JPH0811638B2 - 平ベルト駆動用ローラ及び平ベルト駆動装置 - Google Patents

平ベルト駆動用ローラ及び平ベルト駆動装置

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JPH0811638B2
JPH0811638B2 JP3005553A JP555391A JPH0811638B2 JP H0811638 B2 JPH0811638 B2 JP H0811638B2 JP 3005553 A JP3005553 A JP 3005553A JP 555391 A JP555391 A JP 555391A JP H0811638 B2 JPH0811638 B2 JP H0811638B2
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flat belt
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driving
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勝也 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式を用いた
機器の感光体ベルト,転写搬送ベルト等、エンドレスの
平ベルトを回行駆動する平ベルト駆動装置に用いられる
平ベルト駆動用ロ―ラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば電子写真装置におい
て、装置の軽量化及びコンパクト化を目的として、互い
に平行に配置した複数本のロ−ラ部材に、表面が感光体
層または誘電体層に形成された平ベルトを掛け渡して回
行駆動することで、該平ベルトを感光体ドラムの代わり
に感光体ベルト、または転写搬送ベルトとして用いるこ
とが知られている。
【0003】ところが、このような用途に用いられる平
ベルトは、プラスチックフィルムや金属箔等、伸びが小
さくて強度の高い材料を基材として形成される場合が多
い。従って、この種の平ベルトは、弾性変形し難いこと
から、各関連部品の寸法誤差、ロ−ラ部材の取付誤差、
ベルト張力のアンバランス、ベルト周長さの不均一など
をベルト自体の変形で吸収することができず、この結
果、平ベルトの走行時にベルトを片寄らせようとするス
ラスト力が作用して、蛇行が発生し易いという問題があ
った。
【0004】しかし、このような電子写真装置では、正
確な画像形成を行うために、高精度、高解像度が要求さ
れるので、この平ベルトの蛇行をできるだけ防止する必
要がある。
【0005】そして、このようなベルトの蛇行を防止す
るための従来技術として、特開昭56−127501号
公報や特開昭59−205052号公報に示されるよう
にベルトに蛇行防止用のガイドを設けたり、特開昭57
−60347号公報に示されるように平ベルトの蛇行を
強制的に制止する規制部材を設けたりすることが提案さ
れている。また、実開昭58−110609号公報や実
開昭64−48457号公報に示されるように複雑な
カニズム・構造を用いて蛇行を修正するようにしたもの
もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
58−110609号公報、実開昭64−48457号
公報に示されるものでは、複雑なメカニズムを用いて蛇
行を修正するために、高価でしかも余分なスペ−スを必
要とし、装置全体としての大型化に繋るばかりでなく、
複雑な機構で部品点数が多く、それだけ故障発生要因部
が増加することになり、装置の信頼性が十分に確保され
ているとは言い難いものであった。
【0007】また、特開昭56−127501号公報や
特開昭59−205052号公報に示される構成では、
平ベルトにガイドを設ける場合に、精度良くガイドを設
ける必要があり、特にシ−ムレスベルトの場合では、こ
のガイドを形成すること自体が非常に困難であった。
【0008】一方、特開昭57−60347号公報は、
比較的簡素な構成で蛇行防止を図ろうとするものである
が、外的部材により平ベルトの横移動を強制的に受け止
めるようにしているために、平ベルトの蛇行に伴うスラ
スト力が大きくなると、ベルト端部及び規制部材損傷
