JPH08127021A - セメントモルタル原料の計量供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】原料槽内のセメントモルタル原料を一定温度に
維持する。 【構成】原料槽１０内に収容されたセメントモルタル原
料７０の温度が、温度センサー６１によって設定温度よ
りも上昇しているとが測定されると、温度コントローラ
ー６２は、冷却水管５２の開閉弁５４を開放して、原料
槽１０とジャケット２０との間に冷却水を供給する。反
対に、原料槽１０内のセメントモルタル原料７０が設定
温度以下に低下していることが、温度センサー６１によ
って測定されると、温度コントローラー６２は、蒸気管
５３の開閉弁５５を開放して、原料槽とジャケットとの
間に蒸気が供給される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、瓦、床板等のセメント
モルタル成形品を製造する際に、セメントモルタル原料
を計量して供給する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】瓦、床板等のセメントモルタル成形品を
製造する際には、セメントモルタル原料を成形金型に所
定量だけ計量して供給するセメントモルタル原料の計量
供給装置が使用される。この計量供給装置は、例えば、
特開平１−２８５３０９号公報に開示されているよう
に、原料槽内に収容されたセメントモルタル原料が、撹
拌機構によって撹拌されて、所定量だけ計量されて、計
量されたセメントモルタル原料が成形金型に供給される
ようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】原料槽内に収容された
セメントモルタル原料は、通常は、２０〜３０℃程度の
温度が好適である。しかし、夏場には周囲の雰囲気温度
の影響を受けて、４０℃程度にまで上昇するおそれがあ
る。このようにセメントモルタル原料が４０℃程度にも
上昇すると、原料槽内にてセメントモルタル原料が反応
して硬化するおそれがある。これに対して、冬場には、
セメントモルタル原料は、１０℃以下の温度に低下する
おそれがある。１０℃以下の低温に低下したセメントモ
ルタル原料は、粘性が上昇しすぎて、プレス成形後の製
品の外観および物性品質に悪影響を及ぼす。

【０００４】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、周囲の雰囲気温度の影響を受ける
ことなく、セメントモルタル原料を一定の温度に維持す
ることができるセメントモルタル原料の計量供給装置を
提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のセメントモルタ
ル原料の計量供給装置は、原料槽内に収容されたセメン
トモルタル原料が、計量機構によって所定量ずつ計量さ
れて供給されるセメントモルタル原料の計量供給装置で
あって、前記原料槽の周囲を適当な間隔をあけて覆うジ
ャケットと、原料槽とジャケットとの間に冷却媒体およ
び加熱媒体を選択的に供給する媒体供給機構と、原料槽
内のセメントモルタル原料の温度を測定する温度センサ
ーと、この温度センサーの測定結果に基づいて、前記媒
体供給機構を制御する温度コントローラーと、を具備す
ることを特徴とするものであり、そのことにより上記目
的が達成される。

【０００６】

【作用】本発明のセメントモルタル原料の計量供給装置
では、原料槽内に収容されたセメントモルタル原料の温
度が、温度センサーによって測定されて、設定温度より
も上昇していると、温度コントローラーは、原料槽とジ
ャケットとの間に冷却媒体が供給されるように媒体供給
機構を制御する。原料槽とジャケットとの間に供給され
た冷却媒体は、原料槽内のセメントモルタル原料を冷却
し、原料槽内のセメントモルタル原料が設定温度になる
と、冷却媒体の供給が停止される。反対に、原料槽内の
セメントモルタル原料が設定温度以下に低下しているこ
とが、温度センサーによって測定されると、温度コント
ローラーは、原料槽とジャケットとの間に加熱媒体が供
給されるように媒体供給機構を制御する。原料槽とジャ
ケットとの間に供給された加熱媒体は、原料槽内のセメ
ントモルタル原料を加熱し、原料槽内のセメントモルタ
ル原料が設定温度になると、加熱媒体の供給が停止され
る。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

