JP2777763B2 - コントロールキー装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、テレビゲーム機等の電
子機器に用いられるコントロールキー装置に関し、例え
ば、操作者の指の動きによって少なくとも対称な２方向
の何れかを指定するための方向性スイッチに適用される
コントロールキー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、家庭用のテレビゲームや、液晶表
示板を利用した手持ち型電子ゲーム装置においては、例
えば表示キャラクタの移動方向（上下左右の４方向）を
指定するためのコントロールキー装置が設けられてい
る。このような従来のコントロールキー装置としては、
例えば実公平３−５０５９４号公報に記載のものが知ら
れており、図３のように示される。

【０００３】図３において、まず、パッド１１０の中心
部が真っ直ぐ下方向に指で押圧されると、パッド１１０
の球状の支点部材１１３が保持部材１２２の弾性力に抗
して基板１４０に当接して支点を形成する。このとき、
保持部材１２２に保持された何れの導電ゴム１３０ａ、
１３０ｂも、それぞれ直下の電気接点部１４１、１４２
には当接しない。次に、例えばパッド１１０の突起部１
１１ａが押圧されると、パッド１１０の円板１１２は支
点部材１１３が形成する支点を中心として押圧された方
向に傾き、この結果、円板１１２に押されて導電ゴム１
３０ａが電気接点部１４１に接触し、電気接点部１４１
が導通し、図示しない所定の回路がＯＮされる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のコントロールキー装置にあっては、パッドが
基板に直接当接して支点を形成する構造になっていたた
め、操作者がつい夢中になり力が入ってパッドに強い衝
撃が加わった場合、その衝撃が直接基板に伝わり、基板
上の配線自体や配線の接合部が損傷し易くなるといった
問題点があった。そこで、本発明は、パッドに強い衝撃
が加わった場合でも、その衝撃が直接基板に伝わらず、
基板上の配線自体や配線の接合部の損傷を防止すること
を目的としている。また、操作にあたっては、パッド部
を下側に押圧するようになっており、操作にあたり常に
複数本の指で操作しなければならなかった。本発明で
は、これを指先一つでも操作可能な構造を得ることも目
的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の上記一つ乃至複
数の目的は、請求項１記載の発明において、所定の円周
上に対称に配置された少なくとも一対の電気接点部を有
する配線基板と、前記配線基板の各電気接点部の真上に
配置された導電部を有し、押圧力を受けて弾性変形する
ことにより前記導電部を前記電気接点部に接触させて前
記電気接点部を導通させる弾性部材と、前記配線基板の
前記電気接点部側の表面を被覆する開口を有する表ケー
スと、底ケースから支持されて前記所定の円周の中心線
の配線基板下方に曲率の中心がある凸球面を前記配線基
板の上側に設けた凸球面状のスライド部材と、前記表ケ
ースの開口から操作部を露出するとともに前記スライド
部材の凸球面を摺動する凹球面を下部に有し、前記スラ
イド部材の凸球面に沿って摺動して前記弾性部材を押圧
するコントロールパッドと、からなるコントロールキー
装置によって解決される。

【０００６】さらに請求項２の発明では、コントロール
パッドの操作水平方向に向けて表ケースの開口部と前記
コントロールパッドの間に前記コントロールパッドを中
立中央に付勢する少なくとも一対のスプリング等の付勢
手段を設けたことを特徴とする請求項１記載のコントロ
ールキー装置によって解決される。さらに請求項３の発
明では、操作部の上部は略短平凹形で、スライド部材は
茸形状とし、茸の傘下端に導電部を配置した請求項１ま
たは２記載のコントロールキー装置によって解決され
る。

【０００７】

【作用】上述の構成によれば、操作者の意図により操作
部の上部のいずれかの部分を指先で略水平横方向に動か
すと、操作部はスライド部材を摺動してその方向に移動
する。これにより、操作部の接点押圧部が弾性体を押圧
して変形させ、弾性体の導電部が電気接点部に接触し導
通する。さらに操作者が操作部から手を離すとコントロ
ールパッドは弾性部材及びバネの復元力により元の位置
に戻る。

【０００８】

【実施例】本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明
する。図１はバネ押さえを取り除いたコントロールキー
装置の平面図であり、図２はコンロールキー装置の断面
図である。

【０００９】図１、図２に於いて縦横斜め方向の８方向
が操作可能なコントロールキー装置は、コントロールパ
ッド１、表ケース２、バネ押さえ３、裏ケース４、バネ
５、スライド部材６、弾性体７、導電体８、配線基板
９、から構成される。配線基板９上にはコントロールパ
ッドの各方向に対応するように、９ａ、９ｂを含む２対
の電気接点部を有している。弾性体７は略吸盤形状にな
っており、その内側天井には導電体８が取り付けてあ
る。導電体８を含む弾性体７は電気接点部の真上に位置
し、同時に接点押圧部材１ｂが押圧できるように、配線
基板上に電気接点部に対応して配置されている。

【００１０】表ケース２は配線基板９の電気接点部があ
る表側から、裏ケース４は配線基板９の裏側からそれぞ
れ覆っており、裏ケース底部から支持部４ａ、４ｂを立
設し配線基板９を支持している。コントロールパッド１
は操作部１ａ及び接点押圧部材１ｂから構成される。操
作部１ａは表ケース２の丸孔の開口部２ａから露出して
おり、操作部の上部は略短平凹状であり、操作部１ａを
８方向の何れかに動かすことによりコントロールパッド
の接点押圧部材１ｂは弾性体７を押圧することができ
る。

