JPH08114795A - 表示装置及びそれを用いた表示システム - Google Patents

表示装置及びそれを用いた表示システム

Info

Publication number
JPH08114795A
JPH08114795A JP6250451A JP25045194A JPH08114795A JP H08114795 A JPH08114795 A JP H08114795A JP 6250451 A JP6250451 A JP 6250451A JP 25045194 A JP25045194 A JP 25045194A JP H08114795 A JPH08114795 A JP H08114795A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical control
display
control element
light
viewing angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6250451A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Hasegawa
誠 長谷川
Masahito Shoji
雅人 庄子
Yuzo Hisatake
雄三 久武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP6250451A priority Critical patent/JPH08114795A/ja
Publication of JPH08114795A publication Critical patent/JPH08114795A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の視野角方向にある観察者のみに情報を
提供することが可能な表示装置を実現する。 【構成】 本発明に係る表示装置は、表示光を発する表
示パネルとしての液晶表示素子103と、前記表示パネ
ルに重ね合わせて用いられる平板状の光学制御素子であ
って複数の進行方向を有する入射光に対して選択的に特
定の進行方向の光を吸収する吸収軸を有しこの光学制御
素子の主面とのなす角が10°≦θ≦90°のうち特定の進
行方向の光を選択的に出射する光学制御素子として光学
制御板101と、を具備して、特定方向の視角特性を選
択的に限定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表示装置及びそれを用い
た表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電子技術を利用した表示装置は、
音響装置と同様、機械と人間とを繋ぐインターフェース
として様々な分野に多用されており、テレビやコンピュ
ータの画面や、自動車・航空機等の計器、時計や各種測
定装置の表示板など、用途も多岐にわたっている。
【0003】多くの場合、表示装置の視野角は広い方が
好ましく、表示装置の開発も視野角を広げる方向で進め
られてきた。
【0004】しかし、近年、セキュリティーが重要とな
る情報についても、これらの表示装置を用いて表示する
ことが多くなり、必ずしも視野角が広い方が好ましいと
は言い切れなくなってきており、むしろ視野角を狭い特
定範囲に制御することが必要となってきた。
【0005】例えば、金融機関などに設置されている現
金自動預け入れ/引き出し装置(以下、ATM機と略
称)に用いられている表示装置あるいは表示機能と入力
機能を兼ね備えた素子(表示スイッチパネル(商品名:
タッチパネル))は、個人情報保護の観点から、視認で
きる観察者を制限し得るように視野角を制限されている
方が望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の金融機関などに
設置されているATM機に用いられているような表示装
置においては、表示パネルそのものには視野角限定の措
置はほとんど施されておらず、表示パネルの設置形態に
よっては、表示パネル上に表示された利用者の暗証番号
や取引金額・預貯金残高が、周囲に居る他の利用者に漏
洩するという問題がある。
【0007】また、近年OA化が進んでいるが、ブラウ
ン管や液晶ディスプレイを表示素子として用いたコンピ
ュータやワードプロセッサのようなOA機器において
も、前述の表示画面の視野角を制限する機構は用いられ
ていない。
【0008】さらには、その小型・軽量による携帯性が
重視された、いわゆるパーソナル・オートメーション機
器、すなわちラップトップパソコンのようなラップトッ
