JPH08128896A - 焦電型赤外線検出器 - Google Patents

焦電型赤外線検出器

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JPH08128896A
JPH08128896A JP29071694A JP29071694A JPH08128896A JP H08128896 A JPH08128896 A JP H08128896A JP 29071694 A JP29071694 A JP 29071694A JP 29071694 A JP29071694 A JP 29071694A JP H08128896 A JPH08128896 A JP H08128896A
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Kazutaka Okamoto
一隆 岡本
Koichi Matsumoto
浩一 松本
Hideji Takada
秀次 高田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度補償用電極に斜め方向から赤外光が入射
しても、クロストークによって受光用電極の出力に影響
が及ぼされることがない、高感度な焦電型赤外線検出器
を提供すること。 【構成】 焦電素材5に受光用電極7と温度補償用電極
8とを、それらの極性が互いに逆極性となるように接続
して設けた焦電型赤外線検出器において、前記温度補償
用電極8の厚みを受光用電極7のそれよりも大きくする
ことにより、温度補償用電極8の赤外線領域における光
の吸収係数を受光用電極7のそれよりも小さくしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ガス分析計、放射温
度計、炎検出器、侵入者警報器などに組み込まれる焦電
型赤外線検出器に関し、特に、焦電素材に受光用電極と
温度補償用電極とを、それらの極性が互いに逆極性とな
るように接続して設けた温度補償機能を有する焦電型赤
外線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】上記焦電型赤外線検出器として、例え
ば、実開昭58−93833号公報に開示されたものが
ある。すなわち、この公報に開示された焦電型赤外線検
出器は、図4に示すように、容器41内に設けられた一
つの焦電素材42の表面に一対の電極43,44を配置
し、一方の電極43を受光用電極とし、他方の電極44
を温度補償用電極とし、かつ、両電極を互いに逆極性と
なるように直列接続してなるとともに、受光用電極43
にのみ外部から赤外光45が入射するように、容器41
の上部の受光用電極43に対向する位置に、赤外線透過
性材料からなる窓材が設けられた赤外透過窓46が設け
られ、温度補償用電極44には、赤外光45が入射しな
いように、遮光されている。
【0003】このように構成された焦電型赤外線検出器
は、周囲温度の変化に対しても均衡を保ち、外乱に対し
ては検出器として出力することがない、つまり、周囲温
度の変化に影響されないといった優れた特性を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように、温度補償用電極44が遮光されるようにしてあ
っても、実際には、前記温度補償用電極44に入射する
赤外光を完全に零にすることは困難である。すなわち、
図4に示すように、クロストークと称される斜めの赤外
光47が受光用電極43に対向するように設けられた赤
外透過窓46を通過して、温度補償用電極44に入射す
ることがある。そして、このクロストークした赤外光4
7の入射により、温度補償用電極44から信号が出力さ
れ、この信号が受光用電極43の出力の一部を相殺し、
結果的に、この種の焦電型赤外線検出器の感度が設計値
を下回るといった不都合があった。
【0005】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、温度補償用電極に斜め方向から赤外光が入射
しても、クロストークによって受光用電極の出力に影響
が及ぼされることがない、高感度な焦電型赤外線検出器
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明では、焦電素材に受光用電極と温度補償用
電極とを、それらの極性が互いに逆極性となるように接
続して設けた焦電型赤外線検出器において、前記温度補
償用電極の厚みを受光用電極のそれよりも大きくするこ
とにより、温度補償用電極の赤外線領域における光の吸
収係数を受光用電極のそれよりも小さくしている。
【0007】
【作用】一般に、焦電型赤外線検出器においては、受光
部における電極の厚みと検出器感度との間には相関関係
がある。試みに、クロームからなる電極の厚みを100
Åから1000Åに変えた場合、検出器感度が1/2と
なった。このことから、温度補償用電極の厚みを受光用
電極のそれよりも大きくすることにより、温度補償用電
極の赤外線領域における光の吸収係数を受光用電極のそ
れよりも小さくすることができる。
【0008】例えば、受光用電極の厚みを100Åと
し、温度補償用電極のそれを1000Åとすれば、クロ
ストークの影響を半減させることができる。つまり、温
度補償用電極に斜め方向から赤外光が入射しても、温度
補償用電極から信号がほとんど出力されず、したがっ
て、受光用電極の出力に影響が及ぼされることがなくな
り、高感度の焦電型赤外線検出器を得ることができる。
【0009】
【実施例】図1(A),(B)は、この発明の一実施例
に係る焦電型赤外線検出器の構成を概略的に示すもの
で、この図において、1は鉄やニッケルあるいはコバー
ルなど適宜の金属よりなる下部開放型の例えば円筒状の
ケースで、その上面には、偏倚して開口1aが形成さ
れ、この開口1aを閉塞するように、赤外線透過性材料
からなる窓材が設けられた赤外透過窓(以下、窓とい
う)2が形成されている。3はケース1の下部開口を封
鎖するステムである。
【0010】4は例えばセラミックよりなる回路基板
で、その上面にはPZT素子などの焦電部材5が適宜の
スペーサ6を介して保持されている。そして、焦電部材
5の上下両面に電極部を形成した二つの電極7,8が設
けられている。この電極7,8は、図2に示す等価回路
