JPH0812867A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
難燃性樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH0812867A JPH0812867A JP14654494A JP14654494A JPH0812867A JP H0812867 A JPH0812867 A JP H0812867A JP 14654494 A JP14654494 A JP 14654494A JP 14654494 A JP14654494 A JP 14654494A JP H0812867 A JPH0812867 A JP H0812867A
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- JP
- Japan
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- phosphate
- resin
- polymer
- phosphite
- phosphorus
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 非ハロゲン系の難燃剤を配合した優れた難燃
性を有する樹脂組成物を提供する。 【構成】 下記の(A)、(B)及び(C)の各成分を
必須とする難燃性樹脂組成物。 (A)熱可塑性樹脂含有ポリカーボネート系樹脂 (B)燐含有ポリフェノール系重合体及び/または硼素
含有ポリフェノール系重合体 (C)燐化合物
性を有する樹脂組成物を提供する。 【構成】 下記の(A)、(B)及び(C)の各成分を
必須とする難燃性樹脂組成物。 (A)熱可塑性樹脂含有ポリカーボネート系樹脂 (B)燐含有ポリフェノール系重合体及び/または硼素
含有ポリフェノール系重合体 (C)燐化合物
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性樹脂組成物に関す
るものである。さらに詳しくは、熱可塑性樹脂含有ポリ
カーボネート系樹脂、燐含有ポリフェノール系重合体及
び/または硼素含有ポリフェノール系重合体、及び燐化
合物を必須成分とする難燃性樹脂組成物に関するもので
ある。
るものである。さらに詳しくは、熱可塑性樹脂含有ポリ
カーボネート系樹脂、燐含有ポリフェノール系重合体及
び/または硼素含有ポリフェノール系重合体、及び燐化
合物を必須成分とする難燃性樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート系樹脂は優れた機械的
特性、熱的性質等を有しているため、工業的に広く利用
されている。しかしながら加工性、成形性等に劣るため
他の熱可塑性樹脂とのポリマーブレンドの状態、すなわ
ち、本発明における「熱可塑性樹脂含有ポリカーボネー
ト系樹脂」の状態で使用される場合が多い。そして熱可
塑性樹脂の中でもポリスチレン系樹脂、アクリロニトリ
ル・ブタジエン・スチレン系樹脂(ABS系樹脂)、ポ
リエステル系樹脂等とのポリマーブレンドが自動車分
野、OA機器分野、電子・電気分野等に広く利用されて
いる。
特性、熱的性質等を有しているため、工業的に広く利用
されている。しかしながら加工性、成形性等に劣るため
他の熱可塑性樹脂とのポリマーブレンドの状態、すなわ
ち、本発明における「熱可塑性樹脂含有ポリカーボネー
ト系樹脂」の状態で使用される場合が多い。そして熱可
塑性樹脂の中でもポリスチレン系樹脂、アクリロニトリ
ル・ブタジエン・スチレン系樹脂(ABS系樹脂)、ポ
リエステル系樹脂等とのポリマーブレンドが自動車分
野、OA機器分野、電子・電気分野等に広く利用されて
いる。
【0003】一方、近年、OA機器、家電製品等の用途
を中心に、使用する樹脂材料の難燃化の要望が強く、こ
れらの要望に答えるために多数の難燃性樹脂が開発検討
されているが、ポリカーボネート系樹脂を含む樹脂成分
の難燃化には、主に塩素或いは臭素含有化合物が使用さ
れ、多くの場合、さらにそれらの難燃剤に加えて三酸化
アンチモンなどが難燃助剤として併用されている。ま
た、熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂の難燃化に使用する場
合もあるが、その多くは、塩素或いは臭素等のハロゲン
含有化合物と共に使用されている。
を中心に、使用する樹脂材料の難燃化の要望が強く、こ
れらの要望に答えるために多数の難燃性樹脂が開発検討
されているが、ポリカーボネート系樹脂を含む樹脂成分
の難燃化には、主に塩素或いは臭素含有化合物が使用さ
れ、多くの場合、さらにそれらの難燃剤に加えて三酸化
アンチモンなどが難燃助剤として併用されている。ま
た、熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂の難燃化に使用する場
合もあるが、その多くは、塩素或いは臭素等のハロゲン
含有化合物と共に使用されている。
【0004】一方、非ハロゲン系の難燃剤を使用する技
術に関しては、特開昭50−123193にポリフェノ
ール重合体としてノボラック型フェノール樹脂を用いる
ことが開示されている。また、特開平04−22615
1には燐酸エステル基によるフェノール性水酸基の置換
体を用いることが開示されている。
術に関しては、特開昭50−123193にポリフェノ
ール重合体としてノボラック型フェノール樹脂を用いる
ことが開示されている。また、特開平04−22615
1には燐酸エステル基によるフェノール性水酸基の置換
体を用いることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】熱可塑性樹脂を含有す
るポリカーボネート系樹脂の難燃化のために塩素或いは
臭素含有化合物を使用した場合、難燃化の効果は比較的
大きいが、火災発生時あるいは焼却処理時に有毒性ある
いは有害性の物質を発生する為、救急活動あるいは消火
活動を困難にし、あるいは環境汚染を引き起こすなどの
問題を有している。このため塩素或いは臭素含有化合物
を全く含有しないか、或いは塩素或いは臭素含有化合物
の量が少ない難燃性樹脂の開発が望まれている。また、
難燃剤成分として三酸化アンチモン等の無機物質を使用
した場合には、難燃性樹脂の機械的性質が低下する等の
問題を有している。また、上記の非ハロゲン系の場合は
その難燃化効果は必ずしも充分ではない。本発明はこれ
ら従来の問題点を解決しようとするものであり、その目
的は、非ハロゲン系の難燃剤を使用して優れた難燃性を
有する樹脂組成物を提供することにある。
るポリカーボネート系樹脂の難燃化のために塩素或いは
臭素含有化合物を使用した場合、難燃化の効果は比較的
大きいが、火災発生時あるいは焼却処理時に有毒性ある
いは有害性の物質を発生する為、救急活動あるいは消火
活動を困難にし、あるいは環境汚染を引き起こすなどの
問題を有している。このため塩素或いは臭素含有化合物
を全く含有しないか、或いは塩素或いは臭素含有化合物
の量が少ない難燃性樹脂の開発が望まれている。また、
難燃剤成分として三酸化アンチモン等の無機物質を使用
した場合には、難燃性樹脂の機械的性質が低下する等の
問題を有している。また、上記の非ハロゲン系の場合は
その難燃化効果は必ずしも充分ではない。本発明はこれ
ら従来の問題点を解決しようとするものであり、その目
的は、非ハロゲン系の難燃剤を使用して優れた難燃性を
有する樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱可塑性
樹脂含有ポリカーボネート系樹脂の難燃性を改善するた
めに、該樹脂に本質的に塩素或いは臭素を含有しない難
燃剤を添加する研究を重ねた結果、燐含有ポリフェノー
ル系重合体及び/または硼素含有ポリフェノール系重合
体を燐化合物と共に併用することにより、特に優れた難
燃化効果が発現されることを見い出し本発明に到達し
た。
樹脂含有ポリカーボネート系樹脂の難燃性を改善するた
めに、該樹脂に本質的に塩素或いは臭素を含有しない難
燃剤を添加する研究を重ねた結果、燐含有ポリフェノー
ル系重合体及び/または硼素含有ポリフェノール系重合
体を燐化合物と共に併用することにより、特に優れた難
燃化効果が発現されることを見い出し本発明に到達し
た。
【0007】すなわち、本発明は、下記の(A)、
(B)及び(C)の各成分を必須とする難燃性樹脂組成
物に関する。 (A)熱可塑性樹脂含有ポリカーボネート系樹脂 (B)燐含有ポリフェノール系重合体及び/または硼素
含有ポリフェノール系重合体 (C)燐化合物
(B)及び(C)の各成分を必須とする難燃性樹脂組成
