JP2534942B2 - パイプのガスシ―ルドア―ク溶接方法 - Google Patents

パイプのガスシ―ルドア―ク溶接方法

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JP2534942B2 JP21995591A JP21995591A JP2534942B2 JP 2534942 B2 JP2534942 B2 JP 2534942B2 JP 21995591 A JP21995591 A JP 21995591A JP 21995591 A JP21995591 A JP 21995591A JP 2534942 B2 JP2534942 B2 JP 2534942B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CO2 を含んだ石油及
び天然ガス、またはCO2 を輸送するラインパイプの円
周溶接方法、特に溶接金属の耐選択腐食性や低温靭性、
耐割れ性に優れた円周溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、低合金鋼の溶接部選択腐食に関す
る公表文献には次のようなものがある。 1)氷海での溶接継手部局部腐食に対して、母材と溶接
金属のNi添加量の差が影響を及ぼすとするもの(阿部
隆ほか;「鉄と鋼」Vol.72,No.12,s1266, 1986年)。 2)同じく氷海域鋼の溶接部局部腐食で、NiとCuが
影響を及ぼし、 3.8 ΔCu+1.1 ΔNi+0.3 が選択腐食性を左右するとするもの(伊藤亀太郎ほか;
「鉄と鋼」Vol.72,No.12,s1265,1986 年)。 3)炭素鋼配管円周溶接部の選択腐食防止に、Cu及び
Niを含む低合金溶接棒の使用が有効であるとするもの
(幸英明;「材料」Vol.38,No.424,p62-p68,1989
年)。 4)溶接鋼管縦シーム溶接部の選択腐食防止に、Ni及
びMoの添加が有効であるとするもの(須賀ほか;特開
平3-170641号)。
【0003】以上のように氷海等の酸素を含む海水など
の腐食環境中で溶接金属の選択腐食を改善する方法とし
て、Ni及びCuを添加する方法や、溶接鋼管縦シーム
の選択腐食特性の改善にNi及びMoを添加する方法が
見いだされているが、CO2 を含む腐食環境で使用され
るラインパイプの円周溶接部の選択腐食抑制に、Ni及
びMo添加が有効であるとの知見や、溶接金属の硬さや
耐割れ性などの実用性を考慮したガスシールドアーク溶
接方法は得られていない。また、母材成分との関係にお
いて具体的にこの問題を解決する方法は見いだされてい
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】溶接鋼管あるいはシー
ムレス鋼管を、CO2 を含んだ石油及び天然ガスまたは
CO2 の輸送に使用すると、円周溶接金属が選択的に腐
食する、いわゆる溶接部選択腐食を起こす場合がある。
これは、溶接金属と母材との化学成分や組織が異なり溶
接金属部が電気化学的に卑になり、溶接金属部が選択的
に腐食するものである。前述のような環境で使用される
ラインパイプの場合、従来、この選択腐食を考慮した円
周溶接方法は検討されていなかった。しかしながら、実
環境では、この種の選択腐食が問題となることがしばし
ばあり、この検討が待たれている。
【0005】そこで、本発明者らは円周溶接金属の化学
成分及びその成分値を各種に変化させて、CO2 と海水
を含む腐食環境中で溶接部の選択腐食特性とその機械的
性質耐割れ性等について、綿密な調査を重ねた。本発明
は、この調査の結果得られた知見に基づくものであり、
溶接金属部の化学成分を調整するため、母材と溶接材料
及び溶接方法を調整することにより、円周溶接金属部の
選択腐食を防止するとともに、十分な強度と靭性及び耐
割れ性を備えた円周溶接金属を得るためのパイプのガス
シールドアーク溶接方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、溶接金
属の化学成分組成(重量%)が、 C ;0.01〜0.15% Si;0.20〜1.00% Mn;0.40〜2.00% Cu;≦2.50% Ni;0.50〜2.50% ΔCu+ΔNi;≧0.50%(Δ:溶接金属含有量−
母材含有量) PCM;≦0.25%(PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+
Cr/20+Mo/15+V/10+5B (1)) 残部はFe及び不可避不純物からなり、不可避不純物は
下記の範囲を満足するパイプのガスシールドアーク溶接
方法である。 P ;≦0.030% S ;≦0.030% Al;
≦0.05% N ;≦0.050% Nb;≦0.10% V ;
≦0.10% Cr;≦1.00% Ca;≦0.0025% O;
