JPH08110724A - 熱定着方法 - Google Patents

熱定着方法

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JPH08110724A
JPH08110724A JP6244060A JP24406094A JPH08110724A JP H08110724 A JPH08110724 A JP H08110724A JP 6244060 A JP6244060 A JP 6244060A JP 24406094 A JP24406094 A JP 24406094A JP H08110724 A JPH08110724 A JP H08110724A
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silicone oil
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弘 山崎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 広い定着温度領域にわたってオフセット現象
の発生がなく、定着ローラ、フィルム材等の定着部材へ
の巻き付き現象がなく、且つ定着部材表面の汚れの発生
のない熱定着方法の提供。 【構成】 表面にシリコンオイルの塗膜を形成した回動
する定着ローラと、定着ローラに圧接する圧着ローラと
の間をトナー像を担持した記録材を通過させ、トナー像
を記録材上に定着させる熱定着方法において、上記シリ
コンオイルが、一般式〔I〕で示される構造単位を有す
る含フッ素系シリコンオイルであり、且つ上記トナーが
低分子量ポリオレフィンを含有することを特徴とする熱
定着方法。 〔式中、Xは炭素原子数1〜4の飽和炭化水素基又はア
リール基、Rfは炭素原子数2〜10のフルオロアルキ
ル基、nは1〜4の整数を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱定着方法に関し、特に
オフセット現象の発生を有効に防止し、且つ定着ローラ
等への汚れを有効に防止した接触型熱定着方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法においては、記録材上
に担持されたトナー像の熱効率が良く、高速定着に適す
る等の理由から熱ローラ定着方法が賞用されてきた。こ
の熱ローラ定着方法は、加熱源を内蔵した定着ローラと
圧着ローラとの間をトナー像を担持した記録紙を通過さ
せ、トナーを記録紙へ熱溶融定着させる方法である。
【0003】この熱ローラ定着方法は、上記長所を有す
る反面、記録紙上のトナーが定着ローラに転写し、回転
後に記録紙の他の箇所に付着し、それが定着され、得ら
れた記録紙の画像を汚す、所謂オフセット現象が発生す
るという短所を有している。
【0004】熱ローラ定着方法のオフセット現象発生防
止のため、従来定着ローラ表面にジメチルシリコンオイ
ルを供給する技術が提案されている。
【0005】この方法は、オフセット現象の防止には有
効ではあるが、反面シリコンオイル供給のための装置を
必要とし、又発煙の問題を有していた。一方で、トナー
自身に耐オフセット性を付与する提案も多数なされてお
り、例えばトナーに使用する結着樹脂においては特開昭
50-134652号に記載の如く分子量分布の広い樹脂を使用
する技術、特開昭49-65231号に記載の如く、低分子量ポ
リプロピレンの如き離型剤をトナーに添加する技術等の
提案がされている。
【0006】上記提案されている技術は、確かにオフセ
ット現象の防止には優れた効果を発揮しているが、オフ
セット現象を防止する定着温度範囲が狭かったり、定着
性が十分に発揮できない等の問題を有し、このため定着
ローラの汚れが発生し、定着ローラの寿命が短いという
問題を提起している。又、従来のシリコンオイルは、摩
擦帯電性としては正帯電性であり、定着ローラ表面は正
帯電しやすい。このため負帯電性のトナーを使用した場
合は、記録紙が定着ローラに巻き付く現象が発生しやす
く、従来のシリコンオイルを定着ローラに使用した場合
は、トナーの使用に制約があった。
【0007】一方近年定着ローラの代わりに固定された
加熱体を使用して移動するフィルム材を介して圧着ロー
ラに圧接し、その間をトナー像を担持した記録紙を通過
させ、熱定着する技術が例えば特開平5-119530号に提案
されている。この定着方法は、熱効率の良い定着方法で
あるが、上述した熱ローラ定着方法と同様の諸問題を提
