JPH081292B2 - 灰の溶融固化処理装置及び溶融固化処理方法 - Google Patents

灰の溶融固化処理装置及び溶融固化処理方法

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JPH081292B2
JPH081292B2 JP28459092A JP28459092A JPH081292B2 JP H081292 B2 JPH081292 B2 JP H081292B2 JP 28459092 A JP28459092 A JP 28459092A JP 28459092 A JP28459092 A JP 28459092A JP H081292 B2 JPH081292 B2 JP H081292B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、灰の溶融固化処理装置
及び溶融固化処理方法に関し、詳細には、下水汚泥,都
市ゴミ,廃棄物等の処理物から生じる灰分含有体、即
ち、該処理物の加熱乾燥処理等の加熱処理により生じる
灰分含有混合体や、該処理物を焼却する焼却炉から排出
される焼却灰の如き灰分含有体、又は、石炭を燃料とす
るボイラ,キルン,工業炉等から排出される石炭灰(以
降、灰という)を溶融し、スラグ化した後、冷却固化す
る灰の溶融固化処理装置及び溶融固化処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上記灰(即ち、前記灰分含有混合
体や焼却灰の如き灰分含有体、及び、石炭灰)は、主に
海洋埋立てに利用して廃棄処理されていた。即ち、前記
灰分含有混合体は該混合体中可燃物の除去処理後埋立て
られ、焼却灰や石炭灰はかかる処理をすることなく、そ
のままの状態で埋立てられていた。しかし、近年では埋
立て地の確保の困難化、及び、海洋汚染防止に係る廃棄
基準の厳格化に伴い、海洋埋立てに利用し難くなってき
た。
【0003】そこで、上記灰の処理方法について種々検
討され、近年では灰を旋回流溶融炉にて溶融しスラグ化
した後、該溶融スラグを冷却固化する方法(以降、灰の
溶融固化処理方法という)が開発されてきた(特願昭62
-187453)。この方法は、灰の処分量の減容化及び重金属
等の有害物質の固定化を狙いとするものである。
【0004】上記灰の溶融固化処理に使用される従来装
置の代表例及び溶融固化処理方法について以下説明す
る。該装置は、図7に示す如く、被処理物の灰を旋回し
ながら溶融スラグ化する溶融部6を上部に有し、該溶融
スラグを排出する出滓部8を下部に有し、排ガス流出孔
17を側壁に有する旋回流溶融炉本体1と、該炉本体1の
排ガス流出孔17に接続された排ガス煙道管(図示なし)
とを備え、該炉本体1の上部に炉内への被処理物
(灰)、燃料及び燃焼用1次空気の供給口I1を設け、該
炉本体1の側壁に炉内への燃焼用2次空気の供給管10を
設けて構成されている。尚、供給管10は、図8に示す如
く、空気吹込み方向が炉壁の接線方向になるように配さ
れている。
【0005】上記供給口I1より灰、燃料及び燃焼用1次
空気を噴出し、供給管10より燃焼用2次空気を吹き込
み、炉1内部及び炉壁を灰が溶融し且つ流下し得る温度
(以降、灰の溶流温度という)以上の温度に加熱する。
このとき、炉内には図9に示す如き再循環領域が形成さ
れる。尚、再循環領域とは、燃焼室内にバーナの高速噴
流が吹き込まれたり、又、2次空気に高速旋回を与えた
とき、噴流の外部又は中心部に形成される逆流の領域の
ことであり、この流れによって、既に燃焼したガスがバ
ーナの基部に循環してきて、熱ガスによる着火が促進さ
れ、従って、再循環領域は大きいほど好ましい。
【0006】上記灰は溶融スラグSとなって炉壁に沿っ
て流下し、スラグ出滓部8を経て炉外に排出された後、
固化スラグとして回収される。燃焼排ガスは排ガス流出
部17から排出される。又、灰のうち微粉粒子の一部は排
ガスに随伴して炉外に排出される。尚、前記炉内への灰
の供給量は、図11に例示の如く、炉内燃焼室(溶融部
6)の容積1m3当たり且つ1Hr当たりの灰投入量(以
降、灰負荷という)で1000〜3000 kg/m3・Hrであり、通
常1600〜2500 kg/m3・Hr程度の灰負荷が採用される。こ
のとき、灰1トン当たりの燃料(油)消費量は灰負荷の
減少に伴って増大し、灰負荷1600 kg/m3・Hrのとき略 4
00リットルとなっている。
【0007】かかる灰の溶融固化処理において、旋回流
溶融炉本体に供給した灰の中、どれだけ多くの灰をスラ
グにし得るか、即ち、スラグ化率の高低が問題となる。
スラグ化率が低いと炉外へ排出される微粉粒子の量が多
くなり、煙道の閉塞等のトラブルが生じる。即ち、上記
灰の中、大きい粒子は殆どが炉内に入るとすぐに遠心力
によって炉壁に衝突し溶融するのであまり問題にならな
いが、微小粒子は炉内の気流に従い炉内に滞留し、その
一部が溶融せずに炉外に排出され、その程度によっては
煙道に付着して煙道の閉塞等を招く。このとき、再循環
