JPH08118396A - 樹脂製プーリ並びにその製造方法及び製造装置 - Google Patents

樹脂製プーリ並びにその製造方法及び製造装置

Info

Publication number
JPH08118396A
JPH08118396A JP26490994A JP26490994A JPH08118396A JP H08118396 A JPH08118396 A JP H08118396A JP 26490994 A JP26490994 A JP 26490994A JP 26490994 A JP26490994 A JP 26490994A JP H08118396 A JPH08118396 A JP H08118396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
gate
cavity
molding
ribs
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26490994A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsunekichi Tanaka
常吉 田中
Yoshinobu Itou
誉展 伊藤
Motoharu Niki
基晴 仁木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
NTN Corp
Aisin Chemical Co Ltd
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, Aisin Chemical Co Ltd, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP26490994A priority Critical patent/JPH08118396A/ja
Publication of JPH08118396A publication Critical patent/JPH08118396A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/0046Details relating to the filling pattern or flow paths or flow characteristics of moulding material in the mould cavity
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/1459Coating annular articles

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Pulleys (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外周面の真円度が高く、しかもその両側間の
真円度の差が少ない樹脂製プーリを得る。 【構成】 円板状の基部11と、内輪13及び外輪15
と、基部の両側の放射状に延びる多数のリブ17a,1
7bとを具備する樹脂部本体を、軸受19をインサート
して射出成形によって一体成形するに際して、樹脂射出
用の複数のピンゲート41を内輪13の一方側の端面に
周方向に沿って実質的に等間隔で、かつ、隣接するリブ
17間に配置すると共に、反ゲート側リブ17bの肉厚
をゲート側リブ17aの肉厚よりも大きくする。リブは
例えば18本設けられ、リブの数に応じた多角形状の均
一な樹脂の流れによって外輪が形成されるため、真円度
の高いプーリが得られる。また反ゲート側リブの肉厚が
大きいので、反ゲート側が良好に保圧され、ゲート側と
の真円度の差が少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂製プーリ並びにその
製造方法及び製造装置に関するものであり、特に、中心
部に軸受等のインサートを配置し、内径部及び外径部間
に補強用のリブを一体成形した樹脂製オートテンショナ
用プーリ等の樹脂製プーリ並びにその製造方法及び製造
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、平面円形で外周に真円度を確保す
る必要のある樹脂製プーリを製造する手段として、樹脂
製プーリの中心に対応する位置に射出成形機のダイレク
トゲートを配置し、ダイレクトゲートから所定の樹脂材
料を金型のキャビティ内に射出して所定形状に形成す
る、いわゆる、中心部ダイレクトゲートを使用したもの
がある。しかし、この場合、樹脂製プーリの中心部に軸
受等のインサートが配置される場合は成形が困難であ
る。また、円板状部分の一般形状部分の他に補強リブ等
の異形状部分を有する樹脂製プーリの場合、中心部から
樹脂材料を充填しても、樹脂材料が異形状部分を均一に
は流動しないため、樹脂製プーリの外周面に所望の真円
度を確保することが困難となる可能性がある。
【0003】このため、従来は、ゲート点数を多くし
て、樹脂材料が金型のキャビティ内をできるだけ均一に
流動するようにすることが提案されている。
【0004】従来のこの種の樹脂製プーリとして、特開
平4−34260号公報に掲載の技術を挙げることがで
きる。
【0005】この技術は、転がり軸受と、転がり軸受の
周囲に配置された樹脂部本体からなる樹脂製プーリを製
造するものであって、かかる樹脂部本体を、内径円筒部
及び外径円筒部と、両円筒部間を接続する円板部と、円
板部に設けた多数の放射状リブより構成している。そし
て、かかる樹脂製プーリを製造するため、円板部上の各
リブを挟んだ円周方向における対称位置に、樹脂充填用
のゲートを配置している。即ち、かかるゲートを内径円
筒部と外径円筒部との間に配置することにより、結果的
に、ゲート位置を外径円筒部に近接させ、外径円筒部用
キャビティに流入する溶融樹脂の温度をできるだけ高く
維持することで、外径円筒部の外周面での凸部の発生を
最小限に抑え、真円度を向上するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の樹脂製プーリの
製造方法及び製造装置は、上記のように、ゲートを多数
設けるという構成を採用しているから、外径円筒部の外
周面の真円度をある程度までは向上できるものの、その
向上にはやはり限界があり、非常に高い真円度が要求さ
れるオートテンショナ用プーリ等の樹脂製プーリについ
ては、一層の真円度の向上が求められている。なお、上
記従来の技術は、ゲートを全ての隣接するリブ間に設け
ているため、射出成形後に除去すべきゲート部分のスプ
ールランナの量が多大なものとなり、製造における樹脂
材料の歩留まりが相対的に低くなることが考えられる。
【0007】また、この種の樹脂製プーリでは、高い真
円度だけでなく、プーリの両側間での真円度の差が少な
いことも重要である。この差が大きいと、真円度自体が
良好であっても、振動や異音の発生原因となり、またベ
ルトの寿命も低下する可能性がある。
【0008】そこで、本発明は、外周面の真円度が高
く、しかもその両側間の真円度の差が少ない樹脂製プー
リ並びにその製造方法及び製造装置の提供を課題とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
樹脂製プーリは、軸受と、軸受の外周に射出成形により
一体形成された樹脂部本体とからなり、樹脂部本体は、
円板状の基部と、基部の内周部及び外周部に沿って基部
の厚さ方向両側に張り出し形成された円筒状の内径部及
び外径部と、基部の内周部から外周部へと放射状に延び
ると共に基部の厚さ方向両側に突出する多数のリブとを
具備する樹脂製プーリであって、樹脂射出用の複数のピ
ンゲートを前記内径部の一方側の端面に周方向に沿って
実質的に等間隔で、かつ、隣接するリブ間に配置すると
共に、前記ピンゲートを配置した側とは反対側の反ゲー
ト側リブの肉厚を、前記ピンゲートを配置した側のゲー
ト側リブの肉厚よりも大きくしたものである。
【0010】請求項2の発明にかかる樹脂製プーリの製
造方法は、軸受と、軸受の外周に一体形成された樹脂部
本体とからなり、前記樹脂部本体は、円板状の基部と、
基部の内周部及び外周部に沿って基部の厚さ方向両側に
張り出し形成された円筒状の内径部及び外径部と、基部
