JPH08120011A - 高吸水性樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

高吸水性樹脂粒子の製造方法

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JPH08120011A
JPH08120011A JP28276194A JP28276194A JPH08120011A JP H08120011 A JPH08120011 A JP H08120011A JP 28276194 A JP28276194 A JP 28276194A JP 28276194 A JP28276194 A JP 28276194A JP H08120011 A JPH08120011 A JP H08120011A
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JP
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water
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soluble
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meth
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JP28276194A
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English (en)
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Akira Matsumura
明 松村
Yoji Kawaguchi
洋二 川口
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/32Polymerisation in water-in-oil emulsions

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  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 (メタ)アクリル酸の部分中和塩の水溶液を
炭化水素溶媒中で逆相懸濁重合させて高吸水性樹脂粒子
を得るに際し、重合に際して反応器や撹拌翼へのスケー
リングを起こしがたく、また微粒子の生成が抑制され、
取り扱いやすい適度の平均粒径を有し、かつシャープな
粒度分布を有する高吸水性樹脂粒子を得ると共に、その
粒子中になお含まれている微粒子を造粒することにより
高吸水性樹脂粒子としての特性を一段と向上させる技術
を提供することを目的とする。 【構成】 β−1,3−グルカン類の共存下に、(メ
タ)アクリル酸の部分中和塩の水溶液を架橋剤の存在下
または不存在下にラジカル重合開始剤を用いて炭化水素
溶媒中で逆相懸濁重合させて高吸水性樹脂粒子を得る。
そしてその高吸水性樹脂粒子の含水率を10〜60重量
%に調整し、水溶性高分子粒子と混合した後、乾燥す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微粒子の生成が抑制さ
れ、取り扱いやすい適度の平均粒径を有し、かつシャー
プな粒度分布を有する高吸水性樹脂粒子を得ると共に、
その高吸水性樹脂粒子中になお含まれている微粒子を造
粒する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多量の水を吸収する性質を有する高吸水
性樹脂は、生理用品や衛生用品において体液を吸収しか
つ漏出を防止する体液吸収剤として有用であり、そのほ
か、土壌の保水剤、種子コーティング剤、止水剤、増粘
剤、結露防止剤、汚泥凝固剤、乾燥剤、調湿剤などの用
途にも使用されている。
【0003】高吸水性樹脂としては、澱粉−アクリロニ
トリルグラフト重合体の部分加水分解物、ポリアクリル
酸部分中和塩、ポリエチレンオキサイド系、ポリアクリ
ロニトリル系、ポリビニルアルコール系、またはこれら
の架橋体系など種々のものが知られているが、これらの
中では、品質・性能の観点から、(メタ)アクリル酸と
(メタ)アクリル酸水溶性塩とを炭化水素溶媒中で逆相
懸濁重合して得たポリアクリル酸部分中和塩が特に有用
である。
【0004】(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸
水溶性塩とを炭化水素溶媒中で逆相懸濁重合するに際し
ては、その重合を分散安定剤としての界面活性剤の共存
下に行うのが通常である。この目的の界面活性剤として
は、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアシルエステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オ
キシエチレン−オキシプロピレンブロックコポリマーを
はじめとする界面活性剤が用いられる。
【0005】上記逆相懸濁重合に際しては、上に例示し
たような界面活性剤と共にまたはそれに代えて、水溶性
高分子を共存させることもある。水溶性高分子共存の目