プ電子機器や、電子手帳、ペンコンピュータのようなパ
ームトップ電子機器なども普及してきている。
【0009】これらの機器は、車内や機内など屋外にお
ける不特定多数の中での使用頻度も多く、電話番号リス
トや住所録などの個人情報をはじめとする様々な情報の
他者への漏洩の問題がある。
【0010】このような表示装置の画面の視野角を、特
定の範囲に制御する従来の手法としては、例えば光ルー
バー(松本正一・角田市良共著:液晶の基礎と応用、10
章 9.2(工業調査会,1991))を用いることも考えられ
るが、大容量で高精細の表示を要する素子には光ルーバ
ーのピッチ制御の問題から実際上実現は困難である。さ
らには光ルーバーを用いる手法は表示装置全体としての
厚大化の要因にもなり、携帯性が重視される上記のよう
な小型電子機器には適切ではなくなる。
【0011】また、細い光学繊維を束ねて板状にしたフ
ァイバーオプティクス板を用いることも従来提案されて
いるが、これは製造が煩雑であるという問題があり、コ
スト面で高価になる。
【0012】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたもので、その目的は、特定の視野角方向にあ
る観察者のみに情報を提供することが可能であり、また
視野角の広さや視野角方向を特定化することが可能で、
不特定多数の第三者にも情報を提供することよりも、特
定個人のみに情報を提供すること、つまりクローズドな
情報を表示可能で、例えば金融機関などに設置されてい
るATM機などに応用した場合に画面観察者(利用者)
の暗証番号や預貯金残高などの個人機密情報の第三者へ
の漏洩を低減するのみならず、観察者(利用者)に最良
の表示状態を提供することを可能とした表示装置および
それを用いた表示システムを実現することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】これらの問題点を解決す
るために、本発明の表示装置は、表示光を発する表示パ
ネルと、前記表示パネルに重ね合わせて用いられる平板
状の光学制御素子であって、複数の進行方向を有する入
射光に対して特定方向の光を吸収する吸収軸を有してお
り、該吸収軸が該光学制御素子の主面とのなす角が10°
≦θ≦90°である光学制御素子を具備することを特徴と
している。
【0014】また、上記の表示装置において、前記光学
制御素子の吸収軸と前記光学制御素子主面とのなす角θ
が、10≦θ≦90°の間で任意に変更可能であることを特
徴としている。
【0015】また、上記の表示装置において、前記光学
制御素子として、 2枚の電極基板とその間に挟持された
液晶組成物とを具備した液晶パネルを用いたことを特徴
としている。
【0016】また、上記の表示装置において、前記液晶
組成物に染料が添加されていることを特徴としている。
【0017】また、本発明の表示システムは、表示光を
発する表示パネルと、前記表示パネルに重ね合わせて用
いられる平板状の光学制御素子であって、複数の進行方
向を有する入射光に対して選択的に特定の進行方向の光
を吸収する吸収軸を有し、該光学制御素子の主面とのな
す角が10°≦θ≦90°のうち特定の進行方向の光を選択
的に出射する光学制御素子と、前記表示装置の表示パネ
ルの画面を観察する観察者の観察位置を検出するセンサ
と、前記センサで検出された観察位置に対応して、前記
光学制御素子の吸収軸と光学制御素子主面とのなす角θ
を変更する吸収軸変更手段と、を具備することを特徴と
している。
【0018】
【作用】偏光子のような光学制御素子は一般に、様々な
振動ベクトル方向を有する光の入力に対して特定方向の
振動ベクトル方向の光のみを透過しない光学制御素子で
ある。
【0019】即ち、特定の振動ベクトル方向を有する光
を選択的に吸収する機能を有する素子である。
【0020】従来から用いられてきた偏光子は一般に、
平面方向に特定の振動ベクトルの光を吸収するものであ
り、自然光を直線偏光に変換するというその機能を利用
して、液晶表示素子や偏光めがね(サングラス)などに
多用されてきた。
【0021】これに対し、本発明の表示素子において用
いる光学制御素子は、図1(a)に示すように、平面方
向dnに対し法線方向dpに光の吸収軸を有する状態が
可能な光学制御板1を、表示光を出射する表示パネルの
全面に設置した構造をしている。つまり、現象的には特
定の進行方向の光を吸収するような吸収軸を有する光学
制御素子である。図1(b)に示すように、光学制御板
1は、複数の振動ベクトル方向(あるいは進行方向)を
有する自然光2の入射に対して、その光学制御板1の法