が生じる虞れがある。
【0009】さらに、上記各公報のものでは、ベルト−
ロ―ラ間が密着状態で接触しているために、特にロ―ラ
が金属で構成されているような場合には、両者間に異物
が入り込むと平ベルトが傷付き易いという問題や、摩擦
特性が界面状態により決定されるために、温度,湿度の
変化により摺動特性が不安定になるという問題があっ
た。
【0010】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、平ベルト駆動装置に使用されるロ―ラ
の側で、平ベルトの走行中に生じるスラスト力を有効に
減じる手段を講ずることにより、上記のような諸問題を
解消し、簡素な構成でもって平ベルトの精密駆動させる
ロ―ラを提供することを目的としている。
【0011】一方、もう一つの問題として、平ベルト駆
動装置において、平ベルトが受ける横方向の力が大きい
と、特に電子写真装置における感光体ベルト等の薄い
ベルトでは、平ベルト自体が幅方向に座屈する。いわゆ
る波打ち現象を生じる虞れがある。
【0012】かかる波打ち現象を防止するには、例え
ば、金属製ロ―ラの軸方向中央部を境としてロ―ラの回
方向に対して互いに対称に各々軸方向外側に進む1対
の螺旋状溝を設けることにより、平ベルトに幅方向の張
力を生ぜしめるようにすることが考えられる。
【0013】しかるに、その場合、上述のような異物に
よるベルトの傷付きだけでなく、溝端部のコ―ナ―部と
摺接によるベルト裏面の摩耗が大きく、ベルト寿命が
低下するという問題がある。
【0014】本発明の第2の目的はかかる点に鑑み、ベ
ルト裏面の損傷を招くことなくベルト幅方向の張力を生
ぜしめる手段を講ずることにより、ベルトの波打ち現象
を抑制することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明が講じた手段は、ローラ本体の表面部を短
繊維を混入した弾性体で構成し、短繊維を特定方向に配
向させながらその一部をロ―ラ表面に露出させることに
ある。
【0016】具体的に、請求項1の発明が講じた手段
は、エンドレスの平ベルトを回行駆動する平ベルト駆動
装置に用いられ、上記平ベルトが摩擦接触状態で巻回さ
れる平ベルト駆動用ローラとして、ローラ本体の少なく
とも表面部が、ゴム等の弾性材に短繊維を分散混入して
なる短繊維混入弾性体によって形成されており、上記短
繊維は、ローラの軸方向にほぼ平行に配向され、かつそ
の一部がローラ本体の表面から露出している構成とした
ものである。
【0017】請求項2の発明の講じた手段は、エンドレ
スの平ベルトを回行駆動する平ベルト駆動装置に用いら
れ、上記平ベルトが摩擦接触状態で巻回される平ベルト
駆動用ローラとして、ローラ本体の少なくとも表面部
が、ゴム等の弾性材に短繊維を分散混入してなる短繊維
混入弾性体によって形成されており、上記短繊維は、ロ
ーラの軸方向に対してローラの回行方向に一定の傾き角
をもって配向され、かつその一部がローラ本体の表面か
ら露出している構成としたものである。
【0018】請求項3の発明の講じた手段は、エンドレ
スの平ベルトを回行駆動する平ベルト駆動装置に用いら
れ、上記平ベルトが摩擦接触状態で巻回される平ベルト
駆動用ローラとして、ローラ本体の少なくとも表面部
が、ゴム等の弾性材に短繊維を分散混入してなる短繊維
混入弾性体によって形成されており、上記短繊維は、ロ
ーラの軸方向中央部を境にしてローラの回行方向に対し
て互いに対称に各々ロー ラの軸方向に対してローラの回
行方向に一定の傾き角をもって外向きに配向され、かつ
その一部がローラ本体の表面から露出している構成とし
たものである。
【0019】請求項4の発明の講じた手段は、上記請求
項1,2又は3の発明において、上記短繊維をアラミド
系繊維で形成したものである。
【0020】請求項5の発明の講じた手段は、複数本の
ロ―ラに平ベルトを巻回して駆動するようにした平ベル
ト駆動装置を対象とする。そして、上記複数本のロ―ラ
のうち少なくとも1本のロ―ラを上記請求項1,2,3
又は4記載のロ―ラで構成したものである。
【0021】請求項6の発明の講じた手段は、上記請求
項5の発明において、平ベルト及びロ―ラのうち少なく
とも一方に、平ベルトの横移動を規制するベルト案内部
材を設けたものである。
