JPH08120779A - 柱とプレキャストコンクリート梁との接合構法 - Google Patents

柱とプレキャストコンクリート梁との接合構法

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JPH08120779A
JPH08120779A JP26227294A JP26227294A JPH08120779A JP H08120779 A JPH08120779 A JP H08120779A JP 26227294 A JP26227294 A JP 26227294A JP 26227294 A JP26227294 A JP 26227294A JP H08120779 A JPH08120779 A JP H08120779A
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晴彦 岡本
Yotaro Kobayakawa
洋太郎 小早川
Mamoru Kimura
衛 木村
Yasuo Higashihata
泰夫 東端
Michihiko Ota
道彦 太田
Kazuhiro Inoue
一博 井ノ上
Masaru Shinoi
大 篠井
Hideto Ifuku
英人 居福
Yoshihiro Ota
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 横断面が角形又は丸形のコンクリート充填鋼
管柱にプレキャストコンクリート梁を接合する構法を提
供する。 【構成】 PCa梁1の接合端部2は、柱4の外周にP
C鋼材5を配置し圧着するに当たり強度的に必要とされ
るコンクリート被りを確保し得る厚みの部分Sを想定し
て45゜方向に四等分した一つの形状として形成する。
接合端部2の両側の傾斜面3の間に梁軸と直角方向に第
1シース管m1,m2を埋設し、直角方向に隣接するPC
a梁1の第1シース管m1,m2と一連に接続する位置か
らPCa梁1の軸線方向の止着位置まで第2シース管p
1,p2を埋設する。 【効果】 PC鋼材5に導入された緊張力は柱4とPC
a梁1とを圧着するために有効に働き、柱4とPCa梁
1の健在な剛接合が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、横断面が角形又は丸
形のコンクリート充填鋼管柱に、プレキャストコンクリ
ート梁を接合して柱梁架構を構築する構法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プレキャストコンクリート部材に
よる柱梁架構の組立て構法(接合構法)としては、およ
そ下記のものが知られ実施されている。 PC鋼材などの緊張材を梁の端部から柱を貫通させ
て配置し、前記緊張材を強く緊張処理して接合する構法
(特開平5−39645号,特開平5−280092号
公報の発明参照)。 梁の端部に突設された定着用鉄筋(アンカー鉄筋)
を所謂柱パネルゾーンのコンクリート中へ埋め込んで一
体化する接合構法。 梁の端部に鉄骨材を一体的に埋め込んでおき、前記
鉄骨材を柱鉄骨と接合する構法(特開昭53−1408
17号、特開昭60−138139号、特開平1−28
7338号、特開平2−266034号、特開平5−1
48898号公報などの発明参照)。 上記、、を組合せて複合化した接合構法。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】上記した従来〜
の接合方法は、いずれも柱を貫通する孔を開ける作業、
パネルゾーンに鉄骨を埋め込む作業、或いは、パネルゾ
ーン内の複雑な納まりの鉄筋組立作業などが必要であ
り、作業現場あるいは製作工場などにおいて、柱仕口部
に手間のかかる作業を行わなければならない。また、柱
を一層ずつ建て方する場合には、柱の天端部分にPC鋼
材を配置するスペースを設けることも実施されるが、柱
を一層ずつしか建てられないので、作業の効率が悪く、
工期の短縮にさしたる効果を期待できない欠点があっ
た。
【0004】したがって、本発明の目的は、コンクリー
ト充填鋼管柱(又はプレキャストコンクリート柱、以下
同じ。)に、プレストレスが導入されたプレキャストコ
ンクリート梁(以下、PCa梁とも云う。)を接合して
柱梁架構を構築する場合に、柱に対する孔あけ加工は一
切不要であり、PC鋼材の柱への定着を簡素化し、現場
作業の効率の向上と、工期の短縮を達成する接合構法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、この発明に係る柱とプレキャストコン
