JPH08120410A - アークスポット溶接性に優れたステンレス鋼板 - Google Patents

アークスポット溶接性に優れたステンレス鋼板

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JPH08120410A
JPH08120410A JP28606694A JP28606694A JPH08120410A JP H08120410 A JPH08120410 A JP H08120410A JP 28606694 A JP28606694 A JP 28606694A JP 28606694 A JP28606694 A JP 28606694A JP H08120410 A JPH08120410 A JP H08120410A
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JP
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stainless steel
welding
steel sheet
arc spot
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JP28606694A
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English (en)
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Hiromasa Hirata
弘征 平田
Kazuhiro Ogawa
和博 小川
Takao Ko
隆夫 高
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アークスポット溶接性において、低電流で大
きい溶け込み深さが得られ、高電流で溶け落ちが生じに
くいステンレス鋼板を提供する。鋼の熱間加工性を高
め、製板での品質低下を防ぐ。 【構成】 Crを14〜23%含むフェライト系ステン
レス鋼板またはオーステナイト系ステンレス鋼板におい
て、S量を0.005%以下に制限する。Mn量をフェラ
イト系ステンレス鋼板では1.0〜5.0%、オーステナイ
ト系ステンレス鋼板では2.0〜7.0%とする。Mn量を
多くすることにより、Sに依存することなく溶け込み深
さが大きくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は厨房機器等、アークによ
るスポット溶接(本明細書ではこれを単にアークスポッ
ト溶接という)を用いて製造される機材、部材に使用さ
れるアークスポット溶接性に優れたステンレス鋼板に関
する。
【0002】
【従来の技術】SUS430に代表されるフェライト系
ステンレス鋼およびSUS304に代表されるオーステ
ナイト系ステンレス鋼は、その優れた特性から広範な用
途に用いられている。しかし、これらのステンレス鋼
は、アーク溶接時に様々な問題を生じる。そこで従来よ
りアーク溶接性の改善を図った種々のステンレス鋼が提
案されている。
【0003】フェライト系ステンレス鋼に関しては、溶
接部の靱性が著しく劣化するという問題がある。そのた
め、特開昭59−76857号公報に開示されているよ
うに、C,Nを低減する一方、安定化元素Nbを添加
し、更にNb,V,Nを所定の関係で含有させて、溶接
部の靱性を改善した鋼や、特開平3−31448号公報
に開示されているように、溶接部のマルテンサイト量を
増大させるべく鋼成分を設計して、Nb等の安定化元素
を添加することなく溶接部の靱性改善を図った鋼等が提
案されている。
【0004】一方、オーステナイト系ステンレス鋼に関
しては、特開昭59−153870号公報に開示されて
いるように、Cu量を少なくすると共に、Niバランス
値(オーステナイト安定度)を所定の範囲内に管理し
て、溶接熱影響部の割れ感受性を低下させた鋼や、特開
昭61−288053号公報および特開昭63−602
60号公報に開示されているように、Si量およびMn
量を適正化することにより、アンダーカットを防いで高
速溶接を可能にした鋼等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのアー
ク溶接性を改善したステンレス鋼も、アークスポット溶
接性という観点から見ると、問題が多い。
【0006】アークスポット溶接は、例えば流し台、調
