JPH08117007A - 一体成形面ファスナーのフック片構造 - Google Patents

一体成形面ファスナーのフック片構造

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JPH08117007A JP6258153A JP25815394A JPH08117007A JP H08117007 A JPH08117007 A JP H08117007A JP 6258153 A JP6258153 A JP 6258153A JP 25815394 A JP25815394 A JP 25815394A JP H08117007 A JPH08117007 A JP H08117007A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】フック片の大小に関わらず、通常のフック片と
比較して係合力を増大させると共に、フック片の前部側
の内部に発生する引張応力を可能な限り小さく設定して
所定の強度が得られるフック片構造を提供する。 【構成】本発明のフック片構造によれば、特にフック片
(10)の立上り部(11)及びフック状係合部(12)の任意の横
断面において、その中心に関し前面側の断面積(S1)を背
面側の断面積(S2)よりも大きく設定しているため、同フ
ック片(10)の中立面が従来よりも立上り部(11)の前面側
及びフック状係合部(12)の内側に移り、前記立上り部(1
1)の前面側及びフック状係合部(12)の内側に発生する引
張応力を減少させ、同一の樹脂量で且つほぼ同等の形状
を有する従来のフック片に較べて、本発明のフック片の
強度を一段と高めるだけでなく、当然に前記立上り部の
前面側及びフック状係合部の内側が他側に較べて剛性が
増すため、変形しにくくなり、強度及び相手方のループ
片との係合力を増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂を用い、
平板状基材と多数のフック片とが押出し又は射出により
一体に成形される面ファスナー用の係合部材に関し、更
に詳しくは成形により得られる同一樹脂量のフック片の
係合強度及び耐久性を向上させたフック片構造に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】フック片を有する面ファスナーとして
は、織物にモノフィラメントを織込み、その一部をカッ
トしてフック片を形成したものが古くから知られてい
る。このタイプの面ファスナーは、織物特有の柔軟性と
モノフィラメントの柔軟性とを兼ね備え、相手方ループ
との係合・剥離時の感触が極めて滑らかな点に特徴があ
る。しかも、フックを構成するモノフィラメントは延伸
工程を経ているため、小さな断面積であっても引張り強
さ及び曲げ強さに優れており、更には織物組織によって
は極めて高密度にフック群を構成し得るため、係合率も
高く、かつ繰り返し使用に十分耐え得るものである。し
かし、この織物タイプの面ファスナーでは、材料消費が
大きい上に、多段の工程が必要であるため、製造コスト
の低減を図ることが難かしい。
【０００３】そこで開発されたものに、押出しや射出に
より基材とフック片を一体に同時成形する一体成形タイ
プの面ファスナーがある。この種の面ファスナーの成形
技術の代表的な例が、例えば英国特許第１３１９５１１
号明細書、ＷＯ８７／０６５２２号に開示されている。
その成形原理は、複数枚のフック片成形用のキャビティ
が外周の側面に形成された成形円盤と側面が平坦面とさ
れたスペーサ用円盤とを交互に積層して固定した回転ド
ラムの周面部に溶融状の合成樹脂材料を圧入して、平板
状基材と一体に成形されたキャビティ内のフックを、ド
ラムの回転に合わせて基材と共に引き抜くものである。
ここで、スペーサ用円盤の必要性は、フックの形状によ
りフックの全体形状を一つの金型にキャビティとして形
成し得ないために各成形円盤の間に介在させることが要
求されるがためである。
【０００４】しかるに、かかる一体成形タイプの面ファ
スナーでは、その型加工の技術的困難性のため、いずれ
も織物タイプのような繊細な形状を得ることができない
ばかりでなく、成形されるフック片は分子の配向性に乏
しいため、上述のモノフィラメントによるフック片と同
様の太さでは極めて強度が低く、到底実用に耐えられな
い。更には、上記フック片構造では、その立上り部の断
面形状は単純なものとなり、根元起立部から倒伏し易
い。その結果、繰返し使用されると元の姿勢に戻らなく
なり、ループ材との係合率を更に低下させる。従って、
所望の強度を確保しようとすると、必然的に個々のフッ
ク片自体のサイズを大きくせざるを得ず、剛直なものと
