JPH08127663A - プリプレグ - Google Patents
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- JPH08127663A JPH08127663A JP6265632A JP26563294A JPH08127663A JP H08127663 A JPH08127663 A JP H08127663A JP 6265632 A JP6265632 A JP 6265632A JP 26563294 A JP26563294 A JP 26563294A JP H08127663 A JPH08127663 A JP H08127663A
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- Japan
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- resin
- prepreg
- polyfunctional maleimide
- polyfunctional
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Abstract
に、耐熱性を損なうことなく優れた靱性を安定に付与す
ることのできる炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂
プリプレグを提供する 【構成】炭素繊維を強化繊維とし、多官能性マレイミド
系樹脂をマトリックス樹脂とし、且つ表面に熱可塑性樹
脂成形物が存在するプリプレグにおいて、多官能性マレ
イミド系樹脂が(1)多官能性マレイミド化合物並びに
(2)アルケニルフェノ−ル及び/又はアルケニルフェ
ノ−ルエ−テル化合物を必須成分とする樹脂であり、成
分(1)の50重量%以上が固形の微粒子として樹脂中
に存在すると共に硬化温度以下の温度で溶融するもので
あるプリプレグ。
Description
マレイミド系樹脂プリプレグの改良に関するものであ
る。
比弾性が優れているという特徴を活かして、スポ−ツ用
品を中心に各種用途に広く使用されている。現在のとこ
ろ、そのマトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂が主
流であるが、エポキシ樹脂は耐熱性が十分でなく、その
ため炭素繊維強化エポキシ樹脂複合材料は航空・宇宙用
途を中心に高まりつつある耐熱素材の要求を十分満足す
ることが困難になってきた。
ド、ビスマレイミド、ビスマレイミド−トリアジン、シ
アネ−ト樹脂などが良く知られているが、一般に耐熱性
樹脂は、その硬化物が非常に脆く、その複合材料は靱
性、耐衝撃性が乏しく、その用途はかなり制限されたも
のとなっている。この欠点を改良するため、ゴム成分や
熱可塑性樹脂を配合する方法、他のモノマ−成分を共重
合する方法などが提案されているが、耐熱性などの物性
の低下が大きい割りには靱性の向上が十分でなかった
り、樹脂単体の破壊靱性は一応向上しても複合材料にし
た時の靱性向上が十分でないなどの問題があった。
考え方として、積層体の層間を選択的に補強し、衝撃時
の層間剥離をおさえることが有効であるとの知見から、
インタ−リ−フと呼ばれる一種の接着層ないしは衝撃吸
収層を層間に挿入する方法が提案されたが、強化繊維含
有率が上げられない、プリプレグとしての取扱性も悪い
などの欠点があり、一般に使用されるに至っていない。
さらにゴム粒子あるいは高靱性熱可塑性樹脂微粒子をエ
ポキシ樹脂プリプレグ表面に局在化させ、その積層体の
層間を補強する方法も提案されている。
ミド)樹脂プリプレグにおいても同様の層間補強手法に
よって複合材料の靱性を向上することが可能と考えられ
るが、この場合単に、層間に高靱な樹脂を導入するだけ
では不十分である。特に多官能性マレイミド系樹脂をマ
トリックス樹脂として使用する場合の靱性向上効果が著
しく高い層間導入樹脂としては、導入樹脂の靱性が高い
ことは無論のこと、多官能性マレイミド系樹脂と相溶
し、所定の導入量において、硬化樹脂の組織として多官
能性マレイミド系樹脂がリッチな相が島、導入する高靱
性樹脂がリッチな相が海となる様な海島構造を形成する
樹脂(熱可塑性樹脂)があげられる。
なる多成分系での硬化挙動、硬化後の特性は、種々の要
因によって変動するため、得られた複合材料性能の変動
