JPH08114098A - トンネルコンクリートの止水強化工法 - Google Patents
トンネルコンクリートの止水強化工法Info
- Publication number
- JPH08114098A JPH08114098A JP6275691A JP27569194A JPH08114098A JP H08114098 A JPH08114098 A JP H08114098A JP 6275691 A JP6275691 A JP 6275691A JP 27569194 A JP27569194 A JP 27569194A JP H08114098 A JPH08114098 A JP H08114098A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cement
- concrete
- lining
- mixture layer
- secondary lining
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【構成】一次覆工の吹付コンクリート面３にセメント結
晶増殖剤４と緩衝材５との混合物を吹き付けたのちコン
クリート６を打設して二次覆工とする。 【効果】一次覆工と二次覆工との間に短期的および経時
的に発生する各種応力によっても破断しにくいアイソレ
イション層を介在させ、また大きな応力の発生によって
この層が破断し二次覆工のコンクリートにクラックが生
じた場合でもクラック内に浸透し拡散するセメント結晶
増殖剤の結晶増殖能力により長期間にわたって効果的に
止水および劣化抑止を行なうことができる。
晶増殖剤４と緩衝材５との混合物を吹き付けたのちコン
クリート６を打設して二次覆工とする。 【効果】一次覆工と二次覆工との間に短期的および経時
的に発生する各種応力によっても破断しにくいアイソレ
イション層を介在させ、また大きな応力の発生によって
この層が破断し二次覆工のコンクリートにクラックが生
じた場合でもクラック内に浸透し拡散するセメント結晶
増殖剤の結晶増殖能力により長期間にわたって効果的に
止水および劣化抑止を行なうことができる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、トンネル内の既設ま
たは新設のコンクリートの収縮、膨張その他応力による
変位を阻害することなく、また、クラック損傷、劣化等
の修復および止水を効果的に行なうことができるトンネ
ルコンクリートの止水強化工法に関するものである。
たは新設のコンクリートの収縮、膨張その他応力による
変位を阻害することなく、また、クラック損傷、劣化等
の修復および止水を効果的に行なうことができるトンネ
ルコンクリートの止水強化工法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来知られているトンネル工法の中で特
に多用されているＮＡＴＭ工法は、トンネル掘削後吹付
コンクリートとロックボルトとにより支保した一次覆工
の上に二次覆工としてコンクリートを打設するものであ
るが、この工法においては、二次覆工のコンクリートに
クラックが生じることがあるという問題点があった。そ
の原因は、短期的には、既に硬化収縮している一次覆工
の上に打設した二次覆工のコンクリートが後から硬化収
縮することによるものであり、また、長期的には、セメ
ント水和熱による温度応力、コンクリートの乾燥収縮、
地山のクリープや湧水等による荷重の増加あるいは膨張
性泥岩等による地山応力変化の影響、その他環境状態等
が考えられる。そこで、これらの問題点とその原因を低
減、回避するために、一次覆工と二次覆工との間に不織
布とビニールシートとを重ねた防水シートを設けて一次
覆工と二次覆工との間をアイソレイションする方法が採
用されている。しかしながら、ビニールシートは、長期
間にわたってｐＨ＝１２クラスのセメントとその浸透水
に恒常的に接触しているため化学的に経時劣化し、ま
た、地震その他による地山土圧応力の変化およびそれに
伴う壁面変位による各種応力のため、両覆工間のビニー
ルシートが破断、裂断、圧断等の損傷を受けるから長期
間にわたる防水は期待できず、さらに致命的なことはビ
ニールシートの補修や更新は全く不可能であるというこ
とである。
に多用されているＮＡＴＭ工法は、トンネル掘削後吹付
コンクリートとロックボルトとにより支保した一次覆工
の上に二次覆工としてコンクリートを打設するものであ
るが、この工法においては、二次覆工のコンクリートに
クラックが生じることがあるという問題点があった。そ
の原因は、短期的には、既に硬化収縮している一次覆工
