JPH0812302A - 改質反応器 - Google Patents

改質反応器

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JPH0812302A
JPH0812302A JP17202494A JP17202494A JPH0812302A JP H0812302 A JPH0812302 A JP H0812302A JP 17202494 A JP17202494 A JP 17202494A JP 17202494 A JP17202494 A JP 17202494A JP H0812302 A JPH0812302 A JP H0812302A
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carrier
reforming
temperature
gas
gas flow
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Masayoshi Taki
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸熱反応や放熱による低温部を迅速に解消し
て改質率を向上させること。 【構成】 原料ガスを、複数のガス流路11が形成され
た担体10に担持させた触媒物質に接触させて吸熱作用
を伴う改質反応により可燃性ガスを含有する燃料ガスに
改質する改質反応器であって、担体10がPTCセラミ
ックスによって形成されるとともに、この担体10に電
圧を印加する電極12,13が、前記ガス流路11が開
口している両端部に設けられている。放熱により温度の
低下する周辺部分での電流が多くなって積極的に加熱さ
れ、その温度低下が是正され、全体としての温度が均一
化される。その結果、改質反応が全体で良好に進行し、
改質率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、触媒を用いて原料ガ
スを所望のガスに改質する改質反応器に関し、例えば炭
化水素もしくはメチルアルコールを原料として水素含有
ガスを得るような吸熱作用を伴う改質反応の場合に、熱
エネルギーを供給して前記改質反応を促進させる改質反
応器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】騒音や排気ガスなどの点での低公害化を
図る車両として電気自動車の開発が進められている。そ
のエネルギー源として蓄電池を用いる形式と、燃料電池
を用いる形式とが試みられているが、燃料電池を用いる
場合、熱量が大きくかつ燃焼によって生じる排気ガスが
クリーンな水素ガスを燃料とすることが望ましいが、水
素ガスをたとえボンベに詰めてもそのまま車両に搭載す
ることは困難であるから、最近では、炭化水素やメタノ
ール等を原料としてこれを改質し、水素ガスを得ること
が考えられている。
【0003】メタノールを原料として水素ガスを得る水
蒸気改質反応は、200〜300℃においてCu −Zn
系やCu −Cr 系等の触媒部分にメタノールと水との混
合ガスを通して、水素と二酸化炭素を得る反応であり、
これは下記の式で表されるように進行する。
【0004】CH3 OH=2H2 +CO−90 kJ/mol CO+H2 O=H2 +CO2 +40 kJ/mol したがって、 CH3 OH+H2 O=3H2 +CO2 −50 kJ/mol これは吸熱反応であるから、触媒温度を所定の温度範囲
に維持するために加熱する必要があるが、改質反応の進
行度合いは触媒の全体に亘って必ずしも均一ではないか
ら、低温部分での改質率(供給したメタノールの量に対
する反応したメタノールの量の割合)が低下し、その結
果、微量の未反応のメタノールや一酸化炭素が水素ガス
と共に排出されることがある。水素ガスに含まれるこれ
らのメタノールや一酸化炭素は、燃料電池に悪影響を及
ぼすので、可及的に零にすることが望まれ、そのために
は触媒の全体の温度を改質反応に適した温度範囲に維持
し、改質率を100%に近付けることが有効である。
【0005】一般に、上述した吸熱を伴う改質反応は、
触媒のうち原料ガスの供給側で多く進行し、未反応の原
料ガスが触媒中を流れるうちに次第に進行するので、触
