JPH08120563A - 合成繊維用処理剤 - Google Patents

合成繊維用処理剤

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JPH08120563A
JPH08120563A JP26224994A JP26224994A JPH08120563A JP H08120563 A JPH08120563 A JP H08120563A JP 26224994 A JP26224994 A JP 26224994A JP 26224994 A JP26224994 A JP 26224994A JP H08120563 A JPH08120563 A JP H08120563A
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正 藤野
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勉 木村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 糸切や繊維品質低下を著るしく低減させるこ
とのできる耐熱性と潤滑性の改良された繊維処理剤を提
供する。 【構成】 (a)エステル系潤滑成分、(b)チオエーテル基
を有するエステル(c)二級スルホネートのアルカリ金属
塩、(d)ホスフェートアミン塩および(e)ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤を含む繊維処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成繊維用処理剤、特に
オイリング後巻取することなく、直ちに延伸処理にかけ
る、いわゆるスピンドル方式において、優れた性能を発
現し得る合成繊維用処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維の紡糸、延伸工程に種々
の処理剤が目的に応じて付与されてきた。
【0003】特に、タイヤコード、伝導ベルト、シート
ベルト、ロープ、重布等の産業資材分野に用いられる繊
維は高張力、高温下で生産され、潤滑性、耐熱性が要求
されて来た。
【0004】近年、繊維の生産性及び品質向上の為に益
々、紡糸、延伸速度が速くなり、それに伴い、繊維用処
理剤の潤滑性、耐熱性等、繊維生産工程での性能向上が
強く望まれている。
【0005】一方、使用される段階で高性能化した繊維
の性能が充分発揮出来る事が要求される。従来この様な
要請に対処する為に合成繊維に付与される処理剤とし
て、特公昭47−29474号公報に記載されているビ
スフェノールAのアルキレンオキシド付加物の脂肪酸エ
ステルや特公昭55−9114号公報に記載されている
チオジプロピオン酸エステル等の潤滑剤がある。
【0006】しかしながら、特公昭47−29474号
公報のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物の脂
肪酸エステルは耐熱性は良好だが、繊維−金属間、繊維
−繊維間の摩擦が高く、繊維処理剤としての必要特性で
ある潤滑性に劣り、繊維製造工程や加工工程での繊維の
損傷が大きく、繊維の品質を損なう欠点が大である。
【0007】一方、特公昭55−9114号公報に記載
されているチオジプロピオン酸エステルは、繊維−金属
間、繊維−繊維間の摩擦が低く、耐熱性も従来の潤滑剤
に比べ良好であるが、最近のきびしい製糸条件では満足
する耐熱性、繊維の品質を得る事が出来ない。
【0008】さらには、特公昭63−3074号公報に
は、特定のエステルとアニオン活性剤、酸化防止剤の組
合わせによる処理剤が提案されている。しかし、最近の
きびしい製糸条件では満足する耐熱性を得る事が出来な
い。さらに、特公昭63−3074号公報に記載されて
いる酸化防止剤は、繊維の保管中に繊維がしばしば変色
する欠点がある。
【0009】さらに、特公昭63−3074号公報には
ホスフェートとスルホネートを併用してを向上させた繊
維処理剤が開示されているが、スピンドル方式で用いる
には耐熱性および潤滑性が十分でなく、ホスフェート金
属塩が延伸ローラに蓄積して経時的に摩擦が上昇し、延
伸工程で糸切れ、繊維品質の劣化を生じる欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来、繊維油剤で処理
した繊維は一旦巻き取って、それを延伸工程にかけてい
たが、最近この工程を短縮して、給油(オイリング)糸を
直接延伸工程にかける方法が採用されている。この方法
では延伸工程で一旦糸切れなどのトラブルが発生する
と、大量の繊維の損失をまねくため、延伸工程でのトラ
ブル発生は極力避ける必要がある。トラブル発生の主た
る原因は糸切れなどの繊維損傷にあり、これを防ぐた
