JP2005084593A - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半透過型の液晶表示素子において、低電圧駆動であっても、高速応答特性を実現し、優れた表示品位を得る。
【解決手段】 CF基板11とTFT基板12とで液晶層13を挟持する液晶セル1の1画素内に透過領域と反射領域とを形成する。このとき、一方の基板上の反射領域に段差樹脂層19を形成し、反射領域における液晶層13の厚さを透過領域における液晶層13の厚さよりも小さく形成する。このような液晶セル1において、両基板の液晶層13側に配向膜を塗布してラビングすることにより、透過領域における液晶層13の液晶分子をスプレイ配向とし、反射領域における液晶層13の液晶分子を、当該液晶層13の厚さ方向において、透過領域の液晶層の13厚さ方向中央部に対応する部分で略垂直配向であり、かつ、一方の基板側で略水平配向であるハイブリッド配向とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 CF基板11とTFT基板12とで液晶層13を挟持する液晶セル1の1画素内に透過領域と反射領域とを形成する。このとき、一方の基板上の反射領域に段差樹脂層19を形成し、反射領域における液晶層13の厚さを透過領域における液晶層13の厚さよりも小さく形成する。このような液晶セル1において、両基板の液晶層13側に配向膜を塗布してラビングすることにより、透過領域における液晶層13の液晶分子をスプレイ配向とし、反射領域における液晶層13の液晶分子を、当該液晶層13の厚さ方向において、透過領域の液晶層の13厚さ方向中央部に対応する部分で略垂直配向であり、かつ、一方の基板側で略水平配向であるハイブリッド配向とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、多人数で見る携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、アミューズメント機器、テレビなどに用いられる平面(フラットパネル)ディスプレイを構成する液晶表示素子とその製造方法とに関するものである。
平面ディスプレイは、近年、その利用が増加しており、家庭においても30型以上の大きさの受像機が珍しくなくなってきている。その中で、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、車載用ナビゲーションシステム等の液晶パネルアプリケーションは、その増加が著しく、また一般化してきている。特に、携帯電話等の中小型表示用デバイスとしても、液晶パネルアプリケーションはほぼメジャーな存在である。
携帯電話のアプリケーションにおいては、近年、通信インフラ(infrastructure)が整ってきたため、一般的に動画配信を扱うようになってきた。そして、そのコンテンツの質的向上(画面の高精細化、動画フレーム数の増加)が近年益々求められており、その表示に用いられる液晶表示素子についても高性能化が求められている。
高性能化の一端として、近年では、半透過型LCD(Liquid Crystal Display)が提案されている。この半透過型LCDは、透過および反射の両方の表示モードを有しており、屋外/屋内の場所を問わず利用可能であることから、最近注目を浴びている。
特に、特許文献1ないし3に記載の半透過型LCDでは、画素電極の占める面積領域において、透過部および反射部の領域を設定するとともに、それぞれの面積領域で透過/反射の表示モードそれぞれの最適な光学設計となるセルギャップを設定している。具体的には、反射領域のセルギャップは、透過領域のセルギャップの半分となっている。これにより、透過部と反射部とで液晶層におけるリタデーションを実質的に同じとし、透過および反射ともに同じ信号で同じ表示を行うことができるようになっている。
ところで、半透過型LCDには、ECB(Electrically Controlled Birefringence)方式やTN(Twisted Nematic)方式などの動作方式が採用されている。しかし、これらの動作方式は、基本的に高速応答特性を示さないため、半透過型LCDをこれらの動作方式で実現しても、動画表示を適切に実現できるとは考えにくい。
一方、高速応答を実現し得る液晶動作方式としては、OCB(Optical Compensated Birefringence)方式が知られている。このOCB方式は、ベンド配向を利用するものである。ベンド配向とは、電圧無印加状態で水平配向状態であるスプレイ配向の液晶層に電圧を印加することで、液晶層の厚み方向における中央層付近の液晶分子を基板面に対して垂直に配向させた配向状態を指す。なお、ベンド配向を利用して表示を行うLCDとしては、例えば特許文献4ないし6に開示されている。
特許第2955277号公報
米国特許第6195140号明細書
米国特許第6281952号明細書
特開2000−75299号公報
特開2000−330141号公報
特開2001−264820号公報
OCB方式は、所定信号電圧を印加したときのベンド配向の面内残留リタデーションを位相差フィルムでキャンセルし、液晶層の中央付近の液晶分子を基板に対して垂直に配向維持したまま駆動する方式であり、中間調を含む白黒表示を実現することができ、また、広視野角特性が得られるとともに、高速応答にも優れている。