【0022】請求項7の発明の講じた手段は、上記請求
項5又は6の発明において、平ベルトを感光体ベルト又
は転写搬送ベルトとしたものである。
【0023】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、ロ―
ラの表面に短繊維が露出しているので、ベルト−ロ―ラ
間に短繊維が介在し、両者の密着状態が回避される。し
たがって、異物の混入時にもベルトの傷付きが生じず
両者間の摩擦係数の低減化と摩耗係数の温度,湿度変化
に対する安定化とが得られるとともに、ベルト片寄り時
のスラスト力が低減する。
【0024】しかも、上記短繊維ロ―ラの軸方向に
ぼ平行に配向しているので、ローラ本体表面の軸方向の
摩擦抵抗が最も小さくなって、平ベルトに対して該平ベ
ルトを片寄らせようとするスラスト力が発生するのを有
効に軽減することができる。
【0025】請求項2の発明では、短繊維がロ―ラの軸
方向に対してローラの回行方向に一定の傾き角をもって
配向されているので、平ベルトを、短繊維のローラ軸方
向に対するローラ回行方向への傾き方向に片寄らせて走
行させながら、該平ベルトに対するスラスト力の発生を
より有効に軽減でき、走行抵抗がさらに低減することに
なる。
【0026】請求項3の発明では、ロ―ラ表面に露出し
た短繊維が、ロ―ラの軸方向中央部を境としてローラ回
行方向に対して互いに対称に各々ローラ軸方向に対して
ローラ回行方向に一定の傾き角をもって外向きに配向さ
れているので、平ベルトを回行駆動した場合、ローラ本
体表面の両側部分における逆向き配向の短繊維により平
ベルトを幅方向の外方に変位させようとする張力が生
じ、ベルトの波打ち現象が抑制されることになる。
【0027】請求項4の発明では、短繊維がアラミド系
繊維で形成されているので、アラミド樹脂の高剛性や高
PV値における良好な摺動特性等による高いグリップ力
と、低スラスト力とが得られるとともに、アラミド繊維
の高い耐熱性によりロ―ラの表面研磨による短繊維の露
出加工が容易となる。
【0028】請求項5の発明では、平ベルト駆動装置に
おいて、ロ―ラ−ベルト間の摩擦係数の低減及び安定化
等の良好な摺動特性により、ベルト走行特性が向上する
ことになる。
【0029】請求項6の発明では、平ベルトの片寄り時
におけるスラスト力が低減することから、平ベルト及び
ロ―ラのうち少なくとも一方に設けられたベルト案内部
及びベルト端部の損傷の発生を防止,抑制しながら
ベルトの蛇行が防止され、精密駆動が実現できることに
なる。
【0030】請求項7の発明では、感光体ベルト又は転
写搬送ベルトが使用される電子写真装置にあっては、使
用場所の温度,湿度等の環境条件の変化が大きいが、か
かる環境下でも、安定したベルト−ロ―ラ間の摩擦係
数やベルト片寄り時の低スラスト力等の機能により、平
ベルトの精密駆動が可能となり、画像形成特性が向上す
ることになる。
【0031】
【実施例】(第1実施例) まず、本発明の第1実施例について、図1及び図2に基
づき説明する。
【0032】図2は、本発明による電子写真装置Aの概
略を示し、10は3軸系の感光体ベルト駆動装置、20
は2軸系の転写搬送ベルト駆動装置、30は該転写搬送
ベルト装置20に用紙を供給する給紙装置、40は上記
転写搬送ベルト装置20からの転写済み用紙をトナ―定
着する定着装置である。すなわち、レンズ系50により
感光体ベルト駆動装置10の感光体ベルト11(本発明
でいう平ベルト)上に画像を形成し、転写搬送ベルト駆
動装置20で、給紙装置30から供給される用紙にその
画像を転写するように構成されている。なお、60は上
記感光体ベルト11にトナ―を供給する現像装置、7
0,80はそれぞれベルトクリ―ニング装置である。
【0033】上記感光体ベルト駆動装置10において、
12はモ―タ(図示せず)により回転駆動される駆動ロ
―ラであり、13,14はそれぞれ第1,第2従動ロ―
ラである。また、上記転写搬送ベルト駆動装置20にお
いて、21は転写搬送ベルト、22は駆動ロ―ラ、23
は従動ロ―ラであって、上記各ロ―ラ12〜14及び2
2,23は本発明でいう平ベルト駆動用ロ―ラである。
【0034】なお、上記感光体ベルト11は基材の上に
感光体を形成したものであって、基材を構成する2軸延
伸ポリエステルの引張弾性率は200Kg/mm以上
