JPH08125206A - 薄膜太陽電池 - Google Patents

薄膜太陽電池

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JPH08125206A
JPH08125206A JP6263505A JP26350594A JPH08125206A JP H08125206 A JPH08125206 A JP H08125206A JP 6263505 A JP6263505 A JP 6263505A JP 26350594 A JP26350594 A JP 26350594A JP H08125206 A JPH08125206 A JP H08125206A
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JP
Japan
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film
solar cell
thin
glass
titanium
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JP6263505A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kamiya
武志 神谷
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Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/541CuInSe2 material PV cells

Abstract

(57)【要約】 【目的】熱処理しても導電膜やCuInSe2 合金膜が
剥がれず、高歩留り、低コストで製造できる薄膜太陽電
池を提供する。 【構成】軟質ガラス基板1の上にTiN膜11、Mo膜
2を形成し、その上に分散めっき法でCu−In/Se
分散めっき膜3を形成し、Seを含むガス雰囲気中で熱
処理してCuInSe2 膜4に転換する。CuInSe
2 膜4の上にCdS膜5、反射防止膜6、透明電極膜7
を形成して薄膜太陽電池とする。TiN膜11は、熱膨
張率が軟質ガラスと近く、かつガラスとMoの両方に良
くなじむので、熱処理しても導電膜やCuInSe2
金膜4が剥がれず、高歩留り、低コストで薄膜太陽電池
を製造できる。TiNの代わりにTiCを用いることも
でき、またMo膜2を省くこともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス基板の上に導電
膜を設け、その上にCuInSe2 膜を吸収層として設
けた薄膜太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、優れた光電変換効率を有し、大面
積の薄膜太陽電池を低コストで製造できるものとして周
期律表の1B族−3B族−6B族の元素からなる化合物
半導体が注目されており、特にCuInSe2 は、
(1)吸収係数αが105 /cm程度と高く、2μm程
度の薄膜でも十分に太陽光を吸収できること、(2)禁
止帯幅が1.1eVであり、太陽光の光電変換に適して
いること、(3)光劣化がアモルファス・シリコンと比
べて著しく小さいこと等の特徴を有していることから最
も注目されている。大面積の薄膜太陽電池を低コストで
製造するため、特表平5−506334号(国際公開W
O92/05586号)公報に開示されているように、
分散めっき法を利用した太陽電池の製造方法が提案され
ている。
【0003】図11は従来の薄膜太陽電池の製造方法の
第1の例を説明するための工程順に示した断面図であ
る。
【0004】まず、図11(a)に示すように、ソーダ
ライムガラス等の軟質ガラス基板1の上に蒸着、スパッ
タなどの方法によりMo膜2を形成した基板を用意す
る。Mo膜2の上に分散めっき法でCu−In/Se分
散めっき膜3を形成する。めっきは、例えば下記の割合
で調合しためっき液を用い、電流密度3A/dm2 で行
う。 スルファミン酸第2銅 0.01M スルファミン酸インジウム 0.5 M Se粉末 (180g/l) 2.3 M ここで、Mはモル/リットルを示す。Se粉末は、比重