域が小さいと、微小粒子の炉内滞留時間が短くて溶融ス
ラグ化する割合が少なく、そのためスラグ化率が減少
し、煙道の閉塞等のトラブルが生じ易くなる。
【0008】ところが、前記従来装置においては、炉内
に形成される再循環領域が小さいため、この流れに沿っ
て流れる微小粒子灰の炉内滞留時間が短く、又、炉内高
温領域が小さくて溶流温度未満の部分が存在し易く、従
ってスラグ化率が低く、煙道の閉塞等のトラブルが生じ
易いという深刻な問題点があった。
【0009】そこで、スラグ化率向上対策が検討され、
その結果、1次空気供給路9の先端部に旋回羽根を旋回
角度40°以上にして設けた装置、或いは更に該装置で燃
焼用空気全量に対する1次空気量の比を3/5超に設定
した手段、又、1次空気の流速を70m/秒以上にする方
法が開発された(特願平3-34534)。この装置によれば再
循環領域を大きくし得、又、この領域は上記手段を付加
することにより更に拡大され、スラグ化率を向上し得
る。又、上記方法によれば供給口I1近傍まで高温域に維
持し得て、スラグ化率をより高め得る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記灰の溶融固化処理
装置(特願平3-34534)によれば、スラグ化率を90% 以上
に高め得る。しかしながら、灰の中、平均粒子径略10μ
m 以下の微小粒子は、再循環域の流れに乗れず、炉外へ
排出され易く、そのためスラグ化率の向上に限界があ
り、その上限は例えば96.5% 程度であって、これは炉径
の増大に伴って低下し、従って、その改善が望まれてい
る。
【0011】本発明は、第1に、このような事情に着目
してなされたものであって、その目的(第1目的)は、
微小粒子のスラグ化の程度を向上し得、その結果スラグ
化率をさらに高め得る灰の溶融固化処理装置及び溶融固
化処理方法を提供しようとするものである。
【0012】又、図7に示した如く、前記炉本体1の上
部に設けた供給口I1より灰、燃料及び燃焼用1次空気を
炉内に噴出するが、該灰及び1次空気は燃焼火炎中に吹
き込まれることになるので、1次空気中のダスト濃度が
高くなった場合には、燃焼遅れや、火炎の温度低下が起
こり、そのため炉内上部の炉頂部の温度が低下し、該炉
頂部に灰が付着するという問題が起こる。そこで、かか
る灰付着の発生を防止し得る灰の溶融固化処理装置を提
供することを本発明の第2の目的とする。
【0013】一方、灰の溶融固化処理により回収される
固化スラグは、処分するにとどまらず、建設資材等への
有効利用が図られる。そのためには気泡が少なくて強度
的に強いことが必要である。しかし、従来技術において
は、主に灰負荷が前記の如く大きいことに起因して、炉
内でスラグの粘性が高く、脱泡性が悪くなり、その結果
回収される固化スラグは気泡が多いポーラスなものとな
る場合がある。かかる固化スラグは強度的に弱く、建設
資材等への有効利用ができず、又、かかるスラグが排出
される状態では、炉内で局部的な灰付着やスラグ排出状
態の悪化が生じ、灰の溶融固化処理の安定操業が困難に
なる。そこで、気泡が少なく強度的に強い固化スラグを
回収し得る灰の溶融固化処理方法を提供することを本発
明の第3目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1目的を達成する
ために、本発明に係る灰の溶融固化処理装置及び溶融固
化処理方法は次のような構成としている。即ち、請求項
1記載の装置は、被処理物の灰分含有体又は石炭灰を旋
回しながら溶融スラグ化する溶融部を上部に有し、上記
溶融スラグを排出する出滓部を下部に有し、排ガス流出
孔を側壁に有する旋回流溶融炉本体と、該炉本体の排ガ
ス流出孔に接続された排ガス煙道管とを備え、該炉本体
の上部に炉内への被処理物、燃料及び燃焼用1次空気の
供給口を設け、該炉本体の側壁に炉内への燃焼用2次空
気の供給管を設けた灰の溶融固化処理装置であって、更
に該炉本体の側壁に炉内への被処理物の供給口を付設し
たことを特徴とする灰の溶融固化処理装置である。
【0015】請求項2記載の方法は、前記請求項1に記
載の灰の溶融固化処理装置を使用し、被処理物の灰分含
有体又は石炭灰を炉内に供給し、溶融スラグ化し、排出
する灰の溶融固化処理方法であって、前記被処理物の炉
内への供給の際、前記炉本体の上部に設けた被処理物、
燃料及び燃焼用1次空気の供給口からは粒子径の大きい
被処理物を供給し、前記炉本体の側壁に付設した被処理
物供給口からは粒子径の小さい被処理物を供給すること
を特徴とする灰の溶融固化処理方法である。
【0016】請求項3記載の方法は、前記粒子径の大き
い被処理物が平均粒子径略10μm 以上の被処理物であ
り、前記粒子径の小さい被処理物が平均粒子径略10μm
以下の被処理物である請求項2記載の灰の溶融固化処理
方法である。請求項4記載の方法は、前記粒子径の大き
い被処理物がサイクロンで捕集されたサイクロン捕集灰
であり、前記粒子径の小さい被処理物が電気集塵機で捕
集された電気集塵機捕集灰である請求項2記載の灰の溶
