JPH0810974A - 線材の溶接方法および溶接用線材固定具 - Google Patents

線材の溶接方法および溶接用線材固定具

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JPH0810974A
JPH0810974A JP6146135A JP14613594A JPH0810974A JP H0810974 A JPH0810974 A JP H0810974A JP 6146135 A JP6146135 A JP 6146135A JP 14613594 A JP14613594 A JP 14613594A JP H0810974 A JPH0810974 A JP H0810974A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、レーザを用いて線材と板材、ある
いは線材相互の溶接を行う改良された溶接方法および溶
接用線材固定具に関し、機械的強度の優れた溶接部が形
成され、信頼性の高い線材の溶接方法および溶接用線材
固定具を提供することを目的とする。 【構成】 線材1と被溶接材2とをレーザを照射して溶
接する際に、被溶接材2に設けた折曲部2aの高さH
を、線材1の直径Dの1.0〜3.0倍の範囲に形成し
て、レーザLを照射するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザを用いて線材と
板材、あるいは線材相互の溶接を行う改良された溶接方
法および溶接用線材固定具に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザを用いて線材と板材を溶接する方
法として、たとえば、特開昭59−107786号公報
には、図8および図9に示すような、細線の接合方法が
提案されている。この細線の接合方法は、平板aの一方
に折曲加工して形成した折曲げ部bの先端部と細線cに
レーザビームdを照射して溶接するようにしており、平
板aの折曲げ部bの高さh2 を細線cの直径h1 の0.
4〜1.0倍の範囲にすることにより、良好な溶接接合
が得られると記載されている。
【0003】しかしながら、上記の接合方法において
は、細線cと平板aの折曲げ部bとの間に架橋される溶
融金属の体積を充分に確保するとが困難であり、溶接部
の機械的強度が不十分となる場合が生じるなどの問題点
を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に着目してなされたもので、機械的強度の優れた溶接
部が形成され、信頼性の高い線材の溶接方法および溶接
用線材固定具を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題を達成するた
め、請求項1に記載した発明は、レーザを照射して線材
と被溶接材とを溶接するに際し、被溶接材の一端に折曲
部を設け、該折曲部の全部または一部の高さを線材の直
径の1.0〜3.0倍の範囲に形成し、該折曲部に線材
を当接すると共にレーザを照射して溶接を行うことを特
徴とする。
【0006】請求項2に記載した発明は、レーザを照射
して溶接するに際に線材を固定する線材固定具であっ
て、基部に所定の間隔をおいて抑止腕を並設し、該抑止
腕の先端部に押さえ爪を突設してなることを特徴とす
る。
【0007】
【作用】請求項1に記載した発明によれば、被溶接材の
折曲部の高さを溶接する線材の直径の1.0〜3.0倍
に形成しているため、レーザ照射により溶融した被溶接
材が線材に覆い被さるように凝固して溶接される。その
ため、溶接部が被溶接材によって強固に架橋され、その
機械的強度が増強される。折曲部の高さが線材の直径の
1.0倍に満たない場合は、溶融する被溶接材が不十分
となって溶接部の強度が不足して良好な溶接が得られな
い。また、折曲部の高さが線材の直径の3.0倍を超え
ると、被溶接材の溶融体積およびその熱容量が、線材の
熱容量とのバランスがとれなくなり、溶接が阻害され強
固な溶接ができなくなる。また、折曲部の高さを溶接す
る線材の直径の1.0〜3.0倍に形成してあるため、
照射したレーザが被溶接材の折曲部と線材との間を多重
反射するのでレーザの吸収効率が良好となり、溶接が円
滑かつ迅速に実施できる。
【0008】請求項2に記載した発明の溶接用線材固定
具は、所定の間隔で並設した二本の抑止腕を備えてお
り、抑止腕の先端部に設けた押さえ爪によって、線材を
押さえてレーザ溶接時に線材が被溶接材の折曲部から離
脱するのを防止するようにしている。
【0009】
【実施例】図1は、本発明に係わる線材の溶接方法の実
施例を示す説明図である。電線を線材1とし、細幅の導
電性金属板を被溶接材2として、線材1と被溶接材2と
の当接部にレーザ照射装置3からレーザLを照射するこ
とにより溶接を行う状態を示したものである。
【0010】被溶接材2は、その一端を折曲加工により
