JPH08114916A - 平版印刷版作成用感光性材料及び平版印刷版の作成方法 - Google Patents

平版印刷版作成用感光性材料及び平版印刷版の作成方法

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JPH08114916A
JPH08114916A JP6247968A JP24796894A JPH08114916A JP H08114916 A JPH08114916 A JP H08114916A JP 6247968 A JP6247968 A JP 6247968A JP 24796894 A JP24796894 A JP 24796894A JP H08114916 A JPH08114916 A JP H08114916A
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JP6247968A
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Tatsuichi Maehashi
達一 前橋
Shinji Matsumoto
晋治 松本
Takaaki Kuroki
孝彰 黒木
Sota Kawakami
壮太 川上
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザーの走査露光に適し、かつ保存安定性
に優れた平版印刷版作成用感光性材料、及びそれを用い
た平版印刷版の作成方法を提供する。 【構成】 親水性支持体上に、エチレン性不飽和結合を
少なくとも一つ有する化合物とバインダー成分と光重合
開始剤とを含有する感光性層及び保護層とをこの順に設
けてなる平版印刷版作成用感光性材料において、前記光
重合開始剤として少なくともカチオン染料と有機硼素化
合物アニオンとの塩と、その他の硼素塩化合物とを、
1:2〜1:5のモル比率で含有することを特徴とする
平版印刷版作成用感光性材料。及び、該平版印刷版作成
用感光性材料の感光性層にレーザーで像様に走査露光を
行った後、保護層及び感光性層の未露光部を溶出除去す
ることを特徴とする平版印刷版の作成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザー走査露光に適
し、保存安定性に優れる平版印刷版作成用感光性材料及
び、それを用いた平版印刷版の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光重合系を利用した感光性平版印刷版材
料、及びそれを利用する平版印刷版の作成方法は多数知
られている。例えば、付加重合又は架橋可能な化合物と
光重合開始剤、更に必要に応じて有機高分子化合物等よ
りなるバインダー成分とからなる感光性組成物を親水性
支持体上に塗布して感光性平版印刷版材料とし、その感
光性組成物層に像様露光して露光部分を硬化させ、未露
光部分を溶解除去して親油性の画像部を形成し、平版印
刷版とする方法が知られている。
【0003】これらの平版印刷版形成方法に利用される
感光性組成物の光重合開始剤としては、従来、ベンゾフ
ェノン、チオキサントン、キノン、チオアクリドン等の
芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンジル、ベンジルケタ
ール等が用いられている。これらは、その感光波長が紫
外線領域にある。従って、これらの光重合開始剤を含む
感光性組成物を有する感光性平版印刷版材料を使用して
平版印刷版を作成する一般的な方法は、感光性組成物
面、又はその上に設けられた透明保護層上に、所望画像
のネガパターンを遮光材料(例えば銀塩フィルム等)で
形成したマスク材料を密着し、水銀灯などの紫外光源で
露光した後、未露光部を溶出現像するものである。
【0004】近年、画像処理、光源、画像形成技術の進
歩に伴い、従来よりも長波の光に感度を有する感光性材
料が要望されている。1例を挙げると、通信回線により
伝送される画像信号、電子製版システムや画像処理シス
テムからの出力信号で、光源を変調し、感光性材料に直
接走査露光をして印刷版を形成する所謂ダイレクト製版
システムである。この時の光源としてはレーザーが適し
ている。特に小型で、低コストの、半導体レーザーの走
査露光で高解像度で印刷版を直接形成できる感光性平版
印刷版材料の開発が望まれていた。
【0005】可視光領域に感度を有する光重合開始系を
含有する感光性組成物については幾つかの技術が提案さ
れている。例えば、特開昭47-2528号、同54-155292号、
同48-84183号、同54-151024号、同60-88005号、同58-40
302号、同59-56403号、同59-189340号、同64-13142号、
特開平2-69号、同2-189548号等である。しかし、これら
は可視光感光性はあるが、未だ十分に実用的な感度とは
言えず、レーザー走査露光で直接印刷版を形成するには
長い露光時間が必要であり、実用的でなかった。又、使
用できるレーザー光源も、He-Neガスレーザー、Arガス
レーザー等の可視光域に発振波長を有するものに限定さ
れるので、現在最も小型、安価なレーザー光源である、
半導体レーザーを使用できず、大型の装置を必要として
いた。
【0006】高感度で、可視光以上の波長に分光増感で
きる光重合開始剤として、カチオン性染料と有機硼素ア
ニオンとの塩化合物を使用する技術が特開昭62-143044
号に開示されているが、硼素塩化合物を併用する技術、
及び750nm以上の波長への分光増感については何ら示唆
されていない。又、特開昭64-72150号には、750nm以上
の波長の光に感光性を有する有機カチオン性色素の有機
硼素化合物アニオン塩を含む感光性組成物が、更に、特
開昭64-13142号、特開平2-4804号には、カチオン性染料
増感剤と硼酸塩を含有する光重合開始剤が開示されてい
