JP5935792B2 - フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼部材の溶接により製造され、溶接により生成したテンパーカラーの除去を行わずに使用される温水缶体の素材として好適なフェライト系ステンレス鋼に関する。
JIS−SUS444等のフェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼と比較して、応力腐食割れ(SCC)の感受性が小さいという特徴を有する。このため、上記フェライト系ステンレス鋼は、電気温水器等に用いられる温水缶体(本明細書において「温水缶体」という場合がある)の素材として使用されている。
しかし、水道水には衛生対策のため残留塩素が含まれているため、フェライト系ステンレス鋼を温水缶体の素材として用いると、この残留塩素による酸化作用により、温水缶体が腐食するという問題が生じる。特に、溶接部裏面の耐食性が問題となることが多い。
上記耐食性を改善する方法として、例えば、特許文献1には、高純度化精錬技術を用いて、P量、S量、C量、N量を低減することにより耐食性を向上させる方法が開示されている。
特許文献2には、鋼に含まれるTi量を制限し、かつ、TiとAlを鋼に複合添加し、さらに、適正量のCuを鋼に添加することにより、溶接部の耐食性を向上させる技術が開示されている。
特許文献3には、質量%で、Si:0.30〜1.00%、Al:0.03〜0.15%、Nb:0.25〜0.60%、Ti:0.05%以下とし、かつ25≦Cr+3.3Mo≦30、0.35≦Si+Al≦0.85を満たすように成分組成を調整することで、温水器用フェライト系ステンレス鋼板の溶接部の耐食性および靭性を改善する技術が開示されている。
しかし、温泉地や新興国などの水質が必ずしも良好でなく、高濃度のClイオンが存在する環境において、溶接部裏面に形成されるテンパーカラーとよばれる酸化皮膜を除去せずに缶体内部に温水を満たして使用した場合、上記のような従来技術では温水缶体の耐食性が不足する場合がある。
特開昭58−71356号公報 特開平10−81940号公報 特開2008−190035号公報
従来技術の抱える上記の問題点に鑑み、本発明は、溶接部裏面のテンパーカラーの除去を行わずに製造され、内部に温水を満たして使用される缶体の素材として好適な、溶接部裏面等の溶接部の耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋼の化学成分が母材部および溶接部裏面の耐食性に及ぼす影響について、綿密な調査、検討を行った。
鋼部材同士を溶接して製造される温水缶体の製造においては、溶接方法として一般にTIG溶接が用いられる。TIG溶接の場合、溶接部の表面および裏面とも不活性ガスでシールドをし、溶接部にはテンパーカラー(酸化皮膜)がなるべく生成されない条件で溶接を行う。しかし、実際の工程では、このガスによるシールドは十分でなく、空気中の酸素が溶接部にわずかに混入し、テンパーカラーが溶接部に生成する。特に溶接裏面においては、缶体の構造上不活性ガスによるシールドが困難な場合も多い。
溶接部裏面においてテンパーカラーの耐食性への影響について調査したところ、熱影響部に生成するテンパーカラーが、その生成の際に母材のCrを消費し、テンパーカラー直下の母材のCr濃度を下げて溶接部の耐食性を悪化させていた。さらに、耐食性悪化程度は、そのテンパーカラーが生成した場所が溶接時に到達した最も高い温度(以後これを最高到達温度と称する)で分類できることが明らかになった。なお、最高到達温度はその場所の溶接金属からの距離によって決まり、溶接金属(あるいは溶接線)より離れるとともに低温となる。そして、最高到達温度が1000℃以上の領域、800〜1000℃未満の領域、800℃未満の領域に分類できることが明らかにした。
最高到達温度が1000℃以上の領域で生成するテンパーカラーにはCrが選択的に多量に含まれ、このテンパーカラーは耐食性を極端に劣化させることを知見した。この温度域で生成するテンパーカラーによる耐食性低下の対策として、種々の元素の影響を調査した。その結果、最高到達温度が1000℃以上の領域において、溶接により接合される鋼部材中にVとNbが共存すれば、耐酸化性が向上してテンパーカラー直下のCrの欠乏を抑制し、溶接部の耐食性が向上することが明らかとなった。鋼部材中にVとNbを共存させた場合、最高到達温度が1000℃以上の領域で生成されたテンパーカラーの直下の鋼部材表面には、NbとVの濃化が確認された。この濃化はNb単独、V単独の添加では確認できなかったため、何らかの相互作用により共存して濃化しているものと考えられる。このNbとVの濃化により、鋼部材から外部に向かうFeやCrの拡散が抑制され、鋼板の酸化量を低減していると考えられる。その結果、本発明では、最高到達温度が1000℃以上の領域で生成するテンパーカラー直下のCr欠乏が抑制され、溶接部の耐食性が向上する。