そこで、このようなOCB方式で半透過型LCDを実現すれば、動画表示を適切に実現できると考えられる。しかし、このOCB方式では、スプレイ配向からベンド配向への配向転移を行う際に、液晶層中央の液晶分子を基板面に対してほぼ垂直に配向させる必要があるため、通常10V〜20V程度の電圧を印加して配向を変える必要がある。一方、モバイル機器等では駆動時間を重視するため、一般的に低電圧駆動の設計がなされており、液晶の駆動電圧をあまり高くすることはできない。
したがって、低電圧駆動のLCDでは、高速応答特性が得られず、表示品位に優れた半透過型LCDを実現することができないという問題が生ずる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、低電圧駆動であっても、高速応答特性が得られ、表示品位に優れた半透過型の液晶表示素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明の液晶表示素子は、一対の基板で液晶層を挟持してなるとともに、1画素内に透過領域と反射領域とを有し、反射領域における液晶層の厚さが透過領域における液晶層の厚さよりも小さく形成された液晶セルを有する液晶表示素子において、透過領域における液晶層の液晶分子が(電圧無印加時に)スプレイ配向であり、反射領域における液晶層の液晶分子が、当該液晶層の厚さ方向において、透過領域の液晶層の厚さ方向中央部に対応する部分で略垂直配向であり、かつ、一方の基板側で略水平配向であるハイブリッド配向であることを特徴としている。
上記の構成によれば、反射領域における液晶層の液晶分子がハイブリッド配向となっており、反射領域において、透過領域の液晶層の厚さ方向中央部に対応する部分で液晶分子が略垂直配向となっている。これにより、当該部分の液晶分子が、透過領域にて液晶分子がスプレイ配向からベンド配向に転移するときの核となり、電圧印加時に、透過領域における液晶層の厚さ方向中央部の液晶分子を略垂直方向に容易に配向させることが可能となる。したがって、低電圧の印加であっても、透過領域の液晶分子をスプレイ配向からベンド配向に容易に転移させることができる。その結果、低電圧駆動であっても、高速応答特性が得られ、表示品位に優れた半透過型の液晶表示素子を実現することができる。
また、一方の基板上には、反射領域の液晶層の厚さが透過領域の液晶層の厚さの0.3倍以上0.7倍以下となるように、両液晶層間に段差を生じさせる段差層が形成されていてもよい。なお、一方の基板とは、液晶層を挟持する一対の基板のうち、スイッチング素子が形成される側の基板であってもよいし、カラーフィルタが形成される側の基板であってもよい。
この構成の場合、反射領域における段差層の表面付近を、透過領域における液晶層の厚さ方向中央部に、その厚さ方向において近づけることができる。したがって、例えば段差層の表面に垂直配向膜を塗布し、その段差層の表面付近で液晶分子を略垂直方向に配向させれば、透過領域の液晶層の厚さ方向中央部に対応する部分で液晶分子が略垂直配向となる反射領域を容易に実現することができる。
特に、上記の段差層が、反射領域の液晶層の厚さが透過領域の液晶層の厚さの0.45倍以上0.55倍以下となるような厚さで形成されていれば、反射領域における段差層の表面付近を、透過領域における液晶層の厚さ方向中央部に、その厚さ方向においてより近づけることができるので、透過領域の液晶層の厚さ方向中央部に対応する部分で液晶分子が略垂直配向となる反射領域を確実に実現することができる。
また、両基板の液晶層側には配向膜が形成され、両基板は、配向膜のラビング方向がパラレルとなるように貼り合わされていてもよい。これにより、透過領域において電圧無印加時に液晶分子がスプレイ配向となり、反射領域において液晶分子がハイブリッド配向となる液晶表示素子を実現することができる。
また、本液晶表示素子では、透過領域における液晶層のスプレイ配向の液晶分子が、電圧印加時にベンド配向に転移する構成であることが望ましい。これにより、ベンド配向を利用したOCB方式の液晶表示素子を容易に実現することができる。
また、液晶セルの両面には、位相補償を行うための光学フィルムが配置されていてもよい。この場合、観察する視角を変化させたときの液晶層のベンド配向のリタデーション変化を光学フィルムのリタデーション変化でキャンセルすることができる。併せて、例えば直交偏光板を設けたときの、当該直交偏光板の斜め方向からの光漏れを防止することができ、広視野角特性を得ることができる。
また、本液晶表示素子は、液晶セルにてベンド配向している液晶層の傾斜配向部分の光学補償を行う第1光学補償層および第2光学補償層を、上記液晶セルの両面に有していることが望ましい。これにより、そのような光学補償によってさらに表示特性を向上させることができる。特に、第1光学補償層および第2光学補償層をディスコティック液晶層で構成すれば、その効果を確実に得ることができる。
また、本液晶表示素子は、液晶セルにてベンド配向している液晶層の垂直配向部分の光学補償を行う第3光学補償層および第4光学補償層を、上記第1光学補償層および上記第2光学補償層の外側(液晶セルとは反対側)に有していることが望ましい。これにより、そのような光学補償によって表示特性を向上させることができるとともに、例えば直交偏光板を設けた場合には、その直交偏光板における斜め方向からの光漏れを防止することもできる。特に、第3光学補償層および第4光学補償層を2軸性位相差フィルムで構成すれば、上述した効果を確実に得ることができる。