線方向とのなす角iが大きい方向の入射光2aほど透過
させず吸収する特性(透過光分布2b)を有している。
【0022】さらに、本発明に係る表示装置は、光学制
御素子(図1(a)においては光学制御板1)として液
晶パネルを用いて、前記の吸収軸と光学制御素子の法線
方向とのなす角iを、液晶組成物(液晶層)に対する電
圧の印加により制御することができる。この特性を用い
て視野角の限定角度を変更することができる。特に偏光
制御を行なう液晶表示素子などにおいて、その出射偏光
と本発明に係る光学制御素子による視野角制御との組み
合わせにより、観察者の観察位置に対応した視野角制限
を為すことが可能となるわけてある。つまり情報を提供
すべき方向(観察者方向)にのみ選択的に視野角を限定
することができる。
【0023】従来の一般的な偏光子は、不飽和芳香族化
合物(平面的に見て、等方的な分子配列をなす樹脂)に
棒状分子構造のヨウ素系化合物を混合して加熱延伸を行
なうことにより得られていた。
【0024】これは、高分子薄膜(以下、フィルム)
の、延伸による高分子主鎖の延伸方向への再配列を利用
したものである。
【0025】ところが、逆に、圧縮を行なった場合には
圧縮力方向つまり垂直方向に高分子主鎖が再配列する。
【0026】よって、本発明に係る光学制御素子のよう
な、平板状で、主面に対する法線方向に光の吸収軸を有
する光学制御素子を作製するには、一般の偏光子と同一
の材料(例えば、ポリビニルアルコールなど)を用い
て、 1)フィルム厚み方向に均一に延伸を行なう あるいは、 2)フィルム平面全方位に、等圧にて圧縮を行なう の、いずれかの手法を用いても良い。
【0027】ただし、大面積にて均一な光学特性を有す
るフィルムを得るようなには、上記1)の、厚み方向の
延伸は、実際上は技術的に極めて困難である。
【0028】またこれらの手法を用いた場合、光の吸収
軸と光学制御素子の主面とのなす角θ(θの定義域は90
°以下)は、光学制御板製造時に定まってしまい、10≦
θ≦90°の間で任意に設定及び変更することはできな
い。
【0029】本発明の第3の様態においては、上記の光
学制御素子として 2枚の電極基板とその間に挟持された
液晶組成物とからその主要部が形成された液晶パネルを
用いている。従って、 2枚の電極基板間に印加する電圧
を制御することにより基板間に挟持された液晶組成物の
再配列の状態を制御することができ、光の吸収軸とこの
光学制御素子の主面とのなす角θが10≦θ≦90°の間で
任意に設定および変更可能である。これは、ペンコンピ
ュータ等、表示部とキーボード部(基台部)の角度が固
定である装置にて最適視野角を得るといった場合に極め
て好適である。一方、ノート・パソコンやノート・ワー
プロのような小型・薄型電子機器の場合、キーボードに
対する液晶表示素子の角度は可変であることが多く、液
晶表示素子の角度を変えることで最適視野角が得られる
が、しかし室内照明光などの環境によっては画面に映り
込み等が生じるので、実用上は使用時の観察角度はある
程度制約があり、またそのような小型・薄型電子機器は
持ち歩いて利用することが多いので個人的情報の漏洩の
危険性に晒されることが多いため、視野角は狭く特定方
向に制御可能であることが望ましい。従ってこのような
場合にも本発明は好適である。
【0030】さらには、液晶組成物に染料を添加し電圧
印加時の液晶分子の再配列により染料分子も再配列させ
て光の吸収効果を高めることにより、視野角をさらに効
果的に制御することも可能である。
【0031】上記のような液晶パネルを用いた光学制御
素子における、液晶組成物の再配列の程度を支配するの
は、液晶組成物を挟持する 2枚の電極基板に対する印加
電圧であることは言うまでもないが、液晶組成物の再配
列の程度と印加電圧の関係は対応関係にある。一方、表
示装置と観察者間の距離を測定する手段と観察者の身長
を測定する手段により表示装置に対する観察者の観察方
向(すなわち視角方向)を概算することが可能である。
【0032】従って、観察者の観察方向を検出するセン
サにより検知された観察者の位置のデータをもとにその
視角方向の概算を行ない、液晶組成物を挟持してなる光
学制御素子(液晶パネル)に印加する電圧を決定する。
【0033】このようにして本発明に係る表示システム
は、光学制御素子の吸収軸と光学制御素子主面とのなす
角θを最適な視野角制御を実現できる角度に自動的に設
定変更することが可能である。
【0034】
【実施例】以下、本発明に係る表示装置の実施例を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0035】(実施例1)図6に、光学制御素子平面に