的は、保護コロイド、増粘またはグラフト化にあり、こ
れにより懸濁安定性の向上や粒径の調節などの作用効果
が得られることが期待される。
【0006】(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸
水溶性塩とを炭化水素溶媒中で逆相懸濁重合するに際
し、水溶性高分子を共存させることにつき開示のある出
願としては、たとえば次のようなものがある。
【0007】特開平2−153907号公報には、HL
B値が1〜8の範囲にあるソルビタン脂肪酸エステル
と、HLB値が1〜6の範囲にあるショ糖脂肪酸エステ
ルとの混合界面活性剤を共存させることにつき開示があ
り、その比較例6には、ソルビタンモノステアレートお
よびショ糖脂肪酸エステルと共にヒドロキシエチルセル
ロースを共存させた例があげられている。
【0008】特開平2−196802号公報には、分散
剤としてショ糖脂肪酸エステルおよび/またはポリグリ
セリン脂肪酸エステルを用いること、また水溶性エチレ
ン性不飽和単量体水溶液の粘度調整のために、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ
エチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレ
ンイミン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸(部分)中
和物架橋体、デキストリン、アルギン酸ナトリウムなど
の増粘剤を用いることができることが記載されており、
その実施例には、モノマー水溶液中にヒドロキシエチル
セルロースやポリアクリル酸ナトリウムを存在させた例
があげられている。
【0009】特開平3−195713号公報には、(メ
タ)アクリル酸とその塩を主成分とするアクリル酸系モ
ノマーを、水溶性ラジカル重合開始剤およびヒドロキシ
エチルセルロースの存在下に、分散剤としてのHLB3
〜6のソルビタン脂肪酸エステルを使用して油中水滴型
逆相懸濁重合法によって重合することが示されている。
【0010】特開昭56−76419号公報には、ヒド
ロキシエチルセルロースを含有したアクリル酸アルカリ
金属塩水溶液を、HLB3〜6のソルビタン脂肪酸エス
テルの存在下に分散させ、架橋剤の不存在下に重合させ
る水膨潤性ポリマーの製造法が示されている。
【0011】特開昭60−36534号公報には、逆相
懸濁重合を行うときの保護コロイドとして、ソルビタン
脂肪酸エステル、セルロースエーテル(エチルセルロー
ス、ベンジルセルロース等)、セルロースエスエル(セ
ルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロー
スアセテートブチレート等)、高分子分散剤(マレイン
化ポリブタジエン、マレイン化ポリエチレン、マレイン
化α−オレフィン等)を用いることができることが示さ
れている。
【0012】特開昭63−118308号公報には、ア
クリル酸部分中和塩などのモノマー成分と共に、デンプ
ン、セルロースまたはその誘導体、ポリビニルアルコー
ルなどを共存させてグラフト重合を行ってもよいとの記
載がある。
【0013】特開昭60−186506号公報には、ポ
リ(メタ)アクリル酸塩の水溶液を炭化水素またはハロ
ゲン化芳香族炭化水素中で懸濁重合するに際し、保護コ
ロイドとして油溶性のセルロースエステルまたはセルロ
ースエーテルを使用することが示されている。
【0014】特開平4−120111号公報および特開
平4−120112号公報には、水溶性単量体と多糖類
(デンプン類、セルロース類)および/または架橋剤を
重合することにつき開示があるが、逆相懸濁重合に関す
る実施例11(両公報共)を含め、多糖類を用いた実施
例はあげられていない。
【0015】高吸水性樹脂粒子として適度の平均粒径の
ものを得ることに成功しても、その粒子中になお無視し
えぬ量の微粒子が含まれていると、取り扱い時の粉塵の
発生、水や体液を吸収したときのママコ現象の発生、他
の物質と混合する際の分散不均一、ホッパーに供給した
ときのブリッジの発生などのトラブルを完全には防止で
きない。
【0016】微粒子状の高吸水性樹脂粒子を造粒して適
度の粒径にする方法については、本出願人の出願にかか
る特開平2−308820号公報がある。すなわちこの
公報の発明においては、含水率を所定の範囲に調整した
高吸水性樹脂粉末に水溶性高分子粉末を混合してから乾
燥することにより造粒する方法が示されており、さらに
は、上記の混合の前に、高吸水性樹脂粉末にソルビタン
系界面活性剤の有機溶剤溶液を混合してからその有機溶
剤を許容限度以下にまで揮発させておくことについても
開示がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】高吸水性樹脂の製造に
おいては、微粒子の生成が多かったり粒径分布が広かっ
たりすると、目的粒度の収率が少なくなるため生産性が
低下する。殊に微粒子の生成が多いときは、デカンテー
ション、ろ過、乾燥などの諸工程が円滑に行いがたく、
取り扱い時に粉塵も発生するため、作業性の点でも著し
く不利となる。
【0018】高吸水性樹脂の性能の点でも、粒径分布が
広いときは粉体性能のばらつきが大きくなる。また粒径