また、本液晶表示素子は、液晶セルの透過領域に入射する光および反射領域にて反射する光の両方の偏光状態を調整するための第5光学補償層および第6光学補償層を、上記第3光学補償層および上記第4光学補償層の外側に有していることが望ましい。これにより、液晶セルの透過領域を透過する光と、反射領域にて反射される光との両方を用いた表示を適切に行うことができる。特に、第5光学補償層および第6光学補償層を一軸性の光学異方層(例えば1/4波長板)で構成すれば、その効果を確実に得ることができる。
また、本液晶表示素子は、第5光学補償層および第6光学補償層の外側に配置される偏光層をさらに有していることが望ましい。この場合、各偏光層の偏光軸を適切に設定することにより、液晶セルへの電圧印加の有無に応じて白表示と黒表示とを適切に行うことができる。特に、各偏光層が、偏光軸が上記液晶セルのラビング方向と45°の角度をなすように配置されるとともに、互いの偏光軸がクロスニコル状態となるように配置されれば、上記の効果を確実に得ることができる。
また、本液晶表示素子の製造方法は、反射領域における液晶層の厚さが透過領域における液晶層の厚さよりも小さくなるように、一方の基板上の反射領域に段差層を形成する工程と、上記一方の基板上に水平配向膜を塗布する工程と、他方の基板上に水平配向膜を塗布する工程と、上記段差層の表面に垂直配向膜を塗布する工程と、上記両基板の配向膜をラビングする工程と、上記両基板をラビング方向がパラレルとなるように液晶層を介して貼り合わせる工程とを有していることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記両基板を液晶層を介して貼り合わせたときに、反射領域における液晶層の液晶分子がハイブリッド配向となり、透過領域における液晶層の液晶分子がスプレイ配向となる。しかも、反射領域において、透過領域の液晶層の厚さ方向中央部に対応する厚さ方向の部分で液晶分子が略垂直配向となる。これにより、当該部分の液晶分子が、透過領域にて液晶分子がスプレイ配向からベンド配向に転移するときの核となり、電圧印加時に、透過領域における液晶層の厚さ方向中央部の液晶分子を略垂直方向に容易に配向させることが可能となる。したがって、低電圧の印加であっても、透過領域の液晶分子をスプレイ配向からベンド配向に容易に転移させることができる。その結果、低電圧駆動であっても、高速応答特性が得られ、表示品位に優れた半透過型の液晶表示素子を実現することができる。
本発明によれば、半透過型の液晶表示素子を低電圧駆動で実現する場合でも、高速応答特性が得られ、表示品位に優れたマルチギャップ構造の液晶表示素子を実現することができる。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図2は、本実施形態の液晶表示素子の概略の構成を示す分解斜視図である。本実施形態の液晶表示素子は、液晶セル1と、光学フィルム2と、光源ユニット3とを有して構成されている。光源ユニット3は、液晶セル1に光を供給するものであり、例えばLEDと導光板とで構成されている。
また、図3は、液晶セル1の1画素の概略の構成を示す平面図であり、図4は、図3に示した液晶セル1のA−A’線矢視断面図である。液晶セル1は、図4に示すように、CF(Color Filter)基板11とTFT(Thin Film Transistor)基板12とからなる一対の基板で液晶層13を挟持してなっている。
CF基板11は、透明性絶縁性基板(例えばガラス基板)で構成されている。このCF基板11上には、カラーフィルタ層、オーバーコート層および例えばITO(Indium Tin Oxide)からなる対向電極14が順に積層されている。
TFT基板12も同様に、透明性絶縁性基板(例えばガラス基板)で構成されている。TFT基板12上には、図3に示すように、複数のソースバスライン15と複数のゲートバスライン16とが公知の方法で直交して形成されている。そして、隣接するソースバスライン15とゲートバスライン16とで囲まれた部分が1画素となっている。したがって、各画素は、マトリクス状に配置されることになる。
ソースバスライン15とゲートバスライン16との交差部には、各画素のON/OFFのスイッチングを行うアクティブスイッチング素子としてのTFT17が配置されている。TFT17のゲート電極17aはゲートバスライン16に接続されており、ソース電極17bはソースバスライン15に接続されており、ドレイン電極17cは、画素電極18に接続されている。
上記の画素電極18は、透明電極18aと反射電極18bとで構成されている。透明電極18aは、例えばITOのような透明導電材料で構成されている。反射電極18bは、例えばAlやAgで構成されており、後述する段差樹脂層19(図4参照)の表面に形成されている。
各画素において、透明電極18aの形成された領域の一部は、光源ユニット3(図2参照)から出射される光の透過を制御する透過領域を構成している。一方、反射電極18bの形成された領域は、外部光の反射を制御する反射領域を構成している。
このように1画素内に透過領域と反射領域とを有していることにより、各画素は、透過モードおよび反射モードのいずれか一方で表示を行うこともできるし、両方のモードで同時に表示を行うこともできる。つまり、本実施形態では、1画素内に透過領域と反射領域とを両方有していることで、半透過型の液晶表示素子が構成されている。
