JPH08121563A - ボールねじ - Google Patents

ボールねじ

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JPH08121563A
JPH08121563A JP26069794A JP26069794A JPH08121563A JP H08121563 A JPH08121563 A JP H08121563A JP 26069794 A JP26069794 A JP 26069794A JP 26069794 A JP26069794 A JP 26069794A JP H08121563 A JPH08121563 A JP H08121563A
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Kazunori Hayashida
一徳 林田
Yoshiki Fujii
義樹 藤井
Yasushi Toyoda
豊田  泰
Koya Doi
孝彌 土肥
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Abstract

(57)【要約】 【目的】潤滑膜からの発塵量を低減できるようにしなが
ら、トルク寿命を向上できるようにすること。 【構成】外周面に螺旋状のボール転動溝11を有するね
じ軸1と、このねじ軸1のボール転動溝11に対向する
螺旋状のボール転動溝21を内周面に有するボールナッ
ト2と、ねじ軸1のボール転動溝11とボールナット2
のボール転動溝21との間に転動自在に嵌合される多数
のボール3とを備えたボールねじにおいて、ねじ軸1、
ボールナット2およびボール3が耐食性を有する材料で
構成されているとともに、ねじ軸1の少なくともボール
転動溝11、ボールナット2の少なくともボール転動溝
21およびボール3の表面の少なくともいずれかに、熱
硬化性合成樹脂バインダー中にふっ素系合成樹脂を分散
混合した潤滑膜6が被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グリースやオイルを使
用できない真空環境や清浄環境で用いるのに有利なボー
ルねじに関する。
【0002】
【従来の技術】前述の環境として、例えば半導体製造装
置内部に配設される搬送系(半導体ウエハを真空中のチ
ャンバ内に出し入れするX−Yテーブル)などが挙げら
れるが、このような環境では、転がり軸受の潤滑剤とし
てグリースを用いていると、グリースの油分が蒸発、飛
散することにより、潤滑機能の劣化や使用環境の汚染と
いった不具合が発生する。
【0003】そのため、従来では、ねじ軸、ボールナッ
トおよびボールの素材を耐食性を有するステンレス鋼と
するとともに、ねじ軸のボール転動溝、ボールナットの
ボール転動溝およびボールの表面に、金、銀、銅、鉛な
どの軟質金属、カーボンや二硫化モリブデンなどからな
る潤滑膜を被覆することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の潤滑
膜は、転動体との接触により僅かずつ剥がれて潤滑を行
うようになるが、発塵量が多く、潤滑膜の寿命が短いこ
とが指摘される。この発塵量は、清浄環境では不適合と
なるレベルとなる。
【0005】これに対して、ふっ素系合成樹脂(ポリテ
トラフルオロエチレン:PTFE)からなる潤滑膜をボ
ール表面に採用することが考えられており、これは、前
述の潤滑膜よりも発塵量を桁違いに減らせるようになる
(特開平5−306741号公報参照)。しかしなが
ら、この潤滑膜は、剪断抵抗は小さいものの金属からな
るねじ軸、ボールナットに対する付着強度が小さくて回
転初期などに剥がれやすいことが指摘される他、比較的
軟質であるために、ボールの転動時の抵抗が大きくて回
転トルクが大きくなり、いわゆるトルク寿命が短くなり
やすいことが指摘される。
【0006】また、従来のものは、ボールあるいはねじ
軸の軌道面のみに潤滑膜が形成されることになるため、
例えばハロゲン系腐食性ガス雰囲気中などでは、ステン
レス鋼製ねじ軸の軌道面以外が腐食され、生じた腐食粉
をかみ込んで、ボールねじ軸を破損するという不具合も
指摘されている。
【0007】さらに、従来のものは、比較的軟質な潤滑
膜であり、金属母材への付着強度も小さいため、ボール
をねじ軸およびボールナットに対して隙間を「0」ある
いは正隙間で配設しないと剥離の進展が早くなるという
不具合も指摘され、結果としてガタを招来し、ボールね
じの高精度化を阻害していた。