【０００８】図１は、本発明のセメントモルタル原料の
計量供給装置の一例を示す縦断面図、図２はその一部破
断平面図である。この計量供給装置は、セメントモルタ
ル原料７０が投入される原料槽１０と、原料槽１０を全
周にわたって適当な間隔をあけて覆うジャケット２０
と、原料槽１０内に収容されたセメントモルタル原料７
０を撹拌する撹拌機構３０とを有している。

【０００９】原料槽１０は、水平状態になった円形状の
底面１１と、その底面１１の周縁部上に立設された周壁
面１２とを有している。底面１１の外周寄りの側部に
は、原料槽１０内のセメントモルタル原料７０を下方に
供給するための供給口１３が形成されている。原料槽１
０の周壁面１２は、円筒状のジャケット２０によって、
全周にわたって一定の間隔をあけた状態で覆われてい
る。ジャケット２０と原料槽１０との間の上面および底
面は閉塞された状態になっている。

【００１０】撹拌機構３０は、原料槽１０の軸心部に鉛
直状態で設置された撹拌モーター３１を有している。撹
拌モーター３１は、駆動軸３１ａが上側に配置されてお
り、この駆動軸３１ａに３本の撹拌羽根３２が、周方向
に等しい間隔をあけて取り付けられている。各撹拌羽根
３２は、駆動軸３１ａから放射方向に水平にそれぞれ延
出しており、それぞれが外周側において下方に屈曲され
ている。そして、各撹拌羽根３２の先端部には、原料槽
１０の底面に摺接するスクレーパー３３がそれそれ取り
付けられている。各撹拌羽根３２は、撹拌モーター３１
の駆動軸３１ａから放射方向に水平に延出して下方に屈
曲されるまでの長さがそれぞれ異なっており、各撹拌羽
根３２の先端部に取り付けられたスクレーパー３３は、
原料槽１０の底面１１に摺接する位置が、半径方向にず
れた状態になっている。

【００１１】原料槽１０の底面１１に設けられた供給口
１３の下方には、計量機構４０が設けられている。この
計量機構４０は、原料槽１０の供給口１３の下方に、こ
の供給口１３とは連通状態になった角筒状の計量升部４
１を有している。この計量升部４１の底面４１ａは開放
されており、この底面４１ａを開閉するように、水平状
態でスライド可能になった計量開閉蓋４２が、計量升部
４１の下方に配置されている。計量開閉蓋４２の下方に
は、計量升４１とは整合状態で連通し得るように配置さ
れた角筒状の充填升部４３が設けられている。充填升部
４３の底面４３ａは開放されており、この底面４３ａを
開閉するように、水平状態でスライド可能になった供給
開閉蓋４４が、計量升部４３の下方に配置されている。

【００１２】計量升部４１の下方に配置された計量開閉
蓋４２、充填升部４３、および供給開閉蓋４４は、それ
ぞれの側方に配置された駆動シリンダー４５、４６およ
び４７によって、それぞれが水平方向にスライドされる
ようになっている。

【００１３】原料槽１０の周壁面１２を覆うジャケット
２０には、原料槽１０内に収容されたセメントモルタル
原料７０を冷却する冷却媒体と、加熱する加熱媒体とを
原料槽１０とジャケット２０との間に選択的に供給する
媒体供給機構５０が設けられている。この媒体供給機構
５０は、冷却媒体としての冷却水が送給される冷却水管
５２と、加熱触媒としての蒸気が送給される蒸気管５３
とを有しており、冷却水管５２と蒸気管５３とが、ジャ
ケット２０の上部に接続された供給管５１に一括して接
続されている。従って、冷却水管５２によって送給され
る冷却水、および、蒸気管５３によって送給される蒸気
は、ジャケット２０と原料槽１０の周壁面１２との間に
送給される。冷却水管５２および蒸気管５３には、電磁
式の開閉弁５４および５５がそれぞれ設けられている。

