JPH08127351A - 車両用パワーステアリングシステム - Google Patents

車両用パワーステアリングシステム

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Publication number
JPH08127351A
JPH08127351A JP6266708A JP26670894A JPH08127351A JP H08127351 A JPH08127351 A JP H08127351A JP 6266708 A JP6266708 A JP 6266708A JP 26670894 A JP26670894 A JP 26670894A JP H08127351 A JPH08127351 A JP H08127351A
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JP
Japan
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temperature
voltage
vehicle
motor
element used
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Application number
JP6266708A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiichi Tomioka
栄一 富岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 システム全体としてのコストを低減する。バ
ッテリ電圧の変動の影響を受け難いものとして精度良く
アシスト力の制御を行う。昇圧回路での使用素子の温度
上昇による破壊や回路の発火等が生じないようにする。 【構成】 バッテリ電圧Vinを昇圧してモータへ印加す
る。昇圧回路素子(トランジスタ)の温度をチェックし
(ステップ101)、その温度がT1以上であれば、T
2以上であるか否かをチェックする(103)。T2以
下であれば、その時のトランジスタTr2の温度に応じ
て昇圧電圧Vout を低下させ(104)、T2以上であ
れば、昇圧電圧Vout を設定傾き分だけ低下させる(ス
テップ106)。T2はトランジスタの作動温度限界値
よりもやや低い値として、T1はT2よりも所定量だけ
低い値として定める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車速センサの検出す
る車速および舵角センサの検出するハンドル舵角に基づ
き、車載バッテリからのモータへの供給電流を調整する
ことによって、ハンドル操舵時のアシスト力を制御する
車両用パワーステアリングシステムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のパワーステアリング
システムとして、図6にその基本構成を示すようなモー
タドライブ・パワーステアリングシステム(MDPS)
がある。同図において、1は車載バッテリ、2はオルタ
ネータ、3はエンジン、4は車速センサ、5は舵角セン
サ、6はパワーステアリングユニット、7は電動モータ
駆動ポンプ、8は点火スイッチ、9はシグナルコントロ
ーラ、10はパワーコントローラである。
【0003】このMDPSでは、車速センサ4の検出す
る車速および舵角センサ5の検出するハンドル舵角が、
シグナルコントローラ9へ与えられる。シグナルコント
ローラ9は、車速センサ4および舵角センサ5からの車
速およびハンドル舵角に基づいて電動モータ駆動信号を
生成し、この生成した電動モータ駆動信号をパワーコン
トローラ10へ与える。パワーコントローラ10は、シ
グナルコントローラ9からの電動モータ駆動信号に応
じ、車載バッテリ1からの電動モータ駆動ポンプ7への
供給電流を調整する。
【0004】これにより、パワーステアリングユニット
6への油圧が制御され、低速走行域の操舵時はアシスト
力を大きくして操舵力を軽く、中高速走行域の操舵時は
逆に小さくして操舵力を重たくするように、ハンドル操
舵時のアシスト力が制御される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このM
DPSでは、電動モータ駆動ポンプ7へ車載バッテリ1
のバッテリ電圧(DC12V)を直に印加するものとし
ている。すなわち、電動モータ駆動ポンプ7に使用する
モータ7−1として、DC12V仕様のモータを用いて
いる。このため、モータ7−1に大電流を流して大きな
