JPH0812144A - ウエブの製造方法および製造装置 - Google Patents

ウエブの製造方法および製造装置

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JPH0812144A
JPH0812144A JP6144622A JP14462294A JPH0812144A JP H0812144 A JPH0812144 A JP H0812144A JP 6144622 A JP6144622 A JP 6144622A JP 14462294 A JP14462294 A JP 14462294A JP H0812144 A JPH0812144 A JP H0812144A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 テンタクリップの把持位置を高精度、高応
答、高安定、かつ指定した把持量に制御しながらウエブ
を製造する方法および製造装置を提供すること。 【構成】 テンタクリップがウエブのエッジを把持す
る点におけるウエブ幅方向のテンタクリップの絶対位置
をクリップ位置センサにより検出し、テンタクリップが
ウエブのエッジを把持する点よりも上流におけるウエブ
幅方向のエッジの絶対位置をエッジ絶対位置センサおよ
びエッジセンサ位置センサにより検出し、この検出され
たエッジの絶対位置とクリップ位置センサ19により算
出したウエブ把持量が、把持量設定部で設定した把持量
と等しくなるようにウエブエッジ把持点でのテンタクリ
ップのウエブ幅方向の位置を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、布用幅出し機、プラ
スチックフィルム延伸機、フィルム幅出し機、2軸延伸
機等におけるテンタクリップの把持位置を制御しながら
プラスチックフィルムや布のウエブを製造する方法およ
び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、延伸フィルム製造における延
伸加工は、樹脂を融点以下の適当な温度で延伸して分子
と結晶に配向を与え、機械的強度の向上、光学的性質や
ガス透過性の改善等の未延伸時には得られない性質を付
与するものである。延伸方法は、フィルムを引き延ばす
方法とフィルム形態とにより幾つかに分類され、たとえ
ば、Tダイでフィルムを押出した後、同時二軸延伸装置
または逐次延伸装置により連続的に延伸するフラットフ
ィルム延伸法がある。逐次延伸装置は、ダイから押し出
されたフィルムを冷却ロールで固化させて延伸用原反と
し、この延伸原反を延伸温度まで加熱してロールにより
縦方向に延伸した後冷却し、次いで該当縦延伸したフィ
ルムの両端をテンタクリップで把持して横延伸装置に導
入し、加熱下で横方向に延伸し、引き続き緊張のまま適
当な温度で加熱処理して配向を固定した後両端の未延伸
部を除去して巻取機に巻き取るものである。
【0003】テンタクリップによるフィルムのエッジの
把持を行ないながらフィルムを製造する装置としては、
図5および図6に示すような構成のものが知られてい
る。図5において左右一対のテンタクリップ1は、それ
ぞれレール2上に相対して摺動可能に配設された一対の
クリップ台3上に取り付けられており、クリップ台3
は、テンタ入口部8a(図6)からテンタ出口部8bに
向かって所定の速度で移動し、テンタ出口部8bでウエ
アリング10により180°反転してテンタ入口部8a
に戻り、別のウエアリング9により再び反転するように
なっている。このような製造装置においては、上述のよ
うなテンタクリップ1をテンタ1台当たりたとえば50
0〜2500個程度使用してフィルムのエッジを把持し
ながらウエブ幅方向の延伸(横延伸)を行なう。クリッ
プ本体4は、クリップ台3に載置固定されており、クリ
ップベース30からアーチ形に起立した起立部を有し、
当該起立部の上端には、支軸5によりクリップレバー6
の略中央部が回動可能に軸支されている。
【0004】クリップレバー6は、クリップレバー上部
31とクリップ本体4との間に張設されたスプリング1
2のばね力により実線で示す位置に回動され、クリップ
レバー下部32のクリップレバーエッジ33とクリップ
ベース30に配設されたライナ7との間でフィルム11
の両側端部(以下「エッジ」という。)を把持するよう
になっている。また、テンタ出口部8b、テンタ入口部
8aにはクリップオープナ34、36、クリップクロー
ザ35、37が設けられている。
【0005】フィルム11は、左右両エッジがクリップ
レバーエッジ33とライナ7との間に把持され、レール
2上を摺動するクリップ台3と共に移動し、テンタ8を
通過する間に横(左右)に所定の倍率に延伸される。左
右のクリップレバー6は、各クリップレバー上部31が
テンタ出口部8bのクリップオープナ34およびウエア
リング10に接触するとスプリング12のばね力に抗し
て図5の2点鎖線のように回動し、フィルム11の両エ
ッジの把持を解除し、当該フィルム11を次工程に送り
出す。
【0006】次いで、左右のテンタクリップ1がそれぞ
れ180°方向転換し、クリップレバー上部31がウエ
アリング10およびクリップクローザ35に接触する
と、これらのクリップレバー6がスプリング12のばね
力により図5の実線の位置に回動復帰する。一方、テン
タ入口部8aにおいてクリップレバー6は、クリップレ
バー上部31がクリップオープナ36とウエアリング9
とにより図5の2点鎖線の位置まで回動され、次いで、
クリップレバー上部31がクリップクローザ37と接触
すると、再び実線で示す位置に復帰してフィルム11の
両エッジを把持する。
【0007】ところで、フィルム11がテンタ8へ搬送
される途中で蛇行したり、長手方向で幅が変化した場
合、テンタ入口部8aの左右のテンタクリップの間隔が
一定であると正しくフィルム11のエッジを把持するこ
とが出来なくなり、この結果、フィルム11が破れた
