JPH08111188A - 偏向ヨーク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 絶縁枠に直接巻線された鞍型コイルは、絶縁
枠の一部に穴を開け、外からテープで保護していたが、
絶縁と機械的保護と効率に問題があり、それらを解決し
た偏向ヨークを提供することを目的とする。 【構成】 絶縁枠１に直接巻線された鞍型コイルであっ
て、水平偏向コイル２の補助コイル４の巻線上の絶縁枠
１の一部に設けられた窪み９とその窪み９の上面の一部
を覆うリブ６を、絶縁枠１で一体成形し、補助コイル４
の巻線を窪み９を通しリブ６を巻き枠にして巻線した偏
向ヨークから成る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、テレビション受像機等
の陰極線管に設置する偏向ヨークに関し、特に水平偏向
コイルの補助コイルを絶縁枠に設けられたリブを介して
巻線された偏向ヨークに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】陰極線管に装着する電子ビームを偏向す
るための偏向磁界を発生する偏向ヨークであって、一部
穴の開けられた絶縁枠に直接巻線された水平偏向コイル
の穴にテープを貼られた従来例の偏向ヨークの外観図を
図４に示し、従来例の偏向ヨークにおけるＢ−Ｂ断面図
を図５に表す［以下、これを『従来例』という］。

【０００３】図４及び図５において、１は絶縁枠、２は
水平偏向コイル、３は垂直偏向コイル、４は水平偏向コ
イルの補助コイル、５はフエライトコア、７は絶縁枠の
穴、８は絶縁テープを示す。

【０００４】以下、従来例の技術的所以について説明す
る。この従来例においては、巻線上絶縁枠１に開けられ
た絶縁枠の穴７に巻線された補助コイル４と、垂直偏向
コイル３との絶縁及び保護のために、絶縁枠の穴７の外
側に絶縁テープ８等を貼っていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、テープによる
作成方式ではテープの貼り付け作業による絶縁距離のば
らつき及び機械的強度の低下、偏向ヨークの長期使用に
よる剥離・変質等の経時変化に伴う信頼性の低下等の不
具合が生じ易い欠点があった。

【０００６】ここにおいて本発明はかかる問題点に鑑み
てなされたものであり、絶縁枠の穴を無くすと共に、電
気的絶縁および機械的保護、作業性の効率化を図った偏
向ヨークを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の偏向ヨークは、絶縁枠に直接巻線された鞍型
水平偏向コイルであって、巻線上絶縁枠の一部に設けら
れた窪みにリブを設置し、このリブを介して巻線された
補助コイルから成る構成となっている。すなわち、陰極
線管に装着し電子ビームを偏向させる偏向磁界を発生す
る偏向ヨークであって、陰極線管の開口部に備える絶縁
枠に直接巻線された水平偏向コイルと、垂直偏向コイル
からなり、水平偏向コイルの補助コイルを絶縁枠の上面
に設けられたリブを介して巻線された偏向ヨークであ
る。また好ましくは絶縁枠の上面に窪みを開設し、窪み
の一部を覆うように絶縁枠と一体成形して設けられたリ
ブを介して水平偏向コイルの補助コイルを巻線された偏
向ヨークである。さらに望ましくはリブの陰極線管の円
周方向の長さは補助コイルの開口部側の円周方向の長さ
に略等しくした偏向ヨークである。

【０００８】

【作用】本発明は上記構成とすることにより、前記絶縁
枠の一部に設けられた窪みを、絶縁枠と一体成形するこ
とにより、電気的絶縁及び機械的保護、作業の効率化を
行っている。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面に沿
って説明する。

【００１０】図１は、本発明の一実施例における偏向コ
イルの外観斜視図である。すなわち、図１は本発明装置
の一部に窪みを設けられた絶縁枠に直接巻線された水平
偏向コイルにおいて、絶縁枠の窪みが絶縁枠で一体成形
され、この窪み上に形成したリブを介して巻線された補
助コイルから成る装置の斜視図である。

【００１１】また、図２は本発明の一実施例における補
助コイル（窪み部）の拡大図を示し、図３は図１におけ
る絶縁枠の窪み部の断面図である。

【００１２】図１ないし図３において、１は絶縁枠、２
は水平偏向コイル、３は垂直偏向コイル、４は補助コイ
ル、５はフエライトコア、６はリブ、９は窪みを示す。

【００１３】以下、本発明の構成の詳細について説明す
る。特性上絶縁枠１の中間部までしか巻線されていない
水平偏向コイル２の補助コイル４を有する偏向ヨークに
おいて、この補助コイル４の巻線機による巻線のため
に、絶縁枠１に絶縁枠１と一体成形された窪み９が設け
られている。