トルクを得るものとしており、モータ7−1の大型化,
使用配線の太線化が避けられず、システム全体としての
コストがアップするという問題があった。
【0006】また、車載バッテリ1のバッテリ電圧は、
負荷の大きさによって変動する。このバッテリ電圧の変
動の影響をモータ7−1が受けてしまい、結果としてハ
ンドル操舵時のアシスト力が変動してしまう。すなわ
ち、バッテリ電圧は12Vと低く、この低いバッテリ電
圧をモータ7−1へ直に印加するものとしているため、
少しの電圧変動でモータ7−1の発生トルクが大きく変
動し、ハンドル操舵時のアシスト力の制御が精度良く行
われないという問題が生じていた。
【0007】なお、上述においては、内燃機関を原動機
とした自動車を例にとって説明したが、電気自動車(E
V車)に採用した場合にも同様の問題が生じる。EV車
においては、主の電圧供給源はバッテリだけであり、そ
の電圧変動は大きい。また、上述においては、MDPS
を例にとって説明したが、油圧を介さず直接モータを駆
動することによってアシスト力を制御するFEPS(フ
ルエレクトリック・パワーステアリングシステム)にお
いても、同様の問題が生じる。
【0008】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、モータの小
型化,使用配線の細線化を図って、システム全体として
のコストを低減することができ、またバッテリ電圧の変
動の影響を受け難いものとして精度良くアシスト力の制
御を行うことができ、且つ昇圧回路での使用素子の温度
上昇による破壊や回路の発火等の生ずる虞れのない車両
用パワーステアリングシステムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、第1発明(請求項1に係る発明)は、上述し
た車両用パワーステアリングシステムにおいて、モータ
への電流供給通路の途上に昇圧回路を設け、車載バッテ
リからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧Vou t として
モータに印加する一方、昇圧回路での使用素子の温度を
監視し、この使用素子の温度が所定値T1以上となった
場合、昇圧電圧Vout を下げるようにしたものである。
第2発明(請求項2に係る発明)は、上述した車両用パ
ワーステアリングシステムにおいて、モータへの電流供
給通路の途上に昇圧回路を設け、車載バッテリからのバ
ッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧Vout としてモータに印
加する一方、昇圧回路での使用素子の温度を監視し、こ
の使用素子の温度が所定値T1以上となった場合、その
時の使用素子の温度に応じて昇圧電圧Vout を下げるよ
うにしたものである。
【0010】第3発明(請求項3に係る発明)は、上述
した車両用パワーステアリングシステムにおいて、モー
タへの電流供給通路の途上に昇圧回路を設け、車載バッ
テリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧Vout とし
てモータに印加する一方、昇圧回路での使用素子の温度
を監視し、この使用素子の温度が所定値T2以上となっ
た場合、昇圧電圧Vout を所定の傾斜で徐々に低下させ
て行くようにしたものである。第4発明(請求項4に係
る発明)は、上述した車両用パワーステアリングシステ
ムにおいて、モータへの電流供給通路の途上に昇圧回路
を設け、車載バッテリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇
圧電圧Vout としてモータに印加する一方、昇圧回路で
の使用素子の温度を監視し、この使用素子の温度が所定
値T1以上となった場合、その時の使用素子の温度に応
じて昇圧電圧Vout を下げるようにし、また所定値T1
よりも高い所定値T2以上となった場合、昇圧電圧V
out を所定の傾斜で徐々に低下させて行くようにしたも
のである。
【0011】
【作用】したがってこの発明によれば、第1発明では、
バッテリ電圧が昇圧されてモータに印加され、昇圧回路
での使用素子の温度が所定値T1以上となると、昇圧電
圧Vout が下げられる。第2発明では、バッテリ電圧が
昇圧されてモータに印加され、昇圧回路での使用素子の
温度が所定値T1以上となると、その時の使用素子の温
度に応じて昇圧電圧Vout が下げられる。第3発明で
は、バッテリ電圧が昇圧されてモータに印加され、昇圧