に設定されている。ただし、上記ベルト11の張力体の
材料としては、ニッケル,ステンレス等の金属薄板、P
ES,PEEK,アラミド,ポリイミド等のプラスチッ
クフィルムなどを使用してもよい。
【0035】ここで、図1に示すように、上記第1従動
ロ―ラ12は、そのローラ本体が段付きロ―ル状の金属
製軸部材16と、該軸部材16の大径部の両端を除いた
部分に嵌合された円筒部材17とから成っている。そし
て、該円筒部材17の両端部には、感光体ベルト11の
横移動を規制するベルト案内部材である金属製又は摺動
性プラスチック製のフランジ部材18,18が設けられ
ており、後述のように、感光体ベルト11の走行域を所
定範囲内に規制するようになされている。
【0036】ここで、上記円筒部材17は、ゴム等の弾
性材にアラミド繊維からなる短繊維F,F,…を分散混
入してなる短繊維混入弾性体で形成されていて、各短繊
維F,F,…は、第1従動ロ―ラ13の軸方向(図中の
x軸方向)と略平行に配向されているとともに、短繊維
F,F,…の一部がロ―ラ表面から露出するようになさ
れている。
【0037】ここで、本発明のロ―ラの製造方法は、図
3に示すように、板面に略平行に配向した短繊維F,
F,…を混入してなる弾性体板19を圧延加工により形
成し、この弾性体板19を第1従動ロ―ラ13の軸部材
16に巻き付けることにより(図4参照)、短繊維F,
F,…を軸方向と略平行に配向させておき、その表面を
研磨して、短繊維F,F,…の一部をロ―ラ表面に上に
露出させるようにしている。また、短繊維F,F,…を
混入したホ―スを所定の平行部を有するダイスで押出成
形することにより、各短繊維F,F,…を平均的にロ―
ラ軸方向に略平行に配向させた後、円筒部材17の表面
を機械研削するようにしてもよい。
【0038】上記短繊維Fの材料としては、PET,ナ
イロン,アラミド,綿,セルロ―ス等の有機繊維の他、
炭素繊維等の無機繊維、炭化ケイ素,酸化鉄,チタン酸
等の無機針状フィラ―を使用することができ、その長
さは1〜10mm程度が好ましい。さらに、円筒部材17
のマトリクスである弾性体は、一般的なゴム材料だけで
なく、例えば熱可塑性エラストマ―等を使用することが
でき、弾性体の厚みは1mm以上が好ましい。また、本実
施例では、上記円筒部材17のマトリクスはEPDM系
架橋ゴムで形成されており、このマトリクスへの短繊維
F,F,…の配合量は、マトリクス100容量部に対し
て1〜150容量部、好ましくは5〜50容量部程度で
ある。
【0039】なお、上記第2従動ロ―ラ14も上述の第
1従動ロ―ラ13と同様の構成をしており、さらに、上
記転写搬送ベルト駆動装置20における駆動ロ―ラ22
及び従動ロ―ラ23についても、同様の構成とすること
ができる。
【0040】したがって、上記第1実施例では、第1従
動ロ―ラ13の円筒部材17が短繊維F,F,…を混入
したゴム等の弾性体で構成され、さらに、短繊維F,
F,…の一部が円筒部材17の表面から露出しているの
で、感光体ベルト11との接触面が平滑面でなくなり、
感光体ベルト11と第1従動ロ―ラ13との密着状態
回避される。すなわち、従来のようにベルト−ロ―ラ間
密着状態に接触している場合、上記実施例のような電
子写真用プロセスではベルト−ロ―ラ間にトナ―や紙粉
等の異物が入り込んで、感光体ベルト11の裏面やロー
ラ表面まで傷が入る虞れがあるが、本実施例では短繊維
F,F,…の介在により、ベルト−ロ―ラ間の密着状態
が回避されるので、上記傷の発生を有効に防止すること
ができる。
【0041】また、従来のようにベルト−ロ―ラ間が
着状態で接触している場合、特にベルト幅が広いときに
は、感光体ベルト11の片寄り時にスラスト力が大きく
なるために、蛇行の修正が困難となる虞れがあるが、
実施例のように短繊維F,F,…の一部が円筒部材17
の表面から露出している場合には、両者間の密着状態
回避により、感光体ベルト11の片寄り時におけるスラ
スト力が低減し、蛇行修正が円滑に行われることにな
る。
【0042】さらに、従来のようにベルト−ロ―ラ間が
密着して接触する場合、両者間の摩擦係数は主に界面状
態によって決定され、界面状態は温度,湿度の変化に対
して敏感に変化する。しかるに、電子写真装置の場合、
高温,多湿条件から低温,乾燥条件まで使用される環境
