JPH08115700A - ビームエネルギーモニタ装置 - Google Patents

ビームエネルギーモニタ装置

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JPH08115700A
JPH08115700A JP25388694A JP25388694A JPH08115700A JP H08115700 A JPH08115700 A JP H08115700A JP 25388694 A JP25388694 A JP 25388694A JP 25388694 A JP25388694 A JP 25388694A JP H08115700 A JPH08115700 A JP H08115700A
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JP
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monitor
energy
faraday
contamination
scanning
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Application number
JP25388694A
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English (en)
Inventor
Kunifumi Takaoka
邦文 高岡
Shiro Shiojiri
史郎 塩尻
Yoshio Tamura
喜生 田村
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 マスク8に設けられたスリット孔8b・8b
の近傍にモニタファラデー12・12を配設する。モニ
タファラデー12・12をビーム中心軸Oに対し異なる
位置に配する。モニタファラデー12(12−1)で走
査電圧が低いとき(偏向角小)のビーム電流量を検出
し、モニタファラデー12(12−2)で走査電圧が高
いとき(偏向角大)のビーム電流量を検出して、それぞ
れのビーム電流量からコンタミ処理装置17にてビーム
のエネルギー分布を求める。モニタファラデー12(1
2−1)により、エネルギー分布でメインビームに離間
するコンタミビームをモニタし、モニタファラデー12
(12−2)により、エネルギー分布でメインビームに
近接するコンタミビームを分離してモニタする。 【効果】 2個のモニタファラデー12・12により異
なるモニタ域を分担するので、ビームのエネルギー分布
を高い分解能でモニタすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン注入装置等にお
いて所要エネルギー以外のビームの存在およびその量を
確認するビームエネルギーモニタ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体製造の分野においては、B、P、
As等の不純物を基板に拡散する手段としてイオン注入
装置が用いられている。静電スキャン方式やハイブリッ
ドスキャン方式のイオン注入装置は、一般に、イオン源
から引き出されたイオンビームから、分析マグネットに
より所要の質量のイオン種を取り出して、そのイオンを
加速管にて加速した後、走査電極により走査させてウェ
ーハに注入するようになっている。
【0003】ところで、深い位置に注入を行なう要求に
対しては、一般に、高エネルギー注入装置が用いられ
る。高エネルギー注入装置では、加速管に高い加速電圧
を印加してイオンビームに与える加速エネルギーを増大
させているが、高い加速電圧が必要になるため装置が大
型かつ高価になるという欠点があった。そこで、近年で
は、多価イオンを利用して、高エネルギーを得る技術の
開発が進められている。
【0004】加速管にてイオンに与えられるエネルギー
は価数に比例するので、多価イオンほど高いエネルギー
が付与されることになる。したがって、多価イオンを利
用すれば、高い加速電圧を必要とせず、小型かつ安価な
高エネルギー注入装置を提供することができる。
【0005】しかしながら、多価イオンの取り扱いに関
しては、技術的に解決すべき問題がいくつかある。例え
ば、以下に述べるエネルギーコンタミネーションは、多