物に関する。 (A)熱可塑性樹脂含有ポリカーボネート系樹脂 (B)燐含有ポリフェノール系重合体及び/または硼素
含有ポリフェノール系重合体 (C)燐化合物
【0008】本発明で用いられるポリカーボネート系樹
脂は、2価フェノール類とカーボネート前駆体とを溶液
法または溶融法で反応せしめて製造されるものである。
2価フェノールの代表的な例としては、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノール
A]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サル
ファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等
が挙げられるが、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アル
カン系が好ましく、中でも、ビスフェノールAを主原料
とするものが好ましい。また、カーボネート前駆体とし
てはカルボニルハライド、カルボニルエステルまたはハ
ロホルメート等が挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフ
ェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、2価フェ
ノールのジハロホルメート及びそれらの混合物などが挙
げられる。なお、ポリカーボネート系樹脂を製造するに
当たり、これらの2価フェノールの1種以上を使用する
ことができる。またこのようにして得られたポリカーボ
ネート系樹脂は2種以上を併用することもできる。本発
明では好ましくはハロゲン非含有ポリカーボネート系樹
脂が用いられる。
脂は、2価フェノール類とカーボネート前駆体とを溶液
法または溶融法で反応せしめて製造されるものである。
2価フェノールの代表的な例としては、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノール
A]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サル
ファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等
が挙げられるが、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アル
カン系が好ましく、中でも、ビスフェノールAを主原料
とするものが好ましい。また、カーボネート前駆体とし
てはカルボニルハライド、カルボニルエステルまたはハ
ロホルメート等が挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフ
ェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、2価フェ
ノールのジハロホルメート及びそれらの混合物などが挙
げられる。なお、ポリカーボネート系樹脂を製造するに
当たり、これらの2価フェノールの1種以上を使用する
ことができる。またこのようにして得られたポリカーボ
ネート系樹脂は2種以上を併用することもできる。本発
明では好ましくはハロゲン非含有ポリカーボネート系樹
脂が用いられる。
【0009】本発明で使用される熱可塑性樹脂としては
熱可塑性樹脂であれば特に制限は無く有効に利用でき
る。それらの中の代表的なものを例示すれば、ポリスチ
レン系樹脂、ABS系樹脂、ポリエステル系樹脂(PB
T、PET)をはじめとして、(変性)ポリエチレン、
(変性)ポリプロピレン、(変性)エチレン・プロピレ
ン共重合樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド系
樹脂、ポリアセタール、ポリメタクリル酸メチル等が挙
げられ、これらの樹脂は2種以上を組み合わせて使用す
ることも可能である。
熱可塑性樹脂であれば特に制限は無く有効に利用でき
る。それらの中の代表的なものを例示すれば、ポリスチ
レン系樹脂、ABS系樹脂、ポリエステル系樹脂(PB
T、PET)をはじめとして、(変性)ポリエチレン、
(変性)ポリプロピレン、(変性)エチレン・プロピレ
ン共重合樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド系
樹脂、ポリアセタール、ポリメタクリル酸メチル等が挙
げられ、これらの樹脂は2種以上を組み合わせて使用す
ることも可能である。
【0010】本発明で用いられるポリスチレン系樹脂
は、芳香族ビニル系単量体を含有する不飽和単量体を重
合することにより得られる重合体であり、さらには、該
重合体がゴム質重合体により改質された重合体をも包含
するものである。不飽和単量体として用いられる芳香族
ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ヒドロキシ
スチレン、ハロスチレン等が挙げられる。さらにこれら
の単量体と共に、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド
系単量体、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体等から選
ばれる1種以上の単量体が使用できる。(メタ)アクリ
ル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が
挙げられる。マレイミド系単量体としては、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N
−プロピルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等
が挙げられる。不飽和ジカルボン酸無水物系単量体とし
ては、無水マレイン酸等が挙げられる。
は、芳香族ビニル系単量体を含有する不飽和単量体を重
合することにより得られる重合体であり、さらには、該
重合体がゴム質重合体により改質された重合体をも包含
するものである。不飽和単量体として用いられる芳香族
ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ヒドロキシ
スチレン、ハロスチレン等が挙げられる。さらにこれら
の単量体と共に、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド
系単量体、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体等から選
ばれる1種以上の単量体が使用できる。(メタ)アクリ
ル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が
挙げられる。マレイミド系単量体としては、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N
−プロピルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等
が挙げられる。不飽和ジカルボン酸無水物系単量体とし
ては、無水マレイン酸等が挙げられる。
【0011】ポリスチレン系樹脂の製造方法には、特に
制約はなく塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合な
どの公知の方法が使用できる。
制約はなく塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合な
どの公知の方法が使用できる。
【0012】ポリスチレン系樹脂の具体例としては、ポ
リスチレン、α−メチルスチレン/アクリロニトリル共
重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリ
ル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、α
−メチルスチレン/アクリロニトリル/N−フェニルマ
レイミド共重合体、スチレン/アクリロニトリル/N−
フェニルマレイミド共重合体、スチレン/N−フェニル
マレイミド/無水マレイン酸共重合体、およびそれらの
ゴム変性体等を挙げることができる。
リスチレン、α−メチルスチレン/アクリロニトリル共
重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリ
ル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、α
−メチルスチレン/アクリロニトリル/N−フェニルマ
レイミド共重合体、スチレン/アクリロニトリル/N−