【0008】したがって、本発明は、潤滑膜からの発塵
量を低減できるようにしながら、トルク寿命を向上でき
るようにすることを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、外周面に螺旋
状のボール転動溝を有するねじ軸と、このねじ軸のボー
ル転動溝に対向する螺旋状のボール転動溝を内周面に有
するボールナットと、前記ねじ軸のボール転動溝と前記
ボールナットとの間に転動自在に嵌合し前記ねじ軸と前
記ボールナットの相対螺旋運動時に転動移動する多数の
ボールとを備えたボールねじにおいて、 前記ねじ軸、
ボールナットおよびボールが耐食性を有する材料で構成
されているとともに、前記ねじ軸の少なくともボール転
動溝、ボールナットの少なくともボール転動溝およびボ
ールの表面の少なくともいずれかに、熱硬化性合成樹脂
からなるバインダー中にふっ素系合成樹脂を分散混合し
た潤滑膜が被覆されている。
【0010】なお、前述のねじ軸のボール転動溝を含む
外表面全面には、前記潤滑膜が被覆されている。また、
前述のボールは、負すきまにて前記ねじ軸およびボール
ナット間に配設されている。
【0011】
【作用】本発明の潤滑膜は、被覆対象に対する付着強度
が高くなるから、回転初期にはがれにくくなる。また、
従来例のものに比べて硬質であり、ボールの転動抵抗が
小さくなる。
【0012】そして、ボール転動時には、潤滑膜に含ま
れるふっ素系合成樹脂が剥離して所要の潤滑を行うが、
必要以上の剥離がないので、発塵量としては、従来例の
ふっ素系合成樹脂からなる潤滑膜に比べて遥かに少なく
なる。
【0013】また、ねじ軸の外表面全面を上記潤滑膜で
被覆すれば、ハロゲン系腐食性ガス雰囲気中でもねじ軸
の腐食が防止される。なお、この際、ボールナットの露
出面をねじ軸と同様、潤滑膜で被覆すればなおよい。
【0014】さらに、上記潤滑膜は、比較的硬度なた
め、ボールをねじ軸およびボールナット間にある程度、
負隙間で配設することが可能となるためボールねじの高
精度化に寄与できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の詳細を図1ないし図5に示す
実施例に基づいて説明する。図1は、ボールねじの概略
構成を示す縦断面図、図2は、図1のB部拡大図であ
る。図中、Aはボールねじ、1はねじ軸、2はボールナ
ット、3は複数のボールである。
【0016】ねじ軸1は、その外周面に螺旋状のボール
転動溝11が形成されており、ボールナット2は、その
内周面にねじ軸1のボール転動溝11に対向する螺旋状
のボール転動溝21が形成されている。このボールナッ
ト2はねじ軸1に外嵌されており、ねじ軸1のボール転
動溝11と、ボールナット2のボール転動溝21との間
に複数のボール3が介装されている。そして、ボールナ
ット2の外周面にはボール循環機能を有するサーキュレ
ータチューブ4が設けられていて、ねじ軸1またはナッ
ト2のいずれか一方の回転によりボール転動溝11、2
1間のボール3がサーキュレータチューブ4を介して循
環するようになっている。
【0017】ねじ軸1のボール転動溝11およびボール
ナット2のボール転動溝21は、断面形状が、ゴチック
アーチ状、すなわち二つの曲率中心の異なる円弧の組み
合わせによりほぼV字形に形成されている。このボール
転動溝11、21の断面形状は、図3に示すような円弧
とすることができる。
【0018】そして、ボールナット2の軸方向一端(右
側)には、必要に応じねじ軸1のボール転動溝11に対
して近接する非接触タイプのシール5が設けられてい
る。このシール5は、合成ゴムなどの弾性体により円筒
形に形成されており、内周面の所要角度範囲にねじ軸1
のボール転動溝11に近似する形状の凸部51が設けら
れている。なお、図4に示すような接触タイプのシール
5Aを用いてもよい。このシール5Aは、四角形状のチ
ップの一面にボール転動溝11の断面形状に近似する形
状の凸部51Aを形成したものであり、この凸部51A
がねじ軸1のボール転動溝11の局部にばね52Aによ
り圧接されるものである。また、これらのシール5、5
Aは、ボールナット2の軸方向両端に設けていもよい。
【0019】これらねじ軸1、ボールナット2およびボ
ール3の素材としては、HRC58〜62に設定される
もの、例えばJIS規格SUS440Cなどのマルテン
サイト系ステンレス鋼に適当な硬化熱処理を施したもの
や、JIS規格SKH4、AISI規格M−50材など
の耐熱性鋼や、セラミックスとすることができる。この
