JP3549044B2 - 被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルン及びそのキルンの操業方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属線被覆チップや合成樹脂の粉砕物などの被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルン及びそのキルンの操業方法に係り、特に、産業廃棄物焼却炉として使用されるロータリキルンのバーナとして用いられた粉体バーナの燃料として被覆ナゲット屑を使用することにより再生重油等の燃料の消費量を少なくすることが可能な被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルン及びそのキルンの操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物は、特殊なものを除いて、その産業廃棄物に最適な焼却炉により焼却処理されている。焼却処理は体積を短時間で減容することができると共に、処理後の生成物が少量の無機灰になるため衛生的であり優れた処理方法である。
【0003】
しかし、産業廃棄物の中でも焼却処理の困難なものとして液体状の産業廃棄物がある。液体状の産業廃棄物には、主なものとして潤滑油、切削油、絶縁油等の廃油や写真の現像液、メッキ液等の廃液が挙げられる。廃油や廃液は、水分を多く含んでいる場合が多く、単独で焼却処理することが極めて困難である。
従来、これらの液体状の産業廃棄物を焼却処理することができる焼却炉としては図7に示すロータリキルン・ストーカ併用式焼却炉がある。
【0004】
かかるロータリキルン・ストーカ併用式焼却炉を用いて液体状の産業廃棄物である廃油及び廃液を焼却処理するには、まず廃油を予め水分と油分に分離し、分離された油分(再生重油等)をロータリキルン式焼却炉70の助燃バーナ78の燃料として使用し焼却する。一方、廃液は多量の水分を含んでおり且つ水分のみを分離することが困難であるため直接燃焼させることはできない。そのためストーカ式焼却炉80の残渣の燃焼時に生じる熱を利用して二次燃焼炉86内に廃液はノズル83を用いて霧状にして噴霧することにより熱分解、焼却していた。
【0005】
かかるロータリキルン・ストーカ併用式焼却炉は、廃油を焼却するロータリキルン式焼却炉70と廃液を焼却するストーカ式焼却炉80とに分れているため、焼却設備の規模はその付帯設備を含めて大きなものとならざるを得なかった。
【0006】
そこで、出願人は、図5に示すようなロータリキルン式の産業廃棄物焼却炉を提供すべく特許出願を行った(特開平10−141638)。
かかるロータリキルン式産業廃棄物焼却炉1では、回転炉2内に一次燃焼室4を形成し、回転炉2の一端側には、廃液などの液体状産業廃棄物を噴射するノズル3と、汚泥、シュレッダダストなどの固体産業廃棄物を投入するプッシャ6a付きのシュート6と、そして、産業廃棄物を燃焼させる助燃バーナ8とが配置されている。各種産業廃棄物は、一次燃焼室4で燃焼して焼却灰は回転炉2の他端に設けられた残渣排出口9から排出する。燃焼ガスは、残渣排出口9の上方に設けられた排気ダクト9aから図示されていない冷却塔で100 以下に冷却した後、従来周知の排ガス洗浄装置に送られる。
【0007】
ところで、金属線被覆チップ(被覆ナゲット屑)は、土木建築現場などで大量に発生する産業廃棄物の一種である廃銅線あるいはアルミ線を細かく切断し、金属分をとった残渣(被覆材)であり、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)、塩化ビニール(PVC)、被覆繊維(紙)及び金属(銅又はアルミニウム)から構成されている。このような合成樹脂を主成分とする廃棄物としては他にもポリエチレン容器(PE)、ケミカルドラム(PE製)、自動車バンパ(PP製)、OA機器プラスチック(ABS製)等がある。特にPP、PEは、炭素と水素から構成されており、石油系燃料と同様に熱エネルギを回収することが可能であるが、発熱量が高いため焼却炉の炉材を損傷してしまい、市町村の産業廃棄物焼却施設として用いられている普通のストーカ式焼却炉、ロータリ式焼却炉、産業廃棄物用流動炉では燃焼処理することができなかった。また、PP、PEを熱分解して燃料として再使用する方法は、コストの点で問題があり、結局、従来は焼却不適物として分別収集し埋立て処分するしか方法はなかった。
【0008】
また、PEを専用の特殊な燃焼装置を用いて焼却する場合も、橋かけ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などプラスチック配合剤に含まれている微量の塩素から塩化水素が発生するため、従来周知の排ガス洗浄装置を焼却装置にも設置しなければならず、全処理システムとして考えた場合建築コストが極めて高いものとなる欠点を有していた。
【0009】
