JPH08116902A - 低油分ホイップクリーム用油脂及び低油分ホイップクリーム - Google Patents

低油分ホイップクリーム用油脂及び低油分ホイップクリーム

Info

Publication number
JPH08116902A
JPH08116902A JP6278327A JP27832794A JPH08116902A JP H08116902 A JPH08116902 A JP H08116902A JP 6278327 A JP6278327 A JP 6278327A JP 27832794 A JP27832794 A JP 27832794A JP H08116902 A JPH08116902 A JP H08116902A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fatty acid
oils
cream
oil content
fats
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6278327A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinobu Nakajima
義信 中島
Kazuichi Tomonobu
一市 友延
Masakatsu Sugiura
将勝 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP6278327A priority Critical patent/JPH08116902A/ja
Publication of JPH08116902A publication Critical patent/JPH08116902A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dairy Products (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温輸送時の高い乳化安定性を有し、またホ
イップ後のクリームの泡のような感覚が少なく、かつ高
い冷涼感を有する食感の改良されたホイップクリームが
得られる低油分ホイップクリーム用油脂を提供する。 【構成】 1,3−位に炭素数10〜22の飽和脂肪酸
残基を有し、2−位に炭素数18の不飽和脂肪酸残基を
有する対称型トリグリセリドを全油脂中に60重量%以
上含有する油脂であって、この対称型トリグリセリドの
1,3−位を構成する全飽和脂肪酸残基が、2〜50重
量%の炭素数10〜12の飽和脂肪酸、及び50〜98
重量%の炭素数14〜22の飽和脂肪酸から誘導される
残基であることを特徴とする低油分ホイップクリーム用
油脂。上記の油脂を10〜35重量%含む低油分ホイッ
プクリーム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低油分のホイップ用ク
リーム(本明細書では、単に、ホイップクリームという
場合がある)を用いる油脂および該油脂を用いて調製し
た低油分のホイップ用クリーム(O/W型乳化物)に関
する。更に詳しくは、本発明は、高い乳化安定性を有
し、オーバーラン特性、またホイップ後の造花性や風
味、口どけ感などの食感の改良された低油分のホイップ
クリーム用油脂及び低油分のホイップクリームに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、消費者の低カロリー指向やライト
な風味への嗜好的な変化にともない、低油分のホイップ
用クリームに対する要求が高まっている。従来のホイッ
プクリームはクリームの乳化安定性やホイップ後のクリ
ームの物性の安定性を確保するために40〜50重量%
の油脂含有量が必要とされていた。このため、従来のホ
イップクリームの配合から油脂分を減らすと、ホイップ
したときの起泡性(オーバーラン特性)が低下したり、
またホイップ後のクリームはフカフカした食感になった
り、クリームとしての保型性が充分でないなどの問題が
生じる。
【0003】これらの問題を改善する目的で、ホイップ
クリームに含まれるラウリン酸系の油脂(椰子油、パー
ム核油)の量及び油脂のSFC(固体脂含量)を調整す
る方法(特開平2−100646号公報)や所謂SUS
型の対称型トリグリセリド(1,3−位がジ飽和、2−
位不飽和型のトリグリセリド)に富む油脂(パーム油、
イリッペ脂など)とラウリン酸系の油脂とを混合し、か
つ油脂のSFCを調整する方法(特開平5−21988
7号公報)が知られている。このようにラウリン酸系の
油脂量及び使用する油脂のSFCを調整することやSU
S型対称型トリグリセリドとラウリン酸系の油脂とを組
み合わせて使用することで、低温における油脂結晶量が
増大するため気泡が安定化され、得られた低油分のホイ
ップドクリームの保型性や口どけ感も優れたものとな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の検討では、上記ホイップクリームのようにラウリン