最高到達温度が800〜1000℃未満の領域で生成するテンパーカラーは、他の温度域で形成されたテンパーカラーと比較して溶接部の耐食性を低下させる程度が少ない。これは、この温度域では、テンパーカラー直下からテンパーカラーのCr酸化物に消費されるCr量と母材からテンパーカラー直下へ拡散するCr量が同程度で、テンパーカラー直下のCr欠乏が起こりにくいためである。しかし、このテンパーカラーによる耐食性低下を無視できない場合もあるので、本発明では、この温度領域で生成するテンパーカラーによる耐食性低下に対して、ステンレス鋼のCr含有量、Mo含有量を高めて耐食性を確保する方法を採用する。
最高到達温度が800℃未満になる領域では、テンパーカラー生成の際に生成するCr酸化物の生成速度は遅いが、母材からテンパーカラー直下へのCrの拡散も遅いので、テンパーカラー直下のCr欠乏が顕著となり耐食性が劣化する。溶接部裏面の耐食性は、この最高到達温度が800℃未満となる領域がもっとも低い。そこで、本発明では最高到達温度が800℃未満になる領域において、Siの酸化物と、Alの酸化物を選択的に形成させることにより、テンパーカラーを緻密な保護皮膜とし、溶接部の耐食性の劣化を軽減する。このSiとAlの酸化物は、ステンレス鋼に固溶したSi、Alが溶接時の高温にさらされて酸化し形成される。鋼部材中の酸素濃度を0.0020%未満まで極度に低減することで、製造工程でのAl、SiO介在物の生成を抑制し、固溶Al、固溶Siを増加させることができる。この固溶Al、固溶Siは、溶接熱影響によって、最高到達温度が800℃未満の領域に形成されるテンパーカラーに濃縮し、その耐食性を向上する効果がある。したがって、鋼の酸素を極限まで低減する本発明では、より少ないAl含有量、Si含有量であっても、テンパーカラーの耐食性向上の効果を得ることができる。また、Al介在物は数μmの粗大で硬い介在物であり、ステンレス鋼そのものとの変形能が大きく異なる。そのため、圧延などの加工によりAlとステンレス鋼の界面ですきま形状が形成される。このすきま形状が存在すると、溶接熱影響によりテンパーカラーが形成される際に、テンパーカラーの欠陥の形成を招き、テンパーカラーの保護性を低下させる。本発明では、酸素を低減してAlの生成を抑制することで、すべての温度域でのテンパーカラーの欠陥形成を抑制し、テンパーカラーの耐食性を向上させている。
以上の結果に基づき本発明は構成される。また、本発明は下記の構成を要旨とするものである。
[1]質量%で、C:0.020%以下、Si:0.05〜0.50%、Mn:1.00%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:20.0%超〜28.0%、Ni:0.6%以下、Al:0.03〜0.15%、N:0.020%以下、O:0.0020%未満、Mo:0.3〜1.5%、Nb:0.005〜0.60%、V:0.005〜0.50%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、下記式(1)、(2)および(3)を満足することを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
25≦Cr+3.3×Mo≦30 (1)
0.10≦Si+Al≦0.50 (2)
0.1≦(4×V)/Nb≦20.0 (3)
式(1)〜(3)における元素記号は、それらの元素の含有量を質量%で示したときの数値を意味する。
[2]Ti:0.5%以下、Cu:1.0%以下、Zr:0.6%以下、W:3.0%以下、Co:1.0%以下、REM:0.1%以下、B:0.1%以下のいずれか一種または二種以上を含有することを特徴とする[1]に記載のフェライト系ステンレス鋼。
本発明によれば、溶接裏面のテンパーカラーの除去を行わなくても溶接部の耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼が得られる。