り、場合によっては装置に巻き込まれて故障の原因とな
る。
【0008】そこで、テンタ入口部8aすなわち、左右
のウエアリング9、クリップオープナ36、クリップク
ローザ37および入口部のレール2をそれぞれ回動軸1
6を中心として回動可能なセルベージガイダ15上に設
置し、テンタ入口部8aの左右のテンタクリップの間隔
を調整できるようになっている。さらに各セルベージガ
イダ15のフィルム11がオープン状態のテンタクリッ
プ1のクリップレバー6とライナ7との間に把持される
直前位置にエッジ相対位置センサ17を配設して常時フ
ィルム11のエッジとセルベージガイダ15との相対位
置関係を監視し、当該フィルム11の幅が狭くなったと
きには左右のセルベージガイダ15を内側に回動させ、
フィルム11の幅が広くなったときにはセルベージガイ
ダ15を外側に回動させ、左右のテンタクリップ1が常
にフィルム11の左右のエッジを正しく把持するように
制御している(このような制御方式を「相対位置制御」
と呼ぶ)。なお、エッジ相対位置センサとしては、上方
から下方に向かってエアを吹き出し、受けるエア圧によ
りフィルムエッジの有無を判別するエア式センサ、ある
は同様にして超音波を使用する超音波式センサが採用さ
れている。また、従来制御のセンサとしてレーザー式や
CCD型が使用されている。
【0009】この従来のウエブの製造装置は、エッジ相
対位置センサ17自体もセルベージガイダ15と共に動
くために、フィルム11の幅、エッジの絶対位置を測定
しなくとも、自己調律的に常にエッジセンサ17の中央
にフィルムエッジが位置するように制御することができ
るという利点がある。
【0010】しかしながら、本発明者らは、このような
従来のウエブの製造装置あるいは製造方法が以下のよう
な制御の不安定性を有していることを見出した。すなわ
ち、セルベージガイダ15は回動軸16を中心としてテ
ンタ入り口側部分を回動させるため、フィルムエッジを
正確に把持すべくセルベージガイダ15を回動してエッ
ジ相対位置センサ17の中心がフィルムエッジ位置に一
致するようにすると、すでにフィルムエッジを把持して
走行していたテンタクリップのうちエッジ相対位置セン
サ17と回動軸との中間部分(以下「回動軸上流部」と
略す)にあるものも同時に移動する。このため、制御に
よりテンタクリップがフィルムエッジを把持すべく内側
に向かって移動すると回動軸上流部のエッジがさらに内
側に逃げ、反対に外側に向かってクリップが移動すると
回動軸上流部のエッジが更に外側に逃げるという、好ま
しくない正のフィードバックが発生する。このような場
合、はじめテンタクリップが内側に向かって移動する
と、回動軸上流部のエッジが内側に逃げ、するとテンタ
クリップはさらに内側に移動し、という動作をくり返し
た後ある程度まで内側に移動すると今度はテンタクリッ
プが外側に移動し、回動軸上流部のエッジが外側に逃
げ、またテンタクリップがさらに外側に移動するという
ような振動的なテンタクリップ位置の変動が発生する。
このような振動の周波数は、エッジ相対位置センサ17
からセルベージガイダ15の駆動部に至る系の固有振動
数と一致する。
【0011】このような正のフィードバックを有する制
御系では、ゲインを高くすると、系の固有振動数と一致
する周波数で系が発振してハンチングを起こす危険性を
はらんでいる。そのため、たとえばエッジ相対位置セン
サの感度を極端に低くした不感帯を設けたり、制御系全
体のゲインを低くせざるをえなかった。これにより、制
御系の応答が遅くなりフィルム幅の変化に追従できない
ためフィルムが破れるなどの不良発生の原因となってい
た。とくに、制御系全体のゲインを極端に低くしたくな
い場合は、制御のロック状態の前後でエッジ相対位置セ
ンサに不感帯を設けるが、このような場合は実質的に2
値制御となるため、滑らかな制御を行なうことができな
かった。
【0012】また、テンタ8内を搬送されるフィルム1
1においてテンタクリップの把持量はたとえば18mm
程度となるように固定されていた。ところが、フィルム
の品種によっては延伸倍率などの条件が異なるため、最
適な把持量も異なる。把持量が最適値でない場合、たと
えば把持量が小さ過ぎるとテンタ内でのクリップ外れの
原因となり、また把持量が大き過ぎるとフィルムの幅方
向への過剰な延伸のためフィルム破れを引き起こす場合
もあった。フィルム破れに至らなくても、フィルム把持
量が必要以上に大きい場合には屑として廃棄される部分
が増加していた。また、いったんフィルム破れが発生す
ると、それまでに巻き取った製品がすべて不良となり、
その上、生産が復旧するまでに時間とその間の原料の無
駄とが生じ、生産性を著しく低下させる原因となってい
た。
【0013】そのため、特に品種を頻繁に変更しながら
フィルムを製造するに際しては、テンタクリップのフィ
ルムエッジ把持量の不良によるトラブルの発生が避けら
れなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述の点に
鑑みてなされたもので、テンタクリップの把持位置を高
精度に、応答性良く、安定に、かつ設定した把持量に制
御しながらウエブを製造する方法およびウエブの製造装
置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の骨子は以下のとおりである。
【0016】本発明のウエブの製造方法は、走行中のウ
エブのエッジのテンタクリップによる把持点における該
テンタクリップのウエブ幅方向の絶対位置を検出し、前
記把持点の上流における前記ウエブのエッジのウエブ幅
方向の絶対位置を検出し、検出された前記テンタクリッ
プのウエブ幅方向の絶対位置と前記ウエブのエッジのウ
エブ幅方向の絶対位置とから前記把持点における前記テ
ンタクリップのウエブ把持量を求め、該ウエブ把持量が
あらかじめ設定された所定のウエブ把持量に等しくなる
ように前記テンタクリップの位置を制御しながら前記テ
ンタクリップによりウエブをウエブ幅方向に延伸するこ