融固化処理方法である。
【0017】又、前記第2及び第3目的を達成するため
に、本発明は次のような構成を有する請求項5記載の装
置としている。即ち、請求項5記載の装置は、被処理物
の灰分含有体又は石炭灰を旋回しながら溶融スラグ化す
る溶融部を上部に有し、上記溶融スラグを排出する出滓
部を下部に有し、排ガス流出孔を側壁に有する旋回流溶
融炉本体と、該炉本体の排ガス流出孔に接続された排ガ
ス煙道管とを備え、該炉本体の上部の炉頂部を円錐筒状
に形成し、その最頂部に炉内への燃料及び燃焼用1次空
気の供給口を設け、該炉本体の側壁に炉内への燃焼用2
次空気の供給管を設けた灰の溶融固化処理装置であっ
て、更に前記円錐筒状の炉頂部に炉内への被処理物の供
給口を、該被処理物の炉内への吹き込み方向が横断面
(該被処理物の供給口を横切る水平方向の断面)に対し
て角度40〜50°になるように、且つ前記炉頂部の炉内で
の旋回流方向に略合致するように、設けたことを特徴と
する灰の溶融固化処理装置である。
【0018】更に、前記第3目的達成を図るため、本発
明は次のような構成を有する請求項6記載の方法として
いる。即ち、請求項6記載の方法は、旋回流溶融炉の上
部に設けた供給口から被処理物である灰分含有体又は石
炭灰、燃料及び燃焼用1次空気を炉内に供給すると共
に、炉側壁に設けた供給管から燃焼用2次空気を炉内に
供給し、被処理物を旋回しながら炉内上部の溶融部で溶
融スラグ化し、炉側壁の排ガス流出孔から排ガスを排出
し、炉下部の出滓部から溶融スラグを排出する灰の溶融
固化処理方法において、前記被処理物の炉内への供給量
を、旋回流溶融炉本体の溶融部の容積1m3当たり且つ1
Hr当たり750 〜1000kgにすることを特徴とする灰の溶融
固化処理方法である。
【0019】
【作用】
(第1目的達成手段に係る作用)平均粒子径略10μm 以
下の微小粒子が炉壁に衝突し溶融する割合(捕捉割合)
を向上すれば、微小粒子のスラグ化の程度を向上し得、
その結果、スラグ化率を高め得る。そこで、かかる微小
粒子の捕捉割合を向上すべく、炉本体での被処理物
(灰)供給口の配設位置を変えたときの炉内での粒子挙
動を解析した。その結果、平均粒子径略10μm 以下の微
小粒子は、炉本体の側壁から炉内へ供給すると、炉壁で
の捕捉割合が増大するという知見を得た。本発明(請求
項1記載の装置及び請求項2〜4記載の方法)は、この
知見に基づき完成されたものである。
【0020】即ち、図3は、炉本体の上部に設けた炉内
への供給口I1から灰(粒子)を供給したときの粒子径と
粒子軌跡との関係を例示するものであり、この図から判
る如く、粒子径20μm 以上の灰は殆どが炉壁に捕捉さ
れ、捕捉割合が高いが、粒子径略10μm 以下の微小粒子
は捕捉割合が低い。
【0021】一方、図4は、炉本体の側壁に炉内への灰
の供給口を付設し、該供給口から灰を供給したときの粒
子径と粒子軌跡との関係を例示するものである。粒子径
が小さい程、吹込時の運動量が小さいので、吹込まれる
とすぐに炉内の旋回流によって炉壁に捕捉されるように
なり、そのため捕捉割合が高くなり、特に粒子径略10μ
m 以下の微小粒子は殆どが炉壁に捕捉され、捕捉割合が
高い。
【0022】例えば、後述する電気集塵機捕集灰であっ
て平均粒子径:3μm 、10μm 以下の粒子の含有率:85
% の灰を、炉本体上部の供給口I1から供給すると、その
灰の中、粒子径10μm のもので捕捉割合70% 、2μm の
もので捕捉割合55% であり、微小粒子の捕捉割合が極め
て低い。これに対し、炉本体の側壁の供給口から供給す
ると、粒子径10μm のもので捕捉割合95% 、2μm のも
ので捕捉割合98% であって、微小粒子の捕捉割合が著し
く向上する。
【0023】このように、粒子径の小さい灰、特に平均
粒子径略10μm 以下の微小粒子は、炉本体の側壁から炉
内へ供給すると、炉壁での捕捉割合が増大するという知
見を得た。従って、粒子径の大きい灰は、炉本体上部の
供給口I1から供給し、一方、粒子径の小さい灰、特に平
均粒子径略10μm 以下の微小粒子は、炉本体の側壁から
炉内へ供給すると、炉壁での捕捉割合が増大し、微小粒
子のスラグ化の程度を向上し得、その結果スラグ化率を
高め得ることになる。そのためには炉本体上部の供給口
I1の他に、炉本体の側壁に炉内への灰の供給口を付設す
る必要がある。
【0024】そこで、本発明に係る灰の溶融固化処理装
置(請求項1記載の装置)は、溶融炉本体の上部の供給
口だけでなく、更に炉本体の側壁にも炉内への被処理物
(灰)の供給口を付設して構成するようにした。又、本
発明に係る灰の溶融固化処理方法(請求項2記載の方
法)は、前記炉本体の上部の供給口からは粒子径の大き
い被処理物(灰)を供給し、前記炉本体の側壁に付設し
た被処理物供給口からは粒子径の小さい被処理物(灰)
を供給するようにしたのである。従って、粒子径の小さ
い灰(微小粒子)のスラグ化の程度を向上し得、その結
果、全体としてのスラグ化率を高め得るようになる。
【0025】前記炉本体上部供給口から供給する粒子径