るが、これら特許に開示された光重合開始剤組成では感
度の経時変動(減感)が大きく、又、高照度短時間の露
光では十分な感度が得られなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、レーザーの走査露光に適し、かつ保存安定性に優れ
た平版印刷版作成用感光性材料、及びそれを用いた平版
印刷版の作成方法を提供することにあり、更には、半導
体レーザーの発振波長域である近赤外線領域に高い感光
性を有し、かつ保存安定性に優れた平版印刷版作成用感
光性材料、及びそれを用いた平版印刷版の作成方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者等は鋭意検討の結
果、以下の構成により上記目的を達成できることを見い
出した。即ち、親水性支持体上に、エチレン性不飽和結
合を少なくとも一つ有する化合物とバインダー成分と光
重合開始剤とを含有する感光性層及び保護層とをこの順
に設けてなる平版印刷版作成用感光性材料において、前
記光重合開始剤として少なくともカチオン染料と有機硼
素化合物アニオンとの塩と、その他の硼素塩化合物と
を、1:2〜1:5のモル比率で含有する平版印刷版作
成用感光性材料。
【0009】上記平版印刷版作成用感光性材料の感光性
層にレーザーで像様に走査露光を行った後、保護層及び
感光性層の未露光部を溶出除去する平版印刷版の作成方
法。
【0010】なお、カチオン染料として近赤外線吸収性
カチオン染料を用い、感光性層をパワー密度が5000W/
cm2以上の半導体レーザービームで走査露光することで
著しい高感度記録が可能となること、更に、前記硼素塩
化合物の中でも、特に有機燐化合物カチオンと有機硼素
化合物アニオンとの塩を、近赤外線吸収性カチオンとし
て特定構造を有するポリメチン型カチオン染料「化1」
を使用することで経時による保存性が著しく向上するこ
とを見い出した。
【0011】以下、本発明を詳述する。
【0012】本発明の平版印刷版作成用感光性材料は、
親水性支持体上に、感光性層及び保護層とをこの順に設
けることを基本的構成とする。
【0013】親水性支持体としては、アルミニウム、亜
鉛、銅、鋼等の金属板、並びにクロム、亜鉛、銅、ニッ
ケル、アルミニウム、鉄等が鍍金又は蒸着された金属
板、紙、プラスチックフィルム及びガラス板、樹脂が塗
布された紙、アルミニウム等の金属箔が張られた紙、親
水化処理したプラスチックフィルム等が挙げられる。こ
れらの内、好ましいのはアルミニウム板である。
【0014】本発明の支持体としては、砂目立て処理、
陽極酸化処理及び必要に応じて封孔処理等の表面処理が
施されたアルミニウム板を用いることがより好ましい。
これらの処理には公知の方法を用いることができる。
【0015】砂目立て処理の方法としては、例えば機械
的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。
機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、液
体ホーニングによる研磨法、バフ研磨法等が挙げられ
る。アルミニウム材の組成等に応じて、上述の各種方法
を単独あるいは組み合せて用いることができる。好まし
いのは電解エッチングによる方法である。
【0016】電解エッチングは、燐酸、硫酸、塩酸、硝
酸等の酸の単独又は2種以上混合した浴で行われる。砂
目立て処理の後、必要に応じてアルカリ又は酸の水溶液
によってデスマット処理を行い、中和して水洗する。陽
極酸化処理には、電解液として硫酸、クロム酸、蓚酸、
燐酸、マロン酸等を1種又は2種以上含む溶液を用いア
ルミニウム板を陽極として電解して行われる。
【0017】形成された陽極酸化皮膜量は1〜50mg/dm
2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2である。陽極
酸化皮膜量は、例えばアルミニウム板を燐酸・クロム酸
溶液に浸積して酸化皮膜を溶解し、板の皮膜溶解前後の
重量変化測定等から求められる。
【0018】封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、珪
酸ナトリウム処理、重クロム酸塩水溶液処理などが具体
的に挙げられる。この他に、アルミニウム板支持体に対
して、水溶性高分子化合物や弗化ジルコン等の金属塩水
溶液による下引処理を施すこともできる。
【0019】感光層には、エチレン性不飽和結合を少な
くとも一つ有する化合物、バインダー成分及び光重合開
始剤を必須成分として含有する。
【0020】エチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有
する化合物としては、公知のモノマーが特に制限なく使
用することができる。具体的モノマーとしては、2-エチ
ルヘキシルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクルレ
ート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート等の単官能ア
クリル酸エステル及びその誘導体、あるいはこれらのア
クリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネ
ート、マレエート等に代えた化合物;ポリエチレングリ
コールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリ
レート、ビスフェノールAジアクリレート、ヒドロキシ
ピバリン酸ネオペンチルグリコールのε-カプロラクト
ン付加物のジアクリレート等の2官能アクリル酸エステ
ル及びその誘導体、あるいはこれらのアクリレートをメ
タクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエー
ト等に代えた化合物;あるいはトリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペ
ンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、ピロガロールトリアクリレート等の多官能ア
クリル酸エステル及びその誘導体、あるいはこれらのア
クリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネ
ート、マレエート等に代えた化合物等を挙げることがで
きる。
【0021】又、適当な分子量のオリゴマーにアクリル
酸又はメタクリル酸を導入し、光重合性を付与した所謂
プレポリマーと呼ばれるものも好適に使用できる。この
他に、特開昭58-212994号、同61-6649号、同62-46688
号、同62-48589号、同62-173295号、同62-187092号、同
63-67189号、特開平1-244891号等に記載の化合物などを
挙げることができ、更に、「11290の化学商品」化学工
業日報社,286〜294頁に記載の化合物、「UV・EB硬
化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会,11〜65頁に
記載の化合物なども好適に用いられる。
【0022】これらの中でも、分子内に2個以上の(メ
タ)アクリル基を有する化合物が好ましく、更に分子量
が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが望ま
しい。又、これらのモノマーあるいはプレポリマーのう
ち1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0023】エチレン性不飽和基を有する化合物は、感
光層中に好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜
60重量%含有される。
【0024】バインダー樹脂としては公知の種々のポリ
マーを使用することができる。具体的なバインダーの例
は米国特許4,072,527号に記載されており、より好まし
くは特開昭54-98613号に記載されるような芳香族性水酸
基を有する単量体、例えばN-(4-ヒドロキシフェニル)ア
クリルアミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)メタクリルア
ミド、o-、m-又はp-ヒドロキシスチレン、o-、m-又はp-
ヒドロキシフェニルメタクリレート等と他の単量体との
共重合体、米国特許4,123,276号に記載されるようなヒ
ドロキシエチルアクリレート単位又はヒドロキシエチル
メタクリレートを含むポリマー、シェラック、ロジン等
の天然樹脂、ポリビニルアルコール、米国特許3,751,25
7号に記載されるようなポリアミド樹脂、米国特許3,66
0,097号に記載されるような線状ポリウレタン樹脂、ポ
リビニルアルコールのフタレート化樹脂、ビスフェノー
ルAとエピクロルヒドリンから縮合されたエポキシ樹
脂、酢酸セルロース、セルロースアセテートフタレート
等のセルロース樹脂が挙げられる。これら樹脂の中か
ら、1種又は2種以上のものを組み合わせて用いること
ができる。
【0025】光重合開始剤としては、下記一般式(1)
で表されるカチオン染料と硼素化合物アニオンとの塩
と、その他の硼素塩化合物が用いられる。好ましいカチ
オン染料と硼素塩化合物アニオンとの塩として化合物群
(A)及び(B)を後に例示するが、特に化合物群
(A)で表される化合物を用いることで近赤外領域の光
源で画像形成を行うことが可能となり、近年、進歩の著
しい半導体レーザーでの走査露光が可能となる。
【0026】
【化2】
【0027】式中、Dye+はカチオン性色素を表し、
1、R2、R3及びR4は各々、同じでも異なってもよ
く、それぞれ置換又は非置換のアルキル基、アリール
基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基又はシアノ
基を表す。ただし、R1、R2、R3及びR4の少なくとも
一つはアルキル基であり、又、R1〜R4の2個以上が互
いに結合して環を形成してもよい。
【0028】Dye+で表されるカチオン性色素の具体例と
しては、特開昭62-143044号、同63-208036号、同64-842
45号、同64-88444号、特開平1-152108号、同3-202609号
等に記載のものを用いることができる。
【0029】一般式(1)の中でも特に好ましい化合物
は、下記一般式(2)で表されるポリメチン色素であ
る。
【0030】
【化3】
【0031】式中、R1〜R5は各々、水素原子、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、
スチリル基又は複素環基を表し、各置換基は更に置換基
を有してもよい。mは0又は1、nは0〜2の整数を表
す。X-は硼素化合物アニオンを表す。
【0032】具体例は後述化合物群(A)中のIR−16
〜38である。
【0033】好ましい化合物の具体例を以下に挙げる。
【0034】化合物群(A)
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】化合物群(B)
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】その他の硼素塩化合物は下記一般式(3)
で表される。
【0048】
【化15】
【0049】式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ
前記一般式(1)で定義されたものと同義であり、Y+
はカチオン染料以外のカウンターカチオン(例えばアル
カリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウ
ムカチオン等の5A族オニウム化合物、スルホニウム、
テルロニウム等の6A族オニウム化合物等)を表す。
【0050】該化合物の具体例は特開昭64-13142号、特
開平2-4804号に記載されている。好ましいカウンターカ
チオンとしては、アルカリ金属カチオン、アンモニウム
カチオン、ホスホニウムカチオンが挙げられるが、その
中でもホスホニウムカチオンが特に好ましい。
【0051】一般式(1)で表される化合物と一般式
(3)で表される化合物の添加量比は、1:2〜1:5
(モル比)であることが必要である。
【0052】一般式(1)及び(3)で表される化合物
の感光層中での添加総量は、感光層固形分総量100重量
部当たり0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部
の範囲である。
【0053】感光層には、必要に応じて増感剤、熱重合
禁止剤、酸素補足剤、可塑剤、酸化防止剤、フィラー、
感脂化剤、塗布性改良剤、染料や顔料等の色素などの添
加剤を含有させることができる。
【0054】増感剤としては特開昭64-13140号に記載の
トリアジン系化合物、特開昭64-13141号に記載の芳香族
オニウム塩、芳香族ハロニウム塩、特開昭64-13143号に
記載の有機過酸化物、特公昭45−37377号や米国特許3,6
52,275号に記載のビスイミダゾール化合物、チオール類
等が挙げられる。増感剤の添加量は、エチレン性不飽和
結合を有する重合可能な化合物とバインダーの合計量10
0重量部に対して、10重量部以下、好ましくは0.01〜5
重量部が添加される。
【0055】熱重合禁止剤としては、キノン系、フェノ
ール系等の化合物が好ましく用いられる。例えばハイド
ロキノン、ピロガロール、p-メトキシフェノール、カテ
コール、β-ナフトール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾー
ル等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する重合
可能な化合物とバインダーの合計量100重量部に対して1
0重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部添加される。
【0056】酸素補足剤としてはN,N-ジアルキルアニリ
ン誘導体が好ましく、例えば米国特許4,772,541号の第1
1カラム58行目〜第12カラム35行目に記載の化合物が挙
げられる。
【0057】可塑剤としては、フタル酸エステル類、ト
リメリット酸エステル類、アジピン酸エステル類、その
他飽和又は不飽和カルボン酸エステル類、枸櫞酸エステ
ル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、ステア
リン酸エポキシ類、正燐酸エステル類、亜燐酸エステル
類、グリコールエステル類などが挙げられる。
【0058】酸化防止剤としては、クロマン系化合物、
クラマン系化合物、フェノール系化合物、ハイドロキノ
ン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン系
化合物、硫黄系化合物、燐系化合物などが挙げられ、特
開昭59-182785号、同60-130735号、同61-159644号、特
開平1-127387号、「11290の化学商品」(前出),862〜
868頁等に記載の化合物、及び写真その他の画像記録材
料の耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げる
ことができる。
【0059】フィラーとしては無機微粒子や有機樹脂粒
子を挙げることができる。無機微粒子としては、シリカ
ゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バ
リウム、タルク、クレー、カオリン、酸性白土、活性白
土、アルミナ等を挙げることができ、有機微粒子として
は、弗素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂
粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子が挙げられる。
【0060】感脂化剤としては、例えば特開昭55-527号
記載のスチレン・無水マレイン酸共重合体のハーフエス
テル化物や、ラウリル基、ステアリル基、t-ブチル基の
ような親油性の高い基を有するアクリルモノマーが挙げ
られる。
【0061】塗布性を改良するためにアルキルエーテル
類(例えばエチルセスロース、メチルセルロース)、弗
素系界面活性剤類や、ノニオン系界面活性剤(例えばプ
ルロニックL−64:旭電化社製)等が挙げられる。
【0062】着色剤は公知の染料、顔料を広く用いるこ
とができる。
【0063】感光性層の上には、空気中の酸素による重
合禁止作用を防止するために、例えばポリビニルアルコ
ール、酸性セルロース類などのような酸素遮断性に優れ
たポリマーよりなる保護層を設けることが好ましい。
【0064】保護層は適当な溶剤に溶解したものを塗布
・乾燥して設けてもよいし、ポリマーフィルム等を貼り
合わせてもよい。ポリマーフィルムのポリマーとして
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール、エチレン/ポリビニルアル
コール(エバール)等が好ましい。更に、保護層として
は、感光層の活性光線に対する透過率が80%以上のもの
が好ましい。
【0065】上述の如く形成された感光性材料に活性光
線で像様露光を施した後、現像液で未露光部を溶出する
ことにより印刷版を形成できる。
【0066】露光用の光源としては、感光層内に含有し
ている光重合開始剤系の感光波長領域の光であれば如何
なる光源でも使用できる。特に、重合開始剤が吸収波長
700nm以上である近赤外線吸収性カチオン染料と有機硼
