JP2531901B2 - 廃棄物処理炉および廃棄物処理炉による廃棄物の処理方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物の処理方法に係
り、詳しくは自動車シュレッダーダスト，産業廃棄物，
都市ごみ，下水汚泥等の廃棄物を燃焼させると共に、そ
れらの焼却灰を高温で溶融して無害化するようにした廃
棄物処理炉および廃棄物処理炉による廃棄物の処理方法
に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、近年では廃棄物の処理が
社会問題化している。即ち、廃棄物は埋立て処分したり
焼却処分されていたが、近年では大都市域における処分
地の確保が困難になり、また処分地の遠距離化に伴う処
分コストの上昇というような問題や、埋立て処分後にお
ける重金属類の地下水汚染等の二次公害の発生という問
題を抱えていた。そこで、最近では減容化による埋立地
の延命化や重金属類のスラグ中への封じ込みによる地下
水汚染防止やスラグの有効活用等の観点から廃棄物を焼
却・溶融する技術が注目されるようになってきている。

【０００３】下水汚泥等の廃棄物を焼却すると共に、焼
却により生じた焼却灰を溶融処理する技術は、例えば、
特開昭６１−７０３１４号公報において開示されてい
る。以下、上記技術に係る旋回流式燃焼溶融炉を、その
一部切欠き斜視図の図３を参照しながらその概要を説明
すると、図に示す符号５１は、傾斜円筒状の炉体、符号
５２はこの炉体５１の先端部に設けられたバーナであ
り、このバーナ５２はオイル供給管５３とオイル圧送用
の圧縮空気供給管５４とオイル燃焼用の圧縮空気供給管
５５から供給されるオイルを燃焼させ、高温の燃焼ガス
を炉体５１の内部に吹込むものである。

【０００４】また、符号５６は炉体５１のバーナ５２に
近い先方部に炉体５１の内壁に対して接線方向に設けら
れた原料噴射管で、下水汚泥等を乾燥させた乾燥汚泥の
ような粉体原料をファンにより供給する原料供給管５７
と燃焼用熱風を供給する熱風供給管５８とを備え、粉体
原料を燃焼用熱風に乗せて炉体５１の内部へ接線方向に
噴射するものである。

【０００５】従って、噴射された乾燥汚泥等の粉体原料
および燃焼用熱風は、炉体５１の内部を旋回しながらバ
ーナ５２による加熱で燃焼されると共に、その焼却灰は
溶融スラグとなる。この溶融スラグは、断面が縮小され
た炉体基部の炉出口部５９から下方へ流下すると共に、
溶融スラグ排出口６２から排出される。

【０００６】なお、この場合、炉出口部５９から３０〜
２５０ｍｍ程度の近い位置には３００〜５００℃程度の
高温の燃焼用熱風を上記噴射により生じる旋回流と同一
方向に噴射する熱風噴射管６０が設けられており、これ
により炉体５１内の炉出口部５９に近い部分に熱風によ
るエアーカーテンを形成して未燃物や未溶融の焼却灰が
炉外への流出を防止するようにしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記旋回流式燃焼溶融
炉の場合、発熱量や形状が一定で安定している下水汚泥
のような廃棄物の場合には燃焼が安定するので特に問題
が生じないが、例えばプラスチック，ゴム，金属，木
片，ガラス等の可燃物および不燃物が混合され、かつ形
状もさまざまで数μｍ〜数１０ｃｍものまで含まれてい
る一般の産業廃棄物，自動車シュレッダーダスト，都市
ごみ等の廃棄物では燃焼が不安定になり、炉の燃焼温度
が低い場合にはスラグ化率が悪くなるだけでなく、ダイ
オキシン類等の有害物質が多量に排出されてしまうとい
う解決すべき課題が生じる。

【０００８】従って、本発明の目的とするところは、自
動車シュレッダーダスト，産業廃棄物，都市ごみ，下水
汚泥等の廃棄物を確実に燃焼させると共に高温度で溶融
し、ダイオキシン類の発生を抑制することを可能ならし
める廃棄物処理炉および廃棄物処理炉による廃棄物の処
理方法を提供するにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであって、従って本発明の請
求項１に係る廃棄物処理炉の特徴とするところは、先端
部に燃焼バーナを備え、かつ内周壁に対する接線方向に
廃棄物が燃焼用空気と共に吹込まれる廃棄物供給孔を備
えた円筒状の廃棄物焼却炉部と、該廃棄物焼却炉部の反
燃焼バーナ側の炉出口部が接線方向から連通し、旋回流
方向に加熱炎を噴射させる溶融用加熱装置を備え、かつ
同方向に溶融させる廃棄物が空気輸送により吹込まれる
廃棄物供給孔を備えると共に、下部に溶融スラグを排出
するスラグ排出口を備えたサイクロン式溶融炉部とから
なる構成にしたところにある。