とを特徴としている。
【0017】また、本発明のウエブの製造方法の別の態
様は、走行中のウエブのエッジのテンタクリップによる
把持点近傍における該テンタクリップに対する前記ウエ
ブのエッジのウエブ幅方向の相対位置を検出し、該相対
位置から前記テンタクリップのウエブ把持量を求め、該
ウエブ把持量があらかじめ設定された所定のウエブ把持
量に等しくなるように前記テンタクリップの位置を制御
しながら前記テンタクリップによりウエブをウエブ幅方
向に延伸し、しかる後に、前記相対位置の検出に代えて
前記把持点における前記テンタクリップのウエブ幅方向
の絶対位置と前記把持点の上流における前記ウエブのエ
ッジのウエブ幅方向の絶対位置とを検出し、検出された
前記テンタクリップのウエブ幅方向の絶対位置と前記ウ
エブのエッジの絶対位置とから前記把持点における前記
テンタクリップのウエブ把持量を求め、該ウエブ把持量
が前記所定のウエブ把持量に等しくなるように前記テン
タクリップの位置を制御しながら前記テンタクリップに
よりウエブをウエブ幅方向に延伸することを特徴として
いる。
【0018】また、本発明のウエブの製造方法の好まし
い態様は、前記ウエブのエッジのウエブ幅方向の絶対位
置の検出に際し、ウエブ幅方向に移動可能なエッジセン
サと該エッジセンサのウエブ幅方向の位置を検出するエ
ッジセンサ位置検出手段とから構成されてなる前記エッ
ジの絶対位置の検出手段により前記ウエブのエッジのウ
エブ幅方向の絶対位置を検出することを特徴としてい
る。
【0019】また、本発明のウエブの製造方法の好まし
い態様は、前記エッジの絶対位置の検出手段は、さらに
前記エッジセンサを移動せしめる動力を有するものであ
ることを特徴としている。
【0020】また、本発明のウエブの製造装置は、テン
タクリップと、走行中のウエブのエッジの該テンタクリ
ップによる把持点における該テンタクリップのウエブ幅
方向の絶対位置の検出手段と、前記把持点の上流におけ
る前記ウエブのエッジのウエブ幅方向の絶対位置の検出
手段と、前記テンタクリップのウエブ幅方向の絶対位置
の検出手段の検出出力と前記ウエブのエッジのウエブ幅
方向の絶対位置の検出手段の検出出力とから前記把持点
における前記テンタクリップのウエブ把持量を求めるウ
エブ把持量算出手段と、ウエブ把持量を設定するウエブ
把持量設定手段と、前記ウエブ把持量算出手段により算
出されたウエブ把持量が前記ウエブ把持量設定手段によ
り設定されたウエブ把持量に等しくなるように前記テン
タクリップの位置を制御するテンタクリップ位置制御手
段とからなることを特徴としている。
【0021】また、本発明のウエブの製造装置の別の態
様は、テンタクリップと、走行中のウエブのエッジの該
テンタクリップによる把持点近傍における該テンタクリ
ップに対する前記エッジのウエブ幅方向の相対位置の検
出手段と、該エッジのウエブ幅方向の相対位置の検出手
段の検出出力から前記把持点における前記テンタクリッ
プのウエブ把持量を算出する第1のウエブ把持量算出手
段と、前記ウエブのエッジのテンタクリップによる把持
点における該テンタクリップのウエブ幅方向の絶対位置
の検出手段と、前記把持点の上流における前記ウエブの
エッジのウエブ幅方向の絶対位置の検出手段と、前記テ
ンタクリップのウエブ幅方向の絶対位置の検出手段の検
出出力と前記ウエブのエッジのウエブ幅方向の絶対位置
の検出手段の検出出力とから前記把持点における前記テ
ンタクリップのウエブ把持量を求める第2のウエブ把持
量算出手段と、前記第1のウエブ把持量算出手段の出力
および前記第2のウエブ把持量検出手段の出力のうち一
方を選択的に伝達するウエブ把持量伝達手段と、ウエブ
把持量を設定するウエブ把持量設定手段と、前記ウエブ
把持量伝達手段により伝達されたウエブ把持量が前記ウ
エブ把持量設定手段により設定されたウエブ把持量に等
しくなるように前記テンタクリップの位置を制御する制
御手段とからなることを特徴としている。
【0022】また、本発明のウエブの製造装置の好まし
い態様は、前記ウエブのエッジのウエブ幅方向の絶対位
置の検出手段は、ウエブ幅方向に移動可能なエッジセン
サと該エッジセンサのウエブ幅方向の位置を検出するエ
ッジセンサ位置検出手段とから構成されてなることを特
徴としている。
【0023】また、本発明のウエブの製造装置の好まし
い態様は、前記ウエブのエッジのウエブ幅方向の絶対位
置の検出手段は、さらに前記エッジセンサを移動せしめ
る動力を有するものであることを特徴としている。
【0024】また、本発明のウエブの製造装置の好まし
い態様は、さらに、前記エッジ絶対位置センサと前記把
持点とのウエブ走行方向の位置の差に基づくウエブ把持
量の補正手段を備えたことを特徴としている。
【0025】
【作用】本発明のウエブの製造方法によれば、ウエブの
エッジの絶対位置をセルベージガイダの回動による影響
のない上流側で検出し、テンタクリップの絶対位置を検
出し、これらの検出結果に基づいてテンタクリップによ
るウエブの把持量を制御するため、制御に好ましくない
正のフィードバックが発生しない。
【0026】また、本発明のウエブの製造方法によれ
ば、ウエブのエッジの絶対位置とテンタクリップの絶対
位置とを検出してテンタクリップによる把持量を求め、
またはウエブのエッジのテンタクリップに対する相対位
置を検出してテンタクリップによる把持量を求め、求め
られた把持量をあらかじめ設定された把持量と等しくな
るように制御するため、自由にテンタクリップによるウ
エブの把持量を定めることができる。
【0027】また、本発明のウエブの製造方法の好まし
い態様によれば、ウエブのエッジの絶対位置を、ウエブ
幅方向に移動可能なエッジセンサとエッジセンサのウエ
ブ幅方向の位置を検出するエッジセンサ位置検出手段と
から構成されたエッジの絶対位置の検出手段により検出
するため、ウエブのエッジの絶対位置の測定をウエブ幅
方向の任意の位置で行なうことができる。
【0028】以下、本発明のウエブの一実施態様を、ウ
