JPH08109365A - ビスチオウレア化合物を含有する近赤外線吸収剤用組成物 - Google Patents
ビスチオウレア化合物を含有する近赤外線吸収剤用組成物Info
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- JPH08109365A JPH08109365A JP24743094A JP24743094A JPH08109365A JP H08109365 A JPH08109365 A JP H08109365A JP 24743094 A JP24743094 A JP 24743094A JP 24743094 A JP24743094 A JP 24743094A JP H08109365 A JPH08109365 A JP H08109365A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】耐熱性に優れた近赤外線吸収剤用組成物、ある
いは近赤外線吸収剤、およびこれらの組成物、または吸
収剤を含有した近赤外線吸収性樹脂の提供。 【構成】 化合物A−11のようなビスチオウレア化合
物を用いることにより、従来より耐熱性に優れた近赤外
線吸収剤用組成物、あるいは近赤外線吸収剤を得る。こ
れらの組成物、または吸収剤は、容易に、樹脂に含有さ
せ、近赤外線吸収性樹脂とすることが可能である。 【化1】 (ここで、Rは、置換または未置換の炭素数1〜18個の
アルキル基、シクロヘキシル基、アリル基、置換または
未置換の炭素数6〜30個のアリ−ル基、置換または未置
換の炭素数2〜20個のアルコキシカルボニル基、炭素数
2〜20個の1置換アミノ基、置換または未置換の炭素数
5〜20個のピリジル基を表す。Xは、炭素数1〜4個の
低級アルキル基、炭素数1〜4個の低級アルコキシ基、
ニトロ基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表す。ま
た、nは、1〜2の整数を表す。)
いは近赤外線吸収剤、およびこれらの組成物、または吸
収剤を含有した近赤外線吸収性樹脂の提供。 【構成】 化合物A−11のようなビスチオウレア化合
物を用いることにより、従来より耐熱性に優れた近赤外
線吸収剤用組成物、あるいは近赤外線吸収剤を得る。こ
れらの組成物、または吸収剤は、容易に、樹脂に含有さ
せ、近赤外線吸収性樹脂とすることが可能である。 【化1】 (ここで、Rは、置換または未置換の炭素数1〜18個の
アルキル基、シクロヘキシル基、アリル基、置換または
未置換の炭素数6〜30個のアリ−ル基、置換または未置
換の炭素数2〜20個のアルコキシカルボニル基、炭素数
2〜20個の1置換アミノ基、置換または未置換の炭素数
5〜20個のピリジル基を表す。Xは、炭素数1〜4個の
低級アルキル基、炭素数1〜4個の低級アルコキシ基、
ニトロ基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表す。ま
た、nは、1〜2の整数を表す。)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスチオウレア化合物
と銅化合物から成る耐熱性に優れた近赤外線吸収剤用組
成物並びに近赤外線吸収剤、およびそれらを含有した近
赤外線吸収性樹脂、並びに近赤外線吸収性樹脂成形体に
関する。
と銅化合物から成る耐熱性に優れた近赤外線吸収剤用組
成物並びに近赤外線吸収剤、およびそれらを含有した近
赤外線吸収性樹脂、並びに近赤外線吸収性樹脂成形体に
関する。
【0002】
【従来の技術】近赤外線吸収性樹脂として、例えば、US
P-3692688 号にタングステン系材料から成る近赤外線吸
収剤を含有した近赤外線吸収性樹脂が開示されている。
しかしながら、このタングステン系材料は、耐候性、経
済性などの点で不満の残るものであった。
P-3692688 号にタングステン系材料から成る近赤外線吸
収剤を含有した近赤外線吸収性樹脂が開示されている。
しかしながら、このタングステン系材料は、耐候性、経
済性などの点で不満の残るものであった。
【0003】これに対し、特開平2-3493号公報、特開平
5-163400号公報、特開平5-163405号公報、特開平5-1634
26号公報、特開平5-177786号公報などにおいて、チオウ
レア化合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組成
物、あるいは近赤外線吸収剤を樹脂に含有させ、近赤外
線吸収性樹脂、並びに近赤外線吸収性樹脂成形体を製造
することが開示されている。これらの公報に記載されて
いるチオウレア化合物と銅化合物から成る近赤外線吸収
剤は、耐候性、経済性などの点で非常に優れた材料であ
った。
5-163400号公報、特開平5-163405号公報、特開平5-1634
26号公報、特開平5-177786号公報などにおいて、チオウ
レア化合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組成
物、あるいは近赤外線吸収剤を樹脂に含有させ、近赤外
線吸収性樹脂、並びに近赤外線吸収性樹脂成形体を製造
することが開示されている。これらの公報に記載されて
いるチオウレア化合物と銅化合物から成る近赤外線吸収
剤は、耐候性、経済性などの点で非常に優れた材料であ
った。
【0004】具体的には、特開平2-3493号公報では、チ
オウレア化合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組
成物、あるいは近赤外線吸収剤を熱可塑性樹脂に含有さ
せることが開示されている。さらに、特開平5-163400号
公報ではスチレン系樹脂、特開平5-163405号公報では塩
化ビニル系樹脂、特開平5-163426号公報、および特開平
5-177786号公報では、ポリカ−ボネ−ト系樹脂に含有さ
せることが開示されている。
