JPH08122633A - 投写レンズ及び投写型表示装置 - Google Patents

投写レンズ及び投写型表示装置

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Publication number
JPH08122633A
JPH08122633A JP6285811A JP28581194A JPH08122633A JP H08122633 A JPH08122633 A JP H08122633A JP 6285811 A JP6285811 A JP 6285811A JP 28581194 A JP28581194 A JP 28581194A JP H08122633 A JPH08122633 A JP H08122633A
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JP
Japan
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lens
projection
screen
flare
light
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Application number
JP6285811A
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English (en)
Inventor
Takaaki Tanaka
孝明 田中
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP6285811A priority Critical patent/JPH08122633A/ja
Publication of JPH08122633A publication Critical patent/JPH08122633A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フレア光を減少させることにより、高コント
ラストの投写レンズと投写型表示装置を得ること。 【構成】 投写用陰極線管20の蛍光面23に形成され
る画像を、スクリーン27上に拡大投写するため、投写
レンズ26を設ける。投写レンズ26の正の最もパワー
が強いレンズL3に対し、スクリーン27側に配置され
るレンズL4を所定の透過率になるよう着色する。レン
ズL1〜L5の何れかの組み合わせにより光の多重反射
が生じても、この多重反射光は着色したレンズL4を複
数回通過するので、フレア光が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像をスクリーン上に
投写する投写レンズ及びこの投写レンズを用いた投写型
表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の投写型表示装置における光学系の
構成について図12を参照しつつ説明する。投写型表示
装置は、画像表示装置、投写レンズ、スクリーンを含ん
で構成される。ここでは画像表示装置として投写用陰極
線管が用いられる。図12において投写用陰極線管1の
フェイスプレート3にはその内面に蛍光面2が設けら
れ、フェイスプレート3と投写レンズ5の空間は液体は
4が充填されている。投写用陰極線管1の蛍光面2に形
成された画像は、投写レンズ5によりスクリーン6上に
拡大投写される。
【0003】一般に、投写画像の高コントラスト化を図
るために、投写用陰極線管1と投写レンズ5をエチレン
グリコールなどの透明な液体4を用いて光学的に結合す
る。こうするとフェイスプレート3の境界面での不要な
蛍光面への反射光を低減でき、スクリーン6に投写され
る画像のコントラストを改善できる。
【0004】さらに、画像のコントラストを向上させる
いくつかの方法が開示されている。例えば特開平3−2
24384号公報では、複数枚のレンズで構成される投
写レンズにおいて、投写用陰極線管側に配置される凹レ
ンズに染料を分散させて着色したり、蛍光面に顔料を混
入し、凹レンズと空気との境界面での不要な反射光を吸
収させることにより、投写画像のコントラスト低下の改
善を図っている。また、特開平3−61904号公報で
は、フェイスプレートと接触する液体に光吸収物質を添
加させて不要な光を吸収させることにより、コントラス
トを改善している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】投写型表示装置の投写