媒のうちいわゆる入口側の温度が低下しやすく、また外
部への放熱の多い箇所の温度が低下しやすい。このよう
な温度の部分的な低下を抑制して改質率を高くする技術
として、従来、特開昭63−248702号公報に記載
された発明が知られている。
【0006】これを図7および図8を参照して簡単に説
明すると、改質反応器1は内筒と外筒とからなる有底中
空円筒状に形成され、その内筒と外筒との間に触媒2が
充填されるとともヒートパイプ3が軸線方向に沿って配
置されている。そして触媒2を充填してある箇所の下部
から原料ガスを供給し、触媒2に接触しつつ上方に流れ
る間に改質反応を進行させて、改質されたガスを上端部
から排出するように構成されている。なお、加熱は内筒
の内周側から行うようになっている。したがって上記の
公報に記載された発明では、触媒温度にバラツキが生じ
ると、ヒートパイプ3の均温特性により高温部分から低
温部分に熱が輸送されるから、触媒の温度を全体として
均一に維持し、触媒温度の部分的な低下を防止して改質
率の低下や未反応メタノールあるいは一酸化炭素の発生
を防止することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の装置
は、触媒における軸線方向での温度のバラツキをヒート
パイプによって是正するものであるが、加熱するための
入熱量を温度の低下した部分ごとに制御する機能はない
から、例えば円周方向での温度のバラツキすなわち部分
的な低温状態を是正することができず、改質率を向上さ
せるにも限度があった。このような不都合を解消するた
めに円周方向においてもヒートパイプによって均温化す
るとすれば、更に多数のヒートパイプが必要になって装
置の大型化を招き、ひいては車載性に劣るものになるお
それがある。
【0008】またヒートパイプは作動流体によって熱を
輸送するものであるから、作動流体の加熱部分への還流
を促すためにその設置方向が規制され、上方に向けた熱
輸送すなわちボトムヒートモードで使用せざるを得ず、
そのため上記改質器の設置姿勢が制約を受ける不都合が
ある。
【0009】さらにヒートパイプでは熱移動に時間を要
するから、連続して生じる上記の吸熱反応に迅速に応答
せず、低温部を解消することが困難であり、そのために
改質率が必ずしも所期どおりに向上しない場合ある。
【0010】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、触媒の全体としての温度を均一に維持して改
質率を向上させることができ、しかも小型化することの
できる改質反応器を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載した発明は、原料ガスを、複数の
ガス流路が形成された担体に担持させた触媒物質に接触
させて吸熱作用を伴う改質反応により可燃性ガスを含有
する燃料ガスに改質する改質反応器において、前記担体
がPTCセラミックスによって形成されるとともに、こ
の担体に電圧を印加する電極が、前記ガス流路が開口し
ている両端部に設けられていることを特徴とするもので
ある。
【0012】そのPTCセラミックスからなる担体は、
前記ガス流路に交差する方向に沿って切断して複数に分
割し、かつ各分割片の前記ガス流路が開口する両端部に
前記電極を設けることもできる。
【0013】また請求項3に記載した発明は、原料ガス
を、複数のガス流路が形成された担体に担持させた触媒
物質に接触させて吸熱作用を伴う改質反応により可燃性
ガスを含有する燃料ガスに改質する改質反応器におい
て、前記担体がPTCセラミックスによって形成される
とともに、この担体に電圧を印加する電極が、前記ガス
流路に交差する方向に沿って電位差を生じさせる外側面
の所定位置に設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0014】
【作用】請求項1に記載した発明では、電極間に所定の
電圧を加えることにより、担体に電流が流れ、その際の
ジュール熱によって触媒が加熱される。その状態でガス
流路に原料ガスを流すと、改質反応が生じて水素などを
含有する可燃性ガスが生じる。その場合、触媒のうち中
心部分より外周部分では、原料ガスの改質に伴う吸熱に
加えて外部への放熱が大きいから、温度が低下しやす