価イオンによる注入の質を低下させる現象であり、低減
化が望まれていた。
【0006】イオン注入装置におけるビーム輸送経路
は、通常、高真空状態に保たれているものの、イオン源
から流れ出るイオン種の材料ガス等が残留ガスとして存
在することにより真空度が低下することがある。このた
め、イオン源から引き出されたイオンは、残留ガス粒子
との相互作用(衝突等)により電荷を失い、中性化また
は価数の変化を生じてしまう。例えば、3価のイオンが
2価や1価に変化したり、中性粒子に変化したりする。
また、逆に、残留ガスがイオン化されることもある。
【0007】価数が異なると、その価数に応じてイオン
に付与されるエネルギーも異なるので、上記のように中
性化や価数の変化が生じると、所要の深さまでの注入を
行なうことができなくなる。このような所要のエネルギ
ーと異なるエネルギーのビームの混在した状態は、エネ
ルギーコンタミネーションと呼ばれている。
【0008】一般のイオン注入装置では、分析マグネッ
トより上流側(イオン源側)で真空度が低下していて
も、分析マグネットで所要のイオン種のみが選別される
ので、異なるエネルギーのビーム成分であるコンタミネ
ーションビーム(以降、コンタミビームと称する)の発
生は殆どない。しかしながら、分析マグネットを出てか
ら加速管を出るまでの間は、イオンビームが残留ガスの
影響を受けるため、コンタミビームが発生しやすい。
【0009】例えば、2価のイオンが上記のような環境
下で価数が変化した場合に、イオンに与えられる代表的
なエネルギー分布は、表1のようになる。なお、下表に
おいて、VEXは引出電圧であり、VACC は加速電圧であ
る。ただし、αは0<α<1で変化する値であり、ビー
ムが加速管の出口に近づくに従って小さくなるように変
化する。
【0010】
【表1】
【0011】表1における各ビームのエネルギーは、図
7に示すように分布している。ところが、何らかの原因
で残留ガスが増加して(2) および (3)のビームの存在が
無視できなくなると注入の質が低下する。このため、従
来では、ビームエネルギーモニタ装置を用いてコンタミ
ビームの発生を監視していた。
【0012】ビームエネルギーモニタ装置では、図8に
示すように、水平走査電極31により走査されてマスク
32を通過したイオンビームが、メインファラデーケー
ジ33内でウェーハ34を固定するターゲット35の前
に設けられたセンタファラデー36およびモニタプレー
ト37で捕らえられる。メインファラデーケージ33、
ターゲット35およびモニタプレート37により検出さ
れたビーム電流およびセンタファラデー36により検出
されたビーム電流は、切替器38を介してビーム電流計
測器39に供給されて計測される。
【0013】そして、コンタミ処理装置40にて、ビー
ム電流計測器39の計測結果によりイオンビームのエネ
ルギー分布が観測される。また、エネルギー分布の観測
に際しては、コンタミ処理装置40から出力される電圧
コントロール信号に基づいて、走査電圧が走査電源41
により水平走査電極31に与えられて、イオンビームの
水平スキャンが行なわれる。
【0014】ここで、水平走査電極31でのビーム偏向
角θは、 tanθ=VS /K・(q/E) で表される。ただし、上式において、 K :走査系で決まる定数 E :ビームエネルギー q :ビーム電荷価数 VS :走査電圧 である。
【0015】また、E/qは、(1) および(2) のビーム
でそれぞれ次式のように表される。
【0016】(1) のビーム(メインビーム) E/q=2(VEX+VACC )/2=VEX+VACC (2) のビーム(コンタミビーム) E’/q’=(2VEX+VACC )/1=2VEX+VACC これにより、両者の差は、Δ(E/q)=VEXとなる。
【0017】したがって、(2) のコンタミビームは、メ
インビームとVEX分だけの偏向角の差でターゲットに走
査される。しかしながら、コンタミビームは、走査系で
エネルギーの差分だけメインビームと分離されるにも関
わらず、一般にVEX≪VACCであることからメインビー
ムと近接しており、ターゲット35に配されたウェーハ
34上にほぼ全量注入されてしまう。このため、多価イ
オンの注入においては、注入前にコンタミビーム量を計
測し、その量が許容値以内であるか否かを測定評価して