本発明のフェライト系ステンレス鋼を加工等してなる鋼部材は、鋼部材同士の溶接によって作製され、内部に温水を満たす用途に利用される缶体の製造に好ましく使用できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、質量%で、C:0.020%以下、Si:0.10〜0.50%、Mn:1.00%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:20.0超〜28.0%、Ni:0.6%以下、Al:0.03〜0.15%、N:0.020%以下、O:0.0020%未満、Mo:0.3〜1.5%、Nb:0.005〜0.60%、V:0.005〜0.50%を含有し、特定の式(1)〜(3)を満たすようにCr、Mo、Si、Al、V、Nbの含有量が調整され、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。先ず、各成分と各成分の含有量について説明する。以下の成分組成の説明において「%」は「質量%」を意味する。
C:0.020%以下
Cは、Crと結合してCr炭化物を形成しやすい。鋼部材の溶接時、熱影響部にCr炭化物が形成されると粒界腐食の原因となる。したがって、Cr炭化物の形成を抑えるために、Cの含有量は低い程望ましく、0%でもよい。そこで、本発明ではCの含有量を0.020%以下とする。より好ましいCの含有量は、0.014%以下である。
Si:0.05〜0.50%
Siは、溶接部の耐食性向上に有効な元素であり、本発明において重要な元素である。特に、鋼部材の溶接時にSiが熱影響部で酸化されて形成される緻密なSi酸化物は、母材を構成するフェライト系ステンレス鋼の耐食性の劣化を食い止める働きがある。鋼中の酸素量を極限まで低減している本発明のフェライト系ステンレス鋼では、Siを0.05%以上含有すれば、Si酸化物の生成により緻密で保護性のあるテンパーカラーが溶接部に生成するとともに、Crの酸化を最小限にすることができる。その結果、本発明では、溶接部に生成するテンパーカラーとその直下の地鉄Cr濃度の低下を防ぎ、溶接部の耐食性の低下を抑制する効果が得られる。よって、Siの含有量は0.05%以上、好ましくは0.30%以上とする。一方、Siは熱延板および冷延板の酸洗性を劣化させ、フェライト系ステンレス鋼の生産性を低下させる場合がある。また、Siを添加しすぎるとフェライト系ステンレス鋼が硬くなり、フェライト系ステンレス鋼の加工性が劣化する場合がある。よって、Si含有量の上限は0.50%とする。好ましいSi含有量の上限は0.40%である。
Mn:1.00%以下
Mnは、鋼中に存在するSと結合して、可溶性硫化物であるMnSを形成し、フェライト系ステンレス鋼の耐食性を低下させる。このため、Mnの含有量は少ないほうが好ましく0%でもよい。そこで、本発明ではMnの含有量を1.00%以下とする。好ましいMnの含有量は0.60%以下である。
P:0.040%以下
Pはフェライト系ステンレス鋼の耐食性を低下させる元素である。特に、Pの含有量が0.040%を超えるとカソード反応の促進が顕著となり、耐食性が低下する。このためPの含有量は少ないほうが好ましく0%でもよい。本発明では、Pの含有量は0.040%以下とする。好ましいPの含有量は0.030%以下である。
S:0.010%以下
Sはフェライト系ステンレス鋼の耐食性を低下させる元素である。特に、S及びMnを含む鋼においては、SとMnはMnSを形成し、このMnSが鋼の耐食性を低下させる。MnS形成が耐食性に与える影響は、Sの含有量が0.010%を超えると顕著になる。本発明ではSの含有量は少ないほうが好ましく0%でもよい。本発明においてSの含有量を0.010%以下に限定する。好ましいSの含有量は0.006%以下である。
Cr:20.0%超〜28.0%
上述したように、鋼部材同士を溶接して温水缶体を製造する場合、溶接部表面にテンパーカラーがなるべく形成されないような条件で溶接を行うことが好ましい。しかし、前述の通り、実際の工程では、溶接部の表面や裏面のガスシールドは十分でなく、空気中の酸素が溶接部にわずかに混入し、溶接部にテンパーカラーが生成する。このテンパーカラーは、その生成の際に母材のCrを消費し、テンパーカラー直下の母材のCr濃度を下げ、溶接部の耐食性を悪化させる。鋼部材中のCr量が20.0%以下となると、Moやその他の元素の含有量にかかわらず、溶接部の耐食性は不安定となり、特に隙間部などでは孔食の原因となる。よって、Crの含有量は20.0%超えとする。一方、28.0%を超えて含有すると、フェライト系ステンレス鋼の加工性が顕著に低下する。以上より、本発明では、Crの含有量は20.0%超え28.0%以下とする。好ましくは、22.0%超え25.5%以下である。