酸系油脂を使用することによりオーバーランが高くなり
易く、特に25重量%を切るような低油分のホイップク
リームとした場合には、130以上の高オーバーランに
なり易い。従来の高油分のホイップクリームではこのよ
うな高オーバーランであっても特に食感への悪影響を及
ぼすものではないが、低油分のホイップクリームとした
場合には、オーバーランが高くなるほど泡のような感覚
が強くなり、フカフカした食感となると共に、食べたと
きの冷涼感も乏しくなることが判明した。また上記の方
法で得られたホイップクリームは低温静置状態や常温で
の攪拌等に対しては安定だが、低温状態での振盪や攪拌
に弱く、実際の製品輸送時の振動を考慮した場合、その
乳化安定性が充分でないことも判明した。
【0005】本発明の目的は、高い乳化安定性を有し、
オーバーラン特性、またホイップ後のクリーム(ホイッ
プドクリーム)の造花性、かつ風味、口どけ感などの食
感が改良された低油分ホイップクリーム用油脂及び低油
分ホイップクリームを提供することである。特に本発明
においては、製品の低温輸送時の高い乳化安定性を有
し、ホイップ後のクリームの泡のような感覚が少なく、
かつ高い冷涼感を有する食感が改良されたクリームが得
れる低油分ホイップクリーム用油脂及び低油分ホイップ
クリームを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、低油分であ
っても高い乳化安定性を有し、かつ得られるホイップド
クリームの泡のような感覚が少なく、かつ高い冷涼感が
得られるホイップクリームを求めて検討した結果、特定
の脂肪酸組成を有する対称型トリグリセリドを使用する
ことにより、上記目的の低油分ホイップクリームの調製
に好適な油脂を得ることができることを見出し、本発明
に到達したものである。
【0007】本発明は、1,3−位に炭素数10〜22
の飽和脂肪酸残基を有し、2−位に炭素数18の不飽和
脂肪酸残基を有する対称型トリグリセリドを全油脂中に
60重量%以上含有する油脂であって、この対称型トリ
グリセリドの1,3−位を構成する全飽和脂肪酸残基
が、2〜50重量%の炭素数10〜12の飽和脂肪酸、
及び50〜98重量%の炭素数14〜22の飽和脂肪酸
から誘導される残基であることを特徴とする低油分ホイ
ップクリーム用油脂にある。
【0008】また本発明は、上記の低油分ホップクリー
ム用油脂を10〜35重量%含む低油分ホイップクリー
ムにもある。
【0009】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)対称型トリグリセリドの1,3−位を構成する全
飽和脂肪酸残基が、4〜30重量%(更に好ましくは5
〜15重量%)の炭素数10〜12の飽和脂肪酸から誘
導される残基である。 (2)対称型トリグリセリドの1,3−位を構成する全
飽和脂肪酸残基が、70〜96重量%(更に好ましくは
85〜95重量%)の炭素数14〜22の飽和脂肪酸か
ら誘導される残基である。 (3)対称型トリグリセリドが全油脂中に70重量%を
越える量、特に100重量%含まれている。
【0010】以下に、本発明の低油分クリーム用油脂に
ついて説明する。本発明の低油分クリーム用油脂は、
1,3−位に飽和脂肪酸残基を有し、2−位に不飽和脂
肪酸残基を有する、所謂対称型トリグリセリド(SUS
型トリグリセリド)を含有する。そして1,3−位に
は、炭素数10〜22の飽和脂肪酸残基を、2−位には
炭素数18の不飽和脂肪酸残基を有する。炭素数10〜
22の飽和脂肪酸残基としては、例えば、カプリン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキジン酸及びベヘン酸などの残基を挙げること
ができる。また炭素数18の不飽和脂肪酸残基として
は、例えば、オレイン酸残基、リノール酸残基、及びリ
ノレン酸残基を挙げることができる。本発明において
は、1,3−位を構成する全飽和脂肪酸残基は、2〜5
0重量%、好ましくは4〜30重量%、更に好ましくは
5〜15重量%の炭素数10〜12の飽和脂肪酸から誘
導される残基であり、また50〜98重量%、好ましく
は70〜96重量%、更に好ましくは85〜95重量%
の炭素数14〜22の飽和脂肪酸から誘導される残基で
ある。炭素数10〜12の飽和脂肪酸から誘導される残
基の含有量を2重量%未満でクリーム(乳化物)を調製
した場合には、得られたクリームの乳化安定性は不安定
になり、輸送時の振動で所謂ボテを生じ易くなり、一方
炭素数10〜12の飽和脂肪酸から誘導される残基の含
有量を50重量%を越えた量でクリームを調製した場合
には、クリームのホイップがしにくくなる。本発明にお
いては、対称型トリグリセリドが全油脂中に、60重量
%以上含まれているが、70重量%を越える量含まれて
いることが好ましく、特に油脂は、対称型トリグリセリ
ドのみ(100重量%)で実質的に構成されていること
が好ましい。
【0011】なお、本発明の油脂中には対称型トリグリ