回路での使用素子の温度が所定値T1よりも高い所定値
T2以上となると、昇圧電圧Voutが所定の傾斜で徐々
に低下して行く。第4発明では、バッテリ電圧が昇圧さ
れてモータに印加され、昇圧回路での使用素子の温度が
所定値T1以上となると、その時の使用素子の温度に応
じて昇圧電圧Vout が下げられ、所定値T1よりも高い
所定値T2以上となると、昇圧電圧Vout が所定の傾斜
で徐々に低下して行く。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。図2はこの発明の一実施例を示すMDPSの要部を
示す電気回路図である。同図において、4は車速セン
サ、5は舵角センサ、7−1’は電動モータ駆動ポンプ
のモータ、11はマイクロコンピュータ、12は昇圧回
路、13はドライブ回路、Tr1はパワートランジス
タ、D1〜D4はダイオード、R1〜R4は抵抗であ
る。
【0013】昇圧回路12は、車載バッテリからのモー
タ7−1’への電流供給通路の途上に設けられており、
すなわち車載バッテリからのバッテリ電圧Vin(DC1
2V)の印加点P1とモータ7−1’への電圧印加点P
2との間に設けられており、コンデンサC1,C2、コ
イルL1、ダイオードD5、スイッチング用のトランジ
スタTr2、発振回路12−1により構成されている。
【0014】マイクロコンピュータ11は、端子A〜K
を有し、端子Aには抵抗R1とR2とによる分圧電圧V
aが与えられ、端子Eには抵抗R3とR4とによる分圧
電圧Vbが与えられる。マイクロコンピュータ11は、
分圧電圧VaからP1点に印可されるバッテリ電圧Vin
を検出し、分圧電圧VbからP2点に生ずる昇圧電圧V
out を検出する。
【0015】端子Iには舵角センサ5の検出するハンド
ル舵角が与えられ、端子Kには車速センサ4の検出する
車速が与えられる。マイクロコンピュータ11は、車速
センサ4および舵角センサ5からの車速およびハンドル
舵角に基づいて電動モータ駆動信号を生成し、この生成
した電動モータ駆動信号を端子Fよりドライブ回路13
へ出力する。
【0016】端子CにはトランジスタTr2の温度に関
する情報が、端子DにはトランジスタTr2に流れる電
流に関する情報が与えられる。端子Gにはトランジスタ
Tr1の温度に関する情報が、端子Hにはトランジスタ
Tr1に流れる電流に関する情報が与えられる。端子J
にはモータ7−1’の回転数に関する情報が与えられ
る。
【0017】また、マイクロコンピュータ11は、昇圧
回路12の発振回路12−1に対して、端子Bからデュ
ーティ比指示値を出力する。このデューティ比指示値に
よって、発振回路12−1からトランジスタTr2に出
力されるパルス波のデューティ比が定められる。なお、
本実施例において、発振回路12−1の発振周波数は2
0kHzとされている。
【0018】〔昇圧回路12の基本動作〕昇圧回路12
の基本動作は、発振回路12−1からのパルス波による
トランジスタTr2のスイッチングによって、コイルL
1でエネルギーの蓄積と放出とが繰り返され、ダイオー
ドD5のカソード側に放出の際の高電圧が現れることに
よる。
【0019】すなわち、トランジスタTr2がオンとな
るとコイルL1に電流が流れ、トランジスタTr2がオ
フとなるとコイルL1に流れる電流が遮断される。コイ
ルL1に流れる電流が遮断されると、この電流の遮断に
よる磁束の変化を妨げるように、ダイオードD5のカソ
ード側に高電圧が発生する。この繰り返しによって、ダ
イオードD5のカソード側に高電圧が繰り返し発生し、
コンデンサC2で平滑され、昇圧電圧Vout として点P
2に生じる。
【0020】昇圧回路12によって生成される昇圧電圧
out は、マイクロコンピュータ11の端子Bから出力
されるデューティ比指示値に依存し、デューティ比指示
値が大きければ昇圧電圧Vout は高くなり、デューティ
比指示値が小さければ昇圧電圧Vout は低くなる。すな
わち、発振回路12−1からトランジスタTr2に出力
されるパルス波のオンデューティが大きければ昇圧電圧
out は高くなり、逆にオンデューティが小さければ昇
圧電圧Vout は低くなる。
【0021】本実施例では、昇圧電圧Vout の設定値を
100Vとしており、従ってモータ7−1’としては1
2V仕様のモータではなく、100V仕様のモータ(D
Cブラシモータ)を使用している。すなわち、本実施例
では、モータ7−1’として、小さな電流で大きなトル
クを得ることができる高電圧仕様のモータを使用してい
る。
【0022】これにより、モータ7−1’の小型化,使
用配線の細線化を図って、システム全体としてのコスト