オウレア化合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組
成物、あるいは近赤外線吸収剤を熱可塑性樹脂に含有さ
せることが開示されている。さらに、特開平5-163400号
公報ではスチレン系樹脂、特開平5-163405号公報では塩
化ビニル系樹脂、特開平5-163426号公報、および特開平
5-177786号公報では、ポリカ−ボネ−ト系樹脂に含有さ
せることが開示されている。
【0005】これらの公報における近赤外線吸収性樹
脂、並びに近赤外線吸収性樹脂成形体は、近赤外線カッ
トフィルタ−などの光学材料、記録材料、熱線遮蔽材
料、畜熱材料などの用途が期待されている。
脂、並びに近赤外線吸収性樹脂成形体は、近赤外線カッ
トフィルタ−などの光学材料、記録材料、熱線遮蔽材
料、畜熱材料などの用途が期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの用途の中で、
熱線遮蔽材料(例えば、カ−ポ−トの屋根材、あるいは
側面パネル材、、エクステリアの屋根材、または側面パ
ネル材など)として用いる場合、言い換えれば、熱線吸
収性グレ−ジング材料として用いる場合、ベ−スとなる
樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、(メタ)ア
クリル酸系樹脂(以下、(メタ)アクリル酸は、アクリ
ル酸、および/あるいはメタアクリル酸を意味す
る。)、ポリカ−ボネ−ト系樹脂などの透明性のある樹
脂(可視光透過性の高い樹脂)が挙げられる。これらの
樹脂の中でも、透明性(クリア−性)、軽量性、耐衝撃
性、耐候性などの点から、(メタ)アクリル酸系樹脂、
ポリカ−ボネ−ト系樹脂が優れた材料である。
熱線遮蔽材料(例えば、カ−ポ−トの屋根材、あるいは
側面パネル材、、エクステリアの屋根材、または側面パ
ネル材など)として用いる場合、言い換えれば、熱線吸
収性グレ−ジング材料として用いる場合、ベ−スとなる
樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、(メタ)ア
クリル酸系樹脂(以下、(メタ)アクリル酸は、アクリ
ル酸、および/あるいはメタアクリル酸を意味す
る。)、ポリカ−ボネ−ト系樹脂などの透明性のある樹
脂(可視光透過性の高い樹脂)が挙げられる。これらの
樹脂の中でも、透明性(クリア−性)、軽量性、耐衝撃
性、耐候性などの点から、(メタ)アクリル酸系樹脂、
ポリカ−ボネ−ト系樹脂が優れた材料である。
【0007】一般に、近赤外線吸収性樹脂、あるいは近
赤外線吸収性樹脂成形体は、近赤外線吸収剤用組成物、
あるいは近赤外線吸収剤を、樹脂のペレット製造時、あ
るいは樹脂の成形時に、樹脂に添加することにより製造
することができる。
赤外線吸収性樹脂成形体は、近赤外線吸収剤用組成物、
あるいは近赤外線吸収剤を、樹脂のペレット製造時、あ
るいは樹脂の成形時に、樹脂に添加することにより製造
することができる。
【0008】しかしながら、(メタ)アクリル酸系樹
脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂などの樹脂の場合、成形時
の温度が 200℃以上の高温を必要とするため、特開平2-
3493号公報、特開平5-163426号公報、および特開平5-17
7786号公報などに記載されているチオ尿素化合物と銅化
合物から成る近赤外線吸収剤用組成物、あるいは近赤外
線吸収剤では、その成形時の温度で分解し、臭気(言い
換えれば、ガス)を発生するという問題があった。例え
ば、これらの公報の実施例で挙げられている1,3-ジフェ
ニルチオウレアの分解温度は、 153℃であった。このこ
とは、単純に近赤外線吸収剤用組成物を樹脂に混合して
成形する際、1,3-ジフェニルチオウレアの熱分解が多少
なりとも起こることを意味する。
脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂などの樹脂の場合、成形時
の温度が 200℃以上の高温を必要とするため、特開平2-
3493号公報、特開平5-163426号公報、および特開平5-17
7786号公報などに記載されているチオ尿素化合物と銅化
合物から成る近赤外線吸収剤用組成物、あるいは近赤外
線吸収剤では、その成形時の温度で分解し、臭気(言い
換えれば、ガス)を発生するという問題があった。例え
ば、これらの公報の実施例で挙げられている1,3-ジフェ
ニルチオウレアの分解温度は、 153℃であった。このこ
とは、単純に近赤外線吸収剤用組成物を樹脂に混合して
成形する際、1,3-ジフェニルチオウレアの熱分解が多少
なりとも起こることを意味する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
従来の近赤外線吸収剤用組成物、あるいは近赤外線吸収
剤より、耐熱性に優れた近赤外線吸収剤用組成物、ある
いは近赤外線吸収剤を得ること、およびこれらの近赤外
線吸収剤用組成物、あるいは近赤外線吸収剤を含有した
近赤外線吸収性樹脂、あるいは近赤外線吸収性樹脂成形
体を得ることを課題とした。
従来の近赤外線吸収剤用組成物、あるいは近赤外線吸収
剤より、耐熱性に優れた近赤外線吸収剤用組成物、ある
いは近赤外線吸収剤を得ること、およびこれらの近赤外
線吸収剤用組成物、あるいは近赤外線吸収剤を含有した
近赤外線吸収性樹脂、あるいは近赤外線吸収性樹脂成形
体を得ることを課題とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、1分子中に
2つのチオウレア構造(-NH-(C=S)-NH-) を有するような
チオウレア化合物(本発明では、ビスチオウレア化合物
と称する。)の中の特定のチオウレア化合物により、解
決した。
2つのチオウレア構造(-NH-(C=S)-NH-) を有するような
チオウレア化合物(本発明では、ビスチオウレア化合物