また、図4に示すように、TFT基板12上の反射領域には、段差樹脂層19(段差層)が形成されている。段差樹脂層19は、透過領域および反射領域の光学特性をマッチングさせる目的で設けられるものであり、例えばアクリル樹脂で構成されている。このような段差樹脂層19が反射領域に形成されていることにより、反射領域における液晶層13の厚さ(セルギャップ)は、透過領域における液晶層13の厚さよりも小さくなっている。例えば、透過領域における液晶層13の厚さをdとすれば、反射領域における液晶層13の厚さは、1/2dである。
また、CF基板11およびTFT基板12の液晶層13側の表面には、図示しない配向膜が形成され、配向処理が施されている。
ここで、図1(a)は、電圧無印加時の液晶セル1内部の液晶分子の配向状態を模式的に示している。上記の配向処理により、液晶セル1内部においては、電圧無印加時、液晶分子は、透過領域においてスプレイ配向状態となり、反射領域においてハイブリッド配向状態(HAN;Hybrid-Aligned Nematic)となっている。
より詳しくは、透過領域においては、CF基板11上の液晶分子のプレチルト角が例えば2°以上20°以下となり、TFT基板12上の液晶分子のプレチルト角が例えば2°以上20°以下となり、厚さ方向中央部の液晶分子が基板面に対して水平となるスプレイ配向状態となっている。
一方、反射領域においては、一方の基板側(本実施形態ではCF基板11側)の液晶分子が略水平配向(液晶分子のプレチルト角が例えば2°以上20°以下)となり、TFT基板12上の段差樹脂層19の表面付近の液晶分子が略垂直配向(液晶分子のプレチルト角が例えば80°以上90°以下)となるハイブリッド配向状態となっている。
このように、半透過型の液晶表示素子を構成する液晶セル1の透過領域と反射領域とで、液晶分子の配向状態を異ならせた点に、本発明の最も大きな特徴がある。
次に、図2に示した光学フィルム2について説明する。なお、図2中の矢印は、光軸方向を示すものとする。
光学フィルム2は、位相補償を行うためのものであり、液晶セル1の両面に配置されている。具体的には、光学フィルム2は、第1光学異方層21(第1光学補償層)、第2光学異方層22(第2光学補償層)、第3光学異方層23(第3光学補償層)、第4光学異方層24(第4光学補償層)、第5光学異方層25(第5光学補償層)、第6光学異方層26(第6光学補償層)、第1偏光層27および第2偏光層28を有して構成されている。そして、第1偏光層27、第5光学異方層25、第3光学異方層23、第1光学異方層21、液晶セル1、第2光学異方層22、第4光学異方層24、第6光学異方層26、第2偏光層28の順に積層されている。
第1光学異方層21および第2光学異方層22は、負の光学異方性を有するディスコティック液晶がフィルム厚さ方向で傾き分布を有するような形で配向している光学フィルム(ディスコティック液晶層)で構成されている。ディスコテッィク液晶層の傾き方向と液晶セル1のラビング方向とは一致している。このディスコティック液晶層の積層光学フィルムの設定により、ベンド配向している液晶層13の傾斜配向部分の光学補償を行うことができる。
第3光学異方層23および第4光学異方層24は、2軸性位相差フィルムで構成されており、これらの光軸角度は、液晶セル1のラビング方向を基準(0°)として例えば45°、−45°となっている。第3光学異方層23および第4光学異方層24は、ベンド配向している液晶層13の垂直配向の部分の光学補償層(負の位相差層)と、直交偏光板(第1偏光層27、第2偏光層28)における斜め方向の光漏れを抑えるための負の位相差層および正の位相差層の組み合わせとの3層分を、それぞれ2軸性位相差フィルム1枚にまとめられたもので構成されている。
つまり、第3光学異方層23および第4光学異方層24を液晶セル1の両側(第1光学異方層21および第2光学異方層22の外側)に設けることにより、液晶セル1にてベンド配向している液晶層の垂直配向の部分の光学補償を行うことができる効果と、直交偏光板を設けた場合における当該直交偏光板の斜め方向からの光漏れ防止の効果とを両方得ることができる。
第5光学異方層25および第6光学異方層26は、例えば一軸性の光学異方層(例えば1/4波長板)で構成されている。第5光学異方層25は、入射光を円偏光に変換するためのものであり、第6光学異方層26は、透過領域に入射した光を、出射側の第2偏光層28に入射する前の元の偏光状態に戻すためのものである。第5光学異方層25および第6光学異方層26の光軸角度は、これに隣接する偏光板(第1偏光層27および第2偏光層28)の偏光軸に対して45°回転させた設定となっている。つまり、偏光層の偏光軸の角度が、液晶セル1のラビング方向を基準(0°)として例えば−45°、45°であるとすると、第5光学異方層25および第6光学異方層26の光軸角度は、例えば90°、0°となっている。
このような第5光学異方層25および第6光学異方層26を、第3光学異方層23および第4光学異方層24の外側に設けることにより、液晶セル1の透過領域に入射する光および液晶セル1の反射領域にて反射する光の両方の偏光状態が適切に調整されるので、透過領域および反射領域の両方による表示を適切に行うことができる。
第1偏光層27および第2偏光層28は、各々の偏光軸が液晶セル1のラビング方向に対して45°の角度をなすように配置されているとともに、互いの偏光軸がクロスニコル状態となるように、第5光学異方層25および第6光学異方層26の外側に配置されている。つまり、液晶セル1におけるラビング方向を基準(0°)としたとき、第1偏光層27の偏光軸角度は例えば−45°であり、第2偏光層28の偏光軸角度は例えば45°である。このように第1偏光層27および第2偏光層28を設けることにより、液晶セル1への電圧印加の有無に応じて白表示と黒表示とを適切に行うことができる。