が4.79で水よりかなり重く、沈殿し易いので、平均
粒度1.0μmの微粉末を用いるが、それでも沈殿する
ので、めっき液を攪拌しながらめっきを行う。Se粉末
は、水との親和性がよくないので、表面活性剤を添加す
ることも行われる。
【0005】次に、図11(b)に示すように、Arガ
スとH2 Seガスを混合したAr+H2 Seガス雰囲気
中またはArガスとSe蒸気を混合したAr+Seガス
雰囲気中で熱処理してCuInSe2 合金膜4に転換す
る。熱処理は、図12に示すように、室温から30℃/
分の速度で200℃〜250℃に上げ、この温度に約3
0〜60分保持し、次に30℃/分の速度で400℃〜
450℃に上げ、この温度に約2〜4時間保持し、次に
室温まで冷却する条件で行われる。200℃〜250℃
の温度は合金化が始まる温度、400℃〜450℃はC
uInSe2 の結晶が成長する温度といわれている。
【0006】次に、図11(c)に示すように、CuI
nSe2 膜4の上にCdS膜5を形成する。この上にZ
nO等の反射防止膜6を形成し、その上にAuまたはI
TO(Indium−Tin−Oxide)等を用いて
透明電極膜7を形成する。CuInSe2 膜は、Cu/
In>1でp型、Cu/In<1でn型になるが、Cu
/In>1にした方が安定した特性が得られるので、p
型にするのが普通である。それ故、CuInSe2 膜4
をp型にし、その上にn型のCdS膜5を堆積してp−
n接合を形成する。このようにしてp−n接合を有する
第1の例の薄膜太陽電池が製造される。
【0007】上記例において、CuInSe2 合金化の
熱処理を行うと、図13に示すように、Mo膜2とガラ
ス基板1との間に剥がれが発生することがある。これ
は、Mo膜2とガラス基板1との間にかなりの熱膨張率
差があるためである。この剥がれを防止するためにガラ
ス基板1とMo膜2との間にCr膜を挟むことが行われ
た。熱膨張率は、 ソーダライムガラス 8.5×10-6/℃ Mo 5.1×10-6/℃ Cr 8.4×10-6/℃ で、Crはソーダライムガラスに近い熱膨張率をもって
おり、ソーダライムガラスとなじみも良く、剥がれを生
ずることは殆どない。CrとMoの熱膨張率はかなりは
なれているが、共に熱膨張率差に起因する応力を吸収す
る柔軟性を有し、かつ金属間結合も強く、剥がれを生ず
ることが殆どないからである。
【0008】図14は従来の薄膜太陽電池の製造方法の
第2の例を説明するための工程順に示した断面図であ
る。
【0009】まず、図14(a)に示すように、ソーダ
ライムガラス等の軟質ガラス基板1の上にCr膜8を形
成し、その上にMo膜2を形成した基板を用意する。C
r膜8を設けるのは上記理由による。めっき法またはス
パッタ法等でMo膜2の上にCu膜9、In膜10を形
成する。Cu膜9とIn膜10とは必ずしも別々に設け
る必要はなく、Cu−In合金めっき膜を設けても良い
し、第1の例のように、Cu−In/Se分散めっき膜
3を設けても良い。
【0010】次に、図14(b)に示すように、第1の
例と同じように、Seを含むガス雰囲気中で熱処理して
CuInSe2 合金膜4を形成する。
【0011】次に、図14(c)に示すように、CuI
nSe2 膜4の上にCdS膜5を形成する。この上に反
射防止膜6を形成し、その上に透明電極膜7を形成す
る。このようにして第2の例の薄膜太陽電池が製造され
る。
【0012】Mo膜またはCuInSe2 膜の剥がれの
原因を明らかにするため、Seを含むガス雰囲気中で熱
処理してCuInSe2 合金膜4を形成するとき、Se
とMoまたはCrとの間にどのような反応があるかを調
べた。
【0013】図15は導電膜の反応性を調べるサンプル
の作成方法を説明するための断面図である。
【0014】図15(a)に示すように、ガラス基板1
の上にCr膜8、Mo膜2、Cu−In/Se分散めっ
き膜3をを形成したサンプルと、容器21aと蓋21b
からなるカーボン・ボックス21とを用意する。容器2
1a内にサンプルと重さ23mgのSe球(固体セレ
ン)22を入れ、蓋21bを被せて密閉する。
【0015】次に、図15(b)に示すように、450
℃で30分熱処理を行った。熱処理したサンプルをカー