対して光の吸収軸が垂直方向にある光学制御素子の製造
方法の一例を示す。
【0036】図6(a)に示すように、平面度の優れた
2枚の硬い透明板61を用意し、その一方の中央部に偏
光子の高分子樹脂のポリビニルアルコール材料62、そ
の周囲に、室温から高温例えば 300℃の間で安定な化学
特性を示す液体物質63、さらにその外側にスペーサ6
5を混合した紫外線硬化樹脂64を設ける。
【0037】図6(b)のように材料を設置した後、他
方の透明板61を貼合わせ、加熱により偏光子材料62
を融解し、所望のフィルム厚(スペーサ65径)まで加
圧し、板間間隔を固定するために紫外線硬化樹脂64の
硬化を行なう。さらに加熱し材料を膨張させる。最後に
冷却し図6(c)のように材料の圧縮を行なって光学制
御板を得る。このようにして得られた光学制御板は、そ
の平面方向に対して法線方向に光の吸収軸を有するとと
もに大面積でも均一な光学特性を有する。
【0038】そして図7に示すようにATM機用カラー
ブラウン管表示器71における視野角を測定したとこ
ろ、光学制御板72の主面方向に対し法線方向に大きな
透過光を得ることができ、視野角が限定されたことが判
明した。なお、図7中、73は透明入力素子、74は筐
体である。
【0039】しかし、この光学制御板72では視角方向
自体を特定方向に変えることは不可能であった。そして
この光学制御板72を用いた表示装置は、視野角方向か
らの観察では表示は極めて見やすかったものの、視野角
方向からずれると表示は見えなくなり、視野角はカラー
ブラウン管表示器のほぼ正面にのみ制限され、機密化は
向上したものの、視角が制限されすぎ、また視角自体を
変更することができないので、観察者の身長の大小ある
いは観察者と表示器との距離によっては(すなわち視角
方向によっては)、表示が見えなくなる場合もあるとい
うことが判明した。
【0040】(実施例2)図2は、本発明に係る第1の
実施例として、本発明を適用した液晶表示装置の構造を
示す図である。その構造を製作プロセスを追って説明す
る。
【0041】全面にITOを成膜したガラス基板(IT
Oベタ基板)にポリイミド塗布とラビングを行ない配向
膜とし、ツイスト角 0°(捩れなし)のパラレル型セル
を常法により作製した後、黒色色素(S− 304;三井東
圧社製)を微量( 0.5wt%)添加したネマティック液
晶(ZLI−1132(PCH系混合液晶);メルク社製)
を注入して、本発明に係る光学制御素子として光学制御
板101を得た。この光学制御板101の内部の液晶分
子102の電圧非印加状態(初期配向)は、図3(a)
に示すように一方の主面に配向膜301が形成されたガ
ラス基板302と一方の主面に配向膜303が形成され
たガラス基板304とをそれら配向膜301、303同
士が間隙を有して対向するように配置され、その配向膜
301、303同士の間隙で一様に液晶分子102がプ
レチルトした状態になっている。また電圧を印加するこ
とで、この光学制御板101の内部の液晶分子102は
図3(b)のような起立した状態に再配列する。
【0042】この光学制御板101を、視角方向が 6時
方向(表示画面の上端を 0時方向として)になるよう
に、TN(Twisted Nematic )液晶を用いたTFT(薄
層トランジスタ)アクティブマトリックス型の液晶表示
素子103の表示面側に設置した。液晶表示素子103
は、液晶表示パネル(液晶表示セル)104を上下それ
ぞれから挟むように偏光板105a、105bが着設さ
れている。
【0043】そして光学制御板101に駆動回路(図示
省略)を接続して、本発明に係る表示装置が形成されて
いる。
【0044】上記のような構造に形成された本発明に係
る表示装置の視野角を測定した。
【0045】光学制御板101に電圧を印加していない
状態(図3(a)に示すようなホモジニアス配列状態)
での視野角は広視野角で、概ねTN型液晶表示素子の視
野角特性と一致していた。
【0046】一方、光学制御板101に電圧を印加し
て、図3(b)に示したようなホメオトロピック配列に
すると、視野角が限定されて、この表示装置の画面の主
面に対する法線方向近傍、つまり法線方向(90°)± 5
度程度で急峻な高コントラストの画像表示が観察される
ようになった。
【0047】そしてその法線方向(90°)± 5度程度以
外の角度からは、コントラストが低く、ぼやけた表示し
か観察されなかった。すなわち、視野角は、ほぼ正面方
向に制限されたことが確認された。
【0048】このように、特定領域(正面方向)外から
の視認を抑止して、観察者以外の視野角への情報の漏洩
