JP3878105B2 - 鋼管周溶接用ソリッドワイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、API(American Petroleum Institute:アメリカ石油協会)規格の5Lで規定されているX70及びX80並びにこれらと同等の強度を有する高張力鋼からなる鋼管周継手用ソリッドワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
寒冷域又は海底におけるガス及び油田開発が進み、パイプラインの敷設及び使用環境はより多様化しているが、一方では、高騰するパイプライン敷設及び操業コストの低減が求められている。このため、近年、高強度鋼材の使用による鋼材量の低減及び操業圧力の増加が試みられており、国外ではX80クラスの鋼管が使用されている。国内で使用されている鋼管は、現時点ではX65クラスまでにとどまっているが、X80クラスの適用も積極的に検討されており、X80クラスの鋼管を周継手溶接するためのソリッドワイヤについての検討も進められている。
【0003】
一般にガスシールドアーク溶接は、使用するシールドガスの種類によって、100%CO2による溶接及びArとCO2との混合ガスによる溶接に大別できる。100%CO2の場合、シールドガスが安価及びワイヤの溶着速度が速い等の特徴があり、コスト及び能率の点で優れているが、その反面、スラグ及びスパッタの発生量が多い等の欠点がある。前記スラグ及びスパッタに関しては除去に手間をかければ解決するが、100%CO2では、更に、溶接金属の酸素量が多くなり低温での靱性が低下するという機械的性質上の問題もある。一方、ArとCO2との混合ガスの場合、溶接時のスパッタは少なく、溶接金属の酸素量も低くなるため優れた低温靱性を得ることができる。そのため、一般的にはAr比率が80体積%のArとCO2との混合ガスが使用されている。しかしながら、Ar比率の大きなシールドガスは溶融金属の広がりが小さく、開先角度及び開先幅が狭い場合には開先面の際に融合不良が発生しやすいといった問題があり、能率向上のために狭開先化が進められているパイプラインの周溶接分野においては、Ar比率が80体積%未満のArとCO2の混合ガスが検討されている。
【0004】
例えば、X65以下の鋼管周継手用のソリッドワイヤにおいては、Arの比率を75体積%とした場合でも開先の際の溶け込みを確保し、更に、ワイヤの低酸素化により溶接金属中の酸素量の低減を図り、100%CO2を使用した場合においても−5乃至0℃で100J以上の吸収エネルギーを得ている(特許文献1及び2参照)。
【0005】
また、引張強度690MPa以上の高張力を有する板厚10mm以下程度の鋼板ではCO2比率が5乃至50体積%のArとCO2との混合シールドガスを適用するための検討がなされている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−18591号公報 (第2−8頁、図1−3)
【特許文献2】
特開2002−18592号公報 (第2−6頁、図1−2)
【特許文献3】
特開平8−99175号公報 (第2−7頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び2はX65以下に限定したものであり、X80クラスについては考慮されていない。また、特許文献3は自動車用の比較的薄い鋼板を対象としたものであり、パイプライン用としては適用可能な板厚が極めて限定される。更に、特許文献1乃至3のいずれの発明も、例えば−30℃といった低温下での共用を考慮したものではない。
【0008】
すなわち、シールドガスの組成を広範囲に採用でき、溶接作業性に優れ、且つ、−30℃以下での低温靱性に優れたX80周継手溶接用のソリッドワイヤは未だ開発されていないのが現状である。
【0009】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであって、API−5L−X70及びX80並びにこれらと同等の強度を有する高張力鋼からなる鋼管周継手を溶接する際に、良好な溶接作業性及び溶接能率を確保しつつ、十分な強度及び低温靱性を有する溶接金属が得られる鋼管周溶接用ソリッドワイヤを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る鋼管周溶接用ソリッドワイヤは、高張力鋼からなる鋼管周継手を1層1パスで溶接するための鋼管周溶接用ソリッドワイヤにおいて、ワイヤ全質量あたり、C:0.04乃至0.12質量%、Si:0.40乃至0.70質量%、Mn:1.60乃至2.20質量%、S:0.003乃至0.040質量%、Ti:0.030乃至0.150質量%、B:0.0030乃至0.0070質量%、O:0.0050乃至0.0150質量%及びH:1.0乃至4.0ppmを含有し、更に、Mo及びCrのうち少なくとも1種をMo+0.8Crが0.35乃至1.20質量%になるように含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、前記不可避不純物のうち、P:0.030質量%以下、Al:0.030質量%以下、Nb:0.015質量%以下、V:0.020質量%以下及びN:0.010質量%以下に規制したことを特徴とする。