起している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、広い定着温
度領域に渡ってオフセット現象の発生がなく、定着ロー
ラ等への記録材の巻き付き現象の発生がなく、且つ長期
間に渡って定着ローラ、フィルム材等の定着部材の汚れ
の発生がない熱定着方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記した問題点
は、以下の構成により達成される (1)表面にシリコンオイルの塗膜を形成した回動する
定着ローラと、該定着ローラに圧接する圧着ローラとの
間をトナー像を担持した記録材を通過させ、該トナー像
を記録材上に定着させる熱定着方法において、上記シリ
コンオイルが、下記一般式〔I〕で示される構造単位を
有する含フッ素系シリコンオイルであり、且つ上記トナ
ーが低分子量ポリオレフィンを含有することを特徴とす
る熱定着方法。
【0010】(2)固定配置された加熱体と、該加熱体
に対向して圧接、回動する加圧部材との間を移動するフ
ィルム材を配置し、トナー像を担持した記録材のトナー
像担持側をフィルム材側に向け、該フィルム材と該加圧
部材との間を通過させ、該トナー像を記録材上に定着さ
せる熱定着方法において、上記フィルム材の加圧部材側
表面に、下記一般式〔I〕で示される構造単位を有する
含フッ素シリコンオイル塗膜を形成すると共に、上記ト
ナーが低分子量ポリオレフィンを含有することを特徴と
する熱定着方法。
【0011】
【化2】
【0012】式中、Xは炭素原子数1〜4の飽和炭化水
素基又はアリール基、Rfは炭素原子数2〜10のフルオ
ロアルキル基、nは1〜4の整数を表す。
【0013】以下本発明の熱定着方法を詳述する。
【0014】本発明の含フッ素系シリコンオイルは、前
記一般式〔I〕で示される構造単位を有するシリコンオ
イルである。
【0015】一般式〔I〕において、Xはメチル基等の
炭素原子数1〜4のアルキル基等の飽和炭化水素基又は
フェニル基等のアリール基を表し、Rfは炭素原子数2
〜10、好ましくは2〜8のフルオロアルキル基である。
【0016】さらにRfの好ましい態様としては Z−(C
F2)m−(Zは水素原子又はフッ素原子を表す。)で表さ
れる基であり、mは前述のフルオロアルキル基の如く2
〜10、好ましくは2〜8の整数である。nは1〜4の整
数を表す。
【0017】本発明の含フッ素系シリコンオイルは、上
述した構造単位を有することが必須であるが、上記構造
単位に加えて、例えばジメチルシリコン、フェニルメチ
ルシリコン又はジフェニルシリコン等の構造単位との共
重合体であってもよい。
【0018】本発明の含フッ素系シリコンオイルは、使
用時に適度な粘度を有する液状で、ある程度の分子量を
有するオイルであることが必要であるが、本発明の目的
の達成割合、定着ローラへのオイル被膜形成性等を考慮
して、その分子量は粘度に換えて表すと、25℃における
粘度が20〜1000センチポイズ(CS)、特に、100〜500CS
であるものが好ましく使用される。この粘度は動的粘度
を示し、ASTM D445-46T又はJIS Z8803に準拠し、ウッベ
ローデ粘度計により測定される。
【0019】又、この粘度は、本発明の含フッ素系シリ
コンオイル製造時に重合度と調整しながら制御すること
ができる。
【0020】本発明の含フッ素系シリコンオイルが共重
合体である場合、本発明の諸目的達成度から、本発明の
一般式〔I〕で示した構造単位が20モル%以上含まれる
のが好ましく、20モル%未満の場合、本発明の目的の達
成度合いが低すぎ、且つ他の構造単位のものの性質に基
づく効果の方が顕著に出やすくなり、本発明の目的が達
成できない場合がある。
【0021】本発明の含フッ素系シリコンオイルの製造
方法は、通常のシリコンオイルの製造方法と同様にジア
ルキル置換ジクロロシランを珪素と塩化アルキルとの反
応で調整し、これを用いて加水分解することでシロキサ
ンとなし、ついで環状オリゴマーあるいは線状オリゴマ
ーを形成した後にこれらを重合することで合成される。
本発明の含フッ素系シリコンオイルは側鎖にフッ素化ア
ルキル基を有しているものであるが、この場合には塩化
アルキルの代わりに末端にクロロ基を有するフッ素系化
合物、例えば下記一般式〔II〕で示す構造を有する化合
物を用いることで容易に製造される。
【0022】一般式〔II〕 Z(CF2)m(CH2)nCl ここで、Z,m及びnは一般式〔I〕と同様である。