画像のコントラストは、一般に画像表示装置、投写レン
ズ、スクリーンから構成される光学系のフレアによって
低下する。ここでフレアとは、投写画像の結像に関係の
ない光が、光学系の構成要素部品で反射又は散乱するこ
とによって、正規の投写画像に重なることをいう。フレ
アの発生は投写画像の暗部の輝度を高くし、画像のコン
トラストを低下させることになる。フレアの発生要因
は、画像表示装置である投写用陰極線管の蛍光面、フェ
イスプレート、レンズの屈折面における多重反射、屈折
面上のキズ、ほこりなどによる散乱、レンズ縁からの反
射、レンズの鏡筒内面からの反射などが挙げられる。
【0006】不要光の発生原因の大半は、蛍光面やレン
ズの屈折面で多重(主に2回)反射して、スクリーンに
到達することにある。蛍光面は拡散反射率が高い蛍光体
と、蛍光体背面の反射率の高いアルミニウム膜とで構成
されている。このため蛍光面は反射防止膜を形成したレ
ンズの屈折面より高い反射率を有することとなる。従っ
てフレアを生じる反射面が蛍光面の場合には、反射面が
レンズの屈折面の場合よりフレアの発生量が多くなる。
このとき、像面である蛍光面に不要光が入射すると、そ
の光は拡散反射してスクリーン上でゴーストを発生する
ことがある。
【0007】ここで、フレアを生じる反射面の一方が蛍
光面の場合を蛍光面フレアと呼び、1回目及び2回目の
反射面がレンズの屈折面の場合をレンズの多重反射フレ
アと呼ぶことにする。前述した従来の方法はいずれも蛍
光面フレアを低減して、コントラストを改善するための
方法であった。しかしながらレンズの多重反射フレア
は、反射面での反射率そのものは蛍光面フレアの場合よ
り低いが、反射面の組み合わせ数が多いことや、不要反
射光がレンズの屈折作用によりスクリーン上で集光する
場合があり、フレアの発生量は小さくない。従ってコン
トラストの高い画像を得るには、蛍光面フレアだけでは
なく、レンズの多重反射フレアを低減させることが必要
である。
【0008】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、蛍光面フレアだけでなく、レン
ズの多重反射フレアを低減することのできる投写レンズ
を実現することと、この投写レンズを用いて投写画像の
コントラストを向上させることのできる投写型表示装置
を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、複数枚のレンズから構成され、画像表示装置に表示
される画像をスクリーン上に拡大投写する投写レンズで
あって、正のパワーが最も強いレンズよりスクリーン側
に位置するレンズを、画像表示装置から出射した光の一
部を吸収する着色レンズにしたものである。
【0010】本願の請求項2の発明では、着色レンズ
は、レンズ内部に染料を均一に分散させて着色したもの
である。
【0011】本願の請求項3の発明では、着色レンズ
は、レンズ表面に染料を付着させることにより着色した
ものである。
【0012】本願の請求項4の発明では、着色レンズ
は、樹脂成形して製造されたものである。
【0013】本願の請求項5の発明は、入力映像信号に
応じて青、緑、赤の画像が形成される3つの画像表示装
置と、各画像表示装置からの出射光を受け、画像を夫々
スクリーン上に投写する請求項1記載の投写レンズとを
備えたものである。
【0014】
【作用】以上のような特徴を有する本願の請求項1〜4
の発明によれば、正のパワーが最も強いレンズに対し
て、スクリーン側に配置されるレンズを着色することに
より、多重反射する不要光を減衰させることができる。
このレンズの透過率をTとすると、投写画像は透過率T
だけ透過するが、このレンズを透過する不要光はT3
減衰することとなる。従ってそのレンズを着色しない場
合に比べて、蛍光面フレアやレンズの多重反射フレアが
効率よく低減される。
【0015】また本願の請求項5記載の発明によれば、
上記の投写レンズを画像表示装置に設けることにより、
画像表示装置に出力された画像をフレアを生じさせるこ
となく、スクリーン上に高コントラストで表示できるこ
ととなる。
【0016】
【実施例】本発明の1実施例における投写レンズとこれ
を用いた投写型表示装置について図面を参照しつつ説明
する。図1は本実施例における投写レンズを含む投写型
表示装置の基本構成を示す断面図である。画像表示装置
として投写用陰極線管20を用いている。投写用陰極線
管20にはフェイスプレート24が設けられ、その内面
には蛍光面23が形成されている。蛍光面23は電子ビ
ームの入射側から見てアルミニウム膜22、蛍光体層2
