JP3828804B2 - 金属箔体と金属部材との接合体及びその製造方法 - Google Patents

金属箔体と金属部材との接合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属箔体と金属部材との接合体(以下、単に「接合体」ともいう)、及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、コスト性及び信頼性に優れた金属箔体と金属部材との接合体、及び生産性に優れたその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属箔体と金属部材を接合するには、金属部材の接合部分にろう材を塗布し、又は金属箔体と金属部材との間にろう材を挟持させて、これらを電気炉に入れて全体を加熱する方法、又は電子ビーム等を用いて接合部分を加熱する方法等が一般的に用いられている。
【0003】
しかし、これらの接合方法ではろう材を必要とするために、製造コストが高いという問題があった。また、エネルギー線を照射する際の金属箔体の損傷を抑制するため、溶接用のろう材には金属箔体に比べかなり低融点であるものしか用いることが出来ないために、ろう材の選択の幅が狭いという問題があり、さらに、金属箔体と金属部材の双方を溶解させるため、金属箔が損傷する場合もあり、得られる接合体の接合部分の機械的強度が低くなり易いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、係る従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ろう材を必要としないためにコスト性に優れ、また、金属箔体の損傷を与えずに金属部材のみを溶解させて金属箔体と金属部材とを溶着・接合させることにより、接合体の機械的強度が強いために信頼性に優れた金属箔体と金属部材との接合体、及び、生産性に優れた金属箔体と金属部材との接合体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明によれば、少なくとも1枚の金属箔体の端縁と金属部材とを接合してなる金属箔体と金属部材との接合体であって、前記金属部材の形状が、平坦部と、その厚みが前記平坦部に比して厚く、その先端に接合面を持った凸状部とを有する形状であり、前記金属箔体の端縁のうちの前記金属部材と接合されるべく配列された端縁(接合端縁)の挟幅端面と、前記金属部材の前記接合面とを対向させた状態で前記凸状部にエネルギー線を照射し、前記凸状部を溶解して、前記凸状部と前記接合端縁とを溶着させることにより接合してなることを特徴とする金属箔体と金属部材との接合体が提供される。
【0006】
本発明においては、金属箔体と金属部材とがアルミニウム又はアルミニウム合金から構成されていることが好ましく、また、凸状部が、金属部材の先端部に形成されていることが好ましい。
【0007】
本発明においては、凸状部の厚みと、平坦部の厚みとの差が0.1mm以上であることが好ましく、平坦部の厚みが0.4mm以上であることが好ましく、凸状部の厚みが0.6mm以上であることが好ましい。
【0008】
エネルギー線が、金属箔体の挟幅端面を含む面の法線に対して、角度θ(0°<θ≦90°)で凸状部に照射されてなることが好ましい。金属部材の凸状部が挟幅端面に垂直に交差するように配置されてなることが好ましい。エネルギー線が、挟幅端面に垂直に交差する線に対して、角度が垂直で凸状部に照射されてなることが好ましい。エネルギー線が、金属箔体に直接照射しないでなることが好ましい。
【0009】
本発明においては、エネルギー線の照射点におけるパワー密度が3kW/mm2以上であることが好ましく、エネルギー線の照射点におけるスポット径が1mm以下であることが好ましい。
【0010】
本発明においては、隣り合う金属箔体どうしが間隙を保持して配列されてなることが好ましく、エネルギー線が、レーザー又は電子ビームによるものであることが好ましい。また、エネルギー線が連続波であることが好ましく、レーザーがYAGレーザーであることが好ましい。
【0011】
さらには、金属部材と金属箔体との接合を補助する接合材料が、金属箔体及び/若しくは金属部材の所定箇所に塗布され、又は金属箔体と凸状部の間に挟持されて、凸状部及び接合材料にエネルギー線を照射し、それらを溶解させて、溶解した凸状部及び接合材料を接合端縁に溶着させることにより接合されてなるものであってもよい。
【0012】
これらの構成条件は、金属箔体及び金属部材が、それぞれ電気化学素子に用いられる金属箔体及び金属部材に好適に採用される。また、本発明によれば、金属箔体と金属部材との接合体を用いてなる電気化学素子が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、少なくとも1枚の金属箔体の端縁と金属部材の先端部とを接合して金属箔体と金属部材との接合体を製造する方法であって、前記金属部材の形状が、平坦部と、その厚みが前記平坦部に比して厚い凸状の前記先端部とを有する形状であり、前記金属箔体の端縁のうち前記金属部材の前記先端部と接合されるべく配列された端縁(接合端縁)の挟幅端面と、前記金属部材の前記先端部と、が接するように又は近接するように、前記金属箔体と前記金属部材を配置し、前記先端部にエネルギー線を照射し、それを溶解させて、溶解した前記先端部を前記接合端縁に溶着させて、金属箔体と金属部材との接合体を形成することを特徴とする金属箔体と金属部材との接合体の製造方法が提供される。
【0014】
本発明においては、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属箔体と金属部材を使用することが好ましい。
【0015】
本発明においては、先端部の厚みと平坦部の厚みとの差が0.1mm以上である金属部材を使用することが好ましく、平坦部の厚みが0.4mm以上である金属部材を使用することが好ましく、先端部の厚みが0.6mm以上である金属部材を使用することが好ましい。
【0016】
また、エネルギー線を、挟幅端面を含む面の法線に対して、角度θ(0°<θ≦90°)で先端部に照射することが好ましい。金属部材の先端部、挟幅端面に垂直に交差するように配置することが好ましい。挟幅端面に垂直に交差する前記エネルギー線をエネルギー線発生装置により走査して照射することが好ましい。エネルギー線を、挟幅端面に垂直に交差する線に対して、角度が垂直で先端部に照射することが好ましい。エネルギー線を金属箔体に直接照射しないことが好ましい。
【0017】
本発明においては、照射点におけるパワー密度が3kW/mm2以上となるようにエネルギー線を照射することが好ましく、照射点におけるスポット径が1mm以下となるようにエネルギー線を照射することが好ましい。
