JP3408642B2 - 車両用パワーステアリングシステム - Google Patents
車両用パワーステアリングシステムInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車速センサの検出す
る車速および舵角センサの検出するハンドル舵角に基づ
き、車載バッテリからのモータへの供給電流を調整する
ことによって、ハンドル操舵時のアシスト力を制御する
車両用パワーステアリングシステムに関するものであ
る。
る車速および舵角センサの検出するハンドル舵角に基づ
き、車載バッテリからのモータへの供給電流を調整する
ことによって、ハンドル操舵時のアシスト力を制御する
車両用パワーステアリングシステムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のパワーステアリング
システムとして、図5にその基本構成を示すようなモー
タドライブ・パワーステアリングシステム(MDPS)
がある。同図において、1は車載バッテリ、2はオルタ
ネータ、3はエンジン、4は車速センサ、5は舵角セン
サ、6はパワーステアリングユニット、7は電動モータ
駆動ポンプ、8は点火スイッチ、9はシグナルコントロ
ーラ、10はパワーコントローラである。
システムとして、図5にその基本構成を示すようなモー
タドライブ・パワーステアリングシステム(MDPS)
がある。同図において、1は車載バッテリ、2はオルタ
ネータ、3はエンジン、4は車速センサ、5は舵角セン
サ、6はパワーステアリングユニット、7は電動モータ
駆動ポンプ、8は点火スイッチ、9はシグナルコントロ
ーラ、10はパワーコントローラである。
【0003】このMDPSでは、車速センサ4の検出す
る車速および舵角センサ5の検出するハンドル舵角が、
シグナルコントローラ9へ与えられる。シグナルコント
ローラ9は、車速センサ4および舵角センサ5からの車
速およびハンドル舵角に基づいて電動モータ駆動信号を
生成し、この生成した電動モータ駆動信号をパワーコン
トローラ10へ与える。パワーコントローラ10は、シ
グナルコントローラ9からの電動モータ駆動信号に応
じ、車載バッテリ1からの電動モータ駆動ポンプ7への
供給電流を調整する。
る車速および舵角センサ5の検出するハンドル舵角が、
シグナルコントローラ9へ与えられる。シグナルコント
ローラ9は、車速センサ4および舵角センサ5からの車
速およびハンドル舵角に基づいて電動モータ駆動信号を
生成し、この生成した電動モータ駆動信号をパワーコン
トローラ10へ与える。パワーコントローラ10は、シ
グナルコントローラ9からの電動モータ駆動信号に応
じ、車載バッテリ1からの電動モータ駆動ポンプ7への
供給電流を調整する。
【0004】これにより、パワーステアリングユニット
6への油圧が制御され、低速走行域の操舵時はアシスト
力を大きくして操舵力を軽く、中高速走行域の操舵時は
逆に小さくして操舵力を重たくするように、ハンドル操
舵時のアシスト力が制御される。
6への油圧が制御され、低速走行域の操舵時はアシスト
力を大きくして操舵力を軽く、中高速走行域の操舵時は
逆に小さくして操舵力を重たくするように、ハンドル操
舵時のアシスト力が制御される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このM
DPSでは、電動モータ駆動ポンプ7へ車載バッテリ1
のバッテリ電圧(DC12V)を直に印加するものとし
ている。すなわち、電動モータ駆動ポンプ7に使用する
モータ7−1として、DC12V仕様のモータを用いて
いる。このため、モータ7−1に大電流を流して大きな
トルクを得るものとしており、モータ7−1の大型化,
使用配線の太線化が避けられず、システム全体としての
コストがアップするという問題があった。
DPSでは、電動モータ駆動ポンプ7へ車載バッテリ1
のバッテリ電圧(DC12V)を直に印加するものとし
ている。すなわち、電動モータ駆動ポンプ7に使用する
モータ7−1として、DC12V仕様のモータを用いて
いる。このため、モータ7−1に大電流を流して大きな
トルクを得るものとしており、モータ7−1の大型化,
使用配線の太線化が避けられず、システム全体としての
コストがアップするという問題があった。
【0006】また、車載バッテリ1のバッテリ電圧は、
負荷の大きさによって変動する。このバッテリ電圧の変
動の影響をモータ7−1が受けてしまい、結果としてハ
ンドル操舵時のアシスト力が変動してしまう。すなわ
ち、バッテリ電圧は12Vと低く、この低いバッテリ電
圧をモータ7−1へ直に印加するものとしているため、
少しの電圧変動でモータ7−1の発生トルクが大きく変
動し、ハンドル操舵時のアシスト力の制御が精度良く行
われないという問題が生じていた。
負荷の大きさによって変動する。このバッテリ電圧の変
動の影響をモータ7−1が受けてしまい、結果としてハ
ンドル操舵時のアシスト力が変動してしまう。すなわ
ち、バッテリ電圧は12Vと低く、この低いバッテリ電
圧をモータ7−1へ直に印加するものとしているため、
少しの電圧変動でモータ7−1の発生トルクが大きく変
動し、ハンドル操舵時のアシスト力の制御が精度良く行
われないという問題が生じていた。
【0007】なお、上述においては、内燃機関を原動機
とした自動車を例にとって説明したが、電気自動車(E
V車)に採用した場合にも同様の問題が生じる。EV車
においては、主の電圧供給源はバッテリだけであり、そ
の電圧変動は大きい。また、上述においては、MDPS
を例にとって説明したが、油圧を介さず直接モータを駆
動することによってアシスト力を制御するFEPS(フ
ルエレクトリック・パワーステアリングシステム)にお
いても、同様の問題が生じる。
とした自動車を例にとって説明したが、電気自動車(E
V車)に採用した場合にも同様の問題が生じる。EV車
においては、主の電圧供給源はバッテリだけであり、そ
の電圧変動は大きい。また、上述においては、MDPS
を例にとって説明したが、油圧を介さず直接モータを駆
動することによってアシスト力を制御するFEPS(フ
ルエレクトリック・パワーステアリングシステム)にお
いても、同様の問題が生じる。
【0008】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、モータの小
型化,使用配線の細線化を図って、システム全体として
のコストを低減することのできる、またバッテリ電圧の
