JPH08126198A - 位相調整器 - Google Patents

位相調整器

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JPH08126198A
JPH08126198A JP6289045A JP28904594A JPH08126198A JP H08126198 A JPH08126198 A JP H08126198A JP 6289045 A JP6289045 A JP 6289045A JP 28904594 A JP28904594 A JP 28904594A JP H08126198 A JPH08126198 A JP H08126198A
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JP
Japan
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series
winding
transformer
phase adjuster
impedance
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JP6289045A
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Tomoyuki Uchiyama
倫行 内山
Tatsu Saito
達 斎藤
Keizo Inagaki
恵造 稲垣
Hiroshi Arita
浩 有田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/30Reactive power compensation

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  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Control Of Electrical Variables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来装置のような位相調整のための調整容量
を増加させることなく、電力系統の事故電流を抑制する
に好適な位相調整器を提供することにある。 【構成】 電力系統の送電側と受電側の電圧の大きさを
一定に保持したまま電圧位相を調整して潮流を制御する
位相調整器において、電力系統に直列に挿入される直列
巻線、直列巻線に電圧を供給するための励磁巻線とから
なる直列変圧器と、電力系統に並列に接続される調整巻
線、直列変圧器の励磁巻線に所定の電圧を供給するタッ
プ巻線、タップ巻線のタップを切り換えるタップ切換手
段とからなる調整変圧器と、直列変圧器の励磁巻線に直
列接続する限流要素を具備する。 【効果】 励磁巻線側のインピーダンスが大きくなり、
位相調整器内部に流れる事故電流を抑制すると同時に、
直列巻線側に換算したインピーダンスも大きくなり、系
統の事故電流を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相調整器に係り、特
に、電圧を一定に保持したままで電力系統の電圧位相を
調整するために電力系統に直列に挿入される直列変圧器
と位相調整のための電圧を供給する調整変圧器からなる
位相調整器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種位相調整器は、電力系統の
事故時に、電力系統の潮流制御を行いながら、事故電流
の抑制を行い、系統の安定な運転を維持する。例えば、
特開昭49−12933号公報には「電力系統の連系装
置」として記載されている。この装置は、事故電流抑制
に必要なだけの過大な漏れインピーダンスを持つ直列変
圧器を主体とし、直列変圧器に通過電流ILが流れる
と、その漏れインピーダンスにより大きな電圧降下VS1
を生じ、このときの直列変圧器の直列巻線両端の対地電
圧VL1,VL2の位相差が大きくなり、融通電力値に制限
が生ずる。これを回避するため、系統の通常時は、図2
に示すように、通過電流ILにより生ずる電圧降下VS1
と逆向きの補償電圧VS2を直列変圧器に加え、このとき
の直列変圧器の直列巻線両端の対地電圧VL1,VL2の位
相差を小さくし、見かけ上のインピーダンスを低減させ
ておく(常時過補償)。一方、事故発生時には、通過電
流ILによる電圧降下VS1と補償電圧VS2の位相差がほ
ぼ90°となり、補償効果が小さくなるため、系統側か
ら見た直列変圧器の漏れインピーダンスが大きくなり、