素化合物アニオンとの塩を含有する場合は、半導体レー
ザーが光源として好ましく用いられる。
【0067】半導体レーザーを用いる場合は、記録感度
の点から、画像露光する光源のパワー密度は5000W/cm
2以上であることが特に好ましい。
【0068】本発明で用いられる現像液はアルカリ水溶
液が好ましく、例えば珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第三燐酸ナトリウ
ム、第二燐酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等の水溶液の如きアルカリ水溶液がある。
【0069】アルカリ水溶液の濃度は、感光性組成物及
びアルカリの種類により異なるが、概して0.1〜10重量
%の範囲が適当であり、又、必要に応じて界面活性剤や
アルコールなどの有機溶媒(例えば0.1〜20重量%)を
加えることもできる。
【0070】本発明で用いられるネガ型及びポジ型用現
像液は、アルカリ剤、有機溶媒、アニオン系界面活性
剤、水溶性還元剤及び非イオン系界面活性剤及び/又は
カチオン系界面活性剤などを含有する。
【0071】アルカリ剤としては、珪酸ナトリウム、珪
酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化リチウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸ナトリ
ウム、第三燐酸カリウム、第二燐酸カリウム、第三燐酸
アンモニウム、第二燐酸アンモニウム、重炭酸ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム
等の無機アルカリ剤、モノ-、ジ-又はトリエタノールア
ミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム等の有機アル
カリ剤及び有機珪酸アンモニウム等が有用である。これ
らの中で珪酸塩アルカリが最も好ましい。
【0072】現像液中のアルカリ剤の含有量は0.05〜20
重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量
%である。
【0073】有機溶媒としては、20℃で水に対する溶解
度が10重量%以下のものが好ましいが、具体的に酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、エチ
レングリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル、レ
ブリン酸ブチル等の酸エステル;エチルブチルケトン、
メチルi-ブチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類;
エチレングリコールモノブチルエステル、エチレングリ
コールベンジルモノフェニルエーテル、ベンジルアルコ
ール、エチルフェニルカルビノール、アミルアルコー
ル、メチルアミルアルコール等のアルコール類;キシレ
ンなどのアルキル置換芳香族炭化水素;メチレンジクロ
ライド、エチレンジクロライド、モノクロロベンゼン等
のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これらの有機
溶媒は2種以上を併用してもよい。
【0074】該有機溶媒は、ネガ型とポジ型の両印刷板
に対して現像性向上のための優れた添加剤である。有機
溶媒の含有量は、一般に0.0001〜20重量%が好ましい。
又、アニオン系界面活性剤としては、高級アルコール
(C8〜C22)の硫酸エステル類(例えばラウリルアル
コールサルフェートのナトリウム塩、ラウリルアルコー
ルサルフェートのアンモニウム塩「ティーポールB-81:
シェル化学製」、オクチルアルコールサルフェートのナ
トリウム塩、第2ナトリウムアルキルサルフェート
等)、脂肪族アルコール燐酸エステル塩類(例えばセチ
ルアルコール燐酸エステルのナトリウム塩)、アルキル
アリールスルホン酸塩類(例えばドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、i-プロピルナフタレンスルホン酸ナ
トリウム、ジナフタレンジスルホン酸ナトリウム、m-ニ
トロベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、アルキルアミ
ドのスルホン酸塩類(例えばC17H33CONHCH2CH2SO3N
a)、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類(例え
ばナトリウムスルホ琥珀酸ジオクチル、ナトリウムスル
ホ琥珀酸ジヘキシル等)等が挙げられる。これらの中で
もアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましい。
【0075】これらアニオン系界面活性剤の濃度は0.2
〜10重量%の範囲が好ましく、特に1〜5重量%が好ま
しい。
【0076】本発明で用いられる現像液には水溶性還元
剤が含有されるが、この水溶性還元剤としては有機及び
無機の還元剤が含まれる。
【0077】有機還元剤としては、例えばハイドロキノ
ン、メトール、メトキシキノン等のフェノール化合物;
フェニレンジアミン、フェニルヒドラジン等のアミン化
合物があり、無機の還元剤としては、例えば亜硫酸ナト
リウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸
水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸塩;亜
燐酸ナトリウム、亜燐酸カリウム、亜燐酸水素ナトリウ
ム、亜燐酸水素カリウム、亜燐酸二水素ナトリウム、亜
燐酸水素二カリウム等の亜燐酸塩;ヒドラジン、チオ硫
酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム等を挙げること