Ni:0.6%以下
Niは、靭性の向上に有利に寄与する元素である。その効果を得るためには、Niの含有量は0.1%以上が好ましい。しかし、Niの含有量が0.6%を超えると応力腐食割れの感受性が高くなる。よって、Niの含有量は0.6%以下とする。好ましくは、0.4%以下である。
Al:0.03〜0.15%
AlもSiと同じく、最高到達温度が800℃未満の温度領域で生成するテンパーカラーに影響を与える点で、本発明において、重要な元素である。Alの含有量が0.03%以上であれば、溶接部の耐食性を向上させることができる。一方、Alは熱延板、および冷延板の焼鈍時に生成するテンパーカラー直下にAl酸化物を形成し、テンパーカラーを強固にするため、酸洗を困難にし、フェライト系ステンレス鋼の生産性を低下させる。よって、本発明では、Alの含有量は0.03%以上0.15%以下とする。好ましくは、0.06%以上0.12%以下である。
N:0.020%以下
Nは、Crと結合してCr窒化物を形成しやすい。溶接時、熱影響部にCr窒化物が形成すると粒界腐食の原因となるので、Nの含有量は低い程望ましく0%でもよい。本発明では、Nの含有量は0.020%以下とする。好ましくは、0.014%以下である。
O:0.0020%未満
Oは、本発明において重要な元素である。本発明では、テンパーカラーに関して、Si、Alの酸化物による保護皮膜の効果を最大限効率的に利用するためにOの含有量を規制する。Oの含有量を規制することで、製造工程でのAl、SiOの生成を抑制して固溶Si、Alを増加させることができる。この効果は、Oの含有量が0.0020%未満で得られる。また、溶接の溶け込みを抑制してテンパーカラーの形成を抑制し、直下のCr欠乏を低減する効果もOの含有量を0.0020%未満にすることで得られる。本発明ではOの含有量は少ないほうが好ましく0%でもよい。以上より、Oの含有量は0.0020%未満とした。より好ましくは0.0018%以下である。
Mo:0.3〜1.5%
Moは、フェライト系ステンレス鋼の耐食性を顕著に向上させる元素であり、テンパーカラーの耐食性も向上させる。このような効果はMoを0.3%以上含有することで得られる。一方、Moの含有量が1.5%を超えると、本発明のCr含有量の範囲内では、フェライト系ステンレス鋼の靭性が顕著に低下し、また、フェライト系ステンレス鋼を冷延板としたときの加工性も劣化する。よって、Moの含有量は0.3%以上1.5%以下とする。好ましくは、0.7%以上1.2%以下である。
Nb:0.005〜0.60%
Nbは、Crよりも優先的に炭窒化物を形成する。従って、フェライト系ステンレス鋼にNbを含有させることで、熱延後にCr炭窒化物が形成するのを防ぎ、フェライト系ステンレス鋼の靭性の劣化を抑制できる。また、NbはVとともに溶接部のテンパーカラー直下に濃化し、テンパーカラー直下のCr量の減少を抑制する効果もある。これらの効果を得るためにNbの含有量を0.005%以上とする。一方、Nbの含有量が0.60%を超えると熱延板の靭性は劣化し、また溶接部での耐食性が低下する。よって、Nbの含有量は0.005%以上0.60%以下とする。好ましくは、0.25%以上0.50%以下である。
V:0.005〜0.50%
Vは耐食性を向上させる元素である。母材の耐食性を向上させることで、間接的に溶接部の耐食性を向上させることができる。加えて、VはNbと共存することにより耐酸化性を向上させる元素である。このような効果が得られるのは、テンパーカラー直下へのNbとVの濃化により、鋼板から外部に向かうFeやCrの拡散が抑制され、鋼板の酸化量が低減されるためと考えられる。母材の耐食性向上効果、および、テンパーカラーの強化の効果を得るためには、Vの含有量を0.005%以上にすることが必要である。しかし、Vの含有量が過剰になると、熱間圧延時に潤滑剤として作用するテンパーカラーの生成が抑制される。また、Vの含有量が過剰になると、鋼帯と圧延ロールとの金属接触により数mm程度の大きさの凹凸が多数形成される表面欠陥が発生する。この表面欠陥は溶接部および母材の耐食性を劣化させる。表面性状を良好とするためには、Vの含有量は0.50%以下とする必要がある。よって、本発明では、Vの含有量は0.005%以上0.50%以下とする。好ましくは、0.01%以上0.20%以下である。