【0011】
この場合に、ワイヤ全質量あたり、Cuを0.30質量%以下含有していてもよく、更に、Niを0.90質量%以下含有していてもよい。
【0012】
また、前記C、Si、Mn、S、Ti及びBは、C:0.05乃至0.12質量%、Si:0.40乃至0.65質量%、Mn:1.70乃至2.05質量%、S:0.005乃至0.030質量%、Ti:0.030乃至0.100質量%及びB:0.0045乃至0.0060質量%であることが好ましい。
【0013】
更に、前記ソリッドワイヤの組成において、ワイヤ中のS含有量を[S](質量%)、O含有量を[O](質量%)、H含有量を[H](ppm)としたとき、下記数式1により与えられるAの値が0.045以上となることが好ましい。
【0014】
【数1】
【0015】
本発明においては、ソリッドワイヤの組成を前記範囲に限定することにより、溶接金属の靱性を向上させ、適正な強度及び硬さを確保し、耐割れ性及び耐ブローホール性等の欠陥性を改善するとともに、スパッタ発生量、アーク安定性及びスラグ剥離性等の溶接作業性を良好にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、強度確保に有用なCr又は/及びMoの添加によるアーク安定性の低下及びビード形状の劣化を改善するため、ワイヤ成分について種々検討を行った結果、S、O及びHを適量添加することによってアークが安定すると共に、溶融金属の粘度が低下して溶融金属の広がりがよくなり、ビード形状が改善することを見出した。
【0017】
溶接金属の強度は、X80クラスの鋼管を溶接する場合を想定して設定した。API規格の5Lで規定されているX80の引張強さの下限値は620MPaであるが、パイプラインでは溶接金属に母材以上の強度を要求されることが多く、本発明では、十分これが期待できる750MPa以上の強度を目標とした。また、溶接金属の最高硬さは、ビッカーズ硬さ(Hv)で350以下を目標とした。強度の確保は、上述の問題を解決したことにより、靱性面でも有用なCr又は/及びMoを利用することにした。
【0018】
一方、溶接金属の低温靱性は吸収エネルギーで100J以上を目標とし、−30℃を標準として更に低温での靱性要求も想定して−60℃についても検討を行った。パイプラインの鋼管周継手の溶接は本発明で限定している1層1パスでの溶接が能率的であるが、反面、原質部主体のミクロ組織となり、再熱部の比率が多くなる1層2パスでの溶接に比べて靱性の確保が難しい。このため、原質部のミクロ組成の微細化について鋭意検討した。その結果、Ti及びBの添加に加え、Sの添加、Cr又は/及びMoの添加による焼入性の向上によって原質部のミクロ組成を微細なアシキュラーフェライトと呼ばれる組織に制御することに成功した。前記アシキュラーフェライトとは、Ti含有酸化物等を核生成サイトとした粒内核生成型のベイナイトであり、一般的にアシキュラーフェライト又は針状フェライトと呼ばれる。更に、この組織制御により、−30乃至−40℃程度であれば、高価なNiを添加しなくても、靱性を目標値以上に高めることができた。
【0019】
以下に、本発明の鋼管周溶接用ソリッドワイヤについて更に説明する。先ず、含有成分の限定理由について述べる。
【0020】
C:0.04乃至0.12質量%
Cは溶接金属の強度を確保するために必要な元素である。また、全姿勢の下進溶接では、ビードの垂れを防ぐために短絡溶滴移行が必要となるが、安定した溶滴移行を得るためにある量以上のCが必要である。溶接金属の強度確保及びアークの安定性を確保するために有効なC含有量は0.04質量%以上である。一方、C含有量が0.12質量%を超えると、溶接金属の焼入れ性が過大となり、本発明の狙いとする微細なアシキュラーフェライト主体の組織が得られずにマルテンサイト組織となるため、靱性が低下する。また、溶接作業性の面においても、スパッタが増加して溶接作業性が低下する。従って、ワイヤ中のC含有量は0.04乃至0.12質量%とする。なお、C含有量は0.05乃至0.12質量%とすることがより好ましい。
【0021】
Si:0.40乃至0.70質量%