【0018】
本発明においては、隣り合う金属箔体どうしに間隙を保持して配列することが好ましく、エネルギー線としてレーザー又は電子ビームを用いることが好ましい。
【0019】
また、本発明においては、レーザーとしてYAGレーザーを用いることが好ましく、さらに、エネルギー線を、連続照射が可能なエネルギー線発生装置を用いて照射することが好ましい。エネルギー線を、挟幅端面を含む面に平行な面上を移動して走査可能なエネルギー線発生装置を用いて照射することが好ましい。エネルギー線発生装置により、先端部にエネルギー線を走査して照射することが好ましい。配列された金属箔体の枚数に応じて金属部材を複数個用意し、複数個の金属部材を、それらの先端部が挟幅端面に垂直に交差するようにして連続的に配置することが好ましい。
【0020】
また、本発明によれば、少なくとも1枚の金属箔体の端縁と金属部材とを接合して金属箔体と金属部材との接合体を製造する方法であって、前記金属部材の形状が、平坦部と、その厚みが前記平坦部に比して厚く、その先端に接合面を持った凸状部とを有する形状であり、前記金属箔体の端縁のうち前記金属部材と接合されるべく配列された端縁(接合端縁)の挟幅端面と、前記金属部材の前記接合面と、が接するように又は近接するように、前記金属箔体と前記金属部材を配置し、前記凸状部にエネルギー線を照射し、それを溶解させて、溶解した前記凸状部を前記接合端縁に溶着させて、金属箔体と金属部材との接合体を形成することを特徴とする金属箔体と金属部材との接合体の製造方法が提供される。
【0021】
本発明においては、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属箔体と金属部材を使用することが好ましく、また、凸状部の厚みと平坦部の厚みとの差が0.1mm以上である金属部材を使用することが好ましく、平坦部の厚みが0.4mm以上である金属部材を使用することが好ましく、凸状部の厚みが0.6mm以上である金属部材を使用することが好ましい。
【0022】
本発明においては、エネルギー線を、挟幅端面を含む面の法線に対して、角度θ(0°<θ≦90°)で凸状部に照射することが好ましい。金属部材の凸状部を、挟幅端面に垂直に交差するように配置することが好ましい。挟幅端面に垂直に交差するエネルギー線をエネルギー線発生装置により走査して照射することが好ましい。エネルギー線を、挟幅端面に垂直に交差する線に対して、角度が垂直で凸状部に照射することが好ましい。エネルギー線を、金属箔体に直接照射しないことが好ましい。
【0023】
本発明においては、照射点におけるパワー密度が3kW/mm2以上となるようにエネルギー線を照射することが好ましく、照射点におけるスポット径が1mm以下となるようにエネルギー線を照射することが好ましい。
【0024】
本発明においては、隣り合う金属箔体どうしに間隙を保持して配列することが好ましく、エネルギー線として、レーザー又は電子ビームを用いることが好ましい。
【0025】
また、本発明においては、レーザーとしてYAGレーザーを用いることが好ましく、さらに、エネルギー線を、連続照射が可能なエネルギー線発生装置を用いて照射することが好ましい。エネルギー線を、挟幅端面を含む面に平行な面上を移動して走査可能なエネルギー線発生装置を用いて照射することが好ましい。エネルギー線発生装置により、凸状部にエネルギー線を走査して照射することが好ましい。配列された金属箔体の枚数に応じて金属部材を複数個用意し、複数個の金属部材を、それらの凸状部が挟幅端面に垂直に交差するようにして連続的に配置することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0027】
図1に示すように、本発明の金属箔体と金属部材との接合体11は、上述のように、少なくとも1枚の金属箔体の端縁13と金属部材とを接合してなる接合体11ある。なお、本発明に係る金属箔体と金属部材との接合体11の構成材料である金属箔体1と金属部材4を構成する金属材料は、一般的な金属又はその合金等により構成されているものであればよいが、具体的にはチタン、アルミニウム、又はこれらの合金等から構成されていることが好ましく、特にアルミニウム又はアルミニウム合金から構成されていることが、接合状態の良好な接合体を提供できるために好ましい。
また、図3に示すように、本発明の接合体は、金属部材4の形状が、平坦部12と、その厚みが平坦部12に比して厚く、その先端に接合面を持った凸状部7とを有する形状であり、金属箔体1の接合端縁13と、凸状部7の接合面とを対抗させた状態で、凸状部7にエネルギー線8を照射し、金属部材4の凸状部7を溶解して、金属部材4の凸状部7と金属箔体1の接合端縁13とを溶着させることにより形成されたものである。
【0028】
本発明の接合体に用いられる金属箔体の枚数は、1枚でもよいし、複数枚でも構わない。金属箔体の枚数が1枚である場合には、その端縁が金属部材の凸状部と複数箇所にて接合されるように金属箔体を構成する。その構成には特に制限はないが、例えば、1枚の金属箔体を同心円的に捲回したり、複数箇所を折り曲げることが挙げられる。金属箔体の枚数が複数枚である場合には、それらの接合端縁を大略揃えて配列して構成する。なお、金属箔体の枚数が複数枚である場合でも、そのうち1枚又は複数枚を同心円的に捲回したり、複数箇所を折り曲げて構成してもよい。
【0029】
本発明の接合体に用いられる金属部材としては、特に制限はなく、例えば、汎用の成形方法により得られたものを使用することが出来る。
【0030】
また、例えば図3に示す、金属部材4の形状については、平坦部12と、その厚みが平坦部12に比して厚く、その先端に接合面を持った凸状部7とを有する形状であれば特に制限はないが、金属箔体1の接合端縁13と金属部材4との溶着を容易にするために、凸状部7の凸面と金属箔体1の接合端縁13との接触を確実に行うことが好ましく、例えば、凸状部7の凸面と金属箔体1の挟幅端面2とが点接触するように形成されたものを好適例として挙げることが出来る。
【0031】
前記凸状部の形状の具体的な例を図7、8に示す。本発明の接合体に用いられる金属部材4の凸状部7の形状は、図7に示すような台形状であってもよく、図8に示すような尖塔状であってもよい。
なお、図7、8においてL1は平坦部12の厚み、L2は凸状部7の厚みを示す。
【0032】
本発明の接合体においては、図7、8に示すように金属部材4は、平坦部12と、その厚みが平坦部12に比して厚く、その先端に接合面を持った凸状部7とを有する形状であり、凸状部7の厚み(L)と、平坦部12の厚み(L)との差が0.1mm以上であることが好ましく、0.6mm以上であることがさらに好ましく、0.8mm以上であることが特に好ましい。凸状部7と平坦部12との厚みの差が0.1mm未満である場合には、凸状部7の形状的な特徴が発揮されず、凸状部7と金属箔体1との接触状態が不安定となるために好ましくない。また、本発明の接合体においては凸状部7と平坦部12との厚みの差の上限値については特に限定されないが、金属部材の加工精度及び強度等から適宜設定されればよく、例えば3mm以下であればよい。