【0023】一般式〔II〕で示される化合物の代表的具
体例を以下に挙げる。
【0024】(A)CF3CF2CH2Cl (B)CF3CF2CF2CH2Cl (C)CF3CF2CF2(CH2)2Cl (D)CF3CF2CF2CF2(CH2)2Cl (E)CF3CF2CF2CF2CF2CH2Cl (F)CF3CF2CF2CF2CF2(CH2)3Cl (G)CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2Cl (H)CF3CF2CF2CF2CF2CF2CF2CH2Cl (I)HCF2CF2CH2Cl (J)HCF2CF2CF2CH2Cl (K)HCF2CF2CF2(CH2)2Cl (L)HCF2CF2CF2CF2CH2Cl (M)HCF2CF2CF2CF2(CH2)2Cl (N)HCF2CF2CF2CF2(CH2)4Cl (O)HCF2CF2CF2CF2CF2(CH2)3Cl (P)HCF2CF2CF2CF2CF2CF2CH2Cl なお、本発明において、フッ素化アルキル基以外のアル
キル基を導入する塩化アルキルとしては塩化メチル、塩
化エチル、塩化プロピル、塩化ブチルを挙げることがで
きる。
【0025】本発明に於いて、このフッ化アルキル置換
されたシリコンオイルを用いてフッ素系樹脂被覆された
定着ローラに対する均一付着等の効果を発揮するために
は、このフッ素原子数が大きな役割を奏しているものと
推定される。この場合、フッ化アルキルの炭素数は2〜
10であり、珪素原子に直接結合する部分はメチレン鎖で
あることが好ましい。さらに、好適な範囲は2〜8であ
る。このフッ化アルキル炭素数が過多となると熱が加わ
った場合の流動特性に問題を生じる。また、フッ化アル
キルを有しない場合にはフッ素系樹脂を被覆した熱ロー
ル表面に対する濡れ性の向上が無く、均一なオイル膜の
形成ができない。
【0026】含フッ素系シリコンオイルの代表的具体例
の構造を下記に示す。
【0027】
【化3】
【0028】
【化4】
【0029】なお、ここで、a及びbは1以上の整数を
示し、好ましくは10〜2000、より好ましくは100〜1000
の整数である。
【0030】本発明のトナーは、低分子量ポリオレフィ
ンを含有することを特徴とし、当該トナーと上述した本
発明の含フッ素系シリコンオイルとを組み合わせて使用
することにより、従来にない幅広い定着温度範囲でオフ
セット現象の発生を防止することができる他、定着ロー
ラ、フィルム材等の使用寿命を延ばし、且つ得られたト
ナー画像の汚れを防止することができる。
【0031】本発明のトナーに含有させる低分子量ポリ
オレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
チレン等が挙げられ、単独重合体の他、異なるオレフィ
ンとの共重合体も含み、好ましくは低分子量ポリエチレ
ン、低分子量ポリプロピレン、低分子量エチレン−プロ
ピレン共重合体、特に低分子量ポリプロピレンが挙げら
れる。
【0032】これら低分子量ポリオレフィンの分子量
は、低分子量の領域に含まれる分子量ならばどの値のも
のも使用可能であるが、好ましくは数平均分子量(Mn)
で800〜10,000、特に好ましくは、1,000〜9,000であ
り、重量平均分子量(Mw)では好ましくは3,000〜50,00
0、特に好ましくは4,000〜40,000である。更に分子量分
布も、Mw/Mn比で2〜30が好ましい。
【0033】本発明に於ける平均分子量は、高温GPC
(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)を用いて
測定された平均分子量を示す。具体的には、溶媒として
0.1%のアイオノールを添加したo-ジクロロベンゼンを
使用し、135℃の温度条件で流出させ示差屈折率検出器
により検出し、分子量を普遍校正法によるポリプロピレ
ン絶対分子量換算で求めた平均分子量(数平均分子量及
び重量平均分子量)である。
【0034】本発明のポリオレフィンの製造方法は特に
限定されないが、一般的には通常の方法で合成されたポ
リオレフィンを溶融状態で熱分解を行い調整する方法が
挙げられる。分子量の調整は、前述のGPCに於いて好ま
しい範囲の平均分子量や分布を有する様に、分取し調整
する方法がある。
【0035】本発明の低分子量ポリオレフィンは、トナ
ー中に任意の割合で含有させられるが、本発明の目的を
効果的に達成させるためには、トナー中に1〜5重量%
で含有させるのが良い。
【0036】以下、本発明のトナーを詳述する。