Siは主要な脱酸元素であり、またビード止端部のなじみを改善する役割をする。Si含有量が、0.40質量%未満では脱酸不足になり、ブローホールが多発するようになる。一方、Si含有量が0.70質量%を超えると、ラス状ベイナイトを形成し、靱性が低下する。一般に、Si含有量が多くなるとスラグ量が増加し、その除去に時間を要するようになるが、0.90質量%までであればそのような問題も生じない。しかし、本発明は良好な靱性を有する溶接金属を提供することを目的としているため、靱性面を重視し、Si含有量の上限を0.70質量%とする。従って、ワイヤ中のSi含有量は0.40乃至0.70質量%とする。なお、Si含有量は0.40乃至0.65質量%とすることがより好ましい。
【0022】
Mn:1.60乃至2.20質量%
Mnは焼入れ性を向上し、溶接金属の強度及び靱性を増加させる効果がある。また、Sと化合し、溶接金属中にアシキューラフェライトの核生成サイトとして有効なMnSを形成する。Mn含有量が1.60質量%未満では、これらの作用が十分に発揮できない。一方、Mn含有量が2.20質量%を超えると、焼入れ性が過大となり、マルテンサイト組成を生じるとともに、強度が過剰になり、靱性が低下する。また、スラグ量も増加し、除去作業の手間も増大する。従って、ワイヤ中のMn含有量は1.60乃至2.20質量%とする。なお、Mn含有量は1.70乃至2.05質量%とすることがより好ましい。
【0023】
S:0.003乃至0.040質量%
SはMnと化合して溶接金属中にMnSを形成し、アシキュラーフェライトの核生成サイトとして働いて、靱性を向上させる作用を有する。これは、Tiを添加することによって生成するTi含有酸化物が核生成サイトの働きをするのと同様の働きである。一般に、核生成サイトの主役を担うのはTiであるが、Sの添加によって相乗効果を発揮し、低温での靱性においては、Tiを単独で添加した場合よりも、靱性を向上させる効果が大きい。また、Sは溶融金属の粘性を下げ、ビードを平坦にする効果があり、狭い開先における溶融不良防止に有効である。更に、Sは全姿勢溶接において、溶融金属の垂れによる凸ビード化を防止する。このような効果を得るためには、Sを0.003質量%以上の添加することが必要である。一方、S含有量が0.040質量%を超えると、耐高温割れ性が劣化し、低温靱性も劣化傾向に転ずる。従って、ワイヤ中のS含有量は0.003乃至0.040質量%とし、更に好ましくは、0.005乃至0.030質量%とする。
【0024】
Ti:0.030乃至0.150質量%
Tiは強力な脱酸剤であり、溶接金属中の酸素量を下げる。また、溶接金属中にTi含有酸化物を生成し、アシキュラーフェライトの核生成サイトとしての作用及び靱性を向上させる作用を有する。これらの効果は、Ti含有量が0.030質量%以上で顕著になる。一方、Ti含有量が0.150質量%を超えると、溶接金属中のTi量が多くなるため、強度及び硬度が過度に高くなり、靱性が低下する。また、スラグ量が増加するため、除去作業の手間も増大する。従って、ワイヤ中のTi含有量は0.030乃至0.150質量%とする。なお、Ti含有量は0.030乃至0.100質量%とすることがより好ましい。
【0025】
B:0.0030乃至0.0070質量%
Bはオーステナイト粒界のエネルギーを低下し、オーステナイト粒界から生成するラス状ベイナイトの生成を抑制する。前記効果は、B含有量が0.0030質量%以上で現れる。一方、Bを0.0070質量%を超えて添加すると、耐高温割れ性が低下する。従って、ワイヤ中のBの含有量は0.0030乃至0.0070質量%とする。なお、B含有量は0.0045乃至0.0060質量%とすることがより好ましい。
【0026】
O:0.0050乃至0.0150質量%
本発明に係る検討において、溶接金属中のO含有量を支配するのは、シールドガス組成並びにC、Si及びTi等の脱酸性元素量の添加量であり、ワイヤに含まれるOの影響は比較的小さいことが確認された。そこで、本発明では、Oはスパッタ発生量を低減し、またSと同様に溶融金属の粘性を下げてビードを平坦にする効果があるため、靱性向上のためにワイヤ中のO含有量を低減するという手段はとらず、Oを積極的に利用した。これらの効果はO含有量が0.0050質量%以上で顕著となる。溶接金属中のO含有量に対しての寄与は小さいものの、ワイヤ中のO含有量が0.0150質量%を超えると、溶接金属の酸素量に影響し、靱性が低下するようになる。従って、ワイヤ中のO含有量は0.0050乃至0.0150質量%とする。
【0027】
H:1.0乃至4.0ppm
