JPH08109466A - 鋼板の窒化方法 - Google Patents

鋼板の窒化方法

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JPH08109466A
JPH08109466A JP24549394A JP24549394A JPH08109466A JP H08109466 A JPH08109466 A JP H08109466A JP 24549394 A JP24549394 A JP 24549394A JP 24549394 A JP24549394 A JP 24549394A JP H08109466 A JPH08109466 A JP H08109466A
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JP
Japan
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nitriding
steel sheet
supply
fed
furnace
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Withdrawn
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JP24549394A
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English (en)
Inventor
Yasumitsu Kondo
泰光 近藤
Yuji Shiokawa
雄二 塩川
Shigenobu Koga
重信 古賀
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼板をNH3 雰囲気中で焼鈍し窒化する際の
窒化効率を高くし、より少ないNH3 量で鋼板を窒化す
る。 【構成】 鋼板を、ストリップ状でNH3 雰囲気で焼鈍
して連続して窒化するにあたり、供給するNH3 ガスの
半分以上を炉長の半分以下の部分に供給することを特徴
とする鋼板の窒化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化反応を効率的に行
わしめる鋼板の連続窒化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板の表面を窒化する技術は、従来から
方向性電磁鋼板のインヒビター強化や高強度冷延鋼板の
製造に利用されている。そして、前記窒化は、主として
連続焼鈍中あるいは、その直前、直後で行われることが
多い。
【0003】特開平05−112827号公報におい
て、脱炭焼鈍時に所定板厚に冷間圧延された方向性電磁
鋼板をストリップ状で通板する際にNH3 を用いて窒化
させ、インヒビターを作り込む方向性電磁鋼板の製造方
法が提案されている。
【0004】また、特開平03−243757号公報に
おいては、冷延鋼板をNH3 雰囲気で焼鈍して板厚表層
部を窒化する表層部高強度良加工性冷延鋼板の製造方法
が提案されている。
【0005】本発明者は、NH3 雰囲気中での鋼板の窒
化現象について検討したところ、供給するNH3 ガスが
有効に窒化に使われていないことを見出した。供給した
NH3 は鋼板やヒーターエレメント等の炉内にある金属
を触媒としてH2 とN2 に分解するため、炉内のNH3
濃度は供給する時のNH3 濃度より低くなる。鋼板の窒
化はこの炉内の未分解のNH3 濃度に比例する。従っ
て、供給したNH3 の多くは窒化に有効に使われていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このように
従来問題のあった供給するNH3 を有効に活用すること
が可能な鋼板の窒化方法を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、鋼板
を、ストリップ状でNH3 雰囲気で焼鈍して連続して窒
化するにあたり、供給するNH3 ガスの半分以上を、炉
の長手方向の半分以下の部分から供給するかもしくは一
括して供給することを特徴とする、鋼板の窒化方法にあ
る。
【0008】以下、本発明について図面を用いて説明す
る。図1は窒化焼鈍帯1へのNH3 とベースガスを混合
した雰囲気ガスの供給配管を、炉長に均一量ずつ供給す
る従来タイプの供給配管(均一供給)5と一括して供給
する本発明のタイプの供給配管(一括供給)6とを比較
して示したものである。鋼板の連続焼鈍炉の一部に設け
られた窒化帯1は雰囲気シール4,4′で前後のゾーン
と雰囲気が仕切られている。NH3 を含む雰囲気ガスは
供給配管5または6から窒化帯1に供給され、窒化帯を
NH3 雰囲気にする。窒化帯のガスは前後の仕切り内に
設けられた排気ブリーダー3,3′から排出される。
