JPH08128762A - 室外機の除霜装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 室外機への着霜を防止するとともに、暖房時
におけるホットスタートを可能とする室外機の除霜装置
を提供する。 【構成】 室内ユニットに設けられた蒸発器に冷媒流通
路を介して接続される冷暖房切換弁４、圧縮器２および
凝縮器３が配設された室外ユニット１を備えた室外機を
構成する場合において、除霜用液１５を貯留する貯留容
器９と、この貯留容器９内の除霜用液１５を吐出するポ
ンプ１１と、このポンプ１１から前記圧縮器２側に延出
してその外側壁２ａに近接し、また、この圧縮器２から
前記凝縮器３側に延出してそのチューブ３ａに沿い、さ
らに、この凝縮器３側から延出して前記貯留容器９に連
結してなる除霜液流通路１２と、を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷暖房兼用の空気調和
機における室外機に係り、特に、ヒートポンプ式空気調
和機の室外機への着霜を防止する室外機の除霜装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】一般家屋に設置される冷暖房兼用のヒー
トポンプ式空気調和機は、室内に取り付けられる室内ユ
ニットと、屋外に設置される室外ユニットとが冷媒通路
により接続されている。

【０００３】このヒートポンプ式空気調和機において
は、室外ユニット内に圧縮器、第１の熱交換器、四方切
換弁および減圧器等が配設されている。前記四方切換弁
は、冷媒配管を介して室内ユニットに設けられた第２の
熱交換器に接続されている。

【０００４】また、前記第１の熱交換器側に室外送風フ
ァンが設けられるとともに、第２の熱交換器側に室内送
風ファンが設けられており、冷暖房時には、室内送風フ
ァンにより熱交換器を介して室内空気を還流させると、
冷気または暖気が室内に送風され、部屋の冷暖房がなさ
れる。この際、室外送風ファンにより外気を吸い込み、
熱交換器を還流させることにより熱交換が行われる。

【０００５】このヒートポンプ式空気調和機は、冬期の
暖房運転時において凝縮器となる第１の熱交換器のチュ
ーブやフィン等に霜が付着するのを防止するため、除霜
を行なっている。すなわち、外気温度の低下が著しいと
きに室外ユニットおよび屋外の冷媒配管に霜付きが発生
すると、空気抵抗が増して伝熱が悪くなるために蒸発温
度が下がり、圧縮器の能力が低下して暖房能力が著しく
低下する問題が生じる。

【０００６】このため、前記室外ユニットに取り付けた
温度センサから送出されてくる検出温度に基づいて、霜
付きの発生を判断して圧縮器を一時的に停止したり、タ
イマにより切換時間を設定して前記四方切換弁を切換
え、暖房と冷房の断続運転を行うことにより室外ユニッ
ト側の凝縮器を加温し、霜付きの防止を図るのが一般的
であった。

【０００７】ところが、このように圧縮器を一時停止し
たり、暖房と冷房の断続運転を行う場合、除霜までの間
は暖房運転ができず、また、断続運転においては暖房中
に室温が低下するため、室温を再び適温まで上昇させる
のに相当な時間を要する場合があり、暖房運転が甚だ非
効率なものとなっていた。

【０００８】そこで、圧縮器の廃熱を利用して凝縮器側
に高温の冷媒を流通させる方式の室外ユニット２１が提
案されている。この室外ユニット２１は、図２に示すよ
うに、圧縮器２２、凝縮器２３および四方切換弁２４等
を備えており、この四方切換弁２４が外部冷媒配管２６
およびバルブ２６ａ，２６ｂを介して室内ユニットに設
けられた蒸発器に接続されている。また、この室外ユニ
ット２１は、前記圧縮器２２を収容する収納容器２７
と、圧縮器２２の外周部に配置される保温容器２８とを
具備している。

【０００９】この保温容器２８内には、伝熱用液を貯留
するとともに、熱交換材を収納している。そして、この
保温容器２８の上部には、冷媒配管２５の両端２５ａ，
２５ｂが連結されている。すなわち、前記四方切換弁２
４から延設された冷媒配管２５の一端２５ａは、保温容
器２８の右側に連結する一方、この保温容器２８の出口
側となる他端２５ｂは、圧縮器２２の入口側に連結して
いる。そして、この圧縮器の出口側は、凝縮器２３の入
口側であるチューブ２３ａに接続し、このチューブ２３
ａの出口側は前記四方切換弁２４に接続している。