エブとしてプラスチックフィルムを横延伸しながら製造
する工程を例にとり、図面に基づいて詳述する。
【0029】まず、本実施態様で用いるウエブの製造装
置の構成について説明する。
【0030】図1においてテンタ入口部8aすなわち、
左右のウエアリング9、クリップオープナ36、クリッ
プクローザ37および入口部のレール(図示せず)は、
それぞれセルベージガイダ15上に設置され、これらの
セルベージガイダ15は、それぞれ回動軸16を中心と
して回動可能とされテンタ入口部8aの間隔を調整可能
にしている。各セルベージガイダ15のフィルム11が
オープン状態のテンタクリップ1のクリップレバー6と
ライナ7との間に把持される直前位置に、ウエブエッジ
相対位置を検出するエッジ相対位置センサ17が配設さ
れている。このエッジ相対位置センサ17は、前述した
ようにエア式、超音波式センサがある。あるいは、レー
ザスキャン方式、あるはCCDカメラ方式等を使用する
こともできる。
【0031】エッジ絶対位置センサ18は、左右のセル
ベージガイダ15の上流側すなわち、テンタクリップが
ウエブエッジを把持する点よりも上流で、かつ、これら
のセルベージガイダ15の回動によりフィルム11の幅
が変化する影響が所定寸法(たとえば、1mm)以下で
ある位置(たとえば、把持点から1〜5m程度上流)に
配設されている。これらのエッジ絶対位置センサ18
は、ウエブ幅方向に移動可能なエッジセンサ移動台14
に載置されている。エッジセンサ移動台14に載置され
たエッジ絶対位置センサ18のウエブ幅方向の絶対位置
はエッジセンサ位置センサ20により検出される。した
がって、ウエブ幅方向のエッジの絶対位置は、エッジ絶
対位置センサ18およびエッジセンサ位置センサ20の
組み合わせにより検出することができる。このようにエ
ッジセンサ移動台14を用いるのは、高い測定精度を求
められるエッジ絶対位置検出用のセンサは検出可能範囲
が数十mm程度と狭く、これだけでは、品種により異な
る延伸前のフィルムの幅に十分対応できないためであ
る。このような構成は、ウエブの品種の変更に柔軟に対
応でき、しかも高い測定精度を維持することができるた
め好ましい。また、エッジセンサ移動台14は、品種変
更の際に自動的に設定した位置にエッジ絶対位置センサ
18を移動できるように、動力を備えているのが好まし
い。また、この動力の追従性が高ければ、ウエブ製造中
のウエブ幅の変動がエッジ絶対位置センサ18の検出可
能範囲を越える場合でも精度良くウエブのエッジ位置を
検出できるため好ましい。
【0032】エッジ絶対位置センサ18としては、超音
波式や光学式などの非接触式のものが好ましく用いられ
る。特にレーザスキャン方式、CCDカメラ方式などの
光学的なセンサが好ましい。また、透明なプラスチック
フィルム等のエッジを測定する際には、フィルムの偏光
特性を利用して光源として偏光したものを利用すること
より確実に検出することができ好ましい。また、エッジ
センサ位置センサ20としては、エッジセンサ移動台1
4のウエブ幅方向の位置を検出するもので接触式、非接
触式を問わず原理は何でも良く、レーザ式変位計、超音
波式変位計、組込式ポテンショメーター等を使用するこ
とが可能である。検出範囲を広くとるためにはポテンシ
ョメーターが好ましい。また、追従性を高める場合には
光学式などが好ましい。
【0033】左右のセルベージガイダ15の台部分(鉛
直下方部分)にはクリップ位置センサ19が配置されて
いる。これらのクリップ位置センサ19は、セルベージ
ガイダ15の位置すなわち、テンタクリップのウエブ把
持点のウエブ幅方向の絶対位置を検出するものである。
このクリップ位置センサ19としては、前記エッジセン
サ位置センサ20と同様、接触式、非接触式を問わず原
理は何でも良く、レーザ式変位計、超音波式変位計、組
込式ポテンショメーター等を使用することが可能であ
る。また、クリップ位置センサ19の追従性や検出範囲
の特性はエッジセンサ位置センサ20と同様とするのが
好ましく、これらのセンサは同種のものを使用するのが
好ましい。
【0034】把持量の設定は、操作部(図示せず)に設
置したウエブの両側それぞれの把持量を設定する把持量
設定部21で行なう。把持量設定部21には、たとえば
サムホイールスイッチまたはディップスイッチ等が好ま
しく用いられる。また、コンピュータ等の画面を用いて
キーボード等から設定できるようにしてもよい。把持量
の設定は、たとえば0.1mm単位の3桁の数値などで
表現するのが好ましい。この設定は制御部23へ伝達さ
れる。
【0035】制御部23の出力は、エッジ相対位置セン
サ17を用いた相対位置制御またはエッジ絶対位置セン
サ18を用いた絶対位置制御の制御信号の一方を出力す
る。この切替は、操作部に備えた制御切替部22の出力
により、制御部3の切替スイッチ25、28を動作させ
て行なう。切替信号22には、たとえば接点信号を用
い、接点が閉じたとき絶対位置制御を選択し、接点が開
いたとき相対位置制御を選択するようにしてある。この
切替は製造プロセスの様子によりオペレータが手動で行
なってもよく、自動的に切り替えられるものであっても
よい。
【0036】なお、各信号の符号の向きは、たとえば、
エッジ絶対位置センサ18の出力はウエブ外側から中央
に向かう向きを正、クリップ位置センサ19およびエッ
ジセンサ位置センサ20の出力はウエブの中央から外側
に向かう向きを正、把持量設定部21の出力は把持する
量(常に正値)が増加する向きを正と定義し、エッジ位
置とテンタクリップ位置との偏差を検出するエッジ相対
位置センサ17はウエブエッジがセンサの位置検出範囲
の中央部にあるときの把持量を基準にして、把持量が増
加する向きを正、減少する向きを負と定義する。この場
合、正の制御信号をセルベージガイダ駆動部に加えると
セルベージガイダは、ウエブ中央から外側に移動する。
【0037】これらセンサ等の信号は、図2に示したよ
うに制御部23に接続されている。この制御部23は、