【0009】雰囲気ガスを一括して窒化帯の中央部から
供給する一括供給方法と雰囲気ガスを炉長方向に均一量
ずつ供給する均一供給方法での炉内のNH3 濃度の分布
を比較する実験を行った。冷間圧延後、脱炭焼鈍した板
厚0.30mmの方向性電磁鋼板で750℃で30秒の窒
化処理を行った。この時10Nm3 /h のNH3 を供給
し、均一供給と一括供給で窒化量の比較を行った。窒化
増量は均一供給で130ppm 、一括供給で170ppm と
なり、一括供給の方が均一供給より窒化効率が高くな
り、本発明の効果が実験によって知見された。
【0010】この様に一括供給と炉内均一供給により窒
化効率が異なる理由は、定かではないが、本発明者らは
下記のメカニズムによるものと推定している。炉内のN
3 濃度分布はこの2つの方法において大きく異なる。
図2は一括供給方法と均一供給方法での炉内のNH3
度の分布を比較したものである。均一供給方法では炉長
方向のNH3 濃度分布はほぼ一定であるのに対し、一括
供給では雰囲気ガスを供給している所のNH3 濃度が高
くなり、窒化帯の両端にいくに従ってNH3 濃度が減少
している。
【0011】この炉内の濃度分布の差が窒化効率の差に
寄与していると考え、本発明による効果を説明する更な
る詳細な検討を行った。まず、鋼板の窒化増量とNH3
濃度の関係を調べた。板厚0.30mmの鋼板を温度75
0℃で30秒間窒化する。その時の炉内のNH3 濃度を
変えて、窒化増量との関係を調べた。その結果図3に示
すように、鋼板の窒化増量は炉内のNH3 濃度に比例す
ることがわかった。
【0012】次に、鋼板の窒化増量と窒化時間の関係を
調べた。板厚0.3mmの鋼板を温度750℃、炉内のN
3 濃度1.0%で窒化する。その時の窒化時間を15
秒から120秒まで変えて、窒化時間と窒化増量の関係
を調べた。その結果図4に示すように、鋼板の窒化増量
は窒化時間に比例することがわかった。
【0013】以上の2つの実験より、鋼板の窒化増量は
炉内のNH3 濃度と窒化時間に比例することがわかっ
た。従って、鋼板の窒化増量は窒化時の濃度の時間積分
に比例する。これを式で示すと(1)式のようになる。
【0014】
【数1】 鋼板を連続的に窒化する場合、窒化時間は炉長に比例す
るため、炉長方向の距離をxとすると、(1)式は
(2)式のように書き直すことができる。
【数2】 即ち、炉長方向にNH3 濃度を積分した値に窒化増量は
比例する。
【0015】次に、炉内でのNH3 の分解とガス流れを
考慮して炉内のNH3 濃度分布を求めるモデルを考え
る。NH3 は炉内にある鋼板やヒーターエレメント等の
金物を触媒として分解する。炉内に供給するNH3 流量
と炉内のNH3 濃度は比例することから、このNH3
分解速度はNH3 の濃度に比例することが実験的に判明
した。従って、次のような仮定の下でのNH3 の分解モ
デルを考える。仮定1:NH3 の分解速度はNH3 濃度
の1乗に比例する。仮定2:炉の高さ方向幅方向にはN
3 濃度の分布はない。仮定3:NH3 の分解のしやす
さは炉内で一様である。
【0016】以上の仮定のもので炉長方向を微小区間に
分割し、各区間でのNH3 の供給量、NH3 の分解量、
上流から流入するNH3 量、下流へ流出するNH3 量の
物質収支と供給するベースガス中のH2 とN2 量、NH
3 の分解で生成したH2 とN2 量、上流から流入するH
2 とN2 量、下流へ流出するH2 とN2 量の物質収支を
とることで、炉長方向のNH3 の濃度分布を計算する。
図1の実験に対応した、計算結果を図5に示す。均一供
給時に濃度分布がほとんどつかないことや、一括供給時
のNH3 濃度分布が本発明者らの提案したモデルに基づ
く計算結果とよく一致している。このモデルで本発明の
一括供給時と均一供給時でNH3 濃度を炉長方向に積分
した値を計算すると、一括供給時で37(%m)、均一
供給時で31(%m)となり、一括供給時のほうが約
1.2倍ほど大きく、NH3 濃度分布の差により窒化の
しやすさを理論的に検証することができた。
【0017】本発明の効果を最大に発揮させるために
は、供給するNH3 ガスの全量を一ケ所から供給するこ
とが合理的である。但し、一部を他の部分から供給する
ことでも効果はあるが、一括供給するガスが半分以下と
なってはその効果は半減する。また、実施例にも記載し
ているが、一ケ所といえども、窒化帯の炉長の半分以下
の部分にNH3 を供給を集中させることでも効果があ
る。さらに、NH3 の供給位置も窒化帯の前方、中央
部、後方のいずれの位置でもその効果がある。
【0018】
【実施例】
実施例1 Siを3.25%含む冷間圧延した板厚0.35mmの方
向性電磁鋼板を、脱炭焼鈍後、800℃で30秒間の窒
化処理をほどこした。炉長方向にある10カ所のNH3
の供給口(図1の供給口a〜j)の10ケ所全てを使用
した均一供給方法(従来法)と前方の3ケ所のみ(図1