が小さいときは、水や体液と接触したときにママコ現象
を生じたり、不織布など目の粗い材料と組み合わせて用
いたときに粒子がその材料の目から漏れ出たりするの
で、実際の使用に際しトラブルを生ずることになる。
【0019】そこで、逆相懸濁重合に際して微粒子の生
成が抑制され、また200〜350μm 程度の適度の平
均粒径の粒子が得られ、しかもそのときの粒度分布がシ
ャープであることが強く望まれる。
【0020】しかるに、特開平2−153907号公報
の方法は、平均粒径を大きくすることには成功している
ものの、粒度分布が比較的広く微粒子の部分もかなりの
量存在するため、目的粒度のものの取得率がそれだけ低
下し、またろ過、乾燥などの工程が必ずしも円滑に行い
えないという問題点がある。ソルビタンモノステアレー
トおよびショ糖脂肪酸エステルと共にヒドロキシエチル
セルロースを共存させた例にかかる比較例6で得た粒子
は、平均粒径が490μm と過大である上、凝集傾向が
あり、さらには吸水能、吸水速度、保水力が小さいとい
う種々の欠点がある。
【0021】特開平2−196802号公報の方法は、
150〜550μm 程度の粒径の粒子が得られるが、製
造条件の許容範囲が狭く、撹拌翼や反応容器の形状、撹
拌条件、滴下量などのわずかの条件の違いにより塊状化
する傾向があり、工業的には採用しにくいという問題点
がある。加えて、この公報の方法においては、重合反応
器の器壁や撹拌翼にスケーリングを生じやすいという不
利があり、その原因の一つは、粘度調節に添加した増粘
剤にあるものと考えられる。
【0022】特開平3−195713号公報の方法は、
実施例では202〜355μm の粒子が得られていると
してあるものの、粒度分布が広いため微粒子も相当割合
で発生する上、得られる粒子は実際には小粒子の集合体
であって1次粒子の粒径自体は小さく、たとえばこれを
紙おむつに適用した場合、尿を吸収したときに細かな1
次粒子に戻ってしまい、不織布などの材料の目から漏れ
出てしまうという問題点がある。
【0023】特開昭60−36534号公報には得られ
る高吸水性樹脂の粒径につき記載がなく、特開平4−1
20111号公報および特開平4−120112号公報
には逆相懸濁重合により得られる高吸水性樹脂の粒径に
つき記載がないが、いずれの場合も粒径が適度に大きく
かつ粒度分布のシャープなものは得られがたい。特開昭
56−76419号公報においては、粒径10〜300
μm 程度の高吸水性樹脂を得ており、微粒子の割合が多
すぎるという難点がある。特開昭60−186506号
公報においては、セルロースエステルまたはセルロース
エーテルとして油溶性のものを用いてこれを炭化水素側
に溶解しているため、わずかの条件の違いにより塊状化
するおそれがある上、中心粒径100〜350μm 程度
の粒子を得ているもののなお粒径の小さいものの割合が
多いという問題点がある。特開昭63−118308号
公報においては、高吸水性樹脂を小片で得た後、これを
裁断し、さらに粉砕している。
【0024】含水率を所定の範囲に調整した高吸水性樹
脂粉末に水溶性高分子粉末を混合してから乾燥すること
により造粒する方法(特開平2−308820号公報)
は、一定程度の効果は得られるものの、もとになる高吸
水性樹脂粒子中の微粒子の生成割合が多かったり、粒径
が過小または過大であったり、粒度分布が広かったりす
るときには、所期の造粒が円滑に行われなかったり、造
粒後の高吸水性樹脂粒子の特性バランスが満足しうるも
のでなかったりするという問題点があった。すなわち、
造粒はあくまで補助的な改良手段であるので、原料とし
て本来問題のある高吸水性樹脂粒子を用いたのでは、造
粒により見掛け上微粒子の粒径を大きくしても、根本的
解決にはならないからである。
【0025】本発明は、このような背景下において、
(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸水溶性塩とを
主成分とする水溶性不飽和モノマーの水溶液を炭化水素
溶媒中で逆相懸濁重合させて高吸水性樹脂粒子を得るに
際し、重合に際して反応器や撹拌翼へのスケーリングを
起こしがたく、また微粒子の生成が抑制され、取り扱い
やすい適度の平均粒径(200〜350μm 程度)を有
し、かつシャープな粒度分布を有する高吸水性樹脂粒子
を得ると共に、その粒子中になお含まれている微粒子を
造粒することにより高吸水性樹脂粒子としての特性を一
段と向上させる技術を提供することを目的とするもので
ある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の高吸水性樹脂粒
子の製造方法は、β−1,3−グルカン類の共存下に
(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸水溶性塩とを
主成分とする水溶性不飽和モノマーの水溶液を架橋剤の
存在下または不存在下にラジカル重合開始剤を用いて炭
化水素溶媒中で逆相懸濁重合させて得た高吸水性樹脂粒
子であって、その含水率を10〜60重量%に調整した
高吸水性樹脂粒子を、該高吸水性樹脂粒子の乾燥基準に
対して 0.005〜5重量%の水溶性高分子粒子と混合した
後、乾燥することを特徴とするものである。
【0027】以下本発明を詳細に説明する。