なお、光学フィルム2におけるその他の設定は、通常の透過型のOCBと同様に行えばよい。
次に、上述した液晶表示素子の製造方法について、実施例1として説明する。
まず、CF基板11上に、カラーフィルタ層、オーバーコート層および対向電極14を順に積層する。一方、TFT基板12上に、複数のソースバスライン15およびゲートバスライン16とTFT17とを形成する。そして、TFT基板12の各画素において、透過領域に対応する部分に透明電極18aを形成するとともに、反射領域に対応する部分に例えば厚さ2.7μmの段差樹脂層19を形成し、その段差樹脂層19上にアルミニウムを蒸着して反射電極18bを形成する。
その後、CF基板11およびTFT基板12上に、ポリイミド(JSR社製AL4552)を1000×10-10mの厚さになるように塗布、焼成し、水平配向膜を形成する。そして、インクジェット法により、反射領域の段差樹脂層19の表面部分(段差部分)にのみ、垂直配向膜(JALS2017S1)を部分的に塗布する。
次に、CF基板11およびTFT基板12において、ラビング処理を施し、ラビング方向が互いにパラレルになるように、互いの基板を貼り合わせる。そして、上記両基板間にネマチック液晶(メルク社製MJ12004(誘電率異方性が正))を注入し、液晶セル1を作製する。
本実施例では、液晶セル1において、透過領域の液晶層13の厚さを、例えば5.0μmとした。したがって、反射領域の液晶層13の厚さは、段差樹脂層19の厚さが2.7μmであるので2.3μmとなっている。すなわち、反射領域の液晶層13の厚さは、透過領域の液晶層13の厚さの約0.46倍で形成されている。
最後に、図2に示すように、液晶セル1に光学フィルム2を積層するとともに、光源ユニット3を付加し、液晶表示素子を完成させる。
なお、光学フィルム2の第1光学異方層21および第2光学異方層22の面内リタデーションは、例えば36nmに設定されている。第3光学異方層23および第4光学異方層24のリタデーションは、例えば面内方向で45nm、厚さ方向で179nmに設定される。また、第5光学異方層25および第6光学異方層26の面内リタデーションは、例えば137.5nm(波長550nmにおいて)に設定されている。
このようにして作製された液晶表示素子に駆動用の信号(電圧1.5〜4V)を印加したところ、透過領域での光の透過率が変化し、上記駆動電圧の範囲内で白黒表示を行うことができることが確認できた。
ここで、図5は、本実施例の液晶表示素子の電気光学応答特性(電圧印加による透過率の変化と時間経過との関係)を示している。透過領域における駆動電圧を1.5V(黒表示)から4.0V(白表示)に変化させたとき、光の透過率が0%(黒表示)から90%(白表示)まで変化するのに要する時間(応答時間)は、約5msecと非常に短時間であった。このように本液晶表示素子における透過領域にて高速応答特性が得られるのは、以下の理由によるものと考えられる。
図6は、透過領域の液晶層13の配向状態がベンド配向の場合とスプレイ配向の場合とのそれぞれにおける、印加電圧の変化に対するギブス自由エネルギーの変化を示すグラフである。同図に示すように、透過領域における液晶層13のギブス自由エネルギーは、電圧無印加状態では、(スプレイ配向)<(ベンド配向)である。しかし、配向転移電圧Vcr(2つの曲線の交点の電圧)以上の電圧を印加すると、ギブス自由エネルギーは、(スプレイ配向)>(ベンド配向)となり、逆転する。
これは、図1(b)に示すように、反射領域にてハイブリッド配向となっている液晶層13の厚さ方向中央付近の液晶分子(破線部Aで示す垂直配向部分)がベンド配向の核となり、透過領域のスプレイ配向がギブスエネルギー的に安定なベンド配向へと容易に転移し、透過領域が駆動電圧範囲内(<4V)においてベンド配向で駆動されることを意味している。つまり、反射領域にて、透過領域の液晶層13の厚さ方向中央部と同等の厚さ位置の液晶分子が垂直配向となっていることによって、理論上の配向転移電圧Vcr付近の電圧印加により、透過領域の液晶分子は、スプレイ配向からベンド配向に容易に転移すると考えられる。
また、ハイブリッド配向となっている反射領域においても、反射率を0%から90%まで変化させるのに要する時間は、約12msecと高速であった。
次に、本実施例の液晶表示素子との比較のため、以下の構成の液晶表示素子を作製した。
まず、TFT基板12上の各画素に、実施例1と同様に透過領域および反射領域を形成した。反射領域には、厚さ2.5μmの段差樹脂層19を形成して段差を設け、この段差樹脂層19上にアルミニウムを蒸着し、反射電極18bとした。その後、作製されたTFT基板12およびCF基板11上に、ポリイミド(JSR社製AL4552)配向膜を塗布し、透過領域および反射領域の両方において、液晶分子がスプレイ配向となるようにラビング処理を施した。このとき、基板表面の液晶分子のプレチルト角を測定したところ、6°であった。
そして、CF基板11とTFT基板12とをセルギャップ5.0μmにて貼り合わせ、ポジ型ネマチック液晶(MJ120001)を注入し、液晶セル1を作製した。この液晶セル1に本実施形態と同様の設定を有する光学フィルム2を貼り付けた。なお、光学フィルム2において、第1光学異方層21および第2光学異方層22の面内リタデーションは31nm、第3光学異方層23および第4光学異方層24のリタデーションは、面内方向で47nm、厚さ方向では189nmに設定した。なお、第5光学異方層25および第6光学異方層26のリタデーションは、実施例1と同等である。
