JPH08127777A - 液晶特性改善剤 - Google Patents
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Abstract
および低電圧性に優れた液晶組成物を形成するのに有効
な新規な液晶特性改善剤の提供。 【構成】 下記一般式 【化1】 (式中、mは1〜3の整数、X1およびX2は単結合、
O、COOおよびOCOよりなる群から独立して選ばれ
た基であり、YはCOOおよびOCOよりなる群から選
ばれた基であり、nは2〜12の整数であり、CnH
2n+1は直鎖アルキル、分岐アルキルおよび光学活性炭素
を含む分岐アルキル基の場合を含む)で示される化合物
であることを特徴とする液晶特性改善剤。
Description
る。とくに本発明は、反強誘電性液晶の特性を改善する
のに適した液晶特性改善剤に関する。
低消費電力性、3)薄形表示、4)受光型などの優れた
特徴を有するため、現在まで、TN方式、STN方式、
ゲスト−ホスト(Gest−Host)方式などが開発
され実用化されている。
ク液晶を用いたものは、応答速度が数msec〜数十m
secと遅い欠点があり、応用上種々の制約を受けてい
る。
や薄層トランジスタ方式などを用いたアクティブマトリ
ックス方式などが開発されたが、STN型表示素子は、
表示コントラストや視野角などの表示品位は優れたもの
となったが、セルギャップやチルト角の制御に高い精度
を必要とすることや応答がやや遅いことなどが問題とな
っている。薄膜トランジスタ方式は構造が複雑で製造時
の歩留りが低く、結果的に高価につく。
示方式の開発が要望されており、光学応答時間がμse
cオーダーと極めて短かい超高速デバイスが可能になる
強誘電性液晶の開発が試みられていた。
等によりDOBAMBC(p−デシルオキシベンジリデ
ン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメート)が初
めて合成された(Le Journal de Phy
sique,36巻1975,L−69)。さらに、1
980年、ClarkとLagawallによりDOB
AMBCのサブマイクロ秒の高速応答、メモリー特性な
ど表示デバイス上の特性が報告されて以来、強誘電性液
晶が大きな注目を集めるようになった〔N.A.Cla
rk,etal.,Appl.Phys.Lett.3
6.899(1980)〕。しかし、彼らの方式には、
実用化に向けて多くの技術的課題があり、特に室温でデ
ィスプレーに要求される実用特性を満足する強誘電性液
晶はほとんど無く、表示ディスプレーに不可欠な液晶分
子の配列制御に有効かつ実用的な方法も確立されていな
かった。
らの様々な試みがなされ、ツイスト二状態間のスイッチ
ングを利用した表示デバイスが試作され、それを用いた
高速電気光学装置も例えば特開昭56−107216号
などで提案されているが、高いコントラストや適正なし
きい値特性は得られていない。
についても探索され、過渡的な散乱方式が提案された。
その後、1988年に本発明者らによる三安定状態を有
する液晶の三状態スイッチング方式が報告された〔A.
D.L.Chandani,T.Hagiwara,
Y.Suzuki etal.,Japan.J.of
Appl.Phys.,27,(5),L729−L7
32(1988)〕。
電極基板と所定の間隙を隔てて配置されている第二の電
極基板との間に反強誘電性液晶が挟まれてなる液晶電気
光学装置において、前記第一及び第二の電極基板に電界
形成用の電圧が印加されるよう構成されており、図1A
で示される三角波として電圧を印加したとき、前記反強
誘電性液晶が、無電界時に分子配向が第一の安定状態
〔図3(a)〕になり、液晶電気光学装置の透過率が第
一の安定状態(図1Dの)を示し、かつ、電界印加時
に一方の電界方向に対し分子配向が前記第一の安定状態
とは異なる第二の安定状態〔図3(b)〕になり液晶電
気光学装置の透過率が第2の安定状態(図1Dの)を
示し、さらに他方の電界方向に対し前記第一及び第二の
安定状態とは異なる第三の分子配向安定状態〔図3
(c)〕になり液晶電気光学装置の透過率が第三の安定
状態(図1Dの)を示すことを意味する。なお、この
三安定状態を利用する液晶電気光学装置については、本
出願人は特願昭63−70212号として出願し、特開
平2−153322号として公開されている。
さらに詳しく説明する。クラーク/ラガウェル(Cla
rk−Lagawall)により提案された表面安定化
強誘電性液晶素子では、S*C相において強誘電性液晶
分子が図2(a)および(b)のように一方向に均一配
向した2つの安定状態を持ち、印加電界の方向により、
どちらか一方の状態に安定化され、電界を切ってもその
状態が保持される。
の配向状態は、液晶分子のダイレクターが捩れたツイス
ト二状態を示したり、層がくの字に折れ曲ったシエブロ
ン構造を示す。シエブロン層構造では、スイッチング角
が小さくなり低コントラストの原因になるなど、実用化
へ向けて大きな障害になっている。一方、“反”強誘電
性液晶は三安定状態を示すSmC*A相では、上記液晶
電気光学装置において、無電界時には、図3(a)に示
すごとく隣り合う層毎に分子は逆方向に傾き反平行に配
列し、液晶分子の双極子はお互に打ち消し合っている。
したがって、液晶層全体として自発分極は打ち消されて
いる。この分子配列を示す液晶相は、図1Dのに対応
している。
