JPH0587728B2 - - Google Patents

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JPH0587728B2
JPH0587728B2 JP1166541A JP16654189A JPH0587728B2 JP H0587728 B2 JPH0587728 B2 JP H0587728B2 JP 1166541 A JP1166541 A JP 1166541A JP 16654189 A JP16654189 A JP 16654189A JP H0587728 B2 JPH0587728 B2 JP H0587728B2
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JP
Japan
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stage
furnace
melting chamber
melting
swirling
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JP1166541A
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JPH0336413A (ja
Inventor
Nobuyuki Iwai
Makoto Sasaki
Hirota Naka
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Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
Original Assignee
Ebara Research Co Ltd
Ebara Infilco Co Ltd
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Publication date
Application filed by Ebara Research Co Ltd, Ebara Infilco Co Ltd filed Critical Ebara Research Co Ltd
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 この発明は、下水汚泥の乾燥物、焼却残渣、都
市ごみ焼却残渣等に含まれる可燃分を効率良く燃
焼させ、灰分を溶融固化してスラグとして得るこ
とができる旋回溶融炉に関する。 〔従来の技術〕 近年、下水汚泥、都市ごみ焼却残渣等の廃棄物
の発生量は年々増加する傾向にあり、また、埋立
処分地の確保も次第に困難に状況になつてきてい
る。また、廃棄物中に含まれる水銀、銅、Cr、
Cd等の有害な重金属の溶出による汚染の危険性
が、長期的問題としてとりあげられている。そし
て、廃棄物処理では、一層の減容化と無害化が重
要な課題となつてきている。そこで、このような
廃棄物処分の問題に対応できる新しい技術とし
て、旋回溶融炉が注目されるようになつた。 この旋回溶融炉は、例えば、第3図に示すよう
に、単段式旋回溶融炉であり、円筒状の炉本体2
4の上部に設けた被溶融物の供給口21及び燃焼
空気吹込口22を炉本体24の接線方向に配置
し、頂部に補助燃料供給口23を配備し、炉本体
24の下部にスラグ排出口27を設け、該スラグ
排出口27にスラグ受け(図示せず)を取り換え
可能に設置する。また、炉本体24の下部側方に
伸びる排ガス出口26を形成し、該排ガス出口2
6は、例えば、熱交換器、サイクロン、バグフイ
ルタ等に接続して、炉本体24で発生した排ガス
は処理されるように構成されている。 このような単段式旋回溶融炉において、例え
ば、下水汚泥の乾燥物を処理する場合は、まず炉
本体24の上部から強力に旋回する燃焼用空気の
流れに沿つて下水汚泥乾燥物を炉内に噴射する。
この旋回流によつて乾燥物粒子には遠心力が作用
し、微細粒子と粗い粒子の分離が起こり、微細粒