以上のように作製された液晶表示素子に所定の電圧を印加しながら、応答特性を評価した。その場合の応答特性は、黒表示から白表示を行うまでに約28msecを要した。つまり、このときの応答特性は、通常のECB方式と変わらないものであり、本実施例の液晶表示素子と比較して劣る結果となった。これは、透過領域のみならず反射領域の液晶層13もスプレイ配向であるため、印加電圧が低電圧では、透過領域のスプレイ配向がベンド配向に転移しないためと考えられる。つまり、さらに高電圧の印加を必要とする分、応答特性が悪くなっているものと考えられる。
以上のように、本発明の液晶表示素子では、透過領域における液晶層13の液晶分子が電圧無印加時にスプレイ配向である一方、反射領域における液晶層13の液晶分子がハイブリッド配向となっており、反射領域において、透過領域の液晶層13の厚さ方向中央部に対応する部分で液晶分子が略垂直配向となっている。これにより、当該部分の液晶分子が、透過領域にて液晶分子がスプレイ配向からベンド配向に転移するときの核となり、電圧印加時に透過領域における液晶層13の厚さ方向中央部の液晶分子を略垂直方向に容易に配向させることができる。したがって、低電圧の印加であっても、透過領域の液晶分子をスプレイ配向からベンド配向に容易に転移させることができる。その結果、半透過型の液晶表示素子を低電圧駆動で実現する場合でも、高速応答特性が得られ、表示品位に優れた液晶表示素子を実現することができる。
ところで、本実施例では、反射領域の液晶層13の厚さが、透過領域の液晶層13の厚さの約0.46倍となるように、TFT基板12上に段差樹脂層19が形成されているが、反射領域の液晶層の厚さが透過領域の液晶層の厚さの0.3倍以上0.7倍以下となるように段差樹脂層19が形成されていれば、上述した本発明の効果を得ることができることが確認された。したがって、例えば、透過領域の液晶層13の厚さを3.4μmとした場合、段差樹脂層19の厚さを1.02μm以上2.38μm以下とすることにより、反射領域の液晶層13の厚さを1.02μm以上2.38μm以下とすればよい。
特に、段差樹脂層19は、反射領域の液晶層の厚さが透過領域の液晶層の厚さの0.45倍以上0.55倍以下となるような厚さで形成されることが望ましい。例えば、透過領域の液晶層13の厚さを3.4μmとした場合、段差樹脂層19の厚さを1.53μm以上1.87μm以下とすることにより、反射領域の液晶層13の厚さを1.53μm以上1.87μm以下とするのが望ましい。これは、反射領域における段差樹脂層19の表面付近で垂直配向となった液晶分子が、透過領域における液晶層13の厚さ方向中央部と、厚さ方向においてより近づくからである。これにより、電圧印加時には、反射領域の垂直配向の液晶分子により、透過領域の厚さ方向中央部の液晶分子をベンド配向に確実に転移させることができ、上述した本発明の効果をより確実に得ることができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
図7は、本実施形態の液晶表示素子の液晶セル1の1画素の概略の構成を示す断面図である。また、図8は、電圧無印加時の液晶セル1内部の液晶分子の配向状態を模式的に示す説明図である。本実施形態では、実施の形態1でTFT基板12側に形成された段差樹脂層19をCF基板11側に形成し、段差樹脂層19表面を含むCF基板11上に対向電極14を形成する一方、TFT基板12上に透明電極18aおよび反射電極18bを形成している以外は、実施の形態と同様の構成である。
つまり、本実施形態では、段差樹脂層19の形成位置は実施の形態1と異なっているが、液晶分子の配向状態が、透過領域では電圧無印加時にスプレイ配向状態となっている一方、反射領域では、透過領域の液晶層13の厚さ方向中央部に対応する厚さ方向の位置(段差樹脂層19の表面付近)にて略垂直配向であり、かつ、基板側(段差樹脂層19に対して液晶層13を挟んで反対側)で略水平配向となるハイブリッド配向状態となっている点で、実施の形態1と共通している。
以下、本実施形態の液晶表示素子の製造方法について、実施例2として説明する。
まず、CF基板11上の反射領域に相当する部分に厚さ2.0μmの段差樹脂層19を形成し、その上からITOデポを行うことにより表示用の対向電極14を形成する。
続いて、TFT基板12上の画素電極18として、ITOからなる透明電極18aとアルミ電極からなる反射電極18bをそれぞれ形成し、透過領域および反射領域とする。そして、それぞれの基板上に水平配向膜(JSR社製AL4552)を塗布する。また、CF基板11の段差樹脂層19の表面には、垂直配向膜(JSR社製AL00010)をインクジェット法にて塗布し、垂直配向領域を形成する。
次に、CF基板11とTFT基板12とを、セルギャップ3.9μmとなるように貼り合わせ、液晶セル1を作製する。その後、液晶セル1に液晶を注入し、実施の形態1と同様の光学設定のフィルム(光学フィルム2)をこれに貼り合わせるとともに、光源ユニット3を付加し、液晶表示素子を完成する。なお、本実施形態では、光学フィルム2の第1光学異方層21および第2光学異方層22の面内リタデーションを28nmに設定し、第3光学異方層23および第4光学異方層24のリタデーションを、面内方向で38nm、厚さ方向で209nmに設定した。
