JPH08117341A - フローガイドカテーテル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コイル等の塞栓物質を使用して治療にも使用
できること。 【構成】 カテーテル２０に対してバルーン１０を係合
させ、密接状態とし、そのバルーン１０及びカテーテル
２０に生理食塩水等を注入しておき、血管内の圧力との
差を少なくし、そして、バルーン１０及びカテーテル２
０を血管に挿入する。バルーン１０を血流に乗せて特定
の血管内を移動させる。目的の位置までバルーン１０及
びカテーテル２０が移動したとき、バルーン１０及びカ
テーテル２０内を減圧し、バルーン除去糸３０をマンド
リール３側から引っぱり、バルーン１０を萎ませ、バル
ーン１０をカテーテル２０内に引き込み、バルーン１０
を除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フローガイドカテーテ
ルに関するものであり、特に、カテーテルの先端に取付
けたバルーンによってカテーテルを導くフローガイドカ
テーテルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】マイクロカテーテルは、一般に、ガイド
ワイヤを用いて選択的なカテーテルの挿入を行ってい
る。ガイドワイヤでの挿入はガイドワイヤの硬さのた
め、血管の内膜障害を起す可能性があった。

【０００３】そこで、カテーテル先端にボールチップを
取付け、このボールを取付け、このボールを血流に乗
せ、安全に選択的挿入を行うフローガイドカテーテルが
使用されるようになってきた。

【０００４】従来のこの種のフローガイドカテーテルと
して、図３に示す技術を挙げることができる。

【０００５】図３は従来のフローガイドカテーテルを示
す全体の概略構成図である。

【０００６】図３において、クローズドチップ１は、カ
テーテル２先端に形成し、血流に乗せて目的の個所にカ
テーテル２の先端を導くものである。このカテーテル２
は、主に、血管塞栓術に使用されるものである。マンド
リール３はカテーテル２を血管塞栓術に使用する場合の
操作を行うものである。

【０００７】このように構成される従来のフローガイド
カテーテルは、次のように使用される。

【０００８】カテーテル２及びその先端のクローズドチ
ップ１を血管に挿入し、そして、クローズドチップ１を
血流に乗せ、選択的にクローズドチップ１を特定の血管
内を移動させる。目的の位置までクローズドチップ１が
移動したとき、クローズドチップ１をメスまたは注射針
でスリットを入れ、薬の注入に使用される。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】従来のフローガイドカ
テーテルは、上記のように、カテーテル２の先端にクロ
ーズドチップ１を有しているから、所定の位置に挿入し
た後もクローズドチップ１のために、コイル等の塞栓物
質を使用して治療に使用することができない。

【００１０】そこで、本発明は、コイル等の塞栓物質を
使用して治療にも使用できるフローガイドカテーテルの
提供を課題とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１にかかるフロー
ガイドカテーテルは、内部が中空で、血管に挿通される
管外径を有するカテーテルと、前記カテーテルの先端に
係合し、血流に乗せて目的の個所にカテーテルの先端を
導くバルーンと、前記バルーンを前記カテーテルの先端
の係合を解き、前記カテーテルの先端から除去する除去
糸とを具備するものである。

【００１２】

【作用】請求項１においては、内部が中空で、血管に挿
通される管外径を有するカテーテルの先端に、バルーン
を係合しておき、バルーンを血流に乗せて目的の個所に
カテーテルの先端を導く、そして、前記カテーテルの先
端から前記バルーンの係合を解き、そして、前記バルー
ンの除去糸を引っぱることにより、前記カテーテルの先
端から前記バルーンを除去する。そして、前記カテーテ
ルにコイル等の塞栓物質を挿入して治療使用する。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。

【００１４】図１は本発明の第一実施例のフローガイド
カテーテルを示す要部拡大断面図である。

【００１５】図１において、略球体に形成されたバルー
ン１０は、カテーテル２０の先端に取付けるものでシリ
コーンゴム系の材料で形成されている。カテーテル２０
の材料は基本的に従来の材料が使用される。本実施例に
おいては、シリコーンゴム系の材料で形成した。バルー
ン除去糸３０はカーボンファイバからなり、バルーン１
０をカテーテル２０の中空部分を通して取出すものであ
る。