変動の影響を受け難いものとして精度良くアシスト力の
制御を行うことのできる車両用パワーステアリングシス
テムを提供することにある。
なされたもので、その目的とするところは、モータの小
型化,使用配線の細線化を図って、システム全体として
のコストを低減することのできる、またバッテリ電圧の
変動の影響を受け難いものとして精度良くアシスト力の
制御を行うことのできる車両用パワーステアリングシス
テムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、第1発明(請求項1に係る発明)は、上述し
た車両用パワーステアリングシステムにおいて、モータ
への電流供給通路の途上に昇圧回路を設け、車載バッテ
リからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧V out として
モータに印加する一方、昇圧電圧V out を監視し一定値
に保つようにする一方、車載バッテリからのバッテリ電
圧が所定値V1以下となった場合、その時のバッテリ電
圧の低下の割合に応じて昇圧電圧V out を下げるように
したものである。
るために、第1発明(請求項1に係る発明)は、上述し
た車両用パワーステアリングシステムにおいて、モータ
への電流供給通路の途上に昇圧回路を設け、車載バッテ
リからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧V out として
モータに印加する一方、昇圧電圧V out を監視し一定値
に保つようにする一方、車載バッテリからのバッテリ電
圧が所定値V1以下となった場合、その時のバッテリ電
圧の低下の割合に応じて昇圧電圧V out を下げるように
したものである。
【0010】第2発明(請求項2に係る発明)は、上述
した車両用パワーステアリングシステムにおいて、モー
タへの電流供給通路の途上に昇圧回路を設け、車載バッ
テリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧V out とし
てモータに印加する一方、昇圧電圧V out を監視し一定
値に保つようにする一方、車載バッテリからのバッテリ
電圧が所定時間Δt以上継続して所定値V1以下となっ
た場合、昇圧電圧V out を所定の傾斜で徐々に低下させ
て行くようにしたものである。 第3発明(請求項3に係
る発明)は、上述した車両用パワーステアリングシステ
ムにおいて、モータへの電流供給通路の途上に昇圧回路
を設け、車載バッテリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇
圧電圧V out としてモータに印加する一方、昇圧電圧V
out を監視し一定値に保つようにする一方、車載バッテ
リからのバッテリ電圧が所定値V2以下となった場合、
昇圧電圧Vout を所定の傾斜で徐々に低下させて行くよ
うにしたものである。
した車両用パワーステアリングシステムにおいて、モー
タへの電流供給通路の途上に昇圧回路を設け、車載バッ
テリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧V out とし
てモータに印加する一方、昇圧電圧V out を監視し一定
値に保つようにする一方、車載バッテリからのバッテリ
電圧が所定時間Δt以上継続して所定値V1以下となっ
た場合、昇圧電圧V out を所定の傾斜で徐々に低下させ
て行くようにしたものである。 第3発明(請求項3に係
る発明)は、上述した車両用パワーステアリングシステ
ムにおいて、モータへの電流供給通路の途上に昇圧回路
を設け、車載バッテリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇
圧電圧V out としてモータに印加する一方、昇圧電圧V
out を監視し一定値に保つようにする一方、車載バッテ
リからのバッテリ電圧が所定値V2以下となった場合、
昇圧電圧Vout を所定の傾斜で徐々に低下させて行くよ
うにしたものである。
【0011】
【作用】したがってこの発明によれば、バッテリ電圧が
昇圧され昇圧電圧V out としてモータに印加され、モー
タに印加される昇圧電圧V out が監視され、一定値に保
たれる。 この際、第1発明では、バッテリ電圧が所定値
V1以下となると、その時のバッテリ電圧の低下の割合
に応じて昇圧電圧Vout が下げられる。第2発明では、
バッテリ電圧が所定時間Δt以上継続して所定値V1以
下となると、昇圧電圧Vout が所定の傾斜で徐々に低下
して行く。第3発明では、バッテリ電圧が所定値V2以
下となると、昇圧電圧Vout が所定の傾斜で徐々に低下
して行く。
昇圧され昇圧電圧V out としてモータに印加され、モー
タに印加される昇圧電圧V out が監視され、一定値に保
たれる。 この際、第1発明では、バッテリ電圧が所定値
V1以下となると、その時のバッテリ電圧の低下の割合
に応じて昇圧電圧Vout が下げられる。第2発明では、
バッテリ電圧が所定時間Δt以上継続して所定値V1以
下となると、昇圧電圧Vout が所定の傾斜で徐々に低下
して行く。第3発明では、バッテリ電圧が所定値V2以
下となると、昇圧電圧Vout が所定の傾斜で徐々に低下
して行く。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。図2はこの発明の一実施例を示すMDPSの要部を
示す電気回路図である。同図において、4は車速セン
サ、5は舵角センサ、7−1’は電動モータ駆動ポンプ
のモータ、11はマイクロコンピュータ、12は昇圧回
路、13はドライブ回路、Tr1はパワートランジス
タ、D1〜D4はダイオード、R1〜R4は抵抗であ
る。
る。図2はこの発明の一実施例を示すMDPSの要部を
示す電気回路図である。同図において、4は車速セン
サ、5は舵角センサ、7−1’は電動モータ駆動ポンプ
のモータ、11はマイクロコンピュータ、12は昇圧回
路、13はドライブ回路、Tr1はパワートランジス
タ、D1〜D4はダイオード、R1〜R4は抵抗であ
る。
【0013】昇圧回路12は、車載バッテリからのモー
タ7−1’への電流供給通路の途上に設けられており、
すなわち車載バッテリからのバッテリ電圧Vin(DC1
2V)の印加点P1とモータ7−1’への電圧印加点P
2との間に設けられており、コンデンサC1,C2、コ
イルL1、ダイオードD5、スイッチング用のトランジ