【0028】本発明においては、モノマーとして、(メ
タ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸水溶性塩とを主成
分とする水溶性不飽和モノマーを用いる。このモノマー
は、(メタ)アクリル酸を、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ
金属水酸化物、水酸化アンモニウム、アミン類などで部
分中和することにより取得できる。
【0029】(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸
水溶性塩との混合比は、重量比で30:70〜10:9
0であることが好ましい。つまり(メタ)アクリル酸の
部分中和の程度は、全(メタ)アクリル酸の70〜90
モル%であることが好ましい。部分中和の程度が小さす
ぎるときは、得られる高吸水性樹脂の吸水倍率や吸水速
度が低下する上、製品粒子が酸性を呈する難があり、一
方部分中和の程度が大きすぎるときは、やはり吸水倍率
や吸水速度が低下する上、製品粒子がアルカリ性を呈す
る難がある。
【0030】架橋剤は存在させても存在させなくてもよ
いが、少量の架橋剤を用いる方が望ましい。架橋剤を用
いるときの架橋剤としては、たとえば、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
トリアリルイソシアヌレート、(ポリ)エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジル
エーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペン
タエリスリトールポリグリシジルエーテルなどがあげら
れる。架橋剤の使用量は、モノマー成分に対し0.0001〜
0.5 重量%程度とすることが多い。
【0031】ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイ
ソブチロニトリル、t−ブチルパーオキサイド、クメン
ハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、ステアロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチル
パーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバ
レート、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘ
キサノンパーオキサイド、過酸化水素、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム、セリウム塩などが例示され、特
に水溶性であるものが好ましい。ラジカル重合開始剤の
使用量は、モノマー成分に対して0.01〜1重量%程度と
することが多い。
【0032】炭化水素溶媒としては、シクロヘキサン、
シクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化
水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n
−オリタン、リグロイン等の脂肪族炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭
化水素、クロルベンゼン、四塩化炭素等のハロゲン化炭
化水素が例示される。これらの中では、溶媒の沸点、融
点、コスト、工業的入手の容易性などを総合考慮する
と、n−ヘキサンおよびシクロヘキサンが特に重要であ
る。
【0033】上述のように、(メタ)アクリル酸と(メ
タ)アクリル酸水溶性塩とを主成分とする水溶性不飽和
モノマーの水溶液を架橋剤の存在下または不存在下にラ
ジカル重合開始剤を用いて炭化水素溶媒中で逆相懸濁重
合させるが、このときの重合温度は50〜90℃、重合
時間は 0.5〜5時間程度に設定するのが適当である。
【0034】そして本発明においては、上記逆相懸濁重
合をβ−1,3−グルカン類の共存下に行う。この点が
本発明の第1のポイントである。
【0035】β−1,3−グルカン類とは、β−1,3
−グルコシド結合からなる主鎖を有する多糖類を言い、
殊にそのような主鎖のグルコースにβ−1,6結合した
グルコースの分岐を持つ分岐型β−1,3−グルカンで
あることが望ましく、さらにはそのβ−1,6結合した
グルコースの一部に含イオウ置換基を有するものが特に
望ましい。ここで含イオウ置換基としては、スルホ酢酸
基が特に重要であり、そのほか、スルホン酸基、ポリス
ルホン酸基、システイン基、メチオニン基などもあげら
れる。
【0036】このようなβ−1,3−グルカン類は、典
型的には、オーレオバシディウム属に属する微生物を、
炭素源としてシュクロース、グルコース、フラクトース
などを用い、窒素源として硝酸ナトリウム、硝酸アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、酵母エキス、ペプトンなど
を用い、微量因子として硫酸マグネシウム、硫酸鉄など
の無機イオウ源を用い、さらに必要に応じてマグネシウ