1が夫々塗膜されたものである。
【0017】フェイスプレート24と投写レンズ26の
一部であるレンズL1は、液体25により光学的に結合
されている。一般に、画像表示装置に形成された画像を
スクリーン上に拡大投写する投写レンズには、明るく低
収差で広画角のものが要求される。画像表示装置として
投写用陰極線管を用いた場合の投写レンズは、基本的
に、像面湾曲を補正するレンズ、全体の結像に関する強
い正のパワーを持つレンズ、球面収差やコマ収差を補正
する弱いパワーのレンズから構成されている。
【0018】投写レンズ26はレンズL1〜L5から構
成されるレンズ群であり、光学的に投写用陰極線管20
と結合している。なお蛍光面23とフェイスプレート2
4の境界面をS1とし、フェイスプレート24と液体2
5との境界面をS2とする。そして投写レンズ26を構
成するレンズL1,L2,L3,L4の前後の屈折面を
夫々(S3,S4)、(S5,S6)、(S7,S
8)、(S9,S10)、(S11,S12)として面
番号を付与しておく。また投写レンズ26から一定距離
だけ隔たった位置にスクリーン27が設置されている。
【0019】レンズL1は像面湾曲を補正する負の強い
パワーを持った凹レンズである。レンズL2は凹レンズ
(L1)の温度変化によるパワー変化で像面湾曲が変化
することを抑制する正レンズである。レンズL3は投写
レンズ26全体の結像に関して最も正のパワーが強いレ
ンズである。レンズL4、レンズL5は球面収差、コマ
収差を補正するパワーの弱いレンズである。本実施例で
は特にレンズL4の内部に染料を分散させて着色してい
る。レンズL1、L2、L4、L5は光学樹脂を成形し
て製造したレンズであり、レンズL3はガラス製であ
る。尚ここでの投写用陰極線管20は緑用とする。
【0020】投写用陰極線管20の蛍光面23は蛍光体
固有の発光スペクトルを有する光を出す。この光はフェ
イスプレート24、液体25を透過し、投写レンズ26
に入射し、スクリーン27上に拡大投写される。蛍光面
23からの光の一部は面S2〜S12のいずれかで1回
目の反射をして、投写レンズ26の結像には関与しない
不要な反射光となる。この不要な反射光の一部は再び面
S1〜S12のいずれかで2回目の反射をし、スクリー
ン27上に到達する。このような光の多重反射がフレア
となり、投写画像のコントラストを低下させる。
【0021】2回以上の偶数回の多重反射の光もフレア
となるが、その光強度は2回反射より非常に小さい。投
写用陰極線管20とレンズL1を、フェイスプレート2
4やレンズL1と同程度の屈折率をもつエチレングリコ
ールなどの液体25で結合することにより、フェイスプ
レート24の面S2やレンズL1の面S3での反射率を
低くし、蛍光面フレアを低減することができる。投写用
陰極線管20の不要な発光スペクトル成分を除去して、
色純度を向上させるために、レンズL1の内部に染料を
均一に分散させて着色している。従ってレンズL1は面
S3〜S12での不要な蛍光面23への反射光を吸収
し、蛍光面フレアを低減する。さらにレンズL2〜L5
の屈折面にも反射防止膜を形成し、不要な反射光を低減
している。
【0022】しかしながらこれらの方法は、主に蛍光面
フレアを低減させるものであり、レンズの多重反射フレ
アを十分に低減させるものではない。ここで投写型表示
装置における蛍光面フレアと多重反射フレアの影響につ
いて定量的に解析する。図2は画像形成を行う光学系に
おいて蛍光面フレアとレンズ多重反射フレアの発生量を
比較するための実験装置である。この実験装置において
バックライトとして投写用陰極線管30を用いる。そし
て図1と同様に図2(a)の装置Aにはフェイスプレー
ト31、液体33、投写レンズ34、スクリーン35を
設ける。また図2(b)の装置Bにはフェイスプレート
32、液体33、投写レンズ34、スクリーン35を設
ける。
【0023】図2(a)のフェイスプレート31には拡
散材36、蛍光体層37、蛍光体層37の背面のアルミ
ニウム膜38を夫々形成する。先ず全白表示させた投写
用陰極線管30からの光をフェイスプレート31に照射
する。このとき拡散材36で拡散した光はフェイスプレ
ート31及び液体33を透過し、投写レンズ34に入射
する。こうしてテスト用のパターンがスクリーン35上
に投写される。ここで蛍光体層37とアルミニウム膜3
8を形成した領域には、投写用陰極線管30からの光が
アルミニウム膜37により遮光され入射しない。このた
め、スクリーン35上には黒ウインドウの投写画像が表
示される。この黒ウインドウ周辺の白部の輝度に対する
