JPH08123525A - 非真円形工作物の加工方法 - Google Patents

非真円形工作物の加工方法

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JPH08123525A
JPH08123525A JP26347994A JP26347994A JPH08123525A JP H08123525 A JPH08123525 A JP H08123525A JP 26347994 A JP26347994 A JP 26347994A JP 26347994 A JP26347994 A JP 26347994A JP H08123525 A JPH08123525 A JP H08123525A
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Takanori Yoneda
隆則 米田
Sadatsune Yasumi
貞恒 安味
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロフィールデータを適正にスムージングし
て機械振動の発生を防止して高精度な加工を行うことが
できる非真円形工作物の加工方法を提供する。 【構成】 当初提示された360点プロフィールデータ
には図4(A)のAcc及びJrkに示される不連続成
分21、22・・等が含まれ、これを低次フィルタによ
って平滑化処理することにより図4(B)に示されるよ
うに不連続成分は取り除かれ、次にラグランジェ補間す
ることによって得られた図4(C)に示される3600
点プロフィールデータにはさらに不連続成分23、24
・・・・等が含まれ、これを高次フィルタによって平滑
化処理して図4(D)のデータを得る。図4(D)のA
cc及びJrkに示されるように図4(C)に示される
3600点プロフィールデータに含まれた不連続成分2
3、24・・等はこの高次フィルタによって平滑化処理
して得た図4(D)のデータでは認められない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非真円形工作物の加工方
法に関するものであり、特にプロフィールデータに基づ
いて工具を駆動して加工を行う非真円形工作物の加工方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非真円形工作物例えばカムを加工する場
合、そのプロフィールデータに基づいて工具を駆動して
加工を行う。その加工に当たってはプロフィールデータ
を種々変換等して使用する。その場合にデータ自身がス
ムーズさに欠ける場合には機械振動等の原因となり、高
精度な加工を行うことができず高精度加工の位置指令と
しては問題がある。そこで一般にはプロフィールデータ
をスムージングして用いる必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように非真円形
工作物例えばカムを加工する場合、そのプロフィールデ
ータをスムージングして高精度な加工を行うようにして
いるがそのスムージングを行う際には高次のフィルタを
かけるとデータがなまりすぎて誤差が多くなり、逆に低
次のフィルタでは不連続要素がなくならないという不具
合があった。
【0004】本発明は以上の従来技術における問題に鑑
みてなされたものであって、プロフィールデータを適正
にスムージングして機械振動の発生を防止して高精度な
加工を行うことができる非真円形工作物の加工方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成する本
発明の非真円形工作物の加工方法は非真円形工作物をプ
ロフィールデータに基づいて工具を駆動して加工する非
真円形工作物の加工方法において、プロフィールデータ
を低次フィルタに通し、低次フィルタに通した後のプロ
フィールデータを補間手段で多点プロフィールデータと
し、その多点プロフィールデータを高次フィルタに通し
て得られたプロフィールデータに基づいて工具を駆動す
ることを特徴とする。
【0006】ここに言う非真円形加工物には例えばカム
がある。またプロフィールデータは通常非真円形加工物
例えばカムの中心角に対応する位置の中心からの高さと
して表現され、さらにこれを変換して非真円形加工物例