【００１０】これにより、冷媒流通経路が形成され、除
霜は暖房運転の開始とともに行われる。つまり、暖房を
開始することによって、蒸発器から送出されてくる冷媒
ガスが圧縮器２２で圧縮されると、この圧縮器２２から
熱が放散される。このとき、圧縮器２２に近接した保温
容器２８が加熱されて、内部の冷媒配管２５を加温す
る。すると、温度上昇した冷媒が凝縮器２３を通過する
ときに熱放散し、この凝縮器２３のチューブ２３ａを温
める。このため、暖房運転時における凝縮器２３の凝縮
作用によりチューブ２３ａの外周面の温度が低下して
も、このチューブ２３ａが温められることによって霜の
付着が回避されるものである。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の室外機における除霜装置は、暖房運転中に凝縮器２
３のチューブ２３ａを温めることができるので、着霜を
ある程度は防止することができるものの、圧縮器２２が
室温に応じて動作することから、室温が高くなると圧縮
器２２が低速駆動となったり、あるいは停止する場合が
ある。

【００１２】すると、圧縮器２２からの熱放散が低下す
るため、冷媒配管２５が加温されなくなり、凝縮器２３
のチューブ２３ａを温めることができなくなって、外気
温度が低いときには再び霜が付着するという問題が残さ
れていた。

【００１３】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、室外機への着霜を防止するとともに、暖房時におけ
るホットスタートを可能とする室外機の除霜装置を提供
することを目的としている。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１項記載の発明は、室内ユニットに設けられ
た蒸発器に冷媒流通路を介して接続される冷暖房切換
弁、圧縮器および凝縮器が配設された室外ユニットを備
えた室外機において、除霜用液を貯留する貯留容器と、
この貯留容器内の除霜用液を吐出するポンプと、このポ
ンプから前記圧縮器側に延出してその外側壁に近接し、
また、この圧縮器から前記凝縮器側に延出してそのチュ
ーブに沿い、さらに、この凝縮器側から延出して前記貯
留容器に連結してなる除霜液流通路と、を設けたことを
特徴としている。

【００１５】また、請求項２項記載の発明は、室内ユニ
ットに設けられた蒸発器に冷媒流通路を介して接続され
る冷暖房切換弁、圧縮器および凝縮器が配設された室外
ユニットを備えた室外機において、除霜用液を貯留する
貯留容器と、この貯留容器内の除霜用液を加温する加熱
補助手段と、前記貯留容器内の除霜用液を吐出するポン
プと、このポンプから前記圧縮器側に延出してその外側
壁に近接し、また、この圧縮器から前記凝縮器側に延出
してそのチューブに沿い、さらに、この凝縮器側から延
出して前記貯留容器に連結してなる除霜液流通路と、を
設けたことを特徴としている。

【００１６】

【作用】請求項１項記載の発明においては、暖房運転を
開始してからポンプを駆動させると、暖房の開始により
蒸発器から送出されてくる冷媒ガスが圧縮器で圧縮され
る。また、貯留容器内の除霜用液が除霜液流通路に吐出
されて循環する。ここで、冷媒ガスが圧縮されると、圧
縮器から熱が放散される。このとき、圧縮器の外側壁に
近接した除霜液流通路が放熱により加熱されて、管内を
流通する除霜用液を加温する。この除霜用液は、凝縮器
のチューブに沿った除霜液流通路を通過するときに熱放
散し、チューブを温める。このため、暖房運転時におけ
る凝縮器の凝縮作用によりチューブ外周面の温度が低下
しても、チューブが温められることにより霜の付着が回
避される。また、暖房運転の開始後は、圧縮器の放熱に
よって凝縮器のチューブが温められ、室外ユニットと室
内ユニットとを接続した冷媒流通路を流通する冷媒が加
温されることから、蒸発器における冷媒ガスの蒸発作用
が促進される。

【００１７】請求項２項記載の発明においては、暖房運
転の開始後に圧縮器から放熱される熱量で除霜液流通路
内を流通する除霜用液を充分に加温できない場合、加熱
補助手段を作動させる。すると、貯留容器内の除霜用液
の温度が上昇し、この除霜用液が除霜液流通路を循環す
ることにより、凝縮器のチューブを温めることができ
る。このため、外気温度が著しく低下して室外ユニット
内の機器が低温となっていても、温度上昇させることに
より凝縮器を含む各機器の霜付きを防止することができ
る。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図を参照
しながら説明する。図１は、本発明に係る室外機の除霜
装置を示す概要構成図である。

【００１９】この室外機１は、室内機とともに冷暖房兼
用のヒートポンプ式空気調和機を構成し、室外ユニット
内に圧縮器２、第１の熱交換器（凝縮器）３、四方切換
弁４および減圧器（図示省略）を配設しており、収納容
器７、熱交換容器８、貯留容器９、加熱ヒータ１０、吐
出ポンプ１１等が付設されている。