【0033】
接合に際して金属箔に金属部材を押さえ付けるときに、当該金属部材の変形や損傷等の発生を防止するといった観点からは、平坦部の厚み(L1)が0.4mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがさらに好ましく、0.6mm以上であることが特に好ましい。なお、平坦部の厚みの上限値については特に限定されないが、溶接部分とは直接的には関係のない部分であるため金属部材の強度及び重量等から適宜設定されればよく、例えば2mm以下であればよい。
【0034】
また、凸状部の厚み(L2)は0.6mm以上であることが好ましく、0.7mm以上であることがさらに好ましく、0.8mm以上であることが特に好ましい。このことにより、より強固に接合されてなる接合体とすることが出来る。なお、凸状部の厚みの上限値については特に限定されないが、照射されるエネルギー線のパワーの限界から適宜設定されればよい。
【0035】
本発明の接合体に用いられる金属部材の形状に関して、以下に示す形状のものを好適な例として挙げることが出来る。
図3には、凸状部7を、その先端部6に有する金属部材4の例を示しているが、この場合には、金属部材4の上面側からエネルギー線8を照射することにより、金属部材4と金属箔体1の接合端縁13とを溶着させて接合させることが出来る。
【0036】
図4には、図3の金属部材4に比べ、凸状部33に厚みを有する金属部材31の例を示している。この場合には、金属部材31の上面側からエネルギー線34を照射することの他に、凸状部33の側面へエネルギー線35を照射することによっても、金属部材31と金属箔体1の接合端縁13とを溶着させて接合させることが出来る。
【0037】
図5には、板状の金属部材41を、その端面が金属箔体1の挟幅端面2に接するように配置する例を示しているが、この場合には、金属部材41の側面側からエネルギー線42を照射することにより、金属部材41と金属箔体1の接合端縁13とを溶着させて接合させることが出来る。このように、図5に示すような、凸状部を有しない板状の金属部材41と複数の金属箔体1とを接合させることによっても接合体を製造することが出来る。
【0038】
図6には、金属部材の先端部ではない、所定箇所に凸状部52を有する例を示しているが、この場合には、その凸状部52を設けた金属部材51の背面にエネルギー線53を照射することにより、その金属部材51と金属箔体1とを接合させることが出来る。
【0039】
本発明においては、金属箔体と金属部材とが同種金属から構成されていることが好ましく、このことにより、金属箔体と金属部材とがよりよく溶着することとなるために、接合体の機械的強度が強く、信頼性の向上を図ることが出来る。
【0040】
本発明の接合体の製造例として下記の方法を挙げることが出来る。すなわち、図3に示すように、平坦部12と、その厚みが平坦部12に比して厚く、その先端に接合面を持った凸状部7とを有する形状の金属部材4を用意し、金属箔体1の端縁のうち金属部材4と接合されるべく配列された端縁(接合端縁)13の挟幅端面2と、金属部材4の接合面と、が接するように又は近接するように、金属箔体1と金属部材4を配置し、金属部材4の凸状部7にエネルギー線8を照射し、それを溶解させて、溶解した金属部材4の凸状部7を金属箔体1の接合端縁13に溶着させて、金属箔体1と金属部材4との接合体11を形成する方法を挙げることが出来る。
【0041】
この場合に、本発明の接合体においては、図3に示すように、エネルギー線8が、金属箔体1の挟幅端面2を含む面の法線3に対して、角度θ(0°<θ≦90°)で凸状部7に照射されてなることが好ましく、角度θ(5°≦θ≦80°)で照射されてなることがさらに好ましく、角度θ(10°≦θ≦60°)で照射されてなることが特に好ましく、角度θ(15°≦θ≦45°)で照射されてなることが最も好ましい。また、エネルギー線8が、金属部材の凸状部7の表面に又はその前後近傍に合焦させてなることが好ましく、エネルギー線8が、金属箔体1に直接照射しないでなることが好ましい。
【0042】
さらには、金属部材4の凸状部7が挟幅端面2に垂直に交差するように配置されてなり、エネルギー線8が、挟幅端面2に垂直に交差する線をエネルギー線発生装置により走査、すなわち金属部材4の凸状部7を走査して照射することが好ましい。このとき、上述した、エネルギー線8が、金属箔体1の挟幅端面2を含む面の法線3に対して、角度θ(0°<θ≦90°)で凸状部7に照射されてなるということに加え、エネルギー線8が、挟幅端面2に垂直に交差する線に対して、角度が垂直で凸状部7に照射されてなることが好ましい。
これらにより、図1に示すようにろう材を必要とせずに、金属箔体1と金属部材4の溶解体とを溶着させて、金属箔体1と金属部材4との接合体11を形成することが出来るためにコストを低減することが出来る。また隣り合う金属箔体1が平行に並んでいなくてもその大略端縁を揃えて配列されていれば、複数枚の金属箔体1を一度の照射によって金属部材4と接合することも出来る。さらに、金属箔体1に損傷を与えずに、金属部材4の所定箇所(凸状部)のみを溶解させて金属箔体1と金属部材4とを溶着・接合することが出来、接合の機械的強度を向上させることが出来るために信頼性の向上を図ることが出来る。
【0043】
なお、本発明でいう「接合端縁」とは、1枚の金属箔体における複数箇所の接合される端縁、或いは複数枚の金属箔体における、複数箇所に渡る、各金属箔体の接合される端縁を意味しており、また、「挟幅端面に略垂直に交差する」とは、複数の接合端縁における挟幅端面の全てについて略垂直に交差することを意味している。
【0044】
本発明の接合体においては、金属部材の凸状部にエネルギー線が照射されるに際して、当該エネルギー線の照射点におけるパワー密度が3kW/mm2以上であることが好ましく、4kW/mm2以上であることがさらに好ましく、5kW/mm2以上であることが特に好ましい。3kW/mm2未満であると、接合状態が良好ではなく、機械的強度が不充分となる場合が想定されるためである。なお、前記パワー密度の上限については特に限定されないが、金属部材やこれに接合される金属箔体への損傷発生の回避等の観点から適宜決定されればよく、例えば60kW/mm2以下であればよい。ここで、本発明にいうエネルギー線の「パワー密度」とは、エネルギー線のパワー(kW)を、金属部材の所定箇所において当該エネルギー線が照射される照射点のスポット面積(mm2)で除して得た値を意味する。