が大きく、場合によっては靱性の向上が全く得られない
といった問題が生じる。変動要因の1つとしては、ベ−
スのマトリックス樹脂である多官能性マレイミド系樹脂
のB−ステ−ジ化の度合(反応の進行度合)が、導入す
る高靱性熱可塑性樹脂との相溶性に影響し、その結果複
合材料性能特に靱性に悪影響を及ぼす結果を生む。特
に、このようなプリプレグ積層材料の層間での少量の多
官能性マレイミド系樹脂への熱可塑性樹脂成形物の溶解
といった状況では、ベ−スとなる多官能性マレイミド系
樹脂のBステ−ジ化の進行にともなう複合材料性能の変
動は大きな課題であった。
化多官能性マレイミド系複合材料に、耐熱性を損なうこ
となく優れた靱性を安定に付与することのできる炭素繊
維強化多官能性マレイミド系樹脂プリプレグを提供する
ことを目的とする。
可塑性樹脂成形物が存在する炭素繊維強化多官能性マレ
イミド系樹脂プリプレグについて種々検討した結果、こ
のプリプレグを構成する多官能性マレイミド系樹脂の成
分である多官能性マレイミド化合物として、その50重
量%以上が固形の微粒子として樹脂中に存在せしめ、か
つこの固形の微粒子が、硬化温度以下の温度で溶融する
ものを用いることにより、該プリプレグで成形した複合
材料の靱性を安定して高め得ることを知見し、本発明を
完成した。
し、多官能性マレイミド系樹脂をマトリックス樹脂と
し、且つ表面に熱可塑性樹脂成形物が存在するプリプレ
グにおいて、多官能性マレイミド系樹脂が(1)多官能
性マレイミド化合物並びに(2)アルケニルフェノ−ル
及び/又はアルケニルフェノ−ルエ−テル化合物を必須
成分とする樹脂であり、成分(1)の50重量%以上が
固形の微粒子として樹脂中に存在すると共に硬化温度以
下の温度で溶融するものであることを特徴とするプリプ
レグである。
は、炭素繊維及び黒鉛繊維の両方を意味する。この炭素
繊維は、通常「プレカ−サ−」と称されるポリアクリロ
ニトリル、ピッチ等の繊維状物を炭化するか、或はグラ
ファイト温度に加熱することにより得られ、なかでも引
張強度4500MPa以上、伸度1.7%以上の高強度
・高伸度の炭素繊維が好適に用いられる。
酸化することにより、炭素繊維表面に水酸基、カルボン
酸基などの官能基を導入したものが好適に用いられる。
さらに好ましくは、酸化処理後さらに炭素繊維表面を、
アミノシラン、エポキシシラン、ビニルシランカップリ
ング剤、あるいはアミノチタネ−ト系、アミノジルコネ
−ト系などの金属系カップリング剤等で処理した炭素繊
維がより好ましく使用される。
樹脂とは、多官能性マレイミド化合物とアルケニルフェ
ノ−ル及び/又はアルケニルフェノ−ルエ−テルを必須
成分とする樹脂であり、且つ多官能性マレイミド化合物
の50重量%以上が固形の微粒子として樹脂中に存在し
かつ硬化温度以下の温度で多官能性マレイミド系樹脂に
溶融するものであることに特徴がある。
性マレイミド化合物の50重量%以上が固形の微粒子と
して存在し、かつその微粒子が硬化温度以下の温度で多
官能性マレイミド系樹脂に溶融し、混合するものを用い
ることによって、プリプレグ製造工程での熱履歴あるい
は、樹脂またはプリプレグの貯蔵による多官能性マレイ
ミド系樹脂のB−ステ−ジ化反応を抑制することができ
る。さらに、成形時の昇温速度の違いによる硬化の進行
状態の変動をできるだけ抑えることが可能となる。
進行が要因である熱可塑性樹脂成形物の多官能性マレイ
ミド系樹脂への溶解性の低下を抑制でき、安定した熱可
塑性樹脂成形物の溶解が可能となり、複合材料として安
定性に優れた耐衝撃性が得られるのみならず、従来の樹
脂調製で行われてきた多官能性マレイミド化合物の溶融
温度以上の高温での樹脂混合の手間が除かれると共に、
樹脂調製工程でのこのような高温混合に伴うB−ステ−
ジ化反応の進行も抑制でき、複合材料性能の安定化の面
でさらに好適な結果をもたらす。
子が多官能性マレイミド系樹脂に溶融するとは、溶解す
る及び/または融解する意味を表す。使用する多官能性
マレイミド化合物としては、例えば下記の化合物が上げ
られる。1,2-ビスマレイミドエタン、1,6-ビスマレイミ
ドヘキサン、1,12- ビスマレイミドドデカン、1,6-ビス
マレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、1,6-ビスマレイミ
ド-(2,4,4-トリメチル)ヘキサン、1,3-ビスマレイミドベンゼ