の大きい灰としては平均粒子径略10μm 以上の灰とし、
炉本体側壁の供給口から供給する粒子径の小さい灰とし
ては平均粒子径略10μm 以下の灰とすることが望まし
い。より一層確実に微小粒子のスラグ化の程度を向上し
得、スラグ化率を高め得るからである。
【0026】上記の如き平均粒子径略10μm 以上の灰と
略10μm 以下の灰とは、別々に捕集され、区別して準備
することができる。例えば、下水汚泥焼却時に捕集され
る灰には、サイクロンで捕集されるサイクロン捕集灰
と、電気集塵機で捕集される電気集塵機捕集灰とがあ
り、別々に捕集される。サイクロン捕集灰は、図5に示
すその粒度分布から判る如く、粒径の大きいものが多
く、平均粒子径は10μm 以上である。これに対し、電気
集塵機捕集灰は、図6から判る如く、粒径の小さいもの
が多く、10μm 以下の粒子の含有率は約85% であって、
平均粒子径は10μm 以下である。従って、下水汚泥焼却
時には、平均粒子径が10μm 以上のサイクロン捕集灰
と、10μm 以下の電気集塵機捕集灰とを区別して準備で
きる。これらは、その後特別の分別をすることなく、別
々に炉本体の上部供給口、側壁供給口から供給すればよ
い。
【0027】尚、従来法の如く炉本体上部の供給口I1
ら灰を一括して供給する方式では、供給口I1の直下、即
ちバーナ直下に再循環域に乗った微小粒子が存在し、灰
供給量を増大するに伴ってバーナの燃焼遅れが生じてく
る。これに対し、本発明に係る方法では、微小粒子は炉
本体側壁から供給されるので、バーナ直下の再循環域に
存在する微小粒子の量が減少し、従って、灰供給量を増
大してもバーナの燃焼遅れが生じず、常に正常な燃焼状
態を維持し得るという利点もある。
【0028】(第2及び第3目的達成手段に係る作用)
被処理物(灰)の供給口の配設位置及び炉内への吹き込
み方向と炉内炉頂部の温度、灰付着状態、得られる固化
スラグの性状との関係を調べた。その結果、炉本体上部
の円錐筒状炉頂部(傾斜部)に灰の供給口を設け、灰の
炉内への吹き込み方向が横断面(該被処理物の供給口を
横切る水平方向の断面)に対して角度40〜50°になるよ
うに且つ前記炉頂部の炉内での旋回流方向に略合致する
ようにすると、第2及び第3目的を達成し得るという知
見を得た。本発明(請求項5記載の装置)は、この知見
に基づき完成されたものである。
【0029】即ち、前記最頂部の供給口から燃料及び燃
焼用1次空気を供給し、燃焼用2次空気の供給管から2
次空気を供給すると共に、前記灰の供給口から上記吹き
込み方向で灰を炉内に供給すると、この灰は燃焼ガス流
と同方向の旋回方向に吹き込まれることになり、燃焼火
炎を妨害しないので、1次空気中のダスト濃度が高くな
った場合でも、燃焼遅れ及び火炎の温度低下が生じ難
く、そのため炉内炉頂部の温度低下が生じ難く、該炉頂
部での灰の付着を防止できる。更に、灰は炉内に均一に
分散されるので、該灰の溶融スラグに熱量が充分に行き
渡り、そのため炉内スラグの粘性が低く、脱泡性が向上
し、従って、気泡が少なく強度的に強い固化スラグを回
収し得、又、炉内での灰付着及びスラグ排出状態の悪化
が生じ難くなる。
【0030】そこで、本発明に係る灰の溶融固化処理装
置(請求項5記載の装置)は、旋回流溶融炉本体の上部
の炉頂部を円錐筒状に形成し、その最頂部に燃料及び燃
焼用1次空気の供給口を設け、炉本体の側壁に燃焼用2
次空気の供給管を設け、更に前記円錐筒状の炉頂部に炉
内への被処理物(灰)の供給口を、該灰の炉内への吹き
込み方向を横断面(該灰の供給口を横切る水平方向の断
面)に対して角度40〜50°にすると共に前記炉頂部の炉
内での旋回流方向に合わせて、設けるようにしている。
故に、1次空気中のダスト濃度が高くなった場合でも、
燃焼遅れ及び火炎の温度低下が生じ難いため炉内炉頂部
での灰の付着を防止できる。又、気泡が少なく強度的に
強い固化スラグを回収し得、更に、炉内灰付着及びスラ
グ排出状態悪化を生じず、灰の溶融固化処理の安定操業
ができるようになる。
【0031】前記の如く灰の吹き込み角度を40〜50°し
ているのは、50°超では灰が燃焼火炎を妨害し、前記灰
の付着防止、良好な固化スラグ回収等の効果が不充分と
なり、40°未満では灰が燃焼ガス流(旋回流)に乗らず
にショートパスし、スラグ化率の低下を招いたり、吹き
込まれた灰がすぐに炉壁に衝突して局部的な灰の付着が
生じるようになるからである。
【0032】一方、被処理物(灰)の炉内への投入量
(灰負荷)と回収される固化スラグの性状との関係を調
べた。その結果、従来の灰負荷(1000〜3000 kg/m3・H
r)では回収される固化スラグは気泡が多く強度的に弱
い場合が多いが、灰負荷を小さくすることにより改善さ
れ、灰負荷を750 〜1000 kg/m3・Hrにすると、従来装置
を使用する場合でも、灰1トン当たりの燃料消費量の大
幅増大を招くことなく、炉内スラグの粘性低下による脱
泡性の向上が図れ、従って、気泡が少なく強度的に強い
固化スラグを回収し得、又、炉内での灰付着及びスラグ