えばカムを加工する際の工具の移動距離(逃げ量)とし
て表現される。工具は非真円形加工物がカムである場合
には研削砥石が用いられる。前期プロフィールデータ
は、当初、非真円形加工物例えばカムの中心角1゜毎に
対応する位置の中心からの高さとして例えば360点の
少ない点数のデータとして提示される。しかしながらこ
の360点の少ない点数のデータでは実際の非真円形加
工物例えばカムの加工を行うことはできないので、この
360点のデータは補間手段により多点プロフィールデ
ータに変換され、それにより非真円形加工物に対する加
工機の加工位置が設定される。この補間手段としては例
えば公知のスプライン補間やラグランジェ補間、ニュー
トン補間やエルミート補間がある。
【0007】スプライン補間は各2点の間を3次の多項
式で補間するものであって各区間によって異なる3次式
が用いられ、それは元の点において入力データと同じス
ロープを持つものが選ばれる。ラグランジェ補間はn+
1個の点(x0,y0)(x1,y1)(x2,y2
(x3,y3)・・・,(xn,yn)を通るn次多項式を
ラグランジェ補間多項式として作成し、このラグランジ
ェ補間多項式を用いる補間法である。さて本発明ではプ
ロフィールデータを補間手段により多点プロフィールデ
ータに変換する前にプロフィールデータを低次フィルタ
に通すことにより補間式で発生する不連続性の補間誤差
がなくなり、滑らかなプロフィールデータが得られ、補
間手段により得られた多点プロフィールデータが高次フ
ィルタに通される。本発明ではフィルタの次数は提示さ
れたプロフィールデータを時間関数に順次置き換える方
式をとっている。そのようにすることによって本発明に
よれば最初から高次フィルタをかけることによってプロ
フィールデータがなまりすぎて誤差が多くなることを防
止することができると同時に、低次フィルタだけではな
くすることができないプロフィールデータの加速度成分
の不連続要素までなくすることができ、プロフィールデ
ータに基づく加工を高精度にかつ機械振動等の発生を防
止して円滑に行うことができる。
【0008】ここに言うフィルタとは各種雑音の混入し
た信号から雑音を除去して平滑化する処理であり、例え
ばFIRデジタルフィルタがある。このFIRデジタル
フィルタは、そのインパルス応答が有限時間長で表され
るものであり、それがフィルタの係数となる。フィルタ
は必要に応じて低次から高次まで適宜設定することがで
きる。したがって本発明では例えばこのFIRデジタル
フィルタを低次に設定してその低次に設定したFIRデ
ジタルフィルタを使用した補間手段により多点プロフィ
ールデータに変換する前の少ない点数のプロフィールデ
ータが処理される。その後高次に設定されたFIRデジ
タルフィルタによって補間手段により得られた多点プロ
フィールデータが処理される。
【0009】
【実施例】以下に本発明の非真円形工作物の加工方法の
一実施例を説明する。図1は本発明の一実施例の非真円
形工作物の加工方法を適用するカム研削盤の概略構成を
示す。砥石1によって研削される被加工物2は割出しテ
ーブル3上に設けられた主軸台4及び心押台5の両セン
タ6a,6b間で支持されており、被加工物2はドライ
ブピン7(コレットチェック方式でも可)を介して主軸
用モータとしての主軸回転用サーボモータ8で回転駆動
される。主軸回転用サーボモータ8の回転速度はそのモ
ータドライバ9のパルス信号によってプログラムされた
回転速度で回転し、更にその回転速度はパルスジェネレ
ータ10の位置検出パルスによって監視されており、制
御装置すなわちNC装置11から与えられた指令値通り
被加工物2が回転駆動されるようにフィードバック制御
されている。また、砥石1は砥石回転用駆動モータ12
によって回転駆動され、かかる砥石1を取り付けた砥石
台13は工具送り用サーボモータとしての砥石台前後進
用サーボモータ14によって前記被加工物2回転軸線に
直交するX方向に進退動する。砥石台前後進用サーボモ
ータ14の回転速度は、前記主軸回転用サーボモータ8
と同様に、パルスジェネレータ15によってモータドラ
イバ16を介してNC装置11から与えられた指令値通
り被加工物2に対して前後進するようにフィードバック
制御されている。更に、前記割出しテーブル3は、被加
工物2の研削箇所(例えばa,b,c・・・・・)を砥
