JP3450941B2 - 定着方法 - Google Patents

定着方法

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JP3450941B2
JP3450941B2 JP16794795A JP16794795A JP3450941B2 JP 3450941 B2 JP3450941 B2 JP 3450941B2 JP 16794795 A JP16794795 A JP 16794795A JP 16794795 A JP16794795 A JP 16794795A JP 3450941 B2 JP3450941 B2 JP 3450941B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱定着方法に関し、特に
オフセット現象の発生を有効に防止し、且つ巻き付きを
有効に防止した接触型熱定着方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、電子写真法において、記録材上に担
持されたトナー像を定着する方法として、熱効率がよ
く、高速定着に適する等の理由により加熱定着部材を介
して熱熔融することにより定着する方法、すなわち、熱
ローラー定着法あるいはフィルム定着法が採用されてい
る。本方法では上記長所を有するが記録材上のトナーが
加熱定着部材に接触することから、トナーが定着部材に
接着し、記録材の他の部分に転写する、いわゆるオフセ
ット現象が発生する問題を有している。
【0003】この方法における上記問題を解決するため
に、定着部材表面に離型効果の高い、シリコンオイルを
塗布する方法が使用されている。しかし、このシリコン
オイルを塗布する場合には、一定量のシリコンオイルを
常時供給する必要があり、シリコンオイルを供給する供
給装置を別途装着する方法が提案されている。しかし、
本方法では定着装置が過大となることから、簡易に供給
する方法として、シリコンオイルを含浸したオイルパッ
ドを装着する方法、あるいはシリコンオイルを含浸した
ウェッブを使用する方法等が知られている。
【0004】しかし、これらの方法では、含浸したシリ
コンオイルはパッドあるいはウェッブから初期に当接し
た状態では多く供給されるが、使用回数(複写枚数)が
増えるにつれて、内部に保持されたシリコンオイルが減
少し、結果として供給されるシリコンオイルが減少する
結果となる。このため使用にあたっては安定した供給が
得られず、シリコンパッドやウェッブの交換が頻繁とな
る問題がある。この場合、含浸されるシリコンオイル量
を増加することで改善できる可能性はあるが、この場合
では初期に多大なシリコンオイルの流出が発生し、印字
品質の低下を招いてしまう。
【0005】この現象を防止するために、特開平6−2
50557号公報に示される様なシリコンオイルを安定
供給する定着クリーニングローラーが提案されている。
しかし、この方法では、内部に保持されたシリコンオイ
ルは装置にあけられた孔を通じて供給されるが、シリコ
ンオイルを長期に渡って保持することができず、やはり
初期に多く供給され、使用につれてシリコンオイルの供
給量が低下する問題を有していた。
【0006】以上の様に、安定して長期に渡ってシリコ
ンオイルを定着部材に供給する方法に関しては見いださ
れていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、定着用シリ
コンオイルを長期に亘って安定に供給することができる
塗布機構を有し、オフセット現象の発生がなく、定着ロ
ーラ等への記録材の巻き付き現象の発生のない熱定着方
法を提供することにある。即ち、定着用シリコンオイル
を長期に渡って安定に供給することができる塗布機構を
有し、結果として長期に使用した場合でも定着オフセッ
ト、巻き付き等の問題を発生せず、また、濡れ性の高い
シリコンオイルでも長期に渡って安定した塗布をするこ
とができ、結果として長期の使用でも定着においてオフ
セット等による画像欠陥の発生が無い定着方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、 1.シリコンオイル塗膜を形成するための塗布機構を有
した移動する定着部材と前記定着部材に圧接し回動する
加圧部材との間にトナー像を担持した記録材を通過さ