の範囲が広いので、そのままでは、摩擦係数の変化が激
しく走行状態が不安定となる虞れがあった。それに対
し、本実施例のように短繊維F,F,…がその接触面間
に露出している場合には、短繊維F,F,…の介在によ
るグリップ力がベルト−ロ―ラ間に作用して、摩擦力に
大きく寄与し、このグリップ力は主として短繊維F,
F,…や感光体ベルト11の裏面を形成する材料の剛性
と円筒部材17の弾性体の粘弾性的性質によって決定さ
れるが、この剛性や粘弾性的性質は室内環境の変化範囲
では温度,湿度の影響をそれほど受けない。
【0043】そして、上記実施例のように、短繊維F,
F,…をロ―ラ軸方向(図中のx軸方向)に略平行に配
向させると、ローラ表面の軸方向の摩擦抵抗が最も小さ
くなって、感光体ベルト11に対して該ベルト11を片
寄らせようとするスラスト力が発生するのを有効に軽減
することができる。
【0044】しかも、短繊維F,F,…をローラ軸方向
に略平行に配向させることは、その製造が容易である。
すなわち、図中のz軸方向に配向させる場合には、短繊
維F,F,…が板面に平行に配向したゴム板を短冊状に
切った後各短冊を貼り合せる手間が必要となる。それに
対し、本実施例のようにx軸方向に配向させる場合に
は、短繊維F,F,…を混入したホ―ス材を、平行部を
有するダイスで押出すことにより、容易に製造すること
ができ、製造コストが安価に済む利点がある。
【0045】(第2実施例) 次に第2実施例について、図5及び図6に基づき説明す
る。本実施例においても、電子写真装置Aの構成は上記
第1実施例と同様である。図5は本実施例における感光
体ベルト駆動装置10の第1従動ロ―ラ13の縦断面構
造を示し、軸部材16、円筒部材17及び各フランジ部
材18,18の基本的な構造は上記第1実施例と同様で
あるが、本実施例においては、円筒部材17中の各短繊
維F,F,…はロ―ラ軸方向(x軸方向)に対してロー
ラ回行方向(図6のy軸方向)に平均的に一定の傾き角
を有するように配向されている。つまり、本実施例で
は、短繊維F,F,…を混入したホ―スを、平行部と該
平行部から径を拡大するようにテ―パ状に形成されたダ
イスで押出すことにより、各短繊維F,F,…をランダ
ムながら平均としてはロ―ラ軸方向(x軸方向)及び周
方向(y軸方向)に一定の傾きを有するように配向させ
ることができ、製造が容易であるとともに、短繊維F,
F,…が傾く方向に感光体ベルト11を駆動させること
により、走行抵抗をさらに低減することができる利点が
ある。
【0046】(第3実施例) 次に、第3実施例について図7に基づき説明する。図7
は第3実施例における第1従動ロ―ラ13の縦断面構造
を示し、本実施例では、円筒部材11中の各短繊維F,
F,…はロ―ラ軸方向(x軸方向)に対してローラ回行
方向に一定の傾き角を有するとともに、第1従動ロ―ラ
13の中央線zo を境にして左右対称に、かつ各々第1
従動ロ―ラ13のベルト回行方向に対して外向きに傾く
ように配向されていて、さらにその一部が円筒部材16
の表面に露出するようになされている。したがって、第
3実施例では、第1従動ロ―ラ13の表面に露出した短
繊維F,F,…がロ―ラ軸方向の中央部を境に互いに対
称となるよう外側に傾いているので、感光体ベルト11
の長さ方向の中央部の両側で感光体ベルト11を幅方向
の外方に変位させようとする張力が生じることになり、
ベルト走行中のいわゆる波打ち現象が可及的に防止され
るのである。
【0047】ここで、上記第1〜第3実施例において、
短繊維F,F,…がアラミド系繊維である場合、アラミ
ド系繊維は剛性が高く、高PV値における摺動特性が良
好であり、かつ温度変化に対する安定領域が広いという
特性を有するため、このような集中荷重が加わる状態で
使用されたときにも、高いグリップ力と、低スラスト力
とを兼備することができ、よって、著効を発揮すること
ができる。
【0048】なお、上記第1〜第3実施例では、第1,
第2従動ロ―ラ13,14を短繊維混入ロ―ラとした
が、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、
例えば第1従動ロ―ラ13だけを短繊維混入ロ―ラとし
てもよい。また、いずれのロ―ラ12〜14をも短繊維
混入ロ―ラとしてもよい。