略直角に折り曲げて折曲部2aを形成してある。図2に
示す折曲部2aの高さHと、線材1の直径Dとの関係
は、次式のとおり設定されている。 D≦H≦3D レーザLは、折曲部2aと線材1とが当接している部分
Sに向けて照射することが好ましい。レーザLを前記部
分Sに向けて照射すると、図3に示すように、折曲部2
aと線材1間で多重反射が起こり、折曲部2aおよび線
材1から外部へ反射するエネルギ損失を減少させること
ができるため、少ないエネルギで効率の良い加工が可能
となる。
【0011】レーザLを照射して溶接を行った後の溶接
部の状態は、図4に示すように、被溶接材2の溶融金属
2cが線材1に覆い被さるように凝固するので、強固に
溶接される。一方、折曲部2aの高さHが、線材1の直
径Dより低い場合は、図5に示すように、溶融金属2
c′の量が少なく、線材1に覆い被さるように凝固しな
いため、強固な溶接が得られない。
【0012】上記の実施例においては、被溶接材2は細
幅の金属板を用いたが、これに限らず被溶接材として電
線などの線材を用いることもできる。一方、図6に示す
ように、被溶接材が幅の広い金属板2′等の場合は、そ
の折曲部2a′の一部を線材の直径の1.0〜3.0倍
の範囲の高さに突出させるようにしてもよい。
【0013】また、レーザ溶接を行う際には、図7に示
すような、線材固定具Aを用いて線材1と被溶接材2と
を固定することが好ましい。溶接材固定具Aは、基部4
から二本の抑止腕5、5′を所定の間隔をおいて並設し
て成るものである。抑止腕5、5′の先端部には、線材
1を抑えるための押さえ爪6、6′が突設されている。
押さえ爪6、6′は、線材1の直径に対応した径の凹面
が形成されている。抑止腕5、5′の間隔は、被溶接材
2の幅に応じて適宜設定すればよい。
【0014】被溶接材2の折曲部2aに配置した線材1
を、抑止腕4、4′の押さえ爪5、5′で抑えることに
より、線材1の折曲部2aからの離脱が防止され、レー
ザ照射装置3から照射されるレーザLを安定した状態で
受容して溶接を行うことが可能となる。
【0015】
【発明の効果】請求項1に記載した発明によれば、レー
ザ照射により溶融した被溶接材が線材に覆い被さるよう
に凝固して溶接され、溶接部が被溶接材によって強固に
架橋されるため機械的強度が高くなり、溶接部の信頼性
が向上する。また、折曲部の高さを溶接する線材の直径
の1.0〜3.0倍に形成してあるため、照射したレー
ザが被溶接材の折曲部と線材との間を多重反射するので
レーザの吸収効率が良好となり、溶接が円滑かつ迅速に
実施でき、生産性が著しく向上する。さらに、請求項2
に記載した発明の溶接用線材固定具を用いることによ
り、抑止腕の先端部に設けた押さえ爪によって線材を押
さえて、溶接時に線材が被溶接材の折曲部から離脱する
のを防止することができるため、溶接工程の生産性が向
上するなど多くの利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載した発明の実施例に係わる線材
の溶接方法を示す説明図である。
【図2】図1の被溶接材の折曲部と線材の直径との関係
を示す説明図である。
【図3】図2のレーザ照射による多重反射の説明図であ
る。
【図4】図1の被溶接材に対しレーザ溶接を行った後の
溶融金属の状態を示す説明図である。
【図5】比較例として、折曲部の高さが、線材の直径よ
り低い場合の溶融金属の状態を示す説明図である。
【図6】請求項1に記載した発明の他の実施例として、
幅の広い被溶接材の場合を示す説明図である。
【図7】請求項2に記載した発明の実施例を示す溶接用
線材固定具の斜視図である。
【図8】従来の線材の溶接方法を示す説明図である。
【図9】図7の平板の折曲げ部の高さと、細線の直径と
の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
A 溶接用線材固定具 D 線材の直径 H 折曲部の高さ L レーザ 1 線材 2 被溶接材 2a 折曲部 4 基部 5、5′ 抑止腕 6、6′ 押さえ爪

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザを照射して線材と被溶接材とを溶
    接するに際し、被溶接材の一端に折曲部を設け、該折曲
    部の全部または一部の高さを線材の直径の1.0〜3.
    0倍の範囲に形成し、該折曲部に線材を当接すると共に
    レーザを照射して溶接を行うことを特徴とする線材の溶
    接方法。
  2. 【請求項2】 レーザを照射して溶接するに際に線材を
    固定する線材固定具であって、基部に所定の間隔をおい
    て抑止腕を並設し、該抑止腕の先端部に押さえ爪を突設
    してなることを特徴とする溶接用線材固定具。
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