の内周部から外周部へと放射状に延びると共に基部の厚
さ方向両側に突出する多数のリブとを具備する樹脂製プ
ーリの製造方法であって、軸受をインサートし、樹脂部
本体の基部、内径部、外径部及びリブに対応する金型キ
ャビティに溶融した樹脂材料を射出することによって、
軸受と樹脂部本体とを一体に射出成形する射出成形工程
を具備し、ここで、樹脂射出用の複数のピンゲートを、
前記内径部成形用キャビティの一方側の端面に周方向に
沿って実質的に等間隔で、かつ、隣接するリブ成形用キ
ャビティ間に配置すると共に、前記ピンゲートを配置し
た側とは反対側の反ゲート側リブ成形用キャビティの厚
さを、前記ピンゲートを配置した側のゲート側リブ成形
用キャビティの厚さよりも大きくしたものである。
【0011】請求項3の発明にかかる樹脂製プーリの製
造装置は、軸受と、軸受の外周に一体形成された樹脂部
本体とからなり、前記樹脂部本体は、円板状の基部と、
基部の内周部及び外周部に沿って基部の厚さ方向両側に
張り出し形成された円筒状の内径部及び外径部と、基部
の内周部から外周部へと放射状に延びると共に基部の厚
さ方向両側に突出する多数のリブとを具備する樹脂製プ
ーリの製造装置であって、軸受をインサートとして配置
固定するインサート部と、インサート部の周囲に設けら
れた前記基部、内径部、外径部及びリブ成形用のキャビ
ティと、そのキャビティに溶融樹脂を射出するためのピ
ンゲートとを具備し、ここで、ピンゲートを内径部成形
用キャビティの一方側の端面に周方向に沿って実質的に
等間隔で、かつ、隣接するリブ成形用キャビティ間に複
数配置すると共に、前記ピンゲートを配置した側とは反
対側の反ゲート側リブ成形用キャビティの厚さを、前記
ピンゲートを配置した側のゲート側リブ成形用キャビテ
ィの厚さよりも大きくしたものである。
【0012】
【作用】請求項1の発明においては、基部、内径部、外
径部及びリブは溶融樹脂をピンゲートから射出して形成
されるが、このうち、特に、外径部は、内径部から多数
のリブを介して外径部に流動してきた溶融樹脂、及び、
基部自体を流動してきた溶融樹脂の両者が同時に合流し
て成形されるため、これらの溶融樹脂が外径部で合流し
た直後は、多数設けたリブの数に応じた平面多角形の成
形体が形成され、その後に平面円形の外径部が成形され
る。よって、外径部の外形は、多数のリブの数に応じた
平面多角形から円形へと移行するため、その真円度がリ
ブの数に応じて高くなる。その結果、外径部の真円度を
向上し、特に、その中央部での高い真円度を得ることが
できる。またこれと共に、反ゲート側のリブの肉厚をゲ
ート側のリブの肉厚よりも大きくしたため、保圧時にこ
の反ゲート側リブを介して外径部の反ゲート側へ伝達さ
れる保圧の圧力損失をより少なくし、その保圧の伝達性
を高めることができる。そのため、ピンゲートから離れ
ているために保圧がかかり難い外径部の反ゲート側に対
しても良好に、またゲート側とバランス良く保圧がかけ
られるので、その真円度が向上され、ゲート側との真円
度の差をより少なくすることができる。
【0013】請求項2の発明においては、射出成形工程
において、各ピンゲートから溶融樹脂をキャビティ内に
射出すると、内径部成形用キャビティから多数のリブ成
形用キャビティを介して外径部成形用キャビティに流動
してきた溶融樹脂、及び、基部成形用キャビティ自体を
流動してきた溶融樹脂の両者が、外径部成形用キャビテ
ィで同時に合流して成形される。このため、これらの溶
融樹脂が外径部成形用キャビティで合流した直後は、多
数設けたリブの数に応じた平面多角形の成形体が形成さ
れ、その後に平面円形の外径部が成形される。よって、
外径部の外形は、多数のリブの数に応じた平面多角形か
ら円形へと移行するため、その真円度がリブの数に応じ
て高くなる。その結果、外径部の真円度が高く、特にそ
の中央部の真円度が高い樹脂製プーリを得ることができ
る。またこれと共に、反ゲート側リブ成形用キャビティ
の肉厚をゲート側リブ成形用キャビティの肉厚よりも大
きくしたため、保圧時にこの反ゲート側内径部成形用キ
ャビティを介して外径部成形用キャビティの反ゲート側
へ伝達される保圧の圧力損失をより少なくし、その保圧
の伝達性を高めることができる。そのため、ピンゲート
から離れているために保圧がかかり難い外径部成形用キ
ャビティの反ゲート側に対しても良好に、またゲート側
とバランス良く保圧がかけられるので、その真円度が向
上され、外径部のゲート側と反ゲート側との真円度の差
が少ない樹脂製プーリを得ることができる。
【0014】請求項3の発明においては、各ピンゲート
から溶融樹脂をキャビティ内に射出すると、内径部成形
用キャビティから多数のリブ成形用キャビティを介して
外径部成形用キャビティに流動してきた溶融樹脂、及
び、基部成形用キャビティ自体を流動してきた溶融樹脂
の両者が、外径部成形用のキャビティで同時に合流して
成形される。このため、これらの溶融樹脂が外径部成形
用キャビティで合流した直後は、多数設けたリブの数に
応じた平面多角形の成形体が形成され、その後に平面円
形の外径部が成形される。よって、外径部の外形は、多
数のリブの数に応じた平面多角形から円形へと移行する
ため、その真円度がリブの数に応じて高くなる。その結
果、外径部の真円度が高く、特にその中央部の真円度が
高い樹脂製プーリを得ることができる。またこれと共
に、反ゲート側リブ成形用キャビティの肉厚をゲート側
リブ成形用キャビティの肉厚よりも大きくしたため、保
圧時にこの反ゲート側リブ成形用キャビティを介して外
径部成形用キャビティの反ゲート側へ伝達される保圧の
圧力損失をより少なくし、その保圧の伝達性を高めるこ
とができる。このため、ピンゲートから離れているため
に保圧がかかり難い外径部成形用キャビティの反ゲート
側に対しても良好に、またゲート側とバランス良く保圧
がかけられるので、その真円度が向上され、ゲート側と
の真円度の差をより少なくすることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0016】図1は本発明の一実施例の樹脂製プーリを
ゲート位置と共に示す平面図である。図2は本発明の一
実施例の樹脂製プーリをゲート位置と共に示す図1のA
−A線断面図である。図3は本発明の一実施例の樹脂製
プーリのリブを単独で示す斜視図である。図4は本発明
の一実施例の樹脂製プーリをゲート位置と共に示す図1
のB−B線断面図である。
【0017】図1及び図2のように、本実施例は、オー
トテンショナ用プーリ等に使用される樹脂製プーリに具
体化され、ガラス繊維等の強化繊維を混合した繊維強化
樹脂等の樹脂材料により成形されるものであり、中心に
孔を有する円板状(ドーナツ板状)の基部11を備えて
いる。そして、基部11の内周部には、その全長に沿っ
て、小径の円筒フランジ状の内径部としての内輪13
が、基部11の厚さ方向両側に等しい突出幅で張り出し
形成されている。また、基部11の外周部の全長に沿っ
て、前記内輪13より大径の円筒フランジ状の外径部と
しての外輪15が、基部11の厚さ方向両側に等しい突
出幅で張り出し形成されている。この外輪15の基部1
1からの突出幅は内輪13の基部11からの突出幅より
大きい幅とされ、その外周面はベルト案内面として形成
される。更に、基部11の内周部から外周部にかけて、
基部11の厚さ方向両側に突出する多数のリブ17
(a,b)が放射状に延び、前記内輪13及び外輪15
間を一体に接続している。
【0018】本実施例では、基部11の各側に形成され
るこのリブ17の数は計18個とされ、基部11の周方
向に等角度(20度の角度)で配置され、基部11を1
8等分している。また、各リブ17は、特に図3に示す
ように、平面略台形状であり、径方向内側から外側にか
けて次第に幅広くなるように形成されている。しかしそ
の厚さは、逆に、径方向内側から外側にかけて次第に減
少するように形成されている。そのため、各リブ17
は、径方向に沿って断面形状が変わるが、断面積はほぼ
一定である。なお、これらのリブ17は、基部11の厚
さ方向両側において、それぞれ等しい突出幅で張り出し
状に形成されている。したがって、基部11の各側のリ
ブ17a,bは、平面形状においては、内輪13及び外
輪15と同様に、基部11を中心として互いに対称であ
る。ただし、肉厚においては、相互に異なって形成され