≦0.10% Zr;≦0.05% B ;≦0.002%
【0007】本発明の第2は、溶接金属の化学成分組成
(重量%)が、上記化学成分に加えて、MoまたはTi
のいずれか一方あるいは両方を含有することをを特徴と
するパイプのガスシールドアーク溶接方法である。 Mo ;≦1.05% ΔMo;≧0.03% Ti ;≦0.25%
【0008】また、第1及び第2発明に適用されるパイ
プ母材及び溶接ワイヤの各化学成分と溶接条件を
下記のとおりとしたものである。 母材の化学成分(重量%) C ;0.03〜0.15% Si;0.05〜0.50% Mn;0.50〜2.00% Al;0.005〜0.10% を含有し、または上記化学成分に加え、さらに下記の成
分の中から1種または2種以上を含有し、 Cu;0.05〜2.0% Ni;0.05〜2.0% Cr;0.05〜2.0% Mo;0.05〜1.0% Nb;0.005〜0.20% V ;0.005〜0.20% Ti;0.005〜0.20% B ;0.0005〜0.0020% Ca;0.0005〜0.0050% 残部がFe及び不可避不純物を含むものとする。 溶接ワイヤの化学成分(重量%) C ;0.01〜0.15% Si;0.20〜1.20% Mn;0.60〜2.50% Cu;≦3.00% Ni;0.50〜3.00% を含有し、または上記化学成分に加えて、下記成分を1
種または2種以上含有し 、Mo;≦1.10% Ti;≦0.30% 残部がFe及び不可避不純物からなり、不可避不純物の
含有量としては下記範囲を満足するものとする。 P ;≦0.030% S ;≦0.030% Al;
≦0.05% N ;≦0.01% Nb;≦0.02% V ;
≦0.02% Cr;≦0.05% Zr;≦0.05% O ;
≦0.02% B ;≦0.002% 溶接条件 シールドガス:100%CO2 あるいはAr+(5〜4
0%)CO2 ワイヤ径 :0.8〜1.6mm 溶接電流 :100〜500A アーク電圧 :15〜45V 溶接速度 :5〜150cm/min. 溶接姿勢 :全姿勢
【0009】
【作用】本発明は、以上のごとく、溶接金属の化学成分
を母材と溶接ワイヤの化学成分及び溶接条件の範囲を限
定することにより限定し、耐選択腐食性に富む十分な強
度と高靭性を備え、耐割れ性に優れた円周溶接方法であ
る。
【0010】次に、溶接金属中の各々の化学成分を限定
した理由について述べる。 C;0.01〜0.15% Cは良好な作業性及び溶接金属の機械的性質を得るため
に溶接金属中で0.01〜0.15%とする。0.01
%未満では、溶接金属中のフェライト粒が粗大化するた
め強度及び靭性が低下し、機械的性能が母材に対して不
十分となる。0.15%を超えると、溶接金属の強度が
母材に対して過大となり、それによる靭性不足が生じ
る。さらに硬さが上昇するため溶接割れや応力腐食割れ
感受性が増大する。 Si;0.20〜1.00% Siは良好な作業性及び溶接金属の機械的性質を得るた
めに溶接金属中で0.20〜1.00%とする。0.2
0%未満では、母材に対する溶融金属のなじみが低下す
るためにビード形状が不良となり、融合不良等の欠陥の
原因となる。特に含有量が極端に少ない場合には、脱酸
不足となりブローホールが発生する。また、機械的性能
では、溶接金属の強度が母材に対して不足する。1.0
0%を超えて溶接金属に添加すると溶接金属の強度が母
材に対して過大となり、それによる靭性不足が生じる。
また、硬さが上昇するため溶接割れや応力腐食割れ感受
性が増大する。 Mn;0.40〜2.00% Mnも良好な溶接作業性と機械的性質を得るために溶接
金属中で0.40〜2.00%とする。0.40%未満
では、Mn/Siの値が1に近づくほど、あるいは1を
下回るほどスラグ量が増加し、スラグ巻き込み等の原因
となる。特に含有量が極端に少ない場合には、脱酸不足
によるブローホールが発生する。また、機械的性能に関
しては、溶接金属の強度が母材に対して不足したり、焼
入れ性が低下するために靭性が劣化する。2.00%を
超えて溶接金属に添加すると、溶接金属の強度が母材に
対して過大となり、それによる靭性不足が生じる。ま
た、硬さが上昇するため溶接割れや応力腐食割れ感受性
が増大する。 Cu;≦2.50% Ni;0.50〜2.50% Cu及びNiは溶接金属の靭性改善と選択腐食特性を向
上させるため(図1参照)に、溶接金属中に2.50%
以下(Cu),0.50〜2.50%(Ni)添加す
る。Cuは溶接金属の選択腐食特性を向上させる効果を
有するが、2.50%を超えると高温割れに対する感受
性が増大する。Niも選択腐食特性向上に効果を有す
る。Cu無添加の場合、Ni添加で良好な選択腐食特性
を得るためには0.50%以上添加する必要がある。
2.50%を超えて添加すると溶接金属の強度が母材に