おく必要がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ビームエネルギーモニタ装置では、1個のセンターファ
ラデー36によりマスク32を通過する全ての異エネル
ギーを計測する場合、次のような不都合が生じる。
【0019】例えば、図9に示すように、センタファラ
デー36が偏向角の小さい位置に設けられる構成では、
メインビーム(E/q=VEX+VACC )とコンタミビー
ム(E’/q’=2VEX+VACC )との分離距離(B−
A)が小さくなり、分解能が不足する。それゆえ、ビー
ムのエネルギースペクトルは、図11に示すように、メ
インビームにコンタミビームが融合したように観測され
てしまう。したがって、この場合は、コンタミビームの
正確な評価を行なうことができなくなってしまう。
【0020】逆に、図10に示すように、センタファラ
デー36が偏向角の大きい位置に設けられる構成では、
メインビームとコンタミビームとの分離距離(B’−
A’)が大きくなり、図9に示す構成に比べて(B’−
A’>B−A)となって分解能が向上する。それゆえ、
ビームのエネルギースペクトルは、図12に示すように
メインビームとコンタミビームとが分離して観測され、
この場合は、コンタミビームの評価を容易に行なうこと
ができる。
【0021】しかしながら、この構成では、偏向角を大
きくするために、水平走査電極31に印加する走査電圧
を過大に設定するか、あるいは水平走査電極31を長大
化(図9中の破線部分)して水平走査電極31間におけ
るイオンビームの飛程距離を長くする必要がある。この
ため、水平走査電極31に走査電圧を印加する走査電源
41の仕様を変更したり、水平走査電極31の長大化に
伴ってビーム輸送経路の設計変更が必要になったりす
る。
【0022】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、比較的簡単な構成でコンタミビームの評価
を行なうことができるビームエネルギーモニタ装置を提
供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のビームエネルギ
ーモニタ装置は、上記の課題を解決するために、一定方
向に走査されるビームのビーム照射断面積を規定する開
口部を有するマスクの下流側にビーム電流量を検出する
検出器を備え、この検出器により検出されたビーム電流
量に基づいてビームのエネルギー分布をモニタするビー
ムエネルギーモニタ装置において、以下の手段を講じて
いることを特徴としている。
【0024】すなわち、上記ビームエネルギーモニタ装
置は、上記検出器が、上記マスクの開口部のビーム走査
方向の両側に2つ設けられた副開口部を通過するビーム
の電流量を検出するように副開口部毎に設けられるとと
もに、走査前のビームの中心軸に対し互いに異なる距離
に配設されている。
【0025】また、上記ビームエネルギーモニタ装置に
おいては、上記両検出器により検出されたビーム電流量
に基づいてモニタされるビームの各エネルギー分布域が
所要とされるビームのエネルギーの近傍のエネルギーで
重複するような位置に上記両検出器が配設されている。
【0026】
【作用】上記の構成において、走査前のビームの中心軸
に近い側に配された検出器では、ビーム偏向角が小さい
ので、低い走査電圧でビーム電流量が検出される。この
場合、走査電圧が低くビームの偏向範囲が小さいため、
上記の検出結果に基づいて観測されるビームのエネルギ
ー分布において、所要のメインビームのエネルギーとこ
れに近接するコンタミビームのエネルギーとは分離され
ずに観測される。しかしながら、所要のエネルギーのメ
インビームとこれに離間する(3) のコンタミビームとは
全量が観測される(図5参照)。
【0027】一方、走査前のビームの中心軸に遠い側に
配された検出器では、ビーム偏向角が大きいので、高い
走査電圧でビーム電流量が検出される。この場合、走査
電圧が高くビームの偏向範囲が大きいため、上記の検出
結果に基づいて観測されるビームのエネルギー分布にお
いて、所要のエネルギーのメインビームとこれに近接す
るコンタミビームのエネルギーとは分離して観測され
る。しかし、E/qの値の大きい(3) のコンタミビーム
の存在は、走査電圧の制限から全量を確認することがで
きない。