たとえば、PID制御回路(偏差に比例した信号を出す
比例動作(P動作)、残留偏差を除くための信号を出す
積分動作(I動作)および応答を速やかにするための微
分動作(D動作)を行なう制御回路)などを主体とする
ものである。
【0038】制御方式は、上述のようにエッジ絶対位置
に基づく絶対位置制御と、エッジ相対位置に基づく相対
位置制御に切り替えられる。エッジ絶対位置に基づく制
御を行なう場合は、エッジ絶対位置センサ18とエッジ
センサ位置センサ20の各信号の和とクリップ位置セン
サ19の出力との差分信号(テンタクリップによるウエ
ブエッジの把持量の測定値に相当)から把持量設定部2
1の出力を減算した値を制御誤差信号とする。(なお、
この制御誤差信号の演算は、クリップ位置センサ19と
エッジセンサ位置センサ20のセンサの種類が同一の場
合は図2に示したようにこれらの差信号を先に演算し、
この差信号とエッジ絶対位置センサ18の信号の差を演
算して求めるのが好ましい。これは同種のセンサの出力
レベルはそろっているため、差分演算器24などの回路
のノイズの影響を低減でき、きめ細かい制御が可能とな
るためである。)これに対し、エッジ相対位置に基づく
場合は、エッジ相対位置センサ17の出力信号を把持量
の測定値として用い、この信号から把持量設定部21の
出力を減算した値を制御誤差信号とする。この制御方法
の切替は上述の通り制御切替部22の信号に基づいて行
なう。この制御誤差信号をPIDコントローラ26に与
えて、その出力をセルベージガイダ駆動部(図示せず)
に加えて左右の左右のセルベージガイダ15を駆動する
が、絶対位置制御の場合はPIDコントローラ26の信
号をいったん進み遅れ補償回路に与える。これは、エッ
ジ絶対位置センサ18がクリップ位置センサ19よりも
上流側にあるための伝達関数の変化を補償するためであ
る。
【0039】また、絶対位置制御を行なうときのテンタ
クリップによる把持量の表示は、たとえば図3に示した
ように制御部23の一部を利用し、遅延回路29のよう
なウエブ把持量の補正手段を用いて行なってもよい。ク
リップ位置センサ19、エッジセンサ位置センサ20
は、それぞれ入力端子23b、23cを介して差分演算
器24aの+入力端子、−入力端子に接続され差分演算
を行なう。エッジ絶対位置センサ18は入力端子23a
を介して遅延回路29の入力端子に接続され、遅延回路
29では入力波形をほとんど変化させることなく所定の
遅延時間だけ遅らせ、遅延回路29の出力端子は差分演
算器24dの−入力端子に接続している。遅延時間は、
エッジ絶対位置センサ18とクリップ把持点との距離を
フィルム速度で除して決まる時間から、エッジ絶対位置
センサ18と遅延回路29の入力までの間の信号伝達に
要する時間を引いた時間に設定する。差分演算器24a
の出力端子は差分演算器24dの+入力端子に接続さ
れ、差分演算器24dによりクリップ把持点での実際の
把持量(「実エッジ把持量」と呼ぶ。)の測定値が求め
られる。把持量の表示にはこの実噛み込み量を用いるの
が好ましい。また、セルベージガイダ15の制御におい
ても、エッジ絶対位置センサ18の位置が把持点よりも
遠い上流(たとえば、5m以上)にあるときは、このよ
うな実エッジ把持量を把持量の測定値として用いるのが
好ましい。
【0040】次に、図1および図2により上記のウエブ
の製造装置の動作について説明する。
【0041】フィルム11は、上流の工程において幅広
の長尺物として搬送され、テンタ入口部8aに到達す
る。テンタ入口部8aでは、周回駆動されている左右の
テンタクリップ1(図6)により前述したようにフィル
ム11の左右両側のエッジが把持され、当該テンタ8内
で熱処理、拡幅等の各処理が実施される。このときフィ
ルム11の搬送(走行)経路に配設固定された左右のエ
ッジ絶対位置センサ18およびエッジセンサ位置センサ
20によりフィルムエッジの絶対位置が検出され、次い
でセルベージガイダ15に配設固定された左右のエッジ
相対位置センサ17により当該フィルムエッジのクリッ
プ把持点に対する相対位置が検出される。また、クリッ
プ位置センサ19により左右のセルベージガイダ15の
位置すなわち、左右のクリップ把持点の絶対位置が検出
される。これらの各センサにより検出された信号は、制
御部23に伝送される。
【0042】制御部23においては、フィルム生産開始
直後や、工程条件が不安定な時には切替スイッチ25、
28を接点25b、28b側に切り替えておく。すなわ
ち、生産開始直後は、増速して所定のライン速度に達す
るまでフィルム11の幅が大きく変化し、また、工程条
件が不安定な時にもフィルム11が蛇行したり、あるは
幅が大きく変化したりする。このようなときにはクリッ
プ位置センサ19、エッジ絶対位置センサ18の位置検
出範囲内にフィルム11、セルベージガイダ15が存在
しない場合があり、制御不能に陥る可能性がある。一
方、エッジ相対位置センサ17は、相対位置検出である
ためにこのような危険はなく、フィルムエッジを把持す
ることができる。
【0043】エッジ相対位置センサ17から出力された
信号は、制御部23の入力端子23eから切替スイッチ
25を介してテンタクリップのエッジ把持点とフィルム
エッジとの相対位置が偏差信号としてPIDコントロー
ラ26に入力される。PIDコントローラ26は、この
入力信号を所定の制御定数により演算して制御信号と
し、切替スイッチ28を経て出力端子23gから出力す
る。この制御信号は、セルベージガイダ駆動部(図示せ
ず)に加えられ、エッジ相対位置センサ17の出力信号
が負すなわち、フィルムエッジが把持点から逃げる傾向
にある場合には左右のセルベージガイダ15を内側に回
動させ、前記信号が正すなわち、フィルムエッジを深く
把持する傾向がある場合にはセルベージガイダ15を外
側に回動させて、フィルムエッジを把持する。
【0044】このとき、セルベージガイダ15がエッジ
相対位置センサ17の信号をもとに回動軸を中心として