と称する。)の中の特定のチオウレア化合物により、解
決した。
【0011】本発明は、一般式[1]で表されるビスチ
オウレア化合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組
成物に関する。
オウレア化合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組
成物に関する。
【0012】
【化2】 (ここで、Rは、置換または未置換の炭素数1〜18個の
アルキル基、シクロヘキシル基、アリル基、置換または
未置換の炭素数6〜30個のアリ−ル基、置換または未置
換の炭素数2〜20個のアルコキシカルボニル基、炭素数
2〜20個の1置換アミノ基、置換または未置換の炭素数
5〜20個のピリジル基を表す。Xは、炭素数1〜4個の
低級アルキル基、炭素数1〜4個の低級アルコキシ基、
ニトロ基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表す。ま
た、nは、1〜2の整数を表す。)
アルキル基、シクロヘキシル基、アリル基、置換または
未置換の炭素数6〜30個のアリ−ル基、置換または未置
換の炭素数2〜20個のアルコキシカルボニル基、炭素数
2〜20個の1置換アミノ基、置換または未置換の炭素数
5〜20個のピリジル基を表す。Xは、炭素数1〜4個の
低級アルキル基、炭素数1〜4個の低級アルコキシ基、
ニトロ基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表す。ま
た、nは、1〜2の整数を表す。)
【0013】一般式[1]のビスチオウレア化合物の両
端の置換基(R)において、置換または未置換の炭素数
1〜18個のアルキル基としては、例えば、メチル基、エ
チル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、
sec-ブチル基、tert- ブチル基、ヘプチル基、ドデシル
基、ヘキサドデシル基、ステアリル基などの直鎖のアル
キル基;2-エチルヘキシル基などの分岐鎖を有するアル
キル基などが挙げられる。置換または未置換の炭素数6
〜30個のアリ−ル基としては、例えば、p-トルイル基、
m-トルイル基、o-トルイル基、p-エチルフェニル基など
のアルキルフェニル基;p-メトキシフェニル基、p-エト
キシフェニル基、p-n-プロポキシフェニル基、p-n-ブト
キシフェニル基、p-tert- ブトキシフェニル基、p-ペン
チルオキシフェニル基などのアルコキシフェニル基;p-
メトキシカルボニルフェニル基、p-エチルカルボニルフ
ェニル基、p-n-ブトキシカルボニルフェニル基、p-iso-
ブトキシカルボニルフェニル基などのアルコキシカルボ
ニルフェニル基;p-クロロフェニル基、m-クロロフェニ
ル基、o-クロロフェニル基、p-ブロモフェニル基、p-ヨ
ウ化フェニル基、3,4-ジクロロフェニル基などのハロゲ
ン化フェニル基;p-ジメチルアミノフェニル基などのジ
アルキルアミノフェニル基などが挙げられる。置換また
は未置換の炭素数2〜20個のアルコキシカルボニル基と
しては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、n-プロポキシカルボニル基、iso-プロポキシ
カルボニル基などが挙げられる。炭素数2〜20個の1置
換アミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチル
アミノ基、n-ブチルアミノ基などのアルキルアミノ基;
フェニルアミノ基、トルイルアミノ基、p-トルエンスル
ホニルアミノ基などのアリ−ルアミノ基などが挙げられ
る。置換または未置換の炭素数5〜20個のピリジル基と
しては、例えば、2-ピリジル基、3-メチル-2- ピリジル
基などが挙げられる。
端の置換基(R)において、置換または未置換の炭素数
1〜18個のアルキル基としては、例えば、メチル基、エ
チル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、
sec-ブチル基、tert- ブチル基、ヘプチル基、ドデシル
基、ヘキサドデシル基、ステアリル基などの直鎖のアル
キル基;2-エチルヘキシル基などの分岐鎖を有するアル
キル基などが挙げられる。置換または未置換の炭素数6
〜30個のアリ−ル基としては、例えば、p-トルイル基、
m-トルイル基、o-トルイル基、p-エチルフェニル基など
のアルキルフェニル基;p-メトキシフェニル基、p-エト
キシフェニル基、p-n-プロポキシフェニル基、p-n-ブト
キシフェニル基、p-tert- ブトキシフェニル基、p-ペン
チルオキシフェニル基などのアルコキシフェニル基;p-
メトキシカルボニルフェニル基、p-エチルカルボニルフ
ェニル基、p-n-ブトキシカルボニルフェニル基、p-iso-
ブトキシカルボニルフェニル基などのアルコキシカルボ
ニルフェニル基;p-クロロフェニル基、m-クロロフェニ
ル基、o-クロロフェニル基、p-ブロモフェニル基、p-ヨ
ウ化フェニル基、3,4-ジクロロフェニル基などのハロゲ
ン化フェニル基;p-ジメチルアミノフェニル基などのジ
アルキルアミノフェニル基などが挙げられる。置換また
は未置換の炭素数2〜20個のアルコキシカルボニル基と
しては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、n-プロポキシカルボニル基、iso-プロポキシ
カルボニル基などが挙げられる。炭素数2〜20個の1置
換アミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチル
アミノ基、n-ブチルアミノ基などのアルキルアミノ基;
フェニルアミノ基、トルイルアミノ基、p-トルエンスル
ホニルアミノ基などのアリ−ルアミノ基などが挙げられ
る。置換または未置換の炭素数5〜20個のピリジル基と
しては、例えば、2-ピリジル基、3-メチル-2- ピリジル