充分大きい電圧を印加すると、図3(b)および(c)
に示すごとく液晶分子が同一方向に傾き、平行に配列す
る。この状態では、分子の双極子も同一方向に揃うため
自発分極が発生し、強誘電相となる。
ては、無電界時の“反”強誘電相と印加電界の極性によ
る2つの強誘電相が安定になり、“反”強誘電相と2つ
の強誘電相間を直流的しきい値をもって三安定状態間を
マイクロセカンドオーダーの高速スイッチングを行うも
のである。すなわち、印加電界の極性と大きさにより液
晶の分子配列が変化して、液晶の光学軸を三状態に変化
させることができ、このような液晶の三状態を一対の偏
光板にはさみ込むことにより電気光学的表示装置として
用いることができる。交流三角波の印加電圧に対して光
透過率をプロットすると図4のようなダブル・ヒステリ
シスを示す。このダブル・ヒステリシスに、図4の
(A)に示すようにバイアス電圧を印加して、さらにパ
ルス電圧を重畳することによりメモリー効果を実現でき
る特徴を有する。
側とマイナス側の両方のヒステリシスを交互に使い画像
表示を行なうことができるため、自発分極に基づく内部
電界の蓄積による画像の残像現象を防止することができ
る。さらに、電界印加により強誘電相は層がストレッチ
され、ブックシエルフ構造となる。一方、第一安定状態
の“反”強誘電相では類似ブックシエルフ構造となる。
この電界印加による層構造スイッチングが液晶層に動的
シエアーを与えるため駆動中に配向欠陥が改善され、良
好な分子配向が実現できる。
1)高速応答が可能で、2)高いコントラストと広い視
野角および3)良好な配向特性とメモリー効果が実現で
きる、非常に有用な液晶化合物と言える。
晶相については、1)A.D.L.Chandani
etal.,Japan J.Appl.Phys.,2
8,L−1265(1989)および2)H.Orih
ara etal.,Japan J.Appl.Ph
ys.,29,L−333(1990)に報告されてお
り、“反”強誘電的性質にちなみS*C A相(Anti
ferroelectric Smectic C*
相)と命名しているが本発明者らは、この液晶相が三安
定状態間のスイッチングを行なうためS*(3)相(本明
細書ではSmC*A相と表示)と定義した。
Aを相系列に有する液晶化合物は、本発明者の出願した
特開平1−316367号、特開平1−316372
号、特開平1−316339号、特開平2−28128
号及び市橋等の特開平1−213390号公報があり、
また三安定状態を利用した液晶電気光学装置としては本
出願人は特開平2−40625号、特開平2−1533
22号、特開平2−173724号において新しい提案
を行っている。
液晶に要求される材料特性は、主として 1)動作温度
範囲、2)応答速度、3)ヒステリシス特性、4)表示
コントラスト等が挙げられる。
に較べて、その光学応答時間が短かく、高速デバイスと
しての可能性を切り開くものとして注目されているが、
この光学応答時間は、短ければ短いほど、液晶の用途を
拡大するので、応答時間の短縮は重要なテーマである。
また、反強誘電性液晶の潜在的課題は閾値電圧が高すぎ
ることであり、これを低くすることが大切である。
スプレイに充分使用できる超高速応答性および低電圧性
に優れた液晶組成物を形成するのに有効な新規な液晶特
性改善剤を提供する点にある。
〔I〕
O、COOおよびOCOよりなる群から独立して選ばれ
た基であり、YはCOOおよびOCOよりなる群から選
ばれた基であり、nは2〜12の整数であり、CnH
2n+1は直鎖アルキル、分岐アルキルおよび光学活性炭素
を含む分岐アルキル基の場合を含み、Z1およびZ2は、
化合物であることを特徴とする液晶特性改善剤に関す
る。
は、下記一般式〔II〕
は、前記と同一である)で示される化合物である。
とくに反強誘電性液晶組成物に対して、通常0.1〜4
0wt%、好ましくは1〜20wt%の割合で使用す
る。
る。
閾値電圧)の測定方法を次に示す。ラビング処理したポ
リイミド配向膜を透明電極基板上に有するセル厚2.0
μmの液晶セルに、実施例で得られた液晶化合物を等方
相において充填し、液晶薄膜セルを作製した。作製した
液晶セルを0.1〜1.0℃/minの温度勾配で徐冷
して液晶相を析出させた。この液晶セルを2枚の偏光板
を直交させた光電子増倍管付き偏光顕微鏡に電圧0Vの
状態で暗視野となるように配置した。液晶が反強誘電相
であるときに、セルに±40V、1Hzの三角波電圧を
印加したときの光の相対透過率を、印加した電圧に対し
てグラフ化すると図5のようになる。図に示すようにプ
ラス電圧を印加したときと、マイナス電圧を印加したと
きとで、ほぼ左右対称な二つのヒステリシスを有するこ
とが特徴である。図中に示すように、印加するプラス電
圧(マイナス電圧)を大きくしていく(小さくしてい
く)過程で相対透過率が10%になる電圧をV1、印加
するプラス電圧(マイナス電圧)を大きくしていく(小
さくしていく)過程で相対透過率が90%になる電圧を
V2、さらに、印加するプラス電圧(マイナス電圧)を
大きくしていく(小さくしていく)過程で相対透過率が
90%になる電圧をV3と定義することにする。セルに
図6に示すような±50Vの矩形波を印加したときの光
の相対透過率の変化から応答時間 τ、τr、τdを求
めることができる。τは強誘電相状態(具体的にはマイ
ナス側の矩形波電圧終了時)から反強誘電相の状態を経
由して次の強誘電相状態(具体的にはプラス側の矩形波