ている。
【0019】本実施例の樹脂製プーリの樹脂部本体はこ
れらの基部11、内輪13、外輪15及び多数のリブ1
7を備え、そして、この樹脂部本体は射出成形によって
成形される。そのために、本実施例では、溶融樹脂を射
出するためのゲートとして計6個のピンゲート41が適
用され、これらのピンゲート41の配設位置を内輪13
の一方側の端面に設定している。そして、これらのピン
ゲート41は、図1のように、内輪13の端面に周方向
に等間隔で配置され、また隣接する二つのリブ17の中
間に配置される。したがって、各ピンゲート41は、本
実施例では3本のリブ17毎に配置されている。またこ
れと共に、このピンゲート41の配置と対応して、基部
11の各側のリブ17a,17bは、互いにその肉厚を
変えて形成されている。即ち、図4に示すように、ピン
ゲート41を配置した側(ゲート側)とは反対の側(反
ゲート側)のリブ17bの肉厚は、ピンゲート41を配
置した側(ゲート側)のリブ17aの肉厚よりも相対的
に大きくされている。
【0020】そして、上記の樹脂部本体に対し、前記内
輪13の内周面にはインサートとしての転がり軸受等の
軸受19が配設され、射出成形時に一体的に固着される
ようになっている。なお、軸受19の中央には軸(図示
略)等への支持連結用の連結孔20が設けられている。
また、内輪13は、その周方向全長にわたって幅方向両
端を内方に突出し、前記軸受19の外周縁部を支持して
いる。
【0021】ここで、本実施例の樹脂製プーリを適用可
能な一例としてのオルタネータ、コンプレッサ、ポンプ
類、ファン類等の自動車用の補助機械(以下、補機とい
う)は、エンジンを駆動源として連結装置を介して駆動
されるため、エンジン回転数に合わせて低回転から高回
転へと回転数の変動幅を有する。特に、高回転で補機を
回転駆動する場合は、エンジンからの熱により補機も高
温となるなど、補機に使用される樹脂製プーリの使用条
件も非常に過酷なものとなる。よって、樹脂製プーリの
軸受19としては、すべり軸受よりも、広い使用条件に
適用できる転がり軸受を使用することが好ましい。即
ち、転がり軸受を使用した場合、一層安定した性能を発
揮できる。
【0022】次に、上記のように構成された樹脂製プー
リの製造装置について説明する。
【0023】図5は本発明の一実施例の樹脂製プーリの
製造装置の金型を示す断面図である。
【0024】図5のように、金型は、上型21及び下型
23を有し、上型21及び下型23の各々に、前記樹脂
製プーリの軸受19を除く部分、即ち、内輪13、基部
11、外輪15及びリブ17からなる樹脂部本体の厚さ
方向(軸方向)の半部に対応する形状のキャビティを型
彫り形成し、合せ面(パーティングライン)25が樹脂
製プーリの外輪15の軸方向中央に来るようにしてい
る。そして、上型21及び下型23を型締めすると、図
5に示すように、それらのキャビティが一体とされ、前
記樹脂製プーリの軸受19を除く形状に対応する成形空
間を形成するようになっている。即ち、前記成形空間
は、前記内径部としての内輪13成形用のキャビティ3
1、基部11成形用のキャビティ33、外径部としての
外輪15成形用のキャビティ35及びリブ17成形用の
キャビティ37(a,b)より構成される。
【0025】前記内輪13成形用のキャビティ31の内
周側には、軸受19に対応する形状の空間であるインサ
ート部39が設けられ、固定部材(図示略)によりイン
サート部39に軸受19をインサートとして配置固定す
るようになっている。なお、軸受19を金型のインサー
ト部39に固定する固定部材としては、コアピンまたは
コレット等がある。コアピンを使用した場合は、金型の
構造をコレットの場合より比較的簡単にできる。一方、
コレットを使用した場合は、金型の構造が若干複雑にな
ることはあるものの、生産性はより優れており、生産効
率が大変良い。特に、コレットを使用した場合は、転が
り軸受を金型にセットする作業が簡単で、また、固定後
の転がり軸受の固定部分の位置精度も高くなる。
【0026】また、本実施例では、キャビティ31,3
3,35,37内への溶融樹脂射出用のゲートとしてピ
ンゲート41を使用し、複数のピンゲート41の先端
を、前記内輪13成形用のキャビティ31の一側の端部
に周方向に沿って等間隔で配置すると共に、各々のピン
ゲート41を隣接するリブ17間の内輪13成形用のキ
ャビティ31に配置している。即ち、本実施例では、図
1及び図2に示すように、18個のリブ17に対応し
て、その約数たる計6個のピンゲート41が、内輪13
成形用のキャビティ31の幅方向一側端面(図5中上
面)に対向して、リブ17を3個置きに等間隔で(各々
60度の角度をおいて)配置され、また、各ピンゲート
41は、隣接するリブ17間の中間位置で内輪13成形
用のキャビティ31の端面に配置されている。なお、各
ピンゲート41はランナ43に接続され、射出装置から
スプール(いずれも図示略)に注入された溶融樹脂を、
ランナ43を介してピンゲート41からキャビティ3
1,33,35,37内に射出すると、溶融樹脂が、内
輪13成形用のキャビティ31から、基部11成形用の
キャビティ33並びにリブ17成形用のキャビティ37
に分流して流入し、外輪15成形用のキャビティ35へ
と流動して、全てのキャビティ31,33,35,37
を充填するようになっている。
【0027】ここで、前記ピンゲート41は、円形樹脂
成形品の形状、特に内輪13等のゲート位置となる基部
11の内周部の形状及び厚み等の寸法等を考慮して、型
開きに伴うゲート固化物の自動切除を可能とする範囲
で、可能な限り大きい径のものが選択される。即ち、ピ
ンゲート41は、ゲートシール時間をできるだけ長くし
て、外輪15成形用のキャビティ35内の溶融樹脂の保
圧時間を長くするよう、かつ、ガラス繊維等の強化繊維
の配向をできるだけ少なくして不揃いの状態とするよ
う、可能な限り大きい径とされ、本実施例では、かかる
見地から最良の結果をもたらすべく、ゲート径2mmのも
のを使用している。
【0028】更に、本実施例では、基部11成形用キャ
ビティ33の両側のリブ17成形用のキャビティ37
は、ピンゲート41が配置された側(ゲート側)とその
反対側(反ゲート側)とで、幅は同じであるが、互いに
キャビティ厚さが変えられている。即ち、前述のゲート
側リブ17a及び反ゲート側リブ17bの肉厚に対応し
て、反ゲート側リブ成形用キャビティ37bのキャビテ
ィ厚さが、ゲート側リブ成形用キャビティ37aのキャ
ビティ厚さよりも大きくされている。これを換言する
と、ゲート側リブ成形用キャビティ37aの厚さは、反
ゲート側リブ成形用キャビティ37bの厚さよりも小さ
くされている。なお、このゲート側と反ゲート側とのリ
ブ成形用キャビティの厚さの差、したがってゲート側リ
ブ17aと反ゲート側リブ17bの肉厚の差は、ある程
度大きい程好ましい。しかし、この差が余り大きいと、
形成されるリブ17a,17bのゲート側と反ゲート側
での重量(慣性量)、剛性等の差が過大となるなどの点
で好ましくない。そのため、この厚さの差は、溶融樹脂
の流通流動性等の点から適切に設定されたゲート側リブ
成形用キャビティ37aのキャビティ厚さを基準とし
て、一般にその厚さの5〜35%程度が好ましい。そし
て、この厚さの差の分だけ、反ゲート側リブ成形用キャ
ビティ37bの厚さを大きくすることが好ましい。
【0029】次に、上記のように構成された本実施例の
樹脂製プーリの製造装置を使用した樹脂製プーリの製造
方法を説明する。
【0030】まず、軸受19をインサートとして所定位
置のインサート部39に配置して固定部材により固定す
ると共に、上型21及び下型23を型締めして軸受19
の周囲に内輪13、基部11、リブ17(a,b)及び
外輪15の形状に対応する形状のキャビティ(成形空
間)31,33,35,37(a,b)を形成し、射出
装置からの溶融樹脂を、スプール及びランナ43を介し
てピンゲート41からキャビティ31,33,35,3
7内に射出する。すると、溶融樹脂は、最初に、内輪1
3成形用のキャビティ31の幅方向一側端部から流入
し、その幅方向に流動してキャビティ31内を充填する
と共に、内輪13成形用のキャビティ31に連続する基
部11成形用のキャビティ33に流入してその周方向に
展開すると共に外輪15成形用のキャビティ35へと向