クリート梁との接合構法は、(イ) PCa梁1の接合
端部2は、柱4の外周にPC鋼材5を配置し圧着するに
当たり強度的に必要とされるコンクリート被りを確保し
得る厚みの部分Sを想定して該部分Sを略45゜方向に
四等分した一つの形状として形成すると共に、前記接合
端部2の両側の傾斜面3,3の間に梁軸と直角方向に第
1シース管m1,m2 を埋設し、且つ直角方向に隣接す
るPCa梁1の前記第1シース管m1 ,m2 と一連に接
続する位置j1 ,j2 から該PCa梁1の軸線方向の止
着位置k 1,k2 まで第2シース管p1 ,p2 を埋設す
ること(図1参照)、(ロ) 前記PCa梁1は夫々隣
り合う傾斜面3,3同士を当接させてPCa梁1を柱4
の外周面に架設し、相対峙するPCa梁1,1同士等の
関係において前記第2シース管p1 ,p2 及び第1シー
ス管m1 ,m2 を一連に配置し、前記一連のシース管p
1 −m1 −p1 (又は、p2 −m2 −p2 )内にPC鋼
材5を各々挿通し、柱4の外周面とPCa梁1の接合端
部2との隙間fに充填材6を注入し、該充填材6が硬化
した後に前記PC鋼材5を強く緊張させて柱4とPCa
梁1とを圧着すること(図2参照)、(ハ) 前記PC
鋼材5の緊張による圧着が完了した後、隣り合うPCa
梁1,1の傾斜面3,3同士の隙間gに充填材6を注入
し、該充填材6を硬化せしめて柱4とPCa梁1とを接
合すること(図2参照)、をそれぞれ特徴とする。
【0006】なお、前記柱4は、コンクリート充填鋼管
柱又はプレキャストコンクリート柱であり、PCa梁1
にはプレストレスが導入されており、該PCa梁1の接
合端部2は、前記柱4の外周面の接合位置に固定された
ブラケット7の上に載せ架けて架設を行うことも特徴と
する。
【0007】
【作用】柱4へPCa梁1を架設した後は、柱4の外周
に形成された一連のシース管p 1 −m1 −p1 等内へP
C鋼材5を挿入し、充填材6をその柱4とPCa梁1と
の隙間fのみに注入し、その充填材6が硬化した後に前
記PC鋼材5を緊張して圧着するから、その緊張力は相
対峙するPCa梁1,1の接合端部2,2を柱4へ強く
圧着すると共に大きな摩擦力を発生する。しかも、当該
緊張力は、直交するPCa梁1へは伝達されず、前記隙
間f内の充填材6を通じて柱4のみに効果的に伝達され
るので(図2参照)、PC鋼材5に導入された緊張力が
全て柱4とPCa梁1を圧着するために有効に働き、柱
4とPCa梁1とを健全に剛接合することができる。
【0008】
【実施例】次に、図示した本発明の実施例を説明する。
図1は、横断面形状が一辺80cmの正方形をなすコン
クリート充填鋼管柱4(但し、プレキャストコンクリー
ト柱、又は角鋼管柱でもよい。)の外側面へのプレキャ
ストコンクリート梁1(せいは75cm位)の架設要領
を平面的に示している。柱4の外側面における梁接合位
置の下端には、図3に示したようにアングルによるブラ
ケット7を固定し、このブラケット7の上にPCa梁1
の接合端部2を載せ架けて各PCa梁1の架設が行われ
ている。このPCa梁1は、通常図示例のようにプレス
トレスを導入したプレストレストコンクリート梁として
実施される。当該PCa梁1は、その両端の柱梁接合部
の中央位置に切欠き部15が各々設けられ、これら両端
の切欠き部15,15の間に通ずるシース管hがPCa
梁1の軸方向に埋設されており、前記シース管h内にP
C鋼材5を挿通し、その基端が前記切欠き部15の箇所
で止着板10によって止着され、予め所定大きさのプレ
ストレスが導入されている。PC鋼材5は、PC鋼より
線(φ=12.7,降伏荷重=15.9t,引張荷重=
18.7t)を設計断面力に対して何本か配置した構成
とされている。
【0009】PCa梁1の接合端部2の先端形状は、図
1に例示したように、柱4の外側面に沿って略平行にP
C鋼材5をシース管に通して圧着するに当たり強度的に
最低限必要とされるコンクリート被りを確保し得る厚み
rを有する破線部分Sを想定し、該部分Sを略45゜方
向に四等分した一つの形状として形成されている(図1
の左図参照)。四等分した各側面は、垂直方向に略45
゜傾斜した傾斜面3に形成されており、隣り合う傾斜面
3,3が突き合わされた目地の隙間g(図2参照)は、
30mmぐらいの間隔を確保できるように形成されてい
る。両側の傾斜面3,3を結ぶ梁軸と直角な方向の線上
に、第1シース管m1 ,m2 が上下2段ずつの平行配置
で埋設されている(図3参照)。但し、当該第1シース
管m1 ,m 2 は、上記切欠き部15の部分には設けられ
ていない(図1)。前記PCa梁1には第2シース管が