事故電流を自動的に抑制するというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で説明した
「電力系統の連系装置」では、系統の通常時は、直列変
圧器の過大な漏れインピーダンスを補償する必要があ
る。そのために、位相調整能力を持つ位相調整器として
格別大きな調整容量を有する位相調整器を採用しなけれ
ばならず、直列変圧器、調整変圧器あるいはタップ切換
器の大型化を招くという問題がある。また、タップ切換
器に半導体スイッチを用いた場合には、調整容量の増加
が使用素子数の増加に繋がり、コストが高くなるという
問題も生じる。
【0004】本発明の目的は、上記事情に鑑み、位相調
整のための調整容量を増加させることなく、電力系統の
事故電流を抑制するに好適な位相調整器を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、電力系統の
事故発生時に、位相調整器の直列変圧器の励磁巻線に限
流要素を挿入することによって、また、直列変圧器の直
列巻線の中間タップに調整変圧器を接続すると共に直列
変圧器の漏れインピーダンスを増加させる手段を設ける
ことによって、達成される。
【0006】
【作用】直列変圧器の励磁巻線と直列に限流要素を接続
すると、励磁巻線側のインピーダンスが大きくなり、直
列変圧器の励磁巻線、調整変圧器のタップ巻線及びタッ
プ切換器に流れる事故電流を抑制できる。そして、同時
に、直列変圧器の直列巻線側に換算したインピーダンス
すなわち系統側から見たインピーダンスも大きくなり、
系統に対して直列変圧器が限流要素として作用するた
め、系統の事故電流も抑制できる。また、直列変圧器の
漏れインピーダンスを増加させる手段を設けると、事故
発生時に直列変圧器3の漏れインピーダンスが大きくな
り、系統の事故電流を抑制できると同時に、調整変圧器
には直列変圧器の直列巻線の中間タップから電圧が印加
されるので、事故発生時に直列変圧器3の漏れインピー
ダンスが大きくなることにより、この印加電圧は抑えら
れ、直列変圧器の励磁巻線、調整変圧器のタップ巻線及
びタップ切換器に流れる事故電流を抑制できる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は、本発明の一実施例を示す位相調整器の基本
構成であり、3相のうち1相分のみを示したものであ
る。図1において、1,2は電力系統の送電線、3は電
力系統に直列に接続された直列変圧器、4は電力系統に
並列かつ直列変圧器3の中間タップに接続された調整変
圧器、5は直列変圧器3の励磁巻線32に直列に接続さ
れた限流要素、6はタップ切換器44及び高速スイッチ
52を制御する制御装置、7は電流変成器を示す。直列
変圧器3は、送電線と直列に接続される直列巻線31、
該直列巻線31に電圧を供給する励磁巻線32、該直列
巻線31及び励磁巻線32が巻回配置される鉄心33と
で構成される。調整変圧器4は、電力系統と並列に接続
される調整巻線41、直列変圧器3の励磁巻線32に所
定の電圧を供給するタップ巻線42、該調整巻線41及
びタップ巻線42が巻回配置される鉄心43、タップ巻
線42の電圧が所定の値になるようにタップを切り換え
るタップ切換装置44とで構成される。限流要素5は、
事故電流を抑制するために、直列変圧器3の励磁巻線3
2と直列に接続されるインピーダンス素子51、該イン
ピーダンス素子51の挿入、短絡を行なう高速スイッチ
52とで構成される。ここで、インピーダンス素子51
として抵抗あるいは誘導性素子を用いる。タップ切換装
置44のタップ切り換えスイッチには、機械式スイッ
チ、半導体スイッチ(サイリスタ、光点孤サイリスタ
等)を用いることができる。機械式スイッチを用いる
と、他のスイッチに比べて電流容量を大きくとることが
できる反面、切り換え時に接点でアークが発生するた
め、定期的な保守が必要であり、また、可動部があるた
め、騒音、機械的なトラブルの増大等の問題が生じる。
一方、半導体スイッチを用いると、高速制御が可能にな
るとともに、無接点化が図れるため、保守の頻度を少な
くすることができる。本実施例では、通常時は、限流要
素5の高速スイッチ52を閉じてインピーダンス素子5
1の両端を短絡しておき、系統で事故が発生すると、事
故電流がインピーダンス素子51を流れるように高速ス
イッチ52を開くようにした。そして、事故電流が流れ
なくなれば、速やかに高速スイッチ52を閉じてインピ
ーダンス素子51の両端を短絡するようにした。
【0008】いま、通常に系統1,2に電力が送電され