の低減が図られている。なお、昇圧電圧Vout を100
Vとすることにより、家電で使用されるコストの安い素
子を利用することができる。また、本実施例において、
バッテリ電圧Vinの変動に対して昇圧電圧Vout の変動
は小さく、バッテリ電圧Vinの変動の影響を受け難いも
のとして、精度良くアシスト力の制御を行うことができ
る。
【0023】なお、昇圧回路12は、近年の技術革新に
より、トランジスタTr2としてハイパワーで低損失,
低コストのトランジスタが得られるため、安価に作成で
きる。すなわち、昇圧回路12を用いるものとしても、
そのコストアップ分はモータ7−1’の小型化,使用配
線の細線化などによるコストダウンに吸収され、システ
ム全体としてのコストは低減される。
【0024】また、本実施例では、発振回路12−1の
発振周波数を20kHzとしたが、さらに発振周波数を高
くすれば、コイルL1を小さくすることができる。これ
により、コンパクト化を促進することができ、コストダ
ウンも図ることができる。振回路12−1の発振周波数
は、トランジスタTr2のスイッチング速度との兼ね合
いでその上限が規制され、トランジスタTr2として高
速のものを用いれば発振周波数を高めることができる。
【0025】また、本実施例では、昇圧回路12に発振
回路12−1を設けるものとしたが、発振回路12−1
を省略し、マイクロコンピュータ11の端子Bからその
デューティ比を調整したパルス波を出力するものとし、
このパルス波を直接トランジスタTr2へ与えるものと
してもよい。
【0026】〔マイクロコンピュータ11の動作〕次
に、マイクロコンピュータ11の動作について、その機
能を交えながら説明する。マイクロコンピュータ11
は、端子Cを介して入力されるトランジスタTr2(昇
圧回路素子)の温度をチェックし(図1に示すステップ
101)、その温度がT1以下であれば昇圧電圧Vout
をV1(本実施例では、V1=100V)とする(ステ
ップ102)。
【0027】ステップ101において、トランジスタT
r2の温度がT1以上であれば、T2(T2>T1)以
上であるか否かをチェックし(ステップ103)、T2
以下であれば、その時のトランジスタTr2の温度に応
じて昇圧電圧Vout を低下させ(ステップ104)、ワ
ーニングランプ(図示せず)を点滅させる(ステップ1
05)。これにより、トランジスタTr2のオン時間が
減少し、トランジスタTr2の温度上昇が抑えられる。
【0028】ステップ103において、トランジスタT
r2の温度がT2以上であれば、昇圧電圧Vout を設定
傾き分だけ低下させ(ステップ106)、ワーニングラ
ンプを連続点灯させる(ステップ107)。これによ
り、トランジスタTr2の温度がT2以上である場合、
昇圧電圧Vout が所定の傾斜で低下して行く。この所定
の傾斜での昇圧電圧Vout の低下により、昇圧電圧V
out は、最後にはバッテリ電圧Vinとなる。これによ
り、アシスト力を徐々に違和感なく低下させながら、す
なわちアシスト力を急激に低下させることなく、フェー
ルセーフを図ることができる。
【0029】ここで、T1およびT2は、トランジスタ
Tr2の作動温度範囲内の任意の値として定められてお
り、T2は作動温度範囲の上限値(作動温度限界値)よ
りもやや低い値として、T1はT2よりも所定量だけ低
い値として定められている。したがって、本実施例によ
れば、連続した高負荷状態でモータ7−1’が駆動され
ても、トランジスタTr2の温度が作動温度限界値を越
えて上昇することがなく、トランジスタTr2の温度上
昇による破壊や回路の発火等が生じないものとなる。
【0030】なお、昇圧電圧Vout の調整は、端子Bか
ら出力するデューティ比指示値に依存して行われること
は言うまでもなく、デューティ比指示値を小さくするこ
とによって、昇圧回路12での昇圧動作が抑制されて、
すなわちトランジスタTr2のオン時間が減少し、トラ
ンジスタTr2の温度上昇が抑えられる。デューティ比
指示値を0とした場合、昇圧回路12での昇圧動作は停
止し、昇圧電圧VoutはVinとなる。
【0031】図3(a)に昇圧回路素子(トランジスタ
Tr2)の温度の変化状況を、図3(b)に昇圧電圧V
out の変化状況を例示する。時刻t0 からt1 までの期
間は、トランジスタTr2の温度は低いので、昇圧電圧
out はV1(100V)とされる。時刻t1 で、トラ
ンジスタTr2の温度がT1以上となると、ワーニング
ランプが点滅し、その時のトランジスタTr2の温度に