【0028】したがって、コンタミビームのエネルギー
分布域中の適当な走査電圧Aを決め、低い走査電圧で計
測する側で、走査電圧Aより大きいエネルギーをもった
コンタミビームの強度を計測する一方、高い走査電圧で
計測する側で走査電圧Aより小さいエネルギーをもった
コンタミビームの強度を計測し、2つの値の和によりコ
ンタミビーム量の全量を計測すれば、コンタミビームを
メインビームと完全に分離計測することができ、コンタ
ミビームの精度の高い計測が可能になる。また、同様の
理由から、メインビームの量もコンタミビームと分離計
測するので、精度の高い計測が可能となる。
【0029】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図6に
基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0030】本実施例に係るイオン注入装置は、静電ス
キャン型であって、図1に示すように、ビーム輸送管1
と、これに接続して形成される真空処理室2とを備えて
いる。ビーム輸送管1内には、水平走査電極3と図示し
ない垂直走査電極とが配されている。水平走査電極3
は、平行に配された2枚の極板を有しており、これらの
両極板に走査電源4により発生した三角波の走査電圧が
印加されることにより、ビームの水平スキャンを行なう
ようになっている。
【0031】真空処理室2の内奥部には、ウェーハ5を
固定するターゲット6が配されている。また、真空処理
室2内には、ターゲット6を囲むようにメインファラデ
ーケージ7が設けられている。さらに、真空処理室2の
入口付近で、メインファラデーケージ7のビーム照射側
前方にはマスク8が設けられている。
【0032】メインファラデーケージ7内には、ターゲ
ット6のビーム照射側前方にモニタプレート9が配され
ている。このモニタプレート9は、注入前のビーム電流
量の検出に利用され、注入時にはビームラインから外さ
れるようになっている。また、メインファラデーケージ
7の開口部近傍には、サプレッサリング10が配されて
いる。このサプレッサリング10は、サプレッサ電源1
1により印加される負電圧により電位障壁をつくり、イ
オンビームの入射でメインファラデーケージ7内に発生
した二次電子をメインファラデーケージ7に押し戻すよ
うになっている。
【0033】上記のターゲット6、メインファラデーケ
ージ7およびモニタプレート9によりメインファラデー
系が形成されており、このメインファラデー系によりタ
ーゲット6に流れるビーム電流を検出するようになって
いる。
【0034】一方、マスク8には、後に詳述するが、中
央部分にウェーハ5に照射するイオンビームの照射領域
を所要の形状に整形(カット)して通過させるための開
口部としての円孔8aが設けられている。また、マスク
8には、円孔8aの両側に円孔8aからほぼ等しい間隔
をおいて細長い形状をなす副開口部としてのスリット孔
8b・8bが設けられている。このスリット孔8b・8
bの近傍には、マスク8とメインファラデーケージ7と
の間にモニタファラデー12・12が設けられている。
【0035】検出器としてのモニタファラデー12・1
2は、水平走査電極3側から見て左側に位置するモニタ
ファラデー12(12−1)の走査前のビーム中心軸O
に対する距離Lが、水平走査電極3側から見て右側に位
置するモニタファラデー12(12−2)のビーム中心
軸Oに対する距離L’より小さくなるように配されてい
る。このように、モニタファラデー12・12の配置位
置を異ならせることにより、異なる範囲のビームエネル
ギーの観測が可能になる。
【0036】また、モニタファラデー12・12は、後
述するように、メインビームのビームエネルギーに対し
正の所定範囲で重複してビームエネルギーの観測が可能
となるような位置に配置されている。この位置は、水平
走査電極3によるビーム偏向角度等の諸条件に基づいて
適宜設定される。
【0037】さらに、モニタファラデー12・12は、
水平走査電極3により水平スキャンされたイオンビーム
を捕らえやすいように、ビーム入射口を水平走査電極3
に向けて全体がビーム中心軸Oに対し傾いて配されてい
る。この配設構造については、後に説明する。
【0038】モニタファラデー12・12の開口部のビ
ーム照射側前方には、サプレッサリング13・13が配