【0045】
図2は、金属箔体1に20μmのアルミニウム箔を用い、金属部材4にエネルギー線により溶解させる部分(凸状部)の厚みが2mmであるアルミニウム部材を用い、YAGレーザーを照射して接合した接合体の一例を示す写真のレプリカ図である。
図2に示す例では、金属箔体1は、金属部材4の接合面9により接合端縁の全体を覆うようにして溶着されていることから、金属箔体1と金属部材4とが強固に接合されていることが分かる。
この例では、隣り合う金属箔体1どうしに間隙10を保持して配列しているが、金属部材4の所定箇所の溶解体は、金属箔体1の接合端縁上でその表面張力により形状が保持される。なお、複数枚の金属箔体1は、幾枚かが互いに接触或いはすべてが密着するように揃えて配列されていても接合は可能である。
【0046】
また、例えば図3に示す、係るエネルギー線8が、エネルギー密度が高く、発熱量も小さいレーザー又は電子ビームによるものであることが好ましく、また、エネルギー線が連続波であることが好ましい。このことにより、凸状部7の表面にエネルギーを集中させて照射することが出来るために凸状部7を効率的に溶解させることが出来、また金属箔体1の損傷を抑制することが出来る。なお、レーザーの中でも、YAGレーザーは焦点をよりよく絞ることが出来、焦点からはずれた部分に配置された金属箔体1の位置ではエネルギー密度はより小さくなり、金属箔体1の損傷をよりよく抑制することが出来ることから、特に好ましい。
【0047】
また、本発明に係る接合体を製造するに際しては、例えば図3に示す、エネルギー線8を、連続照射が可能なエネルギー線発生装置を用いて照射することが好ましく、エネルギー線8を、挟幅端面2を含む面に平行な面を走査可能なエネルギー線発生装置を用いて照射することが好ましい。なお、照射するエネルギー線の走査速度は、0.1〜100m/minであることが好ましく、1〜30m/minであることがさらに好ましく、2〜10m/minであることが特に好ましい。また、エネルギー線発生装置により、凸状部7にエネルギー線を走査して照射することが好ましい。さらに、本発明においては、配列された金属箔体1の枚数に応じ、金属部材4を複数個用意し、複数の金属部材4を、それらの凸状部7が挟幅端面2に垂直に交差するようにして、連続的に配置することが好ましい。これらのことにより、複数枚の金属箔体1を一度の照射によって接合することが出来ることとなる。
【0048】
本発明の接合体を製造するに際して、ろう材等の接合補助材料は必要としないが、もちろん使用しても構わない。その場合には、金属部材と金属箔体との接合を補助する接合補助材料が、金属箔体及び/若しくは金属部材の凸状部に塗布され、又は金属箔体と金属部材の凸状部の間に挟持されて、凸状部及び接合材料にエネルギー線を照射し、それらを溶解させて、溶解した凸状部及び接合材料を金属箔体の接合端縁に溶着させることにより接合されたものであることが好ましい。
【0049】
本発明の金属箔体と金属部材との接合体は、その用途として特に制限はないが、電気化学素子に用いられることを好適例として挙げることが出来る。具体的には、金属箔体を電気化学素子の集電基板として、金属部材を集電基板から電流を導出するための集電部材として適用するものである。また、この電気化学素子としては、特に制限はないが、積層型電気化学素子や捲回型電気化学素子を好適例として挙げることが出来る。本発明の接合体は、金属箔体及び金属部材を構成する金属がアルミニウム又はアルミニウム合金である場合においては、例えば、捲回型電気化学素子を備えてなるリチウム二次電池の正極用材料として好適に用いることが出来る。この場合、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成されている金属箔体の厚みは10μm〜25μmであることが好ましい。
【0050】
次に、本発明に係る金属箔体と金属部材との接合体の製造方法の実施の形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0051】
図9に示すように、本発明の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法は、少なくとも1枚の金属箔体1の端縁2と金属部材4の先端部5とを接合して接合体10を製造する方法であって、金属箔体1の端縁のうち、金属部材4の先端部と接合されるべく配列された端縁(接合端縁)13の挟幅端面2と、金属部材4の先端部6と、が接するように、又は近接するように、金属箔体1と金属部材4を配置し、金属部材4の先端部にエネルギー線7を照射し、それを溶解させて、溶解した金属部材4の先端部を金属箔体1の接合端縁13に溶着させて、金属箔体1と金属部材4との接合体10を形成する。金属部材4の形状は、平坦部と、その厚みが平坦部に比して厚い凸状の先端部6とを有する形状である。なお、本発明においては、金属箔体1と金属部材4を構成する金属材料として、一般的な金属又はその合金等を使用すればよく、具体的にはチタン、アルミニウム、又はこれらの合金等からなる金属箔体と金属部材を使用することが好ましく、特にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属箔体と金属部材を使用することが、接合状態の良好な接合体が得られるために好ましい。
【0052】
本発明の接合体の製造方法においては、平坦部と、その厚みが平坦部に比して厚い、接合端縁側に突出する凸状先端部6と、を有する金属部材4を使用し、先端部6と少なくとも1以上の挟幅端面2とが接するように、又は近接するように当該金属部材4を配置する。
【0053】
本発明の接合体の製造方法に用いられる金属箔体の枚数は、1枚でもよいし、複数枚でも構わない。金属箔体の枚数が1枚である場合には、その端縁が金属部材の先端部と複数箇所にて接合されるように金属箔体を構成する。その構成には特に制限はないが、例えば、1枚の金属箔体を同心円的に捲回したり、複数箇所を折り曲げることが挙げられる。金属箔体の枚数が複数枚である場合には、それらの接合端縁を大略揃えて配列して構成する。なお、金属箔体の枚数が複数枚である場合でも、そのうち1枚又は複数枚を同心円的に捲回したり、複数箇所を折り曲げて構成してもよい。
【0054】
本発明の接合体の製造方法に用いられる金属部材としては、特に制限はなく、例えば、汎用の成形方法により得られたものを使用することが出来る。
【0055】
また、例えば図9に示す、金属部材4の形状については、平坦部と、その厚みが平坦部に比して厚い凸状の先端部6とを有する形状であれば特に制限はない、金属箔体1の接合端縁13と金属部材4の先端部との溶着を容易にするために、先端部6の凸面と金属箔体1の接合端縁13との接触を確実に行うことが好ましく、例えば、先端部6の凸面と金属箔体1の挟幅端面2とが点接触するように形成されたものを好適例として挙げることが出来る。