【００１０】また、本発明の請求項２に係る廃棄物の処
理方法の特徴とするところは、請求項２記載の廃棄物処
理炉による廃棄物の処理方法において、廃棄物を予め可
燃分が多い廃棄物と不燃分が多い廃棄物とに選別し、選
別した可燃分が多い廃棄物を廃棄物焼却炉部に供給する
一方、選別した不燃分の多い廃棄物をサイクロン式溶融
炉部に供給するところにある。

【００１１】

【作用】本発明の請求項１に係る廃棄物処理炉によれ
ば、溶融用加熱装置によってサイクロン式溶融炉部の炉
内をより高温にすることができるので、廃棄物燃焼炉部
からサイクロン式溶融炉部内に流入した廃棄物の未燃分
や未燃ガスを確実に燃焼させ、かつ焼却灰や不燃物を高
温で溶融することができる。

【００１２】本発明の請求項２に係る廃棄物の処理方法
によれば、可燃分が多い廃棄物が廃棄物焼却炉部に供給
されるので、供給される廃棄物は旋回されながら燃焼バ
ーナによる加熱によって安定して燃焼され、その焼却灰
は炉出口部を通ってサイクロン式溶融炉部に到り、この
サイクロン式溶融炉部内において旋回されながら溶融用
加熱装置による加熱により溶融される一方、サイクロン
式溶融炉部に供給された不燃分の多い廃棄物は旋回され
ながら、その可燃分が燃焼されると共にその焼却灰と不
燃分が溶融用加熱装置による加熱により溶融される。

【００１３】

【実施例】以下、本発明に係る廃棄物処理炉の実施例
を、その側面断面構成説明図の図１と、図１のＡ−Ａ線
断面図の図２とを参照しながら説明すると、この廃棄物
処理炉１は、図１から良く理解されるように、廃棄物焼
却炉部２とサイクロン式溶融炉部３とで一体的に構成さ
れてなるものである。

【００１４】より詳しくは、廃棄物焼却炉部２は、図１
における左先端が若干上向きになるように傾斜した円筒
状に形成され、その先端部には燃焼バーナ２ａが設けら
れており、この燃焼バーナ２ａには図示しないオイル供
給管とオイル微粒化用の圧縮空気供給管とオイル燃焼用
の圧縮空気供給管とが連通している。この燃焼バーナ２
ａは供給されたオイルを燃焼させ、高温の燃焼ガスを廃
棄物焼却炉部２内に吹込むものである。

【００１５】また、廃棄物焼却炉部２の上記燃焼バーナ
２ａに近い先方部には、この廃棄物焼却炉部２の内周壁
に対して接線方向に向いて開口する廃棄物供給孔２ｂ，
２ｃ が所定の間隔で設けられており、これら廃棄物供給
孔２ｂ，２ｃは廃棄物を図示しないファンにより供給管
を通して燃焼用熱風と共にこの廃棄物焼却炉部２の内部
へ接線方向に噴射するものである。このように、廃棄物
を接線方向に噴射するのは、旋回させることにより廃棄
物を高温の炉内周壁に押つけ、かつ滞留時間を長くして
廃棄物の可燃分をより完全に燃焼させるためである。

【００１６】従って、廃棄物供給孔２ｂ，２ｃから炉内
周壁に対して接線方向に噴射された廃棄物は、廃棄物焼
却炉部２の内部を旋回しつつ燃焼バーナ２ａによる加熱
によって燃焼されると共に、焼却灰，廃棄物の未燃分，
不燃物，燃焼ガス等は断面が縮小された炉体基部の炉出
口部２ｄを通って後述する構成になるサイクロン式溶融
炉部３に流入する。