Hは熱的ピンチ効果によりアークを緊縮してアーク安定性をよくする作用があり、更に、S及びOとの相互作用によって開先の際の融合不良を防止する役割もする。その効果を発揮するためには、Hを1.0ppm以上の添加する必要がある。一方、H含有量が4.0ppmを超えると、溶接金属中の拡散性水素量が増加し、耐低温割れ性が低下する。従って、ワイヤ中のH含有量は、1.0乃至4.0ppmとする。なお、Hはワイヤに添加しても良いが、ワイヤ表面近傍に存在する方がより大きな効果が得られるため、ワイヤ表面塗布物から添加するのがより好ましい。
【0028】
Mo+0.8Cr:0.35乃至1.20質量%
Mo及びCrは溶接金属の強度を高める作用がある。図1はワイヤ中のMo及びCrの含有量と溶接金属(板厚20mm)の引張強さの関係を示すグラフ図である。また、表1にはCr及びMoを添加していないワイヤの成分組成を示す。表1に示したワイヤの場合、溶接金属強度は670MPaであった。また、図1に示すように、Cr及びMoを各々単独で使用した場合の強度を比較すると、CrはMoのおよそ0.80倍寄与することがわかる。そこで、Crの効果をMoに換算(Mo+0.8Cr)したところ、Cr及びMoを複合添加した場合の強度は、Moを単独で添加した場合のMo添加量と強度の関係とほぼ一致した。
【0029】
【表1】
【0030】
X80クラスに適用するために必要である750MPa以上の強度を得るためには、Mo+0.8Cr含有量を0.35質量%以上とする必要がある。しかし、Mo+0.8Cr含有量が1.20質量%を超えると、マルテンサイト組織を生じるようになるため靱性が低下し、更に、強度も過剰となり耐割れ性が劣化する。Cr及びMoは強度に寄与すると共に、焼入れ性を向上させ、ミクロ組織を微細化して靱性を向上させる作用を有する。この作用はMo+0.8Cr含有量が0.20質量%程度から現れ、マルテンサイト組織が生成する1.20質量%まで有効に続く。従って、ワイヤ中のMo+0.8Crの含有量は0.35乃至1.20質量%とする。
【0031】
P:0.030質量%以下
Pは溶接金属の耐高温割れ性及び低温靱性を劣化させるため、出来る限り少なくすることが望ましい。実用上、P含有量は0.030質量%までは許容できるので、これを上限とする。
【0032】
Al:0.030質量%以下
Alは、含有量が0.030質量%を超えると、ラス状ベイナイトを生成し、靱性を低下させる。従って、ワイヤ中のAl含有量は0.030質量%以下とする。
【0033】
Nb:0.015質量%以下
Nbは含有量が0.015質量%を超えると低温での靱性を大きく低下させる。特に低温での靱性が必要でない場合は、強度を上昇させる成分として利用できるが、本発明が目標とする−30℃、又はそれよりも更に低温での靱性が必要な場合は抑制する必要がある。従って、ワイヤ中のNb含有量は0.015質量%以下とする。
【0034】
V:0.020質量%以下
Vは、含有量が0.020質量%を超えると低温での靱性を大きく低下させる。特に低温での靱性が必要でない場合は、Nbと同様に強度を上昇させる成分として利用できるが、本発明が目標とする−30℃、あるいはそれよりも更に低温での靱性が必要な場合は抑制する必要がある。従って、ワイヤ中のVの含有量は0.020質量%以下とする。
【0035】
N:0.010質量%以下
Nは、溶接金属中においてTi及びBと化合してTiN及びBNを形成するため、Ti及びBにより本発明目標とする作用を阻害し、靱性を低下させる。その影響は、N含有量が0.010質量%を超えると現れるので、ワイヤ中のN含有量は0.010質量%以下とする。
【0036】
Cu:0.30質量%以下
Cuは耐食性を向上する効果があるが、一方で靱性及び耐割れ性を低下させることが知られている。耐食性を考慮する必要がない場合はなるべく少なくすることが望ましいが、Cu含有量が0.30質量%以下であれば問題なく、これを上限とする。なお、本発明でいうCu量にはワイヤのメッキ分も含める。
【0037】
Ni:0.90質量%以下
Niは、低温靱性の確保に有効な元素であるが、0.90質量%を超えて添加するとミクロ組成がマルテンサイトとなり靱性が低下するので、添加する場合でも0.90質量%以下にする。なお、本発明のワイヤでは、−30乃至−40℃程度までであれば、Niを添加せずとも良好な靱性が得られる。この温度範囲ではNiを添加しても靱性向上効果は僅かであり、意図的に添加しない方が経済的である。意図的に添加しないワイヤにおけるNi含有量は、通常は0.03質量%以下である。一方、−40℃を下回る場合の低温下における靱性確保には、Ni添加が効果的である。その場合のNi添加量としては0.20乃至0.90質量%が望ましい。
【0038】
S(質量%)+2×O(質量%)+H(ppm)/100:0.045以上