の上に打設した二次覆工のコンクリートが後から硬化収
縮することによるものであり、また、長期的には、セメ
ント水和熱による温度応力、コンクリートの乾燥収縮、
地山のクリープや湧水等による荷重の増加あるいは膨張
性泥岩等による地山応力変化の影響、その他環境状態等
が考えられる。そこで、これらの問題点とその原因を低
減、回避するために、一次覆工と二次覆工との間に不織
布とビニールシートとを重ねた防水シートを設けて一次
覆工と二次覆工との間をアイソレイションする方法が採
用されている。しかしながら、ビニールシートは、長期
間にわたってｐＨ＝１２クラスのセメントとその浸透水
に恒常的に接触しているため化学的に経時劣化し、ま
た、地震その他による地山土圧応力の変化およびそれに
伴う壁面変位による各種応力のため、両覆工間のビニー
ルシートが破断、裂断、圧断等の損傷を受けるから長期
間にわたる防水は期待できず、さらに致命的なことはビ
ニールシートの補修や更新は全く不可能であるというこ
とである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、上
記従来工法の問題点を解決することであり、一次覆工と
二次覆工との間に短期的および経時的に発生する各種応
力によっても破断しにくいアイソレイション層を介在さ
せ、また大きな応力の発生によってこの層が破断し二次
覆工のコンクリートにクラックが生じた場合でもクラッ
ク内に浸透し拡散するセメント結晶増殖剤の結晶増殖能
力により長期間にわたって効果的に止水および劣化抑止
を行なうことができるトンネルコンクリートの止水強化
工法を提供することである。
記従来工法の問題点を解決することであり、一次覆工と
二次覆工との間に短期的および経時的に発生する各種応
力によっても破断しにくいアイソレイション層を介在さ
せ、また大きな応力の発生によってこの層が破断し二次
覆工のコンクリートにクラックが生じた場合でもクラッ
ク内に浸透し拡散するセメント結晶増殖剤の結晶増殖能
力により長期間にわたって効果的に止水および劣化抑止
を行なうことができるトンネルコンクリートの止水強化
工法を提供することである。
【０００４】
【課題を解決する手段】上記の目的を達成するために、
この発明のトンネルコンクリートの止水強化工法は、一
次覆工のコンクリート面にセメント結晶増殖剤と緩衝材
との混合物を吹き付けたのちコンクリートを打設して二
次覆工としている。
この発明のトンネルコンクリートの止水強化工法は、一
次覆工のコンクリート面にセメント結晶増殖剤と緩衝材
との混合物を吹き付けたのちコンクリートを打設して二
次覆工としている。
【０００５】
【作用】混合物層のセメント結晶増殖剤が一次覆工およ
び二次覆工の毛細孔、空隙、クラック等の中に浸透し拡
散して増殖するセメント結晶によりこれらを充填し不透
水化する。また、短期的に生じる二次覆工の硬化収縮や
長期間にわたる地山土圧応力の変化により一次覆工と二
次覆工との対向壁面に変位が生じた場合、混合物層が変
形して変位を吸収するから混合物層が破断しにくく、ま
た二次覆工に発生する更に大きい応力によって混合物層
が破断し二次覆工にクラックが生じた場合でもクラック
内にセメント結晶増殖剤が浸透して拡散して増殖するセ
メント結晶でこれを充填することにより二次覆工の止水
と劣化抑止を恒久的に行なう。
び二次覆工の毛細孔、空隙、クラック等の中に浸透し拡
散して増殖するセメント結晶によりこれらを充填し不透
水化する。また、短期的に生じる二次覆工の硬化収縮や
長期間にわたる地山土圧応力の変化により一次覆工と二
次覆工との対向壁面に変位が生じた場合、混合物層が変
形して変位を吸収するから混合物層が破断しにくく、ま
た二次覆工に発生する更に大きい応力によって混合物層
が破断し二次覆工にクラックが生じた場合でもクラック
内にセメント結晶増殖剤が浸透して拡散して増殖するセ
メント結晶でこれを充填することにより二次覆工の止水
と劣化抑止を恒久的に行なう。
【０００６】
【実施例】この発明の実施例について図面を参照しなが
ら説明する。図１はそのトンネルに直交する断面図であ
り、図２はその円で囲った部分の拡大図である。トンネ
ル掘削後その内壁に、吹付コンクリート３により５〜３
０ｃｍ厚の一次覆工を施工するとともに地山１に深く入
るようにロックボルト２を打設する。吹付コンクリート
３が硬化した後、その表面にセメント結晶増殖剤４と緩
衝材５と水との混合物を数ｍｍ〜１ｃｍ程度の厚さで吹
き付け、この層が硬化した後さらにその上にコンクリー
ト６を５〜５０ｃｍ打設して二次覆工を施工する。
ら説明する。図１はそのトンネルに直交する断面図であ