なるばかりでなく、単位面積当りのフック数（フック片
密度）が少なくなり、相手ループ材との係合率が低くな
る。
【０００５】こうした欠点を解消するために、倒伏がし
にくく、且つ係合・剥離時において織物タイプの面ファ
スナーと同様の滑らかな感触が得られ、しかも係合率が
高く、十分な繰返し強度を確保した新規なフック片構造
が、例えば米国特許第５，１３１，１１９号明細書に開
示されている。即ち、同明細書に開示された一体成形タ
イプの面ファスナーは、フック片が平板状基材から滑ら
かな曲線上を傾斜して立ち上がる背面と上方に立ち上が
る前面とを有する立上り部の先端から前方にフック状係
合部を延設すると共に、同フック状係合部の先端から前
記立上り部の基端にかけて断面積を漸増させ、更には前
記立上り部の側面に補強リブを突設させている。この補
強リブは、前記立上り部の横倒れをなくし、同時に同立
上り部とフック状係合部を所要の係合強度に耐え得る最
小の太さとすることを可能にする。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかして、従来の一体
成形によるフック片構造によれば、その横断面形状に関
して格別の考慮が殆ど払われていない。上述の各明細書
に開示された一体成形によるフック片構造を見ても、そ
の横断面形状は単に３角形、矩形又は円形（含む、楕円
形）であるに過ぎない。従って、フック片の軸線（中心
線）に直交する横断面形状は、その立上り部及びフック
状係合部のいずれの部位にあっても、その中心に関して
背面側の断面積が前面側の断面積に比べて同一か又は大
きく設定されている。即ち、図心がフック片の中心線上
にあるか又は背面側にあることになる。
【０００７】ところで、一体成形によるフック片にあっ
て相手方の係合片であるループ片との係合が外れると
き、中立線を挟んでフック片の前面側の内部に引張応力
が生じ、背面側には圧縮応力が生じる。一般的に、この
種の合成樹脂からなるフック片は圧縮応力に対して強い
が、引張応力に対しては剛体に比べて著しく弱いもので
ある。そのため、上述のごとき従来の断面構造である場
合には、特に微小なフック片では強度が低くなりすぎる
ばかりでなく、可撓性も大きくなり、ループ片に対する
係合力が著しく低下する。また、横断面積が大きいフッ
ク片にあっては、ループ片との係合を外すとき、係合力
が大きいほどフック片の前部の前記引張応力が増加して
切損しやすくなる。
【０００８】本発明は、かかる課題を解決すべくなされ
たものであり、その目的はフック片の大小に関わらず、
通常のフック片と比較して係合力を増大させると共に、
フック片の前部側の内部に発生する引張応力を可能な限
り小さく設定し得るフック片構造を提供することにあ
る。
【０００９】
【課題を解決するための手段】そして前述の課題は、本
発明の主要な構成である平板状基材の表面に多数のフッ
ク片が一体に突出して成形されてなる面ファスナー用係
合部材にあって、前記フック片は基材から滑らかな曲線
上を傾斜して立ち上がる背面及び上方に立ち上がる前面
をもつ立上り部と、その先端から湾曲して前方に延びる
フック状係合部とを有すると共に、前記フック状係合部
の先端から前記立上り部の起端にかけて断面積が漸増し
てなり、前記フック片の立上り部の前記基材表面に平行
な断面及び前記フック状係合部の下面における方線を含
む任意の横断面において、その中心に関し前面側の断面
積を背面側の断面積よりも大きく設定してなることを特
徴とする一体成形面ファスナーのフック片構造により解
決される。
【００１０】そして、前記横断面形状は適宜決定できる
が、好適には略台形、卵型の縦断面に類似してなる形
状、略凹字形、略凸字形、略十字形等の多様な形状を採
用し得る。また、本発明では上記立上り部の側面に必ず
しも補強リブを必要とするものではないが、前記立上り
部の少なくとも一側面に補強リブを突設させることもで
きる。
【００１１】
【作用】本発明のフック片の図心線がその立上り部の前
面側及びフック状係合部の内側に偏ることになり、その
結果、同フック片の中立面が前記図心線よりも更に立上
り部の前面側及びフック状係合部の内側に移り、前記立
上り部の前面側及びフック状係合部の下面側に発生する
引張応力を減少させて、同一の樹脂量で且つほぼ同等の
形状を有する従来のフック片に較べると、本発明のフッ
ク片の強度を一段と高めるばかりでなく、当然に前記立
上り部の前面側及びフック状係合部の下面側が他側に較
べて剛性を増して変形しにくくするため相手方のループ
片との係合力も増加させる。
【００１２】また、前記フック片の横断面形状として略
凹字形、略凸字形、略十字形等の異形断面を採用すると