め、潤滑性と耐熱性に優れた繊維処理剤が必要となる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は(a) 分子量6
00〜1200の、多価アルコールと一価カルボン酸と
のエステルおよび/または一価アルコールと多価カルボ
ン酸とのエステル30〜70重量%、(b) 分子量50
0〜1500の、チオエーテル基を有するカルボン酸と
アルコールとのエステル0.5〜30重量%、(c) 式:
【化3】 (式中、R1とR2はそれぞれアルキル基を示し、式[I]
の化合物の合計炭素数は10〜20; Mはアルカリ金属
を表わす)で表わされる二級スルホネート、(d) 式:
【化4】 [式中、Rは炭素数6〜26の飽和または不飽和の分岐
を有していてもよい脂肪族炭化水素基または脂芳香族
基;AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基;mは0〜
10;R3は水素原子またはR4O(A'O)n(式中、R4
炭素数6〜26の飽和または不飽和の分岐を有していて
もよい脂肪族炭化水素基または脂芳香族基; A'Oは炭
素数2〜4のオキシアルキレン基; nは0〜10)を表わ
す]で表わされるりん酸エステルのアミン塩(但し、R3
が水素原子を表わすときは、りん酸エステルの遊離水酸
基の50%以上が中和されていればよい)0.5〜5.0
重量%; および(e)ヒンダードフェノール系酸化防止剤
0.1〜3重量%を必須成分とする合成繊維用処理剤に
関する。
【0012】本発明に用いる多価アルコールと一価カル
ボン酸のエステルおよび/または一価アルコールと多価
カルボン酸のエステル(以下、単にエステル(a)と云う)
とチオエーテル基を有するカルボン酸とアルコールとの
エステル(以下、単にエステル(b)と云う)とはいずれも
平滑成分として用いる。エステル(a)とエステル(b)を組
合せて、式[I]の二級スルホネートと式[II]のホスフ
ェートおよびヒンダードフェノール系酸化防止剤を併用
すると潤滑性と耐熱性を著るしく改良することができ、
従来、困難であった巻取工程を省略するスピンドル方式
の延伸が容易となることがわかった。
【0013】前述のごとくエステル(a)とエステル(b)は
いずれも潤滑剤として作用するがエステル(a)のみを用
いると高温でのローラー汚れが生じ易くなり、そのた
め、糸切れを生じ易くなる。糸切れ防止のためにはロー
ラーの清掃を頻繁に行なう必要があり、繊維の生産性を
著るしく損う。従ってエステル(b)を少なくとも少量、
例えば繊維処理剤全量の0.5重量%以上、より好まし
くは1重量%以上、特に好ましくは3重量%以上配合す
る。
【0014】一方、エステル(b)はそれ自体で潤滑剤と
して機能するが、潤滑性能自体はエステル(a)により、
より高結果が得られるため、エステル(a)を潤滑剤の主
剤として用いるのが好ましく、その意味で、エステル
(b)の配合量の上限は処理剤全量の30重量%以下、よ
り好ましくは25重量%以下が好ましい。
【0015】エステル(a)に用いられる多価アルコール
としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、
ヘキサンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトー
ル、トリメチロールプロパン、ソルビタン、ソルビトー
ルなどが例示される。3価以上の多価アルコール、特に
ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどが
より高い耐熱性を与えるので好ましい。従って、これら
の多価アルコールと一価カルボン酸とのエステルをエス
テル(a)全量の30〜70重量%、より好ましくは40
〜65重量%含むのが好ましい。
【0016】多価アルコールとエステルを構成する一価
カルボン酸は、炭素数6〜30、より好ましくは8〜2
4の飽和または不飽和の分岐を有してもよい脂肪酸であ
る。好ましい一価カルボン酸の例は、カプリン酸、ラウ
リル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸、エルカ酸、イソステアリン酸、ステアリン
酸などである。
【0017】一種の多価アルコールに対し二種以上のカ
ルボン酸を混合して用いてもよい。好適な多価アルコー
ルと一価カルボン酸のエステルの例は、ヘキサンジオー
ルジオレエート、グリセリントリラウレート、トリメチ
ロールプロパントリラウレート、ペンタエリスリトール
テトラデカネート、ソルビタンテトラオレエート、トリ
メチロールプロパントリイソステアレートなどである。
【0018】エステル(a)に用いられる一価アルコール
としては炭素数6〜30、より好ましくは8〜26の飽