【0037】本発明のトナーは、上記低分子量ポリオレ
フィンを必須構成成分として含有し、更に結着樹脂を構
成成分として含有する。
【0038】本発明に係る着色粒子を構成する結着剤樹
脂としては特に限定されず、従来公知の種々の樹脂を用
いることができる。例えばスチレン樹脂、スチレン-ア
クリル酸エステル系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂
の如きスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げら
れるが、これらスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂が
好ましく使用される。更に本発明のトナーは着色剤等の
添加剤が使用されるが、該着色剤としては特に限定され
ず、従来トナー用として公知の、カーボンブラック、ニ
グロシン染料、アニリンブルー、カルコイルブルー、ク
ロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイル
レッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライ
ド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオクサ
レート、ローズベンガル等が挙げられる。
【0039】その他の添加剤としては例えばサリチル酸
誘導体、アゾ系金属錯体等の荷電制御剤、カルナウバワ
ックス等の定着性改良剤等が挙げられる。また、無機微
粒子としてはシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の数平均
一次粒子径が5〜1000nmのものが使用され、これらは疎
水化されていてもよい。
【0040】更に、トナーにはクリーニング助剤として
数平均一次粒子径が0.1〜2.0μmのスチレン-アクリル樹
脂微粒子やステアリン酸亜鉛の様な高級脂肪酸金属塩を
添加してもよい。
【0041】無機微粒子の添加量としては着色粒子に対
して0.1〜2.0wt%添加するとよい。また、クリーニング
助剤は着色粒子に対して0.01〜1.0wt%程度がよい。
【0042】本発明のトナーは、任意の粒径のものが使
用されるが、通常は体積平均粒径で1〜30μm、好まし
くは5〜15μmのものが使用される。
【0043】本発明のトナーが二成分現像剤として用い
られる場合に使用されるキャリアとしては、鉄、フェラ
イト等の磁性材料粒子のみで構成される非被覆キャリ
ア、磁性材料粒子表面をスチレン-アクリル系樹脂、フ
ッ素系樹脂等の樹脂等によって被覆した樹脂被覆キャリ
ア或いは、樹脂と磁性粉と混合して得られる樹脂分散型
キャリアの何れを使用してもよい。このキャリアの平均
粒径は体積平均粒径で30〜150μmが好ましい。
【0044】本発明のトナーが磁性一成分現像剤として
用いられる場合には、着色剤として数平均一次粒子径が
0.1〜2.0μmのマグネタイト等の強磁性体を含有して構
成することが好ましい。この場合は磁性体をトナー中に
20〜60重量%添加される。
【0045】さらに、本発明ではキャリアを用いずに非
磁性トナーのみで構成される非磁性一成分トナーとして
用いることもできる。
【0046】本発明の熱定着方法は、熱ローラ定着方法
と加熱を移動するフィルム材を通じて行う方法である。
【0047】以下本発明に好適に適用される熱定着方法
について説明する。
【0048】本発明の熱ローラ定着方法を図1に従って
説明すると、表面2に例えばテトラフロオロエチレンや
ポリテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体類等を被覆した鉄やアルミニウム
等で構成される金属シリンダ3内部に加熱源4を有する
上ローラ1とシリコンゴム等で形成された下ローラ5と
から形成されているものである。詳しくは、加熱源4と
して線状のヒーターを有し、上ローラ1の表面温度を約
110〜220℃程度に加熱させるものである。この上ローラ
1と下ローラ5との間を本発明のトナー画像7を担持し
た記録材6を通過させ、トナー画像7を記録材上に熱溶
融固着させる。従来の熱ローラ定着方法では、溶融した
トナーの一部が上ローラ1に融着し、一回転後、この上
ローラ1に融着したトナーが記録材の別の部分に固着さ
れるオフセット現象が発生し、甚だしき場合は、上ロー
ラ1に融着したトナーは、記録材から離れず記録材と共