【００１６】更に、詳述すると、バルーン１０は全体が
略球体であり、その付根には、括れ部１１及びテーパ部
１２が形成されている。その括れ部１１とテーパ部１２
との間には段部１３が形成されている。テーパ部１２は
カテーテル２０のバルーン１０側の端部が大径で、カテ
ーテル２０の図示しないマンドリール３（図３参照）側
が小径となっている。小径となっているカテーテル２０
のマンドリール３側は開口部１４となっている。また、
カテーテル２０の開口部１４にはバルーン除去糸３０が
一体に埋設接合され、両者が分離しない程度に堅固に接
合させている。カテーテル２０の端部は、その中心部に
突出させ、その内径を小さくし、バルーン１０の括れ部
１１の外形に合致させた形状の端部係合部２１を有して
いる。また、カテーテル２０の端部係合部２１のマンド
リール３側は、段部１３及びテーパ部１２と係合する係
合凹部２２を有している。したがって、カテーテル２０
の端部は、その端部係合部２１及び係合凹部２２が括れ
部１１及び段部１３及びテーパ部１２と係合し、密接状
態となり、バルーン１０及びカテーテル２０の気密状態
が維持される。

【００１７】このように構成された本実施例のフローガ
イドカテーテルは、次のように使用される。

【００１８】まず、カテーテル２０の端部係合部２１及
び係合凹部２２に対して、バルーン１０の括れ部１１及
び段部１３及びテーパ部１２を係合させ、密接状態とす
る。そのバルーン１０及びカテーテル２０に生理食塩水
等を注入しておき、血管内の圧力との差を少なくしてお
く。

【００１９】そして、バルーン１０及びカテーテル２０
を血管に挿入し、そして、バルーン１０を血流に乗せて
特定の血管内を移動させる。目的の位置までバルーン１
０及びカテーテル２０が移動したとき、バルーン１０及
びカテーテル２０内を減圧し、バルーン除去糸３０をマ
ンドリール３（図３参照）側から引っぱり、バルーン１
０を萎ませ、カテーテル２０の端部係合部２１及び係合
凹部２２との係合を解除し、バルーン１０をカテーテル
２０内に引き込み、バルーン１０を除去する。したがっ
て、カテーテル２０を使用して薬の投与は勿論、コイル
等の塞栓物質を使用して治療に使用することができる。

【００２０】図２は本発明の第二実施例のフローガイド
カテーテルを示す要部拡大断面図である。

【００２１】図２において、バルーン１０、カテーテル
２０、バルーン除去糸３０の基本的構成及び材料は、前
記第一実施例と相違するものではない。特に、第一実施
例と同一符号及び記号は第一実施例の構成部分と同一ま
たは相当する構成部分を示すものである。

【００２２】更に、詳述すると、バルーン１０は全体が
略球体であり、その付根には、括れ部１５及び肉厚の基
部１６が形成されている。その括れ部１５と基部１６と
の間は連続的に変化するように形成されている。基部１
６はその中心に小径の開口部１７を有している。また、
バルーン１０の基部１６にはバルーン除去糸３０が一体
に埋設接合され、両者が分離しない程度に堅固に接合さ
せている。

【００２３】また、カテーテル２０の端部は、その内径
を絞り込んで小さくし、バルーン１０の括れ部１５の外
形に合致させた形状の端部係合部２５を有している。ま
た、カテーテル２０の端部係合部２５からマンドリール
３側に沿って、基部１６の外周面と密接する内周面とな
っている。したがって、カテーテル２０の端部は、バル
ーン１０の括れ部１５及び基部１６と係合し、密接状態
となり、バルーン１０及びカテーテル２０の気密状態が
維持される。

【００２４】このように構成された本実施例のフローガ
イドカテーテルは、次のように使用される。

【００２５】まず、カテーテル２０の端部係合部２５に
対して、バルーン１０の括れ部１５及び基部１６を係合
させ、密接状態とする。そのバルーン１０及びカテーテ
ル２０に生理食塩水等を注入しておき、血管内の圧力と
の差を少なくしておく。