せ、固定配置された加熱部材により前記定着部材を介し
てトナー像を記録材に熱定着させる定着方法において、
該塗布機構が中空でオイルを供給するための空孔を有す
るシリンダー中に中空であり且つ多孔質の無機粒子と下
記一般式[1]で示されるフッ素系シリコンオイルを充
填してなることを特徴とする定着方法、
【0009】
【化2】 (式中、Xは炭素数1〜4の飽和炭化水素基又はアリー
ル基を示し、Rfは炭素数2〜10のフルオロアルキル
基を示し、nは1〜4の整数を示す。)
【0010】2.前記定着部材が前記加熱部材を内蔵し
た定着ローラであることを特徴とする前記1記載の定着
方法、
【0011】3.前記定着部材がフィルム状部材である
ことを特徴とする前記1記載の定着方法、の各々により
達成される。
【0012】
【発明の作用及び具体的説明】本発明の構成では、シリ
コンオイルを供給するための機構として、孔のあいてい
る中空パイプ中に中空で多孔質の無機粒子を充填した供
給装置にシリコンオイルを充填することにより、無機微
粒子との混合物を内部に含有する構成とし、放出性を低
下させ、結果として安定な放出性を得るものである。
【0013】単なる無機粒子を含有させたのみではシリ
コンオイルの保持機能が粒子間のみとなり、放出を制御
することが困難となる。しかし、本発明では中空で多孔
質の無機粒子を使用するために、粒子間のみならず粒子
自体にシリコンオイルを保持する機能があり、安定した
放出制御を行うことが可能となったものである。
【0014】さらに、シリコンオイルとしては本発明で
は特に限定されるものではないが、より定着部材に対す
る親和性を有するフッ素系シリコンオイルを使用するこ
とでより効果的な放出制御が可能となる。この理由とし
ては明確ではないが、フッ素系シリコンオイルは各種素
材に対する濡れ性が高いため、単なる孔のあいた中空の
パイプ中に保持した場合には容易に流出されてしまう。
このため、本発明の構成を有する塗布機構を使用するこ
とにより、初めて放出制御を安定化することが可能とな
る。
【0015】以下に本発明の定着方法を詳細に説明す
る。本発明の含フッ素シリコンオイルは、上記一般式
[1]で示される構造単位を有するシリコンオイルであ
る。
【0016】一般式[1]において、Xは、メチル基等
の炭素原子数1〜4のアルキル基等の飽和炭化水素基、
又はフェノール基等のアリール基を表わし、Rfは炭素
原子数2〜10のフルオロアルキル基であり、好ましく
は、
【0017】
【化3】 (Zは水素原子又はフッ素原子を表わし、mは後述の通
り)で表わされる基である。又、Rfは炭素原子数2〜
8のフルオロアルキル基が好ましい。更にnは1〜4の
整数、mは2〜10の整数を表わし、mは2〜8の整数
であることが好ましい。
【0018】本発明のフッ素シリコンオイルは、上述し
た構造単位を有することが必須であるが、上記構造単位
に加えて、例えばジメチルシリコン、フェニルメチルシ
リコン又はジフェニルシリコン等の構造単位との共重合
体であってもよい。
【0019】本発明の含フッ素シリコンオイルが共重合
体である場合、本発明の諸目的達成度から本発明の一般
式[1]で示した構造単位が、20モル%以上含まれる
のが好ましく、20モル%未満しか含まれていない場
合、本発明の目的の達成度合が低すぎ、且つ他の構造単
位のものの性質に基づく効果の方が顕著に出やすくな
り、本発明の目的が達成できない場合もある。
【0020】本発明の含フッ素シリコンオイルの製造方
法は、通常のシリコンオイルの製造方法と類似にジアル
キル置換ジクロロシランを硅素と塩化アルキルとの反応
で調整し、これを用いて加水分解することでシロキサン
となし、ついで環状オリゴマーあるいは線状オリゴマー
を形成した後にこれらを重合することで合成される。本
発明の含フッ素シリコンオイルは側鎖にフッ素化アルキ
ル基を有しているものであるが、この場合には塩化アル
キルの代わりに末端にクロロ基を有するフッ素系化合
物、例えば下記一般式[II]で示す構造を有する化合
物を用いることで容易に製造される。
【0021】一般式[II] Z−(CF(CHCl ここで、Zは前述の通りである。mは2〜10の整数、
nは1〜4の整数を表わす。
【0022】一般式[II]で示される化合物の代表的