【００１７】上記サイクロン式溶融炉部３は、周知のサ
イクロンの内部形状と同等の内部形状を有するもので、
廃棄物焼却炉部２の反燃焼バーナ２ａ側の炉出口部２ｄ
が接線方向から連通する上部に内径が同径の円胴部を備
え、下部に漏斗状部を備える一方、炉出口部２ｄの連通
部より若干下方位置には、円胴部の内周壁に対して接線
方向に開口し、オイルの供給を受けて燃焼ガスを接線方
向に吹出す溶融用バーナ３ａが設けられている。燃焼ガ
スを接線方向に吹出すのは、旋回させることにより焼却
灰や不燃物を高温の炉内周壁に押つけ、かつ滞留時間を
長くしてより完全に溶融させてスラグ化率を向上させる
ためである。

【００１８】さらに、漏斗状部の円胴部に近い位置に
は、例えば空送される不燃廃棄物あるいは不燃分を多く
含む廃棄物を内周壁の接線方向に吹込む廃棄物供給孔３
ｂが設けられている。なお、円胴部の上部から屈曲して
外方に連通してなるものは、排ガスを排出する排ガスダ
クト部３ｃであり、また下方に開口しているものは溶融
スラグＳを排出するスラグ排出口３ｄであり、このスラ
グ排出口３ｄは後述する構成になるスラグ抜出し装置４
に連通している。

【００１９】上記スラグ抜出し装置４は、傾斜配設され
たケーシング４ａ内に多数のモール ド４ｂを搬送するチ
ェーンコンベア４ｃと、その下方側にモールド４ｂから
落下したスラグをケーシング４ａ外に排出するスクリュ
フィーダ４ｄが内設され、チェーンコンベア４ｃの搬送
先側の下方位置に２重スライドゲート４ｅを有するスラ
グ排出部を備えている。上記チェーンコンベア４ｃはケ
ーシング４ａの上部に設けた駆動モータ４ｆにより駆動
されるように構成されている。

【００２０】そのため、サイクロン式溶融炉部３の内壁
を伝ってスラグ排出口３ｄから自然流下する溶融スラグ
Ｓはモールド４ｂの中へ入れられ、チェーンコンベア４
ｃによる搬送中に冷却・固化され、２重スライドゲート
４ｅを経てスラグ排出部の下方のスラグコンテナ５に貯
えられ、このスラグコンテナ５が固化したスラグで満た
されると所定の場所に移動・集積されると共に、固化し
たスラグは例えば建築資材等として有効活用に供され
る。

【００２１】なお、サイクロン式溶融炉部３の下方は温
度が低下し易く、流下中に溶融スラグＳが固まってこの
サイクロン式溶融炉部３のスラグ排出口３ｄに閉塞トラ
ブルが発生する恐れがあるので、ケーシング４ａの外方
にエジェクター４ｇを設けて、高温の排ガスをスラグ抜
出し装置４のケーシング４ａ内に吸引し、吸引した排ガ
スによりスラグ抜出し装置４を加熱するようにしてい
る。

【００２２】以下、上記構成になる廃棄物処理炉１の作
用態様を説明すると、上流側の廃棄物供給孔２ｂからは
発熱量の高い廃棄物を、また下流側の廃棄物供給孔２ｃ
からは発熱量の低い廃棄物をそれぞれ選別供給する。上
流側の廃棄物供給孔２ｂから発熱量の高い廃棄物が供給
されるので、燃焼バーナ２ａによる加熱によりこの廃棄
物が燃焼されて廃棄物燃焼炉部２の内部温度が高くな
る。さすれば、高い炉温によって下流側の廃棄物供給孔
２ｃから供給された発熱量の低い廃棄物が効果的に燃焼
されるので、廃棄物燃焼炉部２における廃棄物の燃焼が
安定する。

【００２３】上記廃棄物燃焼炉部２では、廃棄物の大部
分、好ましくは８０％以上をガス化・燃焼させる。次い
で、その可燃分の残量やガス化されたＣＯ、Ｈ ₂ 等の未
燃ガ スは炉出口部２ｄを通ってサイクロン式溶融炉部３
に流入するが、このサイクロン式溶融炉部３には溶融用
バーナ３ａが設けられていて、これにより加熱されてい
るので、上記可燃分の残量やガス化されたＣＯ、Ｈ ₂ 等
の未燃ガスは完全燃焼されてしまうこととなる。この場
合、溶融用バーナ３ａは廃棄物燃焼炉部２から流入する
排ガス温度が低い場合に活用されるもので、排ガス温度
が高く灰の融点以上である場合には活用する必要がない
ものである。