スタTr2、発振回路12−1により構成されている。
タ7−1’への電流供給通路の途上に設けられており、
すなわち車載バッテリからのバッテリ電圧Vin(DC1
2V)の印加点P1とモータ7−1’への電圧印加点P
2との間に設けられており、コンデンサC1,C2、コ
イルL1、ダイオードD5、スイッチング用のトランジ
スタTr2、発振回路12−1により構成されている。
【0014】マイクロコンピュータ11は、端子A〜K
を有し、端子Aには抵抗R1とR2とによる分圧電圧V
aが与えられ、端子Eには抵抗R3とR4とによる分圧
電圧Vbが与えられる。マイクロコンピュータ11は、
分圧電圧VaからP1点に印可されるバッテリ電圧Vin
を検出し、分圧電圧VbからP2点に生ずる昇圧電圧V
out を検出する。
を有し、端子Aには抵抗R1とR2とによる分圧電圧V
aが与えられ、端子Eには抵抗R3とR4とによる分圧
電圧Vbが与えられる。マイクロコンピュータ11は、
分圧電圧VaからP1点に印可されるバッテリ電圧Vin
を検出し、分圧電圧VbからP2点に生ずる昇圧電圧V
out を検出する。
【0015】端子Iには舵角センサ5の検出するハンド
ル舵角が与えられ、端子Kには車速センサ4の検出する
車速が与えられる。マイクロコンピュータ11は、車速
センサ4および舵角センサ5からの車速およびハンドル
舵角に基づいて電動モータ駆動信号を生成し、この生成
した電動モータ駆動信号を端子Fよりドライブ回路13
へ出力する。
ル舵角が与えられ、端子Kには車速センサ4の検出する
車速が与えられる。マイクロコンピュータ11は、車速
センサ4および舵角センサ5からの車速およびハンドル
舵角に基づいて電動モータ駆動信号を生成し、この生成
した電動モータ駆動信号を端子Fよりドライブ回路13
へ出力する。
【0016】端子CにはトランジスタTr2の温度に関
する情報が、端子DにはトランジスタTr2に流れる電
流に関する情報が与えられる。端子Gにはトランジスタ
Tr1の温度に関する情報が、端子Hにはトランジスタ
Tr1に流れる電流に関する情報が与えられる。端子J
にはモータ7−1’の回転数に関する情報が与えられ
る。
する情報が、端子DにはトランジスタTr2に流れる電
流に関する情報が与えられる。端子Gにはトランジスタ
Tr1の温度に関する情報が、端子Hにはトランジスタ
Tr1に流れる電流に関する情報が与えられる。端子J
にはモータ7−1’の回転数に関する情報が与えられ
る。
【0017】また、マイクロコンピュータ11は、昇圧
回路12の発振回路12−1に対して、端子Bからデュ
ーティ比指示値を出力する。このデューティ比指示値に
よって、発振回路12−1からトランジスタTr2に出
力されるパルス波のデューティ比が定められる。なお、
本実施例において、発振回路12−1の発振周波数は2
0kHzとされている。
回路12の発振回路12−1に対して、端子Bからデュ
ーティ比指示値を出力する。このデューティ比指示値に
よって、発振回路12−1からトランジスタTr2に出
力されるパルス波のデューティ比が定められる。なお、
本実施例において、発振回路12−1の発振周波数は2
0kHzとされている。
【0018】〔昇圧回路12の基本動作〕昇圧回路12
の基本動作は、発振回路12−1からのパルス波による
トランジスタTr2のスイッチングによって、コイルL
1でエネルギーの蓄積と放出とが繰り返され、ダイオー
ドD5のカソード側に放出の際の高電圧が現れることに
よる。
の基本動作は、発振回路12−1からのパルス波による
トランジスタTr2のスイッチングによって、コイルL
1でエネルギーの蓄積と放出とが繰り返され、ダイオー
ドD5のカソード側に放出の際の高電圧が現れることに
よる。
【0019】すなわち、トランジスタTr2がオンとな
るとコイルL1に電流が流れ、トランジスタTr2がオ
フとなるとコイルL1に流れる電流が遮断される。コイ
ルL1に流れる電流が遮断されると、この電流の遮断に
よる磁束の変化を妨げるように、ダイオードD5のカソ
ード側に高電圧が発生する。この繰り返しによって、ダ
イオードD5のカソード側に高電圧が繰り返し発生し、
コンデンサC2で平滑され、昇圧電圧Vout として点P
2に生じる。
るとコイルL1に電流が流れ、トランジスタTr2がオ
フとなるとコイルL1に流れる電流が遮断される。コイ
ルL1に流れる電流が遮断されると、この電流の遮断に
よる磁束の変化を妨げるように、ダイオードD5のカソ
ード側に高電圧が発生する。この繰り返しによって、ダ
イオードD5のカソード側に高電圧が繰り返し発生し、
コンデンサC2で平滑され、昇圧電圧Vout として点P
2に生じる。
【0020】昇圧回路12によって生成される昇圧電圧
Vout は、マイクロコンピュータ11の端子Bから出力
されるデューティ比指示値に依存し、デューティ比指示
値が大きければ昇圧電圧Vout は高くなり、デューティ
比指示値が小さければ昇圧電圧Vout は低くなる。すな
わち、発振回路12−1からトランジスタTr2に出力
されるパルス波のオンデューティが大きければ昇圧電圧
Vout は高くなり、逆にオンデューティが小さければ昇
圧電圧Vout は低くなる。
Vout は、マイクロコンピュータ11の端子Bから出力
されるデューティ比指示値に依存し、デューティ比指示
値が大きければ昇圧電圧Vout は高くなり、デューティ
比指示値が小さければ昇圧電圧Vout は低くなる。すな
わち、発振回路12−1からトランジスタTr2に出力
されるパルス波のオンデューティが大きければ昇圧電圧
Vout は高くなり、逆にオンデューティが小さければ昇
圧電圧Vout は低くなる。
【0021】本実施例では、昇圧電圧Vout の設定値を
100Vとしており、従ってモータ7−1’としては1
2V仕様のモータではなく、100V仕様のモータ(D
Cブラシモータ)を使用している。すなわち、本実施例
では、モータ7−1’として、小さな電流で大きなトル
クを得ることができる高電圧仕様のモータを使用してい
る。
100Vとしており、従ってモータ7−1’としては1
2V仕様のモータではなく、100V仕様のモータ(D
Cブラシモータ)を使用している。すなわち、本実施例
では、モータ7−1’として、小さな電流で大きなトル
クを得ることができる高電圧仕様のモータを使用してい
る。
【0022】これにより、モータ7−1’の小型化,使
用配線の細線化を図って、システム全体としてのコスト
の低減が図られている。なお、昇圧電圧Vout を100