セラミックスとしては、焼結助剤として、イットリア
(Y23)およびアルミナ(Al23)、その他、適
宜、窒化アルミ(AlN)、酸化チタン(TiO2)、
スピネル(MgAl24)を用いた窒化けい素(Si3
4)を主体とするものの他、アルミナ(Al23)や
炭化けい素(SiC)、ジルコニア(ZrO2)、窒化
アルミ(AlN)などが好ましい。このような材料でボ
ールねじAの各構成要素を形成すれば、ボールねじA
を、例えば半導体製造の膜生成装置などにおいて、膜を
生成すべき半導体ウエハなどの素材を真空中のチャンバ
内に出し入れするX−Yテーブルなどに用いる場合で
も、チャンバ内に入れられるハロゲン系腐食性ガスに対
しても、腐食しにくくなる。
【0020】サーキュレータチューブ4は、例えばSU
S304などのステンレス鋼で形成される。潤滑性を有
する合成樹脂で形成してもよい。
【0021】そして、ねじ軸1の表面全面には、熱硬化
性合成樹脂からなる樹脂バインダー中にふっ素系合成樹
脂を分散混合した潤滑膜6が被覆されている。この潤滑
膜6は、潤滑主体となるふっ素系合成樹脂としての、例
えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と、熱硬
化性合成樹脂バインダーとしての、例えばポリアミドイ
ミドとからなり、10〜50重量%の樹脂バインダー中
に1〜20重量%のふっ素系合成樹脂をN−メチル−2
−ピロリドンなどの溶媒を用いて分散混合させたものを
被覆対象面にボンデッドフィルム法などで塗布すること
により得られる。
【0022】熱硬化性合成樹脂としては、それ自身ある
程度の摺動性を有していることが望ましく、例えば、イ
ミド結合またはアミドイミド結合を有する樹脂が望まし
い。イミド結合またはアミドイミド結合を有する樹脂バ
インダーとしては、例えば、熱硬化性の縮合重合型ポリ
イミド、ポリアミドイミドなどが挙げられる。これらの
樹脂は、一般に、耐熱性がよく、接着性が優れかつ高温
においても接着強度の低下がきわめて少ないこと、寸法
安定性に優れること、摩擦摩耗特性がよいことなどの特
徴を有する。また、これらの樹脂は、硬化(付加重合)
が進む過程で、水分やその他の揮発分の生成を伴わず、
しかもこのもの自体吸湿性がきわめて小さいから、被着
形成される潤滑膜層に気泡や亀裂を生ぜしめるおそれも
ない。ふっ素系合成樹脂としては、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)の他、エチレンテトラフルオロエ
チレン(ETFE)が好ましい。これらふっ素系合成樹
脂が実質的な潤滑主体とされる。上述の熱硬化性合成樹
脂バインダーのみを使用した場合には、これらが非常に
硬く、耐熱性に優れているが、摩耗が激しく簡単にはが
れてしまうため、潤滑層の摩擦力を軽減させることを目
的として添加される。PTFEを用いる際には、平均分
子量1×104〜5×104のポリマーが選ばれる。中で
も、3×104〜5×104の平均分子量のものが好適に
用いられる。平均分子量が1×104を下回ると付着強
度が低下するとともに摺動抵抗も大きくなる。平均分子
量が5×104を超えると、剪断抵抗が大きく、また硬
くなりすぎるため、密着性に劣るとともに剥離した際、
摩耗粉となりやすい。
【0023】なお、PTFEの粒子径は2〜3μmのも
のが好適に使用される。3μmを超えると、流動性、分
散性が低下するとともに、潤滑膜から突出し、潤滑膜の
平滑性が損なわれ、円滑な駆動が妨げられるとともに、
異音も発生する。2μmを下回ると、潤滑効果が飽和す
る反面、経済的にもマイナスとなる。
【0024】潤滑膜6の厚みは、少なくともねじ軸の表
面の凹凸をならす程度は必要とされ、例えば5±2μm
に、また、硬度はJIS規格K5400に基づく鉛筆引
っかき値の3H〜6Hにそれぞれ設定するのが好まし
い。この硬度は、潤滑膜6の樹脂バインダーとふっ素系
合成樹脂との混合比や、焼成条件により適宜に管理する
ことができる。
【0025】次に、潤滑膜6の形成方法の一例を具体的
に説明する。
【0026】(a) 被覆対象相手(ねじ軸1)を脱脂
するとともに、被覆対象面にサンドブラストを施し、表
面粗さをRz5〜10μmとする。この処理により、被
覆対象面に対する潤滑膜6の付着力が高められるととも
に、耐圧性が高められる。
【0027】(b) 被覆対象面に、PTFE粉末とポ
リアミドイミド粉末とをN−メチル−2−ピロリドンで
溶かした流動体を複数回繰り返してスプレーする。これ