い。このようにして温度の低下した部分では、その電気
抵抗が低下するために電流量が増大し、温度の高い箇所
に比較して、より多く加熱され、その結果、全体として
ほぼ一定の温度に維持される。すなわちPTC(Posit
ive Temperture Coefficient)セラミックスは、通電
によって発熱するものの、温度の上昇に従って電気抵抗
が増大する特性を有するセラミックスであるから、抵抗
値が所定の温度(スイッチング温度)で切り替わるよう
材料を適宜選択することによって、担体すなわち触媒の
温度が希望する所定の温度に保たれる。したがって外周
部分での温度の低下を補うように電流が流れるので、外
周部分での温度低下を解消し、触媒の全体を常時、改質
反応に適した温度範囲に自動的に維持してその改質率を
向上させることができる。
【0015】また原料ガスの改質は、ガス流路の入口側
での原料ガス濃度が高いから、この部分で多く進行し、
そのために触媒温度はガス流路の入口側で低下しやす
が、請求項2に記載した発明では、PTCセラミックス
からなる担体がガス流路の方向に沿って複数に分割さ
れ、各分割片にガス流路の方向に沿って電圧を印加する
から、温度の低下した分割片ほど電流が多く流れて加熱
されるから、原料ガスの流れ方向での温度のバラツキを
分割片を単位として是正できる。換言すれば、触媒の全
体が改質反応に適した温度に均一に維持されて改質率が
向上する。
【0016】また請求項3に記載した発明では、原料ガ
スの改質の進行に伴ってガス流路の方向に沿って温度勾
配が生じると、すなわちガス流路の入口側で温度が低く
なると、その部分の電気抵抗が低下する。これに対して
電極は、ガス流路に交差する方向に電圧を印加するよう
に配置されているから、温度および電気抵抗の低下した
箇所は、温度および電気抵抗の高い箇所に対して電極間
に並列に接続されていることになり、したがって温度の
低い箇所に、より多く電流が流れてその部分が加熱され
るため、触媒全体としては低温部分を解消するように通
電されて加熱され、その結果、触媒の温度が改質反応に
適した温度範囲に均一に維持され、改質率が向上する。
【0017】
【実施例】つぎに、この発明の実施例につき図面を参照
しながら説明する。図1に示す改質反応器は、メタノー
ル(メチルアルコール)を水素ガスに改質するよう構成
した例であり、触媒担体が、例えばスイッチング温度を
約250℃に設定するために、(Ba 0.5 Pb 0.5 )T
i O3 の組成のPTCセラミックスによって形成され、
その担体に触媒物質としてCu −Zn 系触媒が担持され
ている。
【0018】具体的には、担体10は、上記の組成のP
TCセラミックスにより全体として円柱状に形成され、
その軸線方向に沿って多数のガス流路11が形成される
ことにより、ハニカム状をなしている。またこの担体1
0の両端面、すなわちガス流路11の開口している端面
には、それぞれ電極12,13が設けられている。な
お、図示の例では、上側が負電極、下側が正電極であ
る。またこれらの電極12,13は、例えば電極に適し
た金属材料を蒸着、メッキ、あるいは溶射などの方法に
よって担体10の端面に付着させることにより形成する
ことができる。そして上記の触媒物質が各ガス流路11
の内面に担持されている。
【0019】以上のように構成した担体10は、円筒状
の外筒14の内部に収容されるとともに、その下端部を
外筒14の内面に突設した絶縁ホルダー15に当接させ
て外筒14の内部に保持されている。また担体10およ
び各電極12,13と外筒14との間には、絶縁層16
が介在されている。この絶縁層16としては、耐熱性を
要求されることから、短繊維アルミナ・シリカシート、
アルミニウム蒸着箔を酸化処理したもの、あるいはカオ
ウール(商品名)などを使用することができる。また各
電極12,13のリード線17,18が外筒14を貫通
する部分には、アルミナなどからなる絶縁スリーブ1
9,20によって絶縁処理がなされている。
【0020】上記の改質反応器において触媒温度を活性
温度まで加熱するには、電極12,13の間に所定の電
圧を印加する。担体10は、上述のようにPTCセラミ
ックスから構成されているので、電圧を印加することに
より電流が流れて発熱し、これにより昇温される。そし