Vとすることにより、家電で使用されるコストの安い素
子を利用することができる。また、本実施例において、
バッテリ電圧Vinの変動に対して昇圧電圧Vout の変動
は小さく、バッテリ電圧Vinの変動の影響を受け難いも
のとして、精度良くアシスト力の制御を行うことができ
る。
用配線の細線化を図って、システム全体としてのコスト
の低減が図られている。なお、昇圧電圧Vout を100
Vとすることにより、家電で使用されるコストの安い素
子を利用することができる。また、本実施例において、
バッテリ電圧Vinの変動に対して昇圧電圧Vout の変動
は小さく、バッテリ電圧Vinの変動の影響を受け難いも
のとして、精度良くアシスト力の制御を行うことができ
る。
【0023】なお、昇圧回路12は、近年の技術革新に
より、トランジスタTr2としてハイパワーで低損失,
低コストのトランジスタが得られるため、安価に作成で
きる。すなわち、昇圧回路12を用いるものとしても、
そのコストアップ分はモータ7−1’の小型化,使用配
線の細線化などによるコストダウンに吸収され、システ
ム全体としてのコストは低減される。
より、トランジスタTr2としてハイパワーで低損失,
低コストのトランジスタが得られるため、安価に作成で
きる。すなわち、昇圧回路12を用いるものとしても、
そのコストアップ分はモータ7−1’の小型化,使用配
線の細線化などによるコストダウンに吸収され、システ
ム全体としてのコストは低減される。
【0024】また、本実施例では、発振回路12−1の
発振周波数を20kHzとしたが、さらに発振周波数を高
くすれば、コイルL1を小さくすることができる。これ
により、コンパクト化を促進することができ、コストダ
ウンも図ることができる。振回路12−1の発振周波数
は、トランジスタTr2のスイッチング速度との兼ね合
いでその上限が規制され、トランジスタTr2として高
速のものを用いれば発振周波数を高めることができる。
発振周波数を20kHzとしたが、さらに発振周波数を高
くすれば、コイルL1を小さくすることができる。これ
により、コンパクト化を促進することができ、コストダ
ウンも図ることができる。振回路12−1の発振周波数
は、トランジスタTr2のスイッチング速度との兼ね合
いでその上限が規制され、トランジスタTr2として高
速のものを用いれば発振周波数を高めることができる。
【0025】また、本実施例では、昇圧回路12に発振
回路12−1を設けるものとしたが、発振回路12−1
を省略し、マイクロコンピュータ11の端子Bからその
デューティ比を調整したパルス波を出力するものとし、
このパルス波を直接トランジスタTr1へ与えるものと
してもよい。
回路12−1を設けるものとしたが、発振回路12−1
を省略し、マイクロコンピュータ11の端子Bからその
デューティ比を調整したパルス波を出力するものとし、
このパルス波を直接トランジスタTr1へ与えるものと
してもよい。
【0026】〔マイクロコンピュータ11の動作〕次
に、マイクロコンピュータ11の動作について、その機
能を交えながら説明する。マイクロコンピュータ11
は、端子Eに入力される分圧電圧Vbから、モータ7−
1’に印加される昇圧電圧Vout を検出する。そして、
この昇圧電圧Voutが設定値VST(VST=100V)よ
りも小さいか否かを確認し(図1に示すステップ10
1)、昇圧電圧Vout がVSTよりも小さくなければ、昇
圧電圧Vout がVSTよりも大きいことを確認のうえ(ス
テップ102)、昇圧電圧Vout がVSTとなるように、
端子Bからのデューティ比指示値を小さくする(ステッ
プ103)。
に、マイクロコンピュータ11の動作について、その機
能を交えながら説明する。マイクロコンピュータ11
は、端子Eに入力される分圧電圧Vbから、モータ7−
1’に印加される昇圧電圧Vout を検出する。そして、
この昇圧電圧Voutが設定値VST(VST=100V)よ
りも小さいか否かを確認し(図1に示すステップ10
1)、昇圧電圧Vout がVSTよりも小さくなければ、昇
圧電圧Vout がVSTよりも大きいことを確認のうえ(ス
テップ102)、昇圧電圧Vout がVSTとなるように、
端子Bからのデューティ比指示値を小さくする(ステッ
プ103)。
【0027】ステップ101にて、昇圧電圧Vout がV
STよりも小さければ、ステップ104へ進む。ステップ
104では、端子Aに入力される分圧電圧Vaからバッ
テリ電圧Vinを検出し、このバッテリ電圧Vinが所定値
V1(例えば、V1=9.5V)よりも小さいか否かを
確認する。バッテリ電圧VinがV1よりも大きければ、
昇圧電圧Vout が設定値VSTとなるように、端子Bから
のデューティ比指示値を大きくする(ステップ10
5)。
STよりも小さければ、ステップ104へ進む。ステップ
104では、端子Aに入力される分圧電圧Vaからバッ
テリ電圧Vinを検出し、このバッテリ電圧Vinが所定値
V1(例えば、V1=9.5V)よりも小さいか否かを
確認する。バッテリ電圧VinがV1よりも大きければ、
昇圧電圧Vout が設定値VSTとなるように、端子Bから
のデューティ比指示値を大きくする(ステップ10
5)。
【0028】このステップ101〜105の処理動作に
より、モータ7−1’に印加される昇圧電圧Vout が監
視され、この昇圧電圧Vout がVSTに保たれる。これに
より、バッテリ電圧VinがV1以上である場合、昇圧電
圧Vout が常にVSTに保たれるものとなり、バッテリ電
圧Vinの変動に拘らず、すなわちバッテリ電圧の変動の
影響を受け難いものとして、精度良くアシスト力の制御
を行うことができる。
より、モータ7−1’に印加される昇圧電圧Vout が監
視され、この昇圧電圧Vout がVSTに保たれる。これに
より、バッテリ電圧VinがV1以上である場合、昇圧電
圧Vout が常にVSTに保たれるものとなり、バッテリ電
圧Vinの変動に拘らず、すなわちバッテリ電圧の変動の
影響を受け難いものとして、精度良くアシスト力の制御
を行うことができる。
【0029】ステップ104にて、バッテリ電圧Vinが
V1よりも小さければ、ワーニングランプ(図示せず)
を点滅させて(ステップ106)、ステップ107へ進
む。ステップ107では、バッテリ電圧VinがV1より
も小さい状態がΔt時間以上続いたか否かをチェック
し、これのNOに応じてステップ108へ進む。
V1よりも小さければ、ワーニングランプ(図示せず)