ン、1,4-ビスマレイミドベンゼン、3,3'- または4,4'-
ビスマレイミドジフェニルメタン、3,3'- または4,4'-
ビスマレイミドジフェニルスルホン、3,3'- または4,4'
- ビスマレイミドジフェニルエ−テル、2,4-、2,6-また
は3,4-ビスマレイミドトルエン、4,4'- ビスマレイミド
ジフェニルスルフィド、4,4'- ビスマレイミドジシクロ
ヘキシルメタン、4,4'- ビスマレイミドジシクロヘキシ
ルヘキセン、N,N'-m- または-p- キシリレンビスマレイ
ミド、N,N'-m- フェニレンビス−シトラコンイミド、2,
2'- ビス[4-(4-マレイミトフェノキシ)フェニル]フロハン、ビス[4-(4-マレイミ
トフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-マレイミトフェノキシ)フェニル]ス
ルホン、1,3'- ビス(4- マレイミドフェノキシ)ベンゼ
ン、1,3'- ビス(3- マレイミドフェノキシ)ベンゼン、
N,N'-[1,3-フェニレン-シ-(2,2-フロヒリテン)-シ-p-フェニレン]ヒスマレイミトな
ど並びにこれらの混合物及びマレイミドとジアミンから
なるプレポリマ−が含まれる。プレポリマ−に用いるジ
アミンとしては、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族
ジアミンが好ましい。4,4'- ビスマレイミドジフェニル
メタン及びこの化合物と1,6-ビスマレイミド-(2,2,4-トリ
メチル)ヘキサン及び/または、ビスマレイミドトルエンの
共融混合物も好適に使用される。
方法は、通常合成の最終段階でそのまま微粒子として得
られる、あるいはその後、公知の方法により粉砕するこ
とにより得られる。粒子径は、通常平均100ミクロン
以下、好ましくは、50ミクロン以下である。さらに好
ましくは20ミクロン以下である。粒子が大き過ぎる
と、多官能性マレイミド化合物が得られる炭素繊維強化
多官能性マレイミド系樹脂プリプレグのマトリックス樹
脂中に均一に分散した該プリプレグを得ることが困難と
なり、均一な複合材料が得られず好ましくない。
50重量%以上が樹脂中に固形の微粒子で存在している
ことが必要である。50重量%未満であると樹脂の安定
性が十分得られず好ましくない。さらに本発明では、使
用する多官能性マレイミド化合物の固形の微粒子が硬化
温度以下の温度で樹脂に溶融する必要がある。多官能性
マレイミド化合物の種類から適切な硬化温度を設定すれ
ば良いが、通常硬化温度としては、150℃から300
℃が好適に使用され、この温度以下の温度で樹脂に溶融
する多官能性マレイミド化合物の微粒子が使用される。
もっとも好適に使用されるものは3,3'- または4,4'- ビ
スマレイミドジフェニルメタンの微粒子であり、その時
の硬化温度は、180℃である。
ルフェノ−ルエ−テル化合物としては、フェノ−ル系化
合物とアルケニルハライドとの反応により得られるアル
ケニルフェノ−ルエ−テルさらにアルケニルフェノ−ル
エ−テルをクライゼン転移することにより得られるアル
ケニルフェノ−ルを挙げることができる。例えばo,o'-
ジアリルビスフェノ−ルA、ジアリルビスフェノ−ルF
等のアルケニルフェノ−ル化合物及びこれらのアルケニ
ルフェノ−ルのクライゼン転位反応前のアルケニルファ
ノ−ルエ−テルとしてビスフェノ−ルAジアリルエ−テ
ル、ビスフェノ−ルFジアリルエ−テル、さらにクライ
ゼン反応途中に単離可能な、アリルビスフェノ−ルAア
リルエ−テル、アリルビスフェノ−ルFアリルエ−テル
をあげることができる。
記載のオリゴマ−性アリル又はプロペニル末端のアリ−
ルエ−テルスルホン、又はアリ−ルエ−テルケトン等も
適している。これらのアルケニルフェノ−ル及び/又は
アルケニルフェノ−ルエ−テル化合物は、単独もしくは
2種以上の混合物として使用できる。また、本発明で
は、アルケニルフェノ−ル及び/又はアルケニルフェノ
−ルエ−テル化合物として、さらに80℃以下の温度好
ましくは室温で低粘度の液体であるものが好ましく使用
される。
ェノ−ル及び/又はアルケニルフェノ−ルエ−テル化合
物の混合比率は、所望により決定すればよいが、マレイ
ミド基1に対して、アルケニル基 0.3〜2.0 の範
囲が材料物性上好ましい。さらに、所望の特性、特にプ
リプレグにした時の粘着性、強化材である炭素繊維との
接着性を改良する目的でエポキシ樹脂等を添加すること