子は浮遊状態で揮発分とともに短時間で燃焼で
き、粗い粒子は炉内壁面に形成する溶融スラグ面
に捕捉され、効率良く燃焼することで高い火炉負
荷が実現できる。従つて、汚泥の燃焼熱により、
炉内を高温に保持することが可能となり、燃焼と
同時に灰分の溶融が達成される。溶融物は炉壁面
で捕集され、炉内にスラグ面を形成しながら流下
し、炉下部のスラグ排出口27から取り出し、冷
却固化される。溶融スラグは一般の焼却灰に比
べ、比重が3〜5倍大きく、大幅な減容化が可能
である。また、有害な重金属をスラグ中に固定で
きるため溶出による問題がないばかりか、その物
理的特性から建築用骨材、道路用砥石等の資源と
しての再生利用が期待できる。このように旋回溶
融炉は、廃棄物中の可燃分による発生熱をを灰分
の溶融に効果的に利用できることから、補助燃料
や溶融助剤の大幅な低減を可能にし、経済的にも
優れた装置として、廃棄物処分の諸問題に対応で
きるものである。 〔発明が解決しようとする課題〕 ところで、従来の単段式旋回溶融炉は、スラグ
の捕集効率を高めるために、第3図に示すよう
に、炉本体24のスラグ流出口である出口25の
口径を絞り、ガスと同伴して流出していた未燃粒
子や溶融物のスラグ面での捕獲を促進するよう
に、構造上の工夫がされている。 しかしながら、炉本体24の出口絞り部25
は、主燃焼ゾーンAと離れている構造であり、し
かも単段式であるため、炉本体24の上部から炉
内に導入された下水汚泥乾燥物等の被溶融物は、
被溶融物や運転条件によつては、不十分な燃焼状
態即ち溶融状態でスラグ排出口27へと送り込ま
れ、該出口絞り部25の部位ではスラグが該スラ
グ溶融温度以下になることがある。この場合、流
下スラグが出口絞り部25で順次に固まり、炉出
口の出口絞り部25におけるガス流路を狭め、該
出口絞り部25を遂には閉塞してしまうという危
険があつた。スラグの閉塞は、炉内圧の大幅な変
動とスラグ流出を困難とするため、旋回溶融炉の
運転が不可能となる。また、堆積したスラグは溶
融炉を構成している炉材と一体的に固化している
ため、除去作業も容易ではなかつた。 更に、出口絞り部22では、圧力損失が発生
し、未燃粒子が溶融物を同伴した高速ガスが傾斜
面に激しく衝突しながら排ガス出口26を通つて
排出されるため、傾斜面を構成する炉材は勿論、
排ガスとスラグの分離効率が悪くなれば、下流に
位置する炉壁、通路壁に対しても摩擦接触して該
壁面の摩耗が激しく発生し、炉材の侵食や溶損が
起こつてしまうことがあつた。そのため、炉材の
修復には大掛かりな工事を要し、損傷の頻度が高
い場合には、旋回流式溶融炉にとつて致命的なも
のとなつてしまうことがあつた。 この発明の目的は、旋回溶融炉における上記の
問題点を解決することであり、不水汚泥の乾燥
物、焼却残渣、都市ごみ焼却残渣等に含まれる可
燃分を一層効率良く燃焼させため、旋回溶融室を
多段に設け、しかも溶融した被溶融物が第1段旋
回溶融室及び第1段旋回溶融室の各出口部で固化
することなく、被溶融物が炉内をスムーズに流動
し、各出口部で固化して堆積して該出口部を閉塞
することなく溶融炉から排出でき、被溶融物を安
定して溶融分離処理できる多段式旋回溶融炉を提
供することである。 〔課題を解決するための手段〕 この発明は、上記の目的を解決するため、次の
ように構成されている。即ち、この発明は、スト
レート状円筒部の接線方向に開口する被溶融物供
給口と燃焼用空気吹込口を上部に備え且つ出口部
を下部に備えた第1段旋回溶融室、該第1段旋回
溶融室の下端部に傾斜して配置し且つ前記出口部
と連通する入口部とストレート状円筒部の接線方
向に燃焼用空気吹込口とを上部に及び該円筒部の
出口部を下部に設けた第2段旋回溶融室、並びに
前記各旋回溶融室の各上部に前記各円筒部の接線
方向にそれぞれ配備した各燃焼用バーナから成る
多段式旋回溶融炉に関する。 また、この多段式旋回溶融炉は、前記第1段旋
回溶融室の燃焼用空気吹込口を被溶融物供給口の
上部に少なくとも1箇所以上に設けたものであ
る。 更に、この多段式旋回溶融炉は、前記第2段旋