を点滅させて(ステップ106)、ステップ107へ進
む。ステップ107では、バッテリ電圧VinがV1より
も小さい状態がΔt時間以上続いたか否かをチェック
し、これのNOに応じてステップ108へ進む。
【0030】ステップ108では、V1よりも低い値と
して定められる所定値V2(例えば、V2=8.5V)
よりバッテリ電圧Vinが小さいか否かをチェックする。
バッテリ電圧VinがV2よりも大きければ、その時のバ
ッテリ電圧Vinの低下の割合に応じて端子Bからのデュ
ーティ比指示値を小さくし、昇圧電圧Vout を下げる
(ステップ109)。これにより、車載バッテリに対し
ての負荷の軽減が図られ、バッテリ電圧Vinの回復に期
待をつなげる。
して定められる所定値V2(例えば、V2=8.5V)
よりバッテリ電圧Vinが小さいか否かをチェックする。
バッテリ電圧VinがV2よりも大きければ、その時のバ
ッテリ電圧Vinの低下の割合に応じて端子Bからのデュ
ーティ比指示値を小さくし、昇圧電圧Vout を下げる
(ステップ109)。これにより、車載バッテリに対し
ての負荷の軽減が図られ、バッテリ電圧Vinの回復に期
待をつなげる。
【0031】ステップ107にて、バッテリ電圧Vinが
V1よりも小さい状態がΔt時間以上続けば、すなわち
バッテリ電圧Vinが所定時間Δt以上継続してV1以下
となれば、バッテリ系の異常として、昇圧電圧Vout を
所定の傾斜で徐々に低下させて行く(ステップ11
0)。この所定の傾斜での昇圧電圧Vout の低下によ
り、昇圧電圧Vout は、最後にはバッテリ電圧Vinとな
る。これにより、アシスト力を徐々に違和感なく低下さ
せながら、すなわちアシスト力を急激に低下させること
なく、フェールセーフを図ることができる。
V1よりも小さい状態がΔt時間以上続けば、すなわち
バッテリ電圧Vinが所定時間Δt以上継続してV1以下
となれば、バッテリ系の異常として、昇圧電圧Vout を
所定の傾斜で徐々に低下させて行く(ステップ11
0)。この所定の傾斜での昇圧電圧Vout の低下によ
り、昇圧電圧Vout は、最後にはバッテリ電圧Vinとな
る。これにより、アシスト力を徐々に違和感なく低下さ
せながら、すなわちアシスト力を急激に低下させること
なく、フェールセーフを図ることができる。
【0032】なお、ステップ110で昇圧電圧Vout を
所定の傾斜で徐々に低下させて行くようにした後、それ
まで点滅状態としていたワーニングランプを連続点灯さ
せる(ステップ111)。また、ステップ108にて、
バッテリ電圧VinがV2よりも小さければ、バッテリ系
の異常として、直ちにステップ110へ進み、昇圧電圧
Vout を所定の傾斜で徐々に低下させて行く。これによ
り、バッテリ電圧VinがV2以下となれば、直ちにフェ
ールセーフが図られる。
所定の傾斜で徐々に低下させて行くようにした後、それ
まで点滅状態としていたワーニングランプを連続点灯さ
せる(ステップ111)。また、ステップ108にて、
バッテリ電圧VinがV2よりも小さければ、バッテリ系
の異常として、直ちにステップ110へ進み、昇圧電圧
Vout を所定の傾斜で徐々に低下させて行く。これによ
り、バッテリ電圧VinがV2以下となれば、直ちにフェ
ールセーフが図られる。
【0033】図3(a)にバッテリ電圧Vinの変化状況
を、図3(b)に昇圧電圧Vout の変化状況を例示す
る。すなわち、時刻t1 でバッテリ電圧Vinが低下し
始め、昇圧電圧Vout が設定値VSTに対して図示破線で
示すように低下し始めると、マイクロコンピュータ11
は、発振回路12−1へのデューティ比指示値を大きく
し、昇圧電圧Voutを設定値VSTに保つ。また、時刻t
1 でバッテリ電圧Vinが上昇し始め、昇圧電圧Vout が
設定値VSTに対して図示破線で示すように上昇し始める
と、マイクロコンピュータ11は、発振回路12−1へ
のデューティ比指示値を小さくし、昇圧電圧Vout を設
定値VSTに保つ。
を、図3(b)に昇圧電圧Vout の変化状況を例示す
る。すなわち、時刻t1 でバッテリ電圧Vinが低下し
始め、昇圧電圧Vout が設定値VSTに対して図示破線で
示すように低下し始めると、マイクロコンピュータ11
は、発振回路12−1へのデューティ比指示値を大きく
し、昇圧電圧Voutを設定値VSTに保つ。また、時刻t
1 でバッテリ電圧Vinが上昇し始め、昇圧電圧Vout が
設定値VSTに対して図示破線で示すように上昇し始める
と、マイクロコンピュータ11は、発振回路12−1へ
のデューティ比指示値を小さくし、昇圧電圧Vout を設
定値VSTに保つ。
【0034】時刻t2 でバッテリ電圧VinがV1以下と
なると、マイクロコンピュータ11は、ワーニングラン
プを点滅させて、その時のバッテリ電圧Vinの低下の割
合に応じてデューティ比指示値を小さくし、昇圧電圧V
out を下げる。これにより、バッテリ電圧Vinが図示破
線で示すように回復すれば、昇圧電圧Vout も図示破線
で示す如く回復する。
なると、マイクロコンピュータ11は、ワーニングラン
プを点滅させて、その時のバッテリ電圧Vinの低下の割
合に応じてデューティ比指示値を小さくし、昇圧電圧V
out を下げる。これにより、バッテリ電圧Vinが図示破
線で示すように回復すれば、昇圧電圧Vout も図示破線
で示す如く回復する。
【0035】しかし、バッテリ電圧VinがV1よりも小
さい状態がΔt時間以上続くと(時刻t3 )、マイクロ
コンピュータ11は、バッテリ系異常と判断して、昇圧
電圧Vout を所定の傾斜で低下させて行くと共に、ワー
ニングランプを連続点灯させる。この所定の傾斜での昇
圧電圧Vout の低下により、昇圧電圧Vout は最後には
バッテリ電圧Vinとなる。
さい状態がΔt時間以上続くと(時刻t3 )、マイクロ
コンピュータ11は、バッテリ系異常と判断して、昇圧
電圧Vout を所定の傾斜で低下させて行くと共に、ワー
ニングランプを連続点灯させる。この所定の傾斜での昇
圧電圧Vout の低下により、昇圧電圧Vout は最後には
バッテリ電圧Vinとなる。
【0036】時刻t4 でバッテリ電圧VinがV1以上に
回復すれば、マイクロコンピュータ11は、バッテリ系
が正常に戻ったと判断して、昇圧電圧Vout を所定の傾
斜で上昇させて行く。なお、バッテリ系が正常に戻った
と判断する際のしきい値として、V1よりも高い所定値
V3を用いるものとしてもよい。この場合、時刻t4’