ができるが、本発明においては亜硫酸塩が特に好まし
い。
【0078】上記の水溶性還元剤の水溶性という意味
は、アルカリ可溶性をも含むものである。これら水溶性
還元剤は、現像液中に0.1〜10重量%、より好ましくは
0.5〜5重量%の範囲で含有される。
【0079】更に、現像液には、非イオン系及び/又は
カチオン系界面活性剤を含有することが好ましい。
【0080】非イオン系界面活性剤としては各種の化合
物を用い得るが、ポリエチレングリコール系化合物と多
価アルコール系化合物とに大別できるが、ポリエチレン
グリコール系化合物がより好ましい。中でも、エチレン
オキシ単位が3以上の繰返し構造を有し、かつHLB値
(Hydrophile-Lipophile Balance)が5以上、更に好ま
しくは10〜20の非イオン系界面活性剤である。好ましい
非イオン系界面活性剤を一般式で示すと以下の通りであ
る。
【0081】
【化16】
【0082】ここでRは有機置換基を表し、m、n、
a、b及びcは各々1〜40の整数を表す。
【0083】上記一般式で表される化合物の具体例とし
ては、エチレングリコール、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリ
オキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンス
テアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンベヘニルエーテル、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオ
レイルアミン、ポリオキシエチレンステアリン酸アミ
ド、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン
アビエチルエーテル、ポリオキシエチレンラノリンエー
テル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシ
エチレンモノステアレート、ポリオキシエチレングリセ
リルモノオレート、ポリオキシエチレングリセリルモノ
ステアレート、ポリオキシエチレンプロピレングリコー
ルモノステアレート、ポリオキシエチレンプロピレンブ
ロックポリマー、ジスチレン化フェノールポリエチレン
オキシド付加物、トリベンジルフェノールポリエチレン
オキシド付加物、オクチルフェノールポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレン付加物、グリセロールモノステ
アレート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
【0084】これらの非イオン系界面活性剤の添加量は
0.001〜1.0重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜1.
0重量%の範囲である。又、非イオン系界面活性剤の重
量平均分子量は300〜50,000が好ましく、特に好ましく
は500〜50,000である。
【0085】一方、本発明で好ましく用いられるカチオ
ン系界面活性剤としては各種の化合物があるが、有機ア
ミン系化合物と第4級アンモニウム塩化合物を挙げるこ
とができる。
【0086】有機アミン系化合物としては、ポリオキシ
エチレンアルキルアミン、N-アルキルプロピレンジアミ
ン、N-アルキルポリエチレンポリアミン、N-アルキルポ
リエチレンポリアミンジメチル硫酸塩、アルキルビグア
ニド、長鎖アミンオキシド、アルキルイミダゾリン、1-
ヒドロキシエチル-2-アルキルイミダゾリン、1-アセチ
ルアミノエチル-2-アルキルイミダゾリン、2-アルキル-
4-メチル-4-ヒドロキシメチルオキサゾリン等が、又、
第4級アンモニウム塩化合物としては、長鎖第1級アミ
ン塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキル
ジメチルアンモニウム塩、アルキルメチルアンモニウム
塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキ
ルピリジニウム塩、アルキルキノリニウム塩、アルキル
イソキノリニウム塩、アルキルピリジニウム硫酸塩、ス
テアミドメチルピリジニウム塩、アシルアミノエチルジ
エチルアミン塩、アシルアミノエチルメチルジエチルア
ンモニウム塩、アルキルアミドプロピルジメチルベンジ
ルアンモニウム塩、脂肪族ポリエチレンポリアミドアシ
ルアミノエチルピリジニウム塩、アシルコラミノホルミ
ルメチルピリジニウム塩、ステアロオキシメチルピリジ
ニウム塩、脂肪族トリエタノールアミン、脂肪族トリエ
タノールアミン蟻酸塩、トリオキシエチレン脂肪酸トリ
エタノールアミン、脂肪族ジブチルアミノエタノール、
セチルオキシメチルピリジニウム塩、p-i-オクチルフェ
ノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩
などがある。
【0087】これらの化合物の中では、水溶性の第4級
アンモニウム塩のカチオン系界面活性剤が特に優れてお
り、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメ
チルベンジルアンモニウム塩、エチレンオキシド付加ア
ンモニウム塩などを挙げることができる。又、カチオン
成分を繰返し単位として有する重合体も一般的にはカチ
オン系界面活性剤であり、本発明の目的達成に効果があ
る。特に、親油性モノマーと共重合して得られる第4級
アンモニウム塩を含む重合体は好適に用いられる。
【0088】カチオン系界面活性剤の添加量は、非イオ
ン系界面活性剤と同じく0.001〜5重量%が好ましく、
0.01〜1.0重量%の範囲がより好ましい。又、重量平均
