JPH08111144A - ジョイスティック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 誤操作がなく、また視覚的にどの方向に傾動
可能であるかを容易に認識可能なジョイスティックを提
供する。 【構成】 傾動可能な操作部を備え、操作部の傾動に応
答してｎ個所（ｎ≧３）のスイッチ動作が行われるジョ
イスティックにおいて、操作部の操作面はｎ角形状に形
成され、ｎ角形状を規定する線分は、操作部の傾動によ
るスイッチ動作方向に対して略垂直とされる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は操作者の指の動きに応答
して１つの操作部材が多方向に傾斜して複数のスイッチ
の何れかを選択操作することが可能なジョイスティック
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば実公平３−５０５９４号に
開示されるごとく、操作者の指により多方向に傾くこと
が可能な十字型の操作部を有するコントローラが提案さ
れている。この従来例によれば、操作部の下側には４個
のスイッチが設けられているため、４個のスイッチの何
れかがオンになることにより、互いに９０度ずれた上下
左右の４方向が選択可能である。また、互いに４５度ず
れた８方向の検出をも可能とする場合には、８個のスイ
ッチを設けることにより、操作部の８方向の移動を検出
することが可能となる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここで、ゲーム機や車
載用電子機器等のコントローラは、操作者がコントロー
ラを見ることなく操作するものであるため、操作しよう
とする方向に操作部を確実に傾かせることができるよう
な工夫が必要となる。上述の従来例においては、操作部
が十字型とされているため、操作者が十字の間の斜め方
向に操作部を傾ける際の目標がなく、十字の間の斜め方
向に操作部を傾けでもスイッチが１個しかオンになら
ず、誤操作がしばしば発生していた。

【０００４】また、従来のジョイスティックにおいて
は、操作部が８方向に傾動可能であっても、操作部の上
面が円形や４角形とされており、一見して操作部が８方
向に傾動可能であることが判別できないものであった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するための手段として、傾動可能な操作部を備え、操
作部の傾動に応答してｎ個所（ｎ≧３）のスイッチ動作
が行われるジョイスティックにおいて、操作部の操作面
はｎ角形状に形成され、ｎ角形状を規定する線分は操作
部の傾動によるスイッチ動作方向に対して略垂直とされ
ている。

【０００６】また、操作面の周縁部における操作部の傾
動方向線上に突起部が設けられている。

【０００７】更に、操作面の中心部に凹部が形成されて
いる。

【０００８】

【作用】ジョイスティックが何れの方向に傾動可能であ
るかを視覚的に認識することができる。また、ジョイス
ティックを傾動する際、突起部が指に触れることによ
り、ジョイスティックの傾動方向が触感で認識できる。
また、ジョイスティックの操作面中心部に凹部を形成す
ることにより、指が操作部に密着すると共に、操作部を
傾動させたときに突起部が指に強く触れるため、より効
果的な触感が得られる。

【０００９】

【実施例】以下に本発明を適用した車載用ナビゲーショ
ンシステムのコントローラ１を、その平面図である図
１、正面図である図２及び図１におけるＡ−Ａ線断面図
である図３をもって説明する。

【００１０】モニタ（図示せず）に表示されている地図
を８方向にスクロールさせるためのジョイスティック２
の操作部９は、ハウジング３に形成された８角形の孔４
から突出され、操作者がジョイスティック２を傾動させ
ることにより、傾動方向に応答して表示されている地図
を対応する方向にスクロールさせるものである。また、
ジョイスティック２を押し下げることにより、目的位置
の決定を行うものである。

【００１１】図３において、操作部９にはロッド５が一
体成形されており、このロッド５はスイッチプレート６
の中心部に形成された中心孔７内に挿入されている。ま
た、操作部９とスイッチプレート６との間にはコイルバ
ネ８が配置されている。従って、操作部９はコイルバネ
８に抗して中心孔７内を移動可能である。

【００１２】円筒状のジョイントハウジング１１の外周
に設けられた２個のピン４４、４４はシャシ１０の側壁
に形成された孔に挿入され、またこのジョイントハウジ
ング１１の内周において、ピン４４と９０度の角度をも
って配置されたピン（図示せず）がスイッチプレート６
に形成された孔（図示せず）に挿入されている。従っ
て、スイッチプレート６はユニバーサルジョイントによ
ってシャシ１０に対して保持されていることになるた
め、あらゆる方向に傾くことが可能とされている。勿
論、スイッチプレート６の中心孔７に挿入されたジョイ
スティック２も、スイッチプレート６と同様、傾動可能
とされる。

【００１３】シャシ１０の上面には、ロッド５を中心
に、円周上に等間隔で配置された孔１２〜１９が形成さ
れている。孔１２〜１９には押圧ピン２２〜２９が挿入
され、この押圧ピン２２〜２９の先端はスイッチプレー
ト６の下面に当接されている。なお、図３においては、
シャシ１０に形成された孔１４、１８及び押圧ピン２
４、２８が示されている。