対して過大となり、それによる靭性不足が生じる。ま
た、硬さが上昇するため溶接割れや応力腐食割れ感受性
が増大する。また、特に応力腐食割れの発生を抑制する
場合には、Ni量を1.00%未満とする。なお、ワイ
ヤへのCu及びNiの添加方法としては、メッキ、溶融
のいずれでもよい。さらに、より良好な選択腐食特性を
得るためには、図1に示すようにCuとNiの溶接金属
と母材との含有量の差Δ(Cu+Ni)が0.5%以上
であることが望ましい。なお、図1は選択腐食特性に及
ぼすΔ(Cu+Ni)の影響をあらわしたグラフであ
り、縦軸に母材と溶接金属との間に流れた選択腐食電流
(μA)を、横軸にΔ(Cu+Ni)(%)をとって示
したものである。選択腐食電流がプラスのとき、溶接金
属の選択腐食は起こらない。Δ(Cu+Ni)が0.5
%以上になると選択腐食電流はプラスに転じている。 PCM;≦0.25% 式(1)で示されるPCM値が0.25%を超えると、溶
接金属の強度が母材に対して過大となり、それによる靭
性不足が生じる。また、硬さが上昇するため溶接割れや
応力腐食割れ感受性が増大する。
【0011】次に、本発明の第2発明においては、上記
成分のほか、さらに前述のような選択成分及びその組成
を限定する。Mo;≦1.05% ΔMo≧0.03% Moは溶接金属の選択腐食を防止するためにΔMoが
0.03%以上となるように溶接金属中に1.05%以
下で添加する。図2に示すように溶接金属と母材とのM
o含有量の差ΔMoを0.03%以上とすれば、CO2
を含む腐食環境中において溶接金属の選択腐食は防止で
きる。しかし、1.05%を超えて添加すると溶接金属
の硬さが増加し溶接低温割れや応力腐食割れ感受性を増
大させる。なお、図2は選択腐食特性に及ぼすΔMoの
影響をあらわしたグラフであり、縦軸に母材と溶接金属
との間に流れた選択腐食電流(μA)を、横軸にΔMo
(%)をとって示したものである。選択腐食電流がプラ
スのとき、溶接金属の選択腐食は起こらない。ΔMoが
0.03%以上になると選択腐食電流はプラスに転じて
いる。 Ti;≦0.25% Tiは初析フェライトの微細化による溶接金属の靭性を
目的として必要に応じて0.25%以下の範囲で溶接金
属に添加してもよい。0.25%を超えるとスラグ量が
増加するため、スラグ巻込み等の欠陥の原因となる。ま
た、溶接金属の強度が母材に対して過大となり、それに
よる靭性不足が生じる。また、硬さが上昇するため溶接
割れや応力腐食割れ感受性が増大する。不可避不純物;
不可避不純物の含有量が前記範囲内であれば、溶接金属
の耐選択腐食特性及び機械的性能を阻害しない。各成分
の含有量が前記範囲を超える場合には、溶接作業性の低
下(Al,Zr,Ca),溶接欠陥の発生(P,S,
B,N),機械的性能の劣化(Al,Cr,Nb,V,
O,N)等の不具合が生じる。
【0012】次に、鋼管母材の化学成分を限定した理由
について述べる。 C;0.03〜0.15% 鋼中の炭素は、鋼の強度を上昇させる上で有効な元素で
あるが、過度の添加は靭性の劣化を招く。したがって、
強度並びに靭性とも良好な鋼管を製造するために炭素量
の上限は0.15%とする。炭素量の低減は靭性を向上
させるが、0.03%以下になると靭性は劣化する。ま
た、安定したNb,V,Tiなどの析出硬化を有効に利
用するためにも0.03%の炭素は必要となるので、炭
素量の下限は0.03%とする。他の成分の限定理由は
以下のとおりである。 Si;0.05〜0.50% Siは脱酸のため必要であるが、過多に添加すると靭性
を劣化させるので下限を0.05%,上限を0.50
とする。 Mn;0.50〜2.00% Mnは脱酸のため0.50%以上必要であるが、2.0
0%を超えると溶接性を劣化させるので上限を2.00
%とする。 Al;0.005〜0.10% Alは脱酸のため必要であるが、0.005%未満では
脱酸が不十分となるので下限を0.005%とする。一
方0.10%を超えると鋼の清浄度並びにHAZ靭性を
劣化させるので上限を0.10%とする。 Cu;0.05〜2.0% Ni;0.05〜2.0% Cu並びにNiはHAZ靭性に悪影響を及ぼすことなく
母材の強度、靭性を改善させるが、2.0%を超えると
HAZの硬化性並びに靭性に悪影響を及ぼすので上限を
2.0%とする。 Cr;0.05〜2.0% Crは母材及び溶接部の強度を高めるが、2.0%を超
えるとHAZの硬化性並びに靭性を劣化させるので上限
を2.0%とする。 Mo;0.05〜1.0% Moは母材の強度並びに靭性を向上させるが、1.0%
を超えるとHAZの焼き入れ性を増して溶接性を劣化さ
せるので上限を1.0%とする。これら元素添加量の下
限は材質上の効果が得られる最小必要量とし、0.05
%とする。 Nb;0.005〜0.20% V;0.005〜0.20% Nb並びにVは強度・靭性に効果が認められるが、0.