きは、例えば横断面形状が略十字形である場合、上述し
た機能と同様にフック片の強度を高め、同時に前記立上
り部の前面側及びフック状係合部の内側が他側に較べて
剛性が増して相手方のループ片との係合力を増加させ
る。更に、それらの機能に加えてループ片は緊張方向に
引っ張られ、フック片からループ片を外すときに、ルー
プ片が移動するにつれてフック片のフック状係合部を徐
々に立ち上がらせながら、同係合部の先端に向けて移動
する。このとき、ループ片が十字状断面の左右突条を弾
力に抗して、しごきながらいて変形させ先端に向けて順
次移動する。従って、この移動時のループ片には前記幅
広部の左右端或いは十字状断面の左右突条の弾発力と摩
擦力が加わり、フック片からの離脱をしにくくし、結果
的にループ片との係合力を増大させる。
【００１３】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に基づいて具体的
に説明する。図１は本発明の代表的なフック片構造例と
その横断面変化を示す構造説明図、図２は同フック片の
正面図を示している。
【００１４】これらの図において、フック片１０は基材
１５から滑らかな曲線上を傾斜して立ち上がる背面１１
ａ及び垂直部を介して上方に立ち上がる前面１１ｂを有
する立上り部１１と、同立上り部１１から前方に延び、
下方に湾曲するフック状係合部１２とを備えている。そ
して同フック片１０は、前記フック状係合部１２の先端
から立上り部１１の起端にかけて、その横断面積を漸増
させている。更に図示例によれば、同フック片１０は前
記立上り部１１から前記フック状係合部１２にかけて、
その左右側面から突出する山形の補強リブ１３を有して
いるが、本発明では同補強リブ１３は必ずしも必要とし
ない。また、前記補強リブ１３は起端にかけて肉厚とな
るように多段に形成してもよいし、或いはその上端部を
上記フック状係合片の途中まで延設させてもよい。
【００１５】また本発明のフック片１０は、特にその立
上り部１１及びフック状係合部１２の横断面形状に特徴
を有している。即ち、本発明では前記フック片１０の立
上り部１１の前記基材１５に平行な断面及び前記フック
状係合部１２の下面における方線を含む任意の横断面に
おいて、その中心に関し前面側の断面積Ｓ１を背面側の
断面積Ｓ２よりも大きく設定している。ここで、本明細
書においてフック片の中心線Ｌとは、前記各横断面にお
ける上下方向及び左右方向の最大幅の中点が一致する各
点を結んで出来る曲線を言う。なお、以下の各実施例の
説明において図中の同一符号はそれぞれ対応する部分の
符号である。そして、本発明における前記立上り部１１
及びフック状係合部１２の前記断面の輪郭は任意に決定
される。また、前記立上り部１１の前面は、図示例のご
とく基材１５から後方に向けて弧状に徐々に立ち上が
り、その途中から垂直に延びる形状を採用する場合に限
らず、基材１５から直接垂直に立ち上がる場合をも含ん
でいる。
【００１６】図１及び図２に示す第１実施例では、フッ
ク片１０の立上り部１１及びフック状係合部１２の双方
共に前記横断面の形状を略台形としており、その上辺側
を立上り部１１の背面側及びフック状係合部１２の外側
とし、その下辺側を立上り部１１の前面側及びフック状
係合部１２の内側として、全体の横断面積をフック状係
合部１２の先端から立上り部１１の起端にかけて漸次増
加させている。かかる断面形状を採用することにより、
本発明のフック片１０の図心線がその立上り部１１の前
面側及びフック状係合部１２の内側に偏ることになる。
その結果、同フック片１０の中立面が前記図心線よりも
更に立上り部１１の前面側及びフック状係合部１２の内
側に移り、前記立上り部１１の前面側及びフック状係合
部１２の内側に発生する引張応力を減少させて、同一の
樹脂量で且つほぼ同等の形状を有する従来のフック片に
較べると、本発明のフック片１０の強度が一段と高まる
ばかりでなく、当然に前記立上り部１１の前面側及びフ
ック状係合部１２の内側が他側に較べて剛性が増して変
形しにくくなるため相手方のループ片との係合力も増加
する。
【００１７】図３及び図４は本発明の第２実施例を示し
ており、これらの図によれば上記横断面の形状は卵を縦
に割ったときの断面形状に類似している。そして、その
細幅の断面側がフック片１０の背面側に、その太幅の断
面側が立上り部１１の前面側及びフック状係合部１２の
内側にくるようにフック片１０の断面形状を設定する。
また、図５及び図６は本発明の第３実施例を示してお
り、そのフック片１０の上記横断面形状は菱形の隣合う
２辺を他の２辺より短くした形状としており、その短い
２辺が立上り部１１の前面側及びフック状係合部１２の
内側に配されている。かかる断面形状を採用すること