排出状態の悪化が生じなくなるという知見が得られた。
そこで、本発明に係る灰の溶融固化処理方法(請求項6
記載の方法)は、灰の炉内への供給量(灰負荷)を、旋
回流溶融炉本体の溶融部の容積1m3当たり且つ1Hr当た
り750 〜1000kgにするようにしている。従って、請求項
6記載の方法によっても、生産性は少し低下するもの
の、第3目的を達成し得る。
【0033】ここで、灰負荷を750 〜1000 kg/m3・Hrに
しているのは、1000 kg/m3・Hr超では、気泡が少なく強
度的に強い固化スラグを得難くなり、750kg/m3・Hr未満
では、灰1トン当たりの燃料消費量が大幅に増大し、燃
料原単位が高くなりすぎるからである。
【0034】
【実施例】(実施例1)本発明の実施例1に係る灰の溶
融固化処理装置を図1に示す。この装置は、溶融炉本体
1上部の供給口I1だけでなく、更に、粒径の小さい灰の
供給口として炉本体1の側壁にも炉内への灰の供給口I2
を付設して構成するようにした点に特徴があり、かかる
点を除き、図7に示したものと同様の構造を有するもの
である。
【0035】上記供給口I2は炉本体1の側壁の燃焼用2
次空気の供給管10の直下に設けている。この供給口I2
は管15が接続され、管15には弁13を介してホッパー14が
接続されている。ここで、炉内への灰の均等分散をはか
るため、かかる供給口I2は図2に示す如く更に1個所
(計2個所)設けるか、或いは計3個所以上設ける方が
よい。又、炉壁への付着、炉中心への吹抜けを防止する
ため、接線に対する取り付け角度αは30〜60°にするこ
とが望ましい。
【0036】上記装置を用い、下水汚泥焼却時に別々に
捕集されたサイクロン捕集灰及び電気集塵機捕集灰につ
いて溶融固化処理を行った。尚、このときの捕集割合は
サイクロン捕集灰/電気集塵機捕集灰=85/15である。
【0037】先ず、供給口I1に接続されたホッパー3に
サイクロン捕集灰を、供給口I2に接続されたホッパー14
に電気集塵機捕集灰を貯留しておく。又、バーナ2から
燃料として液化プロパンガスを噴射量25Nm3/Hrで噴出
し、1次空気供給路9及び2次空気供給管10から燃焼用
空気を吹き込み、炉内及び炉壁を灰の溶流温度以上の温
度に加熱する。
【0038】このとき1次空気は噴射する燃料の周りに
強い旋回を与えながら炉内に噴出させ、2次空気は図8
に示す如く炉壁に対するほぼ接線方向に噴出して炉内に
供給させる。1次空気供給路9の先端部の旋回羽根(図
示なし)を旋回角度40°以上にして設けた。1次空気量
(A1)と2次空気量(A2)との比を4:1とすると共に、A1
/(A1+A2)≧3/5とした。又、1次空気流速は 70m
/s以上、燃焼空気温度は 400℃、燃料に対する空気比は
1.2とした。
【0039】次に、ホッパー3内のサイクロン捕集灰を
テーブルフィーダ4により定量的に切り出し、弁5を介
して1次空気供給管9内に落下させ、供給量:215kg/Hr
で1次空気と共に炉本体1上部の供給口I1から炉内に吹
き込む。又、それと共に、ホッパー14内の電気集塵機捕
集灰をテーブルフィーダ12により定量的に切り出し、弁
13を介して管15内に落下させ、移送空気により、供給
量:35kg/Hr で炉本体1の側壁の供給口I2から炉内に吹
き込む。すると、灰と空気とからなる固気二相流が炉内
の炉壁面上で旋回しながら加熱され、灰は溶融スラグ化
する。この溶融スラグSは炉壁に沿って流下し、絞り部
7から傾斜部16に流下し、出滓部8からコンベア(図示
せず)に流下して搬送され、その途中で冷却されて固化
スラグとなり、コンテナ等に落とされて回収される。
【0040】(比較例1)図7に示したものと同様の灰
の溶融固化処理装置を用いた。尚、この装置は炉本体1
の側壁に供給口I2を有していないものであり、かかる点
を除き実施例1に係る装置と同様の構造を有する。
【0041】上記装置を用い、先ず、サイクロン捕集灰
と電気集塵機捕集灰とが85:15の割合で混ざった混合灰
を、炉本体1上部の供給口I1に接続されたホッパー3に
貯留しておく。又、実施例1の場合と同様に炉を加熱す
る。次に、ホッパー3内の混合灰を1次空気と共に供給
口I1から炉内に吹き込む。但し、炉本体1の側壁の供給
口I2は無く、側壁からの供給は無い。かかる点を除き、
実施例1の場合と同様の条件で溶融固化処理を行った。
【0042】その結果、比較例1の場合のスラグ化率は
96.0% であったが、実施例1の場合はスラグ化率が向上
し、99.0% であった。これは、微小粒子である電気集塵
機捕集灰を炉本体1側壁の供給口I2から炉内に供給する
ことにより、微小粒子の炉壁での捕捉割合が増大し、そ
のスラグ化の程度を向上し得たためである。
【0043】尚、実施例1において炉本体上部から灰を
供給するに際し、灰を1次空気と共に供給口I1から炉内
に吹き込んだが、図10に示す如く炉本体上部の傾斜部に
灰の供給口A1を設け、この供給口A1から灰を供給し、供
給口I1から1次空気を吹き込むようにしてもよく、同様