基などが挙げられる。
【0014】一般式[1]の両端の置換基(R)につい
ては、中央のベンゼン環における置換位置、あるいは中
央のベンゼン環の置換基(X)の選択も重要な因子であ
るため、必ずしも限定されるものではない。しかしなが
ら、近赤外線吸収性の点では、両端の置換基(R)は、
置換または未置換の炭素数6〜30個のアリ−ル基の場合
が望ましく、他方で、一般式[1]のビスチオウレア化
合物の製造上のコストの点からすると、両端の置換基
(R)は、メチル基、エチル基、アリル基、フェニル基
の場合がより好ましい。
ては、中央のベンゼン環における置換位置、あるいは中
央のベンゼン環の置換基(X)の選択も重要な因子であ
るため、必ずしも限定されるものではない。しかしなが
ら、近赤外線吸収性の点では、両端の置換基(R)は、
置換または未置換の炭素数6〜30個のアリ−ル基の場合
が望ましく、他方で、一般式[1]のビスチオウレア化
合物の製造上のコストの点からすると、両端の置換基
(R)は、メチル基、エチル基、アリル基、フェニル基
の場合がより好ましい。
【0015】一般式[1]のビスチオウレア化合物は、
モノイソチオシアナ−ト化合物とジアミン化合物の反応
などを用いて製造することができる。すなわち、ジアミ
ン化合物(1等量)に対して、モノイソチオシアナート
化合物(2等量)を、溶媒中で加えて、反応させればよ
い。用いられる溶媒としては、ジアミン化合物、および
モノイソチオシアナート化合物を溶解させるものであれ
ばよく、特に限定されるものではない。例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;クロ
ロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、p-ク
ロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセト
ニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;酢酸メ
チル、酢酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチル
エチルケトンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;メ
タノール、エタノールなどのアルコール類、あるいはこ
れらの混合溶媒などが挙げられる。反応温度は、 0〜 1
50℃、望ましくは20〜80℃の範囲がよい。
モノイソチオシアナ−ト化合物とジアミン化合物の反応
などを用いて製造することができる。すなわち、ジアミ
ン化合物(1等量)に対して、モノイソチオシアナート
化合物(2等量)を、溶媒中で加えて、反応させればよ
い。用いられる溶媒としては、ジアミン化合物、および
モノイソチオシアナート化合物を溶解させるものであれ
ばよく、特に限定されるものではない。例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;クロ
ロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、p-ク
ロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセト
ニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;酢酸メ
チル、酢酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチル
エチルケトンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;メ
タノール、エタノールなどのアルコール類、あるいはこ
れらの混合溶媒などが挙げられる。反応温度は、 0〜 1
50℃、望ましくは20〜80℃の範囲がよい。
【0016】一般式[1]で表されるビスチオウレア化
合物の具体例として、次のような化合物を例示すること
ができる。
合物の具体例として、次のような化合物を例示すること
ができる。
【0017】
【化3】
【化4】
【0018】
【化5】
【化6】
【0019】上に例示した以外に、例えば、1,4-ビス
(N-エトキシカルボニルチオウレイドイル)ベンゼン、
1,4-ビス(N-メチルチオウレイドイル)-2,5- ジメチル
ベンゼン、1,4-ビス(N-フェニルチオウレイドイル)-
2,5- ジメチルベンゼン、1,4-ビス(N-エチルチオウレ
イドイル)-2- クロロベンゼン、1,4-ビス(N-フェニル
チオウレイドイル)-2- メトキシベンゼン、1,4-ビス
(N-フェニルチオウレイドイル)-2- エトキシベンゼ
ン、1,5-ビス(N-メチルチオウレイドイル)ベンゼン、
1,5-ビス(N-エチルチオウレイドイル)ベンゼン、1,5-
ビス(N-アリルチオウレイドイル)ベンゼン、1,5-ビス
(N-フェニルチオウレイドイル)ベンゼン、2,6-ビス
(N-エチルチオウレイドイル)トルエン、2,6-ビス(N-
アリルチオウレイドイル)トルエン、2,6-ビス(N-フェ
ニルチオウレイドイル)トルエンなども挙げられる。
(N-エトキシカルボニルチオウレイドイル)ベンゼン、
1,4-ビス(N-メチルチオウレイドイル)-2,5- ジメチル
ベンゼン、1,4-ビス(N-フェニルチオウレイドイル)-
2,5- ジメチルベンゼン、1,4-ビス(N-エチルチオウレ
イドイル)-2- クロロベンゼン、1,4-ビス(N-フェニル
チオウレイドイル)-2- メトキシベンゼン、1,4-ビス
(N-フェニルチオウレイドイル)-2- エトキシベンゼ
ン、1,5-ビス(N-メチルチオウレイドイル)ベンゼン、
1,5-ビス(N-エチルチオウレイドイル)ベンゼン、1,5-
ビス(N-アリルチオウレイドイル)ベンゼン、1,5-ビス
(N-フェニルチオウレイドイル)ベンゼン、2,6-ビス
(N-エチルチオウレイドイル)トルエン、2,6-ビス(N-