【0056】
本発明の接合体の製造方法においては、図7、8に示すように、平坦部12と、その厚みが平坦部12に比して厚く、その先端に接合面を持った凸状部7とを有する形状であり、凸状部の厚み(L)と、平坦部の厚み(L)との差が0.1mm以上である金属部材4を使用することが好ましく、0.6mm以上である金属部材4を使用することがさらに好ましく、0.8mm以上である金属部材4を使用することが特に好ましい。凸状部と平坦部との厚みの差が0.1mm未満である場合には、凸状部7の形状的な特徴が発揮されず、凸状部7と金属箔体1との接触状態が不安定となるために好ましくない。また、本発明の接合体の製造方法においては凸状部と平坦部との厚みの差の上限値については特に限定されないが、金属部材の加工精度及び強度等から適宜設定すればよく、例えば3mm以下であればよい。
【0057】
接合に際して金属箔に金属部材を押さえ付けるときに、当該金属部材の変形や損傷等の発生を防止するといった観点からは、平坦部の厚み(L1)が0.4mm以上である金属部材を使用することが好ましく、0.5mm以上である金属部材を使用することがさらに好ましく、0.6mm以上である金属部材を使用することが特に好ましい。なお、平坦部の厚みの上限値については特に限定されないが、溶接部分とは直接的には関係のない部分であるため金属部材の強度及び重量等から適宜設定すればよく、例えば2mm以下であればよい。
【0058】
また、凸状の先端部の厚み(L)が0.6mm以上である金属部材を使用することが好ましく、0.7mm以上である金属部材を使用することがさらに好ましく、0.8mm以上である金属部材を使用することが特に好ましい。このことにより、より強固に接合された接合体を得ることが出来る。なお、先端部の厚みの上限値については特に限定されないが、照射するエネルギー線のパワーの限界から適宜設定されればよい。
【0059】
本発明の接合体の製造方法においては、図9に示すように、エネルギー線7を、金属箔体1の挟幅端面2を含む面の法線3に対して、角度θ(0°<θ≦90°)で金属部材4の先端部に照射することが好ましく、角度θ(5°≦θ≦80°)で照射することがさらに好ましく、角度θ(10°≦θ≦60°)で照射することが特に好ましく、角度θ(15°≦θ≦45°)で照射することが最も好ましい。また、エネルギー線7を、金属部材4の先端部の表面に又はその前後近傍に合焦させることが好ましく、エネルギー線7を、金属箔体1に直接照射しないことが好ましい。
【0060】
エネルギー線7を金属部材4の凸状の先端部6に照射する具体的な方法としては、図9に示すように、金属部材4を、その先端部6が挟幅端面2に垂直に交差するように配置し、挟幅端面2に垂直に交差するエネルギー線をエネルギー線発生装置により走査、すなわち金属部材4の先端部を走査して照射する方法を挙げることが出来る。このとき、エネルギー線7を、金属箔体1の挟幅端面2を含む面の法線3に対して、角度θ(0°<θ≦90°)で先端部6に照射するという上述の条件に加え、エネルギー線7を、挟幅端面2に垂直に交差する線に対して、角度が垂直で先端部6に照射することが好ましい。これらの方法により、ろう材を必要とせずに金属箔体1と金属部材4の溶解体とを溶着させて、金属箔体1と金属部材4との接合体10を形成することが出来るためにコストを低減することが出来る。また隣り合う金属箔体1が平行に並んでいなくてもその大略端縁を揃えて配列されていれば、複数枚の金属箔体1を一度の照射によって金属部材4と接合できるために生産性の向上を図ることが出来る。さらに、上述した条件によれば、金属箔体1に損傷を与えずに、金属部材4の先端部のみを溶解させて金属箔体1と金属部材4とを溶着・接合することが出来、接合の機械的強度を向上させることが出来るために信頼性の向上を図ることが出来る。
【0061】
本発明の接合体の製造方法においては、照射点におけるパワー密度が3kW/mm以上となるように、金属部材の凸状の先端部にエネルギー線を照射することが好ましく、4kW/mm以上となるように照射することがさらに好ましく、5kW/mm以上となるように照射することが特に好ましい。3kW/mm未満であると、接合状態が良好ではなく、得られる接合体の機械的強度が不充分となる場合が想定されるためである。なお、前記パワー密度の上限については特に限定されないが、金属部材やこれに接合される金属箔への損傷発生の回避等の観点から60kW/mm以下であればよい。
【0062】
なお、図2の接合体のレプリカ図において示すように、金属箔体1は、金属部材4の溶解体が端縁の全体を覆うようにして溶着されていることから、金属箔体1と金属部材4とが強固に接合されていることが分かる。
図2の接合体では、隣り合う金属箔体1どうしを、間隙9を保持して配列しており、金属部材4の先端部の溶解体は金属箔体の端縁上でその表面張力により形状が保持される。なお、複数枚の金属箔体1は、幾枚かが互いに接触或いはすべてが密着するように揃えて配列されていても接合は可能である。
【0063】
また、例えば図9に示す、係るエネルギー線7としては、エネルギー密度が高く、発熱量も小さい、レーザー又は電子ビームを用いることが好ましく、また、連続波であるエネルギー線を用いることが好ましい。このことにより、凸状の先端部6の表面上にエネルギーを集中させて照射することが出来るために先端部6を効率的に溶解させることが出来、また金属箔体1の損傷を抑制することが出来る。なお、レーザーの中でも、YAGレーザーは、焦点をよりよく絞ることが出来、焦点からはずれた部分に配置された金属箔体1の位置では、エネルギー密度はより小さくなり、金属箔体1の損傷をよりよく抑制することが出来ることから、特に好ましい。
【0064】
また、本発明の接合体の製造方法においては、エネルギー線7を連続照射が可能なエネルギー線発生装置を用いて照射することが好ましく、エネルギー線7を、挟幅端面2を含む面に平行な面上を移動して走査可能なエネルギー線発生装置を用いて照射することが好ましい(図9)。なお、照射するエネルギー線の走査速度は、0.1〜100m/minであることが好ましく、1〜30m/minであることがさらに好ましく、2〜10m/minであることが特に好ましい。エネルギー線発生装置により、先端部にエネルギー線7を走査して照射することが好ましい。さらに、本発明の接合体の製造方法においては、配列された金属箔体1の枚数に応じ、金属部材4を複数個用意し、複数の金属部材4を、それらの凸状の先端部6が挟幅端面2に垂直に交差するようにして、連続的に配置することが好ましい。これらのことにより、複数枚の金属箔体1を一度の照射によって接合することが出来るために、生産性の向上を図ることが出来る。
【0065】