ていると、制御装置6には電流変成器7から検出電流が
入力され、高速スイッチ52が閉じてインピーダンス素
子51の両端を短絡する。また、制御装置6には点線矢
印で示す位相調整指令が入力され、この位相調整指令に
基づいてタップ切換装置44によりタップ巻線42のタ
ップが切り換えられる。一方、直列変圧器3の直列巻線
31には系統の送電電圧が印加され、送電電流と直列巻
線31のインピーダンスによる電圧降下が生じ、直列巻
線31両端の対地電圧に位相差が発生する。また、調整
変圧器4には系統の送電電圧が変圧されて調整巻線41
に印加され、位相調整指令によりタップ切り換えられた
タップ巻線42に所定の電圧が誘起する。この誘起電圧
によって直列変圧器3の励磁巻線32に高速スイッチ5
2を介して電流が流れ、励磁巻線32に直列巻線31の
降下電圧と逆向に補償電圧が生じ、この補償電圧よって
電圧を一定に保持したままで電力系統の電圧位相を調整
する。一方、系統に事故が発生し、事故電流が流れる
と、電流変成器7から事故電流を検出し、この検出電流
により制御装置6が作動し、高速スイッチ52が開いて
インピーダンス素子51の両端を開放する。これにより
励磁巻線32に直列にインピーダンス素子51が接続さ
れる。この結果、励磁巻線32側換算のインピーダンス
は通常時に比べて大きくなり、励磁巻線32側に流れる
事故電流を抑制する。また、直列巻線31側換算のイン
ピーダンスも大きくなり、直列巻線31側すなわち電力
系統の事故電流を抑制する。すなわち、直列巻線31の
インピーダンスをZs、励磁巻線32のインピーダンス
をZe、直列巻線の巻数nsと励磁巻線の巻数neの比n
s/neをa(通常は1よりも小)、インピーダンス素子
51のインピーダンスをZdとすると、励磁巻線32側
換算のインピーダンスは、通常時はインピーダンス素子
51の両端が短絡されているので、Ze+Zs/a2であ
るが、事故が発生して、インピーダンス素子51が挿入
されると、Ze+Zs/a2+Zdと通常時よりも大きくな
り、励磁巻線32側すなわちタップ巻線42、タップ切
換装置44に流れる事故電流を抑制する。同様に、直列
巻線31側換算のインピーダンスは、常時はZs+a2
eであるが、事故が発生して、インピーダンス素子51
が挿入されると、Zs+a2(Ze+Zd)と通常時よりも
大きくなり、直列巻線31側すなわち電力系統の事故電
流も抑制する。
【0009】このように、本実施例では、系統に事故が
発生すると、励磁巻線と直列に限流要素を接続するの
で、励磁巻線側のインピーダンスが大きくなり、直列変
圧器の励磁巻線、調整変圧器のタップ巻線及びタップ切
換器に流れる事故電流を抑制することができ、また、同
時に、直列巻線側に換算したインピーダンスすなわち系
統側から見たインピダンスも大きくなり、系統に対して
直列変圧器が限流要素として作用するので、系統の事故
電流を抑制することができる。また、本実施例では、直
列変圧器の漏れインピーダンスは特に大きく設定しない
ので、通常時に漏れインピーダンスによる電圧降下を補
償する必要がない。それ故、調整容量としては位相調整
に必要な容量のみでよく、直列変圧器、調整変圧器ある
いはタップ切換器といった構成要素の大型化を防ぐこと
ができる。また、本実施例では、位相調整器の調整容量
を増加する必要がないので、タップ切換器に半導体スイ
ッチを用いる場合には、使用素子数を増加することがな
く、従来のようなコスト高になる傾向を回避できる。な
お、本実施例では、調整変圧器を直列変圧器3の中間タ
ップに接続する例を説明したが、電力系統に直接接続し
てもよい。
【0010】図3は、本発明の位相調整器で用いられる
限流要素5の他の構成例を示す。図3において、511
は事故電流を抑制するための誘導性素子、512は誘導
性素子511と直列に接続され、両端を短絡することの
できる容量性素子である。系統の角周波数をωとしたと
き、誘導性素子511のリアクタンスXLはXL=ωL、
容量性素子512のリアクタンスXCはXC=1/(ω
C)と表される。本構成例では、定数L,CをXL≒XC
となるように設定する。通常時には、高速スイッチ52
は開放して、容量性素子512を挿入した状態にしてお
けば、合成リアクタンスをほぼ零とすることができる。
事故が発生した時には、高速スイッチ52を閉じて容量
性素子512の両端を短絡し、このときの合成リアクタ
ンスはωLとなり、事故電流を抑制することができる。
事故電流が流れなくなったら、速やかに高速スイッチ5
2を開いて容量性素子512を挿入した状態にする。こ
のような構成とすれば、高速スイッチ52を事故発生時
に投入するスイッチとして使用するのみで、事故電流を