一般に、鋼管の開先幅及び開先角度が狭い場合は、融合不良が発生しやすくなる。本発明のワイヤにおいても、開先幅及び開先角度が狭い場合、Ar比率が60体積%以下のシールドガスであれば融合不良は発生しないが、Ar比率が60体積%を超えるシールドガスを使用すると、開先の際に融合不良が発生する場合がある。開先の際の融合不良は、S、O及びHを上述の範囲に規制し、アークの安定性及びビード形状を改善することにより防止しているが、Ar比率が60体積%を超えるシールドガスを使用する場合にはそれだけでは不十分である。図2は狭開先溶接における融合不良発生状況を示すグラフ図である。図2で示されているように、S、O及びHが上述の範囲を満足していても、上記数式1により与えられるAの値が0.045未満の場合は、融合不良が発生しやすくなる。そこで、上記Aの値は0.045以上とする。
【0039】
本発明において、狭い開先角度及び開先幅とは以下の場合をいい、併せてそのような開先形状が使用される理由について述べる。先ず、開先角度及び開先幅を以下のように定義する。図3は、種々の形状の開先部における開先角度及び開先幅を示す模式図である。本発明において、開先部を形成する鋼管1の端面(開先面)の断面形状が複数の辺により形成された多段形状となっている場合は、板厚tに対して最も大きな割合を占める辺より形成された開先部を主開先部aとする。従って、図3に示すように、開先角度αとは主開先部aにおける鋼管1の端面がなす角度をいい、開先幅Qとは主開先部aのうち最大の開先幅をいう。なお、図3(b)は、主開先部aにおいて、鋼管1の端面は平行となっており、端面がなす角度、即ち開先角度αは0゜である。
【0040】
本発明のソリッドワイヤを溶接する際の開先角度αは、0乃至40゜であることが好ましい。開先断面積は、開先角度に大きく依存し、開先角度αが40゜を超えると、開先断面積が大きくなって、その分溶接金属が必要となり、溶接能率が低下する。また、パイプラインの溶接は自動溶接で行われるが、開先角度が広い場合、下層から上層に進むにつれて開先幅の変化が大きくなるので、溶接条件を大きく変化させなければならず、その設定が面倒になる。一方、開先角度αが0゜未満であると、開先面と溶融金属のなじみが低下し、溶融不良が発生しやすくなる。
【0041】
また、本発明のソリッドワイヤを溶接する際の開先幅は、4乃至16mmであることが好ましい。開先幅が16mmを超えると、その分溶接金属が必要となり溶接能率が低下する。一方、開先幅が4mm未満では、溶融金属が表面張力により凸形状となり、融合不良が発生しやすくなる。更に、開先幅が4mm未満では、同一溶着量に対して、溶接金属の表面積が小さくなるので、スラグの厚さ及びビード表面積に占めるスラグ付着量の割合が増加し、除去に手間がかかるようになる。
【0042】
更に、本発明のソリッドワイヤの施行条件としては、1層あたり1パスの積層方法によって溶接することが好ましい。1層あたり2パス以上で溶接を実施した場合、全体的なパス数が増加するため施行能率が低下する。また、パスを振り分ける場合には狙い位置の変更が必要となり、溶接条件の設定が煩雑になる。なお、溶接姿勢は下進又は上進とし、ウィービングの有無は開先の幅に応じて適宜選択するものとする。
【0043】
また、本発明のワイヤは、100%CO2及びCO2が5体積%以上含まれるArとCO2との混合ガスに適用することができるが、より良好な作業性を得るためには、CO2比率が20乃至80体積%のArとCO2との混合ガスを使用することが望ましい。CO2比率が20体積%未満の場合、溶け込み形状が所謂フィンガー形状となり、シールドガスが溶融金属にトラップされてブローホールが発生しやすくなる。一方、CO2比率が80体積%を超えると、スパッタ及びスラグの発生量が増える。これらは除去に手間をかければ良いが、トータルコストとしてはArとCO2との混合ガスを使用した方が低くなる。
【0044】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を本発明範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。図4は本実施例における溶接部の開先の形状を表す断面図である。本実施例では、図4に示す開先形状を有するAPI−5L−X80鋼の周継手を自動溶接した。表2はこのときの溶接条件を示す。更に、表3及び表4は供試したワイヤの成分を示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