図4は、本発明の接合体の製造方法に用いることが出来る金属部材の一例を示す説明図である。
図4には、図9の金属部材4に比べ、凸状の先端部(凸状部33に厚みを有する金属部材31の例を示しており、この場合には、金属部材31の上面側からエネルギー線34を照射することの他に、凸状部33の側面へエネルギー線35を照射することによっても、金属部材31と金属箔体1の接合端縁13を溶着させて接合させることが出来る。
【0066】
図5は、接合体の製造方法に用いることが出来る金属部材の別の一例を示す説明図である。
図5には、板状の金属部材41を、その端面が金属箔体1の挟幅端面2に接するように配置する例を示しており、この場合には、金属部材41の側面側からエネルギー線42を照射することにより、金属部材41と金属箔体1の接合端縁13とを溶着させて接合させることが出来る。このように、図5に示す接合体の製造方法によれば、凸状部を有しない板状の金属部材41と複数の金属箔体1とを接合させることが出来る。
【0067】
また、図10に示すように、本発明の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法は、少なくとも1枚の金属箔体1の端縁(接合端縁)13と金属部材51を接合して金属箔体1と金属部材51との接合体55を製造する方法であって、金属部材51の形状が、平坦部と、その厚みが平坦部に比して厚く、その先端に接合面を持った凸状部52とを有する形状であり、金属箔体1の端縁のうち金属部材51と接合されるべく配列された端縁(接合端縁)13の挟幅端面2と、金属部材51の接合面と、が接するように又は近接するように、金属箔体1と金属部材51を配置し、金属部材51の凸状部52にエネルギー線53を照射し、それを溶解させて、溶解した金属部材51の凸状部52を金属箔体1の接合端縁13に溶着させて、金属箔体1と金属部材51との接合体55を形成することを特徴とする。本発明における具体的な製造方法とその技術的効果は上述しているので、重複する部分は省略することとする。
【0068】
本発明の接合体の製造方法によれば、図10に示すような、金属部材の先端部ではない所定箇所に凸状部52を有する場合に、その凸状部52を設けた金属部材51の背面にエネルギー線53を照射することにより、その金属部材51と金属箔体1の接合端縁13とを溶着させて接合体55を製造することが出来る。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、ろう材を必要としないためにコスト性に優れ、また、金属箔体に損傷を与えずに金属部材のみを溶解させて金属箔体と金属部材とを溶着・接合させることにより、接合体の機械的強度が強く信頼性に優れた金属箔体と金属部材との接合体を提供することが出来る。さらに、本発明によって、ろう材を必要としないためにコストが低減され、また、隣り合う金属箔体が平行に並んでいなくてもその大略端縁を揃えて配列されていれば、複数枚の金属箔体を一度の照射によって金属部材と接合することが出来るために生産性に優れ、さらに、金属箔体に損傷を与えずに金属部材のみを溶解させて金属箔体と金属部材とを溶着・接合することが出来、接合の機械的強度を向上させることが出来るために信頼性に優れた金属箔体と金属部材との接合体の製造方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の接合体の一実施例を模式的に示す斜視図である。
【図2】 金属箔体の端縁と金属部材とが接合された接合体の一例を示す写真のレプリカ図である。
【図3】 本発明の接合体の製造に用いられる金属部材の一例を模式的に示す斜視図である。
【図4】 本発明の接合体の製造に用いられる金属部材の別の例を模式的に示す斜視図である。
【図5】 合体の製造に用いられる金属部材の一例を模式的に示す斜視図である。
【図6】 本発明の接合体の製造に用いられる金属部材のさらに別の一例を模式的に示す斜視図である。
【図7】 本発明の接合体の製造に用いられる金属部材の、凸状部の形状の一例を示す模式図である。
【図8】 本発明の接合体の製造に用いられる金属部材の、凸状部の形状の別の例を示す模式図である。
【図9】 本発明の接合体の製造方法の一実施例を模式的に示す説明図である。
【図10】 本発明の接合体の製造方法の別の実施例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1…金属箔体、2…挟幅端面、3…接合端縁を含む面の法線、4…金属部材、5…接合部、6…先端部、7…凸状部、8…エネルギー線、9…接合面、10…間隙、11…接合体、12…平坦部、13…端縁(接合端縁)、31…金属部材、32…先端部、33…凸状部、34…エネルギー線、35…エネルギー線、41…金属部材、42…エネルギー線、51…金属部材、52…凸状部、53…エネルギー線。

Claims (57)

  1. 少なくとも1枚の金属箔体の端縁と金属部材とを接合してなる金属箔体と金属部材との接合体であって、
    前記金属部材の形状が、平坦部と、その厚みが前記平坦部に比して厚く、その先端に接合面を持った凸状部とを有する形状であり、
    前記金属箔体の端縁のうちの前記金属部材と接合されるべく配列された端縁(接合端縁)の挟幅端面と、前記金属部材の前記接合面とを対向させた状態で前記凸状部にエネルギー線を照射し、
    前記凸状部を溶解して、前記凸状部と前記接合端縁とを溶着させることにより接合してなることを特徴とする金属箔体と金属部材との接合体。
  2. 前記金属箔体と前記金属部材とがアルミニウム又はアルミニウム合金から構成されている請求項1に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  3. 前記凸状部が、前記金属部材の先端部に形成されている請求項1又は2に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  4. 前記凸状部の厚み(L )と、前記平坦部の厚み(L )との差が0.1mm以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  5. 前記平坦部の厚み(L )が0.4mm以上である請求項4に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  6. 前記凸状部の厚み(L )が0.6mm以上である請求項4又は5に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  7. 前記エネルギー線が、前記金属箔体の前記挟幅端面を含む面の法線に対して、角度θ(0°<θ≦90°)で前記凸状部に照射されてなる請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  8. 