黒ウインドウ部の輝度の比をフレア率Kとする。
【0024】光学系の各屈折面Sで生じた不要な反射光
は、蛍光体層37で拡散反射するときは蛍光面フレアと
なり、レンズLの各屈折面S間で反射するときはレンズ
の多重反射フレアとなる。これらのフレアはいずれもス
クリーン35上の黒ウインドウ部の輝度を増加させる。
このように装置Aによって生じるフレア率をK1とす
る。
【0025】図2(b)の装置Bは、レンズの多重反射
フレアのみによる測定光学系である。フェイスプレート
32に拡散材36に設け、装置Aとは異なり、拡散材3
6の中央部に四角錐状の黒色遮光体39を形成する。フ
ェイスプレート32における黒色遮光体39の領域は、
装置Aの蛍光体層37の領域と同じ大きさにしている。
この装置Bにおいても全白表示させた投写用陰極線管3
0からの光をフェイスプレート31に照射する。そうす
ると拡散材36で拡散した光はフェイスプレート32、
液体33を透過し、投写レンズ34に入射する。そして
テスト用のパターンがスクリーン35上に投写される。
一方、黒色遮光体39の領域には投写用陰極線管30か
らの光は入射しない。従って光学系の各光学面Sで生じ
た不要な光の中で、黒色遮光体39に入射する光は、そ
の内部で多重反射して消滅する。
【0026】装置Bでは、装置Aのようにフェイスプレ
ート32の中央部に蛍光体層37とアルミニウム膜38
を形成していないため、スクリーン35上のフレアには
蛍光面フレアが加わらない。ここでは主にレンズの多重
反射フレアによる輝度だけである。このときの黒ウイン
ドウのフレア率をK2とする。従ってフレア率K1とフ
レア率K2の差が蛍光面フレアの成分となる。このよう
にして蛍光面フレアとレンズの多重反射フレアのフレア
率を分離し比較すると、両者のフレア率は同程度の値で
あることが判明した。このことからレンズの多重反射フ
レアが投写画像のコントラスト低下に大きな影響を及ぼ
していることが判る。
【0027】さてフレアを十分低減し、投写画像のコン
トラストを改善するには、不要な光の発生要因を特定す
る必要がある。そこで図1に示す光学系において、蛍光
面23から出射した光が、蛍光面23、フェイスプレー
ト24、投写レンズ26の屈折面で2回反射するすべて
の組み合わせの反射面に対して、スクリーン27上に到
達する各不要光をシュミレーションにより追跡した。
【0028】図3は蛍光面フレアの光線追跡の一例を示
す説明図であり、図4は投写レンズ26部分における光
線の屈折及び反射を示す拡大図である。ここで用いた投
写レンズ26のFナンバーは1.0である。光軸上の蛍
光体層23の面S1から発光した光は光軸に対して±1
6度の範囲で、2度刻みで出射している。ここで解析の
対象とする反射面は面S10と面S1とする。図4では
面S10で反射した光が蛍光体層の面S1上に集光する
よう入射していることがわかる。図3に示すように面S
1に入射した不要光は拡散反射して、スクリーン27上
にフレアを生じる。
【0029】投写レンズ26の拡大倍率をmとし、正の
最もパワーが強いレンズL3に入射する光の光軸に対す
る角度をuとし、レンズL3を出射する光の出射角を
u’とすると、次の(1)式が成立する。 u′≒u/m・・・(1) 一般に、拡大倍率mは7以上であるためu′は小さくな
り、レンズL3から出射する光は光軸に対して略平行と
なる。レンズL3よりスクリーン27側に位置するレン
ズL4、レンズL5はパワーが弱いために、面S9〜S
12で反射する光の光軸に対する角度はあまり変化しな
い。このため、レンズの屈折面で反射して蛍光面23側
に戻る光がレンズL3を透過、出射する光の光軸に対す
る角度はuと同程度になり、蛍光面に入射する。従って
面S9〜S12で反射した不要な光は、蛍光面上に集光
する性質を有する。
【0030】レンズL1〜レンズL3の面S3〜S8で
反射した光が蛍光面に入射する光について、図3と同様
に光線追跡した。その結果、蛍光面23上に入射する光
は発散する傾向があった。これらのことからレンズL
4、レンズL5の屈折面での不要な反射光による方が、
蛍光面フレアに大きく影響していることになる。
【0031】図5〜図8にレンズの多重反射フレアの光
線追跡の一例を示す。図5は反射面が面S11と面S8
の場合を示し、図6は投写レンズ部の拡大図である。又
図6は反射面が面S11と面S5の場合を示し、図8は
投写レンズ部の拡大図である。これらは面S2〜S12
で2回反射する反射面の組み合わせの中で、スクリーン
27上に到達する光線が集光する例を示している。これ