具体例を以下に挙げる。 (A)CFCFCHCl (B)CFCFCFCHCl (C)CFCFCF(CHCl (D)CFCFCFCF(CHCl (E)CFCFCFCFCFCHCl (F)CFCFCFCFCF(CH
l (G)CFCFCFCFCFCFCH
l (H)CFCFCFCFCFCFCF
Cl (I)HCFCFCHCl (J)HCFCFCFCHCl (K)HCFCFCF(CHCl (L)HCFCFCFCFCHCl (M)HCFCFCFCF(CHCl (N)HCFCFCFCF(CHCl (O)HCFCFCFCFCF(CH
Cl (P)HCFCFCFCFCFCFCH
Cl
【0023】なお、本発明において、フッ素化アルキル
基以外のアルキル基を導入する塩化アルキルとしては塩
化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチルをあ
げることができる。
【0024】本発明においてはこのフッ素化アルキル置
換されたシリコンオイルを用いることでフッ素系樹脂被
覆された定着ローラに対する均一付着等の効果を発揮す
るためにはこのフッ素原子数が大きな役割を果している
ものと推定される。この場合、フッ素化アルキルの炭素
数は1〜10であり、硅素原子に直接結合する部分はメ
チレン鎖である。さらに、好適な範囲は2〜8である。
このフッ素化アルキル炭素数が過多となると熱が加わっ
た場合の流動特性に問題を生じる。また、フッ素化アル
キルを有しない場合にはフッ素系樹脂を被覆した熱ロー
ラ表面に対する濡れ性の向上がなく、均一なオイル膜の
形成ができない。本発明の含フッ素シリコンオイルの代
表的具体例を下記に示す。
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】なお、ここで、a及びbは1以上の整数を
示し、好ましくは10〜1000、より好ましくは20
〜100の整数である。また、a+bは特に限定される
ものではないが、40〜150が好ましい。
【0028】また、本発明のシリコンオイルと本発明の
中空で多孔質の無機微粒子との混合比率は、本発明のシ
リコンオイル:本発明の無機微粒子=2〜10:1(重
量比)が好ましく、更に好ましくは5〜8:1である。 中空で且つ多孔質の無機(微)粒子の説明 本発明の中空で且つ多孔質の無機(微)粒子は、粒子の
大きさが走査型電子顕微鏡による観察で数平均長軸径が
10〜2000μmのものが好ましい。この大きさが小
さい場合には粒子間の凝集力が大きくなり、オイルに分
散した状態の粘度が高くなり、安定した供給を行うこと
ができなくなる。一方、粒子が大きい場合には粒子間の
流動性が大きくなりすぎ、オイルを保持することができ
なくなる。また、中空である構造を有しており、この壁
の厚みとしては0.3〜5.0μm程度のものが好まし
い。この厚みが薄い場合には粒子が容易に破壊され、オ
イルを保持する機能が発揮されない。また、壁の厚みが
厚い場合には内部に保持されたシリコンオイルが放出さ
れにくくなり、結果として供給が不安定となる。なお、
この厚みとは走査型電子顕微鏡あるいは透過型電子顕微
鏡に観察された値を示す。また、多孔質を形成するため
の穴の大きさは特に限定されるものでは無いが、シリコ
ンオイルが粒子内部と外部とを自由に交流することがで
きる程度の穴を有していればよい。
【0029】さらに、窒素吸着1点法により測定される
BET比表面積が0.5〜2.0m/gのものが好ま
しい。この理由としてはシリコンオイルは種々の材料に
対する濡れ性が高い。特にフッ素系シリコンオイルでは
この傾向が高い。このため、中空構造中に保持するため
には内部に存在する無機微粒子に多量に濡れることが必
要となり、結果として多孔質、即ち、BET比表面積の
高いものの方が保持機能を安定に発揮することができる
ものと推定される。このBET値が小さい場合には濡れ
ているシリコンオイル量が低下し、保持性の低下、すな
わちオイルの長期に渡る安定供給ができなくなる。この
ために、初期の多量のシリコンオイルが供給され、逐次
この供給量が低下する傾向となり、安定化させることが
できない。また、BET比表面積が過多である場合には
シリコンオイルの保持機能が高くなりすぎることから、
供給量が過小となり定着に対する種々の問題、例えばオ
フセットの発生等の問題を発生する。
【0030】本発明の中空で且つ多孔質である無機微粒
子は、いわゆる中空の微粒子を形成する際に同時に形成