理台等の厨房機器の製造に用いられる。特開平3−31
448号公報に示された鋼も、厨房機器を代表的な用途
としており、TIGによる連続溶接を行ったときに問題
となる溶接部の靱性低下を防止するべく、その成分設計
が行われている。
【0007】連続ビードを形成する通常のアーク溶接で
は、靱性等の継手性能は重要である。しかし、アークス
ポット溶接、特に厨房機器の溶接では、靱性等の継手性
能はそれほど問題にならない。厨房機器のアークスポッ
ト溶接で問題になるのは溶接効率であり、具体的には広
範囲な溶接条件で十分な溶け込み深さが得られること、
および溶け落ちが生じないことの2点である。従って、
厨房機器、特にアークスポット溶接を用いて製造される
ものには、これらの要求を満足するステンレス鋼板が要
求される。
【0008】また、厨房機器のステンレス鋼板には、通
常、熱延鋼板が用いられ、その表面の品質が高いことが
要求される。そのため、熱間加工性が優れ、熱間圧延時
に疵が生じないことも、重要な要件となる。
【0009】しかしながら、アークスポット溶接での溶
け込み深さや溶け落ちを考慮したステンレス鋼は提案さ
れていない。そこで従来は、経験的に鋼中不純物である
Sをその許容範囲内で多くして溶接性を高めていた。す
なわち、Sは表面活性元素であるため、その増加は溶接
時に溶融池内に内向き方向の対流を発生させ、その熱輸
送の効果により溶融池の溶け込み深さを増大させる。そ
の結果、低電流にても溶接が可能となる。
【0010】ところが、表面活性元素であるSの増加
は、溶融金属の表面張力を小さくするため、低電流での
溶接性を向上させる一方で、高電流溶接時に溶け落ちを
発生させる原因になる。更に、Sの増加は熱間加工性を
劣化させるため、製板時に鋼板の品質を著しく低下させ
る。
【0011】そのため、アークスポット溶接に用いられ
る従来のステンレス鋼板は、低電流で十分な溶け込み深
さが得られるものの、高電流では溶け落ちが生じやす
い。従って、広範な溶接条件で良好な溶接を行うことは
不可能であり、この点においてアークスポット溶接性は
良好とは言えなかった。また、製板工程、特に熱間圧延
で表面に疵がつくという大きな問題があった。
【0012】本発明の目的は、アークスポット溶接性に
優れ、しかも製板時に疵が生じにくいステンレス鋼板を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】アークスポット溶接性を
高めるために、これまで経験的に採用されてきたSの増
加は、溶け込み深さを増大させるのには有効であるが、
溶け落ちや熱間圧延での疵発生に対してはむしろこれを
促進する要素となる。そこでSの増加に代わるアークス
ポット溶接性の改善策を見い出すべく、本発明者らは調
査研究を行った。その結果、次の事実を知見した。
【0014】鋼中のMnを増加させると、アーク電流の
集中の度合いが増し、その結果、入熱が中央部に集中し
て溶け込み深さが大きくなる。Mnの増加によると、溶
融金属の表面張力の低下はSの場合ほど大きくならない
ことから、高電流での耐溶け落ち性が改善される。Mn
の増加は熱間加工性を劣化させず、Mnの増加によりS
の低減が可能となることから、熱間加工性の改善が図ら
れる。すなわち、鋼中のMn量を多くし、S量を少なく
することにより、熱間加工性を害することなく、優れた
アークスポット溶接性が得られる。
【0015】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、次の2つのステンレス鋼板を要旨とする。
【0016】重量%でC:0.002〜0.10%、Si:
0.03〜1.0%、Mn:1.0〜5.0%、Cr:14〜2
3%を含み、不純物としてのP,SがそれぞれP≦0.0
4%、S≦0.005%を満足し、残部がFeおよび不可
避不純物からなるアークスポット溶接性に優れたフェラ
イト系ステンレス鋼板。
【0017】重量%でC:0.002〜0.10%、Si:
0.03〜1.0%、Mn:2.0〜7.0%、Cr:14〜2
3%、Ni:6〜15%を含み、不純物としてのP,S
がそれぞれP≦0.04%、S≦0.005%を満足し、残
部がFeおよび不可避不純物からなるアークスポット溶
接性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板。
【0018】すなわち、本発明のステンレス鋼板は、S