に上ローラ1に巻き付く、所謂巻き付き現象が発生する
と共に定着ローラ表面が汚れるという問題を提起してい
た。定着部に於いては上ローラ1と下ローラ5間に圧力
を加え、下ローラ5を変形させ、いわゆるニップを形成
する。ニップ幅としては1〜10mm、好ましくは1.5〜7m
mである。定着線速度は40〜400mm/secが好ましい。ニ
ップ幅が狭い場合には熱を均一にトナーに付与すること
ができなくなり、定着のムラを発生し易くなる。一方で
ニップ幅が広い場合にはトナーの溶融が促進され、オフ
セット現象が発生しやすくなる。
【0049】本発明の熱ローラ定着方法においては、上
ローラ1の表面2上には本発明の含フッ素系シリコンオ
イル塗膜が形成されており、この塗膜と本発明のトナー
との相互作用によって、本発明の諸目的は効率的に達成
される。この本発明の含フッ素系シリコンオイル塗膜の
上ローラ1の表面2での形成は、一例として以下の通り
に行われる。
【0050】即ち、上ローラ1の長手方向の表面2に
は、含浸ローラ8が圧接され、矢印方向に回転してい
る。この含浸ローラ8には、あらかじめ本発明の含フッ
素系シリコンオイルを含浸させておき、定着に際して、
上ローラ1の回転に従って極少量ずつ含浸ローラ8から
上ローラ1の表面に含フッ素系シリコンオイルが供給さ
れて、結果として上ローラ1の表面2上には、本発明の
含フッ素系シリコンオイル塗膜が形成されることにな
る。
【0051】又、後者の定着方法は、図2に従って説明
すると装置に固定支持された低熱容量ライン状加熱体15
は、厚さ0.2〜5.0mm、好ましくは0.5〜3.5mm、幅10〜15
mm、長手方向の長さ240〜400mmのアルミナ基板17に抵抗
材料を1.0〜2.5mmに塗布したもので両端より通電される
ものである。通電はDC100Vの周期25msecのパルス波形
で温度センサ16により制御された温度を、エネルギー放
出量に応じたパルス幅に変化させて与える。低熱容量ラ
イン状加熱体15において温度センサ16で検出された温度
T1の場合、抵抗材料に対向するフィルム材14の表面温
度T2は温度T1よりも低い温度となる。ここで温度T
1は110〜220℃が好ましく、T2の温度はT1の温度と
比較して0.5〜10℃低いことが好ましい。また、フィル
ム材14がトナー定着表面より剥離する部分におけるフィ
ルム材表面温度T3はT2とほぼ同等である。この様に
エネルギー制御、温度制御された加熱体に当接してフィ
ルム材は記録材と同じ方向に移動する。このフィルム材
14としては、厚みにして10〜35μmの耐熱フィルム、例
えば、ポリエステル、ポリパーフルオロアルキルビニル
エーテル、ポリイミド、ポリエーテルイミドに少なくと
もテフロン等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型材層
を5〜15μm被覆させたフィルムであり、好ましくはエ
ンドレスフィルム材である。一般的には総厚10〜100μ
m、フィルム材14の駆動はフィルム材駆動ローラ11とフ
ィルム材従動ローラ12による駆動とテンションによりシ
ワ、ヨレがなく搬送される。加圧ローラ13はシリコンゴ
ム等の離型性の高いゴム弾性層を有し、総圧2〜30kgで
フィルム材14を介して低熱容量ライン状加熱体15と加圧
し、矢印方向に圧接回転し、このフィルム材14と加圧ロ
ーラ13との間をトナー像を担持した記録材を通過させる
ことによって、低熱容量ライン状加熱体15を通過させ
て、トナー像を記録材に溶融固着させる。
【0052】図2において、図1に示した場合と同様に
含浸ローラ8がフィルム材14の長手方向に渡って、それ
を介してフィルム材従動ローラ12に圧接し、矢印方向に
回転している。図2において、フィルム材14の移動に従
って極少量ずつ含浸ローラ8からフィルム材14の表面に
含フッ素系シリコンオイルが供給されて、その結果フィ
ルム材14の加圧ローラ13側表面上には本発明の含フッ素
系シリコンオイル塗膜が形成される。
【0053】後者の定着方法の他の例を図3を用いて説
明する。この図3の例は、図2の例が、フィルム材がエ
ンドレスであったのに対し、有端なフィルム材の例であ
る。
【0054】即ち、図2の様にシート送り出し軸21及び
巻き取り軸22に有端フィルム材24を巻き付け、定着毎に
少しずつフィルム材24を矢印方向へ移動させる。この場
合は巻き取り軸22で駆動する。13,15,16,17は図2の
それらと同じである。
【0055】巻き取り軸22で駆動により送り出し軸21に