てそのスイッチング温度(上記の例では約250℃)に
達すると、その電気抵抗が増大するために電流が流れな
くなり、結局は、自動的に約250℃に維持される。
【0021】このように加熱昇温した状態で図1に矢印
で示す方向に原料ガスを供給し、各ガス流路11に流
す。ここで原料ガスは、メタノールと水蒸気との混合ガ
スであり、この原料ガスは、ガス流路11の内部を通過
する間に触媒に接触して、基本的には水素と二酸化炭素
とに改質される。この改質反応の進行によって触媒温度
が低下するとともに、担体10の外周側では、外部への
放熱によって温度が低下する。それに伴い担体10の各
部の電気抵抗値は、温度の低下に従って低下するから、
温度の低い箇所ほど多くの電流が流れることになる。す
なわち放熱量の多い外周部での発熱量が多くなってその
温度低下が抑制され、その結果、中心部と外周部との間
の温度のバラツキが是正されて、担体10の全体として
の温度がそのスイッチング温度である約250℃に維持
される。
【0022】このように図1に示す改質反応器において
は、触媒温度が部分的に低くなってその部分での改質反
応が緩慢になることがないので改質率が向上し、燃料電
池に対して悪影響のある残留メタノールや一酸化炭素の
量を少なくすることができる。
【0023】ところでガス流路11の流入口側(図1の
上側)では、原料ガスの濃度が最も高いから、この部分
での改質反応の量が最も多くなり、ガス流路11の下流
側ほど反応の程度は少なくなる。したがって触媒の温度
もガス流路11の流入口側で低下しやすく、担体10と
しては原料ガスの流れ方向に沿って温度勾配が生じるこ
とになる。図2に示す例は、このような温度勾配を是正
するように構成したものである。
【0024】すなわち前記外筒14の内部に収容される
担体10は、その軸線方向の所定箇所で半径方向に沿っ
ていわゆる輪切りにされ、複数(図示の例では4つ)に
分割されている。これらの各分割片10a,10b,1
0c,10dのいずれも前述した実施例におけると同様
にPTCセラミックスによって形成されるとともに、そ
の軸線方向に沿って多数のガス流路11a,11b,1
1c,11dが形成され、そのガス流路11a,11
b,11c,11dの内面に触媒が担持されている。そ
して各分割片10a,10b,10c,10dの図にお
ける上面に正電極12a,12b,12c,12dが設
けられ、かつ下面に負電極13a,13b,13c,1
3dが設けられている。そしてこれらの各分割片10
a,10b,10c,10dは絶縁材(図示せず)を挟
んで順に積層されている。なお、その場合、ガスの撹拌
・混合を促進するために、隣接する分割片10a,10
b,10c,10dにおける各ガス流路11a,11
b,11c,11dの開口部が互いにわずかずれるよう
に積層することが好ましい。
【0025】図2に示す構成の担体10を用いた改質反
応器においては、各分割片10a,10b,10c,1
0dのそれぞれに個別に電圧が印加され、その抵抗値に
応じた電流が流れて加熱昇温される。そして前述した実
施例と同様に、上側から原料ガスを流すと、原料ガスは
ガス流路11a,11b,11c,11dの内部を流れ
る間に反応を生じて例えば水素を含有するガスに改質さ
れる。その場合、改質反応が吸熱反応であることによ
り、最も上側の分割片10aの温度が低くなりやすく、
下側の分割片ほど温度低下しにくい。これに対して各分
割片10a,10b,10c,10dは個別に電圧が加
えられているうえに、その電気抵抗が低温ほど小さくな
るから、最上部の分割片10aの抵抗が小さくなってそ
の電流が多くなり、結局、温度低下を抑制するように電
流が流れて昇温される。このような傾向は、2段目以降
の分割片についても同様であり、したがって各分割片1
0a,10b,10c,10dにはその温度の低下傾向
に応じた電流が流れてそれぞれ個別に加熱される。その
結果、ガスの流れ方向に沿う温度勾配が是正され、担体
10の全体としての温度が改質反応に適した温度にほぼ
均一化され、触媒による改質率が向上する。
【0026】また図2に示す例では、各分割片10a,
10b,10c,10dは、そのガス流路11a,11
b,11c,11dが互いにわずかずれるように積層さ
れているので、原料ガスは各分割片10a,10b,1