されている。これらのサプレッサリング13・13は、
サプレッサ電源14により負電圧が印加されることによ
り、イオンビームの入射でモニタファラデー12・12
内に発生した二次電子をモニタファラデー12・12に
押し戻すようになっている。
【0039】上記のモニタファラデー12・12および
サプレッサリング13・13によりコンタミファラデー
系が形成されており、このコンタミファラデー系により
コンタミビームのビーム電流を検出するようになってい
る。
【0040】前記のターゲット6、メインファラデーケ
ージ7およびモニタプレート9は、ともに共通して切替
器15に電気的に接続されている。また、モニタファラ
デー12・12は、それぞれ別個に切替器15に電気的
に接続されている。切替器15は、これらの3つの接続
経路を切り替えてビーム電流計測器16に接続するよう
になっている。このビーム電流計測器16は、接続され
た系のビーム電流を計測して、電流モニタ信号を出力し
てコンタミ処理装置17に与えるようになっている。
【0041】コンタミ処理装置17は、走査電源4に電
圧コントロール信号を与え、このときの水平走査電極3
による水平スキャンでモニタファラデー12・12によ
り検出されたビーム電流量をビーム電流計測器16から
の電流モニタ信号として取り入れて、そのビーム電流量
と走査電圧との関係を求めるようになっている。また、
コンタミ処理装置17は、ビーム電流量と走査電圧との
関係からビームのエネルギー分布を求めるようになって
いる。さらに、コンタミ処理装置17は、ビーム電流量
の総和に対するコンタミビーム量の比率を求めるように
なっている。
【0042】ここで、マスク8、モニタファラデー12
等の構造について、さらに詳しく説明する。
【0043】図2の(a)および(b)ならびに図3に
示すように、マスク8は、大小2枚の方形のマスク板8
1・82がサラネジ83…により張り合わされてなって
いる。
【0044】マスク板81の中央部には、円孔81aが
マスク板81の厚さ方向に一定の径で形成される一方、
マスク板82の中央部には、円孔82aがマスク板81
側に向かって広がるテーパ状に形成されており、これら
の円孔81a・82aにより円孔8aが形成されてい
る。また、マスク板81の円孔81aの両側近傍には、
縦長のスリット孔81b・81bがマスク板81の厚さ
方向に一定の幅で形成される一方、マスク板82の円孔
82aの両側近傍には、縦長のスリット孔82b・82
bがマスク板81側に向かって広がるテーパ状に形成さ
れており、これらのスリット孔81b・82bによりス
リット孔8bが形成されている。スリット孔8bは、メ
インビームとコンタミビームとの識別に適した幅(通常
数mm程度)に設定されている。
【0045】また、マスク板81には、スペーサ18…
を介してマスク固定板19が取り付けられている。マス
ク板81およびマスク固定板19とスペーサ18…と
は、それぞれサラネジ20…により固定されている。マ
スク固定板19は、図3に示すように大型の板に組み込
まれており(図では一体に表している)、保持板21が
取り付けられて、この保持板21の端部に設けられた取
付部材22にて真空処理室2の内壁面に固定されてい
る。また、マスク固定板19にも、マスク板81・82
と同様に、円形の円孔19aが設けられている。
【0046】モニタファラデー12およびサプレッサリ
ング13は、それぞれ長手方向の両端にフランジ12a
・12aとフランジ13a・13aとが設けられてお
り、これらのフランジ12a・12aおよびフランジ1
3a・13aに挿通されたボルト22・22によりマス
ク8に固定されている。ボルト22の周囲には、マスク
板81とフランジ13aとの間、フランジ13aとフラ
ンジ12aとの間、およびフランジ12aとボルト頭部
との間に、それぞれ支持碍子23…が介装されている。
これにより、マスク板81とサプレッサリング13との
間隔およびサプレッサリング13とモニタファラデー1
2との間隔が確保されている。
【0047】モニタファラデー12およびサプレッサリ
ング13は、図示しないが、マスク板81の側方端部側
が深くなるように傾斜して抉られている取付面に固定さ
れているので、マスク8に対し傾斜して配される。
【0048】一方、マスク固定板19には、モニタファ
ラデー12およびサプレッサリング13を円孔8a側で