アリルチオウレイドイル)トルエン、2,6-ビス(N-フェ
ニルチオウレイドイル)トルエンなども挙げられる。
【0020】一般式[1]で表されるビスチオウレア化
合物は、2個のチオウレア構造を有し、チオウレア構造
間を1個のベンゼン環で連結した化合物と考えることが
できる。
合物は、2個のチオウレア構造を有し、チオウレア構造
間を1個のベンゼン環で連結した化合物と考えることが
できる。
【0021】本発明で用いられる銅化合物としては、下
記一般式[2]で表される有機酸の銅化合物、あるいは
ビスアセチルアセトナト銅、水酸化銅から選ばれる少な
くとも一種の銅化合物を好ましく使用することができ
る。
記一般式[2]で表される有機酸の銅化合物、あるいは
ビスアセチルアセトナト銅、水酸化銅から選ばれる少な
くとも一種の銅化合物を好ましく使用することができ
る。
【0022】
【化7】(Y−Z)mCu [2] (ここで、Yは、置換または未置換の炭素数1〜30個の
アルキル基、置換または未置換の炭素数4〜20個のシク
ロアルキル基、置換または未置換の炭素数1〜30個のア
リール基、置換または未置換の炭素数1〜30個のアラル
キル基、および複素環残基を表わす。Zは、C(=O)
O、SO4、SO3、PO4を表す。また、mは、1〜
4の整数である。)
アルキル基、置換または未置換の炭素数4〜20個のシク
ロアルキル基、置換または未置換の炭素数1〜30個のア
リール基、置換または未置換の炭素数1〜30個のアラル
キル基、および複素環残基を表わす。Zは、C(=O)
O、SO4、SO3、PO4を表す。また、mは、1〜
4の整数である。)
【0023】一般式[2]で表される有機酸の銅化合物
の具体例として、下記のものを例示できるが、これらに
限定されるものではない。
の具体例として、下記のものを例示できるが、これらに
限定されるものではない。
【0024】ステアリン酸銅、パルミチン酸銅、オレイ
ン酸銅、ベヘン酸銅、ラウリル酸銅、カプリン酸銅、カ
プリル酸銅、カプロン酸銅、吉草酸銅、イソ酪酸銅、4
−シクロヘキシル酪酸銅、酪酸銅、プロピオン酸銅、酢
酸銅、ギ酸銅、安息香酸銅、P-トルイル酸銅、m-トルイ
ル酸銅、o-トルイル酸銅、p-tert- ブチル安息香酸銅、
p-クロロ安息香酸銅、m-クロロ安息香酸銅、o-クロロ安
息香酸銅、3,4-ジクロロ安息香酸銅、2,4,6-トリクロロ
安息香酸銅、p-ブロモ安息香酸銅、p-ヨード安息香酸
銅、p-フェニル安息香酸銅、p-ベンゾイル安息香酸銅、
p-ニトロ安息香酸銅、m-ニトロ安息香酸銅、アミノ安息
香酸銅、シュウ酸銅、マロン酸銅、コハク酸銅、グルタ
ル酸銅、アジピン酸銅、ピメリン酸銅、スベリン酸銅、
アゼライン酸銅、セバシン酸銅、クエン酸銅、フタル酸
銅、モノアルキルエステルフタル酸銅、モノアクリロイ
ルエステルフタル酸銅、ナフテン酸銅、ナフタリンカル
ボン酸銅、ジフェニルアミン-2- カルボン酸銅、酒石酸
銅、グルコン酸銅、オクチル酸銅、ベンゼンスルホン酸
銅、p-トルエンスルホン酸銅、2,5-ジメチルベンゼンス
ルホン酸銅、2-メトキシカルボニル-5- メチルスルホン
酸銅、ドデシルベンゼンスルホン酸銅、ナフタリンスル
ホン酸銅、アミノナフタレンスルホン酸銅、ドデシル硫
酸銅、α−ナフチルリン酸銅、ステアリルリン酸銅、ラ
ウリルリン酸銅、ジ-2- エチルヘキシルリン酸銅、イソ
デシルリン酸銅。
ン酸銅、ベヘン酸銅、ラウリル酸銅、カプリン酸銅、カ
プリル酸銅、カプロン酸銅、吉草酸銅、イソ酪酸銅、4
−シクロヘキシル酪酸銅、酪酸銅、プロピオン酸銅、酢
酸銅、ギ酸銅、安息香酸銅、P-トルイル酸銅、m-トルイ
ル酸銅、o-トルイル酸銅、p-tert- ブチル安息香酸銅、
p-クロロ安息香酸銅、m-クロロ安息香酸銅、o-クロロ安
息香酸銅、3,4-ジクロロ安息香酸銅、2,4,6-トリクロロ
安息香酸銅、p-ブロモ安息香酸銅、p-ヨード安息香酸
銅、p-フェニル安息香酸銅、p-ベンゾイル安息香酸銅、
p-ニトロ安息香酸銅、m-ニトロ安息香酸銅、アミノ安息
香酸銅、シュウ酸銅、マロン酸銅、コハク酸銅、グルタ
ル酸銅、アジピン酸銅、ピメリン酸銅、スベリン酸銅、
アゼライン酸銅、セバシン酸銅、クエン酸銅、フタル酸
銅、モノアルキルエステルフタル酸銅、モノアクリロイ
ルエステルフタル酸銅、ナフテン酸銅、ナフタリンカル
ボン酸銅、ジフェニルアミン-2- カルボン酸銅、酒石酸
銅、グルコン酸銅、オクチル酸銅、ベンゼンスルホン酸
銅、p-トルエンスルホン酸銅、2,5-ジメチルベンゼンス
ルホン酸銅、2-メトキシカルボニル-5- メチルスルホン
酸銅、ドデシルベンゼンスルホン酸銅、ナフタリンスル
ホン酸銅、アミノナフタレンスルホン酸銅、ドデシル硫
酸銅、α−ナフチルリン酸銅、ステアリルリン酸銅、ラ
ウリルリン酸銅、ジ-2- エチルヘキシルリン酸銅、イソ
デシルリン酸銅。
【0025】当然のことながら、本発明で用いられる銅
化合物も、耐熱性の高い(言い換えれば、分解温度の高
い)銅化合物をより好ましく用いる。
化合物も、耐熱性の高い(言い換えれば、分解温度の高
い)銅化合物をより好ましく用いる。
【0026】一般式[1]で表されるビスチオウレア化
合物と上記の銅化合物は、単独では近赤外線領域( 780
nm〜2500nm)に吸収を持たないか、あるいは持っていて
も特定の波長をわずかに吸収するのみである。また、各
々の化合物を単独で加熱処理をしても、近赤外線領域の
吸収は実質的に変化は見られない。一方、ビスチオウレ
ア化合物と上記の銅化合物を混合しただけの組成物で
も、近赤外線領域の吸収性に実質的な変化は見られな
い。しかし、この組成物を加熱処理すると、ただちに近
赤外線領域全域にわたりほぼ一様にかつ強い吸収を有す
るものとなる。従って、言い換えれば、一般式[1]で
表されるビスチオウレア化合物と上記の銅化合物を混合
し共存させた組成物は、優れた近赤外線吸収剤用組成物
であり、この組成物を加熱処理して得られる反応生成物