【００２６】そして、バルーン１０及びカテーテル２０
を血管に挿入し、そして、バルーン１０を血流に乗せて
特定の血管内を移動させる。目的の位置までバルーン１
０及びカテーテル２０が移動したとき、バルーン１０及
びカテーテル２０内を減圧し、バルーン除去糸３０をマ
ンドリール３側から引っぱり、バルーン１０を萎ませ、
カテーテル２０の端部係合部２５との係合を解除し、バ
ルーン１０をカテーテル２０内に引き込み、バルーン１
０を除去する。したがって、カテーテル２０を使用して
薬の投与は勿論、コイル等の塞栓物質を使用して治療に
使用することができる。

【００２７】特に、本実施例においては、バルーン１０
の基部１６には、その中心に小径の開口部１７を有して
いるから、バルーン１０に外的な圧力が加わっても、急
激にバルーン１０の形態が変化せず、血管内の挿入及び
フローガイドが極めて容易になる。

【００２８】このように、上記各実施例のフローガイド
カテーテルは、内部が中空で、血管に挿通される管外径
を有するカテーテル２０と、カテーテル２０の先端に係
合し、血流に乗せて目的の個所にカテーテル２０の先端
を導くバルーン１０と、バルーン１０をカテーテル２０
の先端の係合を解き、カテーテル２０の先端から除去す
るバルーン除去糸３０とを具備するものであり、これは
請求項に対応する実施例に相当する。

【００２９】この実施例においては、カテーテル２０に
対してバルーン１０を係合させ、密接状態とし、そのバ
ルーン１０及びカテーテル２０に生理食塩水等を注入し
ておき、血管内の圧力との差を少なくし、そして、バル
ーン１０及びカテーテル２０を血管に挿入する。バルー
ン１０を血流に乗せて特定の血管内を移動させる。目的
の位置までバルーン１０及びカテーテル２０が移動した
とき、バルーン１０及びカテーテル２０内を減圧し、バ
ルーン除去糸３０をマンドリール３側から引っぱり、バ
ルーン１０を萎ませ、バルーン１０をカテーテル２０内
に引き込み、バルーン１０を除去することができる。

【００３０】したがって、バルーン１０によってカテー
テル２０を誘導するフローガイドであるから、挿入によ
る血管の内膜障害を生じさせない。また、治療に必要な
管腔が確保できるから、カテーテル２０を使用して薬の
投与は勿論、コイル等の塞栓物質を使用して治療に使用
することができる。

【００３１】ところで、上記実施例では、カテーテル２
０の先端とバルーン１０との係合について説明したが、
本発明を実施する場合には、カテーテル２０とバルーン
１０との密なる係合が維持できれば、如何なる手段であ
ってもよい。

【００３２】

【発明の効果】以上のように、請求項１にかかるフロー
ガイドカテーテルは、内部が中空で、血管に挿通される
管外径を有するカテーテルの先端に係合し、血流に乗せ
て目的の個所にカテーテルの先端を導くバルーンと、前
記バルーンを前記カテーテルの先端の係合を解き、前記
カテーテルの先端から除去するバルーン除去糸とを具備
するものである。したがって、バルーンによってカテー
テルを誘導するフローガイドであるから、挿入による血
管の内膜障害を生じさせない。また、治療に必要な管腔
が確保できるから、カテーテルを使用して薬の投与、コ
イル等の塞栓物質を使用して治療に使用することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は本発明の第一実施例のフローガイドカ
テーテルを示す要部拡大断面図である。

【図２】 図２は本発明の第二実施例のフローガイドカ
テーテルを示す要部拡大断面図である。

【図３】 図３は従来のフローガイドカテーテルを示す
全体の概略構成図である。

【符号の説明】

１０ バルーン ２０ カテーテル ３０ バルーン除去糸

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 誠 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑１ 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 船戸 謙一 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑１ 番地 豊田合成株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部が中空で、血管に挿通される管外径
   を有するカテーテルと、 前記カテーテルの先端に係合し、血流に乗せて目的の個
   所にカテーテルの先端を導くバルーンと、 前記バルーンを前記カテーテルの先端の係合を解き、前
   記カテーテルの先端から除去するバルーン除去糸とを具
   備することを特徴とするフローガイドカテーテル。