回溶融室の有効容積を前記第1段旋回溶融室の容
積の少なくとも50%以上に構成したものである。 〔作用〕 この発明による多段式旋回溶融炉は、上記のよ
うに構成されているので、次のように作用する。
即ち、この多段式旋回溶融炉は、ストレート状円
筒部の接線方向に開口する被溶融物供給口と燃焼
用空気吹込口を上部に備え且つ出口部を下部に備
えた第1段旋回溶融室、該第1段旋回溶融室の下
端部に傾斜して配置し且つ前記出口部と連通する
入口部とストレート状円筒部の接線方向に燃焼用
空気吹込口とを上部に及び該円筒部の出口部を下
部に設けた第2段旋回溶融室、並びに前記各旋回
溶融室の各上部に前記各円筒部の接線方向にそれ
ぞれ配備した各燃焼用バーナから構成したので、
該下部に対して傾斜した円筒状の第2段旋回溶融
室を連結して2段旋回方式を採用することで排ガ
スとスラグの分離効率を高めることができ、該構
造により、第1段旋回溶融室の下部に特に絞り部
分を設ける必要はなく、炉内径を上方から下方ま
で一定の形状にして形成することができる。従つ
て、築炉上も簡素化が計れると共に、炉本体は垂
直な円筒部であつて絞り部がないから、該出口の
部位でスラグが該スラグ溶融温度以下になつたと
しても該絞り部で固まることがない。また、出口
部位で圧力損失が発生することがなく、未燃粒子
や溶融物を同伴した高速ガスによる摩耗で炉材の
侵食や溶損は発生しない。 〔実施例〕 以下、図面を参照して、この発明による多段式
旋回溶融炉の実施例を説明する。 第1図はこの発明による多段式旋回溶融炉の一
実施例を示す断面図、及び第2図は第1図の多段
式旋回溶融炉の平面図である。 第1図に示すように、この発明による多段式旋
回溶融炉1は、主として、被溶融物の燃焼溶融を
行う第1段旋回溶融室4、第2段旋回溶融室5、
排ガスと溶融スラグと分離して排出する排ガス出
口9、及びスラグ排出口10から構成されてい
る。被溶融物としては、下水汚泥乾燥物、焼却残
渣、都市ごみ焼却残渣等の廃棄物の他、微粉炭、
未燃カーボンを含む固体燃料等であり、これらの
被溶融物は、この多段式旋回溶融炉1において溶
融処理される。 第1段旋回溶融室4は、ストレート状円筒部か
ら形成され、上部に被溶融物の供給口13と燃焼
用空気吹込口2を円筒部の接線方向に配設して炉
内で被溶融物の旋回気流を形成せしめて、燃焼溶
融を行わせるものである。従来、単段式の旋回溶
融室の下部については、溶融スラグの捕集効率を
高めるために、出口方向に炉内径が順次縮小する
ようにした絞り部分を設けているが、前述のよう
に絞り部分の耐火物の摩耗、溶損、溶融スラグの
付着等による閉塞が起こり、操炉に著しい困難を
きたすので、この発明による第1段旋回溶融室4
の下部については、該下部に対して傾斜した傾斜
面17を備えたストレート状円筒部から成る第2
段旋回溶融室5を連結し、2段旋回方式を採用す
ることで排ガスとスラグの分離効率を高めるよう
に構成されている。この構造により、第1段旋回
溶融室4の下部に特に絞り部分を設ける必要はな
く、炉内径を上方から下方までほぼ一様の形状に
して構成することができ、多段式旋回溶融炉の築
炉上も簡素化が計れる。第2段旋回溶融室5に
は、燃焼用空気吹込口3が接線方向に配置され、
下部には、排ガス出口9、スラグ排出口10が接
続されている。また、第1段旋回溶融室4の上部
には、補助燃焼用バーナ6が円筒部の接線方向に
設けられている。この補助燃焼用バーナ6は、符
号8で示される部位から挿入して設けられてもよ
いものであるが、ここでは、符号8で示される部
位には、のぞき窓が設けられている。更に、第2
段旋回溶融室5の上部には、補助燃焼用バーナ7
が円筒部の接線方向に設けられている。この補助
燃焼用バーナ7は、符号14で示される部位から
挿入して設けられてもよいものであるが、ここで
は、符号14で示される部位には、のぞき窓が設
けられている。 上記のように構成したこの多段式旋回溶融炉1
において、例えば、被溶融物である下水汚泥乾燥
物の処理をする場合には、まず、補助燃焼用バー
ナ6,7により重油等の燃焼ガスを第1段旋回溶