そこで、出願人は粉体バーナを産業廃棄物焼却炉のバーナとして用い、その燃料の一部として産業廃棄物である金属線被覆チップ(被覆ナゲット屑)を用いることにより重油等の燃料の消費を少なくすると共に、粉体バーナ内の残渣もまた産業廃棄物物焼却炉の炉内に向かって移動させて処理することが可能な「金属線被覆チップの処理方法」を提供すべく特許出願をした(特開平10−185162)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法に用いられる粉体バーナ本体52は、図6に示すように、ほぼ円筒形をなすと共に炉4内側に向かって角度だけθ下がるように傾斜して設けられているため、ノズル54から粉体バーナ本体52内に導入された金属線被覆チップ及び一次空気を旋回させながら炉4内側へ移動させる際の金属線被覆チップの滞留時間を調整することが難しいという問題があった。また、粉体バーナ52は再生重油を燃料としてバーナ60により燃焼させているが、廃棄物の増集荷に伴い再生重油のコストが上昇し、稼働コストが高いものとなっているという問題があった。尚、58は三次空気を導入するブロア、56は二次空気を導入する噴射口である。
【0011】
そこで、本発明は、産業廃棄物焼却炉の燃料として用いる産業廃棄物である金属線被覆チップや合成樹脂の粉砕物などの被覆ナゲット屑の粉体バーナ内における滞留時間を調整可能とした被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルン及びそのキルンの操業方法を提供すると共に、重油などの燃料の消費をさらに少なくし、コストパーフォーマンスを改善した被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルン及びそのキルンの操業方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、垂直方向に立設されたほぼ円筒状の燃焼室を有する粉体バーナの頂部付近に設けられたオイルバーナにより燃料を燃焼させると共に、オイルバーナ近傍に配置された一次噴射口から一次空気及び燃料となるポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニール、ABS樹脂の群から選択される少なくとも1種又は2種以上から構成される合成樹脂を主成分とする廃棄物の粉砕物である被覆ナゲット屑を該燃焼室の内部に接線方向から滞留時間を調整しつつ噴射して垂直方向に立設された該燃焼室内を旋回させながら燃焼させ、発生した火炎を燃焼室の底部側から伸出して連結された吹込みノズルによりロータリキルン内に導入し該ロータリキルン内に供給される産業廃棄物を焼却処理する被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンを提供する。
【0013】
粉体バーナの頂部付近に設けられたオイルバーナにより燃料である再生重油等を燃焼させる。そして、一次噴射口から一次空気と共に被覆ナゲット屑を該燃焼室の内部に噴射して燃焼室内を旋回させながら燃焼させる。燃焼室内に発生した火炎を吹込みノズルからロータリキルン内に導入することによりロータリキルン内に供給される産業廃棄物を焼却処理する。
【0014】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンにおいて、二次空気を粉体バーナの燃焼室内に導入する第二噴射口と、三次空気を粉体バーナの燃焼室内に導入する第三噴射口とを有することを特徴とする。
粉体バーナの燃焼室内に燃焼空気の補給と旋回の促進のため第二噴射口を設け、そして、燃焼室内の残渣をロータリキルン内へ吹出すため第三噴射口を設ける。
【0015】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンにおいて、二次空気は粉体バーナの燃焼室のほぼ中間部付近においてその接線方向から導入されるようにされ、三次空気は粉体バーナの燃焼室とロータリキルンとを連結する吹込みノズルの軸流方向から導入されることを特徴とする。
被覆ナゲット屑を一次空気と共に燃焼室内に接線方向から導入すると、被覆ナゲット屑は粉体バーナ内に滞留し、時間をかけて該燃焼室内を旋回する。そして、燃焼空気の補給と旋回の促進のため燃焼室のほぼ中間部付近においてその接線方向から二次空気を導入する。そして、燃焼室内の残渣をロータリキルン内へ吹出すために吹込みノズルの軸流方向から三次空気を導入する。