することができ、さらには中空の微粒子を形成した後に
多少の解砕等を行い得ることができる。この中空の無機
微粒子は水分等の揮発成分を結晶水あるいは単体で含有
するセラミックの粒子を加熱処理することで形成するこ
とができる。
【0031】材料としてシリカ、アルミナ、酸化鉄等で
構成されるものが好ましい。特に好ましい構造は、硅素
元素を二酸化硅素換算で60%以上含有するものであ
る。すなわち定着ローラーに使用するシリコンオイルに
対する親和性が必要であることから、硅素含有量が大き
いものが好ましい。
【0032】特に好ましい形態としては、いわゆる「シ
ラスバルーン」として知られている九州南部、鹿児島湾
周辺一帯に分布する火山噴出物やその堆積物を1200
℃以上の高温で焼成し発泡させることで形成されるもの
を用いて解砕することにより得られるものである。この
ものは、シラス中に存在する内部の水分を高温で処理す
ることによりこれら水分の急速揮発により発泡させ、中
空の無機微粒子としたものである。この揮発の結果、こ
の粒子は壁が多孔質になっており、内部にシリコンオイ
ルを保持することが可能となっている。さらに、このも
のに衝撃を加え、さらに多孔質として使用することも好
ましい形態である。なお、「シラスバルーン」は釧路石
炭乾溜株式会社により「シリカバルーン」の商品名で市
販されている。図4は本発明の中空であり且つ多孔質の
無機粒子の一例の粒子構造を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【0033】本発明のトナーは、樹脂と、必要に応じて
添加される着色剤等の添加剤とを含有する。その平均粒
径は、任意であるが、一般的には体積平均粒径で1〜3
0μm、好ましくは5〜20μmである。
【0034】樹脂としては特に限定されず、スチレン系
樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ス
チレン−ブタジエン樹脂等を用いることができる。
【0035】本発明のトナーには着色剤を含むことが好
ましく、着色剤としては特に限定されず、従来トナー用
として公知の、カーボンブラック・ニグロシン染料・ア
ニリンブルー・カルコイルブルー・クロムイエロー・ウ
ルトラマリンブルー・デュポンオイルレッド・キノリン
イエロー・メチレンブルークロライド・フタオシアニン
ブルー・マラカイトグリーンオクサレート・ローズベン
ガル等が挙げられる。
【0036】その他の添加剤としては例えばサリチル酸
誘導体・アゾ系金属錯体等の荷電制御剤等の定着性改良
剤等が挙げられる。また、磁性トナーを得る場合には、
着色粒子に添加剤として磁性体粒子が含有される。磁性
体粒子としては、平均一次粒子径が0.1〜2.0μm
のフェライト、マグネタイト等の粒子が用いられる。磁
性体粒子の添加量は着色粒子中の20〜70重量%であ
る。また、無機微粒子としては本発明に係る多孔質の無
機粒子の他に、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の数
平均一次粒子径が5〜1000nmのものが併用されて
もよく、これらは疎水化されていてもよい。
【0037】さらに、トナーにはクリーニング助剤とし
て数平均一次粒子径が0.1〜2.0μmのスチレン−
アクリル樹脂微粒子やステアリン酸亜鉛のような高級脂
肪酸金属塩を添加してもよい。無機(微)粒子の添加量
としては着色粒子に対して0.1〜2.0wt%添加す
るとよい。また、クリーニング助剤は着色粒子に対して
0.01〜1.0wt%程度がよい。
【0038】トナーはキャリアと混合された二成分現像
剤を使用しても、或いは磁性トナーによる一成分現像剤
として使用しても構わない。二成分現像剤を構成するキ
ャリアとしては鉄・フェライト等の磁性材料粒子のみで
構成される非被覆キャリア、磁性材料粒子表面を樹脂等
によって被覆した樹脂被覆キャリアあるいは、樹脂と磁
性粉とを混合して得られる樹脂分散型キャリアのいずれ
を使用してもよい。このキャリアの平均粒径は体積平均
粒径で30〜150μmが好ましい。
【0039】磁性一成分現像剤として用いる場合には、
着色剤として数平均一次粒子径が0.1〜2.0μmの
マグネタイト等の強磁性体を含有して構成することが望
ましい。この場合は磁性体をトナー中に20〜60重量
%添加される。さらに、本発明でキャリアを用いずに非