ムイオン、鉄イオンなどの金属イオンや、アスコルビン
酸、パントテン酸などのビタミン類を添加した培地を用
い、10〜60℃(好ましくは25〜35℃)にて1〜
10日間程度通気条件下に培養することにより培養液を
得、その培養液から遠心分離、ろ過などの手段により菌
体を分離し、得られた清浄液に溶媒や金属イオンを添加
して沈澱させ、ついで乾燥、粉砕することにより取得さ
れる。
【0037】この方法で得られるβ−1,3−グルカン
類の代表的なものは、下記の化1に示したように、スル
ホ酢酸基を置換基に持つ分岐型β−1,3−グルカンで
あって、主鎖のグルコース4個当りβ−1,6結合した
グルコースの分岐を3個持ち、かつそのグルコースの分
岐にスルホ酢酸基からなる置換基を全体に対し 0.1〜1
重量%有しているものである。
【0038】
【化1】
【0039】逆相懸濁重合時のβ−1,3−グルカン類
の共存量は、水溶性不飽和モノマーに対して 0.001〜5
重量%、好ましくは 0.002〜2重量%、なかんずく 0.0
05〜1重量%に設定される。その量が余りに少ないとき
は、所期の目的である微粒子の生成抑制、適度の平均粒
径を有する粒子の取得および粒度分布のシャープ化の目
的を充分には達成できず、一方その量が余りに多いとき
は、β−1,3−グルカン類が溶液中で均一な分散また
は溶解がなされないため、粒径分布が広くなるおそれが
ある。
【0040】なおβ−1,3−グルカン類と共に、本発
明の趣旨を損なわない範囲で、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アル
ギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ルアミド、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミ
ンなどの他の水溶性高分子を併用しても、特に支障とは
ならない。
【0041】逆相懸濁重合に際しては、HLBが10以
下(好ましくは9以下)の油溶性界面活性剤を共存させ
るのが通常である。そのような油溶性界面活性剤の代表
例としては、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモ
ノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビ
タンセスキステアレート、ソルビタントリステアレート
等)、ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖と、ステアリン
酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸などの脂肪
酸とのモノ、ジまたはトリエステル等)などがあげられ
る。この油溶性界面活性剤は炭化水素溶媒側に溶解させ
る。油溶性界面活性剤の共存量は、水溶性不飽和モノマ
ーに対し、5重量%以下とし、通常は0.05〜3重量%、
殊に 0.1〜2重量%とすることが多い。油溶性界面活性
剤の使用は、粒径が小さくなったりあるいは塊状になっ
たりするを防止するのに好都合である。
【0042】重合終了後は、デカンテーション、ろ過、
遠心分離等により生成粒子を分離し、ついで洗浄、乾燥
を行う。これにより、微粒子の生成が抑制され、適度の
粒径(200〜350μm 程度)を有し、かつ流動分布
のシャープな高吸水性樹脂が得られる。しかもβ−1,
3−グルカン類を共存させている本発明にあっては、重
合時に反応器や撹拌翼にスケーリングを生じがたい。な
お得られた粒子を表面架橋剤で処理しておくことも好ま
しい。
【0043】そして本発明においては、上記の高吸水性
樹脂粒子の含水率を10〜60重量%に調整し、その高
吸水性樹脂粒子を水溶性高分子粒子と混合した後、乾燥
する。この点が本発明の第2のポイントである。
【0044】水溶性高分子粒子としては、ポリビニルア
ルコールまたはその誘導体、ポリアクリル酸またはその
塩、デンプンまたはその誘導体、セルロースまたはその
誘導体などがあげられ、これらの中ではバインダー効果
のすぐれているポリビニルアルコールが特に好ましい。
水溶性高分子粒子の粒径には特に限定はないが、通常市
販されている100μm 以下の粒径のものを用いること
が多い。
【0045】含水率を10〜60重量%に調整した高吸
水性樹脂粒子に対する水溶性高分子粒子の混合量は、上
記の高吸水性樹脂粒子の乾燥基準に対して 0.005〜5重
量%、好ましくは0.01〜3重量%、殊に0.05〜2重量%
に設定され、水溶性高分子粒子の混合量が余りに少ない
ときは造粒効果が乏しく、一方その混合量が余りに多い
ときには吸水速度および吸水倍率が低下する。また高吸
水性樹脂粒子の含水率は10〜60重量%、好ましくは
15〜50重量%、殊に20〜45重量%に調整してお
くことが必要であり、さもないと水溶性高分子粒子を混
合しても所期の造粒が円滑に進まない。
【0046】水溶性高分子粒子との混合に先立ち、含水
率を10〜60重量%に調整した高吸水性樹脂粒子に、
その高吸水性樹脂粒子の乾燥基準に対して50〜500
0ppm のHLB2〜5、好ましくは100〜1500pp
m 、殊に150〜1000ppm の界面活性剤を有機溶剤
溶液の形で混合してから、その有機溶剤の含有率が5重