かって放射方向に流動する。同時に、ピンゲート41か
ら射出された溶融樹脂は、図1の矢印で示すように、内
輪13成形用のキャビティ31外周面に沿ってその周方
向に流動し、対応するピンゲート41近傍のリブ17成
形用のキャビティ37内に流入する。このとき、各ピン
ゲート41からの溶融樹脂が、そのピンゲート41直近
(両側)のリブ17成形用のキャビティ37に単独で流
入すると共に、隣接するピンゲート41からの溶融樹脂
が、それらのピンゲート41間の3個のリブ17のうち
の中央のリブ17成形用のキャビティ37に合流して流
入する。このときの溶融樹脂の流入量は、各ピンゲート
41からその直近のリブ17成形用のキャビティ37に
流入する溶融樹脂の流入量の約半分となり、結果的に、
隣接する2個のピンゲート41から中央のリブ17成形
用のキャビティ37に合流して流入する溶融樹脂の流入
量は、各ピンゲート41からその直近のリブ17成形用
のキャビティ37に流入する溶融樹脂の流入量と実質的
に同一となる。
【0031】このようにして、6個のピンゲート41の
各々が、18個のリブ17成形用のキャビティ37の各
3個及びこれら3個のリブ17成形用のキャビティ37
に連続する基部11成形用のキャビティ33の部分を受
け持つ形で、各リブ17成形用のキャビティ37及び基
部11成形用のキャビティ33内に溶融樹脂が流入し
て、外輪15成形用のキャビティ35へと向かってその
長手方向(基部11成形用のキャビティ33の放射方
向)に流動する。
【0032】このときの溶融樹脂の流動状態(フローパ
ターン)を以下に説明する。
【0033】図6は本発明の一実施例の樹脂製プーリの
製造方法における樹脂のフローパターンを示す説明図で
ある。
【0034】図6において、まず、キャビティ31,3
3,35,37内を内輪13側から外輪15側へ流動す
る溶融樹脂は、6個のピンゲート41から射出注入され
た直後の位置から暫くの間は、図6中二点鎖線で示すよ
うに、ピンゲート41の数に対応して平面略六角形状で
略放射方向に展開し、内輪13部分及びリブ17の途中
まで充填される。そして、溶融樹脂は、キャビティ3
1,33,35,37内を外輪15側へ流動する間に、
18個のリブ17成形用のキャビティ37内を基部11
成形用のキャビティ33内よりも早く進み、18個のリ
ブ17の数に対応した平面略18角形へと形状を移行さ
せて展開し、リブ17成形用のキャビティ37の終端に
達したときに、図6において実線で示す外形となる。そ
して、最後に、基部11成形用のキャビティ33内を流
動する溶融樹脂の外周が外輪15成形用のキャビティ3
5内に流入して前記リブ17成形用のキャビティ37か
らの溶融樹脂と合流すると、それらの溶融樹脂がリブ1
7成形用のキャビティ37の終端間のキャビティ33及
び35に残る空間を充填し、溶融樹脂が平面略18角形
から円形へと形状を移行する。これにより、円筒状の外
輪15部分が成形されて、樹脂プーリの全体形状が完成
する。
【0035】上記樹脂のフローパターンは、コンピュー
タ援用エンジニアリング(CAE)による流動解析の結
果得られたものであるが、このシュミレーションによれ
ば、流動過程を通じて、非常に均一な温度分布及び充填
状態が得られた。
【0036】なお、各ピンゲート41からの溶融樹脂の
注入は、通常の樹脂製プーリの場合、同時に行うことが
樹脂流動の均一化の点から好ましいが、樹脂製プーリの
種類または形状等によっては、最も均一な流動条件を得
るようその注入タイミングを各々制御してもよい。
【0037】次いで、このように溶融樹脂が金型のキャ
ビティ31,33,35,37内に充填された後、保圧
段階においてこの充填された溶融樹脂に保圧がかけられ
る。この場合、反ゲート側の外輪15成形用のキャビテ
ィ35の特に端部には、ピンゲート41から離れている
ために、ゲート側に比較して保圧がかかり難い。そのた
め、本実施例では、前述のように、反ゲート側のリブ成
形用キャビティ37bの厚さがゲート側リブ成形用キャ
ビティ37aよりも大きくされ、これによって、ピンゲ
ート41から反ゲート側リブ成形用キャビティ37bを
介して反ゲート側の外輪15成形用のキャビティ35に
至る保圧の圧力損失が、より少なくなるようにされてい
る。したがって、この保圧段階において、反ゲート側の
外輪15成形用のキャビティ35には、ゲート側と同様
に、保圧が良好にかけられる。またその結果、外輪15
成形用のキャビティ35での圧力バランスが向上され
る。
【0038】なおここで、上記のように製造された樹脂
製プーリの真円度を、その測定結果に基づいて具体的に
説明する。
【0039】図7は本発明の一実施例の製造方法により
製造した樹脂製プーリの真円度を、従来の製造方法によ
り製造した樹脂製プーリの真円度と比較した表図であ
る。
【0040】ここで、樹脂製プーリは、外径80mm、
軸受外径47mm、幅26mmのオートテンショナ用樹
脂プーリであり、成形材料として、強化繊維としてガラ
ス繊維を43%含有した6ナイロン、6・6ナイロン、
11ナイロン、12ナイロン等のポリアミド樹脂(PA
6・12 GF43、例えば、デュポン社製77G43
L黒色)を使用している。また、従来の樹脂製プーリの
製造方法は、例えば、特開平4−34260号公報に掲
載の技術のように、基部の各リブ間にゲートを配置した
多点ゲートを使用したものである。なお、“真円度”
は、樹脂製プーリのベルト案内面である外輪15の外周
面における真円度(凹凸の差)を測定したものであり、
“ゲート側”とは、ピンゲート41が配置された側の外
輪15外周面の端面(図2中左端面)の真円度を、“中
央”とは、外輪15外周面の幅方向中心位置の真円度
を、“反ゲート側”とは、ピンゲート41が配置された
側とは反対側の外輪15外周面の端面(図2中右端面)
の真円度を指す。
【0041】図7の真円度の測定結果に示されるよう
に、本実施例の方法により製造した樹脂製プーリは、い
ずれの部分の真円度においても、従来の方法により製造
したものよりも高い真円度を有している。特に、ベルト
を案内するために最も高い真円度を必要とする部分は外
輪15外周面の幅方向中央部分であるが、この部分の真
円度は34μmであり、従来方法によるものと比較して
飛躍的に向上していることがわかる。
【0042】また、本例の樹脂製プーリは、金型の反ゲ
ート側のリブ成形用キャビティ37bの厚さをゲート側
リブ成形用キャビティ37aよりも大きくし、ゲート側
リブ17aの肉厚が外輪側(径方向最外側)で1.6m
m、内輪側(径方向最内側)で2.2mmであるのに対
して、反ゲート側リブ17bの肉厚を外輪側で1.9m
m、内輪側で2.5mmとし、0.3mmだけ大きくし
たものであるが、これによれば、外輪15外周面の真円
度において、ゲート側と反ゲート側との差も非常に少な
くなっている。即ち、ゲート側の真円度は58μmであ
るのに対し、反ゲート側の真円度は57μmであり、い
ずれも高い真円度である一方、その差は僅かに1μmで
ある。
【0043】図7は上記の本実施例の樹脂製プーリの真
円度の測定チャートを、ゲート側リブ17aと反ゲート
側リブ17bとの肉厚を変えないで製造した比較のため
の樹脂製プーリと対比して示す表図である。なお、真円
度(μm)は、各真円度測定チャートの中央に記載し
た。
【0044】図7において、上記本実施例の樹脂製プー
リの真円度測定チャートは中央列に示される。これに対
して、比較のための樹脂製プーリはゲート側リブ17a
と反ゲート側リブ17bの肉厚を同じくし、外輪側(径
方向最外側)で1.6mm、内輪側(径方向最内側)で
2.2mmとし、または、外輪側で1.9mm、内輪側
で2.5mmとしたものであり、これらの真円度測定チ
ャートはそれぞれ左側列、及び右側列に示される。そし
て、この表図に示されるように、ゲート側リブ17aと
反ゲート側リブ17bの肉厚を変えないで同じに製造し
た比較例の樹脂製プーリは、真円度自体は良好である
が、いずれも、外輪15のゲート側と反ゲート側との真
円度の差が大きい傾向にある。そこで、これらの比較例
との対比から、反ゲート側リブ17bの肉厚をゲート側
リブ17aの肉厚よりも大きくすることによって、外輪
15外周面のゲート側と反ゲート側との真円度の差を少
なくできることがわかる。
【0045】このように、上記実施例の樹脂製プーリ