【００２４】また、廃棄物燃焼炉部２から流入する排ガ
ス中に未燃物，未燃ガスが多量に含まれている場合も、
溶融用バーナ３ａに燃料を供給せず、燃焼空気のみまた
は酸素富化空気のみを供給してこれらを完全燃焼させて
サイクロン式溶融炉部３の炉内温度を灰の溶融点以上に
保持することができる。

【００２５】ところで、不燃物と可燃物とが混在してい
る自動車シュレッダーダスト，産業廃棄物，都市ごみ等
の廃棄物では、事前に不燃分の多い廃棄物と可燃分の多
い廃棄物とに選別し、可燃分の多い廃棄物を廃棄物燃焼
炉部２に供給すると共に、不燃分の多い廃棄物を廃棄物
供給孔３ｂからサイクロン式溶融炉部３に供給すること
も可能である。

【００２６】廃棄物を選別する場合、例えば廃棄物が自
動車シュレッダーダストである場合には、３ｍｍの篩目
を有する篩装置（図示省略）によって自動車シュレッダ
ーダストを選別し、３ｍｍ以上の自動車シュレッダーダ
ストを廃棄物燃焼炉部２に、また３ｍｍ未満の自動車シ
ュレッダーダストをサイクロン式溶融炉部３に供給すれ
ば良い。

【００２７】つまり、自動車シュレッダーダストをこの
ように篩い分けすると、自動車シュレッダーダストの性
状から必然的に大きさが３ｍｍ以上のものには可燃分が
多く含まれ、逆に大きさが３ｍｍ未満のものには不燃分
が多く含まれることになるからである。このように、篩
装置の篩目を３ｍｍとしたのは、繰り返し試験によって
知見したものであって、篩目が３ｍｍ未満や、３ｍｍを
超える場合には何れも 自動車シュレッダーダストを効果
的に選別することが難しいからである。

【００２８】その他、廃棄物を風力選別により選別し
て、最も軽い紙類，スポンジ，発泡スチロール等の発熱
量の高いものを廃棄物燃焼炉部１の廃棄物供給孔２ｂ
に、プラスチック，ゴム等のように少し燃焼性が悪いも
のを廃棄物供給孔２ｃに供給すると共に、ガラス，アル
ミニウム，銅等の不燃物を廃棄物供給孔３ｂからサイク
ロン式溶融炉部３に供給することも可能で、とくに支障
のないことを確認した。

【００２９】以上では、サイクロン式溶融炉部３に燃料
の燃焼による溶融用バーナ３ａを設けた例を説明した
が、例えば発電プラント付の廃棄物処理場においては安
価な電気を使用することが可能であり、このような溶融
用バーナ３ａに代えてプラズマトーチ（図示省略）を使
用することができ、サイクロン式溶融炉部３の炉内温度
の高温化に対して多大な効果がある。

【００３０】周知のように、プラズマは非常に高温であ
って、ダイオキシン類等の有害物質を分解する能力が極
めて大きいからである。また、燃料の燃焼による溶融用
バーナ３ａを用いる場合に比較して排ガス量が少なくな
るので、同一投入熱量ならば排ガス処理設備の小型化が
可能になるという経済効果もある。

【００３１】このように、廃棄物は廃棄物溶融炉２内で
安定燃焼され、そしてこの廃棄物溶融炉２から廃棄物の
未燃分が排出されても、この未燃分と焼却灰とはサイク
ロン式溶融炉部３内において高温度に晒されることによ
り未燃分は確実に燃焼される一方、焼却灰や不燃物等が
高温で溶融されるので、スラグ化率が向上し、しかもダ
イオキシン類が効果的に分解されるので、排ガス中のダ
イオキシン類の含有量を大幅に削減することが可能にな
る。

【００３２】因みに、この溶融処理炉によって自動車シ
ュレッダーダストを下記の条件で処理した事例を示す。 廃棄物：自動車シュレッダーダスト 処理量：１２５ｋｇ／ｈ 燃焼室バーナ：天燃ガス；８Ｎｍ ³ ／ｈ、空気比；
１．０ サイクロン溶融炉バーナ：天然ガス；５Ｎｍ ³ ／
ｈ、空気比；１．０ 廃棄物輸送空気：６００Ｎｍ ³ ／ｈ