20%を超えると母材並びに溶接部の靭性を劣化させる
ので上限は0.20%とする。下限は材質上の向上の認
められる0.005%とする。 Ti;0.005〜0.20% Tiは0.005%以上の添加によりスラブ加熱時のオ
ーステナイトの粗大化を防止する効果を有するので下限
を0.005%とし、過度に添加すると溶接部の靭性を
劣化させるので上限を0.20%とする。 B;0.0005〜0.0020% Bは母材の強度上昇に有効であるが、過度の添加は溶接
性並びにHAZ靭性の劣化を招くので上限は0.002
0%とし、下限は強度上昇に効果が認められる0.00
05%とする。 Ca;0.0005〜0.0050% Caの添加は、耐水素誘起割れ性を改善し、下限はその
効果の認められる0.0005%とする。過度の添加は
酸化物を形成して有害であるので上限を0.0050
とする。
【0013】本発明における溶接ワイヤの化学成分(重
量%)の限定理由は次のとおりである。 C;良好な溶接作業性を確保し、かつ母材に対して適切
な強度、靭性及び硬さを得るために0.01〜0.15
%添加する。 Si;脱酸作用によってブローホールの発生を抑制する
とともに、良好な溶接作業性及び適切な溶接金属の機械
的性質を得るために0.20〜1.20%添加する。 Mn;Siと同様の理由により、0.60〜2.50%
添加する。 Cu;溶接割れの発生を抑制しつつ、溶接金属の耐選択
腐食特性を向上させるために3.00%を上限として添
加する。 Ni;母材に対して適切な靭性、強度及び硬さを確保し
つつ、溶接金属の耐選択腐食特性を向上させるために
0.50〜3.00%添加する。 Mo;Niと同様の理由により、1.10%を上限とし
て添加する。 Ti;溶接作業性を阻害しない範囲で溶接金属の靭性を
向上させるために0.30%を上限として添加する。 不可避不純物;各成分の含有量が前記範囲を超える場合
には、溶接欠陥の発生(P,S,B,N),溶接作業性
の低下(Al,Zr),機械的性能の劣化(Al,C
r,Nb,V,O,N)等の不具合が生じる。
【0014】本発明における溶接条件の限定の理由は次
のとおりである。 シールドガス:CO2 溶接用あるいはマグ溶接用として
一般に使用されているシールドガスの組成とする。 ワイヤ径:開先形状及び溶接姿勢に応じて一般に使用さ
れている溶接用ワイヤ径とする。 溶接電流、アーク電圧、溶接速度:開先形状、溶接姿
勢、及びワイヤ径に応じて一般に使用される溶接電流、
アーク電圧、溶接速度とする。 溶接姿勢:全姿勢 パイプの円周溶接を考慮して全姿勢とする。
【0015】
【実施例】本発明の実施例について述べる。表1に供試
母材の化学成分(重量%)を示す。表1に示すA〜D鋼
を用いて外径38インチ×全長12mの溶接鋼管を製造
した後、ガスシールドアーク溶接により円周溶接を行
い、溶接金属の強度、靭性、海水環境(CO2 バブリン
グ)での選択腐食速度をそれぞれ測定した。表2,表3
に溶接金属の選択腐食速度、強度、靭性、割れ発生の有
無を示す。強度YSはJIS Z2201 3号(6mm
φ)試験片、靭性はJIS Z3128 4号試験片を
用いて、0℃での吸収エネルギーで評価した。溶接割れ
発生の有無は溶接後5断面の観察により判定し、選択腐
食速度は円周溶接部を含む全長50cm鋼管の内部に、人
工海水を入れ、これにCO2 ガスを吹き込んで、母材と
溶接金属部の板厚の差を求めることにより、測定した値
である。
【0016】表2,表3に示すように、溶接金属の化学
成分が特許請求の範囲を満足する円周溶接部では、降伏
強度(350N/mm2 以上),靭性(50J以上),選
択腐食性(溶接金属部が選択的に腐食しない、表2中0
で表示)に優れ、硬さが低く(Hv300以下),耐割
れ性にも優れた円周溶接部であることが確認された。
【表1】
【表2】
【表3】
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、溶接金属
部の化学成分を母材と溶接材料及び溶接方法により調整
するものであるから、CO2 を含む海水環境など腐食環
境にさらされた円周溶接部の選択腐食において、溶接金
属部と母材とのCu,Ni,Mo差を前述のように特定
することにより、十分な強度及び高靭性を有し、かつ耐
溶接割れ性と耐選択腐食性に優れた円周溶接金属部を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】母材と溶接金属との間に流れた選択腐食電流
(μA)とΔ(Cu+Ni)との関係を示すグラフであ
る。