【００１４】ジョイスティック２のロッド５の先端部は
その径が大きくされることにより、コイルバネ８の付勢
力に抗してジョイスティック２を図３の位置に保持す
る。また、ロッド５の先端部はスイッチ３１の上面に位
置している。スイッチ３１を中心に円周上に等間隔で８
個のスイッチ３２〜３９が配置されており、それぞれ押
圧ピン２２〜２９の底面が当接している。

【００１５】スイッチ３１〜３９はそれぞれ同一構成で
あり、スイッチ３１をもって説明する。スイッチ３１は
基板４０上にパターン配線された電極４１と、ゴムから
なる保持部材４２により形成される空間内の上面に配置
された導電部材４３とからなる。ロッド５が押し下げら
れると、保持部材４２が変形して導電部材４３が電極４
１に当接し、スイッチ３１が導通状態となる。スイッチ
３２〜３９においては、スイッチプレート６が傾くこと
により、傾いた方向における押圧ピン２２〜２９が保持
部材４２を変形させて上述と同様にスイッチ３２〜３９
の何れかを導通状態とする。なお、図１において、これ
らスイッチ３１〜３９を点線で示す。また、図３におい
てはこれらスイッチのうち、図１におけるＡ−Ａ線上に
位置するスイッチ３１、３４、３８がそれぞれ示されて
いる。

【００１６】ジョイスティック２の操作部９の上面は図
１に示すように８角形とされており、この８角形を形成
する線分は、ジョイスティック２の８方向の傾動方向に
対してそれぞれ直角とされている。また、操作部９の上
面には凹部５１が形成されており、操作者の指がこの上
面に置かれたとき、指の腹にフィットするようにされて
いる。更に、凹部５１と操作部９のエッジ部との間の操
作部９の上面周縁部には、ジョイスティック２の８方向
の傾動線上に突起部５２が計８個形成されている。

【００１７】なお、ハウジング３に形成された孔４の周
辺部には、ジョイスティック２の上下左右の傾動方向を
示すため、９０度の間隔で矢印５３が計４個設けられ、
またジョイスティック２の斜め方向の傾動方向を示すた
め、矢印５３の間に丸印５４が計４個設けられている。
また、ハウジング３上には他の操作キーが６個配置され
ているが、その説明は省略する。４５はコネクタコード
であり、図示しないナビゲーションシステム本体に接続
される。

【００１８】以上の構成において、その動作を説明す
る。操作者がジョイスティック２の操作部９の上面に指
をのせた状態で、ジョイスティック２を図１における左
方向に傾動させた状態におけるＡ−Ａ線断面図を図４に
示す。この傾動に伴い、ジョイントハウジング１１とス
イッチプレート６とを接続するピン（図示せず）を中心
として、ジョイスティック２と共にスイッチプレート６
が左方向に傾く。これによりスイッチプレート６によっ
て押圧ピン２４が押されることにより、保持部材４２が
変形し、スイッチ３４の導電部材４３が電極４１に接触
することにより、スイッチ３４がオンとなる。

【００１９】操作者の指が操作部９の上面に形成された
凹部５１にのせた状態では、操作部９上面の８角形を形
成するエッジに操作者の指が強く触れることはない。し
かしながら、ジョイスティック２を左方向に傾ける際、
指が凹部５１から若干外れ、操作部９のエッジに操作者
の指が触れることにより、ジョイスティック２の傾動操
作をスイッチ３４の方向に正しく行うことができる。特
に、指を移動させる方向が不明確である斜め方向にジョ
イスティック２を傾動させる際には、エッジの方向に指
を動かすことにより、正確に斜めにジョイスティック２
を傾動させることができるものである。

【００２０】またこの傾動時、指が凹部５１から若干外
れることにより、指に突起部５２が強く触れる。これに
より操作者は、操作部９上面のエッジと共に、触感によ
りジョイスティック２の操作を正しい方向に行うことが
できる。またこの突起部５２は、凹部５１にのせた指の
滑り止めの機能を有しており、凹部５１に指を密着した
状態でジョイスティック２を傾ける際に指を凹部５１内
に保持する。

【００２１】また、操作部９における上面は８角形とさ
れ、ジョイスティック２の傾動によるスイッチ動作可能
方向と合致しているため、操作者がジョイスティック２
を見た際に、ジョイスティック２が８方向に傾動可能で
あることを視覚的に認識することが可能となる。

【００２２】操作者の指がジョイスティック２から離れ
ると、ゴムにより形成された保持部材４２の復帰力によ
りピン２４を介してスイッチプレート６及びジョイステ
ィック２が図３に示す中立位置に戻される。

