規定する曾田式四球法に準拠し、試料油の焼付き限
界荷重(kgf/cm2 )を求めた。この値が大きいほ
ど、極圧性に優れていることを示す。
【0042】[さび止め性試験]JIS K2246.
4.33に規定する「塩水噴霧試験」に準拠して実施し
た。試験時間5時間以上錆発生が認められなかった場合
(A級)を5、4〜5時間で錆発生が認められた場合を
4、3〜4時間で錆発生が認められた場合を3、2〜3
時間で錆発生が認められた場合を2、2時間以内に錆発
生が認められた場合を1とした5段階評価法で評価し
た。評点が大きいほど防錆性に優れることを示す。
【0043】(比較例1〜5)比較のため表1に示す組
成に従い、(A)成分を用いない場合(比較例1)、
(B)成分を用いない場合(比較例2)、(C)成分を
用いない場合(比較例3)、(D)成分を用いない場合
(比較例4)および(B)成分の含有量が低い場合(比
較例5)についても組成物を調製した。各組成物につ
き、実施例と同様にして性能評価を行い、その結果を表
1に併記した。
【0044】
【表1】
【0045】表1の性能評価の結果に示すとおり、本発
明に係る実施例の塑性加工用防錆潤滑剤組成物は、加工
性、極圧性およびさび止め性に優れるという、極めて良
好な性能を兼ね備えている。それに対して比較例1〜4
のように、本発明の(A)〜(D)成分のどれか1成分
が欠けただけでも、その性能は実施例の組成物より大き
く劣り、本発明の組成物の優秀性が明らかである。また
比較例5は(B)成分の含有量が本発明の規定範囲外の
場合であるが、加工性や極圧性能に劣り、本発明の目的
を満足するものではない。
【0046】
【発明の効果】本発明の塑性加工用防錆潤滑剤組成物
は、特に鋼板や表面処理鋼板の塑性加工において、極め
て良好な加工性と防錆性を兼ね備えているので、鋼板や
表面処理鋼板のプレス成形、曲げ成形、引き抜き成形、
しごき成形などの塑性加工において好ましく用いること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 135:10 159:06 129:76 129:74 159:08) C10N 10:02 10:04 30:12 40:24 Z 60:04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成物全量基準で、 (A)25℃での蒸気圧が5.0×10-6〜2.0×10-2MPaの炭化水素系 溶剤、 20〜70重量%、 (B)硫黄含有量5〜20重量%の硫化エステル、20〜70重量%、 (C)40℃での動粘度が5.0〜2000mm2 /sの精製鉱油および/また は合成油、 2〜30重量%、 並びに (D)以下の(a)〜(d)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物、 2〜20重量%、 (a)スルフォン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアミン塩 (b)酸化ワックス金属塩 (c)グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタ エリスリトールおよびソルビタンの中から選ばれる1種類以上の多価ア ルコールと炭素数10〜22の脂肪酸の部分エステル (d)ラノリン脂肪酸エステル を必須成分として配合してなる塑性加工用防錆潤滑剤組
    成物。
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Cited By (7)

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