は、軸受19と、軸受19の外周に射出成形により一体
形成された樹脂部本体とからなり、前記樹脂部本体は、
中央に孔を有する円板状の基部11と、基部11の内周
部に沿って基部11の厚さ方向両側に張り出し形成され
た小径円筒状の内径部としての内輪13と、基部11の
外周部に沿って基部11の厚さ方向両側に張り出し形成
された大径円筒状の外径部としての外輪15と、基部1
1の内周部の内輪13から外周部の外輪15へと放射状
に延びると共に基部11の厚さ方向両側に突出し、基部
11の各側に周方向に等角度で配置された計18個のリ
ブ17(a,b)とを具備するものであって、これにお
いて、樹脂射出用の計6個のピンゲート41を、前記基
部11の内周部の内輪13の一方側の端面に周方向に沿
って等間隔(等角度)で配置すると共に、前記ピンゲー
ト41の各々を隣接するリブ17間中央位置の内輪13
の端面に配置し、また、前記ピンゲート41を配置した
側とは反対側の反ゲート側リブ17bの肉厚を、前記ピ
ンゲート41を配置した側のゲート側リブ17aの肉厚
よりも大きくしたものである。
【0046】したがって、上記実施例の樹脂製プーリに
よれば、これを射出成形によって成形する際、ピンゲー
ト41から射出された溶融樹脂によって基部11、内径
部としての内輪13、外径部としての外輪15及びリブ
17(a,b)が形成されるが、このうち、特に、外径
部としての外輪15は、基部11の内周部の内輪13か
ら18個のリブ17を介して基部11の外周部に流動し
てきた溶融樹脂、及び、基部11自体を流動してきた溶
融樹脂の両者が同時に合流して成形されるため、これら
の溶融樹脂が外輪15で合流した直後は、18個設けた
リブ17の数に応じた平面18角形の成形体が形成さ
れ、その後に平面円形の外輪15が成形される。よっ
て、外輪15の外形は、18個のリブ17の数に応じた
平面18角形から円形へと移行するため、その真円度が
リブ17の数に応じて高くなる。その結果、外輪15の
真円度が向上され、特に、外輪15の中央部では高い真
円度が得られる。またこれと共に、反ゲート側リブ17
bの肉厚をゲート側リブ17aよりも大きくしているの
で、射出成形時の保圧段階においてこの反ゲート側リブ
17bを介して外輪15の反ゲート側に伝達される保圧
の圧力損失を少なくし、その伝達性をより高めることが
できる。そのため、ゲートから離れているために保圧が
かかりにくい外輪15の反ゲート側に対して良好に、ま
たゲート側とバランス良く保圧がかかるので、その真円
度を向上することができる。その結果、外輪15のゲー
ト側と反ゲート側との真円度の差をより少なくすること
ができる。
【0047】このため、上記実施例の樹脂製プーリは、
外径部としての外輪15の真円度が高く、しかもゲート
側と反ゲート側との真円度の差が少ないので、回転時の
ベルトのばたつきが少なくなり、動作時の騒音を低減で
きると共に、回転むらをより少なくすることができる。
また、外輪15のベルト案内面とベルトとの接触摩擦抵
抗を少なくすることができ、樹脂製プーリ及びベルトの
製品寿命を延ばすことができる。
【0048】更に、本実施例の樹脂製プーリは、上記の
ように回転部を受け持つ軸受19として転がり軸受を採
用して一層の耐久性を確保し、ベルト接触部である外輪
15の真円度を高精度としたため、プーリとして理想的
なものとなる。特に、振動防止、耐熱性、耐回転性等自
動車の補機用のオートテンショナ用樹脂プーリとして好
適である。
【0049】また、上記実施例の樹脂製プーリの製造方
法は、軸受19と、軸受19の外周に一体形成された樹
脂部本体とからなり、前記樹脂部本体は、中央に孔を有
する円板状の基部11と、基部11の内周部に沿って基
部11の厚さ方向両側に張り出し形成された小径円筒状
の内径部としての内輪13と、基部11の外周部に沿っ
て基部11の厚さ方向両側に張り出し形成された大径円
筒状の外径部としての外輪15と、基部11の内周部の
内輪13から外周部の外輪15へと放射状に延びると共
に基部11の厚さ方向両側に突出し、基部11の各側に
周方向に等角度で配置された計18個のリブ17(a,
b)とを具備する樹脂製プーリの製造方法であって、前
記軸受19をインサートし、前記樹脂部本体に対応する
金型キャビティ31,33,35,37(a,b)に溶
融した樹脂材料を射出することによって、前記軸受19
と前記樹脂部本体とを一体に射出成形する型締め、射
出、保圧段階を含む射出成形工程を具備し、ここで、樹
脂射出用の計6個のピンゲート41を、前記基部11の
内周部の内輪13成形用のキャビティ31の一方側の端
面に周方向に沿って等間隔(等角度)で配置すると共
に、前記ピンゲート41の各々を隣接するリブ17成形
用のキャビティ37間の中央位置の内輪13成形用キャ
ビティ31の端面に配置し、また、前記ピンゲート41
を配置した側とは反対側の反ゲート側リブ17b成形用
のキャビティ37bの厚さを、前記ピンゲート41を配
置した側のゲート側リブ17a成形用のキャビティ37
aの厚さよりも大きくしたものである。
【0050】したがって、上記実施例の樹脂製プーリの
製造方法によれば、射出成形工程において、前記各ピン
ゲート41から溶融樹脂をキャビティ31,33,3
5,37(a,b)内に射出すると、基部11の内周部
の内輪13成形用のキャビティ31から計18個のリブ
17(a,b)成形用のキャビティ37を介して基部1
1の外周部の外輪15成形用のキャビティ35に流動し
てきた溶融樹脂、及び、基部11成形用のキャビティ3
3自体を流動してきた溶融樹脂の両者が、外径部として
の外輪15成形用のキャビティ35で同時に合流して成
形される。このため、これらの溶融樹脂が外輪15成形
用のキャビティ35で合流した直後は、計18個設けた
リブ17の数に応じた平面18角形の成形体が形成さ
れ、その後に平面円形の外輪15が成形される。よっ
て、外輪15の外形は、18個のリブ17の数に応じた
平面18角形から円形へと移行するため、その真円度が
リブ17の数に応じて高くなる。その結果、外輪15の
真円度が向上され、特に、外輪15の中央部での真円度
が高い樹脂製プーリを得ることができる。またこれと共
に、反ゲート側リブ17b成形用のキャビティ37bの
厚さをゲート側リブ17a成形用のキャビティ37aの
厚さよりも大きくしたため、保圧段階時にこのキャビテ
ィ37bを介して外輪15成形用のキャビティ35の反
ゲート側に伝達される保圧の圧力損失をより少なくする
ことができ、その伝達性を高めることができる。そのた
め、ピンゲート41から離れているために保圧段階にお
ける保圧圧力がかかり難い外輪15成形用のキャビティ
35の反ゲート側に対して、良好に、またゲート側とバ
ランス良く保圧がかけられる。その結果、外輪15の反
ゲート側は十分に保圧されて形成され、真円度が向上す
るので、外輪15の真円度が高いだけでなく、ゲート側
と反ゲート側との真円度の差の少ない樹脂製プーリを得
ることができる。
【0051】更に、上記実施例の樹脂製プーリの製造装
置は、軸受19と、軸受19の外周に一体形成された樹
脂部本体とからなり、前記樹脂部本体は、中央に孔を有
する円板状の基部11と、基部11の内周部に沿って基
部11の厚さ方向両側に張り出し形成された小径円筒状
の内径部としての内輪13と、基部11の外周部に沿っ
て基部11の厚さ方向両側に張り出し形成された大径円
筒状の外径部としての外輪15と、基部11の内周部の
内輪13から外周部の外輪15へと放射状に延びると共
に基部11の厚さ方向両側に突出し、基部11の各側に
周方向に等角度で配置された計18個のリブ17(a,
b)とを具備する樹脂製プーリの製造装置であって、前
記軸受19をインサートとして配置固定するインサート
部39と、前記インサート部39の周囲に設けられた前
記内輪13、基部11、外輪15及びリブ17成形用の
各々のキャビティ31,33,35,37(a,b)
と、前記キャビティ31,33,35,37に溶融樹脂
を射出するためのピンゲート41とを具備し、ここで、
前記ピンゲート41を、前記基部11の内周部の内輪1
3成形用のキャビティ31の一方側の端面に周方向に沿
って等間隔(等角度)で計6個配置すると共に、前記ピ
ンゲート41の各々を隣接するリブ17成形用のキャビ
ティ37間の中央位置の内輪13成形用キャビティ31
の端面に配置し、また、前記ピンゲート41を配置した