【００２３】次に、ジョイスティック２を押し下げた状
態における断面図を図５に示す。操作者により操作部９
が押し下げられると、ロッド５はスイッチプレート６の
孔７内を摺動して保持部材４２を変形させ、導電部材４
３が電極４１に接触することにより、スイッチ３１がオ
ンとなる。操作者の指がジョイスティック２から離れる
と、コイルバネ８によりジョイスティック２は図３に示
す中立位置に戻される。

【００２４】上述の実施例において、８個のスイッチ３
２〜３９によりジョイスティック２の８方向の傾動を検
出し、また１個のスイッチ３１によりジョイスティック
２の押し下げを検出しているが、本実施例はこれに限定
されることなく、他の態様も取り得る。

【００２５】図６は本発明を、４方向の検出を行うジョ
イスティック６２を備えたコントローラ６０に適用した
第２実施例である。ジョイスティック６２の操作部６３
は図６における上下左右に傾動可能であり、その上面は
４角形とされる。四角形を規定する操作部６３のエッジ
部分は、この上下左右方向に対して直角とされている。
また操作部６３の上面周縁部に形成された突起部６４も
この４方向に対応して４個設けらる。この構成により、
操作者はジョイスティック６２が４方向に傾動可能であ
ることが視覚的に認識可能である。

【００２６】また、操作部６３の上面中央には凹部６５
が形成され、指が操作部６３にフィットするようにされ
ていると共に、ジョイスティック６２を傾動させた際、
突起部６４に指が強く押し当てられる。

【００２７】操作部の傾動を検出するスイッチ６６〜６
９は傾動方向に応じて４個設けられているが、必要に応
じてジョイスティック６２の中心位置にジョイスティッ
ク６２の押し下げを検出するスイッチを設けてもよい。
なお、ジョイスティック６２の内部構造は上述の第１実
施例とほぼ同一のため、詳細な説明は省略する。

【００２８】上述の実施例においては、ジョイスティッ
クが８方向及び４方向に傾動可能であったが、例えば５
方向に傾動可能なジョイスティックの場合は、操作部の
上面を５角形とし、５角形を規定する操作部上面のエッ
ジに直角方向にジョイスティックが傾動した際にスイッ
チ動作するよう構成すればよい。

【００２９】また、操作部の上面における周縁部に形成
された突起部は、操作者の指に押し当てられた際に、操
作者に触感を与えるような形状であればよく、その大き
さ、高さは任意に形成可能である。

【００３０】

【発明の効果】以上のごとく、本発明はジョイスティッ
クがｎ方向に傾動可能であれば、その操作面をｎ角形と
することにより、操作者が操作しようとするジョイステ
ィックがどの方向に傾動可能であるかを即座に認識させ
ることができるものであり、誤動作を防止することが可
能となる。

【００３１】また、本発明によれば、ジョイスティック
の操作面における周縁部において、ジョイスティックの
傾動方向線上に突起部が設けられているため、目視する
ことなくジョイスティックを傾動した場合においても触
感で傾動方向を確認できると共に、指の滑り止めの効果
も有する。

【００３２】更に、本発明によれば、操作面中央に凹部
が形成されているため、指が操作面にフィットすると共
に、操作部を傾動させたときに突起部が指に強く触れる
ため、より効果的な触感が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】コントローラの平面図。

【図２】コントローラの正面図。

【図３】図１におけるＡ−Ａ線断面図。

【図４】ジョイスティック２を左方向に傾けた状態を示
すＡ−Ａ線断面図。

【図５】ジョイスティック２を押し下げた状態を示すＡ
−Ａ線断面図。

【図６】第２の実施例におけるコントローラの平面図。

【符号の説明】

１ コントローラ ２ ジョイスティック ６ スイッチプレート ３１〜３９ スイッチ ４０ 基板 ４２ 保持部材 ５１ 凹部 ５２ 突起部 ６１ コントローラ ６２ ジョイスティック ６３ 操作部 ６４ 突起部 ６５ 凹部 ６６〜６９ スイッチ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】傾動可能な操作部を備え、該操作部の傾動
   に応答してｎ個所（ｎ≧３）のスイッチ動作が行われる
   ジョイスティックにおいて、 前記操作部の操作面はｎ角形状に形成され、該ｎ角形状
   を規定する線分は前記操作部の傾動によるスイッチ動作
   方向に対して略垂直とされたことを特徴とするジョイス
   ティック。
2. 【請求項２】前記操作面の周縁部における前記操作部の
   傾動方向線上に突起部が設けられていることを特徴とす
   る請求項１に記載のジョイスティック。
3. 【請求項３】前記操作面の中心部に凹部が形成されてい
   ることを特徴とする請求項２に記載のジョイスティッ
   ク。