はいわゆるボンデッドフィルム法と呼ばれる塗布方法で
あり、前記各粉末がスプレー面にほぼ均等に拡散した状
態になる。なお、前述の流動体の成分比は、例えばPT
FE粉末5%、ポリアミドイミド粉末25%、N−メチ
ル−2−ピロリドン70%である。
【0028】(c) 前記スプレーした被膜を180℃
±10℃の温度で所定時間(約30分〜120分)加熱
焼成することにより定着させる。
【0029】なお、必要に応じて(b)、(c)を数回
繰り返し、最終的に潤滑膜6の膜厚を例えば5±2μm
とする。
【0030】次に、一定時間での発塵量、トルク、トル
ク寿命について試験を行った。その結果に基づき、表1
に相対比で示している。
【0031】試験に用いたボールねじAは、呼び番号1
404、7TS3、5C7で、ねじ軸1の軸径を14m
m、ボール3の径を2mm(3.5巻、1列)、リード
を3/16″(4.763mm)としている。
【0032】試験対象として、ねじ軸1の表面全面のみ
に潤滑膜6を被覆した実施例1と、ねじ軸1の表面全
面、ボールナット2の内周面全面およびサーキュラーチ
ューブ4の内面に潤滑膜6を被覆した実施例2と、ボー
ル3の表面全面のみに潤滑膜6を被覆した実施例3と、
ボール3の表面全面にAgからなる潤滑膜をイオンプレ
ーティング法により被覆した比較例1と、ボール3の表
面全面にPTFEテロマー(平均分子量5000以下)
からなる潤滑膜を被覆した比較例2との五種類とを用意
している。実施例1〜3の潤滑膜6の硬度は、JIS規
格K5400に基づく鉛筆引っかき値で「3H〜5H」
に、また、比較例1、2の潤滑膜の硬度は、「B」に設
定してある。実施例1〜3の潤滑膜の膜厚は、ねじ軸お
よびボールナットは5μm、サーキュレータチューブは
10μm、ボールは1μm以下に、また、比較例1の膜
厚は、0.3μm、比較例2の膜厚は、1μm以下に設
定してある。
【0033】試験は、図5に示す装置を用いている。図
中、60はボールねじAの支柱、61はボールねじAの
サポート軸受、62は負荷用ばね、63はパーティクル
カウンター、64はストレインゲージ、65はボールナ
ット2の移動案内用のレール、66はボールナット2の
スライドサポート軸受である。
【0034】発塵量は、試験装置の図示しないケース内
に存在する粒子径0.38μm以上の塵埃をパーティク
ルカウンター63で計測する。計測は10分間隔とす
る。前記ケース内雰囲気は大気中クラス10の清浄度
に、また環境温度は室温に設定される。試験条件とし
て、軸方向荷重をMax49N(5kgf)、ストロー
クを100mm、回転速度を315rpm、圧力を1P
a、計測時間を70時間としている。トルクは、ストレ
インゲージで計測する。トルク寿命とは、初期トルクの
約3倍になるまでの時間を言う。
【0035】なお、実施例4として、高温仕様のボール
ねじについても試験した。高温仕様ボールねじは、上述
のセラミックスあるいはSKH4、M−50材でねじ軸
1、ボールナット2、ボール3を形成し、潤滑膜6が焼
き付け温度300〜350℃で約90分の熱処理が施さ
れている。
【0036】
【表1】
【0037】このように、実施例1〜4と比較例1との
対比より、潤滑膜6を本実施例のように特定すれば、実
施例のほうが優れることが判る。なお、実施例1、2と
の対比より、潤滑膜をねじ軸1の表面全面のみに被覆す
るのが最も好ましいことが判る。これは、必要最小限の
潤滑成分を施しているため、摩耗粉の発生が少ないため
と考えられる。
【0038】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
ない。例えば、潤滑膜6は、ねじ軸1の少なくともボー
ル転動溝11、ボールナット2の少なくともボール転動
溝21およびボール3の表面の少なくともいずれかに被
覆すればよく、それら総てを本発明は含む。
【0039】但し、ボール3に潤滑膜6を被覆する場合
には、潤滑膜6の厚みを1μm前後にと薄く設定するの
が好ましい。これはボールねじAの組み立てを高精度に
行う上で重要なのである。つまり、ボールねじAの組み
立ては、一般的に、ねじ軸1とボールナット2の各加工
誤差を計測して、その加工誤差を相殺する径のボール3
を選択するようにしており、その関係から、ボール3の
径の誤差を小さくする必要がある。これに対して、潤滑
膜6の形成手法である前述のボンデッドフィルム法で
は、潤滑膜6の膜厚誤差が、得ようとする潤滑膜6の膜
厚に比例する。ゆえに、ボール3に被覆する潤滑膜6の