で、上記第１実施例と同様の機能が確保される。
【００１８】図７及び図８は本発明の第４実施例を示し
ている。同実施例によれば、フック片１０の上記横断面
形状を凸字状とし、その幅広側を立上り部１１の前面側
及びフック状係合部１２の内側に配している。ただ同実
施例では、その幅広部１０ａにおける前後方向（図の左
右方向）の寸法Ｌ１をフック片１０の全長にわたって一
様に設定しており、同幅広部１０ａの肉厚Ｌ２をフック
片１０の先端から起端にかけて漸増させている。勿論、
前記凸字状の断面形状をフック片１０の先端から起端に
かけて相似形で漸増させることもある。また、図９に示
すごとく、前記断面形状を略十字状として、その左右突
条１０ｂを前記立上り部１１の前面側及びフック状係合
部１２の内側に偏奇させる場合もある。
【００１９】図７乃至図９に示す上記実施例も、上述し
た第１及び第２実施例と同様にフック片１０の強度が一
段と高まり、同時に前記立上り部１１の前面側及びフッ
ク状係合部１２の内側が他側に較べて剛性が増して相手
方のループ片との係合力を増加させる。しかも同実施例
では、それらの機能に加えてループ片との係合力を更に
増大させる。即ち、この種の面ファスナーにおいてフッ
ク片１０に係合するループ片を外す場合に、ループ片は
緊張方向に引っ張られ、フック片１０のフック状係合部
１２を徐々に立ち上がらせながら、同係合部１２の先端
に向けて移動する。本実施例のフック片１０では、この
移動時においてループ片が上記幅広部１０ａの左右端或
いは十字状断面の左右突条１０ｂをしごいて変形させな
がら先端に向けて順次移動する。従って、この移動時の
ループ片には前記幅広部１０ａの左右端或いは十字状断
面の左右突条１０ｂの弾力と摩擦力が加わり、フック片
１０からの離脱をしにくくし、結果的にループ片との係
合力を増大させている。
【００２０】図１０〜図１３に示す第５及び第６実施例
は、フック片１０の上記横断面形状を凹字状としてお
り、第５実施例ではその凹溝部１０ｃが前記立上り部１
１の背面側及びフック状係合部１２の外側にくるように
配されると共に、同凹溝部１０ｃをフック片の全長にわ
たってほぼ同一形状に形成している。また、第６実施例
ではその凹溝部１０ａがフック片１０の左右側面（図１
２の左側）のいずれかに配され、その溝幅Ｗ１をフック
片１０の立上り起端からフック状係合部１２の先端まで
漸減させている。この第５及び第６実施例においても上
記第３及び第４実施例と同様にフック片１０の強度を一
段と高め、同時に前記立上り部１１の前面側及びフック
状係合部１２の内側が他側に較べて剛性が増しており、
更にはその溝形成部分においてループ片がフック片１０
を離脱方向に移動するとき、前記凹溝部１０ｃの左右突
出片１０ｄがループ片によりしごかれて変形し、その左
右突出片１０ｄの弾力と摩擦力が加わり、フック片１０
からの離脱をしにくくし、結果的にループ片との係合力
を増大させる。
【００２１】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなごとく、本発
明のフック片構造によれば、特にフック片の立上り部の
基材に対して平行な断面及びフック状係合部の下面にお
ける方線を含む任意の横断面において、その中心に関し
前面側の断面積を背面側の断面積よりも大きく設定して
いるため、同フック片の中立面が従来よりも立上り部の
前面側及びフック状係合部の内側に移り、前記立上り部
の前面側及びフック状係合部の内側に発生する引張応力
が減少して、同一の樹脂量で且つほぼ同等の形状を有す
る従来のフック片に較べると、本発明のフック片の強度
は一段と高まるばかりでなく、当然に前記立上り部の前
面側及びフック状係合部の内側が他側に較べて剛性が増
して変形しにくくなり、相手方のループ片との係合力も
増加する。
【００２２】また、上記横断面形状を略十字状、凸字状
或いは凹字状とするときは、相手方の係合片であるルー
プ片がフック片を離脱方向に引き抜かれて移動すると
き、その肉薄部分がループ片によりしごかれて弾性変形
し、フック片とループ片との間に弾発力と摩擦力が同時
に加わり、フック片からの離脱をしにくくし、本発明の
フック片構造は結果的にループ片との係合力を更に増大
する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の代表的な実施例であるフック片の側面
形状及びそのI-I 線, II-II 線,III-III線の各横断面形
状を示す構造説明図である。
【図２】同フック片の正面図である。
【図３】本発明の第２実施例であるフック片の側面形状
及びそのI-I 線, II-II 線,III-III線の各横断面形状を