電圧印加により相対透過率が90%に達したとき)にな
るまでの時間である。τrは、反強誘電相の状態(具体
的には矩形波電圧をかけた時)から強誘電相の状態(具
体的には相対透過率が90%に達した時)に転移するま
での時間であり、τdは、強誘電相の状態(具体的には
矩形波電圧終了時)から反強誘電相の状態(具体的には
相対透過率が10%になった時)になるまでの時間であ
る。いずれも単位はμsecである。応答時間 τ、τ
r、τdが短いということは液晶の応答速度が速いこと
を意味する。
れに限定されるものではない。
示す割合にて配合して反強誘電性液晶組成物を作成し
た。
1に示す。
のデータを表1に示す。
のデータを表1に示す。
のデータを表1に示す。
0℃、40℃の応答時間τ、閾値電圧V2を表1に示
す。
り、液晶組成物、とくに反強誘電性液晶組成物の光学的
応答速度を著しく速くすることができ、また閾値電圧も
添加しない場合に較べて約半分位に低くすることができ
た。
ク液晶の、Cは二状態液晶の、Dは三安定状態液晶の、
それぞれの光学応答特性を示す。
性液晶分子の二つの安定した配向状態を示す。
向状態を示す。Bは、Aの各(a)、(b)、(c)に
対応した三状態スイッチングと液晶分子配列の変化を示
す。
ヒステリシスを描いて光透過率が変化することを示す印
加電圧−光透過率特性図である。
シス曲線のモデルを示す。
はその印加電圧がかかったときの液晶分子の応答状態を
示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式〔I〕 【化1】 (式中、mは1〜3の整数、X1およびX2は単結合、
O、COOおよびOCOよりなる群から独立して選ばれ
た基であり、YはCOOおよびOCOよりなる群から選
ばれた基であり、nは2〜12の整数であり、CnH
2n+1は直鎖アルキル、分岐アルキルおよび光学活性炭素
を含む分岐アルキル基の場合を含み、 Z1およびZ2は、 【化2】 よりなる群から独立して選ばれた基である)で示される
化合物であることを特徴とする液晶特性改善剤。 - 【請求項2】 下記一般式〔II〕 【化3】 (式中、X2、Z2、nおよびCnH2n+1についての定義
は、前記と同一である)で示される化合物であることを
特徴とする液晶特性改善剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6287399A JPH08127777A (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 液晶特性改善剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6287399A JPH08127777A (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 液晶特性改善剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08127777A true JPH08127777A (ja) | 1996-05-21 |
Family
ID=17716842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6287399A Pending JPH08127777A (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 液晶特性改善剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08127777A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999062860A1 (fr) * | 1998-05-29 | 1999-12-09 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Composes fluor substitues et composition ferroelectrique de cristaux liquides les contenant |
-
1994
- 1994-10-27 JP JP6287399A patent/JPH08127777A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999062860A1 (fr) * | 1998-05-29 | 1999-12-09 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Composes fluor substitues et composition ferroelectrique de cristaux liquides les contenant |
US6258296B1 (en) | 1998-05-29 | 2001-07-10 | Mitsubishi Gas Chemical Company Inc | Fluorine-substituted compounds and ferrielectric liquid-crystal composition containing the same |
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