【0049】さらに、上記各実施例のように、短繊維混
入ロ―ラに感光体ベルト11(平ベルト)の横移動を規
制するベルト案内部材としてのフランジ部材18,18
を設けた場合にも、上記各実施例における露出した短繊
維F,F,…がロ―ラ−ベルト間に存在するので、ベル
ト片寄り時のスラスト力が低減し、ベルト端部の損傷や
しわの発生を有効に防止しながら、感光体ベルト11の
精密な駆動を実現することができる。なお、上記各実施
例のようにベルト案内部材を必ずしもロ―ラ側に設ける
必要はなく、例えば感光体ベルト11の裏面にリング状
凸部を設け、ロ―ラ側に溝部を設けて、凸部と溝部との
嵌合によりベルト案内機能を有するように構成してもよ
い。
【0050】本発明は、上記各実施例のような電子写真
用プロセスに使用される平ベルト駆動用ロ―ラ或いは平
ベルト駆動装置に限定されるものではなく、一般の機械
装置用ロ―ラにも適用しうるが、特に電子写真用プロセ
スに使用した場合、使用場所の温度,湿度等の環境条件
の変化にも拘らず感光体ベルト11や転写搬送ベルト2
1の精密駆動が行われるので、画像形成特性を良好に維
持することができ、よって、著効を発揮することができ
る。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、ロ―ラの表面部を短繊維混入弾性体で形成し
この短繊維をロ―ラの軸方向に略平行に配向させ、さら
に、短繊維の一部をロ―ラ表面に露出させたので、ベル
ト−ロ―ラ間の密着状態の回避により異物の混入による
ベルトの傷付きの防止と、摩擦係数の低減化及びその温
,湿度の変化に対する安定化と、ベルト片寄り時のス
ラスト力の低減とを図ることができるとともに、短繊維
のベルト軸方向の配向のためにベルトに対するスラスト
力の発生を軽減することができる。
【0052】請求項2の発明によれば、ロ―ラの表面部
を短繊維混入弾性体で形成し、この短繊維をロ―ラの軸
方向に対してローラの回行方向に一定の傾き角をもって
配向させ、さらに、短繊維の一部をロ―ラ表面に露出さ
せたので、異物によるベルトの傷付きの防止、摺動特性
の改善及びベルトのスラスト力の低減効果に加えて、
ルトを上記短繊維の傾き方向に片寄らせて走行させなが
ら、該ベルトに対するスラスト力の発生を一層有効に軽
減でき、ベルト走行抵抗をより顕著に低減することがで
きる。
【0053】請求項3の発明によれば、上記請求項2の
発明における短繊維の配向形態を、ロ―ラの軸方向中
部を境に両側で対称となるようにしたので、異物による
ベルトの傷付きの防止、摺動特性の改善及びベルトのス
ラスト力の低減効果に加えて、ベルトに幅方向の張力を
生ぜしめることができ、よって、ベルトの波打ち現象を
有効に防止することができる。
【0054】請求項4の発明によれば、上記請求項1,
2又は3の発明において、短繊維をアラミド系繊維で形
成したので、短繊維への集中加重に対してアラミド樹脂
の高PV値における良好な摺動特性と温度変化に対する
安定性とを発揮することができるとともに、良好な耐熱
性により製造上短繊維を損傷することなくゴム砥石等で
研磨することができ、製造の容易化を図ることができ
る。
【0055】請求項5の発明によれば、平ベルト駆動装
置において、少なくとも1本のロ―ラを上記請求項1,
2,3又は4の発明による平ベルトとしたので、ロ―ラ
−ベルト間の摺動特性の改善により、ベルト走行特性の
向上を図ることができる。
【0056】請求項6の発明によれば、上記請求項5の
発明において、平ベルト及びロ―ラのうち少なくとも一
方にベルト案内部材を設けたので、平ベルトの片寄り時
におけるスラスト力の低減により、ベルト案内部材やベ
ルト端部の損傷を防止しながら、ベルトの蛇行防止を図
り、精密駆動を実現することができる。
【0057】請求項7の発明によれば、上記請求項5又
は6の発明において、平ベルトを感光体ベルト又は転写
搬送ベルトとしたので、環境条件の変化が大きい電子写
真装置に使用された場合にも、平ベルトの精密駆動によ
る画像形成特性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における感光体ベルト駆動装置の第
1従動ロ―ラの縦断面図である。
【図2】電子写真装置の全体構成を示す正面図である。
【図3】第1実施例における弾性体板の斜視図である。