で、バッテリ系が正常に戻ったと判断され、図示破線で
示すように昇圧電圧Vou t が所定の傾斜で上昇して行
く。
回復すれば、マイクロコンピュータ11は、バッテリ系
が正常に戻ったと判断して、昇圧電圧Vout を所定の傾
斜で上昇させて行く。なお、バッテリ系が正常に戻った
と判断する際のしきい値として、V1よりも高い所定値
V3を用いるものとしてもよい。この場合、時刻t4’
で、バッテリ系が正常に戻ったと判断され、図示破線で
示すように昇圧電圧Vou t が所定の傾斜で上昇して行
く。
【0037】すなわち、バッテリ系の正常・異常の判断
にヒステリシスを設けるものとしてもよく、このような
ヒステリシスを設けることにより、アシスト力の大きな
変化が頻繁に発生することを防止し、操舵の違和感をな
くすと共に、バッテリ電圧Vinの十分な回復を待つこと
ができ、ワーニングランプの点滅の煩わしさも防止する
ことができる。
にヒステリシスを設けるものとしてもよく、このような
ヒステリシスを設けることにより、アシスト力の大きな
変化が頻繁に発生することを防止し、操舵の違和感をな
くすと共に、バッテリ電圧Vinの十分な回復を待つこと
ができ、ワーニングランプの点滅の煩わしさも防止する
ことができる。
【0038】時刻t5 でバッテリ電圧VinがV1以下と
なると、マイクロコンピュータ11は、時刻t2 での場
合と同様にして、ワーニングランプを点滅させて、その
時のバッテリ電圧Vinの低下の割合に応じてデューティ
比指示値を小さくし、昇圧電圧Vout を下げる。そし
て、Δt時間が経過する前の時刻t6 でバッテリ電圧V
inがV2以下となれば、直ちにバッテリ系異常と判断し
て、昇圧電圧Vout を所定の傾斜で低下させて行くと共
に、ワーニングランプを連続点灯させる。この所定の傾
斜での昇圧電圧Vout の低下により、昇圧電圧Vout は
最後にはバッテリ電圧Vinとなる。
なると、マイクロコンピュータ11は、時刻t2 での場
合と同様にして、ワーニングランプを点滅させて、その
時のバッテリ電圧Vinの低下の割合に応じてデューティ
比指示値を小さくし、昇圧電圧Vout を下げる。そし
て、Δt時間が経過する前の時刻t6 でバッテリ電圧V
inがV2以下となれば、直ちにバッテリ系異常と判断し
て、昇圧電圧Vout を所定の傾斜で低下させて行くと共
に、ワーニングランプを連続点灯させる。この所定の傾
斜での昇圧電圧Vout の低下により、昇圧電圧Vout は
最後にはバッテリ電圧Vinとなる。
【0039】なお、本実施例では、時刻t2 (t5 )で
ワーニングランプを点滅させ、時刻t3 (t6 )でワー
ニングランプを連続点灯させるものとしたが、すなわち
段階的にワーニングランプを点灯させるものとしたが、
時刻t2 (t5 )で直ちにワーニングランプを連続点灯
させたりするようにしてもよい。また、本実施例では、
昇圧回路12としてコイルL1を用いた方式としたが、
トランスを使用した昇圧回路としてもよい。すなわち、
昇圧回路は本方式に限定されるものではなく、任意に昇
圧電圧を設定できる昇圧回路であればよい。
ワーニングランプを点滅させ、時刻t3 (t6 )でワー
ニングランプを連続点灯させるものとしたが、すなわち
段階的にワーニングランプを点灯させるものとしたが、
時刻t2 (t5 )で直ちにワーニングランプを連続点灯
させたりするようにしてもよい。また、本実施例では、
昇圧回路12としてコイルL1を用いた方式としたが、
トランスを使用した昇圧回路としてもよい。すなわち、
昇圧回路は本方式に限定されるものではなく、任意に昇
圧電圧を設定できる昇圧回路であればよい。
【0040】また、本実施例では、モータ7−1’とし
てDCブラシモータを用いたが、DCブラシモータに代
えてDCブラシレスモータを用いるようにしてもよい。
DCブラシレスモータを使用した場合のMDPSの要部
の電気回路図を図4に示す。この場合、ブラシレスモー
タドライバ回路13’を設け、パワートランジスタTr
11〜Tr16およびダイオードD6〜D11からなるトラ
ンジスタ回路14を介して、モータ7−1”への供給電
流を調整する。モータ7−1”としてDCブラシレスモ
ータを用いることにより、ブラシ交換(例えば、モータ
連続作動時、1回/2000〜3000km)が不必要
となり、長期安定性が確保され、耐久性がアップする等
の利点が生じる。
てDCブラシモータを用いたが、DCブラシモータに代
えてDCブラシレスモータを用いるようにしてもよい。
DCブラシレスモータを使用した場合のMDPSの要部
の電気回路図を図4に示す。この場合、ブラシレスモー
タドライバ回路13’を設け、パワートランジスタTr
11〜Tr16およびダイオードD6〜D11からなるトラ
ンジスタ回路14を介して、モータ7−1”への供給電
流を調整する。モータ7−1”としてDCブラシレスモ
ータを用いることにより、ブラシ交換(例えば、モータ
連続作動時、1回/2000〜3000km)が不必要
となり、長期安定性が確保され、耐久性がアップする等
の利点が生じる。
【0041】また、本実施例では、MDPSを例にとっ
て説明したが、FEPSにも同様にして適用することが
可能である。また、車両の原動機の種類(内燃機、EV
車・・・etc)、およびバッテリ電圧(12V、24
V・・・etc)の大小に拘らず、全ての車両に同様に
して適用することが可能である。なお、EV車等にMD
PSを用いる場合、車両走行用モータ電源としての高電
圧を降圧して電動モータ駆動ポンプに電圧を印加するこ
とが考えられるが、この際の降圧回路にも同様の技術思
想を適用して、降圧電圧の安定化やフェールセーフを図
ることが可能である。
て説明したが、FEPSにも同様にして適用することが
可能である。また、車両の原動機の種類(内燃機、EV
車・・・etc)、およびバッテリ電圧(12V、24
V・・・etc)の大小に拘らず、全ての車両に同様に
して適用することが可能である。なお、EV車等にMD
PSを用いる場合、車両走行用モータ電源としての高電
圧を降圧して電動モータ駆動ポンプに電圧を印加するこ
とが考えられるが、この際の降圧回路にも同様の技術思
想を適用して、降圧電圧の安定化やフェールセーフを図
ることが可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、バッテリ電圧が昇圧されてモータに印加
され、小さな電流で大きなトルクを得ることができ、高
電圧仕様(例えば、100V仕様)としてモータの小型