しゃ断する必要がなくなり、高速スイッチ52の電流容
量を小さくすることができる。
【0011】図4は、本発明の位相調整器で用いられる
限流要素5のさらに他の構成例を示す。図4において、
53は補助変圧器であり、補助変圧器53は、励磁巻線
32と直列に接続される1次巻線531、両端を短絡、
開放する高速スイッチ52を備えた2次巻線532、1
次及び2次巻線が巻回配置される鉄心533とで構成さ
れる。本構成例では、通常時には、高速スイッチ52を
閉じて2次巻線532の両端を短絡しておき、事故発生
時に、高速スイッチ52を開いて2次巻線532の両端
を開放するようにする。このようにすれば、通常時は直
列変圧器3の励磁巻線32に補助変圧器53の漏れイン
ピーダンスが加算され、事故発生時には補助変圧器53
の1次側の励磁インピーダンスが加算されることにな
る。従って、補助変圧器53の漏れインピーダンスを1
次側の励磁インピーダンスよりも十分小さく設定してお
けば、事故発生時にのみ限流作用を呈することになる。
事故電流が流れなくなったら、速やかに高速スイッチ5
2を閉じて2次巻線532の両端を短絡するようにす
る。
【0012】図5は、本発明の位相調整器で用いられる
限流要素5のさらに他の構成例であり、図4の変形例を
示す。図5において、補助変圧器53の構成は、図4と
同様であるが、ここでは2次巻線532とそれぞれ並列
に容量性素子54、誘導性素子55を接続する。52
1,522はそれぞれ容量性素子54、誘導性素子55
の投入、切離しを行う高速スイッチである。本構成例で
は、通常時は高速スイッチ521を閉じるとともに高速
スイッチ522を開いて容量性素子54の方に電流が流
れるようにしておき、事故発生時には高速スイッチ52
1を開き、高速スイッチ522を閉じて誘導性素子55
の方に電流が流れるようにする。このようにすれば、通
常時には補助変圧器53のインピーダンスを容量性素子
54の容量性リアクタンスで補償するため、励磁巻線3
2側の合成インピーダンスは増加しない。事故発生時に
は励磁巻線32に補助変圧器53のインピーダンスと誘
導性素子55の誘導性リアクタンスの和が加算されるた
め、励磁巻線32側の合成インピーダンスが大きくな
り、限流作用を呈することになる。事故電流が流れなく
なったら、速やかに高速スイッチ521を閉じるととも
に、高速スイッチ522を開いて容量性素子554の方
に電流が流れるようにする。
【0013】次に、本発明の他の実施例である位相調整
器について説明する。図6は、本実施例の直列変圧器3
の巻線配置を示し、事故発生時に直列変圧器3の漏れイ
ンピーダンスを大きくして事故電流を抑制する場合につ
いて説明する。図6において、31は直列巻線、32
1,322は第1、第2の励磁巻線、341,342は
それぞれ第1、第2の励磁巻線321,322の切り換
えを行う高速スイッチ、33は直列変圧器3の鉄心であ
る。また、D1は直列巻線31と第1の励磁巻線321
の間隔、D2は直列変圧器31と第2の励磁巻線321
の間隔を示し、D1<D2の関係にある。また、調整変圧
器4は、直列変圧器3の中間タップに接続する。本実施
例では、通常時には高速スイッチ341を閉じると共に
高速スイッチ342を開いて電流が第1の励磁巻線32
1を流れるようにしておき、事故発生時に高速スイッチ
341を開くと共に高速スイッチ342を閉じて第2の
励磁巻線322に電流が流れるようにする。このように
すると、通常時にはD1であった巻線間隔が事故発生時
にはD2と大きくなるため、両巻線間に蓄えられる磁気
エネルギーが大きくなる。その結果、直列変圧器3の漏
れインピーダンスが増加するので、事故電流を抑制でき
る。また、調整変圧器4には直列変圧器3の直列巻線3
1の中間タップから電圧が印加されるので、事故発生時
に直列変圧器3の漏れインピーダンスが大きくなること
により、この印加電圧は抑えられ、直列変圧器3の励磁
巻線32、調整変圧器4のタップ巻線42及びタップ切
換器44に流れる事故電流を抑制できる。事故電流が流
れなくなったら、再び高速スイッチ341を閉じると共
に高速スイッチ342を開いて第1の励磁巻線321に
電流を流すようにする。
【0014】さらに、本発明の他の実施例である位相調
整器について説明する。図7は、本実施例の直列変圧器
3の巻線構成を示し、事故発生時に直列変圧器3の漏れ
インピーダンスを大きくして事故電流を抑制する場合に
ついて説明する。図7において、31は直列巻線、32
は励磁巻線、33は鉄心、351は両巻線間に配置され
る高透磁率を有する磁性体、352は磁性体351に巻