は可能である。添加量としては、耐熱性などの低下を考
慮して決定すればよいが、多官能性マレイミド系樹脂の
20重量%以下が好ましい。
硬化特性を調整する目的で触媒を添加してもよい。触媒
としては、オルガノホスフィン類、オルガノホスホニウ
ム塩、あるいはこれらの錯体、イミダゾ−ル類、第3級
アミン、第4級アンモニウム塩、3弗化ホウ素アミン錯
体及び有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等の
ラジカル重合触媒を用いることができる。触媒の添加量
は、目的に応じて決定すれば良いが、樹脂成分全量に対
して、0.01〜5重量%が安定性の点から好ましい。
−を添加したものを用いることもできる。特にポリイミ
ド、ポリエ−テルイミド、ポリスルホン、ポリエ−テル
スルホン、ポリエ−テルエ−テルケトン等所謂エンジニ
アリングプラスチックが耐熱性の点から好ましく、多官
能性マレイミド系樹脂と反応しうる官能基を分子末端あ
るいは分子鎖中に有するものがさらに好ましい。これら
の熱可塑性樹脂は、多官能性マレイミド系樹脂に溶解し
ても良いし、微粉末として混合しても良い。熱可塑性樹
脂成分の添加量は30重量%以下が好ましく、15重量
%以下がより好ましい。熱可塑性樹脂成分の添加量が3
0重量%を越えると系の粘度が高くなり過ぎてプリプレ
グ化時の含浸不良の原因となるだけでなく、プリプレグ
のタック特性、ドレ−プ特性が大幅に低下する原因とも
なる。
ジエン/アクリロニトリル共重合体等のエラストマ−成
分をプリプレグ特性、加工特性、機械的特性、熱的特性
等を犠牲にしない範囲で少量添加することも可能であ
る。
脂を調製する方法としては、通常の公知の方法が採用さ
れる。たとえば、液状のアルケニルフェノ−ル及び/又
はアルケニルフェノ−ルエ−テルに多官能性マレイミド
化合物Aの固形の微粒子を撹拌器あるいは3本ロ−ルを
用いて分散混合する。場合によってその後多官能性マレ
イミド化合物B(Bの量は、Aの量未満の量)及びその
他の成分、添加剤等を多官能性マレイミド化合物Aの固
形の微粒子の溶融温度以下の温度で多官能性マレイミド
化合物Bの溶融温度以上の温度で混合し調製する。本発
明の炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂プリプレグ
における炭素繊維と多官能性マレイミド系樹脂との比率
はその目的に応じて適宜設定することが可能であるが、
重量比で60/40 〜75/25 の範囲が特に好まし
い。
面に、熱可塑性樹脂成形物を存在させる。この熱可塑性
樹脂成形物は、プリプレグの片面に存在させても、両面
に存在させてもよい。この熱可塑性樹脂成形物の熱可塑
性樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミ
ド、ポリエ−テルイミド、ポリアミドイミド、ポリベン
ズイミダゾ−ル、ポリアリ−ルスルホン、ポリエ−テル
エ−テルケトンなど所謂エンジニアリングプラスチッ
ク、ス−パ−エンジニアリングプラスチックあるいはポ
リマ−アロイ化したものなどが挙げられる。分子鎖中に
アミノ基、フェノ−ル性水酸基、アミド基、アリル基、
ビニル基等多官能性マレイミド系樹脂と反応しうる官能
基を有するものが好ましく、これらは共重合などの手段
により官能基を末端あるいは分子鎖中に導入したエンジ
ニアリングプラスチックあるいはス−パ−エンジニアリ
ングプラスチックあるいはポリマ−アロイ化したもの等
である。
溶解可能であり、成形硬化過程で溶解し相分離して、硬
化後熱可塑性樹脂がリッチな相が海、熱硬化性樹脂がリ
ッチな相が島となる海島構造を呈する、例えばポリイミ
ド及びポリエ−テルイミドが特に好ましい。
は、繊維状、粒子状、フィルム状などが挙げられる。粒
子状の熱可塑性樹脂成形体としては、前記エンジニアリ
ングプラスチック、ス−パ−エンジニアリングプラスチ
ックの微粒子として市販されているものが使用でき、ま
た微粒子として市販されていないものは、粉砕するなど
公知の方法により微粒子化して使用する。微粒子の粒径
は、100μm以下が好ましく、更に好ましくは、2〜
60μmである。
記エンジニアリングプラスチック、ス−パ−エンジニア
リングプラスチックの溶融紡糸あるいは溶液紡糸など公
知の方法により得ることができる。繊維状物の形態とし
ては、モノフィラメント、マルチフィラメント、短繊維