量%以下になるまで揮発させるようにすると、さらに良
好な結果が得られる。ここでHLB2〜5の界面活性剤
としては、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジ
ステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタン
ジオレエートなどのソルビタン系界面活性剤が特に好適
に用いられる。HLBが2未満の場合には吸水速度が小
さくなる傾向があり、HLBが5を越える場合には均一
混合性が低下する傾向がある。HLB2〜5の界面活性
剤の使用量が余りに少ないときはその添加効果が充分に
は現われず、一方過度に使用すると吸水速度が小さくな
る。
【0047】界面活性剤の溶解のために使われる有機溶
剤としては、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどがあげられ、特にシクロヘキサン
およびヘキサンが好ましい。有機溶剤の配合量は、高吸
水性樹脂粒子の乾燥基準に対して5〜40重量%、殊に
10〜30重量%とすることが好ましい。
【0048】界面活性剤の有機溶剤を混合した場合に
は、その有機溶剤の含有率が5重量%以下、殊に1重量
%以下、さらには 0.5重量%以下となるまで揮発させた
後、界面活性剤配合高吸水性樹脂粒子を水溶性高分子粒
子と混合し、さらに水を添加して混合してから乾燥する
ことが望ましい。このときの水の添加量は、高吸水性樹
脂粒子の乾燥基準に対して60重量%以下とする。
【0049】上記のようにして高吸水性樹脂粒子を水溶
性高分子粒子と混合した後、乾燥を行う。混合操作は、
常温ないし高くとも80℃までの温度で 0.5〜2時間程
度行うのが通常である。乾燥は、大気中にて50〜80
℃で1〜2時間程度行い、さらに真空乾燥機にて50〜
90℃で1〜2時間程度行うことが望ましい。
【0050】上記のような処理を行うことにより得られ
た本発明の高吸水性樹脂粒子は、生理用品や衛生用品に
おいて体液や排泄物を吸収し漏出を防止する体液吸収剤
として特に有用である。そのほか、土壌の保水剤、種子
コーティング剤、止水剤、増粘剤、結露防止剤、脱水
剤、乾燥剤、調湿剤、汚泥・液状廃棄物の凝固剤、重金
属吸着材、薬剤・芳香剤の徐放剤、パップ剤などの用途
にも使用できる。
【0051】
【作用】本発明においては、水溶性不飽和モノマーの水
溶液の逆相懸濁重合をβ−1,3−グルカン類(さらに
はこれらと油溶性界面活性剤)の共存下に行うように工
夫してあるため、重合に際して反応器や撹拌翼へのスケ
ーリングを起こしがたく、また微粒子の生成が抑制さ
れ、取り扱いやすい適度の平均粒径(200〜350μ
m 程度)を有し、かつシャープな粒度分布を有する高吸
水性樹脂粒子を安定して得ることができる。これは、高
粘度の(メタ)アクリル酸部分中和塩の系にあっては、
通常の水溶性高分子では増粘効果が減殺されるのに対
し、β−1,3−グルカン類の存在する系にあっては高
粘度が維持されることが一つの理由になっているものと
思われる。
【0052】またそのようにして得た高吸水性樹脂粒子
の含水率を10〜60重量%に調整し、その高吸水性樹
脂粒子を水溶性高分子粒子と混合した後、乾燥するよう
にしたので、高吸水性樹脂粒子中に含まれている微粒子
は造粒され、高吸水性樹脂粒子としての特性が一段と向
上している。
【0053】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「%」とあるのは重量%である。なお平均粒径
は、標準篩を用いて篩分けを行ったときに50%が通過
するときの篩目に基いて定めた粒径である。
【0054】実施例1 〈β−1,3−グルカン類の生産〉オーレオバシディウ
ム属に属する微生物であるオーレオバシディウムsp.K-1
(FERM P-12989) を、ツァペック培地(シュクロース3
%、硝酸ナトリウム 0.2%、リン酸カリウム 0.1%、塩
化カリウム0.05%、硫酸マグネシウム・7水和物0.05
%、硫酸鉄・7水和物 0.001%)で、27℃、48時間
振とう培養したものを種菌とし、ジャーファーメンター
により温度27℃、撹拌数300rpm 、通気量50リッ
トル/minの条件下で96時間培養した。
【0055】ついで培養終了液からろ過により菌体を分
離除去し、得られたろ液に激しく撹拌しながら 1.2倍体
積量のイソプロパノールを徐々に添加した。析出してき
た多糖類繊維を回収し、アセトン槽において浸漬、洗
浄、脱水した後、70℃で乾燥した。このような繊維を
フェザーシューで粉砕して粉末化し、多糖類を得た。
【0056】この多糖類を常法により分析したところ
(科学と工業、64 (3), 131-135 (1990)、 Agricultura
l & Biological Chemistry, 47 (6), 1167-1172 (1983)
を参照)、この多糖類は先に述べた化1の構造を有する
もの、すなわち、スルホ酢酸基を置換基に持つ分岐型β
−1,3−グルカンであることが確認できた。1分子中
のグルコース単位の総数は約1500、全体に占めるイ
オウ含有量は0.05%であった。
【0057】〈逆相懸濁重合〉次に、下記に詳述する逆
相懸濁重合法により、ポリアクリル酸部分中和塩系高吸