回される励磁用巻線、353は励磁用巻線352に電力
を供給する電源装置である。また、調整変圧器4は、直
列変圧器3の中間タップに接続する。本実施例では、通
常時は電源装置353から励磁用巻線352に電力を供
給し、磁性体351を磁気飽和するまで励磁して該磁性
体の透磁率を小さく保っておく。事故発生時に磁性体3
51の励磁を止め、該磁性体の透磁率を本来その材料が
有する値に戻す。その結果、直列巻線31と励磁巻線3
2の間の透磁率が大きくなり、両巻線間を通る磁束すな
わち漏れ磁束の量が増えるため、直列変圧器3の漏れイ
ンピーダンスが増加して事故電流を抑制できる。また、
調整変圧器4には直列変圧器3の直列巻線31の中間タ
ップから電圧が印加されるので、事故発生時に直列変圧
器3の漏れインピーダンスが大きくなることにより、こ
の印加電圧は抑えられ、直列変圧器3の励磁巻線32、
調整変圧器4のタップ巻線42及びタップ切換器44に
流れる事故電流を抑制できる。事故電流が流れなくなっ
たら、速やかに電源装置353から励磁用巻線352に
電力を供給し、磁性体351を再び磁気飽和させる。こ
こで、磁性体351としては、例えば積層したケイ素鋼
板を巻回して形成したもの、磁性粉を樹脂でモールドし
たものを使用できる。図8は、図7のA−A’線上の断
面を表した図であり、符号は図7と同様である。磁性体
351には、通常時に直列変圧器3の直列巻線31と励
磁巻線32の間に存在する漏れ磁束により渦電流が発生
する。それ故、磁性体351にはその対策を施す必要が
あり、そのために図8のように磁性体351の複数箇所
にスリットを入れる。
【0015】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、励磁巻線と直列に限流要素を接続するため、励磁巻
線側のインピーダンスが大きくなり、直列変圧器の励磁
巻線、調整変圧器のタップ巻線及びタップ切換器に流れ
る事故電流を抑制することができ、また、直列巻線側に
換算したインピーダンスすなわち系統側から見たインピ
ダンスも大きくなり、系統に対して直列変圧器が限流要
素として作用するため、系統の事故電流を抑制すること
ができる。また、本発明では、直列変圧器の漏れインピ
ーダンスは、特に大きく設定しないので、通常時に漏れ
インピーダンスによる電圧降下を補償する必要がない。
それ故、調整容量としては位相調整に必要な容量のみで
よく、直列変圧器、調整変圧器あるいはタップ切換器な
どの構成要素の大型化を防ぐことができる。さらに、位
相調整器の調整容量を増加する必要がないので、タップ
切換器に半導体スイッチを用いる場合には、使用素子数
を増加することがなく、コスト高を防げる。また、本発
明によれば、直列変圧器の漏れインピーダンスを増加さ
せる手段を設けるため、事故発生時に直列変圧器の漏れ
インピーダンスが大きくなり、系統の事故電流を抑制で
きると同時に、直列変圧器の直列巻線の中間タップに調
整変圧器が接続されるので、事故発生時に直列変圧器3
の漏れインピーダンスが大きくなることにより、調整変
圧器に印加される電圧は抑えられ、直列変圧器の励磁巻
線、調整変圧器のタップ巻線及びタップ切換器に流れる
事故電流を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す位相調整器の基本構成
【図2】従来技術である系統連系装置の動作を説明する
電圧ベクトル図
【図3】本発明の直列共振を利用した限流要素の構成例
【図4】本発明の補助変圧器を用いた限流要素の構成例
【図5】本発明の補助変圧器を用いた限流要素の他の構
成例
【図6】本発明の他の実施例である位相調整器の直列変
圧器の巻線配置を示す図
【図7】本発明の他の実施例である位相調整器の直列変
圧器の巻線構成を示す図
【図8】図7に示す実施例の断面図
【符号の説明】
1,2 電力系統 3 直列変圧器 31 直列巻線 32 励磁巻線 321,322 第1,第2の励磁巻線 33 直列変圧器鉄心 341,342 高速スイッチ 351 磁性体 352 励磁用巻線 353 電源装置 4 調整変圧器 41 調整巻線 42 タップ巻線 43 調整変圧器鉄心 44 タップ切換装置 5 限流要素 51 インピーダンス素子 511 誘導性素子 512 容量性素子 52,521,522 高速スイッチ 53 補助変圧器 531 1次巻線 532 2次巻線 533 補助変圧器鉄心 54 誘導性素子 55 容量性素子 6 制御装置 7 電流変成器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有田 浩 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の送電側と受電側の電圧の大き