フェニルマレイミド共重合体、スチレン/N−フェニル
マレイミド/無水マレイン酸共重合体、およびそれらの
ゴム変性体等を挙げることができる。
【0013】本発明で用いられるABS系樹脂とは、ゴ
ム質重合体存在下で芳香族ビニル系単量体を含有するビ
ニル系単量体を共重合することにより得られるグラフト
重合体であり、さらには、芳香族ビニル系単量体を含有
するビニル系単量体を重合して得られる重合体と該グラ
フト重合体とのブレンド物をも包含するものである。グ
ラフト重合体は、ガラス転移温度が10℃以下であるゴ
ム質重合体の存在下で、芳香族ビニル系単量体および
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステ
ル、マレイミド系単量体、不飽和ジカルボン酸無水物系
単量体等から選ばれる1種以上の単量体を共重合するこ
とにより得られる。芳香族ビニル系単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブ
チルスチレン、ヒドロキシスチレン、ハロスチレン等が
挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。マレイミド系
単量体としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、
N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−
ヘキシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、
N−フェニルマレイミド等が挙げられる。不飽和ジカル
ボン酸無水物系単量体としては、無水マレイン酸等が挙
げられる。これらの単量体はそれぞれ2種以上併用して
用いることもできる。本発明で使用されるグラフト重合
体に好ましく用いられる単量体は、スチレンと、アクリ
ロニトリル及び/またはメタクリル酸メチルである。
ム質重合体存在下で芳香族ビニル系単量体を含有するビ
ニル系単量体を共重合することにより得られるグラフト
重合体であり、さらには、芳香族ビニル系単量体を含有
するビニル系単量体を重合して得られる重合体と該グラ
フト重合体とのブレンド物をも包含するものである。グ
ラフト重合体は、ガラス転移温度が10℃以下であるゴ
ム質重合体の存在下で、芳香族ビニル系単量体および
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステ
ル、マレイミド系単量体、不飽和ジカルボン酸無水物系
単量体等から選ばれる1種以上の単量体を共重合するこ
とにより得られる。芳香族ビニル系単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブ
チルスチレン、ヒドロキシスチレン、ハロスチレン等が
挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。マレイミド系
単量体としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、
N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−
ヘキシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、
N−フェニルマレイミド等が挙げられる。不飽和ジカル
ボン酸無水物系単量体としては、無水マレイン酸等が挙
げられる。これらの単量体はそれぞれ2種以上併用して
用いることもできる。本発明で使用されるグラフト重合
体に好ましく用いられる単量体は、スチレンと、アクリ
ロニトリル及び/またはメタクリル酸メチルである。
【0014】該グラフト重合体の製造方法には、特に制
約はなく塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の
公知の方法が使用できる。
約はなく塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の
公知の方法が使用できる。
【0015】上記のグラフト重合体に用いられるゴム質
重合体を例示すると、ポリブタジエン、ブタジエン−ス
チレン共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合
体、水素添加ブタジエン−スチレンブロック共重合体、
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリル系ゴ
ム、エチレン−プロピレン(ジエン成分)共重合体、イ
ソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレ
ンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレンブ
ロック共重合体、ポリウレタン系ゴム、ポリアミド系ゴ
ム、シリコーン系ゴム等が挙げられるが、本発明ではポ
リブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリ
ル系ゴム、エチレン−プロピレン(ジエン成分)共重合
体、シリコーン系ゴム等が好ましい。
重合体を例示すると、ポリブタジエン、ブタジエン−ス
チレン共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合
体、水素添加ブタジエン−スチレンブロック共重合体、
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリル系ゴ
ム、エチレン−プロピレン(ジエン成分)共重合体、イ
ソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレ
ンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレンブ
ロック共重合体、ポリウレタン系ゴム、ポリアミド系ゴ
ム、シリコーン系ゴム等が挙げられるが、本発明ではポ
リブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリ
ル系ゴム、エチレン−プロピレン(ジエン成分)共重合
体、シリコーン系ゴム等が好ましい。
【0016】本発明における熱可塑性樹脂含有ポリカー
ボネート系樹脂のポリカーボネート系樹脂/熱可塑性樹
脂の配合割合は99/1〜30/70(重量比)の範囲
が好ましく、より好ましくは95/5〜40/60(重
量比)の範囲の範囲である。熱可塑性樹脂の割合が70
重量比を越えると、ポリカーボネート系樹脂本来の特性
が維持出来なくなる場合があり好ましくない。なお、本
発明においては難燃性が良好で、バランスのとれた物性
を付与する熱可塑性樹脂として、前記ABS系樹脂が好
ましく使用される。
ボネート系樹脂のポリカーボネート系樹脂/熱可塑性樹
脂の配合割合は99/1〜30/70(重量比)の範囲
が好ましく、より好ましくは95/5〜40/60(重
量比)の範囲の範囲である。熱可塑性樹脂の割合が70
重量比を越えると、ポリカーボネート系樹脂本来の特性
が維持出来なくなる場合があり好ましくない。なお、本
発明においては難燃性が良好で、バランスのとれた物性
を付与する熱可塑性樹脂として、前記ABS系樹脂が好
ましく使用される。
【0017】本発明における燐含有ポリフェノール系重
合体とは、例えば、ポリフェノール系重合体の水酸基
と、燐酸、燐酸エステルもしくは燐酸ハロゲン化物との
公知の反応によって得られる反応物である。
合体とは、例えば、ポリフェノール系重合体の水酸基
と、燐酸、燐酸エステルもしくは燐酸ハロゲン化物との
公知の反応によって得られる反応物である。
【0018】本発明におけるポリフェノール系重合体と
は、フェノール及び/またはフェノール誘導体と必要に
応じて共重合体を形成し得るその他の化合物とからなる
重合体をいい、特に、フェノール樹脂及びヒドロキシス
チレン系重合体が好ましい。
は、フェノール及び/またはフェノール誘導体と必要に
応じて共重合体を形成し得るその他の化合物とからなる
重合体をいい、特に、フェノール樹脂及びヒドロキシス
チレン系重合体が好ましい。
【0019】フェノール樹脂としては特に限定はなく、
フェノール類とアルデヒド類及び/叉はケトン類を酸性
叉はアルカリ性触媒下、公知の方法で反応させて得られ
るものである。
フェノール類とアルデヒド類及び/叉はケトン類を酸性
叉はアルカリ性触媒下、公知の方法で反応させて得られ
るものである。
【0020】フェノール類としては、フェノール、クレ
ゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフ
ェノール、ブチルフェノール、アミルフェノール、ノニ
ルフェノール、フェニルフェノール、フェノキシフェノ
ール、ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール、
ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロキシフェニル)
ペンタン、ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(ヒド
ロキシフェニル)ブタン、ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、ジヒドロキシジフェニルケトン、ビス(ヒドロキ
シフェニル)プロパン等、及びこれらの混合物が挙げら
れる。また、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオ
キサール等が挙げられる。またケトン類としては、アセ
トン等が挙げられる。
ゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフ
ェノール、ブチルフェノール、アミルフェノール、ノニ
ルフェノール、フェニルフェノール、フェノキシフェノ
ール、ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール、
ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロキシフェニル)
ペンタン、ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(ヒド
ロキシフェニル)ブタン、ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、ジヒドロキシジフェニルケトン、ビス(ヒドロキ
シフェニル)プロパン等、及びこれらの混合物が挙げら
れる。また、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオ
キサール等が挙げられる。またケトン類としては、アセ
トン等が挙げられる。
【0021】本発明におけるフェノール樹脂としてはレ
ゾール型、ノボラック型のどちらも使用することが可能
であるが、好ましくはノボラック型フェノール樹脂が用
いられる。また本発明においては、上記アルデヒド及び
/叉はケトン類の一部、或いは全部をジオール化合物に
置き換え、上記フェノール類と反応させて得られるノボ
ラック型フェノール樹脂も用いることができる。好まし
いジオール化合物としては、p−キシレン−α、α’−
ジオールが挙げられる。
ゾール型、ノボラック型のどちらも使用することが可能
であるが、好ましくはノボラック型フェノール樹脂が用
いられる。また本発明においては、上記アルデヒド及び
/叉はケトン類の一部、或いは全部をジオール化合物に
置き換え、上記フェノール類と反応させて得られるノボ
ラック型フェノール樹脂も用いることができる。好まし
いジオール化合物としては、p−キシレン−α、α’−
ジオールが挙げられる。
【0022】本発明におけるヒドロキシスチレン系重合
体としては、以下に示す一般式(I)、
体としては、以下に示す一般式(I)、
【化1】 (式中、R1 〜R4 は水素原子、炭素数1〜5のアルキ
ル基、フェニル基、シクロヘキシル基またはアルキルフ
ェニル基を表し、mは1〜5の整数を表し、nは0〜4
の整数を表す。)で表されるヒドロキシスチレン系の重
合体、ヒドロキシスチレン系と他のコモノマー、例えば
無水マレイン酸、スチレン、アクリロニトリル、アクリ
ル酸、メタアクリル酸、アクリルアミド、アクリル酸エ
ステル、メタアクリル酸エステルなどとの共重合体をも
含む。
ル基、フェニル基、シクロヘキシル基またはアルキルフ
ェニル基を表し、mは1〜5の整数を表し、nは0〜4
の整数を表す。)で表されるヒドロキシスチレン系の重
合体、ヒドロキシスチレン系と他のコモノマー、例えば
無水マレイン酸、スチレン、アクリロニトリル、アクリ
ル酸、メタアクリル酸、アクリルアミド、アクリル酸エ
ステル、メタアクリル酸エステルなどとの共重合体をも
含む。
【0023】本発明においてポリフェノール系重合体の
OH基に付加させる燐酸エステル基としては、下記の一
般式(II)、
OH基に付加させる燐酸エステル基としては、下記の一
般式(II)、
【化2】 (式中、Rはアルキル基及び/またはアリール基及び/
または水素であり、m+n=3且つ、l=0もしくは1
で、m,n≠0である。)で表されるものであり、該燐
酸エステル基を有する化合物としては燐酸エステルまた
はハロゲン化燐酸エステルが特に好適である。燐酸エス
テルの例としては、例えば、トリメチルホスフェート、
トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、ト
リ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシ
エチルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリ
フェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ト
リキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェ
ニル)ホスフェート、トリス(o−フェニルフェニル)
ホスフェート、トリス(p−フェニルフェニル)ホスフ
ェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、
ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ
(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、o−
フェニルフェニルジクレジルホスフェート、ジブチルホ
スフェート、モノブチルホスフェート、ジ−2−エチル
ヘキシルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、
2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、
2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェー
ト、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフ
ェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチル
ホスフェート、トリメチルホスファイト、トリエチルホ
スファイト、トリブチルホスファイト、トリ(2−エチ
ルヘキシル)ホスファイト、トリブトキシエチルホスフ
ァイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホス
ファイト、トリクレジルホスファイト、トリキシレニル
ホスファイト、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフ
ァイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス
(o−フェニルフェニル)ホスファイト、トリス(p−
フェニルフェニル)ホスファイト、トリナフチルホスフ
ァイト、クレジルジフェニルホスファイト、キシレニル
ジフェニルホスファイト、ジフェニル(2−エチルヘキ
シル)ホスファイト、ジ(イソプロピルフェニル)フェ
ニルホスファイト、o−フェニルフェニルジクレジルホ
スファイト、ジブチルホスファイト、モノブチルホスフ
ァイト、ジ−2−エチルヘキシルホスファイト、モノイ
ソデシルホスファイト及びこれらの縮合物等が挙げられ
る。
または水素であり、m+n=3且つ、l=0もしくは1
で、m,n≠0である。)で表されるものであり、該燐
酸エステル基を有する化合物としては燐酸エステルまた
はハロゲン化燐酸エステルが特に好適である。燐酸エス
テルの例としては、例えば、トリメチルホスフェート、
トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、ト
リ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシ
エチルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリ
フェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ト
リキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェ
ニル)ホスフェート、トリス(o−フェニルフェニル)
ホスフェート、トリス(p−フェニルフェニル)ホスフ
ェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、
ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ
(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、o−
フェニルフェニルジクレジルホスフェート、ジブチルホ
スフェート、モノブチルホスフェート、ジ−2−エチル
ヘキシルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、
2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、
2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェー
ト、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフ
ェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチル
ホスフェート、トリメチルホスファイト、トリエチルホ
スファイト、トリブチルホスファイト、トリ(2−エチ
ルヘキシル)ホスファイト、トリブトキシエチルホスフ
ァイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホス
ファイト、トリクレジルホスファイト、トリキシレニル
ホスファイト、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフ
ァイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス
(o−フェニルフェニル)ホスファイト、トリス(p−
フェニルフェニル)ホスファイト、トリナフチルホスフ
ァイト、クレジルジフェニルホスファイト、キシレニル
ジフェニルホスファイト、ジフェニル(2−エチルヘキ
シル)ホスファイト、ジ(イソプロピルフェニル)フェ
ニルホスファイト、o−フェニルフェニルジクレジルホ
スファイト、ジブチルホスファイト、モノブチルホスフ
ァイト、ジ−2−エチルヘキシルホスファイト、モノイ
ソデシルホスファイト及びこれらの縮合物等が挙げられ
る。
【0024】またハロゲン化燐酸エステルとしては、例
えばオキシ塩化燐、ジメチル燐酸モノクロリデート、ジ
エチル燐酸モノクロリデート、ジプロピル燐酸モノクロ
リデート、ジブチル燐酸モノクロリデート、ジアミル燐
酸モノクロリデート、ジフェニル燐酸モノクロリデー
ト、ジクレジル燐酸モノクロリデート、ジキシレニル燐
酸モノクロリデート、ビス(プロピルフェニル)燐酸モ
ノクロリデート、ビス(ブチルフェニル)燐酸モノクロ
リデート、ビス(アミルフェニル)燐酸モノクロリデー
ト、ジアミル燐酸モノブロミデート、ジフェニル燐酸モ
ノブロミデート、ジクレジル燐酸モノブロミデート、ジ
エチル亜燐酸モノクロリデート、ジプロピル亜燐酸モノ
クロリデート、ジエチル亜燐酸モノブロミデート、ジプ
ロピル亜燐酸モノブロミデート及びそれらの混合物が含
まれる。
えばオキシ塩化燐、ジメチル燐酸モノクロリデート、ジ
エチル燐酸モノクロリデート、ジプロピル燐酸モノクロ
リデート、ジブチル燐酸モノクロリデート、ジアミル燐
酸モノクロリデート、ジフェニル燐酸モノクロリデー
ト、ジクレジル燐酸モノクロリデート、ジキシレニル燐
酸モノクロリデート、ビス(プロピルフェニル)燐酸モ
ノクロリデート、ビス(ブチルフェニル)燐酸モノクロ
リデート、ビス(アミルフェニル)燐酸モノクロリデー
ト、ジアミル燐酸モノブロミデート、ジフェニル燐酸モ
ノブロミデート、ジクレジル燐酸モノブロミデート、ジ
エチル亜燐酸モノクロリデート、ジプロピル亜燐酸モノ
クロリデート、ジエチル亜燐酸モノブロミデート、ジプ
ロピル亜燐酸モノブロミデート及びそれらの混合物が含
まれる。
【0025】また、本発明では、燐酸または五酸化燐と
ポリフェノール重合体を反応させた後に、燐酸または五
酸化燐と反応し得る化合物を反応させて用いる事もでき
る。
ポリフェノール重合体を反応させた後に、燐酸または五
酸化燐と反応し得る化合物を反応させて用いる事もでき
る。
【0026】本発明における硼素含有ポリフェノール系
重合体とは、例えば、ポリフェノール重合体の水酸基と
硼酸または酸化硼素または硼酸エステルを公知の方法に
て反応させて得られるものである。
重合体とは、例えば、ポリフェノール重合体の水酸基と
硼酸または酸化硼素または硼酸エステルを公知の方法に
て反応させて得られるものである。
【0027】本発明で使用される硼酸エステルとして
は、オルソ硼酸エステル、メタ硼酸エステルどちらでも
良く、また硼酸または酸化硼素をポリフェノール系重合
体に付加させた後に、硼酸または酸化硼素と反応し得る
化合物と反応させて用いる事もできる。
は、オルソ硼酸エステル、メタ硼酸エステルどちらでも
良く、また硼酸または酸化硼素をポリフェノール系重合
体に付加させた後に、硼酸または酸化硼素と反応し得る
化合物と反応させて用いる事もできる。
【0028】本発明における燐含有ポリフェノール系重
合体または硼素含有ポリフェノール系重合体の燐含有基
または硼素含有基によるフェノール性水酸基の置換率は
5〜50%が好ましい。置換率が5%未満の場合は充分
な難燃化効果が発揮されず、未置換のポリフェノール系
重合体を用いた場合の難燃性と顕著な差がみられない。
また、置換率が50%を越える場合は該ポリフェノール
系重合体のドリップ防止効果が弱くなり好ましくない。
合体または硼素含有ポリフェノール系重合体の燐含有基
または硼素含有基によるフェノール性水酸基の置換率は
5〜50%が好ましい。置換率が5%未満の場合は充分
な難燃化効果が発揮されず、未置換のポリフェノール系
重合体を用いた場合の難燃性と顕著な差がみられない。
また、置換率が50%を越える場合は該ポリフェノール
系重合体のドリップ防止効果が弱くなり好ましくない。
【0029】これら燐含有ポリフェノール系重合体及び
/または硼素含有ポリフェノール系重合体の配合量は熱
可塑性樹脂含有ポリカーボネート系樹脂100重量部当
たり、好ましくは1〜20重量部の範囲である。配合量
が1重量部未満の場合は燃焼時に融滴落下が生じ易くな
り、20重量部を越える場合は難燃性樹脂の機械的性質
を低下させるので好ましくない。
/または硼素含有ポリフェノール系重合体の配合量は熱
可塑性樹脂含有ポリカーボネート系樹脂100重量部当
たり、好ましくは1〜20重量部の範囲である。配合量
が1重量部未満の場合は燃焼時に融滴落下が生じ易くな
り、20重量部を越える場合は難燃性樹脂の機械的性質
を低下させるので好ましくない。
【0030】本発明で用いられる燐化合物は、燐原子を
有する化合物であれば特に制限はないが、好ましくは下
記一般式(III)、
有する化合物であれば特に制限はないが、好ましくは下
記一般式(III)、
【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は互いに独立して、
水素原子または有機基を表すが、R1 =R2 =R3 =R
4 =Hの場合を除く。Xは2価以上の有機基を表し、p
は0または1であり、qは1以上の整数、rは0以上の
整数を表す。)で表される有機化合物である。
水素原子または有機基を表すが、R1 =R2 =R3 =R
4 =Hの場合を除く。Xは2価以上の有機基を表し、p
は0または1であり、qは1以上の整数、rは0以上の
整数を表す。)で表される有機化合物である。
【0031】上記式において、有機基としては例えば、
置換されていてもいなくてもよいアルキル基、シクロア
ルキル基、アリール基などが挙げられる。また、置換さ
れている場合、置換基としては例えばアルキル基、アル
コキシ基、アルキルチオ基等が挙げられ、またこれらの
置換基を組み合わせた基(例えばアリールアルコキシア
ルキル基など)、またはこれらの置換基を酸素原子、硫
黄原子、窒素原子などにより結合して組み合わせた基
(例えば、アリール、スルホニルアリール基など)を置
換基として用いてもよい。また、2価以上の有機基とは
上記した有機基から、炭素原子に結合している水素原子
の一個以上を除いてできる2価以上の基を意味する。例
えばアルキレン基、及び好ましくは(置換)フェニレン
基、多核フェノール類例えばビスフェノール類から誘導