テンタ入り口側部分を回動させる。フィルムエッジを正
確に把持しようとセルベージガイダ15を回動してエッ
ジ相対位置センサ17の中心が設定されたフィルムエッ
ジ近傍の位置になるように移動すると、すでにフィルム
エッジを把持して走行していた回動軸上流部のクリップ
も同時に移動することとなる。このためクリップがフィ
ルムエッジを把持すべく内側に向かって移動すると回動
軸の上流部のエッジが更に内側に逃げ、反対に外側に向
かってクリップが移動すると回動軸上流部のエッジをさ
らに外側に引っ張ることとなり、この回動軸上流部のエ
ッジ変動によって、テンタ入口部8aにおけるフィルム
11の幅を若干変化させてしまう。これは上述した相対
値制御の欠点であり、これを避けるために、たとえばエ
ッジ相対位置センサ17の出力に不感帯を設るか制御系
のゲインを小さくして制御を安定化しなければならな
い。
【0045】上記のような対策を講じれば、制御不能に
陥ることはないが、滑らかな制御ができず、好ましい状
態ではない。そこで、生産工程の増速が済み、所定のラ
イン速度に達し、かつ工程条件が安定した後、制御切替
部22により制御部23の切替スイッチ25、28を接
点25a、28a側に切り替えて、制御を絶対位置制御
に移す。なお、切替スイッチ25、28を切り替える前
にクリップ位置センサ19、エッジ絶対位置センサ1
8、エッジセンサ位置センサ20、把持量設定部21の
測定レンジを合わせておく。この制御の遷移はフィルム
幅などに基づいて自動的に行なわれてもよく、手動によ
ってもよい。
【0046】制御部23の切替スイッチ25、28が接
点25a、28a側に切り替えられると、クリップ位置
センサ19、エッジ絶対位置センサ18、エッジセンサ
位置センサ20、把持量設定部21からの信号が差分演
算器24a〜cに入力され、それらの演算に応じた信号
が切替スイッチ25を介してPIDコントローラ26に
入力される。PIDコントローラ26は、この入力信号
を前記所定の制御定数により演算して制御信号として出
力する。この制御信号は、さらに進み遅れ補償回路27
において所定の時間だけ進み遅れが補償された後、切替
スイッチ28を経て出力端子23gから制御信号として
出力される。また、上記制御定数は絶対位置制御の場合
は制御系のゲインを高めるように設定してもよい。
【0047】この制御部23から出力される制御信号
は、前記セルベージガイダ駆動部に加えられ、差分演算
器24cの出力が正すなわち、エッジ絶対位置センサ1
8とエッジセンサ位置センサ20から求めたエッジの絶
対位置の信号レベルからクリップ位置検出センサ19の
出力信号レベルを減算して求めた測定上の把持量から、
把持設定部21の出力を減算して求めた制御信号が正の
時は左右のセルベージガイダ15を外側に回動させ、反
対に差分演算器24cの出力が負の時はセルベージガイ
ダ15を内側に回動させて、常に正確な位置でフィルム
エッジを把持する。
【0048】このときセルベージガイダ15の回動によ
りすでにウエブエッジを把持しているテンタクリップも
共に動くことになり、テンタ入口部8aにおけるフィル
ム11の幅を若干変化させてしまう。この幅の変化はフ
ィルム上流部に向かうにつれて徐々に影響が小さくな
る。エッジ絶対位置センサ18は、フィルム11の幅変
化の影響がほとんどない上流側に設置してあるために、
上述の相対位置制御の場合のような好ましくない正のフ
ィードバックが制御系にかからない。これにより、制御
系のゲインを十分高めることができ、またセンサに不感
帯を設ける必要がなく、高精度、高安定にクリップ把持
位置を制御することができる。
【0049】なお、エッジ絶対位置センサ18の位置検
出範囲が十分広い場合は、上記のように相対位置制御と
絶対位置制御を切り替えるのではなく、最初から絶対位
置制御を用いるのが好ましい。
【0050】ウエブ把持量を把持量設定部21により自
由に設定でき、ウエブの品種の変更に対して柔軟に対応
できる。また、エッジ絶対位置センサ18とエッジセン
サ移動台14を組み合わせてエッジ絶対位置の位置検出
範囲を広めることと組み合わせれば、さらに広い範囲の
品種に対応でき、好ましい。
【0051】本発明において、ウエブとは織物やプラス
チックフィルムなどのシート状物を指す。特にプラスチ
ックフィルムが本発明の適用対象として好適である。
【0052】本発明において、ウエブ把持量の算出手段
としては、アナログまたはディジタルの電子回路による
演算増幅器などの組み合わせや、アナログまたはディジ
タルのコンピュータなどが好ましく用いられる。
【0053】また、本発明においてウエブ把持量設定手
段としては、アナログまたはディジタルの電子回路の電
圧あるいは電流出力、またはこの出力をディップスイッ
チ等のスイッチ類や可変抵抗器により調節するものな
ど、簡単に設定値を設定できるものならば何でもよい。
また、ウエブの走行中に動的に設定値を変更できるもの
であってもよい。また、コンピュータなどの出力を利用
して品種ごとに自動設定するものも好ましく用いられ
る。
【0054】また、本発明においてテンタクリップ位置
制御手段としては、アナログまたはディジタルの電子回
路を用いた制御信号処理部と、制御信号処理部の出力に
基づいてセルベージガイダを駆動するセルベージガイダ
駆動部からなるものが好ましく用いられる。制御方法と
しては、上述したPID制御のほかPI制御やPD制御
などのアナログ制御や、ディジタル制御が好ましく用い
られる。また、伝達関数が簡単ならば機械式制御でもよ
い。
【0055】
【実施例】以下に、本発明のウエブの製造方法および製
造装置の実施例について説明する。
【0056】図1の構成のウエブの製造装置を用い、フ
ィルム11として膜厚13μm、幅2mのポリエステル
フィルムを使用し、フィルム速度120m/minで搬
送し、エッジ相対位置センサ17として超音波式センサ
を、エッジ絶対位置センサ18としてレーザスキャン方
式の変位測定器を、クリップ位置センサ19およびエッ