セリド以外のトリグリセリドが含まれていもよい。対称
型トリグリセリド以外のトリグリセリドとしては、例え
ば、1(3)−位不飽和型、2,3(1,2)−位ジ飽
和型トリグリセリド(SSU型)、1,2(1,3)−
位ジ不飽和、3(2)−位飽和型トリグリセリド(SU
U型)、トリ飽和型グリセリド(SSS型)、そしてト
リ不飽和型グリセリド(UUU型)を挙げることができ
る。なお、前述のようにこれらのトリグリセリドは得ら
れるホイップクリームの保型性や良好な口溶け感を確保
するためにその含有量は少ないことが好ましく、低油分
クリーム用油脂中に35重量%以下(更に好ましくは3
0重量%以下)であることが好ましい。またこれらのト
リグリセリドは、本発明の低油分ホイップクリーム用油
脂中においてそれぞれ以下の通りの含有量であることが
好ましい。 i)1(3)−位不飽和型、2,3(1,2)−位ジ飽
和型トリグリセリドは、15重量%以下(好ましくは、
13重量%以下、更に好ましくは、11重量%以下)、 ii)1,2(1,3)−位ジ不飽和、3(2)−位飽和
型トリグリセリドは、10重量%以下(好ましくは、8
重量%以下、更に好ましくは、5重量%以下)、 iii)トリ飽和型グリセリドは10重量%以下(好ましく
は、8重量%以下、更に好ましくは、5重量%以下)、
そして iV)トリ不飽和型グリセリドは10重量%以下(好まし
くは、8重量%以下、更に好ましくは、5重量%以下)
であることが好ましい。
【0012】本発明の特定の脂肪酸組成を有するSUS
型のトリグリセリドは、酵素による選択的エステル交換
反応油脂からの分画油、もしくは他の単離精製技術又は
化学合成技術により得られる。特に酵素による選択的反
応を利用すると、目的とするトリグリセリドを容易に調
製することができる。すなわち、トリグリセリド中の2
位に炭素数18の不飽和脂肪酸を有し、1または3位に
炭素数14〜22の飽和脂肪酸を有する油脂と炭素数1
0〜12の遊離の脂肪酸又はそのエステルとを1,3−
位に選択的に作用するリパーゼの存在下でエステル交換
反応をすることにより得ることができる。トリグリセリ
ド中の2位に炭素数18の不飽和脂肪酸を有し、1又は
3位に炭素数14〜22の飽和脂肪酸を有する油脂とし
ては、例えば、パーム油、シア脂、イリッペ脂、カカオ
脂及びこれらの分別、硬化油脂などを挙げることができ
る。またトリグリセリド中の2位に炭素数18の不飽和
脂肪酸を有する油脂と、炭素数10〜12及び炭素数1
4〜16の遊離の飽和脂肪酸又はそのエステルとを任意
の比率で、1,3−位に選択的に作用するリパーゼの存
在下でエステル交換反応をすることによっても得ること
ができる。このようにして得られたSUS型トリグリセ
リドをそのまま、あるいは分別ないし分画して用いるこ
とができる。なお、本発明の特徴とする脂肪酸組成のS
US型トリグリセリドの構成脂肪酸組成は、公知の手法
で分析することができる。分析手法としては、例えば、
ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーなど
の機械的な分析手法やリパーゼを用いる選択的酵素分析
による生物化学的な分析手法を挙げることができる。
【0013】本発明の低油分ホイップクリーム用油脂
は、調製後のホイップクリームが適正なオーバーラン特
性を有し、またホイップ後のクリームの保型性、口どけ
感、コシなどの良好な食感が得られるように、そのSF
C(固体脂含量)は、5℃で60%以上、20℃で35
%以上、35℃で10%以下であることが好ましい。S
FC(固体脂含量)が5℃で60%に満たない場合に
は、クリームのホイップがしにくくなる。また20℃で
35%に満たない場合には、室温付近での保型性が低下
し易くなり、35℃で10%を越えると口どけ感が悪く
なる。クリームの油分が25重量%以下のような極めて
低油分のクリームの場合には、上記SFCは、5℃で8
0%以上、20℃で50%以上であることが好ましい。
なお、本明細書において、上記SFC(固体脂含量)
は、パルスNMR法(D.Waddington 1986 :Analysis of
Oils and Fats, R.J.Hamilton and J.B.Rossell(Ed.),
341-399, Elsevier Applied Science Publishers, New
York)によって測定した。
【0014】次に、本発明の低油分ホイップクリームに
ついて説明する。本発明の低油分ホイップクリームは、
上記のようにして得られた油脂が10〜35重量%、好
ましくは、10〜30重量%含有されていること以外
は、従来のホイップクリームと同様に構成することがで
きる。すなわち、従来のホイップクリームにおいて使用
されている材料を使用することができる。なお、本発明
の低油分ホイップクリームには本発明の特徴とするSU
S型トリグリセリド以外の他の油脂を使用できるが、例
えば、液体油脂を併用する場合には、その添加量は、S
US型トリグリセリドの融解特性を損なわない範囲での