【００３３】自動車シュレッダーダストをこのような条
件で廃棄物処理炉１で処理した結果、サイクロン式溶融
炉部３の排ガス排出ダクト部３ｃから排出される排ガス
の組成は、Ｏ ₂ が７．２３％、ＣＯ ₂ が１０．２７％、
ＣＯが１５ｐｐｍ、ＮＯ _X が１２５ｐｐｍ、ダイオキシ
ン類が０．４３（毒性等価換算値）であり、また自動車
シュレッダーダストのスラグ化率は９２．７％であっ
た。また、固化したスラグ中に含まれている有害物質の
成分は表１のようになっていた。

【００３４】

【表１】

【００３５】以上の結果から明らかなように、通常の焼
却炉では２，３，７，８の四塩化ダイオキシン毒性等価
換算値で２．０以上のダイオキシン類が排出されるのに
対して、本発明によれば０．４３であって、通常の焼却
炉の約１／５以上になっており、ダイオキシン類の削減
化に対して極めて大きな効果がある一方、スラグの全成
分に対して全く問題のない範囲であり、処分後のこれら
の流出による二次公害の恐れも少なくなることとなる。

【００３６】なお、以上では、廃棄物焼却炉部２に二つ
の廃棄物供給孔２ｂと２ｃとが設けられている例を説明
したが、廃棄物供給孔は３以上であっても良いのは勿論
のこと、１つであっても良い。但し、廃棄物供給孔が１
つの場合には、当然、廃棄物焼却炉部２には可燃物およ
び不燃物が混合されてなる廃棄物が供給されるので燃焼
が不安定になり，不燃物と共に多量の可燃物の未燃分、
未燃ガスがサイクロン式溶融炉部３に送られるが、これ
ら可燃物の未燃分、未燃ガスはこのサイクロン式溶融炉
部３内において溶融用バーナあるいは溶融用プラズマト
ーチによる加熱によって燃焼されると共に灰分や不燃物
が溶融されるので、燃焼の安定性では劣 るものの、その
効果は二つの廃棄物供給孔を有する場合とほぼ同等であ
る。

【００３７】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る廃棄
物処理炉および廃棄物処理炉による廃棄物の処理方法に
よれば、廃棄物の選別供給により廃棄物燃焼炉部におけ
る廃棄物の燃焼が安定化するのに加えて、焼却灰，廃棄
物の未燃分並びに未燃ガス等がサイクロン式溶融炉部に
おいて溶融用バーナあるいは溶融用プラズマトーチによ
り高温加熱されて確実に燃焼され、かつ灰分や不燃物も
確実に溶融されるので、廃棄物のスラグ化率の向上と、
ダイオキシン類の削減とに対して極めて多大な効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る廃棄物処理炉の側面断面
構成説明図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】従来技術に係る旋回流式燃焼溶融炉の一部切欠
き斜視図である。

【符号の説明】

１…廃棄物処理炉、２…廃棄物焼却炉部、２ａ…燃焼バ
ーナ、２ｂ，２ｃ…廃棄物供給孔、２ｄ…炉出口部、３
…サイクロン式溶融炉部、３ａ…溶融用バーナ、３ｂ…
廃棄物供給孔、３ｃ…排ガスダクト部、３ｄ…スラグ排
出口、４…スラグ抜出し装置、５…スラグコンテナ、Ｓ
…溶融スラグ。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端部に燃焼バーナを備え、かつ内周壁
   に対する接線方向に廃棄物が燃焼用空気と共に吹込まれ
   る廃棄物供給孔を備えた円筒状の廃棄物焼却炉部と、該
   廃棄物焼却炉部の反燃焼バーナ側の炉出口部が接線方向
   から連通し、旋回流方向に加熱炎を噴射させる溶融用加
   熱装置を備え、かつ同方向に溶融させる廃棄物が空気輸
   送により吹込まれる廃棄物供給孔を備えると共に、下部
   に溶融スラグを排出するスラグ排出口を備えたサイクロ
   ン式溶融炉部とからなることを特徴とする廃棄物処理
   炉。
2. 【請求項２】 廃棄物を予め可燃分が多い廃棄物と不燃
   分が多い廃棄物とに選別し、選別した可燃分が多い廃棄
   物を廃棄物焼却炉部に供給する一方、選別した不燃分の
   多い廃棄物をサイクロン式溶融炉部に供給することを特
   徴とする請求項１記載の廃棄物処理炉による廃棄物の処
   理方法。