ジセンサ位置センサ20としてポテンショメーターを使
用して前記制御を行ないながら横延伸フィルムを製造し
た。把持量の設定は14mmとした。
【0057】この結果、エッジ相対位置センサ17を用
いた従来の相対位置制御からエッジ絶対位置センサ18
に切り換えて絶対位置制御に制御を移したときのエッジ
絶対位置センサ18およびクリップ位置センサ19の信
号およびこれらの信号から得たテンタクリップ1のウエ
ブ把持量を図4に示す。
【0058】図4において、(a)はフィルムのエッジ
絶対位置を、(b)はセルベージガイダ位置の変位すな
わち、クリップ位置を、(c)は両者のセンサのウエブ
走行方向の位置の差に基づく時間差を補正した上の差分
信号である実際のウエブ把持量(実エッジ把持量)を表
す。中央部の破線の時刻に制御方式を従来の制御装置に
よる制御(左側)から本発明の制御装置による制御(右
側)に切り替えた。
【0059】(a)はフィルムエッジ位置であるから変
位の変化の様子は制御方式の切替前後で特徴的な変化は
見られないのに対して、(b)が示すクリップ位置の変
位は、制御切替前の従来の制御方式(相対位置制御)で
はフィルムエッジの位置の動きに比べて概略の追従しか
できず、(a)の細かい動きには一定勾配の単調な変位
を示したところもある。これは、制御が発振しないよう
に設定したエッジ相対位置センサの不感帯の影響とみら
れる。また、(a)に示すエッジ位置が大きく変化した
ときには(b)のクリップ位置はその方向に大きく変位
するものの、固有振動によるハンチングが発生してい
る。また、(c)では、クリップ位置の追従性の悪さか
ら実把持量は大きく設定値から外れて変動している。
【0060】一方、制御切替後の絶対位置制御では
(a)のフィルムエッジの変化に対して、(b)のクリ
ップ変位はほぼ正確に追従しており、ハンチングによる
振動現象もなくなった。また、(c)の実把持量は設定
値を中心に変動幅が小さくなり、高精度、高応答、高安
定でしかも設定した把持量に正確に一致するようにクリ
ップ把持位置を制御することが可能となった。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、テ
ンタクリップ位置の制御に際して、ウエブのエッジとテ
ンタクリップの絶対位置に基づいて制御を行ないながら
ウエブを製造するため、好ましくない正のフィードバッ
クが制御に発生せず、高精度で追従性の高い滑らかな制
御を実現することができる。これにより、従来の相対位
置制御では不可避であったクリップミスになどフィルム
破れなどのウエブの損傷が大幅に減少し、収率向上に大
きく寄与するとともに、セルベージガイダ駆動部の機械
的寿命が延び、保守費用の低減を図ることができる等の
優れた効果がある。
【0062】また、テンタクリップによるウエブ把持量
を設定を可能としたためウエブの品種の変更にも柔軟に
対応することが可能になる。また、エッジの絶対位置検
出の際、エッジ絶対位置センサと、エッジセンサ位置セ
ンサを組合せることによって、さらに対応可能な範囲が
広がる。これによりエッジ部のフィルム屑を無駄に増大
することなくまた、延伸工程の安定性が増し破れが減少
することから、歩留まりと生産性が向上する。
【0063】また、このエッジ絶対位置センサを動力を
用いて移動させることでより容易にウエブ幅の変更が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエブの製造装置の一実施態様を示す
概略図である。
【図2】本発明のウエブの製造装置の制御部の一実施態
様を示すブロック図である。
【図3】図2の制御部の一部で把持量の表示出力に関す
る一実施態様を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施例における各測定値の変動の結
果を示すグラフである。
【図5】従来のテンタの断面の一部である。
【図6】図5のテンタの平面図である。
【符号の説明】
1:テンタクリップ 2:レール 3:クリップ台 4:クリップ本体 5:支軸 6:クリップレバー 7:ライナ 8:テンタ 8a:テンタ入口部 8b:テンタ出口部 9:ウエアリング 10:ウエアリング 11:フィルム 12:スプリング 14:エッジセンサ移動台 15:セルベージガイダ 16:回動軸 17:エッジ相対位置センサ 18:エッジ絶対位置センサ 19:クリップ位置センサ 20:エッジセンサ位置センサ 21:把持量設定部 22:制御切替部 23:制御部 23a:入力端子 23b:入力端子 23c:入力端子 23d:入力端子 23e:入力端子 23f:入力端子 24:差分演算器 25:切替スイッチ 25a:接点 25b:接点 26:PIDコントローラ 27:進み遅れ補償回路 28:切替スイッチ 28a:接点 28b:接点 30:クリップベース 31:クリップレバー上部 32:クリップレバー下部 33:クリップレバーエッジ 34:クリップオープナ 35:クリップクローザ 36:クリップオープナ 37:クリップクローザ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行中のウエブのエッジのテンタクリップ
    による把持点における該テンタクリップのウエブ幅方向
    の絶対位置を検出し、前記把持点の上流における前記ウ
    エブのエッジのウエブ幅方向の絶対位置を検出し、検出
    された前記テンタクリップのウエブ幅方向の絶対位置と
    前記ウエブのエッジのウエブ幅方向の絶対位置とから前
    記把持点における前記テンタクリップのウエブ把持量を
    求め、該ウエブ把持量があらかじめ設定された所定のウ
    エブ把持量に等しくなるように前記テンタクリップの位
    置を制御しながら前記テンタクリップによりウエブをウ
    エブ幅方向に延伸することを特徴とするウエブの製造方
    法。
  2. 【請求項2】走行中のウエブのエッジのテンタクリップ