応じて昇圧電圧Vout が低下される。これにより、トラ
ンジスタTr2の温度上昇が抑制され、トランジスタT
r2の温度が低下して行く。時刻t2において、トラン
ジスタTr2の温度がT1以下となると、昇圧電圧V
out は再びV1へ戻される。
【0032】時刻t3 にて、トランジスタTr2の温度
がT1以上となると、時刻t1 の場合と同様にして、ワ
ーニングランプが点滅し、その時のトランジスタTr2
の温度に応じて昇圧電圧Vout が低下される。これによ
り、トランジスタTr2の温度上昇は抑制されるが、こ
の場合、トランジスタTr2の温度上昇の度合いが激し
く、トランジスタTr2の温度は依然として上昇して行
く。
【0033】時刻t4 で、トランジスタTr2の温度が
T2以上となると、ワーニングランプが連続点灯し、昇
圧電圧Vout は所定の傾斜で低下して行く。この所定の
傾斜での昇圧電圧Vout の低下により、昇圧電圧Vout
は最後にはバッテリ電圧Vinとなる。時刻t5 で、トラ
ンジスタTr2の温度がT2以下となると、昇圧電圧V
outは所定値まで垂直に上昇した後、トランジスタTr
2の温度に応じて上昇して行く。そして、時刻t6 でト
ランジスタTr2の温度がT1以下となると、昇圧電圧
out はV1に戻される。
【0034】なお、本実施例では、トランジスタTr2
の温度がT1以下となった場合(t2 点)に昇圧電圧V
out をV1に戻すようにしたが、T1’(T1’<T
1)となった場合(t2 ’点)に昇圧電圧Vout をV1
に戻すようにしてもよい。また、トランジスタTr2の
温度がT2以下となった場合(t5 点)に昇圧電圧V
out を所定値まで垂直に上昇させるようにしたが、T
2’(T2’<T2)となった場合(t5 ’点)に昇圧
電圧Vout を所定値まで垂直に上昇させるようにしても
よい。
【0035】このようなヒステリシス動作を行わせるこ
とにより、アシスト力の大きな変化が頻繁に発生するこ
とを防止し、操舵の違和感をなくすと共に、トランジス
タTr2の温度の十分な降下を待つことができ、ワーニ
ングランプの点滅の煩わしさも防止することができる。
【0036】また、本実施例では、時刻t1 (t3 )で
ワーニングランプを点滅させ、時刻t4 でワーニングラ
ンプを連続点灯させるものとしたが、すなわち段階的に
ワーニングランプを点灯させるものとしたが、時刻t1
(t3 )で直ちにワーニングランプを連続点灯させたり
するようにしてもよい。また、本実施例では、トランジ
スタTr2を温度センサ内蔵のものとしているが、温度
検出センサを付設する構成としてもよい。
【0037】また、本実施例では、トランジスタTr2
の温度がT1以上となった場合にその時の温度に応じて
昇圧電圧Vout を低下し、T2以上となった場合に所定
の傾斜で昇圧電圧Vout を低下させて行くものとした
が、その何れか一方のみを採用するものとしてもよい。
また、トランジスタTr2の温度がT1以上となった場
合、その時の温度に応じて昇圧電圧Vout を低下させる
のではなく、所定の傾斜で昇圧電圧Vout を所定値まで
低下させるようにしてもよい。すなわち、図3(b)に
一点鎖線で示すように、時刻t3 でトランジスタTr2
の温度がT1以上となった場合(図4に示すステップ4
01)、昇圧電圧Vout を所定の傾斜でV2(V2<V
1)まで低下させるようにしてもよい(ステップ40
3,404,405,407)。
【0038】この場合、昇圧電圧Vout がV2に達した
後は、トランジスタTr2の温度がT1以上であっても
V2を維持し、トランジスタTr2の温度がT2以上と
なった場合に(t4 点)、バッテリ電圧Vinへ向けて昇
圧電圧Vout を所定の傾斜で低下させて行く。そして、
トランジスタTr2の温度がT2以下となった場合(t
5 点)、昇圧電圧Vout をV2へ向けて所定の傾斜で上
昇させて行き、昇圧電圧Vout がV2に達した後は、ト
ランジスタTr2の温度がT1以下となるまでV2を維
持する。トランジスタTr2の温度がT1以下となれば
(t6 点)、昇圧電圧Vout を所定の傾斜でV1まで上
昇させる。なお、このような方式とした場合、t1 点で
は昇圧電圧Vout がV2へ向けて所定の傾斜で低下して
行き、t2 点では昇圧電圧Vout がV1へ向けて所定の
傾斜で上昇して行く。この場合にも、先の実施例と同
様、ヒステリシスを設け、t2 ’点,t5 ’点で昇圧電
圧Vout を上昇させるようにしてもよい。
【0039】また、本実施例では、昇圧回路12として
コイルL1を用いた方式としたが、トランスを使用した