示す構造説明図である。
【図４】同フック片の正面図である。
【図５】本発明の第３実施例であるフック片の側面形状
及びそのI-I 線, II-II 線,III-III線の各横断面形状を
示す構造説明図である。
【図６】同フック片の正面図である。
【図７】本発明の第４実施例であるフック片の側面形状
及びそのI-I 線, II-II 線,III-III線の各横断面形状を
示す構造説明図である。
【図８】同フック片の正面図である。
【図９】同フック片の変形例を示す横断面図である。
【図１０】本発明の第５実施例であるフック片の側面形
状及びそのI-I 線, II-II 線,III-III線の各横断面形状
を示す構造説明図である。
【図１１】同フック片の正面図である。
【図１２】本発明の第６実施例であるフック片の側面形
状及びそのI-I 線, II-II 線,III-III線の各横断面形状
を示す構造説明図である。
【図１３】同フック片の正面図である。
【符号の説明】
１０ フック片 １０ａ 幅広部 １０ｂ 左右突条 １０ｃ 凹溝部 １０ｄ 突出片 １１ 立上り部 １１ａ 背面部 １１ｂ 前面部 １２ フック状係合部 １３ 補強リブ １５ 基材
【手続補正書】
【提出日】平成７年８月１８日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項１
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００９
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００９】
【課題を解決するための手段】そして前述の課題は、本
発明の主要な構成である平板状基材の表面に多数のフッ
ク片が一体に突出して成形されてなる面ファスナー用係
合部材にあって、前記フック片は基材から滑らかな曲線
上を傾斜して立ち上がる背面及び上方に立ち上がる前面
をもつ立上り部と、その先端から湾曲して前方に延びる
フック状係合部とを有すると共に、前記フック状係合部
の先端から前記立上り部の起端にかけて断面積が漸増し
てなり、前記フック片の立上り部の前記基材表面に平行
な断面及び前記フック状係合部の下面における法線を含
む任意の横断面において、その中心に関し前面側の断面
積を背面側の断面積よりも大きく設定してなることを特
徴とする一体成形面ファスナーのフック片構造により解
決される。
【手続補正３】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１４
【補正方法】変更
【補正内容】
【００１４】 これらの図において、フック片１０は基
材１５から滑らかな曲線上を傾斜して立ち上がる背面１
１ａ及び垂直部を介して上方に立ち上がる前面１１ｂを
有する立上り部１１と、同立上り部１１から前方に延
び、下方に湾曲するフック状係合部１２とを備えてい
る。そして同フック片１０は、前記フック状係合部１２
の先端から立上り部１１の起端にかけて、その横断面積
を漸増させている。更に図示例によれば、同フック片１
０は前記立上り部１１の左右側面から突出する山形の補
強リブ１３を有しているが、本発明では同補強リブ１３
は必ずしも必要としない。また、前記補強リブ１３は起
端にかけて肉厚となるように多段に形成してもよいし、
或いはその上端部を上記フック状係合片の途中まで延設
させてもよい。
【手続補正４】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１５
【補正方法】変更
【補正内容】
【００１５】 また本発明のフック片１０は、特にその
立上り部１１及びフック状係合部１２の横断面形状に特
徴を有している。即ち、本発明では前記フック片１０の
立上り部１１の前記基材１５に平行な断面及び前記フッ
ク状係合部１２の下面における法線を含む任意の横断面
において、その中心に関し前面側の断面積Ｓ１を背面側
の断面積Ｓ２よりも大きく設定している。ここで、本明
細書においてフック片の中心線Ｌとは、前記各横断面に
おける上下方向及び左右方向の最大幅の中点が一致する
各点を結んで出来る曲線を言う。なお、以下の各実施例
の説明において図中の同一符号はそれぞれ対応する部分
の符号である。そして、本発明における前記立上り部１
１及びフック状係合部１２の前記断面の輪郭は任意に決
定される。また、前記立上り部１１の前面は、図示例の
ごとく基材１５から後方に向けて弧状に徐々に立ち上が
り、その途中から垂直に延びる形状を採用する場合に限
らず、基材１５から直接垂直に立ち上がる場合をも含ん
でいる。
【手続補正５】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００２０