【図4】第1実施例において第1従動ロ―ラに弾性体板
を巻き付けた状態を示す斜視図である。
【図5】第2実施例における第1従動ロ―ラの縦断面図
である。
【図6】第2実施例における第1従動ロ―ラの横断面図
である。
【図7】第3実施例における第1従動ロ―ラの縦断面図
である。
【符号の説明】
A 電子写真装置 10 感光体ベルト駆動装置(平ベルト駆動装置) 11 感光体ベルト(平ベルト) 12 駆動ロ―ラ 13 第1従動ロ―ラ(平ベルト駆動用ロ―ラ) 17 円筒部材 18 フランジ部材(ベルト案内部材) 20 転写搬送ベルト駆動装置(平ベルト駆動装置) 21 転写搬送ベルト(平ベルト) F 短繊維
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−11282(JP,A) 特開 昭60−35500(JP,A) 実開 昭63−175315(JP,U) 実開 昭62−96043(JP,U) 実開 昭53−27849(JP,U) 実開 昭61−173454(JP,U) 実公 平2−47084(JP,Y2) 実公 昭57−39375(JP,Y2)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドレスの平ベルトを回行駆動する平
    ベルト駆動装置に用いられ、上記平ベルトが摩擦接触状
    態で巻回される平ベルト駆動用ローラであって、 ローラ本体の少なくとも表面部が、ゴム等の弾性材に短
    繊維を分散混入してなる短繊維混入弾性体によって形成
    されており、 上記短繊維は、ローラの軸方向にほぼ平行に配向され、
    かつその一部がローラ本体の表面から露出している、 ことを特徴とする平ベルト駆動用ローラ。
  2. 【請求項2】 エンドレスの平ベルトを回行駆動する平
    ベルト駆動装置に用いられ、上記平ベルトが摩擦接触状
    態で巻回される平ベルト駆動用ローラであって、 ローラ本体の少なくとも表面部が、ゴム等の弾性材に短
    繊維を分散混入してなる短繊維混入弾性体によって形成
    されており、 上記短繊維は、ローラの軸方向に対してローラの回行方
    向に一定の傾き角をもって配向され、かつその一部がロ
    ーラ本体の表面から露出している、 ことを特徴とする平ベルト駆動用ローラ。
  3. 【請求項3】 エンドレスの平ベルトを回行駆動する平
    ベルト駆動装置に用いられ、上記平ベルトが摩擦接触状
    態で巻回される平ベルト駆動用ローラであって、 ローラ本体の少なくとも表面部が、ゴム等の弾性材に短
    繊維を分散混入してなる短繊維混入弾性体によって形成
    されており、 上記短繊維は、ローラの軸方向中央部を境にしてローラ
    の回行方向に対して互いに対称に各々ローラの軸方向に
    対してローラの回行方向に一定の傾き角をもって外向き
    に配向され、かつその一部がローラ本体の表面から露出
    している、 ことを特徴とする平ベルト駆動用ローラ。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の平ベルト駆動
    用ロ―ラにおいて、上記短繊維はアラミド系繊維である
    ことを特徴とする平ベルト駆動用ロ―ラ。
  5. 【請求項5】 複数本のロ―ラに平ベルトを巻回して
    駆動するようにした平ベルト駆動装置において、上記
    複数本のロ―ラのうち少なくとも1本のロ―ラは上記請
    求項1,2,3又は4記載のロ―ラであることを特徴と
    する平ベルト駆動装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の平ベルト駆動装置におい
    て、平ベルト及びローラのうち少なくとも一方には、平
    ベルトの横移動を規制するベルト案内部材が設けられて
    いることを特徴とする平ベルト駆動装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の平ベルト駆動装置
    において、平ベルトは感光体ベルト又は転写搬送ベルト
    である平ベルト駆動装置。
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