覆うファラデーカバー24がビス25・25により固定
されている。そして、このファラデーカバー24には、
モニタファラデー12およびサプレッサリング13を真
空処理室2の内壁面側で覆うカバー蓋26がビス27に
より固定されている。さらに、マスク固定板19のファ
ラデーケージ7側の面には、サプレッサリング10がス
ペーサ28…を介して固定されている。
【0049】上記のように構成されるイオン注入装置で
は、コンタミ処理装置17が走査電源4に電圧コントロ
ール信号を与えることにより、水平走査電極3がマスク
8にイオンビームを水平方向に掃引する。一方、図示し
ない垂直走査電極は、電圧が印加されないため垂直方向
のビームスキャンを行なわない。
【0050】このとき、モニタファラデー12・12に
より検出されたビーム電流量が、切替器15を介してビ
ーム電流計測器16に与えられて計測される。コンタミ
処理装置17では、その計測結果に基づいてビーム観測
が行なわれる。このとき、走査電圧とビーム電流量との
関係は図4に示すようになる。
【0051】同図においては、メインビーム量が最も多
く検出される一方、わずかではあるがコンタミビーム量
が検出されている。このとき、メインビームを表す曲線
部の面積SM およびコンタミビームを表す曲線部の面積
C は、それぞれメインビームとコンタミビームとがス
リット孔8bを通過する間、すなわち走査電圧がV1
らV2 に変化する間において、各電圧で観測する電流値
の総和(積分値)を表している。
【0052】コンタミ処理装置17では、上記のSM
よびSC に基づいて、比率Pが、 P=SC /(SM +SC ) という式にしたがって計算される。そして、この比率が
所定の比率を越えているときは、コンタミビームが許容
範囲を越えて混在しているので、注入インタロックの作
動により注入が停止する。
【0053】ところで、モニタファラデー12(12−
1)によりビーム電流量を検出する場合、走査電圧が低
いので、ビームの偏向角度が全体に小さくなる。水平走
査電極3によるビーム偏向角がE/q(E:ビームエネ
ルギー、q:ビーム電荷価数)に関係することは前述の
通りであるが、この場合では、図5に示すように、主に
E/q<E’/q’(E/q:メインビーム、E’/
q’:コンタミビーム)となる範囲でビームのエネルギ
ースペクトルが観測される。したがって、メインビーム
に近接するコンタミビーム(表1の(2) 参照)は分離で
きないが、メインビームと離間しているコンタミビーム
(表1の(3) 参照)は走査電圧Aより高い計測域で全量
観測(斜線部分)できる。
【0054】一方、モニタファラデー12(12−2)
によりビーム電流量を検出する場合、走査電圧が高いの
で、ビームの偏向角度が全体に大きくなる。この場合
は、図6に示すように、メインビーム近傍の走査電圧A
より低い計測域でもビームのエネルギースペクトルが観
測されるので、メインビームに近接するコンタミビーム
(表1の(2) 参照)の分離(斜線部分)も可能になる。
【0055】以上述べたように、本実施例に係るイオン
注入装置では、それぞれ異なる位置に配されたモニタフ
ァラデー12・12により検出されたビーム電流によ
り、異なる範囲でビームのエネルギー分布を観測するこ
とができる。それゆえ、通常の走査電圧にて比較的簡単
な構成でコンタミビームをメインビームと分離して観測
することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明のビームエネルギーモニタ装置
は、以上のように、ビーム電流量を検出する検出器が、
マスクに開口部のビーム走査方向の両側に2つ設けられ
た副開口部を通過するビームの電流量を検出するように
副開口部毎に設けられるとともに、走査前のビームの中
心軸に対し互いに異なる距離に配設されているので、検
出されるビームの走査における偏向範囲が検出器毎に異
なり、それぞれの検出器の検出結果に基づいてモニタさ
れるエネルギー分布のモニタレンジが異なる。すなわ
ち、検出器がビームの中心軸に対し近い場合は、エネル
ギー分布のモニタレンジが荒くなり、検出器がビームの
中心軸に対し遠い場合は、エネルギー分布のモニタレン
ジが細かくなる。
【0057】それゆえ、エネルギー分布のモニタレンジ
が荒い部分では、所要のメインビームとこれに離間する