【００２０】前記圧縮器２には、冷媒配管５を介して四
方切換弁４と凝縮器３とが接続されている。この凝縮器
３は、チューブ３ａとフィン３ｂとからなり、チューブ
３ａの一端に前記圧縮器２からの冷媒配管５が連結され
ている。また、このチューブ３ａの他端は、冷媒配管５
を介して前記四方切換弁４に連結されている。この四方
切換弁４は、冷房、暖房の切り換え弁であって、外部冷
媒配管６およびバルブ６ａ，６ｂを介して室内ユニット
に設けられた第２の熱交換器（蒸発器）に接続されてい
る。

【００２１】前記収納容器７は、上方が開口した金属ケ
ースであって、前記圧縮器２を収納保持している。な
お、この収納容器７内には、図示省略しているが圧縮器
２の放熱温度を検出する温度センサが取り付けられてい
る。

【００２２】また、前記熱交換容器８は、中空の円筒状
容器であり、前記圧縮器２の外周壁２ａに密接して収納
容器７内に配置されている。この熱交換容器８は、中空
部８ａに熱交換材を内蔵しており、不凍液１５の流通が
可能となっている。また、この熱交換容器８の上部に
は、２本の除霜液流通管１２が連結されている。

【００２３】この除霜液流通管１２の一方１２ａは、貯
留容器９の不凍液１５を吐出して熱交換容器８側に送出
する吐出ポンプ１１に連結され、除霜液流通管１２の他
方１２ｂは、電磁バルブ１３を介して前記凝縮器３側に
延設されている。この凝縮器３側においては、Ｓ字状に
曲がったチューブ３ａに沿って除霜液流通管１２を配管
し、この除霜液流通管１２の端部１２ｃを貯留容器９内
に延設している。

【００２４】この貯留容器９は、上方が開口した液体収
納容器であって、除霜用の伝熱液として不凍液１５を貯
留している。この貯留容器９内には、前記凝縮器３側か
らの除霜液流通管１２とともに、前記吐出ポンプ１１に
連結された除霜液流通管１２の端部１２ｄが延設されて
いる。

【００２５】また、この貯留容器９内には、不凍液１５
を加温する加熱ヒータ１０が配置されている。この加熱
ヒータ１０は、電熱線に防水処理を施したもので、リー
ド線が貯留容器９の側壁に形成された貫通孔から外部に
引き出されて電源部（図示省略）の端子１０ａ，１０ｂ
に接続されている。この電源部は、前記温度センサの検
出温度に従って加熱ヒータ１０をオン・オフするもの
で、圧縮器２の放熱温度が一定値以下に低下したときに
加熱ヒータ１０をオンにし、貯留容器９内の不凍液１５
を加熱する構成となっている。

【００２６】なお、前記圧縮器２および四方切換弁４に
は、マイクロコンピュータからなる制御部からの信号が
それぞれ導かれており、冷暖房の運転時に四方切換弁４
が切り換えられるとともに、圧縮器２がオン・オフ制御
されて、暖房または冷房のサイクルが形成される（同図
の実線矢印方向が暖房サイクルであり、鎖線が冷房サイ
クルである）。また、前記制御部には、前記温度センサ
からの出力が導入される一方、前記加熱ヒータ１０の電
源部、吐出ポンプ１１および電磁弁１３等に制御信号を
送出するようになっている。

【００２７】しかして、上記室外機の除霜装置において
は、ユーザーが空調機の暖房運転を開始すると、室内機
側の蒸発器から送出されてくる冷媒ガスが圧縮器２で圧
縮される。この暖房開始に伴い、制御部は温度センサか
らの検出信号に基づいて吐出ポンプ１１を駆動させる。
すると、貯留容器９内の不凍液１５が吐出されて圧縮器
２側の熱交換容器８に送給される。

【００２８】この圧縮器２で冷媒ガスが圧縮されると、
圧縮器２から熱が放散される。このとき、圧縮器２の外
側壁２ａに密接した熱交換容器８が放熱により加熱され
て、中空部８ａ内を流通する不凍液１５を加温する。こ
の不凍液１５は、除霜液流通管１２を介して凝縮器３の
チューブ３ａ側に送出され、貯留容器９に還流するの
で、チューブ３ａに沿った除霜液流通管１２路を通過す
るときに熱放散し、チューブ３ａを温める。このため、
暖房運転時における凝縮器３の凝縮作用によりチューブ
３ａの外周面の温度が低下しても、チューブ３ａが温め
られることにより霜の付着を防止することができる。