和または不飽和の分岐を有していてもよい脂肪族アルコ
ール、例えば2−エチルヘキサノール、デカノール、ラ
ウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアル
コール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコー
ルなどが例示される。一種の多価カルボン酸に対し2種
以上のアルコールを用いてもよい。
【0019】一価アルコールとエステルを形成する多価
カルボン酸としてはマロン酸、マレイン酸、こはく酸、
フマール酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シトラコン酸、
メサコン酸などの脂肪族ジカルボン酸; フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸のごとき芳香族
カルボン酸が例示される。
【0020】具体的には例えばジオレイルマレエート、
ジイソステアリルアジペート、ジオレイルアジペート、
ジイソステアリルアゼレート、トリオレイルトリメリテ
ートなどがある。
【0021】エステル(a)は分子量600〜1200、
より好ましくは650〜1100である。分子量が60
0未満では延伸工程で発煙し易くなり、分子量が120
0より大きいと繊維−金属間摩擦が高くなり繊維損傷を
招き、繊維の品位を低下させる。
【0022】エステル(a)が30%未満では、糸−金属
間の摩擦が高くなり、繊維の損傷を招く、又、処理剤中
の比率が70%以上になると処理剤中の乳化剤成分が少
なくなり、集束性不足となり、生産性の低下や繊維の品
位低下となる。
【0023】エステル(b)に用いられるチオエーテル基
を有するカルボン酸としては式: R5SR6COOH(R5
は脂肪族基または芳香族基、特に炭素数8〜20の飽和
または不飽和の分岐を有してもよいアルキル基、R6
脂肪族または芳香族基を含む炭化水素基、好ましくは炭
素数1〜6の側鎖を有してもよいアルキレン基を表わ
す)で表わされるチオエーテルモノカルボン酸、および
式: S(R6COOH)2(式中、R6は前記と同意義)で表
わされるチオエーテルジカルボン酸である。R6COO
Hは典型的には酸残基、特にプロピオン酸酸基を示す。
【0024】カルボン酸がチオエーテルモノカルボン酸
の場合、特にR5が炭素数10以上の炭化水素基の場合
は、これを多価アルコール、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グ
リセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロ
パン、ソルビトールなどとエステル化してもよく、ある
いは高級の一価アルコール、例えば、ラウリルアルコー
ル、トリデシルアルコール、ステアリルアルコール、オ
レイルアルコール、イソステアリルアルコールなどとエ
ステル化してもよい。好適にはグリセリン、ペンタエリ
スリトール、トリメチロールプロパンなどの多価アルコ
ールである。
【0025】カルボン酸がチオエーテルジカルボン酸の
場合には高級なアルコール、例えば炭素数8以上、より
好ましくは12以上の飽和または不飽和の分岐を有して
いてもよいアルコール、例えば2−エチルエキサノー
ル、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、セチ
ルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコ
ール、イソステアリルアルコールなどとエステル化して
もよい。
【0026】またチオエーテルモノカルボン酸と脂肪
酸、例えばオレイン酸を同一の多価アルコールにエステ
ル化したものをエステル(b)として取扱う。エステル(b)
の分子量は500〜1500、より好ましくは550〜
1200である。
【0027】分子量が500未満では、紡糸−延伸工程
で高温にさらされ、発煙性となり、作業環境を損なう。
又、分子量が1500以上を越えると、繊維−金属間の
摩擦が高くなり、繊維の損傷を招き、繊維の品位を損な
う。
【0028】エステル(b)がチオエーテルモノカルボン
酸とのエステルである場合の好ましい具体例は、ヘキサ
ンジオールジオクタデシルチオプロピオネート、トリメ
チロールプロパントリドデシルチオプロピオネート、グ
リセリントリドデシルチオプロピオネート、ペンタエリ
スリトールテトラオクタデシルチオプロピオネート等が
ある。
【0029】エステル(b)がチオエーテルジカルボン酸
とのエステルである場合の好ましい具体例は、ジラウリ
ルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオ
ネート、ジオレイルチオジプロピオネート、ジイソトリ