使用が好ましく、その配合量は10重量%以下である。
【0015】従来のホイップクリームにおいて使用され
ている材料としては、例えば、無脂乳固形分、乳化剤、
及び各種塩類を挙げることができる。無脂乳固形分は、
ホイップクリームに良好な乳風味を付与し、その蛋白質
の乳化特性により安定な乳化物を得るために用いられ
る。無脂乳固形分は、ホイップクリーム中に通常3〜9
重量%、好ましくは4〜7重量%の量で使用される。
【0016】乳化剤としては、例えば、大豆レシチン、
ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル類、有機酸モノグリセリドなど
を挙げることができる。これらの乳化剤は、水相には親
水性の乳化剤が、油相には親油性の乳化剤がそれぞれ一
種類あるいは適宜組み合わせて使用される。乳化剤はホ
イップクリーム中に通常0.1〜1.0重量%の量で使
用される。
【0017】塩類としては、例えば、リン酸(ヘキサメ
タリン酸、第二リン酸など)やクエン酸のアルカリ金属
塩を挙げることができる。塩類は、ホイップクリーム中
に通常0.1重量%程度の量で使用される。なお、所望
により、ホイップクリームには、増粘剤、安定剤などの
添加剤、着色料、着香料などの添加剤を加えることもで
きる。
【0018】本発明の低油分ホイップクリームは、上記
の成分を使用して常法により製造することができる。例
えば、油相成分と水相成分とを、それぞれ適当な温度に
加温した後、両者を混合予備乳化し、更に均質化、滅
菌、均質化(再均質化)、冷却、そしてエージングの通
常行われる各処理を行うことにより水中油型(O/W
型)の乳化物として製造することができる。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載し、本発明を
更に具体的に説明する。なお、配合量の「部」及び
「%」はいずれも重量基準である。
【0020】[実施例1] SUS型トリグリセリド含有油脂1(SUS1)の調製 パーム油中融点画分(PMF)80部とラウリン酸20
部を1,3位に選択的なリパーゼを用いてエステル交換
し、反応生成物を脱酸してエステル交換油を得た。この
エステル交換油の低融点部をアセトン分別にて除去し、
更に高融点部をヘキサン分別にて除去し、特定脂肪酸組
成を有するSUS型トリグリセリド含有油脂1を48部
得た。
【0021】SUS型トリグリセリド含有油脂2(SU
S2)の調製 オリーブ油30部とステアリン酸35部及びラウリン酸
35部を1,3位に選択的なリパーゼを用いてエステル
交換し、反応生成物を脱酸してエステル交換油を得た。
このエステル交換油の低融点部をアセトン分別にて除去
し、更に高融点部をヘキサン分別にて除去し、特定脂肪
酸組成を有するSUS型トリグリセリド含有油脂2を1
8部得た。
【0022】上記で得られたSUS型トリグリセリド含
有油脂1(SUS1)及び2(SUS2)について、O
DS(オクタデシルシラン)カラムを用いて分取高速液
体クロマトグラフィーによるトリグリセリド分析を行っ
た。また硝酸銀カラムを用いたSUS型、SSU型、S
UU型、SSS型及びUUU型トリグリセリド分析を行
った。SUS型、SSU型、SUU型、SSS型及びU
UU型トリグリセリド含量及びSUS型トリグリセリド
のSを構成する脂肪酸組成の比率を表1に示した。な
お、上記の方法で得たPMFの分析値も併記した。
【0023】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── SUS1 SUS2 PMF ──────────────────────────────────── SUS型トリグリセリド 78.1 91.8 77.3 の含有量(重量%) ──────────────────────────────────── SUS型トリグリセリド のSの構成脂肪酸 C10〜C12 8.9 38.3 0.0 比率 C14〜C22 91.1 61.7 100.0 ──────────────────────────────────── SUS型トリグリセリド 21.9 8.2 22.7 以外の含有量(重量%) ──────────────────────────────────── SSU型トリグリセリド 13.9 5.3 14.9 の含有量(重量%) ──────────────────────────────────── SUU型トリグリセリド 3.3 0.6 4.0 の含有量(重量%) ──────────────────────────────────── SSS型トリグリセリド 4.0 1.6 3.0 の含有量(重量%) ──────────────────────────────────── UUU型トリグリセリド 0.7 0.7 0.8 の含有量(重量%) ────────────────────────────────────
【0024】上記表1に示すSUS1、及びSUS2
と、パーム油中融点画分(PMF)、大豆油(SUS型