の効果が得られる。
【0044】(実施例2)実施例2に係る灰の溶融固化
処理装置の要部を図12に示す。該装置の炉頂部炉内での
流体の流れ状況を図13に示す。この装置は、炉本体1上
部の円錐筒状の炉頂部30に灰の供給口32を、灰の炉内へ
の吹き込み方向33が横断面31に対して角度Θが40〜50°
になるように且つ前記炉頂部炉内での旋回流方向34に略
合致するように、2か所設けている。最頂部には炉内へ
の燃料及び燃焼用1次空気の供給口35を設けている。か
かる点を除き、図7例示のものと同様の構造を有するも
のである。尚、炉本体の燃焼室(溶融部)の寸法はΦ90
0mm ×1980mmHである。
【0045】上記装置を用い、下水汚泥焼却灰について
溶融固化処理を行った。このとき、燃料燃焼量は約 255
万kcal/Hr 、灰供給量は1200kg/Hr にした。尚、この灰
は全て前記灰の供給口32から吹き込まれる(炉頂部傾斜
吹き込み方式)。
【0046】(比較例2及び3)比較例2として、図7
例示のものと同様の構造を有し且つ寸法が上記装置と同
様である装置を用い、上記と同様の灰について同様の灰
供給量、燃料燃焼量で溶融固化処理を行った。又、比較
例3として、実施例2に係る装置の灰の供給口32に代え
て、炉本体の側壁に灰の供給口を、灰を側壁から接線方
向に吹き込むようにして設けた装置を用い、上記と同様
の灰について同様の灰供給量、燃料燃焼量で溶融固化処
理を行った。尚、灰吹き込み方式は、比較例2では灰を
最頂部の供給口I1から1次空気と共に吹き込む方式(最
頂部吹き込み方式)、比較例3では灰を側壁接線方向に
吹き込む方式(接線吹き込み方式)となる。
【0047】その結果、得られた固化スラグの吸水率は
比較例3(接線吹き込み方式)の場合で0.289%、比較例
2(最頂部吹き込み方式)の場合で0.195%であった。こ
れらに対し、本発明の実施例2(炉頂部傾斜吹き込み方
式)の場合は、固化スラグの吸水率が0.037%であり、気
泡が少なく強度的に強い固化スラグが得られ、又、溶融
固化処理を安定して操業できた。尚、スラグ化率は3方
式とも同様であった。
【0048】又、上記溶融固化処理運転の際、炉壁外側
に設けた水冷ジャッケットにより冷却される炉壁各部で
の内表面積当たりの炉壁冷却水熱吸収量を測定した。そ
の結果を図14に示す。この熱吸収量は炉壁内表面におけ
るスラグ層の厚み、灰付着の程度と密接な関係があり、
例えばスラグ層が薄い場合には該層による炉壁断熱の程
度が小さいので、熱吸収量は大きくなり、従って、この
熱吸収量より炉内のスラグ状態等を充分に推定すること
ができる。図13から判る如く、最頂部吹き込み方式の場
合は炉頂及び炉上段付近の熱吸収量が小さく、又、接線
吹き込み方式の場合は側壁の灰供給口直下の炉中段及び
下段付近の熱吸収量が小さく、従って、これらの部分に
は厚いスラグ層が在ると判断できる。かかる部分が存在
すると、充分に脱泡されていないポーラスなスラグや灰
の塊が排出される原因となる。
【0049】これに対し、炉頂部傾斜吹き込み方式の場
合は、熱吸収量が全体的に大きく、従って、スラグ層が
薄く、局部的な灰付着もないと判断できる。スラグ層が
薄いと、スラグに充分な熱量が行き渡り、スラグの粘性
が低く、脱泡性が良く、気泡のない良好なスラグとな
る。
【0050】尚、上記実施例2において灰の供給口32は
2個所設けたが、これに限定されるものではなく、3個
所以上設けてもよい。又、実施例2において灰は全て灰
の供給口32から吹き込む炉頂部傾斜吹き込み方式を採用
したが、この方式と最頂部吹き込み方式又は接線吹き込
み方式とを同時に採用してもよい。即ち、請求項5記載
の装置において、炉最頂部に設けた燃料及び燃焼用1次
空気の供給口35の中の1次空気供給口に接続された1次
空気供給管に、従来装置と同様に弁5及びテーブルフィ
ーダ5等を介してホッパー3を同時に接続することがで
き、又、比較例3の如き供給口を炉の側壁に同時に設け
ることができる。そして、灰を円錐筒状炉頂部に設けた
灰供給口32から吹き込むと共に、前記ホッパー3からも
灰を1次空気供給管を介して炉内に吹き込むこと、又は
/及び、炉側壁の供給口からも灰を炉内に吹き込むこと
ができる。
【0051】(実施例3)下記点を除き、前記比較例2
の場合と同様の装置を用い、同様の灰について同様の溶
融固化処理を行った。即ち、比較例2では灰供給量を一
定としたが、実施例3では灰供給量を1000, 1200, 1400
kg/Hr(灰負荷として794, 953, 1111 kg/m3・Hr) の3
段階に変化させると共に燃料供給量を変化させた。そし
て、回収固化スラグの吸水率及び燃料原単位(灰1kg当
たりの燃料消費量kcal)を調べた。
【0052】その結果を図15に示す。尚、固化スラグの
判定基準に関し、JIS 規格では路盤材に適用可能な固化
スラグの吸水率は3.0%であるが、ここでは強度や耐すり
減り性等の高水準の実用性及び溶融固化処理の操業性も
考慮し、吸水率0.3%以下のものを合格品(良好な固化ス