量を0.005%以下とする一方、Mn量をフェライト系
ステンレス鋼板では1.0〜5.0%、オーステナイト系ス
テンレス鋼板では2.0〜7.0%とすることを最大の特徴
点とし、これにより熱間加工性を害することなく、優れ
たアークスポット溶接性を確保するものである。
【0019】本発明のステンレス鋼板では、必要に応じ
てCa,Mgのうちの少なくとも一方を0.005〜0.0
2%を加えるか、またはY,La,Ceのううちの少な
くとも一種を0.005〜0.02%を加えることができ
る。
【0020】なお、アーク溶接性を改善した前記提案鋼
のうち、特開昭61−288053号公報に開示された
オーステナイト系ステンレス鋼は、比較的多くのMnを
含んでいるが、その意味は高速溶接でのアンダーカット
を防止するために、Mn/Si比を高めて生成酸化物の
組成をコントロールすることにより、アークを逆に広げ
ることにあり、アークを集中させるためにMnを一義的
に増加させることを意図したものではない。また、Sを
低減させる意図もここには存在しない。従って、この提
案鋼と本発明のオーステナイト系ステンレス鋼板との成
分設計上の差異は大きい。
【0021】
【作用】以下に本発明のステンレス鋼板における鋼中成
分の作用とその限定理由を述べる。
【0022】C:0.002〜0.10% CはCrと結合して炭化物を形成し、溶接部の強度の確
保に寄与する。しかし、過剰の添加は溶接熱影響部にお
いて多量のCr炭化物を粒界に析出し、かえって強度低
下を招き、さらに耐食性をも劣化させる。そのためCは
0.002〜0.10%とした。Cの望ましい下限は0.00
3%であり、さらに望ましい下限は0.005%であり、
望ましい上限は0.09%であり、さらに望ましい上限は
0.08%である。
【0023】Si:0.03〜1.0% Siは溶製時に脱酸元素として添加される元素であり、
耐酸化性を向上させる。しかし、過剰の添加は溶接部の
脆化を招く。そのため、Siは0.03〜1.0%とした。
望ましい下限は0.05%であり、さらに望ましい下限は
0.08%であり、望ましい上限は0.9%であり、さらに
望ましい上限は0.8%である。
【0024】Mn:フェライト系ステンレス鋼板で1.0
〜5.0%、オーステナイト系ステンレス鋼板で2.0〜7.
0% Mnは溶製時に脱酸元素として添加され、オーステナイ
ト安定元素として作用する元素である。Mnはアーク電
流の集中の度合いを増し、入熱を集中させるため、溶け
込み深さを大きくし、アークスポット溶接性を向上させ
る。しかし、過剰の添加は溶接部の靱性の著しい劣化を
招き、その現象は特にフェライト系ステンレス鋼板で顕
著である。そのため、フェライト系ステンレス鋼板では
Mnは1.0〜5.0%とした。この場合のMnの望ましい
下限は1.05%であり、さらに望ましい下限は1.1%で
あり、望ましい上限は4.8%であり、さらに望ましい上
限は4.5%である。また、オーステナイト系ステンレス
鋼板ではMnは2.0〜7.0%とした。この場合のMnの
望ましい下限は2.05%であり、さらに望ましい下限は
2.1%であり、望ましい上限は6.8%であり、さらに望
ましい上限は6.5%である。
【0025】Cr:14〜23% Crはフェライト生成元素として作用し、溶接部の耐酸
化性、耐食性の確保に不可欠の元素であり、さらに炭化
物を形成して溶接部の強度確保に寄与する。しかし、過
剰の添加は多量の炭化物を粒界に析出するため耐食性を
低下させる。そのためCrは14〜23%とした。Cr
の望ましい下限は14.2%であり、さらに望ましい下限
は14.5%であり、望ましい上限は22.8%であり、さ
らに望ましい上限は22.5%である。
【0026】Ni:オーステナイト系ステンレス鋼板で
のみ6〜15% Niは強力なオーステナイト生成元素であり、オーステ
ナイト系ステンレス鋼板に必須の元素である。しかし、
非常に高価な元素であるため過剰の添加は大幅なコスト
の上昇を招く。そのため、オーステナイトステンレス鋼
板ではNiは6〜15%とした。Niの望ましい下限は
6.2%であり、さらに望ましい下限は6.5%であり、望
ましい上限は14.8%であり、さらに望ましい上限は1
4.5%である。
【0027】P:≦0.04% Pは溶接部の加熱脆化を招くため0.04%以下とする。
下限は特に設けないが極度の低P化は多大なコストの増
加を伴うので、0.001%以上が望ましく、さらに望ま
しい下限は0.002%である。また、望ましい上限は0.