上記した必須成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、Mg:0.0020%以下、Ca:0.0020%以下が許容できる。
以上の必須成分を含む本発明のフェライト系ステンレス鋼においては、下記式(1)〜(3)を満たすようにCr、Mo、Si、Al、V、Nbの含有量が調整されている。
25≦Cr+3.3×Mo≦30 (1)
0.10≦Si+Al≦0.50 (2)
0.1≦(4×V)/Nb≦20.0 (3)
式(1)〜(3)における元素記号は、それらの元素の含有量を質量%で示したときの数値を意味する。
25≦Cr+3.3×Mo≦30
上記式(1)の下限の25は、鋼部材同士を溶接してなる缶体に充填される温水中の残留塩素濃度が高い場合でも、母材部及び溶接部において十分な耐食性を得るために必要な条件である。また、母材の耐食性と、溶接時のテンパーカラーの生成によって劣化した溶接部の耐食性の差が大きくなると、テンパーカラーが生成した部分で優先的に溶解が起るようになり、隙間腐食などの進行が助長される。この差はCr+3.3Moの値が大きくなるほど大きくなる傾向にあるため、上記式(1)において、上限は30とする。好ましくは、Cr+3.3Moの下限が26、上限が29である。
0.10≦Si+Al≦0.50
上記式(2)は、溶接部の耐食性を得るために必要な条件である。SiとAlが共存する場合、Si酸化物およびAl酸化物が十分な保護性皮膜になり、耐食性劣化を抑制する。この効果を十分に得るためには、Si+Alを0.10以上にすることが必要である。また、上記式(2)の上限である0.50を超えてしまうと、Siおよび/またはAlが互いに成長しすぎて、緻密な保護皮膜(ピンホールの無い皮膜)にならなくなる。よって、上記式(2)において、Si+Alの上限は0.50とする。好ましくは、Si+Alの下限が0.15、上限が0.45である。さらに好ましくはSi+Alの下限が0.20、上限が0.35である。
0.1≦4V/Nb≦20.0
4V/Nbが0.1以上であることは、溶接部の耐食性をより向上させるために必要な条件である。Nbに対して一定比率以上のVが存在していないと、テンパーカラー直下にNb、Vが共存した濃化が起こらず、十分な耐酸化性が得られない。その結果、4V/Nbが0.1未満では溶接部の耐食性を向上させる効果が発揮されない。4V/Nbが20.0以下であることは、溶接部の耐食性をより向上させるために必要な条件である。4V/Nbが20.0超では、0.1未満の場合と同様にテンパーカラー直下にNb、Vが共存した濃化が起こらず、十分な耐酸化性が得られないため、溶接部の耐食性を向上させる効果が発揮されない。よって、4V/Nbの下限を0.1、上限を20.0とする。好ましくは、4V/Nbの下限が0.5、上限が15.0である。さらに、好ましくは4V/Nbの下限が0.8、上限が5.0である。
本発明のフェライト系ステンレス鋼では、上記の必須元素を含み、特定の必須元素については式(1)〜(3)を満たすようにその含有量を調整することで目的とする特性が得られる。また、本発明のフェライト系ステンレス鋼に、所望の特性に応じて、任意成分として、以下の元素を含有させてもよい。
Ti:0.5%以下
Tiは、Nbと同様にCrよりも優先的に炭窒化物を形成し、溶接部などの耐食性を向上させる元素である。その効果はTiの含有量を0.05%以上にすることで得られる。しかし、Tiの含有量が多くなると、熱延板の靭性が著しく劣化し、缶体の製造性が低下する。また、Tiの含有量が多くなると、製鋼におけるスラブでのTiNなどの生成により、冷延鋼板に表面欠陥(ヘゲ)が発生する。よって、Tiの含有量は0.5%以下とすることが好ましい。より好ましくは、Tiの含有量は0.3%以下である。
Cu:1.0%以下
Cuを含有すると、Crを20.0%以上含有させた鋼の場合、母材の耐食性が向上する。この効果は、ハロゲンを含む低pH酸溶液中で大きく、Cuの含有量を0.05%以上にすることで、地鉄の溶解を少なくできる。一方、Cuの含有量が1.0%を超えると、Cuの溶解が促進され、耐隙間腐食性が低下する場合もある。よって、Cuの含有量は1.0%以下が好ましく、より好ましくは0.7%以下とする。
Zr:0.6%以下