【図2】母材と溶接金属との間に流れた選択腐食電流
(μA)とΔMoとの関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 元清 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 中野 利彦 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100−1 株式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 (72)発明者 小西 正人 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100−1 株式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 (56)参考文献 特開 平1−201496(JP,A) 特開 平2−182377(JP,A) 特開 昭63−295070(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプの円周溶接において、下記化学成
    分(重量%)の溶接金属が得られるような、パイプ母材
    と溶接ワイヤと溶接条件との組合せによるパイプ
    のガスシールドアーク溶接方法。 C ;0.01〜0.15% Si;0.20〜1.00% Mn;0.40〜2.00% Cu;≦2.50% Ni;0.50〜2.50% ΔCu+ΔNi;≧0.50%(Δ:溶接金属含有量−
    母材含有量) PCM;≦0.25% (PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60
    +Cr/20+Mo/15+V/10+5B) 残部はFe及び不可避不純物からなり、不可避不純物は
    下記の範囲を満足するものとする。 P ;≦0.030% S ;≦0.030% Al;
    ≦0.05% N ;≦0.050% Nb;≦0.10% V ;
    ≦0.10% Cr;≦1.00% Ca;≦0.0025% O;
    ≦0.10% Zr;≦0.05% B ;≦0.002% 母材の化学成分(重量%) C ;0.03〜0.15% Si;0.05〜0.50% Mn;0.50〜2.00% Al;0.005〜0.10% を含有し、または上記化学成分に加え、さらに下記の成
    分の中から1種または2種以上を含有し、 Cu;0.05〜2.0% Ni;0.05〜2.0% Cr;0.05〜2.0% Mo;0.05〜1.0% Nb;0.005〜0.20% V ;0.005〜0.20% Ti;0.005〜0.20% B ;0.0005〜0.0020% Ca;0.0005〜0.0050% 残部がFe及び不可避不純物を含むものとする。 溶接ワイヤの化学成分(重量%) C ;0.01〜0.15% Si;0.20〜1.20% Mn;0.60〜2.50% Cu;≦3.00% Ni;0.50〜3.00% を含有し、または上記化学成分に加えて、下記成分を1
    種または2種以上含有し 、Mo;≦1.10% Ti;≦0.30% 残部がFe及び不可避不純物からなり、不可避不純物の
    含有量としては下記範囲を満足するものとする。 P ;≦0.030% S ;≦0.030% Al;
    ≦0.05% N ;≦0.01% Nb;≦0.02% V ;
    ≦0.02% Cr;≦0.05% Zr;≦0.05% O ;
    ≦0.02% B ;≦0.002% 溶接条件 シールドガス:100%CO2 あるいはAr+(5〜4
    0%)CO2 ワイヤ径 :0.8〜1.6mm 溶接電流 :100〜500A アーク電圧 :15〜45V 溶接速度 :5〜150cm/min. 溶接姿勢 :全姿勢
  2. 【請求項2】 上記溶接金属が上記化学成分に加えて、
    MoまたはTiのいずれか一方あるいは両方を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載のパイプのガスシールド
    アーク溶接方法。 Mo ;≦1.05% ΔMo;≧0.03% Ti ;≦0.25%
JP21995591A 1991-08-30 1991-08-30 パイプのガスシ―ルドア―ク溶接方法 Expired - Lifetime JP2534942B2 (ja)

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