JPH081231Y2 - 紙片用搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動販売機とか券売機、或は、自動料金精
算機等（以下各種機器と云う）の技術分野で利用される
ものであって、具体的には、上記の各種機器に投入され
た紙幣とか、各種機器が発行するレシートや券類等（以
下単位紙片と云う）を、機器の取出口や金庫等へ搬送す
る紙片用搬送装置の改良に関する。

〔従来の技術〕

従来の紙片用搬送装置には、例えば複数本の搬送ベル
トの間に紙片を挾み込んで搬送するベルト式と、搬送ベ
ルトとテンションローラの間に紙片を挾み込んで搬送す
るベルトローラ式と、テンションローラ又はゴムローラ
同士の間に紙片を挾み込んで搬送するローラ式が存在す
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上述した各種搬送装置の場合は、複数の搬送
ベルト（エンドレスベルト）とかプーリ、或は、回転
軸、搬送用ローラ、ベルト又はローラ用のテンション調
整機構と云った数多くの部品が必要であり、且つ、組立
も面倒なため、コスト高になる問題があった。また、紙
片の挾み込み間隔、即ち、各ベルト同士とかベルトとロ
ーラ同士、或は、ローダ同士の間隔が非常に狭いため、
挾み込みに失敗して搬送に支障を来す問題もあった。

従って本考案の技術的課題は、部品点数を大幅に削減
してコストの低減化を可能と成し、且つ、簡単な構成で
ありながら紙片の搬送を的確に行うことができると共
に、紙片の挾み込みを如何なる方向からも容易に行える
ように工夫した紙片用搬送装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の技術的課題を解決するために本考案に於いて講
じた手段は以下の如くである。

紙片用搬送ベルトの下側両側に、搬送ベルトに対して
下方に段差を持たせてカバー板を並設し、これ等各カバ
ー板の内側には、屈曲自在に構成したフイルム板とアン
ダーガイド板を、上下に間隔をあけた状態で上記の搬送
ベルトの長手方向に沿わせて並設すると共に、これ等並
設したフイルム板とアンダーガイド板の各上下間隔を、
搬送ベルト上に載置されて搬送される紙片の左右両側縁
を挟み込んでガイドするガイド通路とすること。

〔作用〕

上記の手段は以下の如く作用する。

上記の手段によれば、搬送ベルトに載置した紙片の両
側を、夫々下側に屈曲するようにして、１段下の両側に
設けたカバー板の内側に沿設されているフイルム板とア
ンダーガイド板の間のガイド通路に差込んでガイドする
から、搬送ベルトの上に押え用のローラやベルト等を設
けなくても、紙片と搬送ベルト間の摩擦力を増加させ
て、紙片の搬送を確りとグリップした状態で円滑に進め
ることを可能にする。

更に上記の手段によれば、フイルム板の弾性を利用し
てその先端部を各方向に屈曲することにより、差込口を
任意の方向に開口させて水平方向はもとより、下方又は
上方からも紙片の挿入を可能にする。

以上の如くであるから、上記の手段によって上述した技
術的課題を解決して、前記従来の技術の問題点を解消す
ることができる。

〔実施例〕

以下に、上述した本考案に係る紙片用搬送装置の好適
な実施例を添付した図面と共に詳細に説明する。

図中、１は主フレーム体であって、1aと1bはこの主フ
レーム体１の両側に平行に連設した左右の側板を示す。
また２はこれ等両側板1a,1bの先端部間に回転自在に架
設した駆動回転軸、４はこの駆動回転軸２に取付けた伝
動歯車を示し、モータの駆動歯車（図示せず）がこの伝
動歯車４に噛合して駆動回転軸２を図面上反時計回転方
向に回転する仕組に成っている。

３は両端部を上記側板1a,1bの根端部に横長に穿設し
たスライド長孔1c,1d内に遊嵌したスライド軸であっ
て、このスライド軸３は両側に取付けた引張スプリング
5,6によって図面上右方向、即ち、駆動回転軸２から離
れる方向にテンションが加えられ、両軸2,3に取付けた
プーリ7,8の間に掛渡されているエンドレスの搬送ベル
ト９を常時伸張している。

1Xと1Yは上記側板1a,1bに連設した上面カバー板であ
って、これ等両カバー板1X,1Yは、上記搬送ベルト９の
下部両側に、搬送ベルト９に対して下方に段差を持たせ
て並設されており、図示の如く、搬送ベルト９の面に載
置した紙片Ｐの左右両側Pa,Paを、下側に屈曲した状態
で底面側に保持させてガイドする仕組に成っている。