化,使用配線の細線化を図って、システム全体としての
コストを低減することができるようになる。また、バッ
テリ電圧の変動に対して昇圧電圧の変動は小さく、バッ
テリ電圧の変動の影響を受け難いものとして、精度良く
アシスト力の制御を行うことができるようになる。ま
た、モータに印加される昇圧電圧Vout が一定値に保た
れ、さらにバッテリ電圧の変動の影響を受け難いものと
することができる。
発明によれば、バッテリ電圧が昇圧されてモータに印加
され、小さな電流で大きなトルクを得ることができ、高
電圧仕様(例えば、100V仕様)としてモータの小型
化,使用配線の細線化を図って、システム全体としての
コストを低減することができるようになる。また、バッ
テリ電圧の変動に対して昇圧電圧の変動は小さく、バッ
テリ電圧の変動の影響を受け難いものとして、精度良く
アシスト力の制御を行うことができるようになる。ま
た、モータに印加される昇圧電圧Vout が一定値に保た
れ、さらにバッテリ電圧の変動の影響を受け難いものと
することができる。
【0043】この際、第1発明では、バッテリ電圧が所
定値V1以下となると、その時のバッテリ電圧の低下の
割合に応じて昇圧電圧Vout が下げられ、車載バッテリ
に対しての負荷の軽減が図られ、バッテリ電圧の回復に
期待をつなげることができる。第2発明では、バッテリ
電圧が所定時間Δt以上継続して所定値V1以下となる
と、昇圧電圧Vout が所定の傾斜で徐々に低下して行
き、アシスト力を徐々に違和感なく低下させながら、す
なわちアシスト力を急激に低下させることなく、フェー
ルセーフを図ることができる。第3発明では、バッテリ
電圧が所定値V2以下となると、昇圧電圧Vout が所定
の傾斜で徐々に低下して行き、バッテリ電圧が所定値V
2以下となれば直ちに、アシスト力を徐々に違和感なく
低下させながら、フェールセーフを図ることができる。
定値V1以下となると、その時のバッテリ電圧の低下の
割合に応じて昇圧電圧Vout が下げられ、車載バッテリ
に対しての負荷の軽減が図られ、バッテリ電圧の回復に
期待をつなげることができる。第2発明では、バッテリ
電圧が所定時間Δt以上継続して所定値V1以下となる
と、昇圧電圧Vout が所定の傾斜で徐々に低下して行
き、アシスト力を徐々に違和感なく低下させながら、す
なわちアシスト力を急激に低下させることなく、フェー
ルセーフを図ることができる。第3発明では、バッテリ
電圧が所定値V2以下となると、昇圧電圧Vout が所定
の傾斜で徐々に低下して行き、バッテリ電圧が所定値V
2以下となれば直ちに、アシスト力を徐々に違和感なく
低下させながら、フェールセーフを図ることができる。
【図1】 図2におけるマイクロコンピュータの特徴的
な処理動作を示すフローチャートである。
な処理動作を示すフローチャートである。
【図2】 本発明の一実施例を示すMDPSの要部を示
す電気回路図である。
す電気回路図である。
【図3】 バッテリ電圧Vinおよび昇圧電圧Vout の変
化状況を例示する図である。
化状況を例示する図である。
【図4】 DCブラシモータに代えてDCブラシレスモ
ータを使用した場合のMDPSの要部を示す電気回路図
である。
ータを使用した場合のMDPSの要部を示す電気回路図
である。
【図5】 従来のMDPSの基本構成を示す図である。
1…車載バッテリ、4…車速センサ、5…舵角センサ、
7−1’…電動モータ駆動ポンプのモータ、11…マイ
クロコンピュータ、12…昇圧回路、13…ドライブ回
路、Tr1,Tr2…トランジスタ、L1…コイル、1
2−1…発振回路。
7−1’…電動モータ駆動ポンプのモータ、11…マイ
クロコンピュータ、12…昇圧回路、13…ドライブ回
路、Tr1,Tr2…トランジスタ、L1…コイル、1
2−1…発振回路。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B62D 6/00 - 6/06
B62D 5/04
H02P 6/02
B60R 16/02 - 16/04
Claims (3)
- 【請求項1】 車速センサの検出する車速および舵角セ
ンサの検出するハンドル舵角に基づき、車載バッテリか
らのモータへの供給電流を調整することによって、ハン
ドル操舵時のアシスト力を制御する車両用パワーステア
リングシステムにおいて、 前記モータへの電流供給通路の途上に設けられ、前記車
載バッテリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧V
out として前記モータに印加する昇圧回路と、 前記昇圧電圧V out を監視しこの昇圧電圧V out を一定
値に保つ昇圧電圧安定化手段と、 前記車載バッテリからのバッテリ電圧を監視し、このバ
ッテリ電圧が所定値V1以下となった場合、その時のバ
ッテリ電圧の低下の割合に応じて前記昇圧電圧V out を
下げる昇圧電圧降下手段と を備えたことを特徴とする車
両用パワーステアリングシステム。 - 【請求項2】 車速センサの検出する車速および舵角セ
ンサの検出するハンドル舵角に基づき、車載バッテリか
らのモータへの供給電流を調整することによって、ハン
ドル操舵時のアシスト力を制御する車両用パワーステア
リングシステムにおいて、 前記モータへの電流供給通路の途上に設けられ、前記車
載バッテリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧V
out として前記モータに印加する昇圧回路と、 前記昇圧電圧Vout を監視しこの昇圧電圧Vout を一定
値に保つ昇圧電圧安定化手段と、前記車載バッテリからのバッテリ電圧を監視し、このバ
ッテリ電圧が所定時間Δt以上継続して所定値V1以下
となった場合、前記昇圧電圧V out を所定の傾斜で徐々
に低下させて行くフェールセーフ手段と を備えたことを
特徴とする車両用パワーステアリングシステム。 - 【請求項3】 車速センサの検出する車速および舵角セ
ンサの検出するハンドル舵角に基づき、車載バッテリか
らのモータへの供給電流を調整することによって、ハン
ドル操舵時のアシスト力を制御する車両用パワーステア
リングシステムにおいて、 前記モータへの電流供給通路の途上に設けられ、前記車
載バッテリからのバッテリ電圧を昇圧し、昇圧電圧V
out として前記モータに印加する昇圧回路と、 前記昇圧電圧Vout を監視しこの昇圧電圧Vout を一定