次のように設けられている。すなわち、平面的にみた図
1で説明すると、直角方向に隣接するPCa梁1の前記
第1シース管m1 の両端開口と一連に接続する位置j1
から当該PCa梁1の軸線方向にある程度離れた止着位
置k1 までの間に第2シース管p1 が埋設されている。
更に側面方向からみた図3に示した通り、前記第2シー
ス管p1 の下側にも第2シース管p2 が埋設されてい
る。当該下段の第2シース管p2 は、下段の前記第1シ
ース管m2 と一連に接続する位置j2 から止着位置k2
(k2 の位置は前記止着位置k1 に重ならない柱4より
遠い位置)に至る長さのものとして設けれられている。
よって、シース管は、PCa梁1の片側断面内に、第1
シース管m1 ,m2 が上下2段配置で2本埋設されてい
ると共に、第2シース管p1 ,p2 が上下配置で2段ず
つ、しかも当該PCa梁1の両側に夫々沿って4本埋設
されている。従って、柱4を挟んで対峙する上段の第2
シース管p1 ,p1 同士は、直交するPCa梁1の上段
の第1シース管m1 を介して一連に連続するシース管と
なる。同様に、柱4を挟んで対向する下段の第2シース
管p2 ,p2 は、直交するPCa梁1の下段の第1シー
ス管m2 を介して一連に連続するシース管となる。かく
して、これら一連の各シース管p1 −m1 −p1 (又
は、p2 −m2 −p2 )内にPC鋼材5が各々挿通可能
な構成とされている。
【0010】前記PCa梁1の夫々隣り合う傾斜面3,
3同士を当接させて、4本のPCa梁1…を柱4の外側
面に各々直交配置で架設し、相対峙するPCa梁1,1
同士の関係において、前記一連のシース管内にPC鋼材
5を挿通する。そして、図2に拡大して示したように、
まず、柱4の外側面とPCa梁1の接合端部2との隙間
fに、無収縮モルタル等の充填材6を注入する。そし
て、この充填材6が硬化した後に、前記シース管内に挿
通されているPC鋼材5を強く引張って緊張させ、基端
部の各止着位置k1 ,k2 で止着板10により止着して
(図1及び図3参照)柱4とPCa梁1とを圧着する。
その際、隣り合うPCa梁1,1の傾斜面3,3の隙間
gには未だ充填材6が注入されていないから、当該緊張
力は直交するPCa梁1の方向へは伝達されず、前記隙
間f内の充填材6を通じて柱4のみに全てが伝達され、
柱4とPCa梁1とが効果的に圧着される。
【0011】前記PC鋼材5の緊張による圧着が完了し
た後に、対向するPCa梁1,1の傾斜面3,3同士の
隙間gに充填材6を注入し(図2参照)、該充填材6を
硬化せしめて柱4とPCa梁1とを接合する。そして、
最終的に、図3に示したように、PCa梁1の上面にコ
ンクリート9を後打ちしてPCa梁1の柱4への接合を
完成する。
【0012】図4A,Bは、柱が建物の外周柱として使
用されている場合で、しかも丸形断面柱4′に適用した
場合を示しているが、前記角形断面柱4と殆ど同じ施工
手順で実施される。異なる点は、図1及び図3と比較す
ると、当該PCa梁1′(接合端部2′)の柱接合部1
2の断面形状が丸形断面柱4′の外形と同じ円弧状に形
成されていること、及び柱4′の外側面のPCa梁が設
置されない位置に、全長の短いPCa部材11が使用さ
れていることである。
【0013】PCa部材11は、上記コンクリート被り
の想定部分Sから若干の厚みを有する長さに形成する。
第2シース管p1 ′(又はp2 ′)は、直角方向に隣接
するPCa梁1′の第1シース管m1 (又はm2 )と一
連に接続する位置j1 (又はj2 )から軸方向に若干延
設され外端面に設けられた止着位置k1 ′(又は
2′)まで埋設されている。このPCa部材11に
は、中央のシース管がなくプレストレスは導入されてい
ない。当該PCa部材11と相対峙するPCa梁1′と
の関係で、一連に形成されたシース管p1 ′−m1 −p
1 (又は、p2 ′−m2−p2 )にPC鋼材5が挿通さ
れ、前記PCa梁同士における場合と同様の圧着が行わ
れる(図4B)。
【0014】
【本発明が奏する効果】本発明に係る柱とプレキャスト
コンクリート梁との接合構法によれば、所謂柱パネルゾ
ーンの内部に補強筋、アンカー鉄筋又は接合用のPC鋼
材の類いが一切存在せず、接合部の構造が著しく簡略化
されている。柱4の外周に配置されるPC鋼材5に導入
された緊張力は柱4とPCa梁1とを圧着するために有
効に働き、柱4とPCa梁1の健在な剛接合が実現さ
れ、信頼性の高い柱梁架構を提供する。しかも、柱を貫
通するPC鋼材その他が存しないため、柱鉄骨の孔あけ
加工が必要なく、現場における柱梁作業の殆どがPC鋼