更に第１図と第２図に於いて、1Xaと1Yaは上記両カバ
ー板1X,1Yの底面長手方向に沿設したフイルム板であっ
て、1Xbと1Ybはこのフイルム板1Xa,1Yaの底面に沿わせ
て上下に間隔をあけて並設したアンダーガイド板を示
し、これ等両板の上下間隔が上記紙片Ｐの両側Pa,Paを
下方に屈曲した状態にグリップしてガイドするガイド通
路Z,Zに成っている。

更に第１図に於いて、Zaは上記のフイルム板1Xa,1Ya
と、アンダーガイド板1Xb,1Ybの各先端部1Xmと1Xn,1Ym
と1Ynを夫々上下に屈曲することによって開口形成した
紙片Ｐ用の差込口を示す。

尚、上記のフイルム板1Xaと1Yaは屈曲自在であるか
ら、その弾性を利用して先端部1Xm,1Ymを上下任意の方
向に屈曲することによって、紙片Ｐを水平方向は元よ
り、上下任意の方向からも差込むことを可能にしてい
る。

本考案に係る紙片用搬送装置は以上述べた如き構成で
あるから、駆動回転軸２によって搬送作動されている搬
送ベルト９に対して、図示の如く紙片Ｐをその中央部を
搬送ベルト９の上面に載置し、左右両側Pa,Paを下方に
屈曲させてカバー板1X,1Yの底面内側に差込み、且つ、
この底面内側に形成したガイド通路Z,Z内に挿入する様
に差込口Zaから差込めば、搬送ベルト９の摩擦力によっ
て紙片Ｐを第１図に於いて左方向（矢印方向）に搬送す
ることができる。

尚、図示した実施例では搬送装置を水平にセットし
て、紙片Ｐを水平方向に搬送している状態が示されてい
るが、搬送装置の全体を縦型又は傾斜状にセットして、
紙片Ｐを上下垂直方向或は上下斜め方向に搬送すること
も可能である。

〔効果〕

本考案に係る紙片用搬送装置は以上述べた如くであっ
て、紙片を搬送ベルトの回転に従って搬送できるのであ
るが、本考案では特に、搬送装置を１本のベルトと左右
のガイド板、更には、フイルム板とアンダーガイド板と
によって構成したため、前記従来の各種搬送装置に比較
して部品点数を大幅に削減して、低コストで製造可能な
経済的利点を発揮することができる。

また、紙片は左右両側をガイド板の底面に沿設したフ
イルム板とアンダーガイド板の上下間隔、即ち、ガイド
通路内に挿入してガイドさせることによって、搬送ベル
トとの間の摩擦力を増加させ、搬送の際に必要なグリッ
プ力を確保できるから、押圧ローラとかベルト等を用い
なくても紙片の搬送を的確に行うことができる。

更に、搬送ベルトの先端部側には、左右のフイルム板
とアンダーガイド板を上下方向に屈曲させて差込口を開
口することができるため、紙片の差込みを簡単に、且
つ、的確に行って、搬送の正確性をより高める効果を発
揮できるものであって、紙幣とか各種カード類、或は、
レシート等の搬送に用いて洵に実用性の高いものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る紙片用搬送装置の全体構成を説明
した斜視図であって、第２図はその搬送部の構造を示し
た正断面図である。 １は主フレーム体、1Xと1Yはカバー板、1Xaと1Yaはフイ
ルム板、1Xbと1Ybはアンダーガイド板、Ｚはガイド通
路、1Xmと1Ymはフイルム板の先端部、1Xnと1Ynはアンダ
ーガイド板の先端部、Zaは差込口、２は駆動回転軸、３
はスライド軸、９は搬送ベルト、Ｐは紙片、Paは紙片の
側部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】紙片用搬送ベルト（９）の下側両側に、搬
   送ベルト（９）に対して下方に段差を持たせてカバー板
   （1X,1Y）を並設し、これ等各カバー板（1X,1Y）の内側
   には、屈曲自在に構成したフイルム板（1Xa,1Ya）とア
   ンダーガイド板（1Xb,1Yb）を、上下に間隔をあけた状
   態で上記の搬送ベルト（９）の長手方向に沿わせて並設
   すると共に、これ等並設したフイルム板（1Xa,1Ya）と
   アンダーガイド板（1Xb,1Yb）の各上下間隔を、搬送ベ
   ルト（９）上に載置されて搬送される紙片（Ｐ）の左右
   両側縁（Pa,Pa）を挟み込んでガイドするガイド通路
   （Z,Z）としたことを特徴とする紙片用搬送装置。