【００１１】また配線基板９には球体の上部３分の１程
度の所で切り取ったドーム形状で下側が短円筒で全体が
茸形状をしているスライド部材６が固定されている。ス
ライド部材の上表面６ａは凸球面となっており、該凸球
面の曲率中心は配線基板下方に位置する。接点押圧部材
１ｂは同じく球体の上部３分の１程度を切り取た形状で
中が空洞になっており、径幅が前記開口２ａの幅ほどの
お椀を被せた形状をしている。接点押圧部材１ｂの内表
面は、スライド部材６の上表面６ａに摺接しており、接
点押圧部材１ｂはスライド部材６の上表面６ａを摺動可
能である。スライド部材６の底部は配線基板９を貫通し
て裏ケースの支持部４ａにより支持されている。

【００１２】コントロールパッド１の操作部１ａ及び接
点押圧部材１ｂの接合部にある円盤型のバネ取付け部１
ｃには、弾性体７に対応する各方向に、バネ５がコント
ロールパッド１に対し略水平に取付けてあり、コントロ
ールパッド１を開口部２ａの中立位置に付勢している。
表ケース２の上側面にはコントロールパッド１の操作部
１ａが露出できるようバネ取付け部１ｃより若干大きな
掘り込みが設けてあり、さらに弾性体７に対応する各方
向に、バネ５を固定するための溝１０がバネと同じ数設
けてある。コントロールパッドのバネ取付部１ｃに取付
けられたバネ５は各溝１０に収納され、その一端はコン
トロールパッド１を開口部２ａの中央部に位置できるよ
う、表ケースに固定してある。

【００１３】表ケース表面の開口部２ａの周囲は環状に
少し掘り下げた掘下部２ｂとなっており、バネ押さえ３
は掘下部２ｂに納まる大きさの環状板である。バネ押さ
え３はコントロールパッド１の上から被さり、バネ５を
上から押さえバネ５を伸縮自在に保持する。その際コン
トロールパッド１が傾動可能にバネ押さえ３とコントロ
ールパッド１のバネ取付け部１ｃ及び操作部１ａとの間
には隙間が設けてある。隙間は、接点押圧部材１ｂが弾
性体７に接触し、導電体８が電気接点部９ａ、９ｂに接
触できるだけの幅があればよい。コントロールパッド１
は、操作者からの力を受けてスライド部材の上表面６ａ
を摺動し、それにより接点押圧部１ｂが弾性体７を押
し、弾性体７が弾性変形することにより導電体８が配線
基板９上にある電気接点部９ａ、又は９ｂに接触し導通
させる。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、コントロールパッドの
操作にあたり、スライド部材の凸球面の曲率中心が配線
基板の下方にあり、コントロールパッドは曲率中心を支
点として凸球面上を摺動する。これによりコントロール
パッドの操作が水平面に対して漸近して動き、略水平方
向に移動する操作が可能である。操作部の中央部だけを
指先で微小垂直力と水平力とでコントロールすることが
可能であり、復元力が大きく操作性がよい。これにより
直接配線基板に力が加わることがないので、強い力で操
作しても配線基板を損なうことが少ない。さらにコント
ロールパッドの操作をして指を離した瞬間にコントロー
ルパッドはバネで付勢されているので中立位置に戻り、
操作性が飛躍的に向上する。さらに、本願のスライド部
材は茸形状としているので、接点押圧部は茸の傘下で押
圧部を押圧可能であり、スライド部材及び押圧部の設置
面積を広く取る必要がなく、コントロールキー装置を小
型化可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】バネ押さえを取り除いたコントロールキー装置
の平面図である。

【図２】コントロールキー装置の断面図である。

【図３】従来のコントロールキー装置を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ コントロールパッド １ａ 操作部 １ｂ 接点押圧部材 １ｃ バネ取付部 ２ 表ケース ２ａ 開口部 ２ｂ 掘下部 ３ バネ押さえ ４ 裏ケース ５ バネ ６ スライド部材 ７ 弾性体 ８ 導電体 ９ 配線基板 ９ａ、９ｂ 電気接点部 １０ 溝

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の円周上に対称に配置された少なく
   とも一対の電気接点部を有する配線基板と、 前記配線基板の各電気接点部の真上に配置された導電部
   を有し、押圧力を受けて弾性変形することにより前記導
   電部を前記電気接点部に接触させて前記電気接点部を導
   通させる弾性部材と、 前記配線基板の前記電気接点部側の表面を被覆する開口
   を有する表ケースと、 底ケースから支持されて前記所定の円周の中心線の配線
   基板下方に曲率の中心がある凸球面を前記配線基板の上
   側に設けた凸球面状のスライド部材と、 前記表ケースの開口から操作部を露出するとともに前記
   スライド部材の凸球面を摺動する凹球面を下部に有し、
   前記スライド部材の凸球面に沿って摺動して前記弾性部
   材を押圧するコントロールパッドと、 からなることを特徴とするコントロールキー装置。
2. 【請求項２】コントロールパッドの操作水平方向に向け
   て表ケースの開口部と前記コントロールパッドの間に前
   記コントロールパッドを前記開口部の中立中央に付勢す
   る付勢手段を設けたことを特徴とする請求項１記載のコ
   ントロールキー装置。
3. 【請求項３】操作部の上部は略短平凹形で、スライド部
   材は茸形状とし、茸の傘下端に導電部を配置したことを
   特徴とする請求項１または２記載のコントロールキー装
   置。