【0016】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンにおいて、燃料となる被覆ナゲット屑がポリエチレンであることを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、垂直方向に立設されたほぼ円筒状の燃焼室を有する粉体バーナの頂部付近に設けられたオイルバーナにより燃料を燃焼させる工程と、オイルバーナ近傍に配置された一次噴射口から一次空気及び燃料となるポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニール、ABS樹脂の群から選択される少なくとも1種又は2種以上から構成される合成樹脂を主成分とする廃棄物の粉砕物である被覆ナゲット屑を該燃焼室の内部に接線方向から滞留時間を調整しつつ噴射して垂直方向に立設された燃焼室内を旋回させながら燃焼させる工程と、二次空気を粉体バーナの燃焼室のほぼ中間部付近に設けられた第二噴射口から粉体バーナの燃焼室内にその接線方向から導入する工程と、三次空気を粉体バーナの燃焼室とロータリキルンとを連結する吹込みノズル付近に設けられた第三噴射口から粉体バーナの燃焼室内に導入する工程と、粉体バーナ内に発生した火炎を燃焼室の底部側から伸出して連結された吹込みノズルによりロータリキルン内に導入し、該ロータリキルン内に供給される産業廃棄物を焼却処理する工程とを含み構成される被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンの操業方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンについて、図示された好ましい実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンの一実施形態を示す説明図であり、図2は図1に示したロータリキルンの側面図である。
【0019】
まず、本発明に係る被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンAは、概略として、ロータリキルン本体1と、粉体バーナ10と、その両者を連結するように設けられた吹込みノズル30とにより構成されている。粉体バーナ10は、図3に示すように、その内部に垂直方向に立設された円筒状の燃焼室12を有し、その周囲壁に上から順にオイルバーナ14、被覆ナゲット屑及び一次空気噴射口16、二次空気噴射口18が、それぞれの噴射物が燃焼室12内に接線方向から導入されるようにして設けられている。さらに、三次空気噴射口19が燃焼室12内に後述する吹込みノズル30の軸流方向から導入されるようにして設けられている。
【0020】
オイルバーナ14は、オイルポンプ14aから送られる燃料となる再生重油と燃焼空気ブロア14bから送られる空気を燃焼室12内に噴射して炉内を加熱するものである。オイルバーナ14は燃焼室12内の予熱のために用いられ、内部の温度が400〜500 に達したらオイルバーナ14を消火する。その後は燃焼室12内に被覆ナゲット屑を吹込むだけで燃焼が継続する。これによりさらに燃料となる再生重油のランニングコストの削減を図ることが可能となる。
【0021】
被覆ナゲット屑及び一次空気噴射口16は、燃焼室12内に燃料として用いる被覆ナゲット屑と一次空気とを混合した状態で導入するものである。被覆ナゲット屑は約1〜8mmに裁断されて原料ホッパ15a内に収納されており、原料ホッパ15aの下部にはスクリュウコンベア15bが配置されている。そして、スクリュウコンベア15bにて送られてくる被覆ナゲット屑を徐々に送り出すためのディスクフィーダ15cが設けられている。尚、スクリュウコンベア15bとディスクフィーダ15cとの間には送り量を一定に保持することができるようにバッファを設けてもよい。
【0022】
ディスクフィーダ15cから供給される被覆ナゲット屑は一次空気を供給するルーツブロア16aから送り出される一次空気により被覆ナゲット屑及び一次空気噴射口16から燃焼室12内に噴出される。本実施形態においては、二次・三次空気用のブロアもルーツブロア16aを用いて配管を分岐することにより、二次空気噴射口18及び三次空気噴射口19に、それぞれ、最適な圧力を調整しながら空気を供給している。もちろん、二次・三次空気用にそれぞれブロアを設けることもできる。
【0023】
吹込みノズル30は、粉体バーナ10の底部12aからロータリキルン本体1の一反部側の側面部を連結するようにして設けられている。被覆ナゲット屑が燃焼室12内で燃焼し、発生した火炎が燃焼室12の底部12aから排出され、吹込みノズル30を通ってロータリキルン本体1へ導入される。
【0024】
一般に、燃焼室12内の被覆ナゲット屑の滞留時間はそれらが燃焼室12内に導入されたときの被覆ナゲット屑及び一次空気の速度によって変化する。被覆ナゲット屑及び一次空気の速度が速いと、被覆ナゲット屑及び一次空気は、燃焼室12の内周面に沿って長い時間螺旋状に運動し、従って、滞留時間も長くなる。
また、被覆ナゲット屑は、粉体バーナの燃焼室出口付近では高温状態となり燃焼し易くなっているため、燃焼室12の中間部付近に設けられた二次空気噴射口18から二次空気を導入したり、該燃焼室12の底部付近に設けられた三次空気噴射口19から三次空気を導入することにより完全燃焼を行うように調整することが可能である。さらに、三次空気の噴射によりロータリキルン本体1に導入される火炎の形状を最適なものとすることもできる。ロータリキルン本体1に導入される火炎は、一般的には、ロータリキルン本体1に供給される産業廃棄物を燃焼処理することができるように広い範囲に当てられる形状が好ましく、具体的には、水平方向に長い形状とする。