Zrは、Nbと同様にCrよりも優先的に炭窒化物を形成し、溶接部などの耐食性を向上させる。このため、溶接部の耐食性を考慮した場合には、Zrはフェライト系ステンレス鋼に含有させたい元素である。この効果はZrの含有量を0.05%以上にすることで得られる。一方、Zrを添加しすぎると金属間化合物を生成し、熱延板の靭性が劣化する場合がある。よって、Zrの含有量は0.6%以下が好ましい。より好ましくは、0.35%以下である。
W:3.0%以下
WはMoと同様に耐食性を向上させる効果がある。その効果はWの含有量を0.01%以上にすることで得られる。しかし、Wを過剰に含有すると、強度が上昇し、缶体の製造性が低下する。よって、Wの含有量は3.0%以下が好ましい。より好ましくは、2.0%以下である。
Co:1.0%以下
Coは、炭窒化物の凝集を抑制して靭性を向上させる元素である。その効果はCoの含有量を0.01%以上にすることで得られる。しかし、過剰のCoの含有は製造コストの増大を招く。このため、Coの含有量は1.0%以下が好ましい。よって、Coの含有量は1.0%以下とした。
REM(希土類元素):0.1%以下
REMは耐酸化性を向上させて、酸化スケール、テンパーカラーの形成を抑制し、溶接のテンパーカラー直下のCr欠乏領域の形成を抑制する。その効果はREMを0.0001%以上含有することで得られる。しかし、過剰のREMの含有は酸洗性などの製造性を低下させるうえ、鋼の製造コストの増大を招く。よってREMの含有量は0.1%以下が好ましい。より好ましくは、0.05%以下である。
B:0.1%以下
Bは二次加工脆性を改善する元素であり、その効果を得るためには、Bの含有量を0.0001%以上にすることが適当である。しかし、過剰のBの含有は、固溶強化による延性低下を引き起こす。よってBの含有量は0.1%以下が好ましい。より好ましくは0.05%以下である。
次に本発明のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法について説明する。
本発明のフェライト系ステンレス鋼の製造方法は特に限定しない。例えば、本発明のフェライト系ステンレス鋼は以下の方法で製造することが好ましい。
上記した成分組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の公知の方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊法により鋼素材(スラブ)とする。この鋼素材を、その後加熱するか、あるいは加熱することなく直接、熱間圧延して熱延板とする。熱延板には、通常、熱延板焼鈍が施されるが、用途によっては熱延板焼鈍を省略してもよい。次いで、熱延板を酸洗後、冷間圧延により冷延板としたのち、冷延板焼鈍、酸洗を施して製品とする。通常、温水器用途としては、JIS G4305の2B(スキンパス圧延材)品として使用されるが、加工後に研磨等を施しても何ら問題は無い。
本発明のフェライト系ステンレス鋼を製造するにあたっては、熱間圧延工程および冷間圧延工程の一部条件を特定条件とするのが好ましい。製鋼においては、上記成分を含有する溶鋼を、転炉あるいは電気炉等で溶製し、VOD(Vacuum Oxygen Decaburization)法により二次精錬を行うのが好ましい。溶製した溶鋼は、公知の製造方法にしたがって鋼素材とすることができる。本発明においては、生産性および品質の観点から、連続鋳造法により鋼素材を製造することが好ましい。連続鋳造して得られた鋼素材は、例えば、1000〜1250℃に加熱され、仕上げ温度が700〜950℃の熱間圧延により所望の板厚の熱延板とされる。もちろん、板材以外として加工することもできる。この熱延板は、必要に応じて、600〜900℃のバッチ式焼鈍あるいは900〜1100℃の連続焼鈍が施された後、酸洗等により脱スケールされ熱延板製品となる。また、必要に応じて、酸洗の前にショットブラストして酸化皮膜を除去してもよい。
さらに、冷延焼鈍板(再結晶焼鈍板)を得るために、上記で得られた熱延焼鈍板は、冷間圧延工程を経て冷延板とされる。この冷間圧延工程では、生産上の都合により、必要に応じて中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を行ってもよい。1回または2回以上の冷間圧延からなる冷延工程の総圧下率を60%以上、好ましくは70%以上とする。冷延板は、800〜1100℃、さらに好ましくは900〜1050℃の連続焼鈍(冷延板焼鈍)、次いで酸洗を施されて、冷延焼鈍板とされる。また、用途によっては、冷延焼鈍後に軽度の圧延(スキンパス圧延等)を加えて、鋼板の形状、品質調整を行うこともできる。