巻き取られていた有端フィルム材24は定着毎に少しずつ
駆り出され、この有端フィルム材24と加圧ローラ13との
間をトナー像を担持した記録材を通過させ、低熱容量ラ
イン状加熱体15を通過させることによってトナー像を記
録材に溶融固着させる。
【0056】図3において、本発明の含フッ素系シリコ
ンオイルを含浸させた含浸ローラ(図示せず)を、シー
ト送り出し軸21へ有端フィルム材24を介して圧接させ、
有端フィルム材の加圧ローラ側表面に本発明の含フッ素
系シリコンオイル塗膜が形成される。
【0057】図示した例においては含浸ローラを使用し
た含フッ素系シリコンオイル塗膜形成方法を開示した
が、その他に含フッ素系シリコンオイルを含浸させたパ
ッド、ウェッブ等を使用してもよい。
【0058】以下、本発明の具体的実施態様を示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0059】
【実施例】
1.低分子量ポリオレフィン作製例 通常の合成方法により製造されたポリプロピレン(PP)
を用いて、熱溶融させた状態で熱分解を行ない、必要に
応じて高温GPCで分取を行ない、下記一覧表に示すポリ
プロピレンの試料PP−1〜10を得た。
【0060】なお、重量平均分子量(Mw)及び数平均分
子量(Mn)は、GPC-150C(WATERS社製)を用い、カラム
としてSHODEX HT-806を使用、溶媒として0.1%のアイオ
ノールを添加したo-ジクロロベンゼン、温度=135℃、
流速=1ml/minの条件で測定されたものである。
【0061】
【表1】
【0062】2.トナー製造例 ポリエステル樹脂100部及びカーボンブラックを5部、
さらに、上記ポリプロピレンを加えて体積平均粒径が8.
3μmの着色粒子を得た。ついで、このものに疎水性シリ
カを0.8%添加し、本発明のトナーを得た。下記にこの
トナーの一覧を示す。
【0063】
【表2】
【0064】また、これらトナーに対してスチレン-ア
クリル樹脂を被覆した体積平均粒径が62μmのフェライ
トキャリアを混合し、トナー濃度が7重量%である現像
剤を調整した。
【0065】*評価機としてコニカ製複写機3035を改造
した図1に示したものと概要が同じ定着器を使用した。
下記に定着条件に関する改造内容を示す。
【0066】熱ローラ定着方法として、表面2をテトラ
フルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体で被覆した直径30mmφの加熱源4を中央部に
内蔵した円柱状の鉄を上ローラ1として有し、表面が同
様にテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルエ
ーテル共重合体で被覆したシリコンゴムで構成された直
径30mmφの下ローラ5を有している。線圧は0.8kg/cm
に設定され、ニップの幅は4.3mmとした。この定着器を
使用して、印字の線速度を250mm/secに設定した。な
お、定着器のクリーニング機構としては本発明の含フッ
素系シリコンオイルを含浸した含浸ローラ8を装着して
使用した。前記含フッ素系シリコンオイルは例示化合物
(3),(7),(8),(9)を用い、それぞれを用
いた熱ローラ定着装置をR−1,R−2,R−3,R−
4とする。
【0067】また、定着器は、上ローラ1の表面温度を
可変(110〜230℃)できるものを用いた。
【0068】フィルム状定着条件については以下の通り
である。
【0069】定着装置を図−2に示すエンドレスシート
定着器(フィルム状定着装置)を用い、定着の条件を下
記に設定した。
【0070】定着条件:加熱体15の温度T1=110〜230
℃ フィルム材14の移動速度=250mm/sec 加熱体15・加圧ローラ13間層圧=15kg 加圧ローラ13・フィルム材14間ニップ=3mm フィルム材14:表面に導電性物質を分散したポリテトラ
フルオロエチレンを被覆した厚みが15μmのポリイミド
フィルム材 なお、定着器のクリーニング機構としては本発明の含フ
ッ素系シリコンオイルを含浸した含浸ローラ8を装着し
て使用した。前記含フッ素系シリコンオイルとしては例
示化合物(3),(7),(8),(9)を用い、それ
ぞれを用いたフィルム状定着装置をF−1,F−2,F
−3,F−4とする。
【0071】一方、比較用として、ジメチルポリシロキ
サンからなるシリコンオイル(ジメチルシリコンオイ
ル)を前述の含浸ローラ8に含浸したものと、特開昭52
-124338号に記載されている側鎖のフッ化アルキルが単