膜厚を薄く設定してボール3の径の誤差を小さく抑制す
るのが好ましいと考えている。
【0040】また、ステンレス鋼製のねじ軸1の表面全
面とステンレス鋼製のボールナット2の内周面全面とに
潤滑膜6を被覆したものと、セラミックス製のボール3
とを組み合わせれば、耐食性において優れたボールねじ
Aにできる。もちろん、ボールねじAにおいて、ねじ軸
1、ボールナット2、ボール3の総てをセラミックスで
形成してもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明では、特殊な潤滑膜を用いること
により潤滑膜の剥離を必要最小限に抑制できるようにし
ているから、発塵量を低減できるようになり、ボールね
じの使用環境を清浄に保つ上で効果を発揮するととも
に、潤滑膜の長寿命化が達成されるようになる。また、
潤滑膜が適度に硬質であるから、ボールの転動抵抗を軽
減できて、トルク低減に貢献できるようになる。
【0042】また、ねじ軸の外表面全面を上記潤滑膜で
被覆すれば、ハロゲン系腐食性ガス雰囲気中でもねじ軸
の腐食が防止される。なお、この際、ボールナットの露
出面をねじ軸と同様、潤滑膜で被覆すればなおよい。
【0043】さらに、上記潤滑膜は、比較的硬度なた
め、ボールをねじ軸およびボールナット間にある程度、
負隙間で配設することが可能となるためボールねじの高
精度化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボールねじの概略構成を示す縦断面
図。
【図2】図1のB部を拡大した断面図。
【図3】ボール転動溝の他の例を示す部分断面図。
【図4】シールの他の例を示す部分断面図。
【図5】試験装置の概略構成を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 ねじ軸 2 ボールナット 3 ボール 6 潤滑膜 11 ねじ軸のボール転動溝 21 ボールナットのボール転動溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊田 泰 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内 (72)発明者 土肥 孝彌 大阪府八尾市南植松町2丁目34番地 光洋 機械工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に螺旋状のボール転動溝を有する
    ねじ軸と、このねじ軸のボール転動溝に対向する螺旋状
    のボール転動溝を内周面に有するボールナットと、前記
    ねじ軸のボール転動溝と前記ボールナットとの間に転動
    自在に嵌合し前記ねじ軸と前記ボールナットの相対螺旋
    運動時に転動移動する多数のボールとを備えたボールね
    じであって、 前記ねじ軸、ボールナットおよびボールが耐食性を有す
    る材料で構成されているとともに、 前記ねじ軸の少なくともボール転動溝、ボールナットの
    少なくともボール転動溝およびボールの表面の少なくと
    もいずれかに、熱硬化性合成樹脂からなるバインダー中
    にふっ素系合成樹脂を分散混合した潤滑膜が被覆されて
    いる、ことを特徴とするボールねじ。
  2. 【請求項2】 前記ねじ軸のボール転動溝を含む外表面
    全面に前記潤滑膜が被覆されている、ことを特徴とする
    請求項1のボールねじ。
  3. 【請求項3】 前記ボールが負すきまにて前記ねじ軸お
    よびボールナット間に配設されている、ことを特徴とす
    る請求項1のボールねじ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103542056A (zh) * 2013-10-24 2014-01-29 南京工艺装备制造有限公司 一种滚珠螺母
WO2017138478A1 (ja) * 2016-02-08 2017-08-17 Ntn株式会社 直動機構及びクラッチ機構

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CN103542056A (zh) * 2013-10-24 2014-01-29 南京工艺装备制造有限公司 一种滚珠螺母
WO2017138478A1 (ja) * 2016-02-08 2017-08-17 Ntn株式会社 直動機構及びクラッチ機構

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