トリグリセリド含有量:0重量%)及びヤシ硬化油(S
US型トリグリセリド含有量:0重量%)を配合して、
下記の表2に示す本発明に従う低油分クリーム用油脂を
調製した。
【0025】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 実施例 実施例 実施例 実施例 比較例 比較例 比較例 比較例 配合 1 2 3 4 1 2 3 4 ──────────────────────────────────── SUS1 100 94 − − − − − − SUS2 − − 40 40 − 3 − − PMF − − 60 54 100 93 60 85 大豆油 − 6 − 6 − − − − ヤシ硬化油 − − − − − − 40 15 ──────────────────────────────────── SUS型トリグリセリドの含有量(重量%) 78.1 73.4 83.1 78.5 77.3 69.6 46.4 65.7 ──────────────────────────────────── SUS型トリグリセリドのSの構成脂肪酸比率 C10〜C12 8.9 8.9 16.9 17.9 0.0 1.3 0.0 0.0 C14〜C22 91.1 91.1 83.1 82.1 100.0 98.7 100.0 100.0 ──────────────────────────────────── SFC(固体脂含量) ──────────────────────────────────── 5℃ 100.0 97.3 100.0 96.1 100.0 100.0 94.0 95.5 10℃ 100.0 91.8 100.0 89.5 100.0 100.0 86.3 87.5 15℃ 91.8 83.2 87.2 78.2 98.3 97.9 62.5 68.0 20℃ 75.6 66.3 70.5 61.7 88.5 88.1 33.0 46.3 25℃ 55.5 50.5 54.5 42.9 70.6 70.5 10.3 15.0 30℃ 28.2 27.4 30.1 26.1 33.3 32.8 2.4 4.5 35℃ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 ────────────────────────────────────
【0026】[実施例1〜4]及び[比較例1〜4] (低油分ホイップクリームの調製)上記で得た各油脂を
用いて表3の配合に従う低油分ホイップクリームを下記
の方法で調製した。油相と水相とを混合し、ホモミキサ
で70℃、10分間予備乳化後、100kg/cm2
条件で均質化した。その後148℃、数秒程度の超高温
加熱殺菌(UHT)を行い、再度100kg/cm2
条件で再均質化後、冷却し、次いで5℃で、24時間以
上エージングした。
【0027】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 実 施 例 比 較 例 配合(重量%)1 2 3 4 1 2 3 4 ──────────────────────────────────── (油相配合) 油脂 20.00 25.00 20.00 25.00 20.00 25.00 25.00 20.00 大豆レシチン 0.30 0.30 0.30 0.30 0.30 0.30 0.30 0.30 オレイン酸モノ 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 グリセリド ──────────────────────────────────── (水相配合) 水 73.45 68.45 68.45 68.45 73.45 68.45 68.45 73.45 脱脂粉乳 6.00 6.00 6.00 6.00 6.00 6.00 6.00 6.00 リン酸塩 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 ショ糖脂肪酸 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 エステル(HLB16) ────────────────────────────────────
【0028】[低油分ホイップクリームとしての評価]
得られた各低油分ホイップクリームの性能を以下の項目
について評価した。 (1)耐輸送試験 100ml用の三角フラスコに50gの低油分クリーム
を入れ、5℃において横型ロータリーシェーカーを用
い、振幅8cm、毎分100回の振幅数で振盪させ、ホ
イップクリームが凝集し始めるまでの時間を測定した。
【0029】(2)ホイップ特性の評価 ホバートミキサーを用いて冷却下(10℃)低油分ホイ
ップクリームをホイップし、ホイップ時間(最適ホイッ
プ状態になるまで時間)、及びオーバーランの測定を行
った。なお、オーバーランは、次式で示されるホイップ
による容積増加割合を表わす。