前記金属部材の前記凸状部が、前記挟幅端面に垂直に交差するように配置されてなる請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  9. 前記エネルギー線が、前記挟幅端面に垂直に交差する線に対して、角度が垂直で前記凸状部に照射されてなる請求項1〜8のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  10. 前記エネルギー線が、前記金属箔体に直接照射しないでなる請求項1〜9のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  11. 前記エネルギー線の照射点におけるパワー密度が3kW/mm 以上である請求項1〜10のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  12. 前記エネルギー線の照射点におけるスポット径が1mm以下である請求項1〜11のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  13. 隣り合う金属箔体どうしが間隙を保持して配列されてなる請求項1〜12のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  14. 前記エネルギー線が、レーザー又は電子ビームによるものである請求項1〜13のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  15. 前記エネルギー線が連続波である請求項14に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  16. 前記レーザーがYAGレーザーである請求項14又は15に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  17. 前記金属部材と前記金属箔体との接合を補助する接合材料が、前記金属箔体及び/若しくは前記凸状部に塗布され、又は前記金属箔体と前記凸状部の間に挟持されて、
    前記凸状部及び前記接合材料にエネルギー線を照射し、それらを溶解させて、
    溶解した前記凸状部及び前記接合材料を、前記接合端縁に溶着させることにより接合してなる請求項1〜16のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  18. 前記金属箔体及び前記金属部材が、それぞれ電気化学素子に用いられる金属箔体及び金属部材である請求項1〜17のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体。
  19. 請求項18に記載の金属箔体と金属部材との接合体を用いてなることを特徴とする電気化学素子。
  20. 少なくとも1枚の金属箔体の端縁と金属部材の先端部とを接合して金属箔体と金属部材との接合体を製造する方法であって、
    前記金属部材の形状が、平坦部と、その厚みが前記平坦部に比して厚い凸状の前記先端部とを有する形状であり、
    前記金属箔体の端縁のうちの前記金属部材の前記先端部と接合されるべく配列された端縁(接合端縁)の挟幅端面と、前記金属部材の前記先端部と、が接するように又は近接するように、前記金属箔体と前記金属部材を配置し、
    前記先端部にエネルギー線を照射し、それを溶解させて、
    溶解した前記先端部を前記接合端縁に溶着させて、金属箔体と金属部材との接合体を形成することを特徴とする金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  21. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる前記金属箔体と前記金属部材を使用する請求項20に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  22. 前記先端部の厚み(L )と、前記平坦部の厚み(L )との差が0.1mm以上である前記金属部材を使用する請求項20又は21に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  23. 前記平坦部の厚み(L )が0.4mm以上である前記金属部材を使用する請求項22に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  24. 前記先端部の厚み(L )が0.6mm以上である前記金属部材を使用する請求項22又は23に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  25. 前記エネルギー線を、前記挟幅端面を含む面の法線に対して、角度θ(0°<θ≦90°)で前記先端部に照射する請求項20〜24のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  26. 前記金属部材の前記先端部を、前記挟幅端面に垂直に交差するように配置する請求項20〜25のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  27. 前記挟幅端面に垂直に交差する前記エネルギー線を、エネルギー線発生装置により走査して照射する請求項20〜26のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  28. 前記エネルギー線を、前記挟幅端面に垂直に交差する線に対して、角度が垂直で前記先端部に照射する請求項20〜27のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  29. 前記エネルギー線を、前記金属箔体に直接照射しない請求項20〜28のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  30. 照射点におけるパワー密度が3kW/mm 以上となるように前記エネルギー線を照射する請求項20〜29のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  31. 照射点におけるスポット径が1mm以下となるように前記エネルギー線を照射する請求項20〜30のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  32. 隣り合う金属箔体どうしに間隙を保持して配列する請求項20〜31のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  33. 