デシルチオジプロピオネート、ジイソステアリルチオジ
プロピオネート等がある。
【0030】エステル(b)の配合量は前述のごとき理由
から処理剤全重量の0.5〜30重量%、より好ましく
は1〜25重量%である。
【0031】エステル(a)とエステル(b)の配合比は前者
100重量部に対し、後者0.7〜100重量部、より
好ましくは1.5〜83重量部である。潤滑成分として
はエステル(a)および(b)の他に従来のビスフェノールA
やビスフェノールSのアルキレンオキシド付加物の脂肪
酸エステル、脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付
加物の脂肪酸エステル、鉱物油などを配合してもよい。
その量はエステル(a)および(b)合計量100重量部に対
し30重量部以下、特に20重量部以下である。
【0032】本発明に用いられる式[I]で表わされる二
級スルホネートは耐熱性を向上させるために用いる。R
1とR2の一方は、メチル基のごとき低級アルキル基であ
ってよく、またR1とR2の合計炭素数は好ましくは10
〜20である。
【0033】具体例として、ホスタパーSUS60(ヘ
キスト社)、メルソラートH(バイエル社)がある。
【0034】処理剤中の比率が0.5%未満では耐熱性
の向上効果が無く、5%を越えると繊維−金属間の摩擦
が高くなり、繊維の損傷を招き、繊維の品位低下とな
る。
【0035】又、他のスルホネート化合物例えば、式−
[I]のアミン塩、ジオクチルスルホサクシネートナトリ
ウム塩、ドデシルベンゼンスルホネートナトリウム塩は
耐熱性の向上効果が不十分である。他の成分との相乗作
用について述べて下さい。
【0036】本発明に用いられる式[II]で示されるホ
スフェートも処理剤の耐熱性を向上させるための成分と
して用いる。式中、Rは炭素数6〜26、より好ましく
は8〜20の飽和または不飽和の分岐を有してもよいア
ルキル基またはアルキルフェニル基が好ましい。Rの炭
素数が6より小さいと、平滑剤との相溶性が悪くなり、
延伸ローラへの脱落が多くなり、経時的に摩擦が増大
し、毛羽、断糸の原因となる。Rの炭素数が26より大
きいと極圧潤滑性が低下し、厳しい製糸条件での繊維の
品質低下をもたらす。Rは具体的にはラウリル、オレイ
ル、ステアリル、イソステアリル、ノニルフェニル、オ
クチルフェニルなどが例示される。
【0037】またR3は水素原子またはR4O(A'O)nを
表わす。R4はRと同様である。また、AOとA'Oはい
ずれも炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表わし、典
型的にはオキシエチレン基またはオキシプロピレン基で
あるが複数種のオキシアルキレン基の混合であってもよ
い。mおよびnはそれぞれ独立して0から10、好ましく
は0〜6を表わす。nとmの合計は0〜10が特に好まし
い。nとmの合計が15を越えると処理剤の耐熱性が不十
分となる。
【0038】また塩を構成するアミンは限定的ではない
が、アルキルアミン、アルカノールアミン、アルキルア
ルカノールアミン、ポリアミン、アルキルポリアミン、
アニリンなどの芳香族アミン、シクロヘキシルアミンな
どの脂環式アミン、イミダゾリン等の複素環式アミン、
およびそれらのアミン類の酸化アルキレン付加物などが
例示される。好ましくはアルキルアミン、アルカノール
アミン、アルキルアルカノールアミン、ポリアミンおよ
びそれらの酸化アルキレン付加物である。アミンとして
は1級、2級、3級いずれであってもよい。
【0039】アルキルアミンとしては、ラウリルアミ
ン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジメチルステ
アリルアミンなど、アルカノールアミンとしてはモノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノ
ールアミン、トリイソプロパノールアミンなど; アル
キルアルカノールアミンとしてはジブチルエタノールア
ミン、ラウリルジエタノールアミン、オレイルジイソプ
ロパノールアミンなど; アルキルポリアミンとしては
ステアリルアミノエチルアミンなど; ポリアミンとし
てはエチレンジアミン、ヘキシレンジアミン、ジエチレ
ントリアミンなどが例示される。これらのアミン類は、
酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレンなどの酸
化アルキレンが付加したものであってよく、その付加モ
ル数は1〜15、特に1〜10が好ましい。アミン類の
分子量は好ましくは140以上、より好ましくは150
〜1000、特に好ましくは200〜800である。分
子量が140以下のときは、製糸工程の過酷な温度によ
り、発煙、臭気を発生し、分子量が1000以上ではホ