ラグ)とした。
【0053】図15から判る如く、気泡のない良好な固化
スラグを得るために必要な燃料原単位は、灰負荷が953k
g/m3・Hrの場合で2125kcal/kg 、794kg/m3・Hrの場合で
2409kcal/kg である。同一規模の炉では炉を温める熱量
は一定であるので、灰負荷が小さくなると燃料原単位は
大きくなる。従って、燃料原単位上からは灰負荷を大き
くする方がよい。しかし、灰負荷を1111 kg/m3・Hrの如
く大きくすると、燃料を増やしてもスラグ性状は良くな
らず、却って燃料原単位が増大する。そして、約灰負荷
1000 kg/m3・Hrの場合、燃料原単位が最小となり、灰1
トン当たりの燃料油供給量は230 リットルであり、従来
技術より燃料消費量を約8% 低くなる。かかる点から灰
負荷の上限は1000 kg/m3・Hrとするのがよいことが判
る。
【0054】上記灰負荷1000 kg/m3・Hrの場合に比し、
灰負荷794kg/m3・Hrの場合は、燃料原単位が大きくなる
が、固化スラグ性状の向上という利点を考慮すると、充
分許容でき実用し得る燃料原単位であり、又、投入熱量
の大小による固化スラグ性状の変化が小さいという利点
もある。しかし、灰負荷を750kg/m3・Hrよりも小さくす
ると、実用し難い程に燃料原単位が高くなり過ぎる。か
かる点から灰負荷の下限は750kg/m3・Hrとするのがよい
ことが判る。以上より、本発明に係る灰負荷の範囲750
〜1000 kg/m3・Hrにするのがよいことが確認される。
【0055】
【発明の効果】従来の灰の溶融固化処理装置及び方法で
はスラグ化率が低く、煙道閉塞等が生じ易いという深刻
な問題点があり、その解決を図った開発装置(特願平3-
34534)ではスラグ化率を90% 以上に高め得るが、粒子径
の小さい灰(微小粒子)については充分にスラグ化され
ないため、スラグ化率の向上に限界があり、これに対し
て、本発明に係る灰の溶融固化処理装置(請求項1記載
の装置)及び/又は方法(請求項2、3又は4記載の方
法)によれば、微小粒子についても炉壁での捕捉割合を
増大させることができ、微小粒子のスラグ化の程度を向
上し得、その結果、上記開発装置でのスラグ化率向上の
限界を打破し、スラグ化率をさらに高め得るようにな
る。
【0056】又、本発明に係る円錐筒状炉頂部に灰供給
口を設けた装置(請求項5記載の装置)によれば、従来
の最頂部吹き込み方式と異なり、炉頂部傾斜吹き込み方
式により灰の吹き込みを行えるので、1次空気中のダス
ト濃度が高くなった場合でも、燃焼遅れ及び火炎の温度
低下が生じ難く、そのため炉内炉頂部での灰の付着を防
止でき、又、気泡が少なく強度的に強い固化スラグを回
収し得、更に、炉内灰付着及びスラグ排出状態悪化を生
じず、灰の溶融固化処理操業の安定化が図れるようにな
る。
【0057】本発明に係る灰負荷を750 〜1000 kg/m3
Hrとする溶融固化処理方法(請求項6記載の方法)によ
れば、生産性は少し低下するものの、灰1トン当たりの
燃料消費量の大幅増大を招くことなく、従来装置を使用
する場合でも確実に、炉内スラグの粘性低下による脱泡
性の向上が図れ、従って、気泡が少なく強度的に強い固
化スラグを回収し得、又、炉内での灰付着及びスラグ排
出状態の悪化が生じず、灰の溶融固化処理操業の安定化
が図れるようになる。
【0058】以上の如く、本発明によれば、スラグ化率
向上や、灰付着防止による操業の安定化により生産性の
向上が図れ、又、強度的に強い固化スラグが得られ、そ
の品質向上が図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る灰の溶融固化処理装置の概要を
示す側断面図である。
【図2】実施例1に係る灰の溶融固化処理装置の炉本体
側壁に付設した灰の供給口位置での断面示上面図であ
る。
【図3】炉本体上部の供給口から灰(粒子)を供給した
ときの粒子軌跡を粒子径別に示す図である。
【図4】炉本体の側壁に付設した供給口から灰を供給し
たときの粒子軌跡を粒子径別に示す図である。
【図5】下水汚泥焼却灰の中のサイクロン捕集灰の粒度
分布を示す図である。
【図6】下水汚泥焼却灰の中の電気集塵機捕集灰の粒度
分布を示す図である。
【図7】従来の灰の溶融固化処理装置の代表例の概要を
示す側断面図である。
【図8】図7の装置の炉の2次空気供給管位置での断面
示上面図である。
【図9】灰の溶融固化処理装置の炉内での流体の流れ方
向及び再循環域の一例を示す図である。
【図10】炉本体上部の傾斜部に設けた灰の供給口及びそ
の近傍の概要を示す側断面図である。
【図11】従来採用されている灰負荷と燃料消費量との関
係を示す図である。
【図12】実施例2に係る灰の溶融固化処理装置の要部の
概要を示す側断面図である。
【図13】実施例2に係る灰の溶融固化処理装置の炉頂部
炉内での流体の流れ状況の概要を示す炉頂部位置での断
面示下面図である。
【図14】実施例2に係る灰の溶融固化処理運転の際の炉
壁位置(炉最頂部のバーナ先端からの距離)と炉内表面