0c,10dの境界部分で流線方向が変えられて乱流を
生じ、あるいは混合され、これが原因となって触媒との
接触がより促進され、この点でも改質率が向上する。
【0027】なお、上記のように分割片10a,10
b,10c,10dには、個別に電圧を印加することが
できればよく、その電流の方向は特に問うものではない
から、電極の配列は、隣接する分割片10a,10b,
10c,10d同士で同一の電極を共用するようにして
もよい。その例を図3に示してある。このような構成で
あれば、電極の数を減らすことができるうえに、前述し
た分割片同士の間の絶縁材をなくすことができる。
【0028】原料ガスの改質反応による温度勾配は、前
述したように原料ガスの流れ方向において生じる。これ
を是正するには、上述した図2に示す構成および図3に
示す構成以外に、以下に述べるように構成してもよい。
図4はその例を示しており、ここに示す触媒担体10
は、直方体状に形成されるとともに、上面から下面にか
けて多数のガス流路11が形成され、それらのガス流路
11の内面に触媒が担持されている。
【0029】また担体10の外側面のうちガス流路11
に対して交差する方向で対向する二面に電極12,13
が設けられている。この電極12,13としては、担体
10の外側面に適当な金属を蒸着やメッキなどの方法で
付着させ、その金属面にステンレスなどの金属板を押し
付けて取り付けた構成を採用することができる。
【0030】図4に示す担体10を用いた改質反応器に
おいても、そのガス流路11に原料ガスを流すことによ
って改質反応が生じ、それに伴ってガス流路11の入口
側の部分ほど改質反応に伴う温度低下が顕著になる。す
なわち図4の上側で温度が低く下側で温度の高い温度勾
配が生じる。これに対して電流は横方向に流れるから、
結局、温度が低くなって抵抗の小さい部分と温度の低下
が少なくて抵抗の大きい部分とが、電極12,13の間
に並列に接続された状態になる。その結果、担体10の
上側の部分での電流量が多くなってここでの発熱量が大
きいから、改質反応による温度低下を是正するような作
用が生じる。これは、担体10の各部分で各々の温度す
なわち電気抵抗値に応じて同様に生じ、その結果、改質
反応の進行の度合いが単体10の上下の各部分で異なっ
ていても、担体10の全体としての温度を触媒の改質反
応に適した温度にほぼ均一化し、改質率を向上させるこ
とができる。
【0031】なお、図4に示す例では、ガス流路11を
電流の流れる方向に沿って直線的に配列してあるが、こ
のような配列構造では、電流方向で隣接するガス流路1
1を仕切っている部分に電流が流れにくく、この部分の
温度が低下するおそれがある。図5はこのような不都合
を解消するように構成したものであって、ガス流路11
は電流方向において千鳥配列されている。このような構
成であれば、電流は図5に矢印で示すように流れるの
で、電流量が少なくなって加熱不良となる箇所を解消す
ることができる。
【0032】ここで本発明者が行った実験例を示す。本
発明例として、直径170mm、長さ220mmのPTC
製ハニカム構造の担体に触媒として(Ba 0.5 Pb
0.5 )Ti O3 を担持させた。スイッチング温度は2
50℃である。原料ガスとして、メタノール:3mol /
min 、水:6mol /min を流したところ、改質率は98
%であった。また本発明例として、図2に示す構造の
担体を使用し、上記の例と同様な条件で実験を行ったと
ころ、改質率は99.5%であった。本発明例とし
て、図5に示す担体を用いて、上記の例と同様な条件で
実験を行ったところ、改質率は99%であった。これに
対し、従来例として、図7に示す反応容器(直径400
mm、高さ500mm)を使用し、触媒層出口温度250℃
で上記と同量の原料ガスを流したところ、改質率は高々
95%であった。なお、これらの実験例の結果を図6に
示してある。
【0033】なお、以上の実施例では、メタノールの水
蒸気改質を例に採ったが、この発明は、上記の各実施例
に限定されないのであり、要は、触媒を使用して吸熱を
伴う改質反応を行う場合に適用することができる。した
がってPTCの組成や触媒の組成は、上記の実施例で示
したものに限定されず、改質対象ガスに応じて適宜に選
択することができる。さらに上記の実施例では円柱形状