されるものが挙げられ、2以上の遊離原子価の相対的位
置は任意である。特に好ましいものとして、ヒドロキノ
ン、レゾルシノール、ジフェニロールメタン、ジフェニ
ロールジメチルメタン、ジヒドロキシジフェニル、p,
p’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシ
ナフタレンなどが挙げられる。
置換されていてもいなくてもよいアルキル基、シクロア
ルキル基、アリール基などが挙げられる。また、置換さ
れている場合、置換基としては例えばアルキル基、アル
コキシ基、アルキルチオ基等が挙げられ、またこれらの
置換基を組み合わせた基(例えばアリールアルコキシア
ルキル基など)、またはこれらの置換基を酸素原子、硫
黄原子、窒素原子などにより結合して組み合わせた基
(例えば、アリール、スルホニルアリール基など)を置
換基として用いてもよい。また、2価以上の有機基とは
上記した有機基から、炭素原子に結合している水素原子
の一個以上を除いてできる2価以上の基を意味する。例
えばアルキレン基、及び好ましくは(置換)フェニレン
基、多核フェノール類例えばビスフェノール類から誘導
されるものが挙げられ、2以上の遊離原子価の相対的位
置は任意である。特に好ましいものとして、ヒドロキノ
ン、レゾルシノール、ジフェニロールメタン、ジフェニ
ロールジメチルメタン、ジヒドロキシジフェニル、p,
p’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシ
ナフタレンなどが挙げられる。
【0032】これらの燐化合物を例示すると、燐酸エス
テルとして、トリメチルホスフェート、トリエチルホス
フェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチル
ヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェ
ート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホ
スフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェ
ート、トリス(o−フェニルフェニル)ホスフェート、
トリス(p−フェニルフェニル)ホスフェート、トリナ
フチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェー
ト、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル
(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピ
ルフェニル)フェニルホスフェート、o−フェニルフェ
ニルジクレジルホスフェート、ジブチルホスフェート、
モノブチルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホス
フェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロ
イルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリ
ロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル
−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェ
ニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート及
びこれらの縮合物等が挙げられる。
テルとして、トリメチルホスフェート、トリエチルホス
フェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチル
ヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェ
ート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホ
スフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェ
ート、トリス(o−フェニルフェニル)ホスフェート、
トリス(p−フェニルフェニル)ホスフェート、トリナ
フチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェー
ト、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル
(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピ
ルフェニル)フェニルホスフェート、o−フェニルフェ
ニルジクレジルホスフェート、ジブチルホスフェート、
モノブチルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホス
フェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロ
イルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリ
ロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル
−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェ
ニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート及
びこれらの縮合物等が挙げられる。
【0033】また、亜燐酸エステルとして、トリメチル
ホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホ
スファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイ
ト、トリブトキシエチルホスファイト、トリオレイルホ
スファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジル
ホスファイト、トリキシレニルホスファイト、トリス
(イソプロピルフェニル)ホスファイト、トリスノニル
フェニルホスファイト、トリス(o−フェニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(p−フェニルフェニル)ホ
スファイト、トリナフチルホスファイト、クレジルジフ
ェニルホスファイト、キシレニルジフェニルホスファイ
ト、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスファイト、
ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスファイト、o
−フェニルフェニルジクレジルホスファイト、ジブチル
ホスファイト、モノブチルホスファイト、ジ−2−エチ
ルヘキシルホスファイト、モノイソデシルホスファイト
及びこれらの縮合物等が挙げられる。
ホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホ
スファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイ
ト、トリブトキシエチルホスファイト、トリオレイルホ
スファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジル
ホスファイト、トリキシレニルホスファイト、トリス
(イソプロピルフェニル)ホスファイト、トリスノニル
フェニルホスファイト、トリス(o−フェニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(p−フェニルフェニル)ホ
スファイト、トリナフチルホスファイト、クレジルジフ
ェニルホスファイト、キシレニルジフェニルホスファイ
ト、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスファイト、
ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスファイト、o
−フェニルフェニルジクレジルホスファイト、ジブチル
ホスファイト、モノブチルホスファイト、ジ−2−エチ
ルヘキシルホスファイト、モノイソデシルホスファイト
及びこれらの縮合物等が挙げられる。
【0034】また、上記以外の燐化合物としては、トリ
フェニルホスフィンオキシド、トリクレジルホスフィン
オキシド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホス
ホン酸ジエチル等を挙げることができる。
フェニルホスフィンオキシド、トリクレジルホスフィン
オキシド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホス
ホン酸ジエチル等を挙げることができる。
【0035】これらの燐化合物は1種のみ用いても良い
し、2種以上組み合わせて用いることもできる。これら
燐化合物の配合量は熱可塑性樹脂含有ポリカーボネート
系樹脂100重量部当たり、好ましくは1〜30重量部
の範囲である。1重量部よりも少ない量では充分な難燃
化効果が得られず、30重量部よりも多い量では、得ら
れる組成物の耐熱性の著しい低下、成型加工時の揮発分
の増加等の弊害を生じることがある。
し、2種以上組み合わせて用いることもできる。これら
燐化合物の配合量は熱可塑性樹脂含有ポリカーボネート
系樹脂100重量部当たり、好ましくは1〜30重量部
の範囲である。1重量部よりも少ない量では充分な難燃
化効果が得られず、30重量部よりも多い量では、得ら
れる組成物の耐熱性の著しい低下、成型加工時の揮発分
の増加等の弊害を生じることがある。
【0036】本発明においては難燃性効果をさらに高め
る目的で、フェノールまたはフェノール誘導体と、必要
に応じて共重合体を形成し得るその他の化合物とからな
るポリフェノール系重合体を併用することができ、ポリ
フェノール系重合体の具体例としては前記のフェノール
樹脂及びヒドロキシスチレン系重合体が好ましい。
る目的で、フェノールまたはフェノール誘導体と、必要
に応じて共重合体を形成し得るその他の化合物とからな
るポリフェノール系重合体を併用することができ、ポリ
フェノール系重合体の具体例としては前記のフェノール
樹脂及びヒドロキシスチレン系重合体が好ましい。
【0037】さらに、本発明においては、必要に応じて
難燃性を阻害しない範囲で種々の充填材や添加剤等を配
合できる。それらを例示すると、フッ素系樹脂、シリコ
ーン、ガラス繊維、アスベスト、炭素繊維、芳香族ポリ
アミド繊維、チタン酸カリウムウイスカー繊維、金属繊
維、セラミックス繊維、ボロンウイスカー繊維等の繊維
状充填材、マイカ、シリカ、タルク、クレー、炭酸カル
シウム、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレー
ク等の充填材や、離型剤、滑剤、可塑剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、老化防止剤、
染(顔)料等の添加剤等が挙げられる。また、衝撃強度
改良剤、相溶化成分等も配合することができる。
難燃性を阻害しない範囲で種々の充填材や添加剤等を配
合できる。それらを例示すると、フッ素系樹脂、シリコ
ーン、ガラス繊維、アスベスト、炭素繊維、芳香族ポリ
アミド繊維、チタン酸カリウムウイスカー繊維、金属繊
維、セラミックス繊維、ボロンウイスカー繊維等の繊維
状充填材、マイカ、シリカ、タルク、クレー、炭酸カル
シウム、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレー
ク等の充填材や、離型剤、滑剤、可塑剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、老化防止剤、
染(顔)料等の添加剤等が挙げられる。また、衝撃強度
改良剤、相溶化成分等も配合することができる。
【0038】本発明における樹脂及び難燃剤等の混合方
法には特別の制限はなく、これらを均一に混合できる手
段であればいずれの手段をも採用できる。例えば、押出
機、ヘンシェル型ミキサー、バンバリーミキサー、ニー
ダー、加熱ロールなど各種の混合用機械による混合、混
練などが適宜採用できる。
法には特別の制限はなく、これらを均一に混合できる手
段であればいずれの手段をも採用できる。例えば、押出
機、ヘンシェル型ミキサー、バンバリーミキサー、ニー
ダー、加熱ロールなど各種の混合用機械による混合、混
練などが適宜採用できる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。 製造例1 燐含有ポリフェノール系重合体(1)の製造 912.0g(7.6ユニットモル)のο- クレゾール
及びホルムアルデヒドから得られたノボラック(重量平
均分子量約1000)、620.0g(1.9モル)の
燐酸トリフェニル及び2.0g(0.02モル)の塩化
マグネシウムを冷却器を備えた反応容器に入れ、180
℃、窒素気流下にて撹拌しながら0.5時間溶融混合し
た。次いで温度を225℃にして5mmHg以下の真空
をかけ反応を開始し、系外へ流出したフェノールの重量
が212gとなったところで反応を停止した。収量は1
320.0gであった。燐酸エステル基によるポリフェ
ノール重合体の水酸基置換率は、約30%であった。
説明する。 製造例1 燐含有ポリフェノール系重合体(1)の製造 912.0g(7.6ユニットモル)のο- クレゾール
及びホルムアルデヒドから得られたノボラック(重量平
均分子量約1000)、620.0g(1.9モル)の
燐酸トリフェニル及び2.0g(0.02モル)の塩化
マグネシウムを冷却器を備えた反応容器に入れ、180
℃、窒素気流下にて撹拌しながら0.5時間溶融混合し
た。次いで温度を225℃にして5mmHg以下の真空
をかけ反応を開始し、系外へ流出したフェノールの重量
が212gとなったところで反応を停止した。収量は1
320.0gであった。燐酸エステル基によるポリフェ
ノール重合体の水酸基置換率は、約30%であった。
【0040】製造例2 燐含有ポリフェノール系重合体(2)の製造 1120.0g(9.3ユニットモル)のο- クレゾー
ル及びホルムアルデヒドから得られたノボラック(重量
平均分子量約1000)、379.0g(1.16モ
ル)の燐酸トリフェニル及び2.0g(0.02モル)
の塩化マグネシウムを冷却器を備えた反応容器に入れ、
180℃、窒素気流下にて撹拌しながら0.5時間溶融
混合した。次いで温度を225℃にして5mmHg以下
の真空をかけ反応を開始し、系外へ流出したフェノール
の重量が110gとなったところで反応を停止した。収
量は1389.0gであった。燐酸エステル基によるポ
リフェノール重合体の水酸基置換率は、約12.5%で
あった。
ル及びホルムアルデヒドから得られたノボラック(重量
平均分子量約1000)、379.0g(1.16モ
ル)の燐酸トリフェニル及び2.0g(0.02モル)
の塩化マグネシウムを冷却器を備えた反応容器に入れ、
180℃、窒素気流下にて撹拌しながら0.5時間溶融
混合した。次いで温度を225℃にして5mmHg以下
の真空をかけ反応を開始し、系外へ流出したフェノール
の重量が110gとなったところで反応を停止した。収
量は1389.0gであった。燐酸エステル基によるポ
リフェノール重合体の水酸基置換率は、約12.5%で
あった。
【0041】製造例3 燐含有ポリフェノール系重合体(3)の製造 648.0g(5.4ユニットモル)のο- クレゾール
及びホルムアルデヒドから得られたノボラック(重量平
均分子量約1000)、880.0g(2.7モル)の
燐酸トリフェニル及び2.0g(0.02モル)の塩化
マグネシウムを冷却器を備えた反応容器に入れ、180
℃、窒素気流下にて撹拌しながら0.5時間溶融混合し
た。次いで温度を225℃にして5mmHg以下の真空
をかけ反応を開始し、系外へ流出したフェノールの重量
が283gとなったところで反応を停止した。収量は1
245.0gであった。燐酸エステル基によるポリフェ
ノール重合体の水酸基置換率は、約56%であった。
及びホルムアルデヒドから得られたノボラック(重量平
均分子量約1000)、880.0g(2.7モル)の
燐酸トリフェニル及び2.0g(0.02モル)の塩化
マグネシウムを冷却器を備えた反応容器に入れ、180
℃、窒素気流下にて撹拌しながら0.5時間溶融混合し
た。次いで温度を225℃にして5mmHg以下の真空
をかけ反応を開始し、系外へ流出したフェノールの重量
が283gとなったところで反応を停止した。収量は1
245.0gであった。燐酸エステル基によるポリフェ
ノール重合体の水酸基置換率は、約56%であった。
【0042】製造例4 燐含有ポリフェノール系重合体(4)の製造 240.0g(2.0ユニットモル)のο- クレゾール
及びホルムアルデヒドから得られたノボラック(重量平
均分子量約1000)、489.0g(1.5モル)の
燐酸トリフェニル及び1.0g(0.01モル)の塩化
マグネシウムを冷却器を備えた反応容器に入れ、180
℃、窒素気流下にて撹拌しながら0.5時間溶融混合し