融室4及び第2段旋回溶融室5に吹込み、各溶融
室4,5の昇温を行う。この場合、補助燃焼バー
ナ6,7は、円筒状の溶融室の接線方向にそれぞ
れ配置されているので、第1段旋回溶融室4及び
第2段旋回溶融室5内には、燃焼ガスによる旋回
気流が形成される。昇温により各旋回溶融室4,
5の温度を、汚泥の灰分が溶融し、融液が炉内を
流動するのに適当な温度にまで上昇させた後、汚
泥乾燥物を汚泥乾燥物供給口13から第1段旋回
溶融室4の接線方向から吹込む。同時に、汚泥の
理論空気量の約1.05〜1.40倍の燃焼用空気を、例
えば、第1段旋回溶融室4の燃焼用空気吹込口2
から全体空気量の50〜80%、及び第2段旋回溶融
室5の燃焼用空気吹込口3から残りの空気をそれ
ぞれ溶融室4,5に対して接線方向に吹き込むよ
うに制御する。 この時、重油燃焼ガス量は各旋回溶融室4,5
の温度が過度に上昇しないように調節する必要が
あるが、汚泥の発熱量が十分大きく、且つ灰の融
点が極端に高くない場合には、汚泥の燃焼熱だけ
で溶融温度が適当に保持されるので、各補助燃焼
用バーナ6,7を完全に停止することが可能であ
る。また、補助燃焼用バーナ6,7はそれぞれ別
個に操作できるので、運転状況に合わせた補助燃
焼の方法を選択できる。 汚泥乾燥物は、熱風乾燥機や間接加熱乾燥機の
乾燥物を粉砕したものでも、気流乾燥機の乾燥物
を未粉砕のままで使用してもよく、空気輸送によ
り汚泥乾燥物供給口13から10〜50m/secの流
速供給し得る性状であれば良い。通常、この乾燥
物は水分20%以下、粒径1000μ以下であることが
多いが、これを汚泥乾燥物供給口13から旋回気
流を形成させて供給すると、乾燥物の中の微細粒
子の一部が、大部分の粒子で形成する旋回気流と
分級され、その上部に滞留層を形成することがあ
つた。第1段旋回溶融室4の上部にこの滞留層が
形成されると、補助燃焼用バーナ6の吹出口上に
堆積したり、炉壁に未溶融灰の付着物を形成する
原因となるので、第1段旋回溶融室4の燃焼用空
気吹込口2を汚泥乾燥物供給口13の上部に少な
くとも1箇所以上設けることにより、微細粒子の
滞留層の形成を防ぐようにすることが好ましい。 第1段旋回溶融室4に吹き込まれた汚泥乾燥物
は、搬送空気、汚泥燃焼空気、バーナ燃焼ガスが
形成する高速の旋回気流に乗りながら、高温下で
瞬時に空間燃焼するが粒径の大きいものの一部が
未燃粒子のままで強い遠心力を受けて炉壁面に衝
突し、溶融スラグ層に捕捉されて燃焼する。汚泥
中の灰分は溶融し、大部分は炉壁面を伝わりなが
ら流下するが一部は溶融ミストとなつて燃焼ガス
と同伴しながら第2段旋回溶融室5に導かれる。 第2段旋回溶融室5では、残りの燃焼空気と発
熱量の低い汚泥の場合には補助燃焼用バーナ7の
燃焼ガスが接線方向から吹き込まれ再び強い旋回
気流が形成される。ここで、一部残存していた未
燃ガスが完全燃焼して第2段旋回溶融室5の温度
を高める一方、旋回気流によるサイクロン効果で
溶融物が炉壁面に衝突し捕集されるので、ガスと
溶融物の分離が促進され、溶融スラグの捕集率を
高めることができるようになつた。 第2段旋回溶融室5は、ガスと溶融物とを徹底
的に分離することを主目的としているため、温度
の降下がなければ、適当な容積、好ましくはその
有効容積が第1段旋回溶融室4の容積の少なくと
も50%以上に形成するのが良い。 また、運転状況により溶融物の粘性が低下する
場合があるので、第2段旋回溶融室5は水平では
なく、傾斜角が約5゜以上に出口部15を下方に傾
けて形成するのが好ましい。第2段旋回溶融室5
では、炉壁面で捕集された溶融物が円筒下方面に
溜まりを形成しながら流下し、スラグ排出口10
に落下し、該スラグ排出口10に配置されるスラ
グ受けに投入される。一方、溶融物と分離された
排ガスは、排ガス出口9より排気される。この排
ガス出口9より排気された排ガスは、例えば、後
流に配置された第3段燃焼室を通つて熱交換器に
送り込まれ、排ガスは熱交換されて熱エネルギー
が回収された後、サイクロンに送り込まれる。排
ガスは、該サイクロンでガスと固液体が分離され