らの図から投写レンズ26における不要な反射光がスク
リーン27上に集光して到達していることがわかる。反
射面の組み合わせの中で、不要な反射光がスクリーン2
7に集光して到達する反射面は、面S9〜S12である
場合が多いことがわかった。
【0032】このように、蛍光面フレア及びレンズの多
重反射フレアの光線追跡の解析結果から、レンズL3よ
りスクリーン27側に配置されるレンズでの不要な反射
光がスクリーン27に集光することがわかった。
【0033】図9は、レンズ内部に均一に染料を分散さ
せることによりレンズL4を着色した場合の分光透過率
特性である。曲線S1は緑の投写用陰極線管20の発光
スペクトルを示し、曲線S2は着色したレンズL4の透
過率を示している。このように着色したレンズは緑の波
長帯域以外の透過率を低くし、色純度を高くする作用を
している。レンズL4の面S10、レンズL5の面S1
1、S12で反射した不要な光は、再びレンズL4によ
り吸収され減衰しながら透過する。そしてその透過光が
再び面S1〜S9で反射する。その反射光はレンズL4
によりさらに減衰し、スクリーン27上に到達する。レ
ンズL4の光の透過率をTとすと、レンズL4を透過す
る有効投写光(画像)はTだけ透過するが、不要光(フ
レア光)はT3 で透過する。
【0034】例えば、レンズL4の透過率Tを85%と
すると、レンズL4を着色しない場合に比べてコントラ
ストの比は約1.2倍となる。このようにレンズL4を
着色することによりフレアが低減され、投写画像のコン
トラストを高くすることができる。なおレンズL4は樹
脂で成形して製造するため着色は容易である。
【0035】蛍光面フレアだけを低減する場合は、レン
ズL1の着色料を増加することにより透過率を低下さ
せ、不要な反射光を低減すればよい。しかしレンズの多
重反射フレアは低減できない。これ以外の方法として、
レンズL3のスクリーン側に平面フィルタを挿入するこ
とが考えられるが、反射面が増加することや、フィルタ
形状が平面だと蛍光面に入射する不要な反射光が集光
し、むしろ蛍光面フレアが増加し易くなる。
【0036】レンズL4に着色する方法として、レンズ
の内部に均一に染料を分散させるとした。しかしレンズ
L4の中央部と周辺部の厚みが大きく異なる場合には、
中央部と周辺部の透過率が変化し、投写画像に輝度むら
及び色むらを生じる。このような場合には、レンズL4
の表面に染料を付けて着色すれば、輝度むら及び色むら
が生じなくなる。
【0037】図10はレンズL4の表面に染料をつけて
着色層40を形成した例を示す。着色層40はレンズL
4の投写用陰極線管20側に設けている。着色したレン
ズL4の分光透過率は、投写画像の色純度を高くするた
めに波長選択性を持たせているが、波長選択性がなくて
も不要な反射光を吸収しさえすればフレアは低減でき
る。レンズL4に波長選択性がない場合、投写画像の色
純度を高くするために、レンズL1は着色する必要があ
るが、レンズL4が波長選択性を持つ場合には、レンズ
L1に着色しなくてもよい。
【0038】さらに、図1の投写レンズ26ではレンズ
L4に着色しているが、正の最もパワーが強いレンズの
スクリーン側に配置されるレンズL5に着色してもよ
い。この場合には、レンズL4に着色する場合よりもフ
レアの低減効果は小さくなる。このように投写レンズ2
6において、正の最もパワーの強いレンズのスクリーン
側に配置されるパワーの弱いレンズを着色することによ
り、蛍光面フレア及びレンズの多重反射フレアが効率よ
く低減でき、投写画像のコントラストを高くすることが
できる。
【0039】次に本発明の一実施例における投写型表示
装置の構造を図11に示す。画像表示装置として夫々
青、緑、赤の投写用陰極線管50,51,52を用い
る。また投写レンズ53,54,55には図1に示す投
写レンズを用いる。スクリーン56は青、緑、赤の映像
が重畳して投写されるスクリーンである。これらの投写
レンズ53〜55において、パワーの最も強いレンズの
スクリーン側に配置されるパワーの弱いレンズに対し、
その内部又は表面に着色を施している。
【0040】このような構成の投写型表示装置におい
て、映像信号に応じて青、緑、赤の投写用陰極線管5
0、51、52が動作し、3つの投写レンズ53、5
4、55を介してスクリーン56上にフルカラー画像が
表示される。この場合も蛍光面フレア及びレンズの多重
反射フレアが効率よく低減され、投写画像のコントラス
トが高められる。
【0041】投写画像のホワイトバランスを確保しよう
とすると、投写用陰極線管の発光輝度において、緑、赤