ボン・ボックス21から取り出し、X線回折装置(X−
ray Diffractometer)およびエネル
ギー分散型X線分析装置(Energy Disper
sive X−ray Analyser)で分析し
た。
【0016】図16は図15に示すサンプルのX線回折
パターンを示す図である。
【0017】図16において、横軸は回折角度、縦軸は
スペクトル強度(電子の毎秒当たりのカウント数)を示
す。図16にMoSeの回折パターンが見られることか
らMoとSeは反応してMoSe化合物を作っているこ
とが分かる。
【0018】図17は図15に示すサンプルの蛍光X線
スペクトル図であり、図17(a)は正常な状態の場所
の蛍光X線スペクトルを示し、図17(b)はMo膜が
剥がれて浮き上がっている場所の蛍光X線スペクトルを
示す。図17(a),(b)において、横軸はエネルギ
ー(keV)、縦軸はスペクトル強度(電子の毎秒当た
りのカウント数)を示す。
【0019】図17(a)に示すように、正常な状態の
場所ではMo膜2がCr膜8を覆っているのでCrのス
ペクトルは検出されない。これに対して、図17(b)
に示すように、Mo膜が剥がれて浮き上がっている場所
では、Crのスペクトルが検出され、Moスペクトル強
度が非常に小さくなっている。このことは、Mo膜にピ
ンホールがあったか、またはMo膜が極めて薄くなって
いて、SeがCr膜と接触し反応して化合物を作り、そ
の化合物がMo膜を押し上げたのであろうと思われる。
【0020】このことを図面を用いて構造的に考えてみ
る。図18(a)に示すように、ピンホール42がある
Mo膜2の上にCu−In/Se分散めっき膜3が被着
されていたとする。Cu−In/Se分散めっき膜3の
中にはSe粒子41が分散しており、Se粒子41の中
にはピンホール42の所に位置するものが存在している
であろう。この状態で熱処理すると、図13(b)に示
すように、Seが気化してピンホール42の中に入り、
その下のCrと反応して、CrSe化合物43が生成
し、体積膨張してCuInSe2 合金膜4押し上げ、C
uInSe2 合金膜4が剥がれるものと考えられる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、熱膨張
差による剥がれを防ぐためにCrを間に挿入しても、も
しMo膜にピンホールがあると、CuInSe2 膜への
転換の熱処理において、Mo膜やCuInSe2 合金膜
に剥がれが発生することがある。剥がれは、それ程多く
発生するわけではないが、たとえ小量であっても剥がれ
が起こる以上は全製品について検査し、剥がれ不良品を
取り除かねばならないので、検査と選別に多大の工数を
要し、製品歩留り低下もあるので、太陽電池のコストが
高くなるという問題があった。
【0022】本発明の目的は、熱処理しても導電膜やC
uInSe2 合金膜が剥がれない構造を有し、高歩留
り、低コストで製造できる薄膜太陽電池を提供すること
にある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面に導電膜
を有するガラス基板の前記導電膜の上に銅−インジウム
−セレン合金膜を吸収層として有する薄膜太陽電池にお
いて、前記導電膜が少なくともチタンまたはチタン化合
物の膜を有することを特徴とする。
【0024】本発明は、前記導電膜がチタンまたはチタ
ン化合物の膜とモリブデン膜とからなる二重膜であるこ
とを特徴とする。
【0025】本発明は、前記ガラスが軟質ガラスである
場合、前記チタン化合物が窒化チタンまたは炭化チタン
であることを特徴とする。
【0026】本発明は、前記ガラスが硬質ガラスである
場合、前記チタン化合物がホウ化チタンであることを特
徴とする。
【0027】
【作用】チタンまたはチタン化合物には、軟質ガラスま
たは硬質ガラスの熱膨張率に近い熱膨張率を有するもの
が存在し、ガラス基板が軟質ガラスであるか硬質ガラス
であるかによって、それに合うチタンまたはチタン化合
物を選ぶことができる。また、チタンまたはチタン化合
物は、両方のガラスに良くなじみ、かつ電気抵抗も小さ
いので、導電膜として使用するのに適している。チタン
またはチタン化合物を少なくとも有する膜を導電膜とし