    による把持点近傍における該テンタクリップに対する前
    記ウエブのエッジのウエブ幅方向の相対位置を検出し、
    該相対位置から前記テンタクリップのウエブ把持量を求
    め、該ウエブ把持量があらかじめ設定された所定のウエ
    ブ把持量に等しくなるように前記テンタクリップの位置
    を制御しながら前記テンタクリップによりウエブをウエ
    ブ幅方向に延伸し、しかる後に、前記相対位置の検出に
    代えて前記把持点における前記テンタクリップのウエブ
    幅方向の絶対位置と前記把持点の上流における前記ウエ
    ブのエッジのウエブ幅方向の絶対位置とを検出し、検出
    された前記テンタクリップのウエブ幅方向の絶対位置と
    前記ウエブのエッジのウエブ幅方向の絶対位置とから前
    記把持点における前記テンタクリップのウエブ把持量を
    求め、該ウエブ把持量が前記所定のウエブ把持量に等し
    くなるように前記テンタクリップの位置を制御しながら
    前記テンタクリップによりウエブをウエブ幅方向に延伸
    することを特徴とするウエブの製造方法。
  3. 【請求項3】前記ウエブのエッジのウエブ幅方向の絶対
    位置の検出に際し、ウエブ幅方向に移動可能なエッジセ
    ンサと該エッジセンサのウエブ幅方向の位置を検出する
    エッジセンサ位置検出手段とから構成されてなる前記エ
    ッジの絶対位置の検出手段により前記ウエブのエッジの
    ウエブ幅方向の絶対位置を検出することを特徴とする請
    求項1または2に記載のウエブの製造方法。
  4. 【請求項4】前記エッジの絶対位置の検出手段は、さら
    に前記エッジセンサを移動せしめる動力を有するもので
    あることを特徴とする請求項3に記載のウエブの製造方
    法。
  5. 【請求項5】テンタクリップと、走行中のウエブのエッ
    ジの該テンタクリップによる把持点における該テンタク
    リップのウエブ幅方向の絶対位置の検出手段と、前記把
    持点の上流における前記ウエブのエッジのウエブ幅方向
    の絶対位置の検出手段と、前記テンタクリップのウエブ
    幅方向の絶対位置の検出手段の検出出力と前記ウエブの
    エッジのウエブ幅方向の絶対位置の検出手段の検出出力
    とから前記把持点における前記テンタクリップのウエブ
    把持量を求めるウエブ把持量算出手段と、ウエブ把持量
    を設定するウエブ把持量設定手段と、前記ウエブ把持量
    算出手段により算出されたウエブ把持量が前記ウエブ把
    持量設定手段により設定されたウエブ把持量に等しくな
    るように前記テンタクリップの位置を制御するテンタク
    リップ位置制御手段とからなることを特徴とするウエブ
    の製造装置。
  6. 【請求項6】テンタクリップと、走行中のウエブのエッ
    ジの該テンタクリップによる把持点近傍における該テン
    タクリップに対する前記エッジのウエブ幅方向の相対位
    置の検出手段と、該エッジのウエブ幅方向の相対位置の
    検出手段の検出出力から前記把持点における前記テンタ
    クリップのウエブ把持量を算出する第1のウエブ把持量
    算出手段と、前記ウエブのエッジのテンタクリップによ
    る把持点における該テンタクリップのウエブ幅方向の絶
    対位置の検出手段と、前記把持点の上流における前記ウ
    エブのエッジのウエブ幅方向の絶対位置の検出手段と、
    前記テンタクリップのウエブ幅方向の絶対位置の検出手
    段の検出出力と前記ウエブのエッジのウエブ幅方向の絶
    対位置の検出手段の検出出力とから前記把持点における
    前記テンタクリップのウエブ把持量を求める第2のウエ
    ブ把持量算出手段と、前記第1のウエブ把持量算出手段
    の出力および前記第2のウエブ把持量検出手段の出力の
    うち一方を選択的に伝達するウエブ把持量伝達手段と、
    ウエブ把持量を設定するウエブ把持量設定手段と、前記
    ウエブ把持量伝達手段により伝達されたウエブ把持量が
    前記ウエブ把持量設定手段により設定されたウエブ把持
    量に等しくなるように前記テンタクリップの位置を制御
    する制御手段とからなることを特徴とするウエブの製造
    装置。
  7. 【請求項7】前記ウエブのエッジのウエブ幅方向の絶対
    位置の検出手段は、ウエブ幅方向に移動可能なエッジセ
    ンサと該エッジセンサのウエブ幅方向の位置を検出する
    エッジセンサ位置検出手段とから構成されてなることを
    特徴とする請求項5または6に記載のウエブの製造装
    置。
  8. 【請求項8】前記ウエブのエッジのウエブ幅方向の絶対
    位置の検出手段は、さらに前記エッジセンサを移動せし
    める動力を有するものであることを特徴とする請求項7
    に記載のウエブの製造装置。
  9. 【請求項9】さらに、前記エッジ絶対位置センサと前記
    把持点とのウエブ走行方向の位置の差に基づくウエブ把
    持量の補正手段を備えたことを特徴とする請求項5〜8
    のいずれかに記載のウエブの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020056713A (ja) * 2018-10-03 2020-04-09 東レ株式会社 走行位置の異常判定方法
JP2022086829A (ja) * 2020-11-30 2022-06-09 日東電工株式会社 フィルムの製造システム

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JP2022086829A (ja) * 2020-11-30 2022-06-09 日東電工株式会社 フィルムの製造システム

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