など特に限定されない。繊維状物の直径としては、10
0μm以下が好ましく、50μm以下が特に好ましい。
更に、前記繊維状物から作られた織物の組織としては、
平織り、朱子織り、からめ織りなど特に限定されず、不
織布も使用できる。織物は、その織物目付(単位面積当
たりの重さ)が1〜25g/m2 のものが好ましい。
繊維状物の形態で使用すると、次のような利点がある。 (1)少量の熱可塑性樹脂をプリプレグ表面に配置する
ことができる。 (2)プリプレグのタックレベルのコントロ−ルが可能
である。 (3)高粘度物を取り扱う必要がなく、従来のプリプレ
グ製造プロセスがそのまま利用できる。 (4)品質管理が容易である。
状のものと粒子状のものをプリプレグ表面に配置するな
ど組み合わせて用いてもよい。熱可塑性樹脂成形物は、
多官能性マレイミド系樹脂100重量部に対し0.5〜
50重量部の比率で用いる。0.5重量部未満では、十
分な靱性改良効果は得られず、また50重量部を越える
と靱性改良効果は頭打ちになるばかりか表面タックの減
少あるいは用いる樹脂の種類によっては、耐熱性、耐溶
剤性が低下する場合もあり好ましくない。
方法で製造することができる。 (1)炭素繊維と多官能性マレイミド系樹脂とから通常
の方法でプリプレグを作成し、その表面に粒子状熱可塑
性樹脂又は短繊維状熱可塑性樹脂を振りかけて一体化す
るか、或いは熱可塑性樹脂のモノフィラメント又はマル
チフィラメントを引きそろえて一体化する方法。 (2)引きそろえた繊維状熱可塑性樹脂に多官能性マレ
イミド系樹脂を含浸させ樹脂フィルム状にしたものと、
炭素繊維とから製造する方法。
する。 (実施例1)γ−アミノプロピルトリエトキシシランの
0.1重量%水溶液に高強度中弾性炭素繊維(三菱レイ
ヨン社製、MR−50K、引張強度5600MPa、弾
性率300GPa:表面は酸化処理されており表面サイ
ジング剤は付着していないもの)を浸漬、通過させた。
その後130℃で2分間熱風乾燥し巻き取った。さらに
80℃で12時間15mmHg以下の減圧下で十分乾燥
した。処理後炭素繊維は未処理のものと同様の外観を示
した。
(三井東圧社製)を微粉砕し、平均粒子径が15ミクロ
ンの微粒子を得、ジアリルビスフェノ−ルA(チバガイ
ギ−社製)を表1の組成比率で、30℃で3本ロ−ルに
より、4,4'- ビスマレイミドジフェニルメタンの微粒子
を均一に分散混合した。さらに60℃でエポキシ成分と
してタクチックス742(ダウ社製)を混合することに
より多官能製マレイミド系樹脂を調製した。
系樹脂から一方向プリプレグをホットメルト法により製
造した。プリプレグ目付は145g/m2 、樹脂含有率
は30重量%であった。
社製)のポリイミドを塩化メチレン/メタノ−ル混合溶
媒(塩化メチレン/メタノ−ル=90/10重量比)に
溶解し所定の粘度(約1200ポイズ)に調整した溶液
を繊維状に押し出し、乾燥して巻き取り200デニ−ル
/52フィラメントのポリイミドマルチフィラメントを
製造した。
記プリプレグの両面に且つ炭素繊維と同方向に、2mm
間隔で片面当たり目付11g/m2 となるように配置
し、軽く含浸した。このプリプレグをすぐに、所定の寸
法、枚数に切断し、炭素繊維の方向が+45°、0°、
−45°、90°に4層、4回積層し次に90°、−4
5°、0°、+45°にて4層、4回積層後、オ−トク
レ−ブにて昇温速度+2℃/分で180℃まで昇温しさ
らに180℃で6時間、硬化成形した。さらに232℃
で6時間後硬化して衝撃後圧縮強度測定用試験片を作成
した。この試験片を用いてSACMA(Supplier of Ad
vanced Composites Materials Asociation)Recommende
d Method SRM2-88に準拠して1500in-lb/in衝撃後の
圧縮強度を測定した。結果を表1に示した。断面の顕微
鏡観察の結果、層間でポリイミドは溶解し繊維形状を保
持していなかった。
後同様にして衝撃後圧縮強度試験片を作成し評価した結
果も表1に示した。断面の顕微鏡観察の結果、層間でポ
リイミドは溶解し繊維形状を保持していなかった。
度10℃/時間で180℃まで昇温し、さらに180℃
で6時間硬化成形し(以下スロ−成形と略す)、さらに
232℃で6時間後硬化して衝撃後圧縮強度測定用試験
片を作成し同様に評価した結果も表1に示した。断面の
顕微鏡観察の結果、層間でポリイミドは溶解し繊維形状