分子量は300〜50,000が好ましく、特に好ましくは500〜
5,000である。
【0089】現像液には、更に現像性を高めるために、
例えば特開昭58-75152号記載の塩化ナトリウム、塩化カ
リウム、臭化カリウム等の中性塩;特開昭58-190952号
記載のエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸等のキ
レート剤;特開昭59-121336号記載の[Co(NH3)6]Cl3等の
錯体;特開昭50-51324号記載のアルキルナフタレンスル
ホン酸ナトリウム、N-テトラデシル-N,N-ジヒドロキシ
エチルベタイン等のアニオン又は両性界面活性剤;特開
昭55-95946号記載のp-ジメチルアミノメチルオリスチレ
ンのメチルクロライド4級化物などのカチオニックポリ
マー;特開昭56-142528号記載のビニルベンジルトリメ
チルアンモニウムクロリドとアクリル酸ナトリウムの共
重合体などの両性高分子電解質;特開昭57-192952号記
載の還元性無機塩;特開昭58-59444号記載の塩化リチウ
ム等の無機リチウム化合物;特開昭50-34442号記載の安
息香酸リチウム等の有機リチウム化合物;特開昭59-752
55号記載のSi、Ti等を含む有機金属界面活性剤;特開昭
59-84241号記載の有機硼素化合物などの添加剤を加える
ことができる。
【0090】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されない。なお、特に断りな
き限り、「部」は「重量部」を表す。
【0091】実施例1 (支持体の作成)厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質10
50,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム
水溶液に浸漬し、1分間脱脂処理を行った後、水洗し
た。脱脂したアルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩
酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。
【0092】次いで、このアルミニウム板を1.0重量%
の塩酸水溶液中、25℃、100A/dm2で交流電流により60
秒間電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化
ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行っ
た。この粗面化アルミニウム板を 40%燐酸溶液中で、3
0℃、4A/dm2で6分間陽極酸化処理を行い、更に硅酸
ナトリウムで封孔処理を行って支持体を作成した。
【0093】(感光性平版印刷版の作成)上記支持体上
に、下記組成の感光性層塗布液をワイヤーバーを用いて
乾燥膜厚2.0μmとなるように塗布し感光性層を形成し
た。
【0094】感光性層塗布液 バインダー樹脂 50部 (ヒドロキシエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ ブチルアクリレート/アクリル酸=30/50/5/15) モノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート) 50部 光重合開始剤(例示化合物:IR−1) 5部 硼素塩化合物 5部 (テトラブチルアンモニウム・ブチルトリフェニルボレート) メチルエチルケトン 400部 カチオン染料と有機硼素化合物アニオンとの塩と硼素塩
化合物とのモル比は1:2.4である。
【0095】感光性層上に、更にポリビニルアルコール
(日本合成化学社製:ゴーセノールGL−05)の10%水溶
液を乾燥膜厚2.0μmとなるようにワイヤーバーで塗布・
乾燥した。更に、遮光下で80℃で2分間熱処理して感光
性材料試料1とした。
【0096】(画像の作成)作成した感光性材料試料1
を以下の条件で画像露光した。
【0097】光源:LT090MD(シャープ社製,出力100m
W,主波長830nm) 光学効率:67% 露光ビーム径:1/e2=10μm(パワー密度:85307W/
cm2) 露光ピッチ:6μm 露光後の試料を下記組成の現像液に25℃で45秒浸漬して
保護層及び未露光部の感光層を溶出したものを水洗後乾
燥して画像を得た。
【0098】 ベンジルアルコール 360部 ジエタノールアミン 210部 ペレックスNBL 180部 (花王社製:t-ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム) 亜硫酸カリウム 90部 水 3000部 得られた画像を以下のように評価した。
【0099】《感度》画像形成に必要な最低露光エネル
ギー(10μmの線幅が再現できる露光量)。
【0100】《保存性》55℃・20%RHに7日間保存後の
感度。
【0101】実施例2 実施例1の感光性材料試料1の感光性層塗布液中、硼素
塩化合物を8部のリチウムブチルトリフェニルボレート
に代えた以外は実施例1と同様に材料試料2を作成し、
画像を形成し同様に評価した。
【0102】実施例3 実施例1の感光性材料試料1の感光性層塗布液中、硼素
塩化合物を5部のテトラブチルホスホニウム・ブチルト
リフェニルボレートに代えた以外は実施例1と同様に材
料試料3を作成し、以下の条件でレーザー露光を行い、
画像形成に必要な露光量を測定した。
【0103】光源:LT090MD(シャープ社製,出力100m
W,主波長830nm 光学効率:1〜67%(NDフィルターにより調整) 露光ビーム径:1/e2=10μm(パワー密度:1273〜853
07W/cm2) 結果を併せて以下に示す。
【0104】 パワー密度が5000W/cm2付近より大きいところで、必
要露光エネルギーが小さくなることが解った。
【0105】実施例4 感光性層塗布液組成を以下のものに変更した以外は実施