値に保つ昇圧電圧安定化手段と、 前記車載バッテリからのバッテリ電圧を監視し、このバ
ッテリ電圧が所定値V2以下となった場合、前記昇圧電
圧V out を所定の傾斜で徐々に低下させて行くフェール
セーフ手段とを備えたことを特徴とする車両用パワース
テアリングシステム。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26670594A JP3408642B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 車両用パワーステアリングシステム |
US08/547,133 US5758741A (en) | 1994-10-31 | 1995-10-24 | Vehicle power steering system |
KR1019950038364A KR0161772B1 (ko) | 1994-10-31 | 1995-10-31 | 차량용 파워스티어링장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26670594A JP3408642B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 車両用パワーステアリングシステム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08127355A JPH08127355A (ja) | 1996-05-21 |
JP3408642B2 true JP3408642B2 (ja) | 2003-05-19 |
Family
ID=17434545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26670594A Expired - Fee Related JP3408642B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 車両用パワーステアリングシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3408642B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007186013A (ja) * | 2006-01-11 | 2007-07-26 | Jtekt Corp | 電動パワーステアリング装置 |
WO2010092759A1 (ja) | 2009-02-10 | 2010-08-19 | 株式会社ジェイテクト | モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置 |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3951337B2 (ja) * | 1997-02-25 | 2007-08-01 | 日本精工株式会社 | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
JP3675692B2 (ja) | 2000-03-17 | 2005-07-27 | 光洋精工株式会社 | 電動パワーステアリング装置 |
JP3517833B2 (ja) | 2000-04-05 | 2004-04-12 | 本田技研工業株式会社 | 可変舵角比操舵装置及び電動パワーステアリング装置を有する車両 |
JP4639483B2 (ja) * | 2001-02-02 | 2011-02-23 | 日本精工株式会社 | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
JP4032743B2 (ja) * | 2002-01-07 | 2008-01-16 | 株式会社ジェイテクト | 電動パワーステアリング装置 |
JP2006062616A (ja) * | 2004-08-30 | 2006-03-09 | Toyota Motor Corp | 車両の操舵アシスト装置 |
JP4869771B2 (ja) * | 2006-04-19 | 2012-02-08 | 本田技研工業株式会社 | 電動パワーステアリング装置 |
JP5108584B2 (ja) | 2007-03-27 | 2012-12-26 | 本田技研工業株式会社 | 電動パワーステアリング装置 |
JP5396723B2 (ja) * | 2008-03-06 | 2014-01-22 | 株式会社ジェイテクト | 電動パワーステアリング装置 |
JP5471207B2 (ja) * | 2009-09-08 | 2014-04-16 | 株式会社ジェイテクト | 電動パワーステアリング装置 |
JP6596846B2 (ja) * | 2015-03-06 | 2019-10-30 | 株式会社ジェイテクト | 電動パワーステアリング装置 |
-
1994
- 1994-10-31 JP JP26670594A patent/JP3408642B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007186013A (ja) * | 2006-01-11 | 2007-07-26 | Jtekt Corp | 電動パワーステアリング装置 |
WO2010092759A1 (ja) | 2009-02-10 | 2010-08-19 | 株式会社ジェイテクト | モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置 |
JP2010187441A (ja) * | 2009-02-10 | 2010-08-26 | Jtekt Corp | モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置 |
US8651227B2 (en) | 2009-02-10 | 2014-02-18 | Jtekt Corporation | Motor control device and electric power steering device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08127355A (ja) | 1996-05-21 |
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