に比べて青の発光輝度が不足する。着色したレンズを用
いてコントラストを改善させる場合には輝度の低下を伴
う。そこで、青の投写画像の輝度を低下せないように、
緑及び赤の投写レンズにだけ着色したレンズを用いても
よい。
【0042】また、図11に示す投写型表示装置のスク
リーン56に透過型スクリーンを用い、投写用陰極線
管、投写レンズ、スクリーンを夫々キャビネットの内部
に組み込んだいわゆる背面投写型表示装置を構成しても
よい。本実施例では画像表示装置として投写用陰極線管
を用いたが、液晶やプラズマなどを用いた画像表示装置
であってもよい。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、投写レン
ズを構成する複数のレンズのうち、焦点距離が最小の凸
レンズに対して、スクリーン側に配置するレンズを着色
する。こうすると画像表示装置の蛍光面、レンズの屈折
面での不要な反射光を効率よく低減することができる。
このため投写レンズにおけるフレアが少なくなるという
効果が得られる。またこの投写レンズを用いると、画像
のコントラストが高くなる投写型表示装置が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例における投写レンズの構成図
である。
【図2】フレア率測定用の光学実験装置の構成図であ
る。
【図3】蛍光面フレアの光線追跡図である。
【図4】図3の投写レンズ部の拡大図である。
【図5】レンズの多重反射フレアの光線追跡図(その
1)である。
【図6】図5の投写レンズ部の拡大図である。
【図7】レンズの多重反射フレアの光線追跡図(その
2)である。
【図8】図7の投写レンズ部の拡大図である。
【図9】着色レンズの分光透過率と投写用陰極線管の発
光特性図である。
【図10】本実施例の着色レンズの構成例である。
【図11】本発明の投写レンズを用いた投写型表示装置
の構成図である。
【図12】従来の投写型表示装置における光学系の構成
図である。
【符号の説明】
20,30,50,51,52 投写用陰極線管 21,37 蛍光体層 22,38 アルミニウム膜 23 蛍光面 24,31,32 フェイスプレート 25,33 液体 26,34,53,54,55 投写レンズ 27,35,56 スクリーン 36 拡散材 39 黒色遮光体 40 着色層 L1,L2,L3,L4,L5 レンズ S1 蛍光面 S2 フェイスプレートの境界面 S3〜S12 投写レンズの屈折面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚のレンズから構成され、画像表示
    装置に表示される画像をスクリーン上に拡大投写する投
    写レンズであって、 正のパワーが最も強いレンズより前記スクリーン側に位
    置するレンズを、前記画像表示装置から出射した光の一
    部を吸収する着色レンズにしたことを特徴とする投写レ
    ンズ。
  2. 【請求項2】 前記着色レンズは、 レンズ内部に染料を均一に分散させて着色した請求項1
    記載の投写レンズ。
  3. 【請求項3】 前記着色レンズは、 レンズ表面に染料を付着させることにより着色した請求
    項1記載の投写レンズ。
  4. 【請求項4】 前記着色レンズは、 樹脂成形して製造された請求項1記載の投写レンズ。
  5. 【請求項5】 入力映像信号に応じて青、緑、赤の画像
    が形成される3つの画像表示装置と、 前記各画像表示装置からの出射光を受け、前記画像を夫
    々スクリーン上に投写する請求項1記載の投写レンズと
    を備えた投写型表示装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6139151A (en) * 1998-09-28 2000-10-31 Nidek Co., Ltd. Optical member, observation apparatus with the optical member, and examination apparatus with the optical member
JP2012242637A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Panasonic Corp 画像表示装置
EP4094665A1 (en) 2021-05-28 2022-11-30 Ambu A/S An endoscope
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