例1と同様に材料5を作成し、画像を形成し実施例1と
同様に評価した。
【0106】感光性層塗布液 バインダー樹脂 50部 (ヒドロキシエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ ブチルアクリレート/アクリル酸=30/50/5/15) モノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート) 50部 光重合開始剤(例示化合物:IR−12) 5部 硼素塩化合物 8部 (リチウムブチルトリフェニルボレート) メチルエチルケトン 400部 比較例1 実施例1の感光性材料試料1の感光性層塗布液中、硼素
塩化合物(テトラブチルアンモニウム・ブチルトリフェ
ニルボレート)量を3部にした以外は実施例1と同様に
材料試料6を作成し、画像を形成し実施例1と同様に評
価した。
【0107】比較例2 実施例1の感光性材料試料1の感光性層塗布液中、硼素
塩化合物(テトラブチルアンモニウム・ブチルトリフェ
ニルボレート)量を20部にした以外は実施例1と同様に
材料試料7を作成し、画像を形成し実施例1と同様に評
価した。
【0108】結果は以下の通りである。
【0109】 実験No. 試料No. D/B 感 度 保存後感度 備 考 (モル比) (mJ/cm2) (mJ/cm2) 7 1 1/2.4 1.2 1.4 本発明 8 2 1/5.0 0.7 1.5 本発明 9 3 1/2.3 0.8 0.9 本発明 10 5 1/4.5 1.0 2.0 本発明 11 6 1/1.5 3.5 8.5 比 較 12 7 1/9.6 1.2 7.5 比 較 *D/B=カチオン染料と有機硼素化合物アニオンとの塩/硼素塩化合物 上記の結果より、カチオン染料と有機硼素化合物アニオ
ンとの塩と、その他の硼素塩化合物との添加比率が1:
2〜1:5(モル比)の時に、感度、経時安定性が優れ
ていることが解る。
【0110】実施例5 実施例3のカチオン染料と有機硼素化合物アニオンとの
塩(D)を以下のように変更して、本発明に係る材料試
料8〜10を作成し、実施例1と同様に画像を形成し同様
に評価した。結果を以下に示す。
【0111】 実験No. 試料No. Dの種類 添加量 B添加量 D/B 感 度 保存後感度 (モル比) (mJ/cm2) (mJ/cm2) 13 8 IR−7 5部 8.9部 1/2.3 1.2 1.5 14 9 IR−10 5部 8.6部 1/2.3 0.9 1.1 15 10 IR−19 5部 9.7部 1/2.3 1.1 1.3
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、半導体レーザーの発振
波長域である近赤外線領域に高い感光性を有し、かつ保
存安定性に優れた平版印刷版作成用感光性材料を用いる
ことにより、簡便に高品質の平版印刷版を提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 壮太 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性支持体上に、エチレン性不飽和結
    合を少なくとも一つ有する化合物とバインダー成分と光
    重合開始剤とを含有する感光性層及び保護層とをこの順
    に設けてなる平版印刷版作成用感光性材料において、前
    記光重合開始剤として少なくともカチオン染料と有機硼
    素化合物アニオンとの塩と、その他の硼素塩化合物と
    を、1:2〜1:5のモル比率で含有することを特徴と
    する平版印刷版作成用感光性材料。
  2. 【請求項2】 前記カチオン染料が750nm以上に吸収を
    有する近赤外線吸収性染料であることを特徴とする請求
    項1記載の平版印刷版作成用感光性材料。
  3. 【請求項3】 前記近赤外線吸収性染料が下記一般式
    (2)で表されるポリメチン色素であることを特徴とす
    る請求項2記載の平版印刷版作成用感光性材料。 【化1】 〔式中、R1〜R5は各々、水素原子、アルキル基、シク
    ロアルキル基、アリール基、アラルキル基、スチリル基
    又は複素環基を表し、各置換基は更に置換基を有しても
    よい。mは0又は1、nは0〜2の整数を表す。X-
    硼素化合物アニオンを表す。〕
  4. 【請求項4】 前記その他の硼素塩化合物が有機燐化合
    物カチオンと有機硼素化合物アニオンとの塩であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の平版印刷版
    作成用感光性材料。
  5. 【請求項5】 親水性支持体上に、エチレン性不飽和結
    合を少なくとも一つ有する化合物とバインダー成分と、
    光重合開始剤として少なくともカチオン染料と有機硼素
    化合物アニオンとの塩と、その他の硼素塩化合物とを
    1:2〜1:5のモル比率で含有する感光性層及び保護
    層とをこの順に設けてなる平版印刷版作成用感光性材料
    を用いる平版印刷版の作成方法において、前記感光性層
    にレーザーで像様に走査露光を行った後、保護層及び感
    光性層の未露光部を溶出除去することを特徴とする平版
    印刷版の作成方法。
  6. 【請求項6】 前記レーザーが近赤外線領域に発振波長
    を有することを特徴とする請求項5記載の平版印刷版の
    作成方法。
  7. 【請求項7】 パワー密度が5000W/cm2以上のレーザ
    ービームにより像様の走査露光を行うことを特徴とする
    請求項5又は6記載の平版印刷版の作成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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