た後、ガス分は、更にバグフイルタに送り込まれ
て、完全に分離処理される。 実施例 1 第1段旋回溶融室4として、内径350mmφ、有
効高さ1300mmの円筒を用い、また第2段旋回溶融
室5として、内径350mmφ、長さ1200mmの円筒を
用いた。第1段旋回溶融室4の円筒下部に、第2
段旋回溶融室5の円筒を15゜傾斜させて連結して
多段式旋回溶融炉を構成した。補助燃焼バーナに
より第1段旋回溶融室4及び第2段旋回溶融室5
の温度を1200〜1400℃まで上昇させた後、下水汚
泥の脱水ケーキを気流乾燥機で処理して水分を2
〜20%にした乾燥物を空気輸送により第1段旋回
溶融室4の上部に供給した。燃焼空気は、汚泥空
気比を1.1〜1.3に設定し、全体量の約70%を第1
段旋回溶融室4、約30%を第2段旋回溶融室5に
分割注入した。各溶融室の温度を1200〜1400℃に
保ちながら、補助燃焼バーナ油量を減少しつつ乾
燥物の供給量を高めていき、35〜50KgDS/hの
供給量で自燃運転を行つた。 1日約3〜8時間、乾燥物の供給をしながら、
約4ケ月間実験を続けた。結果を表−1に示す。 表−1から明らかなように、2段式旋回溶融炉
を用いて、溶融実験を行つた結果、特に、操炉上
のトラブルもなく、スラグ捕集率95%以上の成績
が約4ケ月間、安定して得られた。一方、本実験
の比較例として第1段旋回溶融室の下部を内径
200mmφに絞り、第2段旋回溶融室は連結せずに
スラグ排出口と排ガス出口を設けた単段式旋回溶
融炉を用いて約4ケ月処理した場合の結果は同じ
く、表−1の比較例に示す通りであるが、スラグ
捕集率が80%まで低下し、絞り部分の耐火物が損
傷して欠落し、口径が広がつてしまつた。ここ
で、スラグ捕集率Rは、回収したスラグ重量W
を、供給した汚泥の灰分換算重量Cで除算した百
分率の値である。即ち、 R=100×W/C である。
【表】 実施例 2 実施例1において、この多段式旋回溶融炉1の
第2段旋回溶融室5の長さ方向に3ケ所のガスサ
ンプリング口を設け、排ガス中のダスト濃度を測
定した。分析結果例を表−2に示したが、採取距
離が長い方がダスト濃度が小さくなる傾向がみら
れ、その差は650mm(第1段旋回溶融室4の容積
の50%)をもつて顕著であつた。この採取距離と
は、第1段旋回溶融室4の出口部11と第2段旋
回溶融室5の入口部18との接続部位からの距離
である。従つて、多段式旋回流炉1においては第
2段旋回溶融室5を第1段旋回溶融室4の少なく
ても50%以上の容積比で構成することが、スラグ
捕集率向上の点から有利であることが確認され
た。
〔発明の効果〕
この発明による多段式旋回溶融炉は、上記のよ
うに構造されており、次のような効果を有する。
即ち、この多段式旋回溶融炉は、ストレート状円
筒部の接線方向に開口する被溶融物供給口と燃焼
用空気吹込口を上部に備え且つ出口部を下部に備
えた第1段旋回溶融室、該第1段旋回溶融室の下
端部に傾斜して配置し且つ前記出口部と連通する
入口部とストレート状円筒部の接線方向に燃焼用
空気吹込口とを上部に及び該円筒部の出口部を下
部に設けた第2段旋回溶融室、並びに前記各旋回
溶融室の各上部に前記各円筒部の接線方向にそれ
ぞれ配備した各燃焼用バーナから構成したので、
該下部に対して傾斜した円筒部の第2段旋回溶融
室を連結して2段旋回方式を採用することで排ガ
スとスラグの分割効率を高めることができ、該構
造により、第1段旋回溶融室の下部に特に絞り部
分を設ける必要はなく、炉内径を上方から下方ま
で一定の形状にして形成することができる。従つ
て、築炉上も簡素化が計れると共に、主燃焼域と
離れた炉本体の出口には絞り部が形成されていな
い構造であり、被溶融物や運転条件によつては、
該出口部の部位がたとえスラグ溶融温度以下にな
ることがあつても、流下スラグが炉出口の部位で
固化することがなく、ガス流路を狭めるという現
象は発生しない。従つて、スラグの閉塞現象は発
生せず、炉内圧の大幅な変動とスラグ流出を困難
とすることはなく、旋回溶融炉の運転が不可能と