本実施例の液晶表示素子において、上述した実施例1と同様に、駆動用の信号(電圧1.5〜4V)を印加したところ、4Vよりも低電圧の印加で、透過領域での液晶分子の配向状態がスプレイ配向からベンド配向へと変化することが確認できた。これは、実施例1と同様に、反射領域にてハイブリッド配向となっている液晶層13において、段差樹脂層19の表面付近の垂直配向となっている液晶分子がベンド配向の核となり、透過領域のスプレイ配向がギブスエネルギー的に安定なベンド配向へと転移し、駆動電圧範囲内(<4V)においてベンド配向状態で駆動されるためと考えられる。また、本実施例の液晶表示素子は、実施例1の液晶表示素子よりもやや高速な応答特性を示すことも確認できた。
次に、本実施形態の液晶表示素子との比較のため、以下の構成の液晶表示素子を作製した。
図9は、本実施形態の液晶表示素子との比較のために作製した液晶表示素子の液晶セル1において、液晶層13の液晶分子の配向状態を模式的に示す説明図である。本比較例の液晶表示素子は、段差樹脂層19をCF基板11側に形成し、段差樹脂層19表面を含むCF基板11上に対向電極14を形成する一方、TFT基板12上に透明電極18aおよび反射電極18bを形成している点で、実施例2の液晶表示素子と共通している。
しかし、液晶分子の配向状態が、透過領域では電圧無印加時にスプレイ配向状態となっている一方、反射領域では、透過領域の液晶層13の厚さ方向中央部に対応する厚さ位置(段差樹脂層19の表面付近)にて水平配向であり、かつ、基板側(段差樹脂層19に対して液晶層13を挟んで反対側)で垂直配向となっている点で、実施例2の液晶表示素子とは異なっている。以下、本比較例の液晶表示素子の製造方法について説明する。
まず、CF基板1上に段差樹脂層19を形成し、その上からITOデポを行うことにより表示用の対向電極14を形成する。
続いて、TFT基板12上の画素電極18として、ITOからなる透明電極18aとアルミ電極からなる反射電極18bをそれぞれ形成し、透過領域および反射領域とする。そして、TFT基板12側の配向膜を塗布する段階において、インクジェット法により、透過領域には水平配向膜(AL4552)を塗布する一方、反射領域には垂直配向膜(JALS2017)を塗布し、配向膜の塗り分けを行った。なお、CF基板11側の配向膜塗布は、水平配向膜(AL4552)のみで行った。
そして、上記両基板を貼り合わせた後、液晶を注入して封止し、液晶セル1を作製する。その後、本実施形態と同様の光学設定のフィルム(光学フィルム2)を液晶セル1に張り合わせるとともに、光学ユニット3を付加し、液晶表示素子を完成させる。
本比較例の液晶表示素子において、液晶層13に所定範囲の信号電圧を印加すると、4V以下の低電圧の印加では、透過領域にてスプレイ配向からベンド配向への配向転移は発生しなかった。また、応答特性は黒表示(1.5V)から白表示(4V)の応答で20msec程度となり、通常のLCDパネルと大差ない特性を示した。
これは、本比較例においては、透過領域の液晶層13の厚さ方向における中央部に相当する反射領域の部分(段差部分)の液晶分子の配向状態が、基板面に対して水平配向であるため、透過領域の液晶層13の厚さ方向中央部付近での液晶分子が低電圧の印加では基板面に対して垂直に配向しにくく、スプレイ配向状態のまま駆動されているためであると考えられる。
以上、実施の形態1・2を総合すると、液晶分子の配向状態が、透過領域では電圧無印加時にスプレイ配向状態となっている一方、反射領域では、透過領域の液晶層13の厚さ方向中央部に対応する厚さ方向の位置にて略垂直配向であり、かつ、一方の基板(CF基板11またはTFT基板12)側で略水平配向となるハイブリッド配向状態となればよいと言える。また、段差樹脂層19の形成される基板は、CF基板11であってもTFT基板12であってもよいと言える。
なお、本発明の液晶表示素子は、以下のように表現することもできる。
本発明の液晶表示素子は、一対の基板で液晶層13を挟持してなるとともに、1画素内に透過領域と反射領域とを有し、反射領域における液晶層13の厚さが透過領域における液晶層13の厚さよりも小さく形成された液晶セル1を有する液晶表示素子において、一方の基板側の液晶分子のプレチルト角が2°以上20°以下であるときに、これと対向する基板側の液晶分子の反射領域におけるプレチルト角が80°以上90°以下であり、かつ、透過領域におけるプレチルト角が2°以上20°以下である構成である。
また、本発明の液晶表示素子は、反射領域における液晶層13の厚さが透過領域における液晶層13の厚さの0.3倍以上0.7倍以下となるように、反射領域に形成される段差層(段差樹脂層19)を有している構成である。
また、本発明の液晶表示素子は、上記段差層の表面上の液晶分子が、プレチルト角80°以上90°以下となっている構成である。
また、本発明の液晶表示素子は、透過領域における液晶層13の厚さ方向中央部の液晶分子が、電圧無印加状態で基板面に対してほぼ平行に配向しており、電圧印加状態で基板面に対してほぼ垂直に配向している構成である。
本発明は、携帯端末やモバイル機器等、低電圧駆動の設計がなされた半透過型の液晶表示素子を用いる機器に利用可能である。
1 液晶セル
11 CF基板
12 TFT基板
13 液晶層
18a 透明電極(透過領域)
18b 反射電極(反射領域)
19 段差樹脂層(段差層)