側とは反対側の反ゲート側リブ17b成形用のキャビテ
ィ37bの厚さを、前記ピンゲート41を配置した側の
ゲート側リブ17a成形用のキャビティ37aの厚さよ
りも大きくしたものである。
【0052】したがって、上記実施例の樹脂製プーリの
製造装置によれば、これを使用して樹脂製プーリを成形
する際、前記各ピンゲート41から溶融樹脂をキャビテ
ィ31,33,35,37(a,b)内に射出すると、
基部11の内周部の内輪13成形用のキャビティ31か
ら計18個のリブ17成形用のキャビティ37を介して
基部11の外周部の外輪15成形用のキャビティ35に
流動してきた溶融樹脂、及び、基部11成形用のキャビ
ティ33自体を流動してきた溶融樹脂の両者が、外径部
としての外輪15成形用のキャビティ35で同時に合流
して成形される。このため、これらの溶融樹脂が外輪1
5成形用のキャビティ35で合流した直後は、計18個
設けたリブ17の数に応じた平面18角形の成形体が形
成され、その後に平面円形の外輪15が成形される。よ
って、外輪15の外形は、18個のリブ17の数に応じ
た平面18角形から円形へと移行するため、その真円度
がリブ17の数に応じて高くなる。その結果、外輪15
の真円度が向上され、特に、外輪15の中央部での真円
度を高めることができる。またこれと共に、反ゲート側
リブ17b成形用のキャビティ37bの厚さがゲート側
リブ17a成形用のキャビティ37aの厚さよりも大き
くされているため、保圧段階時にこのキャビティ37b
を介して反ゲート側の外輪15成形用のキャビティ35
に伝達される保圧の圧力損失をより少なくすることがで
きる。その結果、ピンゲート41から離れているために
保圧段階における保圧がかかり難い外輪15成形用のキ
ャビティ35の反ゲート側に対しても、良好に、またゲ
ート側とバランス良く保圧がかけられる。そのため、外
輪15の反ゲート側は十分に保圧されて形成され、真円
度が向上するので、ゲート側との真円度の差を少なくす
ることができる。したがって、上記実施例の樹脂製プー
リの製造装置によれば、外輪15の外周面の真円度が高
いと共にゲート側と反ゲート側との真円度の差も少ない
樹脂製プーリを得ることができる。
【0053】なお更に、上記実施例では、特に、ピンゲ
ート41のゲート径を、型開きに伴なうゲート固化物の
自動切除を損なわない範囲での最大径とし、約2mmと
している。このため、ゲートシール時間が延び、外輪1
5の溶融樹脂に十分な保圧がかかることになり、外輪1
5の真円度を一層向上することができる。また、ゲート
径を大きくすると、溶融樹脂に含有される強化繊維とし
てのガラス繊維の配向が少なくなって不揃い状態となる
ため、冷却時の樹脂の収縮率が均一となり、この点にお
いても、外輪15の真円度を一層向上することができ
る。更に、通常は補強用に用いられるリブ17を成形時
の樹脂流動用の経路として利用し、かつ、そのリブ17
を18本放射状に設けているため、6点のピンゲート4
1から注入した溶融樹脂の外形を、平面略6角形から略
18角形へと円滑に形状変化させて外輪15部分で円形
とすることができ、かつ、その流動条件をも均一なもの
とすることができる。そして、上記のようにして成形さ
れた樹脂製プーリは、特に、基部11成形用のキャビテ
ィ33の外周部へ流動してきた樹脂とリブ17成形用の
キャビティ37の終端へ流動してきた樹脂とが外輪15
成形用のキャビティ35の幅方向中央部分で合流して、
その圧力分布が一層高まるため、ベルト等を案内する部
分であり、オートテンショナプーリ等の樹脂プーリとし
て最も重要性の高い部分である外輪15の幅方向中央部
の真円度をより高くすることができ、製品品質を一層向
上することができる。
【0054】ところで、上記実施例では、ピンゲート4
1を、計18個のリブ17に対応して、その約数である
計6個設け、1個のピンゲート41で3個のリブ17を
受け持つと共に、それらを内輪13の一方側の端面に周
方向に等間隔で配置しているが、本発明を実施する場合
には、ピンゲート41の数と配置は、これに限定される
ものではなく、樹脂をキャビティ内に放射状に展開して
均一充填すべく機能するものであればよい。例えば、ピ
ンゲート41を、計18個のリブ17に対して計9個設
けて各隣接するリブ17間の中央位置に配置し、1個の
ピンゲート41で2個のリブ17を受け持ち、樹脂の流
れを平面略9角形状から18角形状とするようにしても
よい。或いは、樹脂をキャビティ内に放射状に展開して
均一充填できる限りにおいて、ピンゲート41の数をリ
ブ17の数の約数とすることなく、例えば、3乃至5個
または7個以上とし、これらのピンゲート41を内輪1
3の周方向に等間隔で配置して樹脂の流れを平面略正多
角形状から18角形状とするようにしてもよい。
【0055】また、ピンゲート41は、内輪13の周方
向に等間隔で配置する以外にも、樹脂の均一充填を損な
わない限りにおいて、若干間隔をずらして配置する等の
変更が可能であり、内輪13の周方向に実質的に等間隔
で配置すればよい。更に、各ピンゲート41は、隣接す
るリブ17間中央位置の内輪13に配置する以外にも、
樹脂の均一充填を損なわない限りにおいて、リブ17間
の任意の位置に配置でき、その位置を適宜変更すること
ができる。また、ピンゲート41のゲート径は、約2mm
とする以外に、ゲートシール時間をできるだけ長く取
り、かつ、型開きに伴なうゲート固化物の自動切除を可
能にする限りにおいて、樹脂製プーリの形状及び寸法等
の諸条件に応じて、適宜変更してもよい。ただし、通常
の樹脂製プーリでは、ゲート径を約2mmとすれば、上記
のように非常に高い真円度を確保することができる。
【0056】そして、リブ17の数も、18本以外に、
樹脂製プーリの使用目的、補強の必要の程度等の条件に
応じて適宜変更してもよいが、リブ17の数が多けれ
ば、外輪15成形時における溶融樹脂の外形を円に近い
平面多角形状とすることができ、真円度の向上に有効で
ある。また、リブ17の数を変更した場合、これに対応
して、ピンゲート41の数を変更し、各ピンゲート41
を隣接するリブ17間に配置するようにする。即ち、リ
ブ17の数とピンゲート41の数及びそれらの数の割合
は、樹脂の均一充填を損なわない限りにおいて、上記以
外の任意の組み合わせとすることができる。
【0057】なお、インサートとしての軸受19は、転
がり軸受以外にも、すべり軸受等の他の任意の種類の軸
受またはその要素であることができ、また補強のための
ブッシュ、コア等であることもできる。また、上述の樹
脂製プーリは、オートテンショナ用プーリとしてだけで
なく、あらゆる種類のプーリとして適用することがで
き、駆動用或いは従動用プーリとしても適用することが
できる。
【0058】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明にかかる
樹脂製プーリは、軸受と、軸受の外周に射出成形により
一体形成された樹脂部本体とからなり、樹脂部本体は、
円板状の基部と、基部の内周部及び外周部に沿って基部
の厚さ方向両側に張り出し形成された円筒状の内径部及
び外径部と、基部の内周部から外周部へと放射状に延び
ると共に基部の厚さ方向両側に突出する多数のリブとを
具備する樹脂製プーリであって、樹脂射出用の複数のピ
ンゲートを前記内径部の一方側の端面に周方向に沿って
実質的に等間隔で、かつ、隣接するリブ間に配置すると
共に、ピンゲートを配置した側とは反対側の反ゲート側
リブの肉厚を、ピンゲートを配置した側のゲート側リブ
の肉厚よりも小さくしたものである。
【0059】したがって、この樹脂製プーリによれば、
これを射出成形によって成形する際、ピンゲートから射
出された溶融樹脂によって基部、内径部、外径部及びリ
ブが形成されるが、このうち、特に、外径部は、内径部
から多数のリブを介して外径部に流動してきた溶融樹
脂、及び、基部自体を流動してきた溶融樹脂の両者が同
時に合流して成形されるため、これらの溶融樹脂が外径
部で合流した直後は、多数設けたリブの数に応じた平面
多角形の成形体が形成され、その後に平面円形の外径部
が成形される。よって、外径部の外形は、多数のリブの
数に応じた平面多角形から円形へと移行するため、その
真円度がリブの数に応じて高くなる。その結果、外径部
の真円度を向上し、特に、外径部の中央部での真円度を