なるトリフルオロメチルである含フッ素系シリコンオイ
ル(FS-1265:ダウコーニング社製)を含浸ローラ8に
含浸したものを使用した。ジメチルシリコンオイル使用
熱ローラ定着装置をR−比1、フィルム状定着装置をF
−比1とし、本発明外の含フッ素系シリコンオイル(R
f=−(CF3))を用いたものをそれぞれR−比2,F−比
2とする。
【0072】(評価) 定着ローラの汚れ評価 上記現像剤を用いて20%の画素率の文字画像を10℃/10
%RHの環境下で20万枚印字し、定着ローラ自体の汚れに
ついて目視で判定し、その結果を表3,4に示した。な
お、この評価に於いては定着部の汚れを強制的に評価す
る目的で、1枚ずつ間欠で1000枚印字し、ついで電源を
切った状態で2時間放置し、その後に再度印字を行う方
式で実施した。さらに、2万枚ごとに10時間休止し、再
スタート直後の画像を評価し、定着ローラからの汚れの
流出による画像汚れの発生する印字枚数を評価し、その
結果を表5,6に示した。
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
【表6】
【0077】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば広い定着
温度領域にわたってオフセット現象の発生がなく、定着
ローラ、フィルム材等の定着部材への巻き付き現象がな
く、且つ定着部材表面の汚れの発生のない熱定着方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す熱ローラ定着方法の概略構
成例を示す図である。
【図2】本発明の他の一例であるフィルム材を介して加
熱体と記録材とを接触させる熱定着方法の概略構成例を
示す図である。
【図3】図2に示した変形例を示す概略構成例を示す図
である。
【符号の説明】
1 上ローラ 4 加熱源 5 下ローラ 6 記録材 8 含浸ローラ 11 フィルム材駆動ローラ 12 フィルム材従動ローラ 14 フィルム材 15 低熱容量ライン状加熱体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にシリコンオイルの塗膜を形成した
    回動する定着ローラと、該定着ローラに圧接する圧着ロ
    ーラとの間をトナー像を担持した記録材を通過させ、該
    トナー像を記録材上に定着させる熱定着方法において、 上記シリコンオイルが、下記一般式〔I〕で示される構
    造単位を有する含フッ素系シリコンオイルであり、且つ
    上記トナーが低分子量ポリオレフィンを含有することを
    特徴とする熱定着方法。 【化1】 〔式中、Xは炭素原子数1〜4の飽和炭化水素基又はア
    リール基、Rfは炭素原子数2〜10のフルオロアルキル
    基、nは1〜4の整数を表す。〕
  2. 【請求項2】 上記低分子量ポリオレフィンが低分子量
    ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1に記載
    の熱定着方法。
  3. 【請求項3】 固定配置された加熱体と、該加熱体に対
    向して圧接、回動する加圧部材との間を移動するフィル
    ム材を配置し、トナー像を担持した記録材のトナー像担
    持側をフィルム材側に向け、該フィルム材と該加圧部材
    との間を通過させ、該トナー像を記録材上に定着させる
    熱定着方法において、 上記フィルム材の加圧部材側表面に、前記一般式〔I〕
    で示される構造単位を有する含フッ素系シリコンオイル
    塗膜を形成すると共に、上記トナーが低分子量ポリオレ
    フィンを含有することを特徴とする熱定着方法。
  4. 【請求項4】 上記低分子量ポリオレフィンが低分子量
    ポリプロピレンであることを特徴とする請求項3に記載
    の熱定着方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004252387A (ja) * 2002-12-24 2004-09-09 Ricoh Co Ltd 電子写真用トナー、製造方法及び画像形成方法
JP2004271818A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Ricoh Co Ltd 二成分現像剤、二成分現像剤用トナー及び画像形成装置

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