前記エネルギー線として、レーザー又は電子ビームを用いる請求項20〜32のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  34. 前記レーザーとしてYAGレーザーを用いる請求項33に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  35. 前記エネルギー線を、連続照射が可能なエネルギー線発生装置を用いて照射する請求項20〜34のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  36. 前記エネルギー線を、前記挟幅端面を含む面に平行な面上を移動して走査可能なエネルギー線発生装置を用いて照射する請求項20〜35のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  37. 前記エネルギー線発生装置により、前記先端部に前記エネルギー線を走査して照射する請求項20〜36のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  38. 配列された前記金属箔体の枚数に応じて前記金属部材を複数個用意し、
    複数個の前記金属部材を、それらの前記先端部が前記挟幅端面に垂直に交差するようにして連続的に配置する請求項20〜37のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  39. 少なくとも1枚の金属箔体の端縁と金属部材とを接合して金属箔体と金属部材との接合体を製造する方法であって、
    前記金属部材の形状が、平坦部と、その厚みが前記平坦部に比して厚く、その先端に接合面を持った凸状部とを有する形状であり、
    前記金属箔体の端縁のうちの前記金属部材と接合されるべく配列された端縁(接合端縁)の挟幅端面と、前記金属部材の前記接合面と、が接するように又は近接するように、前記金属箔体と前記金属部材を配置し、
    前記凸状部にエネルギー線を照射し、それを溶解させて、
    溶解した前記凸状部を前記接合端縁に溶着させて、金属箔体と金属部材との接合体を形成することを特徴とする金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  40. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる前記金属箔体と前記金属部材を使用する請求項39に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  41. 前記凸状部の厚み(L )と、前記平坦部の厚み(L )との差が0.1mm以上である前記金属部材を使用する請求項39又は40に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  42. 前記平坦部の厚み(L )が0.4mm以上である前記金属部材を使用する請求項41に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  43. 前記凸状部の厚み(L )が0.6mm以上である前記金属部材を使用する請求項41又は42に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  44. 前記エネルギー線を、前記挟幅端面を含む面の法線に対して、角度θ(0°<θ≦90°)で前記凸状部に照射する請求項39〜43のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  45. 前記金属部材の前記凸状部を、前記挟幅端面に垂直に交差するように配置する請求項39〜44のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  46. 前記挟幅端面に垂直に交差する前記エネルギー線を、エネルギー線発生装置により走査して照射する請求項39〜45のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  47. 前記エネルギー線を、前記挟幅端面に垂直に交差する線に対して、角度が垂直で前記凸状部に照射する請求項39〜46のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  48. 前記エネルギー線を、前記金属箔体に直接照射しない請求項39〜47のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  49. 照射点におけるパワー密度が3kW/mm 以上となるように前記エネルギー線を照射する請求項39〜48のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  50. 照射点におけるスポット径が1mm以下となるように前記エネルギー線を照射する請求項39〜49のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  51. 隣り合う金属箔体どうしに間隙を保持して配列する請求項39〜50のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  52. 前記エネルギー線として、レーザー又は電子ビームを用いる請求項39〜51のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  53. 前記レーザーとしてYAGレーザーを用いる請求項52に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  54. 前記エネルギー線を、連続照射が可能なエネルギー線発生装置を用いて照射する請求項39〜53のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  55. 前記エネルギー線を、前記挟幅端面を含む面に平行な面上を移動して走査可能なエネルギー線発生装置を用いて照射する請求項39〜54のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  56. 前記エネルギー線発生装置により、前記先端部に前記エネルギー線を走査して照射する請求項39〜55のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
  57. 配列された前記金属箔体の枚数に応じて前記金属部材を複数個用意し、
    複数個の前記金属部材を、それらの前記凸状部が前記挟幅端面に垂直に交差するようにして連続的に配置する請求項39〜56のいずれか一項に記載の金属箔体と金属部材との接合体の製造方法。
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