昇圧回路としてもよい。すなわち、昇圧回路は本方式に
限定されるものではなく、任意に昇圧電圧を設定できる
昇圧回路であればよい。また、本実施例では、モータ7
−1’としてDCブラシモータを用いたが、DCブラシ
モータに代えてDCブラシレスモータを用いるようにし
てもよい。DCブラシレスモータを使用した場合のMD
PSの要部の電気回路図を図5に示す。この場合、ブラ
シレスモータドライバ回路13’を設け、パワートラン
ジスタTr11〜Tr16およびダイオードD6〜D11か
らなるトランジスタ回路14を介して、モータ7−1”
への供給電流を調整する。モータ7−1”としてDCブ
ラシレスモータを用いることにより、ブラシ交換(例え
ば、モータ連続作動時、1回/2000〜3000k
m)が不必要となり、長期安定性が確保され、耐久性が
アップする等の利点が生じる。
【0040】また、本実施例では、MDPSを例にとっ
て説明したが、FEPSにも同様にして適用することが
可能である。また、車両の原動機の種類(内燃機、EV
車・・・etc)、およびバッテリ電圧(12V、24
V・・・etc)の大小に拘らず、全ての車両に同様に
して適用することが可能である。なお、EV車等にMD
PSを用いる場合、車両走行用モータ電源としての高電
圧を降圧して電動モータ駆動ポンプに電圧を印加するこ
とが考えられるが、この際の降圧回路にも同様の技術思
想を適用して、フェールセーフを図ることが可能であ
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、バッテリ電圧が昇圧され昇圧電圧Vout
としてモータに印加され、小さな電流で大きなトルクを
得ることができ、高電圧仕様(例えば、100V仕様)
としてモータの小型化,使用配線の細線化を図って、シ
ステム全体としてのコストを低減することができるよう
になる。また、バッテリ電圧の変動に対して昇圧電圧V
out の変動は小さく、バッテリ電圧の変動の影響を受け
難いものとして、精度良くアシスト力の制御を行うこと
ができるようになる。
【0042】また、第1発明では、バッテリ電圧が昇圧
されてモータに印加され、昇圧回路での使用素子の温度
が所定値T1以上となると、昇圧電圧Vout が下げら
れ、第2発明では、バッテリ電圧が昇圧されてモータに
印加され、昇圧回路での使用素子の温度が所定値T1以
上となると、その時の使用素子の温度に応じて昇圧電圧
out が下げられ、第3発明では、バッテリ電圧が昇圧
されてモータに印加され、昇圧回路での使用素子の温度
が所定値T2以上となると、昇圧電圧Vout が所定の傾
斜で徐々に低下して行き、第4発明では、バッテリ電圧
が昇圧されてモータに印加され、昇圧回路での使用素子
の温度が所定値T1以上となると、その時の使用素子の
温度に応じて昇圧電圧Vout が下げられ、所定値T1よ
りも高い所定値T2以上となると、昇圧電圧Vout が所
定の傾斜で徐々に低下して行き、所定値T1,T2を適
当に定めることにより、昇圧回路での使用素子の温度上
昇による破壊や回路の発火等の生ずる虞れをなくすこと
ができるようになる。また、第3発明および第4発明で
は、上記効果に加えて、アシスト力を徐々に違和感なく
低下させながら、すなわちアシスト力を急激に低下させ
ることなく、フェールセーフを図ることができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2におけるマイクロコンピュータの特徴的
な処理動作を示すフローチャートである。
【図2】 本発明の一実施例を示すMDPSの要部を示
す電気回路図である。
【図3】 昇圧回路素子の温度の変化状況および昇圧電
圧Vout の変化状況を例示する図である。
【図4】 図2におけるマイクロコンピュータの特徴的
な処理動作の別の例を示すフローチャートである
【図5】 DCブラシモータに代えてDCブラシレスモ
ータを使用した場合のMDPSの要部を示す電気回路図
である。
【図6】 従来のMDPSの基本構成を示す図である。
【符号の説明】
1…車載バッテリ、4…車速センサ、5…舵角センサ、
7−1’…電動モータ駆動ポンプのモータ、11…マイ
クロコンピュータ、12…昇圧回路、13…ドライブ回
路、Tr1,Tr2…トランジスタ、L1…コイル、1
2−1…発振回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 113:00 137:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速センサの検出する車速および舵角セ