および直方体状の担体を示したが、その形状は断面楕円
形の柱状や角錐台状など必要に応じて任意の形状を採用
することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
発明では、PTCセラミックスによった触媒担体を形成
するとともにそのガス流路による原料ガスの流れ方向に
沿って電圧を印加するように構成したから、外部への放
熱によって中心部より周辺部分の温度が低くなった場
合、その温度差を是正するように電流が流れて周辺部分
の加熱が促進される。その結果、全体としての温度が改
質反応を促進する温度に維持され、しかも加熱が迅速に
行われるので、改質率を従来になく向上させることがで
きる。また触媒を担持する担体自体が発熱体となるの
で、小型化を図ることができる。
【0035】特に請求項2に記載した発明では、担体が
原料ガスの流れ方向において複数に分割され、かつそれ
ぞれに個別に電圧を印加して加熱するように構成してあ
るから、改質反応の盛んな分割片ほど抵抗が低くなって
電流量が多くなるので、その温度低下を是正するように
各分割片が加熱され、換言すれば、分割片同士の温度差
がなくなるように各分割片が加熱される。その結果、原
料ガスの流れ方向における温度勾配が是正されて低温部
がなくなるから、全体としての改質が向上する。
【0036】さらに請求項3に記載した発明では、原料
ガスの流れ方向に交差する方向に電圧を印加するから、
改質反応が盛んで温度の低下した箇所に、他の部分より
多くの電流が流れ、その低温部分が迅速に加熱される。
その結果、請求項3の発明においても、原料ガスの流れ
方向における温度勾配が是正されて低温部がなくなるか
ら、全体としての改質率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の改質反応器の一実施例を概略的に示
す断面図である。
【図2】この発明の他の例で使用する触媒担体を概略的
に示す斜視図である。
【図3】図2に示す担体における電極の配列を変えた他
の例を概略的に示す斜視図である。
【図4】原料ガスの流れ方向に交差する方向に電圧を印
加するように構成した担体の例を概略的に示す斜視図で
ある。
【図5】図4に示す担体におけるガス流路の配列を変え
た他の例を概略的に示す斜視図である。
【図6】本発明者が行った実験の結果を示す線図であ
る。
【図7】従来の改質反応器の構造の一例を示す断面図で
ある。
【図8】図7に示す従来の改質反応器の部分横断平面図
である。
【符号の説明】
10,10a,10b,10c,10d 担体 11,11a,11b,11c,11d ガス流路 12,12a,12b,12c,12d 正電極 13,13a,13b,13c,13d 負電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガスを、複数のガス流路が形成され
    た担体に担持させた触媒物質に接触させて吸熱作用を伴
    う改質反応により可燃性ガスを含有する燃料ガスに改質
    する改質反応器において、 前記担体がPTCセラミックスによって形成されるとと
    もに、この担体に電圧を印加する電極が、前記ガス流路
    が開口している両端部に設けられていることを特徴とす
    る改質反応器。
  2. 【請求項2】 前記PTCセラミックスからなる担体が
    前記ガス流路に交差する方向に沿って切断されて複数に
    分割され、かつ各分割片の前記ガス流路が開口する両端
    部に前記電極が設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載の改質反応器。
  3. 【請求項3】 原料ガスを、複数のガス流路が形成され
    た担体に担持させた触媒物質に接触させて吸熱作用を伴
    う改質反応により可燃性ガスを含有する燃料ガスに改質
    する改質反応器において、 前記担体がPTCセラミックスによって形成されるとと
    もに、この担体に電圧を印加する電極が、前記ガス流路
    に交差する方向に沿って電位差を生じさせる外側面の所
    定位置に設けられていることを特徴とする改質反応器。
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