を防ぐことができ、表示装置を利用する際の表示画面の
機密性が向上できる。
【0049】(実施例3)図4は、本発明に係る第2の
実施例として、ペンコンピュータの表示器に本発明を適
用した表示装置の構造を示す図である。その構造を製作
プロセスを追って説明する。
【0050】筐体401に収納した、背面照明装置(バ
ックライト)402と超捩れ液晶表示素子(ST−LC
D;Super Twisted -Liquid Crystal Display Device
)403のさらに前面に、上記第1の実施例の光学制
御板101をその視角方向が上記同様に 6時の方向にな
るように設置し、さらにその上にペン入力用透明パネル
404を設置して、第2の実施例の液晶表示器を得た。
【0051】この液晶表示器に、ST−LCDを駆動す
るための駆動電圧調整用抵抗と、バックライト輝度調整
用抵抗と、光学制御板の視野角方向調整用の抵抗とを接
続した。
【0052】そしてこの液晶表示器を実際に試用してみ
たところ、視角方向は観察者が調整しなければならなか
ったものの、観察者に対する最適視角方向(図中、矢線
405で示している)を常に得ることができた。この最
適視角方向405からの観察では、表示画面は極めて見
易かった。一方、この最適視角方向405からずれる
と、その方向からの表示はほとんど視認されない状態で
あった。
【0053】すなわち、視野角が視角方向405に制限
されたことが判明した。このように、本発明によれば情
報の機密化が向上できる。
【0054】(実施例4)図5は、本発明に係る第3の
実施例として、カラーブラウン管表示器を備えたATM
装置に本発明を適用してなる表示装置システムを示す図
である。その構造を製作プロセスを追って説明する。
【0055】筐体501に収納したカラーブラウン管
(CRT)502の前面に、実施例1で作製した光学制
御板101を視角方向が 6時の方向になるように設置
し、さらにその上に透明入力素子503を設置して、第
3の実施例のカラーブラウン管表示器を得た。
【0056】そして、上記のようにして得られたカラー
ブラウン管表示器の、光学制御板101に対する印加電
圧と視野角方向の変化の特性を測定した。
【0057】実際に試用してみたところ、視角方向50
7から観察では、表示は極めて見やすかったものの、視
角方向からずれると表示は見えなくなった。すなわち、
視野角は視角方向507に制限され、情報の機密化が向
上したことが判明した。
【0058】さらに、ATM機の筐体501には、赤外
線式エリアセンサ504を高さ(鉛直)方向でセンシン
グを行なうように設置して、観察者505と表示装置の
画面つまり光学制御板101との距離、及び観察者50
5の目の高さを概算することを可能とした。また、水平
方向でセンシングを行なうように赤外線式測長器506
を設置して、筐体501と観察者505との距離を概算
することを可能とした。 以上の 2つの情報をもとに、
三角関数により最適視角方向の制御角度aを算出し、光
学制御板101に対する印加電圧と視野角方向の変化の
特性に基づいて視角方向507の調節を行なう表示シス
テムを形成した。
【0059】その結果、観察者505の身長の大小や、
観察者505とATM機の筐体501との距離に関わら
ず、常に観察者505にとっては最良な視角であってそ
れ以外の他者には見えないような機密性の高い視野角特
性が得られた。
【0060】(比較例1)図8に、従来から一般に用い
られているペンコンピュータ用表示器80の構造を示
す。
【0061】筐体84に収納した、背面照明装置(バッ
クライト)82と超捩れ型液晶表示素子(ST−LC
D)81の前面に、透明入力素子83を設置し、液晶表
示器を得た。
【0062】このようにして得られた液晶表示器の視野
角を測定したところ、ST−LCD自体の視角方向と同
等の視野角を得ることができ、視野角は限定されなかっ
た。すなわち、情報の機密化は図れなかった。
【0063】(比較例2)図9に、従来から一般に用い
られているATM機用カラーブラウン管表示器90の構
造を示す。
【0064】筐体93に、カラーブラウン管(CRT)
91を設置し、その表示面上に透明入力素子92を設置
して、カラーブラウン管表示器を得た。
【0065】このようにして得られたカラーブラウン管
表示器の視野角を測定したところ、全方向に大きな透過
光を得ることができ、視野角は限定されなかった。すな
わち、情報の機密化は図れなかった。
【0066】
【発明の効果】以上、詳細な説明で明示したように、本
発明によれば、特定の視野角方向にある観察者のみに情
報を提供することが可能であり、また視野角の広さや視