り、図２はその円で囲った部分の拡大図である。トンネ
ル掘削後その内壁に、吹付コンクリート３により５〜３
０ｃｍ厚の一次覆工を施工するとともに地山１に深く入
るようにロックボルト２を打設する。吹付コンクリート
３が硬化した後、その表面にセメント結晶増殖剤４と緩
衝材５と水との混合物を数ｍｍ〜１ｃｍ程度の厚さで吹
き付け、この層が硬化した後さらにその上にコンクリー
ト６を５〜５０ｃｍ打設して二次覆工を施工する。
【０００７】吹き付ける混合物の組成割合は、セメント
結晶増殖剤４と緩衝材５とが体積比で１：１〜１：３で
あり、水は吹き付けに適当な量である。セメント結晶増
殖剤４は、コンクリート内に浸透して珪酸質結晶を生成
する市販のものを使用することができるが、本出願人が
開発し既に特許権を取得しているコンクリートおよびモ
ルタルの結晶増殖剤（特公平５−２７５９５号公報参
照）を使用すれば、特に効果的である。また、緩衝材５
は発泡スチロールからなる直径が２〜４ｍｍ程度の微粒
子である。
結晶増殖剤４と緩衝材５とが体積比で１：１〜１：３で
あり、水は吹き付けに適当な量である。セメント結晶増
殖剤４は、コンクリート内に浸透して珪酸質結晶を生成
する市販のものを使用することができるが、本出願人が
開発し既に特許権を取得しているコンクリートおよびモ
ルタルの結晶増殖剤（特公平５−２７５９５号公報参
照）を使用すれば、特に効果的である。また、緩衝材５
は発泡スチロールからなる直径が２〜４ｍｍ程度の微粒
子である。
【０００８】次にその作用について説明する。一次覆工
と二次覆工との間に存在する混合物層のセメント結晶増
殖剤４が一次覆工および二次覆工の毛細孔、空隙、クラ
ック等の中に浸透して拡散しセメント結晶を増殖してこ
れらを充填することにより一次覆工および二次覆工の防
水効果を高めクラックの発生を低減する。また、短期的
に生じる二次覆工の硬化収縮や長期間にわたる地山１の
土圧応力の変化により一次覆工と二次覆工との対向壁面
が変位した場合、セメント結晶増殖剤４と緩衝材５との
混合物層は、変形して応力を分散、吸収するから破断し
にくく、また、二次覆工に発生するさらに大きい応力に
よって混合物層が破断して二次覆工にクラックが生じた
場合には、クラック内にセメント結晶増殖剤４が浸透し
て拡散し増殖するセメント結晶でこれを充填し防水効果
を高めることにより二次覆工の漏水と劣化を恒久的に抑
止する。
と二次覆工との間に存在する混合物層のセメント結晶増
殖剤４が一次覆工および二次覆工の毛細孔、空隙、クラ
ック等の中に浸透して拡散しセメント結晶を増殖してこ
れらを充填することにより一次覆工および二次覆工の防
水効果を高めクラックの発生を低減する。また、短期的
に生じる二次覆工の硬化収縮や長期間にわたる地山１の
土圧応力の変化により一次覆工と二次覆工との対向壁面
が変位した場合、セメント結晶増殖剤４と緩衝材５との
混合物層は、変形して応力を分散、吸収するから破断し
にくく、また、二次覆工に発生するさらに大きい応力に
よって混合物層が破断して二次覆工にクラックが生じた
場合には、クラック内にセメント結晶増殖剤４が浸透し
て拡散し増殖するセメント結晶でこれを充填し防水効果
を高めることにより二次覆工の漏水と劣化を恒久的に抑
止する。
【０００９】なお、上記実施例においては、緩衝材５の
材料を発泡スチロールとしているが、これに限られるも
のではなく、要は、適当に変形する軽量なものでありさ
えすればよいから、植物や合成樹脂等を適宜使用するこ
とができる。
材料を発泡スチロールとしているが、これに限られるも
のではなく、要は、適当に変形する軽量なものでありさ
えすればよいから、植物や合成樹脂等を適宜使用するこ
とができる。
【００１０】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のトンネ
ルコンクリートの止水強化工法は、一次覆工と二次覆工
との間にセメント結晶増殖剤と緩衝材との混合物層を設
けたことにより、セメント結晶増殖剤が一次覆工および
二次覆工の毛細孔、空隙、クラック等を充填して防水効
果を高め、経時的に発生する地山の土圧応力の変化を混
合物層が分散、吸収することにより混合物層は破断しに
くく効果的に両覆工のアイソレーションを行ない、ま
た、破断、圧断等が発生し二次覆工にクラックが生じた
場合にもクラック内にセメント結晶増殖剤が浸透して増
殖するセメント結晶によりこれを充填し防水効果を高
め、二次覆工の止水と劣化抑止を恒久的に行なうことが
できるものである。
ルコンクリートの止水強化工法は、一次覆工と二次覆工
との間にセメント結晶増殖剤と緩衝材との混合物層を設