積当たりの冷却水熱吸収量との関係を示す図である。
【図15】実施例3に係る灰負荷(kg/m3・Hr) と燃料原単
位(kcal/kg灰) と、得られる固化スラグの性状(吸水量
水準)との関係を示す図である。
【符号の説明】
1--旋回流溶融炉本体 2--バーナ
3,14--ホッパー 4,12--テーブルフィーダ 5--弁 6
--溶融部 7--絞り部 8--出滓部 9
--1次空気供給管 10--2次空気供給管 11--旋回流 13
--弁 15--管 16--傾斜部 17--排ガス流出孔 I1
--炉本体上部の供給口 I2--炉本体側壁の灰の供給口 S--溶融スラグ A1
--灰の供給口 30--円錐筒状の炉頂部 31--横断面 32
--灰の供給口 33--灰の炉内への吹き込み方向 34--炉頂部炉内
での旋回流方向 35--燃料及び燃焼用1次空気の供給口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉ケ江 武男 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研究所 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物の灰分含有体又は石炭灰を旋回
    しながら溶融スラグ化する溶融部を上部に有し、上記溶
    融スラグを排出する出滓部を下部に有し、排ガス流出孔
    を側壁に有する旋回流溶融炉本体と、該炉本体の排ガス
    流出孔に接続された排ガス煙道管とを備え、該炉本体の
    上部に炉内への被処理物、燃料及び燃焼用1次空気の供
    給口を設け、該炉本体の側壁に炉内への燃焼用2次空気
    の供給管を設けた灰の溶融固化処理装置であって、更に
    該炉本体の側壁に炉内への被処理物の供給口を付設した
    ことを特徴とする灰の溶融固化処理装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の灰の溶融固化処理
    装置を使用し、被処理物の灰分含有体又は石炭灰を炉内
    に供給し、溶融スラグ化し、排出する灰の溶融固化処理
    方法であって、前記被処理物の炉内への供給の際、前記
    炉本体の上部に設けた被処理物、燃料及び燃焼用1次空
    気の供給口からは粒子径の大きい被処理物を供給し、前
    記炉本体の側壁に付設した被処理物供給口からは粒子径
    の小さい被処理物を供給することを特徴とする灰の溶融
    固化処理方法。
  3. 【請求項3】 前記粒子径の大きい被処理物が平均粒子
    径略10μm 以上の被処理物であり、前記粒子径の小さい
    被処理物が平均粒子径略10μm 以下の被処理物である請
    求項2記載の灰の溶融固化処理方法。
  4. 【請求項4】 前記粒子径の大きい被処理物がサイクロ
    ンで捕集されたサイクロン捕集灰であり、前記粒子径の
    小さい被処理物が電気集塵機で捕集された電気集塵機捕
    集灰である請求項2記載の灰の溶融固化処理方法。
  5. 【請求項5】 被処理物の灰分含有体又は石炭灰を旋回
    しながら溶融スラグ化する溶融部を上部に有し、上記溶
    融スラグを排出する出滓部を下部に有し、排ガス流出孔
    を側壁に有する旋回流溶融炉本体と、該炉本体の排ガス
    流出孔に接続された排ガス煙道管とを備え、該炉本体の
    上部の炉頂部を円錐筒状に形成し、その最頂部に炉内へ
    の燃料及び燃焼用1次空気の供給口を設け、該炉本体の
    側壁に炉内への燃焼用2次空気の供給管を設けた灰の溶
    融固化処理装置であって、更に前記円錐筒状の炉頂部に
    炉内への被処理物の供給口を、該被処理物の炉内への吹
    き込み方向を該被処理物の供給口を横切る水平方向の断
    面に対して角度40〜50°にすると共に前記炉頂部の炉内
    での旋回流方向に合わせて、設けたことを特徴とする灰
    の溶融固化処理装置。
  6. 【請求項6】 旋回流溶融炉の上部に設けた供給口から
    被処理物である灰分含有体又は石炭灰、燃料及び燃焼用
    1次空気を炉内に供給すると共に、炉側壁に設けた供給
    管から燃焼用2次空気を炉内に供給し、被処理物を旋回
    しながら炉内上部の溶融部で溶融スラグ化し、炉側壁の
    排ガス流出孔から排ガスを排出し、炉下部の出滓部から
    溶融スラグを排出する灰の溶融固化処理方法において、
    前記被処理物の炉内への供給量を、旋回流溶融炉本体の
    溶融部の容積1m3当たり且つ1Hr当たり750 〜1000kgに
    することを特徴とする灰の溶融固化処理方法。
JP28459092A 1992-04-28 1992-10-22 灰の溶融固化処理装置及び溶融固化処理方法 Expired - Lifetime JPH081292B2 (ja)

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