野角方向を特定化することが可能で、不特定多数の第三
者にも情報を提供することよりも、特定個人のみに情報
を提供すること、つまりクローズドな情報を表示可能
で、例えば金融期間などに設置されているATM機など
に応用した場合に画面観察者(利用者)の暗証番号や預
貯金残高などの個人機密情報の第三者への漏洩を低減す
るのみならず、観察者(利用者)に最良の表示状態を提
供することを可能とした表示装置およびそれを用いた表
示システムを実現することができる。
【0067】本発明の技術は、例えば金融機関などに設
置されているATM機などの表示装置に適用した場合、
観察者(利用者)の視点(身長より概算)及び観察者と
装置の距離とを考慮して、視野角の最適化が可能とな
り、暗証番号や預貯金残高などの個人機密情報の、第三
者への漏洩を低減することのみならず、観察者(利用
者)に最良の表示状態を提供することが可能となる。
【0068】さらにまた、従来の光ルーバーを用いた視
野角制限の手法と比較して、より視野角を限定し、大容
量で高精細の表示に適した、薄型の表示素子を、容易に
提供することが可能となる。
【0069】なお、上下方向のみ視野角を制限したり、
正面のみに視認可能とするなど、種々の視角制限を行な
うには、本発明による光学制御板を複数枚組み合わせれ
ばよい。
【0070】また、上記実施例においてはTFT−LC
D、ST−LCD、CRTについてのみ説明したが、T
FD−LCD(薄層ダイオード駆動による液晶表示素
子)などの他の方式のLCD、PD、ED、LEDなど
の表示素子についても同様の効果を得ることができるこ
とは言うまでもない。
【0071】また、上記実施例においては、ATM機と
ペンコンピュータを例に挙げたが、ホームバンキング用
表示装置やパーソナルオートメーション機器(例えば、
ラップトップコンピュータやワープロや電子手帳など)
の表示装置等にも本発明は適応可能であることは言うま
でもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置における光学制御素子の作用
を示す図である。
【図2】本発明に係る第2の実施例として、本発明を適
用した液晶表示装置の構造を示す図である。
【図3】光学制御板101の内部の液晶分子102の電
圧非印加状態つまり初期配向状態を示す図(a)および
電圧印加状態を示す図(b)である。
【図4】本発明に係る第3の実施例として、ペンコンピ
ュータの表示器に本発明を適用した表示装置の構造を示
す図である。
【図5】本発明に係る第4の実施例として、カラーブラ
ウン管表示器を備えたATM装置に本発明を適用してな
る表示装置システムを示す図である。
【図6】第1の実施例として、光学制御素子平面に対し
て光の吸収軸が垂直方向にある光学制御素子の製造方法
の一例を示す図である。
【図7】第1の実施例の光学制御素子を備えた表示装置
を用いたATM機用カラーブラウン管表示器71を示す
図である。
【図8】第1の比較例として、従来から一般に用いられ
ているペンコンピュータ用表示器80の構造を示す図で
ある。
【図9】従来から一般に用いられているATM機用カラ
ーブラウン管表示器の構造を示す図である。
【符号の説明】
1………光学制御板 2………自然光 2a………入射光 2b………透過光分布 101………光学制御板 102………液晶分子 103………液晶表示素子 301………配向膜 302………ガラス基板 303………配向膜 304………ガラス基板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示光を発する表示パネルと、 前記表示パネルに重ね合わせて用いられる平板状の光学
    制御素子であって、複数の進行方向を有する入射光に対
    して特定方向の光を吸収する吸収軸を有しており、該吸
    収軸が該光学制御素子の主面とのなす角が10°≦θ≦90
    °である光学制御素子を具備することを特徴とする表示
    装置。
  2. 【請求項2】 前記光学制御素子の吸収軸と前記光学制
    御素子主面とのなす角θが、10≦θ≦90°の間で任意に
    変更可能であることを特徴とする請求項1記載の表示装
    置。
  3. 【請求項3】 前記光学制御素子として 2枚の電極基板
    とその間に挟持された液晶組成物とを具備した液晶パネ
    ルを用いたことを特徴とする請求項1及び2のうちいず
    れか記載の表示装置。
  4. 【請求項4】 前記液晶組成物に染料が添加されている
    ことを特徴とする請求項3記載の表示装置。
  5. 【請求項5】 表示光を発する表示パネルと、 前記表示パネルに重ね合わせて用いられる平板状の光学