【００１４】そして、この窪み９上に設けられた単数も
しくは複数のリブ６を介して補助コイル４が巻線された
構成となっている。

【００１５】また、この窪み９を設けること無く絶縁枠
１自体をフエライトコア５側に逃がし、絶縁枠１の中間
部にリブ６を介して補助コイル４を巻線する構成にする
こともできる。

【００１６】このように構成された本発明について、以
下にその動作を説明する。水平偏向コイル２と垂直偏向
コイル３の管に絶縁物が存在せず、かつ水平偏向コイル
２と垂直偏向コイル３の空間距離が約３．２mm未満の場
合、偏向ヨーク動作時に両者間の電位差によって放電現
象が発生する場合がある。この時放電によって偏向コイ
ル２，３及び絶縁枠１に熱が発生し、偏向ヨークの発熱
ひいてはテレビション受像機の燃焼が生じ、重大事故に
なる恐れがある。

【００１７】従って、水平偏向コイル２と垂直偏向コイ
ル３の絶縁は、空間距離約３．２mm未満の時には必ず行
われねばならず、本発明の偏向ヨークにおいては、水平
偏向コイル２の巻線上一部に設けられた窪み９を絶縁枠
１で一体成形することによって、絶縁距離を確保し、水
平偏向コイル２と垂直偏向コイル３間の絶縁を行ってい
る。

【００１８】ここに、本発明は好ましい形態として絶縁
枠１の上面に窪み９を開設し、窪み９の一部を覆うよう
に絶縁枠１と一体成形して設けられたリブ６を介して、
水平偏向コイル２の補助コイル４を巻線された偏向ヨー
クである。

【００１９】さらに望ましくは、本発明はリブ６の陰極
線管の円周方向の長さＬは補助コイル４の開口部側の円
周方向の長さＬ（開き）に略等しくした偏向ヨークであ
る。

【００２０】また、従来例のテープ等による方式ではテ
ープの貼り付け作業による絶縁距離のばらつき及び、機
械的強度の低下、偏向ヨークの長期使用による剥がれ、
変質等の経時変化による信頼性の低下，組立作業時間の
不具合が生じ易い等の欠点があったが、本発明によると
上記の問題点を全て解決することができる。

【００２１】以上が本発明に成る偏向ヨークの一実施例
であるが、この他にリブ６とさらには窪み９等の種々の
形態的変形が考えられる。

【００２２】

【発明の効果】本発明は、上記構成とすることにより、
絶縁枠の一部に設けられた窪みを、絶縁枠で一体成形す
るこにより、電気的絶縁及び、機械的保護、作業の効率
化を図るという特段の効果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における偏向コイルの外観斜
視図［本発明装置の一部に窪みを設けられた絶縁枠に直
接巻線された水平偏向コイルにおいて、絶縁枠の窪みが
絶縁枠で一体成形され、この窪み上に形成したリブを介
して巻線された補助コイルから成る装置の斜視図］

【図２】本発明の一実施例における補助コイル（窪み
部）の拡大図

【図３】本発明の一実施例における絶縁枠の窪み部［図
１のＡ−Ａ線に沿う］の断面図

【図４】従来例の偏向ヨークの外観図

【図５】従来例の偏向ヨークにおけるＢ−Ｂ断面図

【符号の説明】

１ 絶縁枠 ２ 水平偏向コイル ３ 垂直偏向コイル ４ 補助コイル ５ フェライトコア ６ リブ ７ 絶縁枠の穴 ８ 絶縁テープ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】陰極線管に装着し電子ビームを偏向させる
   偏向磁界を発生する偏向ヨークであって、陰極線管の開
   口部に備える絶縁枠に直接巻線された水平偏向コイル
   と、垂直偏向コイルからなり、前記水平偏向コイルの補
   助コイルを前記絶縁枠の上面に設けられたリブを介して
   巻線されたことを特徴とする偏向ヨーク。
2. 【請求項２】前記絶縁枠の上面に窪みを開設し、前記窪
   みの一部を覆うように前記絶縁枠と一体成形して設けら
   れた前記リブを介して、前記水平偏向コイルの補助コイ
   ルを巻線されたことを特徴とする請求項１記載の偏向ヨ
   ーク。
3. 【請求項３】前記リブの前記陰極線管の円周方向の長さ
   は、前記補助コイルの開口部側の前記円周方向の長さに
   略等しくしたことを特徴とする請求項２記載の偏向ヨー
   ク。