て使用すると、熱処理において導電膜或いはその上に形
成されるCuInSe2 合金膜が剥がれことはなく、高
歩留り、低コストで薄膜太陽電池を製造することができ
る。
【0028】チタンまたはチタン化合物は、ガラスとモ
リブデンの両方に良くなじむので、チタンまたはチタン
化合物とモリブデンとからなる二重膜にすると、モリブ
デン膜の剥がれを防止でき、しかも電気伝導度を大きく
できる効果がえられる。
【0029】ガラスが軟質ガラスである場合、熱膨張率
が近いチタン化合物として窒化チタンまたは炭化チタン
が適する。
【0030】ガラスが硬質ガラスである場合、熱膨張率
が近いチタン化合物としてホウ化チタンが適する。
【0031】
【実施例】図1は本発明の薄膜太陽電池の第1の実施例
の製造方法を説明するための工程順に示した断面図であ
る。
【0032】まず、図1(a)に示すように、ソーダラ
イムガラス等の軟質ガラス基板1の上にTiN膜11、
Mo膜2を形成したものを用意する。TiN膜11は、
表1に示すように、ソーダライムガラスの熱膨張率に近
い熱膨張率9.3×10-6/℃を有し、かつ電気抵抗も
小さい。TiN膜11は、軟質ガラス基板1とMo膜2
の両方によくなじみ、Mo膜2が剥がれるのを防止す
る。
【0033】
【表1】
【0034】次に、図1(b)に示すように、Mo膜2
の上に分散めっき法でCu−In/Se分散めっき膜3
を形成する。分散めっき法は、先に説明した従来の第1
の例と同じである。
【0035】次に、図1(c)に示すように、Arガス
とSe蒸気を混合したAr+Seガス雰囲気中で熱処理
してCuInSe2 膜4に転換した。熱処理も、先に説
明した従来の第1の例と同じである。
【0036】次に、図1(d)に示すように、CuIn
Se2 膜4の上にCdS膜5、反射防止膜6、透明電極
膜7を形成する。これも、先に説明した従来の第1の例
と同じである。TiN膜11は、ソーダライムガラスに
近い熱膨張率を有し、かつガラスとMoの両方によくな
じむので、熱処理してもMo膜2やCuInSe2 合金
膜4が剥がれるというような不良発生は起こらず、歩留
りを向上させ、コストを低減することができる。
【0037】次に、TiN膜を使用したときの状態をX
線を用いて調べた。図2に示すように、ガラス基板1の
上にTiN膜11、Mo膜2を形成したサンプルと、容
器21aと蓋21bからなるカーボン・ボックス21と
を用意する。容器21a内にサンプルと重さ5mgのS
e球(固体セレン)22を入れ、蓋21bを被せて密閉
する。そして400℃で20分熱処理を行った。熱処理
したサンプルをエネルギー分散型X線分析装置(Ene
rgy Dispersive X−rayAnaly
ser)で分析した。
【0038】図3は図2に示すサンプルの蛍光X線スペ
クトル図であり、図3(a)はMo膜2が剥がれずに残
っている場所の蛍光X線スペクトルを示し、図3(b)
はMo膜2が剥がれてしまって残っていない場所の蛍光
X線スペクトルを示す。図3(a),(b)において、
横軸はエネルギー(keV)、縦軸はスペクトル強度
(電子の毎秒当たりのカウント数)を示す。
【0039】図3(a)に示すように、Mo膜2が剥が
れなかった場所ではMoとSeが検出され、TiNは検
出されないが、図3(b)に示すように、Mo膜2が剥
がれて残っていない場所ではSeとTiNのTiとガラ
スの成分のNa,Mg,Caが検出されている。このこ
とは、Mo膜2が存在するとTiN膜11はMo膜2に
遮蔽されて表面に出てこないこと、TiN膜11とガラ
スとの密着性が非常に強くMo膜2が剥がれてもTiN
膜11は剥がれずに残っており、TiN膜11が導電膜
として作用し、太陽電池を不良にしないことを示してい
る。図3(b)に示すように、SeとTiNが共存し
て、しかもTiN膜が剥がれなかったことから、Seと
TiNは反応しないものと思われる。
【0040】このように、ガラス基板1とMo膜2との
間にTiN膜11を設けると、熱処理してもMo膜2が
ガラス基板1から剥がれるというような不良発生を防ぐ
ことができる。また、気化したSeがMo膜2のピンホ
ールの中に入ったとしても、TiNはSeと反応しない
ので、従来品のCr−Se化合物のような化合物を生成