【００２９】また、この暖房運転の開始後は、圧縮器２
の放熱によって凝縮器３のチューブ３ａが温められ、室
外ユニット１と室内ユニットとを接続した冷媒流通路を
流通する冷媒が加温される。このため、蒸発器における
冷媒ガスの蒸発作用が促進され、所謂ホットスタートが
可能となるので、室内の暖房を迅速に行うことができ
る。

【００３０】ところで、前記暖房運転の開始後にあって
は、室内温度が上昇すると圧縮器２が停止状態になる。
この際は、圧縮器２から放熱される熱量で熱交換容器８
内を流通する不凍液１５を充分に加温できなくなる。し
かし、収納容器７内の温度が低下すると、制御部が温度
センサの検出信号に基づき圧縮器２の放熱温度が一定値
以下に低下していることを判断し、加熱ヒータ１０をオ
ンにさせて貯留容器９内の不凍液１５を加熱する。

【００３１】このため、貯留容器９内の不凍液１５が昇
温し、この不凍液１５が除霜液流通管１２を循環するこ
とにより、前述のように凝縮器のチューブ３ａを温め
る。よって、外気温度が著しく低下して室外機内の凝縮
器３を含む各部が低温となっても、温度上昇によりこれ
らへの霜付きを防止することができる。なお、温度セン
サが一定値以上の放熱温度を検出した場合は、加熱ヒー
タ１０をオフにして、圧縮器２からの放熱温度のみで不
凍液１５を加温することにより電力の使用量を低減す
る。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１項記載の
発明は、暖房運転の開始後にポンプを駆動させることに
より、圧縮器からの放熱で除霜液流通路を流通する除霜
用液を加温して凝縮器を構成するチューブを簡便に温め
られるので、この凝縮器を含む室外ユニットに配設され
た各機器の霜付きを容易に防止することができる効果が
ある。さらに、圧縮器の放熱により凝縮器のチューブが
温められて冷媒流通路を流通する冷媒も加温されること
から、蒸発器における冷媒ガスの蒸発作用が促進され、
暖房運転開始後における温度上昇が急速となる所謂ホッ
トスタートが可能となる利点もある。

【００３３】また、請求項２項記載の発明は、貯留容器
内の除霜用液を加温する加熱補助手段を作動させること
により、除霜液流通路内を流通する除霜用液の温度を高
めることができるので、圧縮器から放熱される熱量で除
霜液流通路内を流通する除霜用液を充分に加温できない
場合や外気温度が著しく低下して室外ユニット内の機器
が低温となっているときに、凝縮器を含む室外ユニット
内の各機器に付着した霜を除去し、かつ着霜をも回避で
きる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る室外機の除霜装置を示
す概要構成図である。

【図２】従来の室外機の除霜装置を示す概要構成図であ
る。

【符号の説明】

１ 室外ユニット ２ 圧縮器 ２ａ 外側壁 ３ 凝縮器 ３ａ チューブ ４ 冷暖房切換弁 ６ 第１の熱交換器 ９ 貯留容器 １１ ポンプ １２ 除霜液流通路 １５ 除霜用液

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 室内ユニットに設けられた蒸発器に冷媒
   流通路を介して接続される冷暖房切換弁、圧縮器および
   凝縮器が配設された室外ユニットを備えた室外機におい
   て、 除霜用液を貯留する貯留容器と、 この貯留容器内の除霜用液を吐出するポンプと、 このポンプから前記圧縮器側に延出してその外側壁に近
   接し、また、この圧縮器から前記凝縮器側に延出してそ
   のチューブに沿い、さらに、この凝縮器側から延出して
   前記貯留容器に連結してなる除霜液流通路と、 を設けたことを特徴とする室外機の除霜装置。
2. 【請求項２】 室内ユニットに設けられた蒸発器に冷媒
   流通路を介して接続される冷暖房切換弁、圧縮器および
   凝縮器が配設された室外ユニットを備えた室外機におい
   て、 除霜用液を貯留する貯留容器と、 この貯留容器内の除霜用液を加温する加熱補助手段と、 前記貯留容器内の除霜用液を吐出するポンプと、 このポンプから前記圧縮器側に延出してその外側壁に近
   接し、また、この圧縮器から前記凝縮器側に延出してそ
   のチューブに沿い、さらに、この凝縮器側から延出して
   前記貯留容器に連結してなる除霜液流通路と、 を設けたことを特徴とする室外機の除霜装置。