【００１４】ジャケット２０には、供給管５１が接続さ
れた部分に対向した側部に、冷却水のオーバーフロー管
５６が上部に、加熱触媒である蒸気の排出管５７が下部
に、それぞれ接続されている。排出管５７には、電磁式
の開閉弁５８が設けられている。

【００１５】原料槽１０の底面１１には、温度センサー
６１が取り付けられている。この温度センサー６１は、
原料槽１０内にて撹拌されるセメントモルタル原料７０
の温度を測定するようになっている。

【００１６】この温度センサー６１の測定結果は、温度
コントローラー６２に与えられている。温度コントロー
ラー６２は、温度センサー６１の測定結果に基づいて、
冷却水供給管５２に設けられた電磁式の開閉弁５４、蒸
気管５３に設けられた電磁式の開閉弁５５、排出管５７
に設けられた電磁式の開閉弁５８を、それぞれ開閉制御
するようになっている。

【００１７】このような構成のセメントモルタル原料の
計量供給装置では、原料槽１０内にセメントモルタル原
料７０が投入されると、撹拌機構３０の撹拌モーター３
１が駆動され、撹拌羽根３２およびスクレーパー３３に
よって原料槽１０内のセメントモルタル原料７０が撹拌
される。

【００１８】このとき、原料槽１０内の原料の温度が、
温度センサー６１によって測定されており、温度センサ
ー６１が、セメントモルタル原料７０の温度が、２０〜
３０℃の設定された温度以上になっていることを検出し
た場合には、温度コントローラー６２は、冷却水管５２
内に設けられた電磁式の開閉弁５４が開放状態とされ
て、冷却水管５２から供給される冷却水が、供給管５１
を通って、原料槽１０の周壁面１２とジャケット２０と
の間に送給される。そして、原料槽１０の周壁面１２と
ジャケット２０との間を通流した冷却水は、原料槽１０
内のセメントモルタル原料７０を冷却して、オーバーフ
ロー管５６から排出される。

【００１９】このようにして、原料槽１０内のセメント
モルタル原料７０が冷却されて、設定温度にまで低下す
ると、冷却水管５２に設けられた開閉弁５４が閉鎖され
て、原料槽１０とジャケット２０との間への冷却水の供
給が停止される。冷却水の供給が停止されると、原料槽
１０とジャケット２０との間には、冷却水が貯留された
状態になるが、そのような冷却水が不要になれば、排出
管５７に設けられた電磁式の開閉弁５８が開放されて、
原料槽１０とジャケット２０との間の冷却水が排出され
る。

【００２０】これに対して、原料槽１０内のセメントモ
ルタル原料７０の温度が、設定温度以下になった場合に
は、蒸気管５３に設けられた電磁式の開閉弁５５が開放
状態にされるとともに、排出管５７に設けられた電磁式
の開閉弁５８も開放状態とされる。これにより、蒸気管
５３から供給される加熱触媒としての蒸気が、供給管５
１を通って、原料槽１０の周壁面１２とジャケット２０
との間に送給されて、原料槽１０の周壁面１２とジャケ
ット２０との間を通流した蒸気は、原料槽１０内のセメ
ントモルタル原料７０を加熱した後に、排出管５７から
排出される。

【００２１】このようにして、原料槽１０内のセメント
モルタル原料７０が加熱されて、設定温度にまで上昇す
ると、蒸気管５３に設けられた開閉弁５５が閉鎖され
て、原料槽１０とジャケット２０との間への蒸気の供給
が停止される。そして、原料槽１０とジャケット２０と
の間の蒸気が排出管５７から排出されると、排出管５７
に設けられた開閉弁５８も閉鎖状態とされる。

【００２２】このようにして、周囲の雰囲気温度等によ
る原料槽１０内のセメントモルタル原料７０の温度変化
が補償されて、所定の温度とされたセメントモルタル原
料７０は、原料槽１０の供給口１３から計量機構４０に
供給されて所定量に計量される。