石1に対向させるため、図面の左右方向(Z方向)に割
出しできるように、ベッド17上に移動可能に設けられ
ており、テーブル割出し用サーボモータ18の回転速度
は、前記主軸回転用サーボモータ8と同様に、パルスジ
ェネレータ19によってモータドライバ20を介してN
C装置11から与えられた指令値通り被加工物2の研削
箇所が砥石1に対向するようにフィードバック制御され
ている。
【0010】以上のカム研削盤の砥石1を取り付けた砥
石台13を工具送り用サーボモータとしての砥石台前後
進用サーボモータ14によって前記被加工物2回転軸線
に直交するX方向に進退動させるにあたって砥石台前後
進用サーボモータ14の回転速度をパルスジェネレータ
15によってモータドライバ16を介してNC装置11
から与えられた指令値通り被加工物2に対して前後進す
るようにフィードバック制御させるためにNC装置11
内でプロフィールデータを図2に示すプロセスで処理し
た。
【0011】図2に示すようにまず 予め提示された例えば360点プロフィールデータ
を低次フィルタにより平滑化処理し、その後 低次フィルタにより平滑化した360点プロフィー
ルデータを補間手段によってラグランジェ補間して36
00点プロフィールデータとする。次いで 補間後の3600点プロフィールデータを高次フィ
ルタにより平滑化処理し、その後 高次フィルタにより平滑化した3600点プロフィ
ールデータをNC装置11に設定した。
【0012】以上のプロセスでのプロフィールデータの
変換状況を図3に示す。図3において1度間隔データと
は360点プロフィールデータであり、点数の粗いデー
タである。また0.1度間隔データとは3600点プロ
フィールデータであり、細かいデータである。図3にお
いて (A):360点プロフィールデータの状況を分析した
もの (B):360点プロフィールデータに低次フィルタを
かけて状況を分析したもの (C):Bのプロフィールデータを3600点プロフィ
ールデータに補間して状況を分析したもの (D):3600点プロフィールデータに高次フィルタ
をかけたものである。
【0013】また図3においてLftはデータそのもの
(当初提示されたカムプロフィールデータ)であって、
例えばカム研削盤のユーザーがカムのプロフィールデー
タとして提示してきたものを、砥石の移動距離(逃げ
量)として変換したものである。また図3においてVe
lはLftを微分したものであって砥石の移動速度を示
す。さらに図3においてAccはVelを微分したもの
であって砥石の移動加速度を示す。また図3においてJ
rkはAccを微分したものであって砥石の躍動を示す
ものである。図3(A)のAcc及びJrkに示される
ように当初提示された360点プロフィールデータには
不連続成分21、22・・・・等が含まれる。
【0014】そこでこの図3(A)の当初提示された3
60点プロフィールデータを低次フィルタによって平滑
化処理して図3(B)のデータを得る。図3(B)のA
cc及びJrkに示されるように当初提示された360
点プロフィールデータに含まれた不連続成分21、22
・・・・等はこの低次フィルタによって平滑化処理して
得られた図3(B)のデータでは取り除かれている。次
に低次フィルタによって平滑化処理して得られた図3
(B)のデータをラグランジェ補間することによって図
3(C)に示される3600点プロフィールデータとす
る。図3(C)のAcc及びJrkに示されるようにこ
のラグランジェ補間後の図3(C)に示される3600
点プロフィールデータにはさらに不連続成分23、24
・・・・等が含まれる。そこでこの図3(C)のラグラ
ンジェ補間後の3600点プロフィールデータを高次フ
ィルタによって平滑化処理して図3(D)のデータを得
る。図3(D)のAcc及びJrkに示されるように図
3(C)に示される3600点プロフィールデータに含
まれた不連続成分23、24・・・・等はこの高次フィ
ルタによって平滑化処理して得られた図3(D)のデー
タでは取り除かれている。
【0015】図4に以上の実施例に対する比較例とし
て、いろいろ次数の違うFIRフィルタで、Lftデー
タをなまらせた結果のデータ構造を示す。図4において (A):何次をもフィルタをかけずに360点カムプロ
フィールデータをラグランジェ補間して3600点プロ