    さを一定に保持したまま電圧位相を調整して潮流を制御
    する位相調整器において、前記電力系統に直列に接続さ
    れる直列変圧器と、前記電力系統に並列に接続される調
    整変圧器を有し、前記直列変圧器の励磁巻線と前記調整
    変圧器のタップ巻線の直列回路(位相調整器内部回路)
    に限流要素を介挿し、事故発生時、前記電力系統に流れ
    る事故電流と前記位相調整器内部回路に流れる事故電流
    を同時に抑制することを特徴とする位相調整器。
  2. 【請求項2】 電力系統の送電側と受電側の電圧の大き
    さを一定に保持したまま電圧位相を調整して潮流を制御
    する位相調整器において、前記電力系統に直列に挿入さ
    れる直列巻線、該直列巻線に電圧を供給するための励磁
    巻線とからなる直列変圧器と、前記電力系統に並列に接
    続される調整巻線、前記直列変圧器の励磁巻線に所定の
    電圧を供給するタップ巻線、該タップ巻線のタップを切
    り換えるタップ切換手段とからなる調整変圧器と、前記
    直列変圧器の励磁巻線に直列接続する限流要素を具備す
    ることを特徴とする位相調整器。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、限流
    要素は、その両端を短絡、開放する手段を備えたインピ
    ーダンス素子であることを特徴とする位相調整器。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2において、限流
    要素は、一次巻線を直列変圧器の励磁巻線と直列に接続
    し、その二次巻線を短絡、開放する手段を備えた補助変
    圧器であることを特徴とする位相調整器。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2において、限流
    要素は、一次巻線を直列変圧器の励磁巻線と直列に接続
    し、その二次巻線に第1のスイッチ手段を介して接続さ
    れた誘導性素子と第2のスイッチ手段を介して接続され
    た容量性素子を各々並列に接続した補助変圧器であるこ
    とを特徴とする位相調整器。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかにおい
    て、電力系統の通常時は直列変圧器の励磁巻線側のイン
    ピーダンスを所定の値に保っておき、事故発生時に該イ
    ンピーダンスを増加させて事故電流を抑制し、事故電流
    が流れなくなると、再び該インピーダンスを所定の値に
    減少させることを特徴とする位相調整器。
  7. 【請求項7】 電力系統の送電側と受電側の電圧の大き
    さを一定に保持したまま電圧位相を調整して潮流を制御
    する位相調整器において、前記電力系統に直列に接続さ
    れる直列変圧器と、前記電力系統に並列にかつ前記直列
    変圧器の直列巻線の中間タップに接続される調整変圧器
    を有し、前記直列変圧器の漏れインピーダンスを増加さ
    せる手段を設けると共に、前記直列変圧器の励磁巻線と
    前記調整変圧器のタップ巻線の直列回路(位相調整器内
    部回路)を形成し、事故発生時、前記電力系統に流れる
    事故電流と前記位相調整器内部回路に流れる事故電流を
    同時に抑制することを特徴とする位相調整器。
  8. 【請求項8】 請求項6において、直列変圧器の漏れイ
    ンピーダンスを増加させる手段は、前記直列変圧器の直
    列巻線と励磁巻線の間の距離を変えることを特徴とする
    位相調整器。
  9. 【請求項9】 請求項6において、直列変圧器の漏れイ
    ンピーダンスを増加させる手段は、前記直列変圧器の直
    列巻線と励磁巻線の間に磁性体を設け、該磁性体の透磁
    率を変えることを特徴とする位相調整器。
  10. 【請求項10】 請求項7から請求項9のいずれかにお
    いて、電力系統の通常時は直列変圧器の漏れインピーダ
    ンスを所定の値に保っておき、事故発生時に該漏れイン
    ピーダンスを増加させて事故電流を抑制し、事故電流が
    流れなくなると、再び該漏れインピーダンスを所定の値
    に減少させることを特徴とする位相調整器。
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