このようにして製造して得た冷延焼鈍板は、それぞれの用途に応じた曲げ加工等が施されて鋼部材になり、鋼部材同士が溶接されて缶体になる。ここで、溶接方法は、特に限定されるものではなくMIG(Metal Inert Gas)、MAG(Metal Active Gas)、TIG(Tungsten Inert Gas)等の通常のアーク溶接方法、スポット溶接、シーム溶接等の抵抗溶接方法、および電縫溶接方法などの高周波抵抗溶接、高周波誘導溶接が適用可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
表1に示す成分組成からなる鋼(鋼記号1〜15が本発明例、16〜25が比較例)を、50kg小型真空溶解炉で溶製した。
Figure 0005935792
これらの鋼塊を、1150℃に加熱後、仕上げ温度840℃、巻取り温度500℃の条件で熱間圧延を施して4.0mm厚の熱延板とした。得られた熱延板に対して、1000℃で熱延板焼鈍を施した。その後、酸洗し、冷間圧延により板厚1.0mmの冷延板とし、1000℃で冷延焼鈍を施した。
このようにして得られた冷延焼鈍板から、試験片を採取し、試験片にビード・オン・プレートのTIG溶接を下記の条件にて行った。溶接による裏ビード幅を表2に示す。酸素が本発明の範囲から外れるNo.19でビード幅が広くなっていることがわかる。
(溶接条件)
溶接電圧:10V
溶接電流:90A
溶接速度:600mm/min
電極:1.6mm径のタングステン電極
シールドガスの表ビード側:100vol%Ar 20L/min
シールドガスの裏ビード側:98vol%Ar+2vol%O 20L/min
このようにして得られた試験片を用いて、JIS G 0577「ステンレス鋼の孔食電位測定方法」をベースに、3.5%NaCl溶液中、30℃で溶接部の孔食電位(V’c10)の測定を行った。参照電極は飽和カロメル電極(SCE)とした。評価面は溶接の裏ビード側とした。試験前の研磨、および、試験液への浸漬後の10分間放置は行わず、直ちに電位走査を開始した。孔食電位の測定結果を表2に示す。
Figure 0005935792
表2より、本発明例は孔食電位が200mV以上であり、良好な耐食性を示すことがわかる。一方、本発明の範囲を外れる比較例はいずれも孔食電位が200mV以下であり耐食性が劣っている。
本発明によれば、溶接によって作製した缶体容器内部に温水を満たす用途において、溶接裏面のテンパーカラーの除去を行わなくても溶接部の耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼が得られる。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.020%以下、Si:0.05〜0.50%、Mn:1.00%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:20.0%超〜28.0%、Ni:0.6%以下、Al:0.03〜0.15%、N:0.020%以下、O:0.0020%未満、Mo:0.3〜1.5%、Nb:0.005〜0.60%、V:0.005〜0.50%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、下記式(1)、(2)および(3)を満足することを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
    25≦Cr+3.3×Mo≦30 (1)
    0.10≦Si+Al≦0.50 (2)
    0.1≦(4×V)/Nb≦20.0 (3)
    式(1)〜(3)における元素記号は、それらの元素の含有量を質量%で示したときの数値を意味する。
  2. Ti:0.5%以下、Cu:1.0%以下、Zr:0.6%以下、W:3.0%以下、Co:1.0%以下、REM:0.1%以下、B:0.1%以下のいずれか一種または二種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼。
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