表3及び4に示す溶接ワイヤと組成を変えたシールドガスとを組み合わせて溶接試験を行った。下進2時方向の位置が最も靱性が低くなるので、試験片は周継手の下進1時の方向から3時の方向にかけて採取した。溶接金属中央の板厚の1/2位置から、溶接金属の機械的性能評価のために、JIS Z3111のA2号引張試験片及びJIS Z3111の4号衝撃試験片を採取し、試験を行った。その際、引張強さ750MPa以上を合格とした。衝撃試験は1温度あたり3本の試験片について試験を行い、−30℃における吸収エネルギーの平均値が100J以上を合格とした。また、一部の溶接試験体については、−60℃における試験も実施した。溶接金属最高硬さは、試験板の表面下2mm位置(最終パスに相当する)で、荷重98Nにおけるビッカース硬さを測定し、最高硬さHv350以下を合格とした。引張強さと最高硬さは相関があり、概ね引張強さが870MPaを超えると最高硬さは350を超えた。溶接作業性については、ビード形状、アーク安定性、スラグ除去性(スラグ量及び剥離性)を評価した。アーク安定性は、良好であった場合を◎、スパッタが若干多い場合を○、アークが不安定であった場合を×とした三段階で評価し、前二者を合格とした。スラグ除去性は、良好であった場合を◎、除去に多少時間がかかった場合を○、除去に多大の時間を費やした場合を×とした三段階で評価し、前二者を合格とした。ビード形状は、良好であった場合を◎、不良であった場合を×とした二段階で評価し、良好なものを合格とした。融合不良を含めた内部健全性は、X線透過試験によって評価し、欠陥なしの場合を◎、検査合格範囲ではあるが若干の欠陥が発生していた場合を○、不良の場合を×とした三段階で評価し、前二者を合格した。表5にこれらの試験結果を示す。
【0049】
【表5】
【0050】
以下、前記溶接試験の結果について詳細に記載する。前記表5における試験番号T1乃至T29は本発明の実施例であり、ワイヤ成分が本発明の範囲内であるため、いずれの試験においても良好な性能を示した。
【0051】
試験番号T1乃至T7で示されるように、シールドガスの組成は、Ar80体積%−CO220体積%の場合に最も良好な靱性が得られている。また、CO2比率の増加に伴って吸収エネルギーは低下する傾向にあるが、100%CO2を使用した場合でも、−30℃において100J以上の吸収エネルギーが得られた。但し、CO2比率が20%未満になると、スラグ発生量が多くなり、合格範囲ではあるが、その除去に時間を要するようになった。一方、Ar95体積%−CO25体積%組成の方が、Ar80体積%−CO220体積%より溶接金属の酸素量は減少するが、靱性は逆に低下した。これは、溶接金属中の酸素量の減少によって焼入れ性が増加し、靱性を損なうマルテンサイトが一部生成したことによる。更に、Arの比率が80体積%を超える混合ガスを使用した場合は、所謂フィンガービードとなり、合格範囲ではあるがブローホールが増加した。以上の結果から、溶接作業性及び耐欠陥性を一段厳しくして判定すると、シールドガスとしては、CO2比率を20乃至80体積%としたArとCO2との混合ガスがより好ましいことがわかる。
【0052】
また、0.2乃至0.90質量%のNiを添加したT8(ワイヤはW2、以下同様)、T9(W3)、T14(W8)及びT24(W18)は、−60℃においても100J以上の良好な吸収エネルギーが得られた。
【0053】
次に比較例について述べる。T30(W24)は、X65用として発明されたワイヤにCr及びMoを添加して強度の上昇を図ったワイヤである。ワイヤは通常の溶製方法及び伸線工程で製造し、積極的な水素添加は行なわず、ワイヤの水素含有量は0.9ppmであった。その結果、アーク安定が不良であり、良好なビード形状は得られなかった。また、T31(W25)及びT32(W26)はX65用として発明されたワイヤにV及びNbを添加したワイヤである。V及びNbの場合は、強度を得るために必要な添加量は微量であるため、溶接作業性はX65用ワイヤと大差はなかったが、靱性が目標値を大きく下回った。
【0054】
T33(W27)は、ワイヤ中のC含有量が不足しているため、溶接金属の引張強さが低く、アークも不安定であった。逆に、T34(W28)はワイヤ中のC含有量が過剰であるため、アークが不安定でスパッタ量が多く、作業性が非常に悪かった。また、溶接金属のミクロ組織がマルテンサイト組成となり、靱性が低く、最高硬さも350を超え、若干の低温割れの発生も認められた。
【0055】
T35(W29は)ワイヤ中のSi含有量が不足しているため、十分な脱酸効果が得られず、ブローホールが多発し、更に、ビード止端が不揃いで外観が非常に悪かった。逆に、T36(W30)はSi含有量が過剰であるため、低靱性であった。
【0056】