    制御素子であって、複数の進行方向を有する入射光に対
    して選択的に特定の進行方向の光を吸収する吸収軸を有
    し、該光学制御素子の主面とのなす角が10°≦θ≦90°
    のうち特定の進行方向の光を選択的に出射する光学制御
    素子と、 前記表示装置の表示パネルの画面を観察する観察者の観
    察位置を検出するセンサと、 前記センサで検出された観察位置に対応して、前記光学
    制御素子の吸収軸と光学制御素子主面とのなす角θを変
    更する吸収軸変更手段と、を具備することを特徴とする
    表示システム。
JP6250451A 1994-10-17 1994-10-17 表示装置及びそれを用いた表示システム Pending JPH08114795A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6250451A JPH08114795A (ja) 1994-10-17 1994-10-17 表示装置及びそれを用いた表示システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6250451A JPH08114795A (ja) 1994-10-17 1994-10-17 表示装置及びそれを用いた表示システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08114795A true JPH08114795A (ja) 1996-05-07

Family

ID=17208079

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6250451A Pending JPH08114795A (ja) 1994-10-17 1994-10-17 表示装置及びそれを用いた表示システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08114795A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006027995A1 (ja) * 2004-09-07 2006-03-16 Sharp Kabushiki Kaisha 表示装置、視野角制御装置、および電子機器
JP2007503603A (ja) * 2003-08-22 2007-02-22 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 表示装置及びそれに用いる視野角制御ユニット
KR100968669B1 (ko) * 2006-05-31 2010-07-06 샤프 가부시키가이샤 표시 장치 시스템
US7817106B2 (en) 2004-09-15 2010-10-19 Sharp Kabushiki Kaisha Display device, viewing angle control device, and electronic apparatus
US7948580B2 (en) 2006-05-31 2011-05-24 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display
US8031273B2 (en) 2004-09-17 2011-10-04 Sharp Kabushiki Kaisha Display device, viewing angle control device, and electronic device
US8184145B2 (en) 2004-10-04 2012-05-22 Sharp Kabushiki Kaisha Display device and electronic apparatus
JP2012185444A (ja) * 2011-03-08 2012-09-27 Stanley Electric Co Ltd 画像制御装置、画像表示システム、電子機器

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007503603A (ja) * 2003-08-22 2007-02-22 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 表示装置及びそれに用いる視野角制御ユニット
WO2006027995A1 (ja) * 2004-09-07 2006-03-16 Sharp Kabushiki Kaisha 表示装置、視野角制御装置、および電子機器