スフェートの中和に多量のアミンが必要となるため、耐
熱性を十分向上させることができない。
【0040】ホスフェートアミン塩の配合量は、処理剤
全重量の0.5〜5.0重量%、より好ましくは1.0〜
3.0重量%である。0.5%以下では、耐熱性の低下と
なり、5%を越えると摩擦の増大により繊維品質の低下
となり、好ましくない。又、式−[II]のナトリウムや
カリウム等の金属塩は、経時的に摩擦が増大し、繊維品
質の低下となり好ましく無い。他の成分との併用による
相乗効果があれば記載して下さい。
【0041】本発明に用いる酸化防止剤はヒンダードフ
ェノール型の酸化防止剤を用いる。この種の酸化防止剤
は、本発明の二級スルホネートおよびホスフェートアミ
ン塩と相乗的に作用して処理剤の耐熱性の向上に著しく
寄与する。
【0042】ヒンダードフェノール型酸化防止剤はフェ
ノール性OH基のオルソ位にt−ブチル基のごとき嵩高
の置換基を有する置換芳香族基を分子中に1以上有する
化合物を含むものであり、特にベンゼン核が1個以上の
メチル基およびターシャリーブチル基で置換され、分子
量が500以上のものが好ましい。具体的には例えば
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル)ブタン(アデカスタブAO−30
の商品名で旭電化株式会社から販売されている)、1,
3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6
−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸(サイアノックス1
790の商品名でアメリカン・サイアナミッド社から供
給されている)などがある。
【0043】処理剤に配合する比率は0.1重量%未満
では、耐熱性を向上させるには不十分であり、3重量%
を越えると繊維−金属間の摩擦が高くなり、繊維の損傷
を招き好ましく無い。
【0044】本発明合成繊維処理剤は、必要に応じ、前
記(a)〜(e)以外の成分、例えば、乳化剤としてポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多価
アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ
油エーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテ
ル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合
物、多価アルコールの脂肪酸部分エステル等の非イオン
活性剤を配合してもよい。
【0045】さらに必要ならば他のフッ素系界面活性
剤、シリコーン系界面活性剤やポリエチレン系ワック
ス、パラフィン系ワックス等を配合してもよい。
【0046】本発明繊維処理剤はエマルジョンで、ある
いはストレートで繊維に付着させる。エマルジョンの場
合、水に10〜30重量%に希釈し、処理剤有効成分換
算で0.2〜1.5重量%、好ましくは0.4〜0.8重量
%付着させる。ストレート給油の場合、低粘度の鉱物油
30〜80重量%に希釈し、処理剤有効成分換算で0.
2〜1.5重量%、好ましくは0.4〜0.8重量%付着
させる。給油はローラ及びノズルのいずれでもかまわな
い。
【0047】以下、実施例を挙げて説明する。実施例中
各成分の配合量は特に記載の無い限り全て重量%で表
す。
【0048】実施例1〜4 表−1に示す処方の処理剤を1000デニール、96フ
ィラメントの無給油ポリエステルフィラメントに定量的
に0.7%付着させ、温度25℃、湿度65%の雰囲気
に48時間放置、調湿させ、走糸法摩擦試験機(東レエ
ンジニヤリング社製)にて、250℃の梨地ピンと接触
させ、初期荷重500g、走糸速度200m/分で糸を5
時間走行させ、ピンの汚れ程度、摩擦変動を確認した。
【0049】又、処理剤を付着させた上記の糸を筒編み
にし、石油ストーブを燃焼させた部屋に48hr放置した
後、島津製分光色彩計でB*値を測定した。
【0050】表中 二級スルホネートナトリウム: 炭
素数の総和が14の二級スルホネートナトリウム 酸化防止剤 A: 本発明処理剤に用いられる1,3,5
−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジ
メチルベンジル)イソシアヌル酸 酸化防止剤 B: 特公昭63−3074号記載のペン
タエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−ターシ
ャリ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト] EO: エチレンオキシド基 ( )内: EO付加数 ピンの汚れ: 糸を5時間走行させた後の梨地クロムピ