【0030】(3)ホイップドクリームの官能評価 専門パネラー20名による食感、風味についての官能評
価を行った。評価は、風味、口どけ、コシについては、
パネラー20名中、「ほぼ良好」、あるいは「良好」と
認めた人の合計数で表わし、冷涼感、泡感については、
パネラー20名中、「ややあり」、あるいは「あり」と
認めた人の合計数で表わした。
【0031】(4)保型性の評価 得られたホイップドクリームをしぼり袋を用いてスポン
ジケーキ上にトッピングし、5℃、12℃、及び20℃
の各温度における保型性を調べた。結果を表4に示す。
表4において、「>24」は、「24時間以上」を示
し、「ボテ発生」は、エージング中に増粘し、ボテが発
生したことを示す。
【0032】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 実 施 例 比 較 例 評価 1 2 3 4 1 2 3 4 ──────────────────────────────────── 耐輸送試験 ボテ ボテ (時間) >24 >24 >24 >24 発生 発生 3 2 ──────────────────────────────────── (ホイップ性能) ホイップ 3分 3分 3分 3分 評価 評価 4分 5分 時間 25秒 05秒 45秒 12秒 不能 不能 50秒 12秒 オーバ ーラン 115 103 118 106 142 156 ──────────────────────────────────── 風味 20 20 20 20 評価 評価 20 20 (食感) 不能 不能 口どけ 20 20 20 20 20 17 コシ 20 19 20 19 18 10 冷涼感 20 19 20 19 6 0 泡感 0 0 0 0 16 20 ──────────────────────────────────── (保型性) 5℃ 良好 良好 良好 良好 評価 評価 良好 良好 12℃ 良好 良好 良好 良好 不能 不能 良好 良好 20℃ 良好 良好 良好 良好 良好 良好 ────────────────────────────────────
【0033】上記の表4に示された結果から、特定の脂
肪酸組成のSUS型トリグリセリドを含む油脂を使用し
た本発明に従う低油分ホイップクリーム(実施例1〜
4)は、ホイップクリームとして高い性能を有してお
り、特に、低温下での乳化安定性が高く、また適正なオ
ーバーラン特性を示し、ホイップ後のクリームの泡感が
少なく、また冷涼感も低下することなく良好な食感を与
える。
【0034】
【発明の効果】本発明の低油分ホイップクリーム用油脂
を使用することで、ホイップクリームとして必要とされ
る基本的な性能(乳化安定性、オーバーラン特性、ホイ
ップ後のクリームの風味、食感、保型性)を有するホイ
ップクリームが調製できる。特に低油分のホイップクリ
ームに生じがちな泡のような食感も少なく、また冷涼感
も余り失われることなく良好食感のホイップクリームを
作ることができる。またホイップクリームは、低温下で
の乳化安定性も良好であり、耐輸送性の高いホイップク
リームを提供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,3−位に炭素数10〜22の飽和脂
    肪酸残基を有し、2−位に炭素数18の不飽和脂肪酸残
    基を有する対称型トリグリセリドを全油脂中に60重量
    %以上含有する油脂であって、この対称型トリグリセリ
    ドの1,3−位を構成する全飽和脂肪酸残基が、2〜5
    0重量%の炭素数10〜12の飽和脂肪酸、及び50〜
    98重量%の炭素数14〜22の飽和脂肪酸から誘導さ
    れる残基であることを特徴とする低油分ホイップクリー
    ム用油脂。
  2. 【請求項2】 油脂のSFCが、5℃で60%以上、2
    0℃で35%以上、および35℃で10%以下である請
    求項1に記載の低油分ホイップクリーム用油脂。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2項に記載の低油分ホイッ
    プクリーム用油脂を10〜35重量%含む低油分ホイッ
    プクリーム。
JP6278327A 1994-10-18 1994-10-18 低油分ホイップクリーム用油脂及び低油分ホイップクリーム Withdrawn JPH08116902A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6278327A JPH08116902A (ja) 1994-10-18 1994-10-18 低油分ホイップクリーム用油脂及び低油分ホイップクリーム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6278327A JPH08116902A (ja) 1994-10-18 1994-10-18 低油分ホイップクリーム用油脂及び低油分ホイップクリーム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08116902A true JPH08116902A (ja) 1996-05-14