【補正方法】変更
【補正内容】
【００２０】 図１０〜図１３に示す第５及び第６実施
例は、フック片１０の上記横断面形状を凹字状としてお
り、第５実施例ではその凹溝部１０ｃが前記立上り部１
１の背面側及びフック状係合部１２の外側にくるように
配されると共に、同凹溝部１０ｃをフック片の全長にわ
たってほぼ同一形状に形成している。また、第６実施例
ではその凹溝部１０ｃがフック片１０の左右側面（図１
２の左側）のいずれかに配され、その溝幅Ｗ１をフック
片１０の立上り起端からフック状係合部１２の先端まで
漸減させている。この第５及び第６実施例においても上
記第３及び第４実施例と同様にフック片１０の強度を一
段と高め、同時に前記立上り部１１の前面側及びフック
状係合部１２の内側が他側に較べて剛性が増しており、
更にはその溝形成部分においてループ片がフック片１０
を離脱方向に移動するとき、前記凹溝部１０ｃの左右突
出片１０ｄがループ片によりしごかれて変形し、その左
右突出片１０ｄの弾力と摩擦力が加わり、フック片１０
からの離脱をしにくくし、結果的にループ片との係合力
を増大させる。
【手続補正６】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００２１
【補正方法】変更
【補正内容】
【００２１】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなごとく、本発
明のフック片構造によれば、特にフック片の立上り部の
基材に対して平行な断面及びフック状係合部の下面にお
ける法線を含む任意の横断面において、その中心に関し
前面側の断面積を背面側の断面積よりも大きく設定して
いるため、同フック片の中立面が従来よりも立上り部の
前面側及びフック状係合部の内側に移り、前記立上り部
の前面側及びフック状係合部の内側に発生する引張応力
が減少して、同一の樹脂量で且つほぼ同等の形状を有す
る従来のフック片に較べると、本発明のフック片の強度
は一段と高まるばかりでなく、当然に前記立上り部の前
面側及びフック状係合部の内側が他側に較べて剛性が増
して変形しにくくなり、相手方のループ片との係合力も
増加する。
【手続補正７】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図７
【補正方法】変更
【補正内容】
【図７】
【手続補正８】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図８
【補正方法】変更
【補正内容】
【図８】
【手続補正９】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図１２
【補正方法】変更
【補正内容】
【図１２】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 平板状基材(15)の表面に多数のフック片
    (10)が一体に突出して成形されてなる面ファスナー用係
    合部材にあって、 前記フック片(10)は基材(15)から滑らかな曲線上を傾斜
    して立ち上がる背面(11a) 及び上方に立ち上がる前面(1
    1b) をもつ立上り部(11)と、その先端から湾曲して前方
    に延びるフック状係合部(12)とを有すると共に、前記フ
    ック状係合部(12)の先端から前記立上り部(11)の起端に
    かけて断面積が漸増してなり、 前記フック片(10)の立上り部(11)の前記基材表面に平行
    な断面及び前記フック状係合部(12)の下面における方線
    を含む任意の横断面において、その中心に関し前面側の
    断面積(S1)を背面側の断面積(S2)よりも大きく設定して
    なることを特徴とする一体成形面ファスナーのフック片
    構造。
  2. 【請求項２】 前記横断面の形状が略台形である請求項
    １記載のフック片構造。
  3. 【請求項３】 前記横断面の形状が卵型の縦断面に類似
    してなる請求項１記載のフック片構造。
  4. 【請求項４】 前記横断面の形状が略凹字形である請求
    項１記載のフック片構造。
  5. 【請求項５】 前記横断面の形状が略凸字形である請求
    項１記載のフック片構造。
  6. 【請求項６】 前記横断面の形状が略十字形である請求
    項１記載のフック片構造。
  7. 【請求項７】 少なくとも上記立上り部(11)の一側面に
    補強リブ(3) が突設されてなる請求項１記載のフック片
    構造。
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