高めることができる。またこれと共に、反ゲート側リブ
の肉厚をゲート側リブの肉厚よりも大きくしたため、保
圧段階においてこの反ゲート側リブを介して外径部の反
ゲート側に伝達される保圧の圧力損失をより少なくし、
その保圧の伝達性を高めることができる。そのため、ゲ
ートから離れた反ゲート側の外径部にも良好に保圧をか
けることができるので、その真円度を高め、ゲート側の
外径部との真円度の差を少なくすることができる。
【0060】そして、このように、外径部の真円度を高
めると共にその両側の真円度の差を少なくすることがで
きるため、回転時のベルト等のばたつきが少なくなり、
動作時の騒音を低減できると共に、回転むらをより少な
くすることができる。また、外径部のベルト案内面とベ
ルトとの接触摩擦抵抗を少なくすることができ、樹脂製
プーリ及びベルトの製品寿命を延ばすことができる。
【0061】請求項2の発明にかかる樹脂製プーリの製
造方法は、軸受と、軸受の外周に一体形成された樹脂部
本体とからなり、前記樹脂部本体は、円板状の基部と、
基部の内周部及び外周部に沿って基部の厚さ方向両側に
張り出し形成された円筒状の内径部及び外径部と、基部
の内周部から外周部へと放射状に延びると共に基部の厚
さ方向両側に突出する多数のリブとを具備する樹脂製プ
ーリの製造方法であって、軸受をインサートし、樹脂部
本体に対応する金型キャビティに溶融した樹脂材料を射
出することによって軸受と樹脂部本体とを一体に射出成
形する射出成形工程を具備し、ここで、樹脂射出用の複
数のピンゲートを、内径部を形成するキャビティの一方
側の端面に周方向に沿って実質的に等間隔で、かつ、隣
接するリブ成形用キャビティ間に配置すると共に、前記
ピンゲートを配置した側とは反対側の反ゲート側リブ成
形用キャビティの厚さを、前記ピンゲートを配置した側
のゲート側リブ成形用キャビティの厚さよりも大きくし
たものである。
【0062】したがって、この樹脂製プーリの製造方法
によれば、射出成形工程において、前記各ピンゲートか
ら溶融樹脂をキャビティ内に射出すると、内径部成形用
キャビティから多数のリブ成形用キャビティを介して外
径部成形用キャビティに流動してきた溶融樹脂、及び、
基部成形用キャビティ自体を流動してきた溶融樹脂の両
者が、外径部成形用キャビティで同時に合流して成形さ
れる。このため、これらの溶融樹脂が外径部成形用キャ
ビティで合流した直後は、多数設けたリブの数に応じた
平面多角形の成形体が形成され、その後に平面円形の外
径部が成形される。よって、外径部の外形は、多数のリ
ブの数に応じた平面多角形から円形へと移行するため、
その真円度がリブの数に応じて高くなる。その結果、外
径部の真円度が高く、特に、外径部の中央での真円度が
高い樹脂製プーリを得ることができる。またこれと共
に、反ゲート側リブ成形用キャビティの厚さをゲート側
リブ成形用キャビティの厚さよりも大きくしたため、保
圧時にこの反ゲート側リブ成形用キャビティを介して外
径部成形用キャビティの反ゲート側に伝達される保圧の
圧力損失をより少なくし、その保圧の伝達性を高めるこ
とができる。そのため、ピンゲートから離れた反ゲート
側の外径部成形用キャビティにも良好に保圧をかけるこ
とができ、形成される反ゲート側の外径部の真円度を高
めて、ゲート側の外径部との真円度の差を少なくするこ
とができる。よって、この製造方法によれば、外径部の
真円度が高いだけでなく、その両側の真円度の差が少な
い樹脂製プーリを得ることができる。
【0063】請求項3の発明にかかる樹脂製プーリの製
造装置は、軸受と、軸受の外周に一体形成された樹脂部
本体とからなり、前記樹脂部本体は、円板状の基部と、
基部の内周部及び外周部に沿って基部の厚さ方向両側に
張り出し形成された円筒状の内径部及び外径部と、基部
の内周部から外周部へと放射状に延びると共に基部の厚
さ方向両側に突出する多数のリブとを具備する樹脂製プ
ーリの製造装置であって、軸受をインサートとして配置
固定するインサート部と、インサート部の周囲に設けら
れた前記基部、内径部、外径部及びリブ成形用のキャビ
ティと、そのキャビティに溶融樹脂を射出するためのピ
ンゲートとを具備し、ここで、ピンゲートを内径部成形
用キャビティの一方側の端面に周方向に沿って実質的に
等間隔で、かつ、隣接するリブ成形用キャビティ間に複
数配置すると共に、前記ピンゲートを配置した側とは反
対側の反ゲート側リブ成形用キャビティの厚さを、前記
ピンゲートを配置したゲート側リブ成形用キャビティの
厚さよりも大きくしたものである。
【0064】したがって、この樹脂製プーリの製造装置
によれば、これによって樹脂製プーリを成形する際、前
記各ピンゲートから溶融樹脂をキャビティ内に射出する
と、内径部成形用キャビティから多数のリブ成形用キャ
ビティを介して外径部成形用キャビティに流動してきた
溶融樹脂、及び、基部成形用キャビティ自体を流動して
きた溶融樹脂の両者が、外径部成形用キャビティで同時
に合流して成形される。このため、これらの溶融樹脂が
外径部成形用キャビティで合流した直後は、多数設けた
リブの数に応じた平面多角形の成形体が形成され、その
後に平面円形の外径部が成形される。よって、外径部の
外形は、多数のリブの数に応じた平面多角形から円形へ
と移行するため、その真円度がリブの数に応じて高くな
る。その結果、外径部の真円度が高く、特に、外径部の
中央での真円度が高い樹脂製プーリを得ることができ
る。またこれと共に、反ゲート側リブ成形用キャビティ
の厚さをゲート側リブ成形用キャビティの厚さよりも大
きくしたため、保圧時にこの反ゲート側リブ成形用キャ
ビティを介して外径部成形用キャビティの反ゲート側に
伝達される保圧の圧力損失をより少なくし、その保圧の
伝達性を高めることができる。そのため、ピンゲートか
ら離れた反ゲート側の外径部成形用キャビティにも良好
に保圧をかけることができ、形成される反ゲート側の外
径部の真円度を高めて、ゲート側の外径部との真円度の
差を少なくすることができる。よって、この製造装置に
よれば、外径部の真円度が高いだけでなく、その両側の
真円度の差が少ない樹脂製プーリを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の樹脂製プーリをゲー
ト位置と共に示す平面図である。
【図2】図2は本発明の一実施例の樹脂製プーリをゲー
ト位置と共に示す図1のA−A線断面図である。
【図3】図3は本発明の一実施例の樹脂製プーリのリブ
を単独で示す斜視図である。
【図4】図4は本発明の一実施例の樹脂製プーリをゲー
ト位置と共に示す図1のB−B線部分断面図である。
【図5】図5は本発明の一実施例の樹脂製プーリの製造
装置の金型を示す断面図である。
【図6】図6は本発明の一実施例の樹脂製プーリの製造
方法における樹脂のフローパターンを示す説明図であ
る。
【図7】図7は本発明の一実施例の製造方法により製造
された樹脂製プーリの真円度を従来の製造方法により製
造した樹脂製プーリの真円度と比較した表図である。
【図8】図8は本発明の一実施例の製造方法により製造
された樹脂製プーリと比較のために製造された樹脂製プ
ーリの真円度の測定チャートを示す表図である。
【符号の説明】
11 基部 13 内輪(内径部) 15 外輪(外径部) 17 リブ 17a ゲート側リブ 17b 反ゲート側リブ 19 軸受 31 内輪成形用キャビティ 33 基部成形用キャビティ 35 外輪成形用キャビティ 37 リブ成形用キャビティ 37a ゲート側リブ成形用キャビティ 37b 反ゲート側リブ成形用キャビティ 39 インサート部 41 ピンゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 誉展 愛知県西加茂郡藤岡町大字飯野字大川ケ原 1141番地1 アイシン化工株式会社内 (72)発明者 仁木 基晴 大阪府大阪市西区京町堀1丁目3番17号 エヌティエヌ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受と、軸受の外周に射出成形により一
    体形成された樹脂部本体とからなり、前記樹脂部本体
    は、円板状の基部と、基部の内周部及び外周部に沿って
    基部の厚さ方向両側に張り出し形成された円筒状の内径
    部及び外径部と、基部の内周部から外周部へと放射状に