のように接続されている。すなわち、各電極7,8にお
いてはそれぞれ、焦電流Pi,Pi’の電荷発生源7
A,8Aと静電容量Cp,Cp’と絶縁抵抗Rp,R
p’とが並列接続され、これら2つの並列体が互いに逆
極性(出力の極性が互いに逆)となるように直列に接続
されている。そして、前記一方の電極7がインピーダン
ス変換用の電界効果トランジスタ(FET)9のゲート
に接続され、他方の電極8がアース端子10に接続され
ている。なお、図1(A)において、11は焦電流を電
圧に変換し、かつ、電気的時定数を設定するためのゲー
トリーク抵抗、12は電源供給用や信号取り出し用のリ
ードピンである。
【0011】そして、このデュアル素子タイプの焦電型
赤外線検出器においては、図1(B)に示すように、一
方の電極7のみが前記窓2に臨み、この窓2を経た赤外
光13がこれに入射し、他方の電極8には赤外光が入射
しないように構成されている。つまり、電極8は遮光状
態となるように構成されている。なお、以下、電極7を
受光用(測定用)電極と言い、電極8を温度補償用電極
と言う。
【0012】ここまでの構成は、従来のデュアル素子タ
イプの焦電型赤外線検出器と変わるところがない。すな
わち、赤外光13を受けた場合、焦電流piに基づく信
号が出力される。そして、周囲温度に変化が生じた場合
には、赤外光13を受光したときと同様に、受光用電極
7および温度補償用電極8の温度が変化し、これによる
焦電流が受光用電極7および温度補償用電極8において
それぞれ発生するが、上述のように、受光用電極7と温
度補償用電極8とが互いに逆極性となるように直列接続
されているので、Pi+Pi’=0となり、周囲温度の
変化に対しても均衡を保ち、外乱に対しては検出器とし
て出力することがない。つまり、周囲温度の変化に影響
されないのである。
【0013】この発明の焦電型赤外線検出器が、従来の
それと大きく異なるところは、温度補償用電極8の厚み
を受光用電極7のそれよりも大きくすることにより、温
度補償用電極8の赤外線領域における光の吸収係数を受
光用電極7のそれよりも小さくしたことである。すなわ
ち、Cr,Ni,AlやNi−Crなど金属を蒸着法や
スパッタリング法によって焦電素材1に被着して電極
7,8を形成する際、その厚みを異ならせるのである。
【0014】例えば、受光用電極7の厚みを100Åと
し、温度補償用電極8のそれを1000Åとした場合、
温度補償用電極8の赤外線領域における反射率が受光用
電極7のそれに比べて、約2倍となる。つまり、温度補
償用電極8の赤外線領域における光の吸収係数が受光用
電極7のそれに比べて1/2となる。その結果、仮に、
温度補償用電極8にクロストークによって赤外光が入射
しても、この温度補償用電極8からは信号がほとんど出
力されない。したがって、受光用電極7の出力に影響が
及ぼされることがなくなり、この種の焦電型赤外線検出
器の感度が向上する。
【0015】上述の実施例においては、受光用電極7に
対向して臨む位置にのみ窓2を設けて、温度補償用電極
8を遮光状態となるようにしていたが、これに代えて、
図3に示すように、受光用電極7および温度補償用電極
8の双方に対向するように窓14を形成し、この窓14
の温度補償用電極8に対向する部分に適宜厚さの金属層
15を形成し、温度補償用電極8に赤外光が入射しない
ようにしてあってもよい。
【0016】また、上述の実施例においては、受光用電
極7と温度補償用電極8とが互いに逆極性となるように
直列接続されているが、これに代えて、両電極7,8を
逆極性となるように並列接続してもよい。
【0017】そして、上述の実施例においては、容器1
の中に一対の電極を設けたデュアルタイプであったが、
このデュアルタイプの素子を複数設けるようにしてもよ
いし、このデュアルタイプの素子と従来のデュアルタイ
プの素子とを組み合わせるようにしてもよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の焦電型
赤外線検出器においては、温度補償用電極の厚みを受光
用電極のそれよりも大きくすることにより、温度補償用
電極の赤外線領域における光の吸収係数を受光用電極の
それよりも小さくしているので、温度補償用電極に斜め
方向から赤外光が入射しても、この赤外光が温度補償用
電極で吸収されることがなく、温度補償用電極から信号
がほとんど出力されず、したがって、受光用電極の出力
に影響が及ぼされることがなくなり、高感度の焦電型赤
外線検出器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の焦電型赤外線検出器の一例を示す図
で、(A)は縦断面図、(B)は平面図である。
【図2】前記焦電型赤外線検出器の等価回路図である。
【図3】この発明の他の実施例に係る焦電型赤外線検出
器の一部を破断して示す図である。
【図4】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
5…焦電素材、7…受光用電極、8…温度補償用電極。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焦電素材に受光用電極と温度補償用電極
    とを、それらの極性が互いに逆極性となるように接続し
    て設けた焦電型赤外線検出器において、前記温度補償用
    電極の厚みを受光用電極のそれよりも大きくすることに
    より、温度補償用電極の赤外線領域における光の吸収係
    数を受光用電極のそれよりも小さくしたことを特徴とす
    る焦電型赤外線検出器。
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JP2014190867A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Semitec Corp 炎検知センサ及び立ち消え安全装置
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JP2018200246A (ja) * 2017-05-29 2018-12-20 ホーチキ株式会社 火炎検出装置
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