することがなく、CuInSe2 合金膜4が剥がれると
いうような不良発生は起こらない。従って、歩留りを向
上させ、コストを低減することができる。
【0041】図4は本発明の薄膜太陽電池の第2の実施
例の断面図である。
【0042】第2の実施例は、第1の実施例におけるM
o膜2を省略し、TiN膜11のみで導電膜を構成した
もので、これ以外は第1の実施例と同じである。表1に
示すように、TiNは電気抵抗も小さく、Seと反応し
ないので、従来品のCr−Se化合物のような化合物を
生成することがなく、CuInSe2 合金膜4が剥がれ
るというような不良発生は起こらない。従って、TiN
のみで導電膜を構成しても導電膜の剥がれ不良発生を防
ぎ、歩留りを向上させ、コストを低減することができ
る。
【0043】図5は本発明の薄膜太陽電池の第3の実施
例の断面図である。
【0044】第3の実施例は、第1の実施例におけるT
iN膜11の代わりにTiC膜12を用いたもので、こ
れ以外は第1の実施例と同じである。表1に示すよう
に、TiCは、熱膨張率が軟質ガラスとMoとの中間に
あるので、軟質ガラスとMoとの間の熱膨張率差に起因
する応力を緩和し、かつガラスとのなじみも良いのでM
o膜の剥がれを防止する。また、電気抵抗も小さく、S
eと反応しないので、Mo膜2にピンホールがあっても
Seとの化合物を生成せず、不良発生を防ぎ、歩留りを
向上させ、コストを低減することができる。
【0045】図6は本発明の薄膜太陽電池の第4の実施
例の断面図である。
【0046】第2の実施例は、第3の実施例におけるM
o膜2を省略し、TiC膜12のみで導電膜を構成した
もので、これ以外は第3の実施例と同じである。表1に
示すように、TiCは電気抵抗も小さく、かつSeと反
応しないので、TiCのみで導電膜を構成しても導電膜
やCuInSe2 合金膜4の剥がれ不良を発生すること
がなく、歩留りを向上させ、コストを低減することがで
きる。
【0047】図7は本発明の薄膜太陽電池の第5の実施
例の断面図である。
【0048】第5の実施例は、第1の実施例におけるT
iN膜11の代わりにTi膜13を用いたもので、これ
以外は第1の実施例と同じである。表1に示すように、
Tiは、熱膨張率がソーダライムガラス等の軟質ガラス
と非常に近く、かつ軟質ガラス基板1とMo膜2の両方
に良くなじむので、Mo膜2が剥がれるのを防止する。
また、電気抵抗も小さく、Seと反応しないので、Mo
膜2にピンホールがあってもSeとの化合物を生成せ
ず、不良発生を防ぎ、歩留りを向上させ、コストを低減
することができる。
【0049】図8は本発明の薄膜太陽電池の第6の実施
例の断面図である。
【0050】第6の実施例は、第5の実施例におけるM
o膜2を省略し、Ti膜13のみで導電膜を構成したも
ので、これ以外は第5の実施例と同じである。表1に示
すように、Tiは電気抵抗も小さく、かつSeと反応し
ないので、Tiのみで導電膜を構成しても導電膜やCu
InSe2 合金膜4の剥がれ不良を発生することがな
く、歩留りを向上させ、コストを低減することができ
る。
【0051】図9は本発明の太陽電池の第7の実施例の
断面図である。
【0052】第7の実施例は、第1の実施例における軟
質ガラス基板1の代わりにバリウムホウ珪酸ガラスの硬
質ガラス基板21を用い、TiN膜11の代わりにTi
2膜14を用いたもので、これ以外は第1の実施例と
同じである。表1に示すように、TiB2 は、熱膨張率
がバリウムホウ珪酸ガラスとほぼ等しく、かつ硬質ガラ
ス基板21とMo膜2の両方に良くなじむので、Mo膜
2が剥がれるのを防止する。また、電気抵抗も小さく、
Seと反応しないので、Mo膜2にピンホールがあって
もSeとの化合物を生成せず、不良発生を防ぎ、歩留り
を向上させ、コストを低減することができる。
【0053】図10は本発明の薄膜太陽電池の第8の実
施例の断面図である。
【0054】第8の実施例は、第7の実施例におけるM
o膜2を省略し、TiB2 膜14のみで導電膜を構成し
たもので、これ以外は第7の実施例と同じである。表1
に示すように、TiB2 は電気抵抗も小さく、かつSe
と反応しないので、TiB2のみで導電膜を構成しても
CuInSe2 合金膜4の剥がれ不良を発生することが