03%であり、さらに望ましい上限は0.02%である。
【0028】S:≦0.005% Sは鋼中の不可避不純物であるが、溶け込み深さを大き
くし、低電流でのアークスポット溶接性を向上させる元
素である。しかし、0.005%を超えるSは鋼の熱間加
工性を著しく低下させ、鋼の品質を低下させる。さらに
高電流での耐溶け落ち性を低下させ溶接性を劣化させ
る。そのため、Sは0.005%以下とした。特に下限は
設けないが、極度の低S化はコスト増を招くので、0.0
005%以上が望ましく、さらに望ましい下限は0.00
08%である。また、望ましい上限は0.004%以下で
あり、さらに望ましい上限は0.003%以下である。
【0029】Ca,Mg:少なくとも一方を0.005〜
0.02% CaおよびMgはともに鋼の清浄度を上げ、熱間加工性
を改善するのに有効な元素である。しかし、過剰の添加
は、スラグとして溶接部表面に浮上し、溶接部の品質を
劣化させる。そのため必要に応じ、CaまたはMgの少
なくとも一方を0.005〜0.02%添加することとす
る。その望ましい下限は0.006%、さらに望ましい下
限は0.008%であり、望ましい上限は0.018%であ
り、さらに望ましい上限は0.015%である。
【0030】Y,La,Ce:少なくとも一種を0.00
5〜0.02% Y,La,Ceはともに鋼の清浄度を上げ、熱間加工性
を改善するのに有効な元素である。しかし、過剰の添加
はスラグとして浮上し、溶接部の品質を劣化させる。そ
のため必要に応じ、これらの少なくとも一種を0.005
〜0.02%含有させる。これらの元素の望ましい下限は
0.006%であり、さらに望ましい下限は0.008%で
あり、望ましい上限は0.018%であり、さらに望まし
い上限は0.015%である。
【0031】
【実施例】次に本発明の実施例を示し、比較例と対比す
ることにより、本発明の効果を明らかにする。
【0032】表1および表2に示す組成を有する34種
類の鋼板を用いてアークスポット溶接性を調査した。い
ずれの鋼板も溶製、熱延、熱処理、酸洗処理のプロセス
により製造した板厚1mmの熱延鋼板である。そして各
鋼板を図1に示すような形状に加工して重ね合わせ、図
2に示すようにTIG溶接によりアークスポット溶接
し、溶接継手を作製した。溶接条件としてはアーク長を
2mm、溶接時間を4秒で一定とし、溶接電流を変化さ
せた。溶接後、溶接点のほぼ中心を通る鋼板の表面に垂
直な面で溶接部を切断し、その断面を研摩、腐食のの
ち、図3に示すように接合界面位置でナゲット径を測定
した。
【0033】強度試験の結果、ナゲット径が4.5mm以
上であると使用上十分な強度が得られるため、4.5mm
以上のナゲットが得られる最小溶接電流および溶け落ち
限界電流から溶接が可能な溶接電流範囲を求め、その範
囲が40A以上をアークスポット溶接性に優れるとし
た。また、熱間加工性は、熱間圧延時に疵が発生したか
否かで評価した。評価結果を表3および表4に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】表3および表4の結果より明らかなよう
に、本発明例の鋼板A1〜A20では、溶接電流70A
〜85Aでナゲット径が4.5mm以上の良好な溶接部が
得られている。さらに、溶け落ち限界電流も120〜1
30Aであり、それぞれ溶接可能な溶接電流範囲が45
〜55Aと広範な溶接条件にて良好な溶接が可能であ
る。さらに、熱間圧延時に疵の発生もなく、優れた熱間
加工性も有している。
【0039】これに対して、比較例の鋼板B1〜B3は
Mnがそれぞれ0.98,0.85および0.95%であるた
めに、十分な溶け込み深さが得られず、ナゲット径が4.