コンタミビームとを全量モニタし、エネルギー分布のモ
ニタレンジが細かい部分では、所要のメインビームとこ
れに近接するコンタミビームとを分離してモニタすれ
ば、メインビームとコンタミビームとを完全に分離して
把握することができる。
【0058】したがって、本発明のビームエネルギーモ
ニタ装置を採用すれば、高い走査電圧を必要とすること
なく、また簡単な構成により、高い分解能でビームエネ
ルギーの分布状態をモニタすることができるという効果
を奏する。
【0059】また、上記のビームエネルギーモニタ装置
において、両検出器により検出されたビーム電流量に基
づいてモニタされるビームのエネルギー分布域が所要と
されるビームのエネルギーの近傍のエネルギーで重複す
るような位置に両検出器が配設されていることにより、
メインビームのエネルギーと近接しているコンタミビー
ムのエネルギーの観測を確実に行なうことができる。
【0060】したがって、上記の構成を採用すれば、モ
ニタの信頼性をより向上させることができるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るイオン注入装置のビー
ムエネルギーモニタ装置を含む主要部の構成を示す平面
図である。
【図2】マスク板およびマスク板へのモニタファラデー
等の取付構造を示す正面図および側面図である。
【図3】マスク板の真空処理室における配置構成を示す
平面図である。
【図4】走査電圧と図1のビームエネルギーモニタ装置
により検出されるビーム電流量との関係を示すグラフで
ある。
【図5】図1のビームエネルギーモニタ装置における一
方のモニタファラデーにより観測されるビーム強度と走
査電圧との関係を示すグラフである。
【図6】図1のビームエネルギーモニタ装置における他
方のモニタファラデーにより観測されるビーム強度と走
査電圧との関係を示すグラフである。
【図7】従来のビームエネルギーモニタ装置におけるセ
ンタファラデーにより観測されるビーム強度のエネルギ
ー分布を示すグラフである。
【図8】従来のイオン注入装置のビームエネルギーモニ
タ装置を含む主要部の構成を示す平面図である。
【図9】従来のイオン注入装置において水平走査電極に
よる偏向角度が小さい場合のビームラインを示す説明図
である。
【図10】従来のイオン注入装置において水平走査電極
による偏向角度が大きい場合のビームラインを示す説明
図である。
【図11】図9の場合のビーム強度と走査電圧との関係
を示すグラフである。
【図12】図10の場合のビーム強度と走査電圧との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】 3 水平走査電極 4 走査電源 8 マスク 8a 円孔(開口部) 8b スリット孔(副開口部) 12 モニタファラデー(検出器) 16 ビーム電流計測器 17 コンタミ処理装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/265

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一定方向に走査されるビームのビーム照射
    断面積を規定する開口部を有するマスクの下流側にビー
    ム電流量を検出する検出器を備え、この検出器により検
    出されたビーム電流量に基づいてビームのエネルギー分
    布をモニタするビームエネルギーモニタ装置において、 上記検出器が、上記マスクの開口部のビーム走査方向の
    両側に2つ設けられた副開口部を通過するビームの電流
    量を検出するように副開口部毎に設けられるとともに、
    走査前のビームの中心軸に対し互いに異なる距離に配設
    されていることを特徴とするビームエネルギーモニタ装
    置。
  2. 【請求項2】上記両検出器により検出されたビーム電流
    量に基づいてモニタされるビームの各エネルギー分布域
    が所要とされるビームのエネルギーの近傍のエネルギー
    で重複するような位置に上記両検出器が配設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のビームエネルギーモ
    ニタ装置。
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