CN100445810C (zh) * 2004-09-07 2008-12-24 夏普株式会社 显示装置、视野角控制装置以及电子设备
US7834834B2 (en) 2004-09-07 2010-11-16 Sharp Kabushiki Kaisha Display device, viewing angle control device, and electronic apparatus
US7817106B2 (en) 2004-09-15 2010-10-19 Sharp Kabushiki Kaisha Display device, viewing angle control device, and electronic apparatus
US8031273B2 (en) 2004-09-17 2011-10-04 Sharp Kabushiki Kaisha Display device, viewing angle control device, and electronic device
US8184145B2 (en) 2004-10-04 2012-05-22 Sharp Kabushiki Kaisha Display device and electronic apparatus
KR100968669B1 (ko) * 2006-05-31 2010-07-06 샤프 가부시키가이샤 표시 장치 시스템
US7948580B2 (en) 2006-05-31 2011-05-24 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display
US7956940B2 (en) 2006-05-31 2011-06-07 Sharp Kabushiki Kaisha Display system
JP2012185444A (ja) * 2011-03-08 2012-09-27 Stanley Electric Co Ltd 画像制御装置、画像表示システム、電子機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100640109B1 (ko) 액정 표시 장치
JPWO2018221413A1 (ja) 表示装置
JPH11174489A (ja) 液晶表示装置
TW200530701A (en) Viewing angle control element, method of manufacturing the same, liquid crystal display device, and electronic apparatus
JPH09105958A (ja) 視野角可変素子およびそれを用いた視野角可変液晶表示装置
US20080158484A1 (en) Viewing angle controllable liquid crystal display device
WO2019103012A1 (ja) 表示装置
JP3048934B2 (ja) 液晶表示装置
JPH09231002A (ja) タッチパネル一体型液晶表示素子
JPH08114795A (ja) 表示装置及びそれを用いた表示システム
TWI281560B (en) Arrangement structure of liquid crystal display device
JP2018155884A (ja) 液晶表示装置
US8203671B2 (en) View angle controllable display device and terminal having the same
US7616278B2 (en) Liquid crystal displays
CN113917721B (zh) 宽窄视角可切换的显示面板及驱动方法和显示装置
JP2005084593A (ja) 液晶表示素子およびその製造方法
JP2007047206A (ja) 光学シート、電界制御型パネル、照明装置、液晶表示装置、および光学シートの製造方法
KR100412125B1 (ko) 액정 표시장치
JP2000056125A (ja) 液晶表示装置
JP4619742B2 (ja) 液晶表示装置
JP2000111895A (ja) 偏光子およびそれを用いた液晶表示装置
JPH1026766A (ja) 液晶表示装置
JP3657708B2 (ja) 液晶電気光学装置
JPH0961624A (ja) 光学異方素子およびそれを用いた液晶表示素子
JP4076780B2 (ja) 液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030304