    ンサの検出するハンドル舵角に基づき、車載バッテリか
    らのモータへの供給電流を調整することによって、ハン
    ドル操舵時のアシスト力を制御する車両用パワーステア
    リングシステムにおいて、 前記モータへの電流供給通路の途上に設けられ、前記車
    載バッテリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧V
    out として前記モータに印加する昇圧回路と、 この昇圧回路での使用素子の温度を監視し、この使用素
    子の温度が所定値T1以上となった場合、前記昇圧電圧
    out を下げる昇圧電圧降下手段とを備えたことを特徴
    とする車両用パワーステアリングシステム。
  2. 【請求項2】 車速センサの検出する車速および舵角セ
    ンサの検出するハンドル舵角に基づき、車載バッテリか
    らのモータへの供給電流を調整することによって、ハン
    ドル操舵時のアシスト力を制御する車両用パワーステア
    リングシステムにおいて、 前記モータへの電流供給通路の途上に設けられ、前記車
    載バッテリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧V
    out として前記モータに印加する昇圧回路と、 この昇圧回路での使用素子の温度を監視し、この使用素
    子の温度が所定値T1以上となった場合、その時の使用
    素子の温度に応じて前記昇圧電圧Vout を下げる昇圧電
    圧降下手段とを備えたことを特徴とする車両用パワース
    テアリングシステム。
  3. 【請求項3】 車速センサの検出する車速および舵角セ
    ンサの検出するハンドル舵角に基づき、車載バッテリか
    らのモータへの供給電流を調整することによって、ハン
    ドル操舵時のアシスト力を制御する車両用パワーステア
    リングシステムにおいて、 前記モータへの電流供給通路の途上に設けられ、前記車
    載バッテリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧V
    out として前記モータに印加する昇圧回路と、 この昇圧回路での使用素子の温度を監視し、この使用素
    子の温度が所定値T2以上となった場合、前記昇圧電圧
    out を所定の傾斜で徐々に低下させて行くフェールセ
    ーフ手段とを備えたことを特徴とする車両用パワーステ
    アリングシステム。
  4. 【請求項4】 車速センサの検出する車速および舵角セ
    ンサの検出するハンドル舵角に基づき、車載バッテリか
    らのモータへの供給電流を調整することによって、ハン
    ドル操舵時のアシスト力を制御する車両用パワーステア
    リングシステムにおいて、 前記モータへの電流供給通路の途上に設けられ、前記車
    載バッテリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧V
    out として前記モータに印加する昇圧回路と、 この昇圧回路での使用素子の温度を監視し、この使用素
    子の温度が所定値T1以上となった場合、その時の使用
    素子の温度に応じて前記昇圧電圧Vout を下げる昇圧電
    圧降下手段と、 前記昇圧回路での使用素子の温度を監視し、この使用素
    子の温度が前記所定値T1よりも高い所定値T2以上と
    なった場合、前記昇圧電圧Vout を所定の傾斜で徐々に
    低下させて行くフェールセーフ手段とを備えたことを特
    徴とする車両用パワーステアリングシステム。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6338016B1 (en) 1999-03-08 2002-01-08 Trw Inc. Method and apparatus for detecting a motor stall condition in an electric assist steering system
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JP2010058611A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Toyota Motor Corp 車両の電源装置

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