水性樹脂を製造した。
【0058】撹拌機、還流冷却器および窒素ガス導入管
を付けた2リットルのセパラブルフラスコAに、シクロ
ヘキサン800g、ソルビタンモノステアレート 0.8g
およびショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬株式会社製
の「DKエステルF−70」) 0.8gを仕込み、窒素バ
ブリングを30分間行って、溶存空気およびフラスコ内
の空気を追い出した。
【0059】別のセパラブルフラスコBに80%アクリ
ル酸水溶液260gを仕込んだ後、28%水酸化ナトリ
ウム水溶液310gを冷却下に徐々に滴下して中和し
た。これにより、アクリル酸の約75%が中和された。
ついで、 0.5%N,N´−メチレンビスアクリルアミド
水溶液8gと、上記で得たスルホ酢酸基を置換基に持つ
分岐型β−1,3−グルカン0.03g(モノマーに対して
ほぼ0.01%)とを添加し、溶解した。溶解後、10%過
硫酸アンモニウム水溶液4gを加え、撹拌しながら窒素
バブリングを行い、溶存空気を追い出した。
【0060】フラスコAを73℃に昇温した後、フラス
コB内の溶液を 1.5時間かけて滴下した。重合時の回転
数は350rpm に設定した。その後、ジャケットの温水
を95℃に保ち、シクロヘキサンと水とを共沸させ、水
230mlを追い出した(水の脱水率は70%)。その
後、デカンテーションして、生成粒子の一部を温度10
5℃で3時間乾燥し、高吸水性樹脂粒子を得た。なお重
合に供したフラスコ器壁および撹拌翼には、ほとんどス
ケーリングが認められなかった。
【0061】〈高吸水性樹脂粒子の造粒〉上記の高吸水
性樹脂粒子を得るときの乾燥条件を調整して含水率35
%の粒子を得、その200gをニーダーに供給して混練
を開始すると共に、重合度1800、ケン化度99.6モル
%、粒径105μm 以下のポリビニルアルコール粉体
1.0gを添加し、30分間混合した。ついで70℃まで
昇温すると共にこの温度で1時間放置した後、ニーダー
の蓋を取って大気圧下で1時間乾燥し、さらに真空乾燥
機で90℃にて 1.5時間乾燥することにより、目的とす
る高吸水性樹脂粒子を得た。
【0062】実施例2 スルホ酢酸基を置換基に持つ分岐型β−1,3−グルカ
ンの添加量を実施例1の10倍の 0.3g(モノマーに対
してほぼ 0.1%)としたほかは実施例1を繰り返した。
フラスコ器壁および撹拌翼にはほとんどスケーリングが
認められなかった。得られた高吸水性樹脂粒子につき、
実施例1と同じ条件で造粒操作を行った。
【0063】実施例3 実施例1において高吸水性樹脂粒子を得るときの乾燥条
件を調整して含水率25%の粒子を得、その200gを
ニーダーに供給して混練を開始すると共に、ソルビタン
モノステアレート(HLB 4.7) 0.1gをシクロヘキサ
ン50gに溶解した溶液を混合し、ついで温度40℃で
減圧下にシクロヘキサンを揮発させてシクロヘキサンの
含有率が 0.5%以下になるようにした。
【0064】上記操作の後、実施例1と同様にして、重
合度1800、ケン化度99.6モル%、粒径105μm 以
下のポリビニルアルコール粉体 0.5gを添加し、さらに
イオン交換水30gを添加し、75℃で1時間処理して
から、ニーダーの蓋を取って大気圧下で1時間乾燥し、
さらに真空乾燥機で90℃にて 1.5時間乾燥することに
より、目的とする高吸水性樹脂粒子を得た。
【0065】実施例4 ポリビニルアルコール粉体 0.5gに代えて、平均重合度
40000、粒径125μm 以下のポリアクリル酸ソー
ダ粉体 1.0gを用いたほかは実施例3を繰り返した。
【0066】〈造粒前後の高吸水性樹脂粒子の特性〉実
施例1〜4における造粒前後の高吸水性樹脂粒子の特性
を表1に示す。
【0067】
【表1】 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 造粒前の特性 平均粒径 (μm) 225 308 225 225 105 μm 以下の微粒子の 7.8 3.5 7.8 7.8 割合(%) 吸水能(g/g) 純水 910 890 910 910 0.9%食塩水 73 72 73 73 造粒後の特性 平均粒径 (μm) 310 372 318 315 105 μm 以下の微粒子の <2 <2 <2 <2 割合(%) 吸水能(g/g) 純水 880 860 890 890 0.9%食塩水 70 69 70 70
【0068】比較例1 スルホ酢酸基を置換基に持つ分岐型β−1,3−グルカ
ンの添加量を省略したほかは、実施例1を繰り返した。
結果を表2に示す。
【0069】比較例2 スルホ酢酸基を置換基に持つ分岐型β−1,3−グルカ
ンに代えてヒドロキシエチルセルロース 0.3gを添加し
たほかは、実施例1を繰り返した。この際、フラスコ器
壁および撹拌翼に若干のスケーリングが認められた。結
果を表2に示す。
【0070】比較例3 ヒドロキシエチルセルロースの添加量を 1.5gにしたほ
かは比較例2を繰り返したところ、比較例2とほぼ同様
の性質を有する高吸水性樹脂粒子が得られたが、フラス
コ器壁および撹拌翼へのスケーリングが顕著であった。
【0071】比較例4 スルホ酢酸基を置換基に持つ分岐型β−1,3−グルカ
ンに代えてポリアクリル酸ナトリウム 0.3gを添加した