磁性トナーのみで構成される非磁性一成分トナーとして
用いることもできる。
【0040】本発明の定着方法は、熱ローラ定着方法
と、加熱を移動するフィルム材と加圧部材とを通じて行
う方法である。以下本発明の定着方法について説明す
る。熱ローラ定着方法は図1に従って説明すると、表面
2に、例えばテトラフロオロエチレンやポリテトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル
共重合体類等を被覆した鉄やアルミニウム等で構成され
る金属シリンダ3内部に熱源4を有する上ローラ1とシ
リコンゴム等で構成された下ローラ5とから形成される
ものである。詳しくは、熱源4として線状のヒーターを
有し、上ローラ1の表面温度を約110〜220℃程度
に加熱させるものである。この上ローラ1と下ローラ5
との間を本発明のトナー画像7を担持した記録材6を通
過させ、トナー画像7を記録材上に熱溶融固着させる。
従来のトナーはこの固着に際して、溶融したトナーの一
部が上ローラ1に融着し、一回転後、この上ローラ1に
融着したトナーが記録材の別の部分に固着されるオフセ
ット現象が発生し、甚だしき場合は、上ローラ1に融着
したトナーは、記録材から離れず記録材と共にローラ1
に巻き付く、いわゆる巻き付き現象が発生していた。定
着部においては上ローラと下ローラ間に圧力を加え、下
ローラを変形させ、いわゆるニップを形成する。ニップ
幅としては1〜10mm、好ましくは1.5〜7mmで
ある。定着線速度は40〜400mm/secが好まし
い。ニップ幅が狭い場合には熱を均一にトナーに付与す
ることができなくなり、定着のムラを発生しやすくな
る。一方でニップ幅が広い場合にはトナーの溶融が促進
され、オフセット現象が発生しやすくなる。
【0041】本発明の熱ローラ定着方法は、上ローラ1
の表面2上には本発明の含フッ素シリコンオイル塗膜が
形成されており、この塗膜と本発明のトナーとの相互の
作用によって、本発明の諸目的は効率的に達成される。
【0042】この含フッ素シリコンオイル塗膜の上ロー
ラ1の表面2への供給は、一例として以下の通りに行な
われる。即ち、上ローラ1の表面2には含浸ローラ8が
圧接され、矢印方向に回転している。この含浸ローラ8
には、あらかじめ本発明の含フッ素シリコンオイルを含
浸させておき、定着に際して、上ローラ1の回転に従っ
て、極少量ずつ、含浸ローラ8から上ローラ1の表面2
へ本発明の含フッ素シリコンオイルが供給され、その結
果、上ローラ3の表面2上には本発明の含フッ素シリコ
ンオイル塗膜が形成されている。
【0043】次に、本発明の定着方法の後者の例を説明
する。後者の定着方法を図2に従って説明すると、装置
に固定支持された低熱容量ライン状加熱体15は、厚さ
0.2〜5.0mm、好ましくは0.5〜3.5mm、
幅10〜15mm、長手長240〜400mmのアルミ
ナ基板17に抵抗材料として1.0〜2.5mmに塗布
したもので両端より通電されるものである。通電はDC
100Vの周期25msecのパルス波形で温度センサ
16により制御された温度、エネルギー放出量に応じた
パルス幅に変化させて与える。低熱容量ライン状加熱体
15に 温度センサ16で検出された温度T1の場
合、抵抗材料に対向するフィルム材14の表面温度T2
は温度T1よりも低い温度となる。ここで温度T1は1
10〜220℃が好ましく、T2の温度はT1の温度と
比較して0.5〜10℃低いことが好ましい。また、フ
ィルム材14がトナー定着表面より剥離する部分におけ
るフィルム材表面温度T3はT2とほぼ同等である。こ
の様にエネルギー制御、温度制御にされた加熱体に当接
してフィルム材は記録材と同じ方向に移動する。このフ
ィルム材14としては、厚みにして10〜35μmの耐
熱フィルム、例えば、ポリエステル、ポリパーフロオロ
アルキルビニルエーテル、ポリイミド、ポリエーテルア
ミドに少なくともテフロン等のフッ素樹脂に導電材を添
加した離型材層を5〜15μm被覆させたフィルムであ
り、好ましくはエンドレスフィルム材である。一般的に
は総厚10〜100μm、フィルム材14の駆動はフィ
ルム材駆動ローラ11とフィルム材従動ローラ12によ
る駆動とテンションによりシワ、ヨレがなく搬送され
る。定着線速度は40〜500mm/secが好まし
い。加圧ローラ13はシリコンゴム等の離型性の高いゴ