材5の緊張、圧着の作業であるため、作業効率の向上、
工期の短縮とそれに伴う工費の低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】PCa梁の構成及び柱への接合要領を示した一
部省略の横断面図である。
【図2】接合端部を拡大して示した横断面図である。
【図3】PCa梁の柱への接合要領を示した縦断面図で
ある。
【図4】A,Bは外周柱への接合要領を示した一部省略
の横断面図と縦断面図である。
【符号の説明】
プレキャストコンクリート梁 2 接合端部 3 傾斜面 4 柱 5 PC鋼材 6 充填材 7 ブラケット m1 ,m2 第1シース管 p1 ,p2 第2シース管 k1 ,k2 止着位置 j1 ,j2 接続位置 f,g 隙間
フロントページの続き (72)発明者 東端 泰夫 千葉県印旛郡印西町大塚一丁目5番 株式 会社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 太田 道彦 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 井ノ上 一博 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 篠井 大 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 居福 英人 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 太田 義弘 千葉県印旛郡印西町大塚一丁目5番 株式 会社竹中工務店技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ) プレキャストコンクリート梁の接
    合端部は、柱の外周にPC鋼材を配置し圧着するに当た
    り強度的に必要とされるコンクリート被りを確保し得る
    厚みの部分を想定して該部分を略45゜方向に四等分し
    た一つの形状として形成すると共に、前記接合端部の四
    等分した両側の傾斜面の間に梁軸と直角方向に第1シー
    ス管を埋設し、且つ直角方向に隣接するプレキャストコ
    ンクリート梁の前記第1シース管と一連に接続する位置
    から該プレキャストコンクリート梁の軸線方向の止着位
    置まで第2シース管を埋設すること、(ロ) 前記プレ
    キャストコンクリート梁は夫々隣り合う傾斜面同士を当
    接させてプレキャストコンクリート梁を柱の外周面に架
    設し、相対峙するプレキャストコンクリート梁同士等の
    関係において前記第2シース管及び第1シース管を一連
    に配置し、前記一連のシース管内にPC鋼材を挿通し、
    柱の外周面とプレキャストコンクリート梁の接合端部と
    の隙間に充填材を注入し、該充填材が硬化した後に前記
    PC鋼材を強く緊張させて柱とプレキャストコンクリー
    ト梁とを圧着すること、(ハ) 前記PC鋼材の緊張に
    よる圧着が完了した後、隣り合うプレキャストコンクリ
    ート梁の傾斜面同士の隙間に充填材を注入し、該充填材
    を硬化せしめて柱とプレキャストコンクリート梁とを接
    合すること、をそれぞれ特徴とする、柱とプレキャスト
    コンクリート梁との接合構法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した柱は、コンクリート充
    填鋼管柱又はプレキャストコンクリート柱であり、プレ
    キャストコンクリート梁にはプレストレスが導入されて
    おり、該プレキャストコンクリート梁の接合端部は、前
    記柱の外周面の接合位置に固定されたブラケットの上に
    載せ架けて架設を行うことを特徴とする、柱とプレキャ
    ストコンクリート梁との接合構法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002227299A (ja) * 2001-01-31 2002-08-14 Takenaka Komuten Co Ltd Sc柱とsc梁との接合工法、sc梁同士の接合工法、sc柱及びsc梁
JP2002364072A (ja) * 2001-06-07 2002-12-18 Taisei Corp 複合構造架構用梁
JP2021105273A (ja) * 2019-12-26 2021-07-26 株式会社竹中工務店 柱梁接合構造

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