ンの汚れ程度を肉眼で観察 ○…殆ど汚れが無い、×…
明らかな汚れ 摩擦変動(g): 糸を5時間走行させた後の摩擦(g)−初期
の摩擦(g) 繊維変色; ○…殆ど変色を認めない、×…明らかに
変色 繊維変色 B*値: 黄色の度合いを表し、数値が大き
い程、黄色の着色度が強い
【0051】
【表1】
【0052】上記の結果から、本発明処理剤は、耐熱性
が良好で糸−金属間の摩擦の変動が無く、安定した走糸
性が得られ、糸の生産に有効である。又、保管中の繊維
の変色もなく、処理剤として、優れた特性を有する。
【0053】実施例5〜8 固有粘度0.97のポリエチレンテレフタレートを熔融
紡糸し、表−2に記載した処理剤の20%エマルジョン
を繊維に対し、処理剤として0.6重量%となるよう付
着させ、一旦巻きとる事無く、240℃のホットローラ
を介し、5.1倍に延伸し、1000デニール、96フ
ィラメントのポリエチレンテレフタレートマルチフィラ
メントを得た。この結果を比較例と表−2に示した。
【0054】
【表2】 表中 EO: エチレンオキシド基 ( )内はエチレ
ンオキシド付加数 ホットローラ汚れ: 糸を生産した時の48時間後のホ
ットローラ汚れを肉眼で判定 4 延伸時断糸(回/ton): 糸を生産した時の糸1ton当り
の断糸した回数 延伸糸毛羽(%): 延伸糸10Kg捲きチーズに存在する
端面毛羽の欠点チーズの割合(%)
【0055】
【発明の効果】本発明処理剤を用いると、ホットローラ
の汚れが少なく、高品位の繊維が効率良く得られる。ま
た延伸時の糸切れが著るしく少なくまた毛羽の発生が少
なく繊維品質低下が少ない。さらに処理剤を付着した繊
維の保存中の変色がない。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 分子量600〜1200の、多価
    アルコールと一価カルボン酸とのエステルおよび/また
    は一価アルコールと多価カルボン酸とのエステル30〜
    70重量%、 (b) 分子量500〜1500の、チオエーテル基を有
    するカルボン酸とアルコールとのエステル0.5〜30
    重量%、 (c) 式: 【化1】 (式中、R1とR2はそれぞれアルキル基を示し、式[I]
    の化合物の合計炭素数は10〜20; Mはアルカリ金属
    を表わす)で表わされる二級スルホネート0.5〜5重
    量% (d) 式: 【化2】 [式中、Rは炭素数6〜26の飽和または不飽和の分岐
    を有していてもよい脂肪族炭化水素基または脂芳香族
    基;AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基;mは0〜
    10;R3は水素原子またはR4O(A'O)n(式中、R4
    炭素数6〜26の飽和または不飽和の分岐を有していて
    もよい脂肪族炭化水素基または脂芳香族基; A'Oは炭
    素数2〜4のオキシアルキレン基; nは0〜10)を表わ
    す]で表わされるりん酸エステルのアミン塩(但し、R3
    が水素原子を表わすときは、りん酸エステルの遊離水酸
    基の50%以上が中和されていればよい)0.5〜5.0
    重量%; および (e)ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1〜3重量%
    を必須成分とする合成繊維用処理剤。
  2. 【請求項2】 チオエーテル基を有するカルボン酸がチ
    オジプロピオン酸である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 チオエーテル基を有するカルボン酸がア
    ルキルチオプロピオン酸である請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 式[I]で示される化合物の炭素数が10
    〜20未満である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 式[II]の化合物のアミンが分子量14
    0〜1000未満のアルカノールアミンである請求項1
    記載の組成物。
  6. 【請求項6】 酸化防止剤が1以上のメチル基とt−ブ
    チル基を有するフェニル基を有するフェノール系酸化防
    止剤である請求項1記載の組成物。
  7. 【請求項7】 酸化防止剤が1,3,5−トリス(4−t−
    ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イ
    ソシアヌル酸である請求項1記載の組成物。
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