JPH0812824B2 - 負荷時タップ切換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は負荷時タップ切換装置に関する。

（従来の技術） 従来の負荷時タップ切換装置を第２図を参照して説明
する。

図に示すように、変圧器タンク１に設けた開口部座へ
頭部２を介して切換開閉器槽３を吊り下げ、切換開閉器
槽３の底金物８にタップ選択器５が吊り下げられてい
る。また、切換開閉器槽３の内部には切換開閉器４が支
柱20により吊り下げられている。この切換開閉器４内の
スペースには限流抵抗器７が配置され、切換開閉器４と
タップ選択器５の電気接続は切換開閉器槽３の側壁を貫
通するスライド接点９とタップ選択器５から導出された
リード線19により行なわれる。中性点の引出しは切換開
閉器槽３の側壁を貫通するスライド接点９に接続した中
性点リング21から行なわれる。

ところで、支柱20は頭部２内の受け座に設けた切換開
閉器取付板25から吊り下げられ、その下部に切換開閉器
４及び蓄勢装置６が吊り下げられる。また、頭部２の開
口部に設けた蓋10には吸着剤16を収納する吸着剤ケース
26が設けられ、図示しない電動操作機構からの駆動力を
伝達する傘歯車装置22が取付けられる。

さらに、対地絶縁部には電界緩和を目的として、切換
開閉器槽３の外側上部に１対、駆動力を伝達する駆動絶
縁軸12の上下に１対、さらに支柱20下部に各々パイプ状
の対地シールド27が設けられる。

次に、上記構成の従来のタップ切換装置の切換動作の
概要を説明する。

図示しない電動操作機構からの駆動力は傘歯車装置22
に伝達され、蓋10の下部に設けた上部平歯車装置23,駆
動絶縁軸12を介して、一方は底金物８下部の下部平歯車
装置24に伝達され、タップ選択器５上部に設けたゼネバ
歯車機構13を介してタップ選択器５を駆動し、他方は蓄
勢装置６に伝達され，切換開閉器４を早切り動作させ
る。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記構成の従来の負荷時タップ切換装
置は以下に示すような改善すべき課題がある。すなわ
ち、 （１）上部の駆動系統は傘歯車装置22と上部平歯車装置
23とから構成されているため構造が複雑で大型化する。

（２）吸着剤16を収納する専用の吸着剤ケース26が蓋10
上部に設けられているため、変圧器タンク１上に突出す
る部分が大型化する。

（３）対地シールド27はパイプ状であるため工作性に優
れておらず、かつこれを５種類も制作しなければならな
い。さらにシールドを５種類設けている割りには十分な
電界緩和機能を果たしておらず大型化する。

（４）限流抵抗器７を切換開閉器４内部に配置したため
製作仕様に応じての限流抵抗器７の積み重ね段数の増加
に制約を受け、また限流抵抗器７の放熱による影響でス
ライド接点９の通電能力が低下する。

（５）スライド接点９が切換開閉器槽３を貫通するよう
に構成されているため、切換開閉器槽３のシール構造が
複雑となり、シール信頼性が低下する。また切換開閉器
槽３の外側に金属部品が突出することから電位分布が悪
化し、かつ変圧器が大型化する。

（６）底金物８の下部に下部平歯車装置24を設けている
ため、構造が複雑で大型化する。

本発明は、上記問題点を解消するためになされたもの
で、その目的は、構造が簡単かるコンパクトで、しかも
信頼性の高い安価な負荷時タップ切換装置を提供するこ
とにある。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本発明の負荷時タップ切
換装置は、変圧器タンクに支持された切換開閉器槽と、
前記切換開閉器槽の下部に吊り下げたタップ選択器と、
前記切換開閉器槽の内側下部に配置した切換開閉器と、
前記切換開閉器の上部に設けた蓄勢装置及びタップ切換
駆動機構とを備えた負荷時タップ切換装置において、前
記切換開閉器の外側壁と前記切換開閉器槽の内側壁との
間に上下方向に積み重ねて配置した限流抵抗器と、前記
切換開閉器の底部に当該切換開閉器と前記タップ選択器
との電気的接続をもつとともにその固定側は当該切換開
閉器槽の底金物を貫通して配置したスライド接点と、前
記切換開閉器槽の上部に設けた吸着剤収納を兼ねるナベ
底形状の対地シールド部を有する蓋とから構成されたこ
とを特徴とするものである。

（作用） したがって、本発明によれば吸着剤の専用収納ケース
を必要とせず、また簡単かつコンパクトなシールドで電
界が十分緩和され、しかも限流抵抗器の放熱の影響をス
ライド接点が受けることがないので、シール信頼性の高
い負荷時タップ切換装置が得られる。