21 第1光学異方層(第1光学補償層)
22 第2光学異方層(第2光学補償層)
23 第3光学異方層(第3光学補償層)
24 第4光学異方層(第4光学補償層)
25 第1偏光層
26 第2偏光層
11 CF基板
12 TFT基板
13 液晶層
18a 透明電極(透過領域)
18b 反射電極(反射領域)
19 段差樹脂層(段差層)
21 第1光学異方層(第1光学補償層)
22 第2光学異方層(第2光学補償層)
23 第3光学異方層(第3光学補償層)
24 第4光学異方層(第4光学補償層)
25 第1偏光層
26 第2偏光層
Claims (15)
- 一対の基板で液晶層を挟持してなるとともに、1画素内に透過領域と反射領域とを有し、上記反射領域における液晶層の厚さが上記透過領域における液晶層の厚さよりも小さく形成された液晶セルを有する液晶表示素子において、
上記透過領域における液晶層の液晶分子がスプレイ配向であり、
上記反射領域における液晶層の液晶分子が、当該液晶層の厚さ方向において、上記透過領域の液晶層の厚さ方向中央部に対応する部分で略垂直配向であり、かつ、一方の基板側で略水平配向であるハイブリッド配向であることを特徴とする液晶表示素子。 - 一方の基板には、上記反射領域の液晶層の厚さが上記透過領域の液晶層の厚さの0.3倍以上0.7倍以下となるように、上記両液晶層間に段差を生じさせる段差層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
- 上記段差層は、上記反射領域の液晶層の厚さが上記透過領域の液晶層の厚さの0.45倍以上0.55倍以下となるような厚さで形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
- 上記両基板の液晶層側には配向膜が形成されており、
上記両基板は、上記配向膜のラビング方向がパラレルとなるように貼り合わされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液晶表示素子。 - 上記透過領域における液晶層のスプレイ配向の液晶分子は、電圧印加時にベンド配向に転移することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 上記液晶セルの両面に配置され、位相補償を行うための光学フィルムをさらに有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 上記液晶セルにてベンド配向している液晶層の傾斜配向部分の光学補償を行う第1光学補償層および第2光学補償層を、上記液晶セルの両面に有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 上記第1光学補償層および上記第2光学補償層は、ディスコティック液晶層で構成されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示素子。
- 上記液晶セルにてベンド配向している液晶層の垂直配向部分の光学補償を行う第3光学補償層および第4光学補償層を、上記第1光学補償層および上記第2光学補償層の外側に有していることを特徴とする請求項7または8に記載の液晶表示素子。
- 上記第3光学補償層および上記第4光学補償層は、2軸性位相差フィルムで構成されていることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示素子。
- 上記液晶セルの透過領域に入射する光および反射領域にて反射する光の両方の偏光状態を調整するための第5光学補償層および第6光学補償層を、上記第3光学補償層および上記第4光学補償層の外側に有していることを特徴とする請求項9または10に記載の液晶表示素子。
- 上記第5光学補償層および上記第6光学補償層は、一軸性の光学異方層で構成されていることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示素子。
- 上記第5光学補償層および上記第6光学補償層の外側に配置される偏光層をさらに有していることを特徴とする請求項11または12に記載の液晶表示素子。
- 各偏光層は、偏光軸が上記液晶セルのラビング方向と45°の角度をなすように配置されているとともに、互いの偏光軸がクロスニコル状態となるように配置されていることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示素子。
- 反射領域における液晶層の厚さが透過領域における液晶層の厚さよりも小さくなるように、一方の基板上の反射領域に段差層を形成する工程と、
上記一方の基板上に水平配向膜を塗布する工程と、
他方の基板上に水平配向膜を塗布する工程と、
上記段差層の表面に垂直配向膜を塗布する工程と、
上記両基板の配向膜をラビングする工程と、
上記両基板をラビング方向がパラレルとなるように液晶層を介して貼り合わせる工程とを有していることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
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- 2003-09-11 JP JP2003319466A patent/JP2005084593A/ja active Pending
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