【0025】
ロータリキルン本体1の基本的な構成は図5に示すものとほぼ同じであり、概略として、回転炉2内に一次燃焼室4を形成して構成されている。回転炉2の一端側には、廃液などの液体状産業廃棄物を噴射するノズル3と、汚泥、シュレッダダストなどの固体産業廃棄物を投入するプッシャ6a付きのシュート6が配置され、そして、産業廃棄物を燃焼させる助燃バーナ8の替わりに粉体バーナ10が配置され、吹込みノズル30により火炎が一次燃焼室内に導入されるように構成されている。ロータリキルン本体1は、高温の雰囲気においても耐え得るように内側壁が耐熱処理されている。これにより、熱カロリが高いPE等を燃焼させても十分に耐えることができる。
【0026】
各種産業廃棄物は、一次燃焼室4で燃焼して焼却灰は回転炉2の他端に設けられた残渣排出口9から排出する。燃焼ガスは、残渣排出口9の上方に設けられた排気ダクト9aから図示されていない冷却塔で100 以下に冷却した後、従来周知の排ガス洗浄装置に送られる。尚、図面中、2a,2bは回転炉2の外周面に形成されたレール及びラック歯車であり、5a,5bはレール2aを支える一対のローラ及びラック歯車2bと噛み合うピニオン歯車5cを回転駆動するモータである。3aは、吹込用ノズル3から噴射する液体状産業廃棄物が綺麗に拡散するように形状付けられたラッパ状噴射口である。
【0027】
次に、被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンAの操業方法について説明する。
図4に示されているように、まず準備段階として、約1〜8mm程度に裁断された被覆ナゲット屑を原料ホッパ15a内に収納し、スクリュウコンベア15bにてディスクフィーダ15cへ供給可能としておく。尚、上述したように、被覆ナゲット屑とは、土木建築現場などで大量に発生する産業廃棄物の一種である廃銅線あるいはアルミ線を細かく切断し金属分をとった残渣(被覆ナゲット屑)及びポリエチレン容器、ケミカルドラム(PE製)、自動車バンパ(PP製)、OA機器プラスチック(ABS製)等の合成樹脂からなる廃棄物である。
【0028】
被覆ナゲット屑の主成分は、ポリプロピレン又はポリエチレンなどの合成樹脂製のプラスチックであり、ポリプロピレン及びポリエチレンは、それぞれ、比重が0.9及び0.94であるから比重1の水に入れると比重分離によって銅線或はアルミ線と分離することができる。適当な長さの銅ナゲット屑を水槽に入れて撹拌すると、PP、PEなどが金属分から剥がれて水面に浮く。水槽の底には、金属と共に被覆繊維(紙)、塩化ビニールが沈殿する。この段階で、塩化水素の発生原因である塩化ビニールを、PP、PEから分離することができる。
【0029】
そして、燃焼空気ブロア14bから供給される燃焼空気と一緒にオイルポンプ14aから燃料となる再生重油を粉体バーナの頂部付近に設けられたオイルバーナ14へ送り燃焼室12内で燃焼させる(ステップ1)。次に、供給可能とされた燃料となる被覆ナゲット屑をルーツブロア16aより送られる空気と共に被覆ナゲット屑及び一次空気噴射口16から燃焼室12の内部に接線方向から噴射して燃焼室12内に導入し、燃焼室12内を旋回させながら燃焼させる(ステップ2)。
【0030】
そして、ルーツブロア16aから送られる空気の一部を二次空気噴射口18から粉体バーナ10の燃焼室12内にその接線方向から導入し(ステップ3)、さらに、ルーツブロア16aから送られる空気の一部を三次空気噴射口19から粉体バーナ10の燃焼室12内に導入する(ステップ4)。そして、粉体バーナ10内に発生した火炎を燃焼室12の底部側から伸出して連結された吹込みノズル30を通ってロータリキルン本体1内に導入し、一次燃焼室4内に供給される産業廃棄物を焼却処理する(ステップ5)。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンによれば、垂直方向に立設されたほぼ円筒状の燃焼室を有する粉体バーナの頂部付近に設けられたオイルバーナにより燃料を燃焼させると共に、オイルバーナ近傍に配置された一次噴射口から一次空気及び燃料となる被覆ナゲット屑を該燃焼室の内部に接線方向から噴射して該燃焼室内を旋回させながら燃焼させ、発生した火炎を燃焼室の底部側から伸出して連結された吹込みノズルによりロータリキルン内に導入し、該ロータリキルン内に供給される産業廃棄物を焼却処理するように構成されているので、被覆ナゲット屑の粉体バーナ内における滞留時間を容易に調整して被覆ナゲット屑を完全燃焼させることができるので、重油などの燃料の消費をさらに少なくすることができ、産業廃棄物処理のコストダウンを図ることが可能となる効果を有する。
【0032】
また、本発明に係る被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンの操業方法によれば、同様に、重油などの燃料の消費をさらに少なくすることが可能となり、産業廃棄物処理のコストダウンを図ることが可能となる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンの一実施形態の構成図である。