Family

ID=17595788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6278327A Withdrawn JPH08116902A (ja) 1994-10-18 1994-10-18 低油分ホイップクリーム用油脂及び低油分ホイップクリーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08116902A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008086268A (ja) * 2006-10-03 2008-04-17 Fuji Oil Co Ltd クリーム用油脂及びそれを使用したクリーム
WO2013062110A1 (ja) * 2011-10-26 2013-05-02 株式会社カネカ ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP2015002708A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 株式会社カネカ 新規な起泡物
WO2015002075A1 (ja) * 2013-07-02 2015-01-08 不二製油株式会社 超低油分水中油型乳化物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008086268A (ja) * 2006-10-03 2008-04-17 Fuji Oil Co Ltd クリーム用油脂及びそれを使用したクリーム
WO2013062110A1 (ja) * 2011-10-26 2013-05-02 株式会社カネカ ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP2015002708A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 株式会社カネカ 新規な起泡物
WO2015002075A1 (ja) * 2013-07-02 2015-01-08 不二製油株式会社 超低油分水中油型乳化物
JPWO2015002075A1 (ja) * 2013-07-02 2017-02-23 不二製油株式会社 超低油分水中油型乳化物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2335133C2 (ru) Взбиваемый пищевой продукт с улучшенной стабильностью
EP0667104B1 (en) Fat for cream and low-fat cream
JP3132974B2 (ja) 起泡性水中油型乳化物
JP3112551B2 (ja) ホイップクリーム用水中油型乳化物、粉末及びホイップクリーム
JP2003204753A (ja) トリグリセリド組成物
WO1994010850A1 (en) Fat composition and frothing oil-in-water emulsion
JP4646326B2 (ja) 油脂組成物
JP2897629B2 (ja) 低油分クリーム
JP2018164446A (ja) 冷凍菓子用ミックスおよびそれを使用した冷凍菓子
US10383352B2 (en) Food composition comprising gas bubbles
JP3965731B2 (ja) ホイップクリーム用組成物
JPH08116902A (ja) 低油分ホイップクリーム用油脂及び低油分ホイップクリーム
JPH06276978A (ja) 起泡性水中油型乳化物
JP6308939B2 (ja) 起泡性水中油型乳化物用油脂組成物及び起泡性水中油型乳化物
JP6851867B2 (ja) 冷凍菓子用ミックスおよびそれを使用した冷凍菓子
JP4667518B2 (ja) トリグリセリド組成物
JPH05276888A (ja) ホイップクリーム用水中油型乳化物
JP7454813B2 (ja) 起泡性水中油型乳化物
JP7177629B2 (ja) 冷凍菓子用油脂組成物
JP2689820B2 (ja) 低油分クリーム及びその製造法
JP3392580B2 (ja) 起泡性水中油型乳化物
JPH0928296A (ja) 含水系チョコレート利用食品およびその製造方法、並びにチョコレート利用食品用添加物
JP4268538B2 (ja) 起泡性油中水型乳化組成物の製造法
JP3236727B2 (ja) 起泡性水中油型乳化物
JP6893733B2 (ja) 冷凍菓子用ミックスおよびそれを使用した冷凍菓子

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020115