5mm以上となる最小溶接電流がそれぞれ90,95お
よび90Aとなり、溶接可能な溶接電流範囲がそれぞれ
30,35および35Aとなり、アークスポット溶接性
に劣る。
【0040】鋼板B4〜B5はMnがそれぞれ0.88お
よび0.90%しか含まれていないが、Sがそれぞれ0.0
08および0.010%と多く含まれているため、ナゲッ
ト径が4.5mm以上となる最小電流がそれぞれ70Aと
なる。しかし、溶け落ち限界電流がそれぞれ105Aと
低く、溶接可能な溶接電流範囲がそれぞれ35Aと狭
く、溶接性に劣る。さらに、熱間圧延時に疵が発生し
た。
【0041】鋼板B6はMnが1.20と多く含まれてい
るため、ナゲット径が4.5mm以上となる最小電流が7
0A,溶け落ち限界電流が110Aとなり、溶接可能な
溶接電流範囲が40Aとなり、優れた溶接性を有してい
る。しかし、Sが0.007%含まれているため、熱間圧
延時に疵が発生し、熱間加工性に劣る。
【0042】同様に鋼板B7はMnが4.48%含まれて
いるため、ナゲット径が4.5mm以上となる最小溶接電
流が70Aとなるが、Sが0.012%含まれているため
に溶け落ち限界電流が105Aと低く、溶接可能な溶接
電流範囲が35Aと狭く、溶接性に劣る。さらに熱延時
に疵が発生した。
【0043】鋼板B8〜B10はMnがそれぞれ1.9
6,1.78および1.87%であるため、十分な溶け込み
深さが得られず、ナゲット径が4.5mm以上となる最小
溶接電流がそれぞれ90,100および90Aとなり、
溶接可能な溶接電流範囲がそれぞれ35,30および3
0Aとなり、アークスポット溶接性に劣る。
【0044】鋼板B11〜B12はMnがそれぞれ1.9
2および1.88%しか含まれていないが、Sがそれぞれ
0.009および0.012%含まれているため、ナゲット
径が4.5mm以上となる最小電流が70Aとなる。しか
し、溶け落ち限界電流がそれぞれ105および100A
と低く、溶接可能な溶接電流範囲がそれぞれ35および
30Aとなり、溶接性に劣り、さらに熱間圧延時に疵が
発生した。
【0045】鋼板B13はMnが2.10%と多く含まれ
ているため、ナゲット径が4.5mm以上となる最小電流
が70A、溶け落ち限界電流が110Aとなり、溶接可
能な溶接電流範囲が40Aとなり、優れた溶接性を有し
ている。しかし、Sが0.006%含まれているため、熱
間圧延時に疵が発生し、熱間加工性に劣る。
【0046】同様に、鋼板B14はMnが6.46%含ま
れているため、ナゲット径が4.5mm以上となる最小溶
接電流が70Aとなるが、Sが0.009%含まれている
ために溶け落ち限界電流が105Aと低く、溶接可能な
溶接電流範囲が35Aと狭く、溶接性に劣る。さらに熱
延時に疵が発生した。
【0047】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
のステンレス鋼板は、低電流で溶け込み深さが大きく、
高電流でも溶け落ちが生じにくく、その結果、広範な溶
接条件にて良好な溶接が可能であり、アークスポット溶
接性に非常に優れる。しかも、鋼の熱間加工性が良好で
あるので熱間圧延で疵が生じにくく、表面品質に優れ
る。従って、アークスポット溶接性を用いて製造され、
且つ高い表面品質が要求される厨房機器等の構成鋼板と
して特に適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接性の試験で用いた継手の形状説明図であ
る。
【図2】同試験で用いた溶接法を示す断面図である。
【図3】ナゲット径を示す溶接部の断面図である。
【符号の説明】
1 タングステン電極 2 ガスノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/58

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC:0.002〜0.10%、S
    i:0.03〜1.0%、Mn:1.0〜5.0%、Cr:14
    〜23%を含み、不純物としてのP,SがそれぞれP≦
    0.04%、S≦0.005%を満足し、残部がFeおよび
    不可避不純物からなるアークスポット溶接性に優れたフ
    ェライト系ステンレス鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%でC:0.002〜0.10%、S
    i:0.03〜1.0%、Mn:2.0〜7.0%、Cr:14
    〜23%、Ni:6〜15%を含み、不純物としての
    P,SがそれぞれP≦0.04%、S≦0.005%を満足
    し、残部がFeおよび不可避不純物からなるアークスポ
    ット溶接性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の成分に加えて
    更にCa,Mgのうちの少なくとも一方を0.005〜0.
    02%含むステンレス鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の成分に加えて
    更にY,La,Ceのうちの少なくとも一種を0.005
    〜0.02%含むステンレス鋼板。
JP28606694A 1994-10-25 1994-10-25 アークスポット溶接性に優れたステンレス鋼板 Pending JPH08120410A (ja)

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