を保持していなかった。
して、実施例1と同様の比率で4,4'- ビスマレイミドジ
フェニルメタンをすべて155℃でジアリルビスフェノ
−ルAに溶融し均一に混合したものを用いる以外は実施
例1と同様にして炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹
脂プリプレグを得、衝撃後圧縮強度を測定評価した。結
果を表1に示した。本プリプレグを50日室温で放置し
たものを用いた成形品及びスロ−成形品は断面の顕微鏡
観察の結果、層間でポリイミドは繊維形状を保持してお
り溶解していなかった。
して表1の組成比率で、まず実施例1と同様に微粉砕し
た4,4'−ビスマレイミドジフェニルメタンをジアリルビ
スフェノ−ルAを室温で3本ロ−ルを用いて分散混合し
たのち、70℃でコンピミド353(シュル社製のビス
マレイミドの共融混合物)とタクティクス742を溶融
し混合したものを用いる以外は、実施例1と同様に評価
した結果を表1に示す。すべての試験片で層間のポリイ
ミドは溶解し繊維形状を保持していなかった。
して表1の組成比率で4,4'−ビスマレイミドジフェニル
メタンを全て155℃でジアリルビスフェノ−ルAに溶
融し均一混合する以外は実施例2と同様にして評価した
結果を表1に示した。50日放置プリプレグを用いた成
形品及びスロ−成形品では、層間でポリイミドは溶解せ
ず繊維形状を保持していた。
して表1の組成比率とする以外は、実施例2と同様にし
て評価した結果を表1に示した。50日放置プリプレグ
を用いた成形品及びスロ−成形品では、層間でポリイミ
ドは溶解が不完全で繊維形状を保持していた。
ド系樹脂プリプレグは、マトリックス樹脂の耐熱性を損
なうことなく複合材料に優れた靱性を安定に付与するこ
とができるので、航空宇宙用構造材料などに極めて有用
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 炭素繊維を強化繊維とし、多官能性マレ
イミド系樹脂をマトリックス樹脂とし、且つ表面に熱可
塑性樹脂成形物が存在するプリプレグにおいて、多官能
性マレイミド系樹脂が(1)多官能性マレイミド化合物
並びに(2)アルケニルフェノ−ル及び/又はアルケニ
ルフェノ−ルエ−テル化合物を必須成分とする樹脂であ
り、成分(1)の50重量%以上が固形の微粒子として
樹脂中に存在すると共に硬化温度以下の温度で溶融する
ものであることを特徴とするプリプレグ。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂成形物が繊維状物である請
求項1記載のプリプレグ。 - 【請求項3】 熱可塑性樹脂成形物が繊維状物であり、
且つ多官能性マレイミド系樹脂に溶解可能なものである
請求項1記載のプリプレグ。
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---|---|---|---|
JP26563294A JP3571776B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | プリプレグ |
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---|---|---|---|
JP26563294A JP3571776B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | プリプレグ |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08127663A true JPH08127663A (ja) | 1996-05-21 |
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JP26563294A Expired - Lifetime JP3571776B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | プリプレグ |
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JP (1) | JP3571776B2 (ja) |
Cited By (3)
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