た。次いで温度を225℃にして5mmHg以下の真空
をかけ反応を開始し、系外へ流出したフェノールの重量
が141gとなったところで反応を停止した。収量は5
88.0gであった。燐酸エステル基によるポリフェノ
ール重合体の水酸基置換率は、約75%であった。
及びホルムアルデヒドから得られたノボラック(重量平
均分子量約1000)、489.0g(1.5モル)の
燐酸トリフェニル及び1.0g(0.01モル)の塩化
マグネシウムを冷却器を備えた反応容器に入れ、180
℃、窒素気流下にて撹拌しながら0.5時間溶融混合し
た。次いで温度を225℃にして5mmHg以下の真空
をかけ反応を開始し、系外へ流出したフェノールの重量
が141gとなったところで反応を停止した。収量は5
88.0gであった。燐酸エステル基によるポリフェノ
ール重合体の水酸基置換率は、約75%であった。
【0043】製造例5 硼素含有ポリフェノール系重合体(5)の製造 1060.0g(10.0ユニットモル)のフェノール
及びホルムアルデヒドから得られたノボラック(重量平
均分子量1200)と124.0g(2.0モル)の硼
酸を冷却器を備えた反応容器にいれ、140℃、窒素気
流下にて撹拌しながら2.0時間溶融混合した。その
後、40mmHg、160℃にて脱水を行い、系外へ流
出した水の重量が36gとなったところで反応を停止し
た。硼酸によるポリフェノール重合体の水酸基置換率
は、約20%であった。
及びホルムアルデヒドから得られたノボラック(重量平
均分子量1200)と124.0g(2.0モル)の硼
酸を冷却器を備えた反応容器にいれ、140℃、窒素気
流下にて撹拌しながら2.0時間溶融混合した。その
後、40mmHg、160℃にて脱水を行い、系外へ流
出した水の重量が36gとなったところで反応を停止し
た。硼酸によるポリフェノール重合体の水酸基置換率
は、約20%であった。
【0044】製造例6 硼素有ポリフェノール系重合体(6)の製造 1060.0g(10.0ユニットモル)のフェノール
及びホルムアルデヒドから得られたノボラック(重量平
均分子量1200)と372.0g(6.0モル)の硼
酸を冷却器を備えた反応容器にいれ、140℃、窒素気
流下にて撹拌しながら2.0時間溶融混合した。その
後、40mmHg、160℃にて脱水を行い、系外へ流
出した水の重量が108gとなったところで反応を停止
した。硼酸によるポリフェノール重合体の水酸基置換率
は、約60%であった。
及びホルムアルデヒドから得られたノボラック(重量平
均分子量1200)と372.0g(6.0モル)の硼
酸を冷却器を備えた反応容器にいれ、140℃、窒素気
流下にて撹拌しながら2.0時間溶融混合した。その
後、40mmHg、160℃にて脱水を行い、系外へ流
出した水の重量が108gとなったところで反応を停止
した。硼酸によるポリフェノール重合体の水酸基置換率
は、約60%であった。
【0045】実施例1〜10、比較例1〜2 表1記載の各成分及び配合割合で、ヘンシェルミキサー
にて混合後、30φ2軸押出機(池貝鉄工社製、PCM
−30)を使用し、220〜280℃で溶融混練押出し
し、ペレタイザーによりペレット化した。このようにし
て得たペレットから射出成型機を用いてテストピースを
作製し、燃焼性を評価した。その結果を表1に示す。
にて混合後、30φ2軸押出機(池貝鉄工社製、PCM
−30)を使用し、220〜280℃で溶融混練押出し
し、ペレタイザーによりペレット化した。このようにし
て得たペレットから射出成型機を用いてテストピースを
作製し、燃焼性を評価した。その結果を表1に示す。
【0046】UL燃焼試験は、得られたペレットから射
出成形にて127mm×12.7mm×1.6mmの燃
焼テストピースを作製し、米国アンダーライターズ・ラ
ボラトリー社のサブジェクト94(UL−94)垂直燃
焼試験に従い測定した。
出成形にて127mm×12.7mm×1.6mmの燃
焼テストピースを作製し、米国アンダーライターズ・ラ
ボラトリー社のサブジェクト94(UL−94)垂直燃
焼試験に従い測定した。
【0047】
【表1】
【0048】表1中の記号は以下の通りである。 ポリカーボネート:帝人化成社製パンライトK−130
0W 熱可塑性樹脂(1):電気化学工業社製AS樹脂 AS
XGB 熱可塑性樹脂(2):電気化学工業社製ABS樹脂 G
R−GT−14 燐化合物:(株)大八化学工業所製 トリフェニルフォ
スフェート フェノール樹脂(1):明和化成社製ノボラック型フェ
ノール樹脂 OCN100、平均構造式が次式(IV)
で表される。
0W 熱可塑性樹脂(1):電気化学工業社製AS樹脂 AS
XGB 熱可塑性樹脂(2):電気化学工業社製ABS樹脂 G
R−GT−14 燐化合物:(株)大八化学工業所製 トリフェニルフォ
スフェート フェノール樹脂(1):明和化成社製ノボラック型フェ
ノール樹脂 OCN100、平均構造式が次式(IV)
で表される。
【化4】 フェノール樹脂(2):昭和高分子社製ノボラック型フ
ェノール樹脂 BRG555、平均構造式が次式(V)
で表される。
ェノール樹脂 BRG555、平均構造式が次式(V)
で表される。
【化5】
【0049】
【発明の効果】以上の通り、ポリフェノール系重合体に
燐酸エステル基、燐酸基、硼酸、酸化硼素、硼酸エステ
ル等を反応させて得られる燐含有ポリフェノール系重合
体及び/または硼素含有ポリフェノール系重合体と、燐
化合物を併用する事により、熱可塑性樹脂含有ポリカー
ボネート系樹脂の難燃性を著し高める事ができる。
燐酸エステル基、燐酸基、硼酸、酸化硼素、硼酸エステ
ル等を反応させて得られる燐含有ポリフェノール系重合
体及び/または硼素含有ポリフェノール系重合体と、燐
化合物を併用する事により、熱可塑性樹脂含有ポリカー
ボネート系樹脂の難燃性を著し高める事ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 LTA
Claims (1)
- 【請求項1】 下記の(A)、(B)及び(C)の各成
分を必須とする難燃性樹脂組成物。 (A)熱可塑性樹脂含有ポリカーボネート系樹脂 (B)燐含有ポリフェノール系重合体及び/または硼素
含有ポリフェノール系重合体 (C)燐化合物
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14654494A JPH0812867A (ja) | 1994-06-28 | 1994-06-28 | 難燃性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14654494A JPH0812867A (ja) | 1994-06-28 | 1994-06-28 | 難燃性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0812867A true JPH0812867A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15410059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14654494A Pending JPH0812867A (ja) | 1994-06-28 | 1994-06-28 | 難燃性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0812867A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6331584B1 (en) * | 1998-09-29 | 2001-12-18 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Flame-retardant polycarbonate resin composition and its injection moldings |
-
1994
- 1994-06-28 JP JP14654494A patent/JPH0812867A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6331584B1 (en) * | 1998-09-29 | 2001-12-18 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Flame-retardant polycarbonate resin composition and its injection moldings |
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