ほかは、実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
【0072】
【表2】 比較例1 比較例2 比較例4 造粒前の特性 平均粒径 (μm) 173 184 179 105 μm 以下の微粒子の 17.7 16.3 17.3 割合(%) 吸水能(g/g) 純水 920 920 930 0.9%食塩水 73 73 73 造粒後の特性 平均粒径 (μm) 230 250 240 105 μm 以下の微粒子の 2.5 2.1 2.4 割合(%) 吸水能(g/g) 純水 890 890 890 0.9%食塩水 71 70 71
【0073】
【発明の効果】本発明においては、水溶性不飽和モノマ
ーの水溶液の逆相懸濁重合を、β−1,3−グルカン類
(またはこれと油溶性界面活性剤)の共存下に行うよう
に工夫したため、重合に際して反応器や撹拌翼へのスケ
ーリングを起こしがたく、また微粒子の生成が抑制さ
れ、取り扱いやすい適度の平均粒径(200〜350μ
m程度)を有すると共に、粒度分布のシャープな高吸水
性樹脂を安定して得ることができる。
【0074】従って、目的粒度のものの収率が高くなっ
て生産性が向上する上、デカンテーション、ろ過、乾燥
などの諸工程も円滑に行うことができ、取り扱い時の粉
塵の発生も少なく、作業性が良好となる。得られた粒子
は、水や体液と接触したときにママコ現象を起こさず、
また不織布など目の荒い材料と組み合わせて用いても漏
れなどのトラブルを生ずることもない。
【0075】そして、そのようにして得た高吸水性樹脂
粒子の含水率を所定範囲に調整し、その高吸水性樹脂粒
子を水溶性高分子粒子と混合した後、乾燥するようにし
たので、高吸水性樹脂粒子中に含まれている微粒子は造
粒され、高吸水性樹脂粒子としての特性が一段と向上し
ている。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β−1,3−グルカン類の共存下に(メ
    タ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸水溶性塩とを主成
    分とする水溶性不飽和モノマーの水溶液を架橋剤の存在
    下または不存在下にラジカル重合開始剤を用いて炭化水
    素溶媒中で逆相懸濁重合させて得た高吸水性樹脂粒子で
    あって、その含水率を10〜60重量%に調整した高吸
    水性樹脂粒子を、該高吸水性樹脂粒子の乾燥基準に対し
    て 0.005〜5重量%の水溶性高分子粒子と混合した後、
    乾燥することを特徴とする高吸水性樹脂粒子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】β−1,3−グルカン類が、β−1,3−
    グルコシド結合からなる主鎖のグルコースにβ−1,6
    結合したグルコースの分岐を持つ分岐型β−1,3−グ
    ルカンであって、そのβ−1,6結合したグルコースの
    一部に含イオウ置換基を有するものである請求項1記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】含イオウ置換基がスルホ酢酸基である請求
    項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】β−1,3−グルカン類の共存量が、水溶
    性不飽和モノマーに対して 0.001〜5重量%である請求
    項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】逆相懸濁重合を、水溶性不飽和モノマーに
    対して5重量%以下のHLB10以下の油溶性界面活性
    剤の共存下に行うことを特徴とする請求項1記載の製造
    方法。
  6. 【請求項6】水溶性高分子粒子との混合に先立ち、含水
    率を10〜60重量%に調整した高吸水性樹脂粒子に、
    該高吸水性樹脂粒子の乾燥基準に対して50〜5000
    ppmのHLB2〜5の界面活性剤を有機溶剤溶液の形で
    混合してから、その有機溶剤の含有率が5重量%以下に
    なるまで揮発させることを特徴とする請求項1記載の製
    造方法。
  7. 【請求項7】有機溶剤の含有率が5重量%以下となるま
    で揮発させた後の界面活性剤配合高吸水性樹脂粒子を水
    溶性高分子粒子と混合した後、さらに水を添加して混合
    してから乾燥することを特徴とする請求項6記載の製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009179768A (ja) * 2008-02-01 2009-08-13 Toagosei Co Ltd 重合体微粒子粉末の製造方法
CN109135757A (zh) * 2018-06-26 2019-01-04 常州市蓝勖化工有限公司 一种复合保水剂的制备方法
WO2023121125A1 (ko) * 2021-12-20 2023-06-29 주식회사 엘지화학 고흡수성 수지 조성물 및 이의 제조 방법

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