ム弾性層を有し、総圧2〜30kgでフィルム材14を
介して低熱容量ライン状態加熱体15と加圧し、矢印方
向に圧接回転し、このフィルム材14と加圧ローラ13
との間をトナー像を担持した記録材を通過させ、低熱容
量ライン状態加熱体15を通過させて、トナー像と記録
材に溶融固着させる。
【0044】後者の定着方法の他の例を図3を用いて説
明する。この図3の例は、図2の例が、フィルム材がエ
ンドレスであったのに対し、有端なフィルム材の例であ
る。即ち、図2の様にシート送り出し軸21及び巻き取
り軸22に有端フィルム材24を巻き付け、定着毎に少
しずつフィルム材24を矢印方向へ移動させる。この場
合は巻き取り軸22で駆動する。13、15、16、1
7は図2のそれらと同じである。
【0045】巻き取り軸22で駆動により送り出し軸2
1に巻き取られていた有端フィルム材24は定着毎に少
しずつ駆り出され、この有端フィルム材24と加圧ロー
ラ13との間をトナー像を担持した記録材を通過させ、
低熱容量ライン状態加熱体15を通過させることによっ
てトナー像を記録材に溶融固着させる。
【0046】図2、3の定着方法において、フィルム材
14、24はその表面に本発明の含フッ素シリコンオイ
ル塗膜を有しているが、この塗膜の形成方法は、図1に
おける形成方法と同じく、含浸ローラを使用することが
できる。
【0047】本発明の含フッ素シリコンオイルは定着ロ
ーラ表面上では、最低単分子状被膜を形成していれば、
本発明の目的を達成でき、上限は定着ローラ又はフィル
ム材表面において1.4×10−6cc/cm以下の
層厚が好ましい。また、上記はエンドレスシートを用い
た説明であるが、図2の様にシート送り出し軸及び巻き
とり軸を使用し、有端のフィルム材であってもよい。さ
らに、内部に駆動ローラー等の支持ローラーを有さない
単なる円筒状のものでもよい。
【0048】定着部材に対するシリコンオイル塗布機構
は、中空の孔を有するシリンダー中に本発明の無機微粒
子とF系シリコンオイルとの混合物を充填し、その周囲
にオイル拡散層、オイル量制御層、オイル塗布層を形成
するものである。
【0049】また、その周囲に構成されるオイル拡散層
とは、例えば不織布で構成されるもので、中空のシリン
ダーより均一にシリンダー表面へ内部に充填されたオイ
ルを拡散するためのものである。また、オイル量制御層
とは表面に拡散したオイルを適量に調整する機能を有す
るもので、例えばコーネックスペーパ等を巻き付けるも
のである。さらに、オイル塗布層とは、例えばフェルト
及び/又は不織布等で構成されるもので、この部分より
均一に定着ローラーあるいはフィルムへ供給を行うもの
である。なお、中空パイプ内への本発明のシリコンオイ
ルと本発明の微粒子の混合物の充填率は50〜100容
量%が好ましい。
【0050】
【実施例】以下発明の代表的実施例を挙げる。尚、
「%」は特に断らない限り「容量%」を表す。 実施例1 (微粒子製造例)シラス原石を篩にかけ、粒子径が20
〜1000μmの範囲を有するシラス原石を得た。つい
で、このものを電気炉にて1350℃の温度をかけ、内
部に含有されている結晶水の発泡により中空の微粒子を
形成した。このものは水分の揮発により多孔質の壁構造
を有している。ついで、この微粒子に衝撃力を付与し、
下記表1に示す本発明の中空で多孔質の無機微粒子を調
整した。
【0051】
【表1】
【0052】(定着シリコンオイル塗布装置例)外径が
16mmφ、内径が14mmφ、長さが260mmのア
ルミニウムの中空パイプに直径1mmφの穴を20箇所
あけた中空パイプに下記内容物を充填した。ついで、そ
の表面にオイル拡散層として不織布を固着し、拡散制御
層としてコーネックスペーパを巻きつけ、さらに、その
周囲に超微細繊維不織布を巻きつけた装置をシリコンオ
イル塗布装置とした。
【0053】
【表2】
【0054】・熱ロール定着条件 熱ロール方式として、表面をテトラフルオロエチレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体で被覆し
た直径30mmφのヒーターを中央部に内蔵した円柱状
の鉄を上ローラーとして有し、表面が同様にテトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルエーテル共重合体
で被覆したシリコンゴムで構成された直径30mmφの