なることはない。それ故に、溶融炉を構成してい
る炉材に固着したスラグを除去するような作業を
行う必要ははなく、作業性を向上できる。炉本体
の出口部位での圧力損失が発生せず、未燃粒子や
溶融物を同伴した高速ガスによる摩耗で炉材の侵
食や溶損が発生するようなこともない。そのた
め、炉材の修復も簡単でメインテナンスも容易に
行うことができる。また、二段旋回方式を採用す
ることで排ガスとスラグの分離効率を高めること
ができる。従つて、下水汚泥の乾燥物、焼却残
渣、都市ゴミ焼却残渣等に含まれる可燃分を一層
効率良く燃焼させ、被溶融物が常にスムースに流
動して溶融炉から排出でき、安定した溶融分離処
理ができ、廃棄物等の溶融処理を極めて効率良
く、且つ安定して行うことができる。 また、前記第1段旋回溶融室の燃焼用空気吹込
口を被溶融物供給口の上部に少なくとも1箇所以
上設けたので、第1段旋回溶融室内には燃焼ガス
による旋回気流を形成でき、乾燥物の中の微細粒
子の一部が大部分の粒子で形成する旋回気流と分
級されることがなく、微細粒子の滞留層の形成を
防ぐことができ、微細粒子が補助燃焼用バーナの
吹出口上に堆積したり、炉壁に未溶融灰の付着物
を形成することがない。 更に、前記第2段旋回溶融室の有効容積を、前
記第1段旋回溶融室の容積の少なくとも50%以上
に構成したので、ガスと溶融物とを徹底的に分離
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による多段式旋回溶融炉の一
実施例を示す概略断面図、第2図は第1図の多段
式旋回溶融炉の平面図、及び第3図は従来の旋回
溶融炉を示す概略説明図である。 1…汚泥乾燥物供給口、2,3…燃焼用空気吹
込口、4…第1段旋回溶融室、5…第2段旋回溶
融室、6,7…補助燃焼用バーナ、9…排ガス出
口、10…スラグ排出口、11,15…出口部、
17…傾斜面、18…入口部。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ストレート状円筒部の接線方向に開口する被
    溶融物供給口と燃焼用空気吹込口を上部に備え且
    つ出口部を下部に備えた第1段旋回溶融室、該第
    1段旋回溶融室の下端部に傾斜して配置し且つ前
    記出口部と連通する入口部とストレート状円筒部
    の接線方向に燃焼用空気吹込口とを上部に及び該
    円筒部の出口部を下部に設けた第2段旋回溶融
    室、並びに前記各旋回溶融室の各上部に前記各円
    筒部の接線方向にそれぞれ配備した各燃焼用バー
    ナーから成る多段式旋回溶融炉。 2 前記第1段旋回溶融室の燃焼用空気吹込口を
    被溶融物供給口の上部に少なくとも1箇所以上設
    けた請求項1に記載の多段式旋回溶融炉。 3 前記第2段旋回溶融室の有効容積を、前記第
    1段旋回溶融室の容積の少なくとも50%以上に構
    成した請求項1に記載の多段式旋回溶融炉。
JP16654189A 1989-06-30 1989-06-30 多段式旋回溶融炉 Granted JPH0336413A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16654189A JPH0336413A (ja) 1989-06-30 1989-06-30 多段式旋回溶融炉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16654189A JPH0336413A (ja) 1989-06-30 1989-06-30 多段式旋回溶融炉

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0336413A JPH0336413A (ja) 1991-02-18
JPH0587728B2 true JPH0587728B2 (ja) 1993-12-17

Family

ID=15833193

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