の供給口a〜c)を使用した一括供給方法(本発明)
で、10.3Nm3 /h のNH3 を窒化帯に供給して窒化
増量を比較した(表1)。これより本発明は窒化効率が
優れていることがわかる。
【0019】
【表1】
【0020】実施例2 Siを3.18%含む冷間圧延した板厚0.23mmの方
向性電磁鋼板を、脱炭焼鈍後、750℃で30秒間の窒
化処理をほどこした。炉長方向にある10カ所のNH3
の供給口の10ケ所(図1の供給口a〜j)全てを使用
した均一供給方法(従来法)と後方の5ケ所のみ(図1
の供給口f〜j)を使用した一括供給方法(本発明)
で、6.3Nm3 /h のNH3 を供給して窒化増量を比較
した(表2)。これより本発明は窒化効率が優れている
ことがわかる。
【0021】
【表2】
【0022】実施例3 C:0.0029%,Si:0.01%,Mn:0.1
7%,P:0.009%,S:0.014%,Al:
0.054%,Ti:0.054%,N:0.0032
%,Nb:0.004%を含む冷間圧延した板厚0.8
mmの薄鋼板を、750℃で40秒間の窒化処理をほどこ
した。炉長方向にある10カ所のNH3 の供給口の10
ケ所(図1の供給口a〜j)全てを使用した均一供給方
法(従来法)と前方の3ケ所のみ(図1の供給口a〜
c)を使用した一括供給方法(本発明)で、12.9Nm
3 /h のNH3 を供給して窒化増量を比較した(表
3)。これより本発明は窒化効率が優れていることがわ
かる。
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】本発明により、鋼板を窒化する時の窒化
効率が高くなり、より少ないNH3 量で鋼板を窒化する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化帯への雰囲気ガスの供給方法を本発明と従
来方法で比較する図である。
【図2】窒化帯の炉長方向のNH3 濃度分布を本発明と
従来方法で比較する図である。
【図3】NH3 濃度と鋼板の窒化増量の関係を示す図。
【図4】窒化時間と鋼板の窒化増量の関係を示す図。
【図5】NH3 の濃度分布を計算するモデルで炉長方向
のNH3 濃度分布と実測値を比較する図。
【符号の説明】
1 焼鈍炉中の窒化帯 2 鋼板 3,3′ 排気ブリーダー 4,4′ 雰囲気シール 5 従来の雰囲気ガスの均一供給配管 6 本発明の雰囲気ガスの一括供給配管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板を、ストリップ状でNH3 雰囲気で
    焼鈍して連続して窒化するにあたり、供給するNH3
    スの半分以上を、炉の長手方向の半分以下の部分から供
    給することを特徴とする、鋼板の窒化方法。
  2. 【請求項2】 鋼板を、ストリップ状でNH3 雰囲気で
    焼鈍して連続して窒化するにあたり、供給するNH3
    スの半分以上を、一括して供給することを特徴とする、
    鋼板の窒化方法。
  3. 【請求項3】 窒化する鋼板として方向性電磁鋼板を用
    いる請求項1又は2記載の窒化方法。
JP24549394A 1994-10-11 1994-10-11 鋼板の窒化方法 Withdrawn JPH08109466A (ja)

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JP24549394A JPH08109466A (ja) 1994-10-11 1994-10-11 鋼板の窒化方法

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JP24549394A JPH08109466A (ja) 1994-10-11 1994-10-11 鋼板の窒化方法

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JPH08109466A true JPH08109466A (ja) 1996-04-30

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012197479A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Air Water Inc 鉄系材料の表面硬化装置および方法
JP2016528381A (ja) * 2013-07-05 2016-09-15 ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アーゲーThyssenkrupp Steel Europe Ag 耐摩耗性の、少なくとも部分的にコーティングされていない鋼部品

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Effective date: 20020115