T37(W31)はワイヤ中のMn含有量が不足しているため、溶接金属の強度と靱性が低かった。逆に、T38(W32)はMn含有量が過剰であるため、スラグ発生量が多く、除去するのに時間を要した。また、溶接金属のミクロ組成がマルテンサイト組織となり、硬さが上昇し、低靱性であった。
【0057】
T39(W33)はワイヤ中のS含有量が不足しているため、溶融金属の粘度が高く、ビード形状が凸形になり、融合不良が発生した。また、MnSの生成量が少なく、ミクロ組成が十分微細せずに低靱性であった。逆に、T40(W34)は、S含有量が過剰であるため、靱性が低かった。また、若干ではあるが凝固剤割れも発生した。
【0058】
T41(W35)は、ワイヤ中のMo+0.8Cr含有量が不足しているため、強度が不足した。逆に、T42(W36)はMo+0.8Cr含有量が過剰であるため、溶接金属のミクロ組成がマルテンサイト組成となり、硬さが上昇し、低靱性であった。更に、低温割れの発生も認められた。
【0059】
T43(W37)はワイヤ中のTi含有量が不足しているため、微細なミクロ組成が得られず、靱性が低かった。逆に、T44(W38)はTi含有量が過剰であるため、アークが不安定で、スラグも多量に発生し、その除去が困難であった。また、T44では硬さが上昇し、低靱性であった。
【0060】
T45(W39)は、ワイヤ中のB含有量が不足しているため、粗大なフェライトとを生じ、靱性が低かった。T46(W40)は、ワイヤB量が過剰であるため、高温割れが発生した。
【0061】
T47(W41)は、ワイヤ中のO含有量が不足しているため、アークが不安定で、溶融金属の広がりも悪く、ビード形状が凸形状になり、一部で融合不良が発生した。逆に、T48(W42)は、O含有量が過剰であるため、溶接金属の酸素量が増加し、靱性が低かった。
【0062】
T49(W43)は、ワイヤ中のH含有量が不足しているため、アーク安定性が不良で、融合不良も発生した。T50(W44)は、ワイヤH量が過剰であるため、溶接金属の拡散性水素量が増加し、溶接線の全線にわたって低温割れが発生した。このため、引張及び衝撃試験片が採取できず硬さのみ測定した。
【0063】
T51(W45)はワイヤ中のP含有量が過剰であるため、低靱性であり、また一部高温割れの発生も認められた。T52(W46)は、ワイヤ中のCu含有量が規制値を超えているため、靱性が低かった。T53(W47)は、ワイヤ中のNb量が規制値を超えているため、靱性が大きく低下した。T54(W48)は、ワイヤ中のV量が規制値を超えているため、靱性が大きく低下した。T55(W49)は、ワイヤ中のN量が規制値を超えているため、Ti及びBの働きを阻害し、靱性が低かった。T56(W50)は、ワイヤ中のNi含有量が過剰であるため、マルテンサイト組織が生成し、靱性が低かった。T57(W51)は、ワイヤ中のAl含有量が過剰であるため、ラス状ベイナイトが生成し、靱性が低下した。
【0064】
次に、狭開先溶接に使用した場合の試験結果について述べる。以下の実施例では、試験板に板厚19mmのAPI−5L−X80鋼を使用し、開先形状は図3(b)に示す形状とした。但し、試験板表面側には開先を設けず、開先底部は初層溶接の裏波形状を考慮して半径3mmのU形とした。その際の開先角度は0゜、開先幅は6mmとした。表6はこのときの溶接条件を示す。
【0065】
【表6】
【0066】
表7には、供試したワイヤの成分を示す。表7に示すように、本実施例で使用したW1及びW6は、60゜開先の試験でも使用したワイヤである。また、前記供試ワイヤを使用した狭開先溶接の試験結果を表8に示す。本実施例では、試験片の採取要領及び判定基準は、前記60゜開先の試験と同様にした。
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
前記表7における試験番号T58乃至T65(T59及びT60は欠番)は本発明の実施例であり、Ar比率が60体積%を超えたシールドガスを使用した場合でも、融合不良は発生せず、良好な結果が得られている。
【0070】
次に比較例について述べる。試験番号T66(W1)は、シールドガス組成がAr50体積%−CO250体積%の場合であるが、シールドガス中のCO2比率が高いため、前記数式1により与えられるAの値が0.045未満ではあるが、良好な結果を示した。T67(W1)は、前記T66と同じワイヤを使用し、シールドガス中のAr比率を増加して溶接した場合である。T67(W1)は前記数式1により与えられるAの値が0.045未満であるため、Arの増加に伴いビードの広がりの減少が著しくなり、開先の際に合格レベルの融合不良が発生した。
【0071】