    延びると共に基部の厚さ方向両側に突出する多数のリブ
    とを具備する樹脂製プーリであって、 樹脂射出用の複数のピンゲートを前記内径部の一方側の
    端面に周方向に沿って実質的に等間隔で、かつ、隣接す
    るリブ間に配置すると共に、前記ピンゲートを配置した
    側とは反対側の反ゲート側リブの肉厚を、前記ピンゲー
    トを配置した側のゲート側リブの肉厚よりも大きくした
    ことを特徴とする樹脂製プーリ。
  2. 【請求項2】 軸受と、軸受の外周に一体形成された樹
    脂部本体とからなり、前記樹脂部本体は、円板状の基部
    と、基部の内周部及び外周部に沿って基部の厚さ方向両
    側に張り出し形成された円筒状の内径部及び外径部と、
    基部の内周部から外周部へと放射状に延びると共に基部
    の厚さ方向両側に突出する多数のリブとを具備する樹脂
    製プーリの製造方法であって、 前記軸受をインサートし、前記樹脂部本体の基部、内径
    部、外径部及びリブに対応する金型キャビティに溶融し
    た樹脂材料を射出することによって、前記軸受と前記樹
    脂部本体とを一体に射出成形する射出成形工程を具備
    し、 樹脂射出用の複数のピンゲートを、前記内径部成形用キ
    ャビティの一方側の端面に周方向に沿って実質的に等間
    隔で、かつ、隣接するリブ成形用キャビティ間に配置す
    ると共に、前記ピンゲートを配置した側とは反対の反ゲ
    ート側リブ成形用キャビティの厚さを、前記ピンゲート
    を配置した側のゲート側リブ成形用キャビティの厚さよ
    りも大きくしたことを特徴とする樹脂製プーリの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 軸受と、軸受の外周に一体形成された樹
    脂部本体とからなり、前記樹脂部本体は、円板状の基部
    と、基部の内周部及び外周部に沿って基部の厚さ方向両
    側に張り出し形成された円筒状の内径部及び外径部と、
    基部の内周部から外周部へと放射状に延びると共に基部
    の厚さ方向両側に突出する多数のリブとを具備する樹脂
    製プーリの製造装置であって、 前記軸受をインサートとして配置固定するインサート部
    と、 前記インサート部の周囲に設けられた前記基部、内径
    部、外径部及びリブ成形用のキャビティと、 前記キャビティに溶融樹脂を射出するためのピンゲート
    とを具備し、 前記ピンゲートを前記内径部成形用キャビティの一方側
    の端面に周方向に沿って実質的に等間隔で、かつ、隣接
    するリブ成形用キャビティ間に複数配置すると共に、前
    記ピンゲートを配置した側とは反対側の反ゲート側リブ
    成形用キャビティの厚さを、前記ピンゲートを配置した
    側のゲート側リブ成形用キャビティの厚さよりも大きく
    したことを特徴とする樹脂製プーリの製造装置。
JP26490994A 1994-10-28 1994-10-28 樹脂製プーリ並びにその製造方法及び製造装置 Pending JPH08118396A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26490994A JPH08118396A (ja) 1994-10-28 1994-10-28 樹脂製プーリ並びにその製造方法及び製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26490994A JPH08118396A (ja) 1994-10-28 1994-10-28 樹脂製プーリ並びにその製造方法及び製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08118396A true JPH08118396A (ja) 1996-05-14

Family

ID=17409903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26490994A Pending JPH08118396A (ja) 1994-10-28 1994-10-28 樹脂製プーリ並びにその製造方法及び製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08118396A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1967347A1 (en) * 2007-03-07 2008-09-10 JTEKT Corporation Resin component
US7708677B2 (en) * 2003-12-20 2010-05-04 Schaeffler Kg Plastic-coated roller, especially tension roller for a belt drive
JP2015155258A (ja) * 2014-02-20 2015-08-27 マツダ株式会社 繊維強化樹脂製リッド部材

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7708677B2 (en) * 2003-12-20 2010-05-04 Schaeffler Kg Plastic-coated roller, especially tension roller for a belt drive
EP1967347A1 (en) * 2007-03-07 2008-09-10 JTEKT Corporation Resin component
JP2015155258A (ja) * 2014-02-20 2015-08-27 マツダ株式会社 繊維強化樹脂製リッド部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4173053B2 (ja) 射出成形樹脂歯車、射出成形樹脂スプロケット、射出成形樹脂プーリ、射出成形樹脂ローラ
US4668209A (en) Plastic-surrounded bearing
JP3301873B2 (ja) 樹脂巻き部品の成形方法
WO2020049750A1 (ja) 回転型動力伝達部材の製造方法
JP3387218B2 (ja) ディスク状のプラスチック成形部品
JP3415945B2 (ja) 樹脂製プーリ並びにその製造方法及び製造装置
JPH08118396A (ja) 樹脂製プーリ並びにその製造方法及び製造装置
WO2008156441A1 (en) Injection molded pulleys having low levels of out-of-roundness
JP2838037B2 (ja) 樹脂製プーリ並びにその製造方法及び製造装置
US20090011168A1 (en) Circular resin-molded product having circular center hole and method and apparatus for molding the same
JP2001123986A (ja) 円周流ポンプ用インペラ及びその成形方法
JP3652396B2 (ja) 合成樹脂製保持器の製造方法
US4162047A (en) Hub for use in a tape casette
JP2002005176A (ja) ころ軸受用合成樹脂保持器およびその製造方法
JP3737470B2 (ja) ディスク基板の成形用金型および成形方法
JP4186205B2 (ja) 樹脂プーリ付き軸受
JP2014019068A (ja) 転がり軸受用合成樹脂製保持器及びその製造方法
JP3892291B2 (ja) 射出成形樹脂回転体及びその製造方法
JP2003191288A (ja) プラスチック成形品
JP3506735B2 (ja) 合成樹脂製プーリ
JP5168345B2 (ja) 軸受一体型合成樹脂プーリ
JP2004345263A (ja) 熱可塑性エラストマー製歯付ベルトの製造装置及びこれに用いる金型装置
JP4269530B2 (ja) 樹脂プーリ付き軸受およびその製造方法
KR100324218B1 (ko) 사출성형용 금형
JP2004019723A (ja) 円筒ころ軸受の製造方法および円筒ころ軸受