けたことにより、セメント結晶増殖剤が一次覆工および
二次覆工の毛細孔、空隙、クラック等を充填して防水効
果を高め、経時的に発生する地山の土圧応力の変化を混
合物層が分散、吸収することにより混合物層は破断しに
くく効果的に両覆工のアイソレーションを行ない、ま
た、破断、圧断等が発生し二次覆工にクラックが生じた
場合にもクラック内にセメント結晶増殖剤が浸透して増
殖するセメント結晶によりこれを充填し防水効果を高
め、二次覆工の止水と劣化抑止を恒久的に行なうことが
できるものである。
【図１】 この発明のトンネルコンクリートの止水強化
工法により施工したトンネルの断面図
工法により施工したトンネルの断面図
【図２】 その部分拡大図
１ 地山 ２ ロックボルト ３ 吹付コ
ンクリート ４ セメント結晶増殖剤 ５ 緩衝材 ６
コンクリート
ンクリート ４ セメント結晶増殖剤 ５ 緩衝材 ６
コンクリート
Claims (1)
- 【請求項１】一次覆工のコンクリート面にセメント結晶
増殖剤と緩衝材との混合物を吹き付けたのちコンクリー
トを打設して二次覆工とすることを特徴とするトンネル
コンクリートの止水強化工法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6275691A JP2657943B2 (ja) | 1994-10-15 | 1994-10-15 | トンネルコンクリートの止水強化工法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6275691A JP2657943B2 (ja) | 1994-10-15 | 1994-10-15 | トンネルコンクリートの止水強化工法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08114098A true JPH08114098A (ja) | 1996-05-07 |
| JP2657943B2 JP2657943B2 (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=17559018
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6275691A Expired - Fee Related JP2657943B2 (ja) | 1994-10-15 | 1994-10-15 | トンネルコンクリートの止水強化工法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2657943B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106401602A (zh) * | 2016-11-15 | 2017-02-15 | 西南交通大学 | 富水未固结地层抗浮抗沉抗水压减震隧道结构 |
| CN109184753A (zh) * | 2018-09-28 | 2019-01-11 | 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 | 用于隧道初期支护后变形侵限的处理方法 |
| CN114320365A (zh) * | 2021-12-28 | 2022-04-12 | 中水北方勘测设计研究有限责任公司 | 一种整体式预制钢筋混凝土衬砌隧洞的快速施工方法 |
-
1994
- 1994-10-15 JP JP6275691A patent/JP2657943B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106401602A (zh) * | 2016-11-15 | 2017-02-15 | 西南交通大学 | 富水未固结地层抗浮抗沉抗水压减震隧道结构 |
| CN109184753A (zh) * | 2018-09-28 | 2019-01-11 | 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 | 用于隧道初期支护后变形侵限的处理方法 |
| CN114320365A (zh) * | 2021-12-28 | 2022-04-12 | 中水北方勘测设计研究有限责任公司 | 一种整体式预制钢筋混凝土衬砌隧洞的快速施工方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2657943B2 (ja) | 1997-09-30 |
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