T68乃至T72は、同一のワイヤ(W54)を使用し、シールドガスを細かく変化させたものである。T68乃至T70は、シールドガス中のAr比率が60体積%以下であるため、不合格レベルの欠陥は発生しなかった。但し、T70(シールドガス組成:Ar50体積%−CO250体積%)は融合不良がやや多く発生し、合格レベルであるが、あまり余裕がなかった。T71及びT72は、シールドガス中のAr比率が60体積%を超えた場合であり、前記数式1により与えられるAの値も0.045未満であるため、開先の際に融合不良が多発し、不合格であった。
【0072】
T73乃至T77もW55を使用して同様の試験を行ったものである。W54と比較して前記数式1により与えられるAの値が高めであるため、融合不良の発生は多少改善傾向にあるが、前記Aの値が0.045未満の場合、シールドガス中のAr比率が60体積%を超えたシールドガスでは融合不良が発生し、不合格と判定された。
【0073】
本発明のワイヤを狭開先の周継手溶接に使用する場合は、前記数式1により与えられるAの値が0.045以上である方が、広範囲のシールドガス組成で、欠陥のない溶接金属を得ることができる。すなわち、狭開先溶接に使用するワイヤは、前記Aの値を0.045以上とするのが適当であり、T66以降で合格の結果が得られている場合もあるが、比較例となる。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ワイヤ中に含まれる成分を適性化することにより、API−5L−X70及びX80並びにこれらと同等の強度を有する高張力鋼からなる鋼管周継手の溶接において、溶接金属の靱性、強度及び硬度等の機械的性能を向上させ、耐割れ性及び耐ブローホール性等の欠陥性を改善するとともに、スパッタ発生量、アーク安定性及びスラグ剥離性等の溶接作業性を良好にすることができる。これにより、溶接作業性に優れ、且つ、低温靱性に優れた高張鋼からなる鋼管周継手を溶接するための鋼管周溶接用ソリッドワイヤを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤ中のMo及びCrの含有量と溶接金属の引張強さの関係を示すグラフ図である。
【図2】狭開先溶接における融合不良発生状況を示すグラフ図である。
【図3】種々の形状の開先部における開先角度及び開先幅を示す模式図である
【図4】本実施例における溶接部の開先の形状を示す断面図である。
【符号の説明】
1;鋼管
a;主開先部
t;板厚
Q;開先幅
α;開先角度
Claims (5)
- 高張力鋼からなる鋼管周継手を1層1パスで溶接するための鋼管周溶接用ソリッドワイヤにおいて、ワイヤ全質量あたり、C:0.04乃至0.12質量%、Si:0.40乃至0.70質量%、Mn:1.60乃至2.20質量%、S:0.003乃至0.040質量%、Ti:0.030乃至0.150質量%、B:0.0030乃至0.0070質量%、O:0.0050乃至0.0150質量%及びH:1.0乃至4.0ppmを含有し、更に、Mo及びCrのうち少なくとも1種をMo+0.8Crが0.35乃至1.20質量%になるように含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、前記不可避不純物のうち、P:0.030質量%以下、Al:0.030質量%以下、Nb:0.015質量%以下、V:0.020質量%以下及びN:0.010質量%以下に規制したことを特徴とする鋼管周溶接用ソリッドワイヤ。
- ワイヤ全質量あたり、Cuを0.30質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の鋼管周溶接用ソリッドワイヤ。
- ワイヤ全質量あたり、Niを0.90質量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管周溶接用ソリッドワイヤ。
- 前記C、Si、Mn、S、Ti及びBは、ワイヤ全質量あたり、C:0.05乃至0.12質量%、Si:0.40乃至0.65質量%、Mn:1.70乃至2.05質量%、S:0.005乃至0.030質量%、Ti:0.030乃至0.100質量%及びB:0.0045乃至0.0060質量%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鋼管周溶接用ソリッドワイヤ。
- ワイヤ中のS含有量を[S](質量%)、O含有量を[O](質量%)、H含有量を[H](ppm)としたとき、下記数式により与えられるAの値が0.045乃至0.078であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鋼管周溶接用ソリッドワイヤ。
A=[S]+2×[O]+[H]/100
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