下ローラーを有している。線圧は0.8kg/cmに設
定され、ニップの幅は4.3mmとした。この定着機を
使用して、印字の線速を250mm/secに設定し
た。なお、定着機のクリーニング機構としては前述の機
構を使用した。これらをR−1〜R−5及び比R−1〜
比R−4とする。また、定着機の表面温度を175℃に
調整した。
【0055】・フィルム状定着条件 定着装置を図1に示す。エンドレスシート定着器を用
い、定着の条件を下記に設定した。 定着条件:加熱体温度T1=180℃ フィルム材速度=250mm/sec 加熱体・加圧ロール間総圧=15kg 加圧ローラー・フィルム材間ニップ=3mm フィルム材:表面に導電性物質を分散したポリテトラフルオロエチ レンを被覆した厚みが15μmのポリイミドフィル ム 材 定着機のクリーニング機構としては前述の機構を使用し
た。これらをF−1〜F5及び比F−1〜比F−4とす
る。
【0056】(現像剤製造例)ポリエステル樹脂100
部(重量部のこと、以下同じ。)、カーボンブラック5
部、低分子量ポリプロピレン3部を加えて熔融、混練を
行い、粉砕分級した後に体積平均粒径が8.3μmの着
色粒子を得た。ついで、このものに疎水性シリカを0.
8%添加しトナーを得た。また、これらトナーに対して
スチレン−アクリル樹脂を被覆した体積平均粒径が62
μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が7重
量%である現像剤を調整した。
【0057】(評価) *評価機としてコニカ製複写機3035を改造して使用
し、前述の定着条件に改造して用いた。 *評価は、10%の画素率の画像を用いて10万毎印字
を行い、5千枚毎に先端部から1mmの部分に幅2cm
のベタ黒を有する画像を低温低湿環境(10℃/20%
RH)環境で印字し、オフセットによる画像汚れ及び紙
の巻き付き性評価を実施した。これらが発生した枚数を
下記表に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば広い定着
温度領域にわたってオフセット現象の発生がなく、定着
ローラ等への巻き付き現象の発生のない熱定着方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱定着方法の一例である熱ローラ定着
方法の概略構成例を示す図である。
【図2】本発明の熱定着方法の他の一例であるフィルム
材を介して加熱体と記録材とを接触させる熱定着方法の
概略構成例を示す図である。
【図3】図2に示した熱定着方法の変形例を示す概略構
成例を示す図である。
【図4】本発明の中空であり且つ多孔質の無機粒子の一
例の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古屋 博規 栃木県黒磯市下厚崎226番地20 株式会 社ゼニス内 (56)参考文献 特開 昭63−169678(JP,A) 特開 昭52−119335(JP,A) 特開 平2−137876(JP,A) 特開 平6−250557(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコンオイル塗膜を形成するための塗布
    機構を有した移動する定着部材と前記定着部材に圧接し
    回動する加圧部材との間にトナー像を担持した記録材を
    通過させ、固定配置された加熱部材により前記定着部材
    を介してトナー像を記録材に熱定着させる定着方法にお
    いて、該塗布機構が中空でオイルを供給するための空孔
    を有するシリンダー中に中空であり且つ多孔質の無機粒
    子と下記一般式[1]で示されるフッ素系シリコンオイ
    ルを充填してなることを特徴とする定着方法。 【化1】 (式中、Xは炭素数1〜4の飽和炭化水素基又はアリー
    ル基を示し、Rfは炭素数2〜10のフルオロアルキル
    基を示し、nは1〜4の整数を示す。)
  2. 【請求項2】前記定着部材が前記加熱部材を内蔵した定
    着ローラであることを特徴とする請求項1記載の定着方
    法。
  3. 【請求項3】前記定着部材がフィルム状部材であること
    を特徴とする請求項1記載の定着方法。
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