【００２３】計量機構４０は、計量を開始する際には、
まず、計量開閉蓋４２が駆動シリンダー４５によってス
ライドされて、計量升部４１の底面４１ａを開放した状
態にされる。また、供給開閉蓋４４も駆動シリンダー４
７によってスライドされて、充填升部４３の底面４３ａ
を閉鎖した状態とされる。

【００２４】このような状態で、原料槽１０の供給口１
３からセメントモルタル原料７０が供給されると、セメ
ントモルタル原料７０は、計量升部４１を通って、充填
升部４３内に充填される。そして、充填升部４３および
計量升部４１内にセメントモルタル原料７０が充填され
た状態になると、計量開閉蓋４２が駆動シリンダー４５
によってスライドされて、計量升部４１の底面４１ａを
閉鎖状態とする。このとき、計量開閉蓋４２は、充填升
部４３内に充填されたセメントモルタル原料７０を擦り
きって、充填升部４３内に所定量のセメントモルタル原
料７０を充填する。

【００２５】このようにして、充填升部４３内に所定量
のセメントモルタル原料７０が充填されると、駆動シリ
ンダー４６および４７が同時に駆動されて、充填升部４
３および供給開閉蓋４４が、同時に前方に押し出され
る。これにより、供給開閉蓋４４は、充填升部４３の底
面４３ａを閉鎖した状態で充填升部４３がスライドされ
て、成形用金型の上方にまで移動される。その後、駆動
シリンダー４７だけが駆動されて、供給開閉蓋４４が、
充填升４３の底面４３ａを開放するようにスライドされ
る。これにより、充填升部４３の底面４３ａが開放され
て、充填升部４３内に充填された所定量のセメントモル
タル原料７０が下方の成形金型に供給される。

【００２６】以後、同様の動作が繰り返されることによ
って、所定量のセメントモルタル原料７０が、成形用金
型に供給される。

【００２７】

【発明の効果】本発明のセメントモルタル原料の計量供
給装置は、このように、原料槽内に収容されたセメント
モルタル原料が、常に、一定の温度に制御されるため
に、セメントモルタル原料の粘性を安定させることがで
き、製造されるセメントモルタル成形品の外観および物
性品質が著しく向上する。また、夏場の高温時において
も、原料槽内にてセメントモルタル原料が反応して硬化
することを抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のセメントモルタル原料の計量供給装置
の一例を示す断面図である。

【図２】そのセメントモルタル原料の計量供給装置の平
面概略図である。

【符号の説明】

１０ 原料槽 １１ 底面 １２ 周壁面 １３ 供給口 ２０ ジャケット ３０ 撹拌機構 ３１ 撹拌モーター ３２ 撹拌羽根 ３３ スクレーパー ４０ 計量機構 ４１ 計量升部 ４２ 計量開閉蓋 ４３ 充填升部 ４４ 供給開閉蓋 ５０ 媒体供給機構 ５１ 供給管 ５２ 冷却水管 ５３ 蒸気管 ５４ 開閉弁 ５５ 開閉弁 ５６ オーバーフロー管 ５７ 排出管 ５８ 開閉弁 ６１ 温度センサー ６２ 温度コントローラー ７０ セメントモルタル原料

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原料槽内に収容されたセメントモルタル
   原料が、計量機構によって所定量ずつ計量されて供給さ
   れるセメントモルタル原料の計量供給装置であって、 前記原料槽の周囲を適当な間隔をあけて覆うジャケット
   と、 原料槽とジャケットとの間に冷却媒体および加熱媒体を
   選択的に供給する媒体供給機構と、 原料槽内のセメントモルタル原料の温度を測定する温度
   センサーと、 この温度センサーの測定結果に基づいて、前記媒体供給
   機構を制御する温度コントローラーと、 を具備することを特徴とするセメントモルタル原料の計
   量供給装置。