【図2】図1に示した粉体バーナ及びロータリキルンの側面図である。
【図3】粉体バーナの縦断面図である。
【図4】本発明に係る被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンの操業方法を示すフローチャートである。
【図5】ロータリキルンの斜視図である。
【図6】従来の粉体バーナを用いたキルンの断面図である。
【図7】従来のロータリキルン・ストーカ併用式焼却炉の斜視図である。
【符号の説明】
A 被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルン
1 ロータリキルン本体
2 回転炉
2a レール
2b 歯車
3 ノズル
3a ラッパ状噴射口
4 一次燃焼室
5a ローラ
5c モータ
5c ピニオン歯車
6 シュート
6a プッシャ
8 助燃バーナ
10 粉体バーナ
12 燃焼室
14 オイルバーナ
14a オイルポンプ
14b 燃焼空気ブロア
15a 原料ホッパ
15b スクリュウコンベア
15c ディスクフィーダ
16 被覆ナゲット屑及び一次空気噴射口
16a ルーツブロア
18 二次空気噴射口
19 三次空気噴射口
30 吹込みノズル
Claims (5)
- 垂直方向に立設されたほぼ円筒状の燃焼室を有する粉体バーナの頂部付近に設けられたオイルバーナにより燃料を燃焼させると共に、前記オイルバーナ近傍に配置された一次噴射口から一次空気及び燃料となるポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニール、ABS樹脂の群から選択される少なくとも1種又は2種以上から構成される合成樹脂を主成分とする廃棄物の粉砕物である被覆ナゲット屑を該燃焼室の内部に接線方向から滞留時間を調整しつつ噴射して垂直方向に立設された該燃焼室内を旋回させながら燃焼させ、発生した火炎を前記燃焼室の底部側から伸出して連結された吹込みノズルによりロータリキルン内に導入し該ロータリキルン内に供給される産業廃棄物を焼却処理する被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルン。
- 請求項1に記載の被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンにおいて、
二次空気を前記粉体バーナの燃焼室内に導入する第二噴射口と、
三次空気を前記粉体バーナの燃焼室内に導入する第三噴射口と、
を有することを特徴とする被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルン。 - 請求項1又は2に記載の被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンにおいて、
前記二次空気は前記粉体バーナの燃焼室のほぼ中間部付近においてその接線方向から導入されるようにされ、
前記三次空気は前記粉体バーナの前記燃焼室と前記ロータリキルンとを連結する前記吹込みノズルの軸流方向から導入されることを特徴とする被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルン。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンにおいて、
燃料となる前記被覆ナゲット屑がポリエチレンであることを特徴とする被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルン。 - 垂直方向に立設されたほぼ円筒状の燃焼室を有する粉体バーナの頂部付近に設けられたオイルバーナにより燃料を燃焼させる工程と、
前記オイルバーナ近傍に配置された一次噴射口から一次空気及び燃料となるポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニール、ABS樹脂の群から選択される少なくとも1種又は2種以上から構成される合成樹脂を主成分とする廃棄物の粉砕物である被覆ナゲット屑を該燃焼室の内部に接線方向から滞留時間を調整しつつ噴射して垂直方向に立設された燃焼室内を旋回させながら燃焼させる工程と、
二次空気を前記粉体バーナの燃焼室のほぼ中間部付近に設けられた第二噴射口から前記粉体バーナの燃焼室内にその接線方向から導入する工程と、
三次空気を前記粉体バーナの前記燃焼室と前記ロータリキルンとを連結する吹込みノズル付近に設けられた第三噴射口から前記粉体バーナの燃焼室内に導入する工程と、
前記粉体バーナ内に発生した火炎を前記燃焼室の底部側から伸出して連結された前記吹込みノズルによりロータリキルン内に導入し、該ロータリキルン内に供給される産業廃棄物を焼却処理する工程と、
を含み構成される被覆ナゲット屑を燃料とする粉体バーナを用いたロータリキルンの操業方法。
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