フィールデータとした状況を示す。 (B):3600点プロフィールデータに4次のフィル
タをかけた出力データを示すものである。 (C):3600点プロフィールデータに8次のフィル
タをかけた出力データを示すものである。 (D):3600点プロフィールデータに16次のフィ
ルタをかけた出力データを示すものである。
【0016】図4(A)〜図4(D)に示されるよう
に、図4(A)のAcc、Jrkで認められるヒゲ(不
連続成分)25、26、27、28・・・・は図4
(D)に示す16次のフィルタをかけた出力データでよ
うやく取り除かれており、高い次数のフィルタをかけな
ければヒゲを取り除くことができないことがわかる。さ
らに図5には以上の実施例に対する比較例として、次数
の違うフィルタをかけたときに生じるプロフィール誤差
の違いを示す。図5(A)は360点プロフィールデー
タを2次FIRフィルタにより平滑化した加速度データ
と同じく360点プロフィールデータを4次FIRフィ
ルタにより平滑化した加速度データとを比較して示す。
また図5(B)は3600点プロフィールデータを10
次FIRフィルタにより平滑化した加速度データと同じ
く3600点プロフィールデータを14次FIRフィル
タにより平滑化した加速度データとさらに同じく360
0点プロフィールデータを16次FIRフィルタにより
平滑化した加速度データとを比較して示す。図5(A)
及び図5(B)に示されるようにFIRフィルタの次数
が高い方が誤差が増大する。
【0017】従って以上の図4及び図5に示す比較例か
らFIRフィルタの次数が高くなければ不連続成分を取
り除くことができず、しかしFIRフィルタの次数が高
くなると誤差が増大するという問題が存在することがわ
かる。しかし図3に示した本発明の実施例では360点
の少ない点数のプロフィールデータを低次のFIRフィ
ルタで平滑化し、得られたデータを3600点の多点の
プロフィールデータにして高次のFIRフィルタで平滑
化したので、誤差を最小限にしてかつ不連続成分を取り
除くことができる。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明の非真円形工作物の
加工方法によれば、プロフィールデータを低次フィルタ
に通し、低次フィルタに通した後のプロフィールデータ
を補間手段で多点プロフィールデータとし、その多点プ
ロフィールデータを高次フィルタに通して得られたプロ
フィールデータに基づいて工具を駆動するようにしたの
で、プロフィールデータの加速度成分や躍動成分での不
連続要素も消すことができて振動要素が生ずることがな
く、このデータを使用した指令で非真円形工作物の加工
に当たって工具を位置決めすることにより、不連続要素
に起因する機械振動が発生することを防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される工具としてのカム研削盤
の概略構成を示す図である。
【図2】 本発明の非真円形工作物の加工方法の一実施
例のプロセスを示す説明図である。
【図3】 図2に示す実施例のプロセスでのプロフィー
ルデータの変換状況を示す説明図である。
【図4】 次数の違うFIRフィルタでLftデータを
なまらせた結果のデータ構造を示す説明図である。
【図5】 次数の違うフィルタをかけたときに生じるプ
ロフィール誤差の違いを示す説明図である。
【符号の説明】
2・・・被加工物(カム)、1・・・工具(砥石)、8
・・・主軸用モータ、14・・・工具送り用サーボモー
タ、13・・・砥石台、11・・・制御装置(NC装
置)、21,22,23,24・・・不連続成分(ヒ
ゲ)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非真円形工作物をプロフィールデータに
    基づいて工具を駆動して加工する非真円形工作物の加工
    方法において、プロフィールデータを低次フィルタに通
    し、低次フィルタに通した後のプロフィールデータを補
    間手段で多点プロフィールデータとし、その多点プロフ
    ィールデータを高次フィルタに通して得られたプロフィ
    ールデータに基づいて工具を駆動することを特徴とする
    非真円形工作物の加工方法。
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