なく、歩留りを向上させ、コストを低減することができ
る。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、ガラ
ス基板の上にチタンまたはチタン化合物膜を単独に、あ
るいはMo膜との二重膜にして設けるようにしたので、
Mo膜あるいはCuInSe2 合金膜の剥がれを防止で
き、歩留りを向上させ、コストを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜太陽電池の第1の実施例の製造方
法を説明するための工程順に示した断面図である。
【図2】導電膜の反応性を調べるサンプルの作成方法を
説明するための断面図である。
【図3】図2に示すサンプルの蛍光X線スペクトル図で
ある。
【図4】本発明の薄膜太陽電池の第2の実施例の断面図
である。
【図5】本発明の薄膜太陽電池の第3の実施例の断面図
である。
【図6】本発明の薄膜太陽電池の第4の実施例の断面図
である。
【図7】本発明の薄膜太陽電池の第5の実施例の断面図
である。
【図8】本発明の薄膜太陽電池の第6の実施例の断面図
である。
【図9】本発明の薄膜太陽電池の第7の実施例の断面図
である。
【図10】本発明の薄膜太陽電池の第8の実施例の断面
図である。
【図11】従来の薄膜太陽電池の製造方法の第1の例を
説明するための工程順に示した断面図である。
【図12】従来の薄膜太陽電池の製造において実施する
熱処理条件を示す温度プロファィル図である。
【図13】図9の第1の例の薄膜太陽電池におけるMo
膜の剥がれを説明する断面図である。
【図14】従来の薄膜太陽電池の製造方法の第2の例を
説明するための工程順に示した断面図である。
【図15】導電膜の反応性を調べるサンプルの作成方法
を説明する断面図である。
【図16】図15に示すサンプルのX線回折パターンを
示す図である。
【図17】図15に示すサンプルの蛍光X線スペクトル
図である。
【図18】図12の第2の例の薄膜太陽電池における不
良発生の機構を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 軟質ガラス基板 2 Mo膜 3 Cu−In/Se分散めっき膜 4 CuInSe2 合金膜 5 CdS膜 6 反射防止膜 7 透明電極膜 8 Cr膜 9 Cu膜 10 In膜 11 TiN膜 12 TiC膜 13 TiB2 膜 14 Ti膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の上に設けられた導電膜の上
    に銅−インジウム−セレン合金膜を吸収層として有する
    薄膜太陽電池において、 前記導電膜が少なくともチタンまたはチタン化合物の膜
    を有することを特徴とする薄膜太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記導電膜がチタンまたはチタン化合物
    の膜とモリブデン膜とからなる二重膜であることを特徴
    とする請求項1記載の薄膜太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記ガラスが軟質ガラスである場合、前
    記チタン化合物が窒化チタンまたは炭化チタンであるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の薄膜太陽
    電池。
  4. 【請求項4】 前記ガラスが硬質ガラスである場合、前
    記チタン化合物がホウ化チタンであることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の薄膜太陽電池。
JP6263505A 1994-10-27 1994-10-27 薄膜太陽電池 Pending JPH08125206A (ja)

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JP6263505A JPH08125206A (ja) 1994-10-27 1994-10-27 薄膜太陽電池

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