（実施例） 本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は本発明の一実施例の縦断面図である。

なお、既に説明した第２図と同一部分には同一符号を
付して説明する。

第１図に示すように、変圧器タンク１に設けた開口部
座へ頭部２を介し切換開閉器槽３を吊り下げ、さらに切
換開閉器槽３の底金物８にタップ選択器５が吊り下げら
れる。切換開閉器槽３内の底部には切換開閉器４が支持
絶縁筒14により吊り下げられ、切換開閉器４の上部に蓄
勢装置６が載置されている。

限流抵抗器７は切換開閉器４の外側壁と切換開閉器槽
３の内側壁の間の空間部分に上下方向に積み重ねて配置
されている。限流抵抗器７の積み重ね段数は製作仕様に
応じて容易に変更できるように構成されている。

また、切換開閉器４とタップ選択器５を電気的に接続
し、切換開閉器４の保持機能を併せ持たしたスライド接
点９を底金物８を貫通して配置することにより、限流抵
抗器７の放熱による通電能力の低下を防止する。さらに
切換開閉器槽３の外側への金属部分の突出を無くしてい
るので、電位分布が改善され変圧器のコンパクト化が可
能となり、更にシール構造が単純化するためシール信頼
性も向上する。中性点の引出しも前記スライド接点９か
ら行なうように構成される。

頭部２の開口部に設けた蓋10の中央部には、図示しな
い電動操作機構からの駆動力を達成するウォーム歯車装
置11が取付けられ、蓋10下部は対地電界緩和を目的とし
てナベ底形状に構成し、このナベ底形状部を吸着剤収納
スペースとして兼用することにより、駆動系統を簡素化
し、蓋10上部を小型化し、対地絶縁性能を向上させてい
る。

蓄勢装置６の上部には下部のナベ底形状部の対地シー
ルド15を取付け、蓋10の下部のナベ底形状部と対向させ
対地絶縁性能を向上させている。

ウォーム歯車装置11からの駆動力は駆動絶縁軸12を介
し、一方は蓄勢装置６に伝達され、切換開閉器４を早切
り動作させる。他方は底金物８を貫通して直接タップ選
択器５の上部に設けたゼネバ歯車機構13を駆動させるこ
とにより、駆動系統を簡素化している。

限流抵抗器７の外側にガイドバー17を蓋10から吊り下
げることにより切換開閉器４の切換開閉器槽３からの出
し入れ作業性を改善するとともに、限流抵抗器７の保持
機能を併せ持たせている。ガイドバー17は底金物８に設
けたガイド溝18によりガイドされるように構成される。

本実施例は、以上説明したように構成されているの
で、全体としてコンパクトで信頼性の高い安価な負荷時
タップ切換装置を提供することができる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の負荷時タップ切換装置
によれば、駆動系統が簡単かつコンパクトで、吸着剤の
専用収納ケースを必要とせず、変圧器上部への突出部分
が少ない。またナベ底状シールドによって大幅に対地電
界が改善され、かつ限流抵抗器設計製作裕度が大きく限
流抵抗器の放熱の影響をスライド接点が受けない。更に
シール信頼性の高い切換開閉器の出し入れ作業性に優れ
た合理的で安価な負荷時タップ切換装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の縦断面図、第２図は従来の
負荷時タップ切換装置の縦断面図である。 １…変圧器タンク、２…頭部 ３…切換開閉器槽、４…切換開閉器 ５…タップ選択器、６…蓄勢装置 ７…限流抵抗器、８…底金物 ９…スライド接点、10…蓋 11…ウォーム歯車装置、12…駆動絶縁軸 13…ゼネバ歯車機構、14…支持絶縁筒 15…対地シールド、16…吸着剤 17…ガイドバー、18…ガイド溝 19…リード線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】変圧器タンクに支持された切換開閉器槽
   と、前記切換開閉器槽の下部に吊り下げたタップ選択器
   と、前記切換開閉器槽の内側下部に配置した切換開閉器
   と、前記切換開閉器の上部に設けた蓄勢装置及びタップ
   切換駆動機構とを備えた負荷時タップ切換装置におい
   て、前記切換開閉器の外側壁と前記切換開閉器槽の内側
   壁との間に上下方向に積み重ねて配置した限流抵抗器
   と、前記切換開閉器の底部に当該切換開閉器と前記タッ
   プ選択器との電気的接続をもつとともにその固定側は当
   該切換開閉器槽の底金物を貫通して配置したスライド接
   点と、前記切換開閉器槽の上部に設けた吸着剤収納を兼
   ねるナベ底形状の対地シールド部を有する蓋とから構成
   されたことを特徴とする負荷時タップ切換装置。