は、非常に優れた近赤外線吸収剤である。
合物と上記の銅化合物は、単独では近赤外線領域( 780
nm〜2500nm)に吸収を持たないか、あるいは持っていて
も特定の波長をわずかに吸収するのみである。また、各
々の化合物を単独で加熱処理をしても、近赤外線領域の
吸収は実質的に変化は見られない。一方、ビスチオウレ
ア化合物と上記の銅化合物を混合しただけの組成物で
も、近赤外線領域の吸収性に実質的な変化は見られな
い。しかし、この組成物を加熱処理すると、ただちに近
赤外線領域全域にわたりほぼ一様にかつ強い吸収を有す
るものとなる。従って、言い換えれば、一般式[1]で
表されるビスチオウレア化合物と上記の銅化合物を混合
し共存させた組成物は、優れた近赤外線吸収剤用組成物
であり、この組成物を加熱処理して得られる反応生成物
は、非常に優れた近赤外線吸収剤である。
【0027】また、本発明の近赤外線吸収剤は、その中
に含まれている一般式[1]で表されるビスチオウレア
化合物がベンゼン環を有しているために、紫外線領域に
も吸収を有している材料でもある。
に含まれている一般式[1]で表されるビスチオウレア
化合物がベンゼン環を有しているために、紫外線領域に
も吸収を有している材料でもある。
【0028】近赤外線領域における吸収性の度合い(吸
収強度)は、ビスチオウレア化合物と銅化合物の組成物
の種類、比率、加熱温度、加熱時間などを調節すること
により、任意に制御することが可能である。組成物の種
類については、要求される近赤外線吸収の性能、経済性
(コスト)、あるいは、樹脂に含有させる場合には、樹
脂との相溶性などの点から選択されるべきであり、特に
限定されるものではない。組成物の比率(ビスチオウレ
ア化合物:銅化合物のモル比)については、9:1〜
1:9の範囲であり、好ましくは8:2〜1:2の範囲
である。加熱温度については、例えば樹脂成形時の成形
温度などに依存する場合もあるので、特に限定されるも
のではないが、 100〜 300℃の範囲が適当である。加熱
時間についても、特に限定されるものでなく、数ミリ秒
以上あればよい。
収強度)は、ビスチオウレア化合物と銅化合物の組成物
の種類、比率、加熱温度、加熱時間などを調節すること
により、任意に制御することが可能である。組成物の種
類については、要求される近赤外線吸収の性能、経済性
(コスト)、あるいは、樹脂に含有させる場合には、樹
脂との相溶性などの点から選択されるべきであり、特に
限定されるものではない。組成物の比率(ビスチオウレ
ア化合物:銅化合物のモル比)については、9:1〜
1:9の範囲であり、好ましくは8:2〜1:2の範囲
である。加熱温度については、例えば樹脂成形時の成形
温度などに依存する場合もあるので、特に限定されるも
のではないが、 100〜 300℃の範囲が適当である。加熱
時間についても、特に限定されるものでなく、数ミリ秒
以上あればよい。
【0029】本発明の一般式[1]で表されるビスチオ
ウレア化合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組成
物、あるいはその組成物を加熱して得られる近赤外線吸
収剤は、樹脂に含有させて近赤外線吸収性樹脂、または
近赤外線吸収性樹脂の成形体としてもよい。ただし、近
赤外線吸収剤用組成物を樹脂に含有させる場合には、近
赤外線吸収剤用組成物を近赤外線吸収剤に変換するため
に、何らかの加熱処理(例えば、樹脂の成形工程、樹脂
の加熱重合など)が必要である。
ウレア化合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組成
物、あるいはその組成物を加熱して得られる近赤外線吸
収剤は、樹脂に含有させて近赤外線吸収性樹脂、または
近赤外線吸収性樹脂の成形体としてもよい。ただし、近
赤外線吸収剤用組成物を樹脂に含有させる場合には、近
赤外線吸収剤用組成物を近赤外線吸収剤に変換するため
に、何らかの加熱処理(例えば、樹脂の成形工程、樹脂
の加熱重合など)が必要である。
【0030】本発明において、用いられる樹脂として
は、“改訂新版プラスチックハンドブック(朝倉書店、
1969年)”p123-p662 などの総説に詳しいが、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリp-
キシリレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレ−ト、ポリ
メタクリレ−ト、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、フッ素系プラスチック、ポリアクリロニトリル、ポ
リビニルエ−テル、ポリビニルケトン、ポリエ−テル、
ポリカ−ボネ−ト、熱可塑性ポリエステル(例えば、ポ
リエチレンテレフタレ−トなど)、ジエン系プラスチッ
ク(例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレ
ン−ブタジエン共重合体など)、シリコ−ン系プラスチ
ック、無機系プラスチックなどの熱可塑性樹脂;フェノ
−ル樹脂、フラン樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹
脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、アクロイン系樹脂などの熱硬
化性樹脂;ニトロセルロ−ス、アセチルセルロ−ス、ア
セチルブチルセルロ−ス、プロピオニルセルロ−ス、エ
チルセルロ−スなどのセルロ−ス系プラスチック、天然
ゴム、カゼインプラスチック、デンプン系プラスチック
などの天然物樹脂などが挙げられる。
は、“改訂新版プラスチックハンドブック(朝倉書店、
1969年)”p123-p662 などの総説に詳しいが、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリp-
キシリレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレ−ト、ポリ
メタクリレ−ト、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、フッ素系プラスチック、ポリアクリロニトリル、ポ
リビニルエ−テル、ポリビニルケトン、ポリエ−テル、
ポリカ−ボネ−ト、熱可塑性ポリエステル(例えば、ポ
リエチレンテレフタレ−トなど)、ジエン系プラスチッ
ク(例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレ
ン−ブタジエン共重合体など)、シリコ−ン系プラスチ
ック、無機系プラスチックなどの熱可塑性樹脂;フェノ
−ル樹脂、フラン樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹
脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、アクロイン系樹脂などの熱硬
化性樹脂;ニトロセルロ−ス、アセチルセルロ−ス、ア
セチルブチルセルロ−ス、プロピオニルセルロ−ス、エ
チルセルロ−スなどのセルロ−ス系プラスチック、天然
ゴム、カゼインプラスチック、デンプン系プラスチック
などの天然物樹脂などが挙げられる。
【0031】先に述べたように、熱線吸収性グレ−ジン
グ材料として用いる場合、用いられる樹脂としては、透
明性(クリア−性)、軽量性、耐衝撃性、耐候性などの
点から、(メタ)アクリル酸系樹脂(ポリアクリレ−
ト、およびポリメタクリレ−ト)、およびポリカ−ボネ
−ト系樹脂がより好ましいものである。
グ材料として用いる場合、用いられる樹脂としては、透
明性(クリア−性)、軽量性、耐衝撃性、耐候性などの
点から、(メタ)アクリル酸系樹脂(ポリアクリレ−
ト、およびポリメタクリレ−ト)、およびポリカ−ボネ
−ト系樹脂がより好ましいものである。
【0032】さらに詳細に述べると、本発明で用いられ
る(メタ)アクリル酸系樹脂は、メタクリル酸メチルの
重合体、あるいはメタクリル酸メチルを主体とする(50
重量%以上)単量体の共重合体が、さらに望ましい。メ
タクリル酸メチルを主体とする単量体の共重合体におい
て、メタクリル酸メチルと共重合が可能な単量体として
は、例えば、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
フェニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、エチレングリコ−ルジ(メタ)
アクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリ
レ−ト、テトラエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ
−ト、トリメチロ−ルエタントリ(メタ)アクリレ−
ト、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−
ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)アクリレ−トな
どが挙げられる。
る(メタ)アクリル酸系樹脂は、メタクリル酸メチルの
重合体、あるいはメタクリル酸メチルを主体とする(50
重量%以上)単量体の共重合体が、さらに望ましい。メ
タクリル酸メチルを主体とする単量体の共重合体におい
て、メタクリル酸メチルと共重合が可能な単量体として
は、例えば、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
フェニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、エチレングリコ−ルジ(メタ)
アクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリ
レ−ト、テトラエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ
−ト、トリメチロ−ルエタントリ(メタ)アクリレ−
ト、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−
ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)アクリレ−トな
どが挙げられる。
【0033】また、本発明で用いられる(メタ)アクリ
ル酸系樹脂は、メタクリル酸メチルの重合体、およびメ
タクリル酸メチルを主体とする単量体の共重合体の中か
ら、2種類以上選択して、それらを混合して使用しても
よい。
ル酸系樹脂は、メタクリル酸メチルの重合体、およびメ
タクリル酸メチルを主体とする単量体の共重合体の中か
ら、2種類以上選択して、それらを混合して使用しても
よい。
【0034】一方、本発明で用いられるポリカ−ボネ−
ト系樹脂は、2価フェノ−ル化合物とカ−ボネ−ト前駆
体化合物の反応により得られる重合体である。重合体の
平均分子量は、用いられる用途により要求される性能が
異なるため、特に限定されないが、1万〜10万程度が適
当である。2価フェノ−ル化合物としては、例えば、2,
2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビス
フェノ−ルA)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)ペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘ
キサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペン
タン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、α、α−ビス(4-ヒドロキシフェニル)トルエン、
1,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス
(4-ヒドロキシ-3- メチルフェニル)プロパン、2,2-ビ
ス(4-ヒドロキシ-3,5- ジメチルフェニル)プロパン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。これら
の2価フェノ−ル化合物は、単独でカ−ボネ−ト前駆体
化合物と重合させてもよいし、2種類以上混合して重合
させてもよい。また、2価フェノ−ルの中でも、2,2-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェ
ノ−ルA)を最も好ましく使用する。カ−ボネ−ト前駆
体化合物としては、例えば、カルボニルハライド化合
物、カルボニルエステル化合物、ハロホルメ−ト化合物
などが挙げられ、具体的には、ホスゲン、ジフェニルカ
−ボネ−ト、2価フェノ−ル化合物のジハロホルメ−ト
などが挙げられる。カ−ボネ−ト前駆体化合物も、単独
で2価フェノ−ル化合物と重合させてもよいし、2種類
以上混合して重合させてもよい。
ト系樹脂は、2価フェノ−ル化合物とカ−ボネ−ト前駆
体化合物の反応により得られる重合体である。重合体の
平均分子量は、用いられる用途により要求される性能が
異なるため、特に限定されないが、1万〜10万程度が適
当である。2価フェノ−ル化合物としては、例えば、2,
2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビス
フェノ−ルA)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)ペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘ
キサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペン
タン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、α、α−ビス(4-ヒドロキシフェニル)トルエン、
1,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス
(4-ヒドロキシ-3- メチルフェニル)プロパン、2,2-ビ
ス(4-ヒドロキシ-3,5- ジメチルフェニル)プロパン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。これら
の2価フェノ−ル化合物は、単独でカ−ボネ−ト前駆体
化合物と重合させてもよいし、2種類以上混合して重合
させてもよい。また、2価フェノ−ルの中でも、2,2-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェ
ノ−ルA)を最も好ましく使用する。カ−ボネ−ト前駆
体化合物としては、例えば、カルボニルハライド化合
物、カルボニルエステル化合物、ハロホルメ−ト化合物
などが挙げられ、具体的には、ホスゲン、ジフェニルカ
−ボネ−ト、2価フェノ−ル化合物のジハロホルメ−ト
などが挙げられる。カ−ボネ−ト前駆体化合物も、単独
で2価フェノ−ル化合物と重合させてもよいし、2種類
以上混合して重合させてもよい。
【0035】本発明で用いられるポリカ−ボネ−ト系樹
脂も、2価フェノ−ル化合物とカ−ボネ−ト前駆体化合
物の反応により得られる重合体の中から、2種類以上選
択して、それらを混合して使用してもよい。
脂も、2価フェノ−ル化合物とカ−ボネ−ト前駆体化合
物の反応により得られる重合体の中から、2種類以上選
択して、それらを混合して使用してもよい。
【0036】本発明の近赤外線吸収剤用組成物、あるい
はその組成物を加熱して得られる近赤外線吸収剤を、樹
脂に含有させて近赤外線吸収性樹脂、または近赤外線吸
収性樹脂の成形体を製造する方法としては、2つの方法
がある。
はその組成物を加熱して得られる近赤外線吸収剤を、樹
脂に含有させて近赤外線吸収性樹脂、または近赤外線吸
収性樹脂の成形体を製造する方法としては、2つの方法
がある。
【0037】1つの方法は、本発明の近赤外線吸収剤用
組成物、あるいはその組成物を加熱して得られる近赤外
線吸収剤を、樹脂の重合体(あるいは共重合体)に添加
する方法である。例えば、本発明の近赤外線吸収剤用組
成物(あるいは近赤外線吸収剤)と樹脂の重合体(ある
いは、共重合体)のペレットを共に、押出し機で処理し
て、近赤外線吸収樹脂ペレットを製造する方法、あるい
は樹脂の重合体(あるいは、共重合体)を加熱成形する
際、本発明の近赤外線吸収剤用組成物(あるいは近赤外
線吸収剤)と樹脂の重合体(あるいは、共重合体)を混
合して、加熱成形機(押出成形機、射出成形機など)で
処理して、任意の形状(例えば、粒子状、フィルム状、
シート状、ボード状など)の近赤外線吸収性樹脂の成形
体を製造する方法、樹脂の重合体(あるいは、共重合
体)の表面に、本発明の近赤外線吸収剤用組成物(ある
いは近赤外線吸収剤)を含有した塗布液を、噴霧、塗
布、あるいは含浸させ、次いで乾燥加熱処理する方法な
どがある。
組成物、あるいはその組成物を加熱して得られる近赤外
線吸収剤を、樹脂の重合体(あるいは共重合体)に添加
する方法である。例えば、本発明の近赤外線吸収剤用組
成物(あるいは近赤外線吸収剤)と樹脂の重合体(ある
いは、共重合体)のペレットを共に、押出し機で処理し
て、近赤外線吸収樹脂ペレットを製造する方法、あるい
は樹脂の重合体(あるいは、共重合体)を加熱成形する
際、本発明の近赤外線吸収剤用組成物(あるいは近赤外
線吸収剤)と樹脂の重合体(あるいは、共重合体)を混
合して、加熱成形機(押出成形機、射出成形機など)で
処理して、任意の形状(例えば、粒子状、フィルム状、
シート状、ボード状など)の近赤外線吸収性樹脂の成形
体を製造する方法、樹脂の重合体(あるいは、共重合
体)の表面に、本発明の近赤外線吸収剤用組成物(ある
いは近赤外線吸収剤)を含有した塗布液を、噴霧、塗
布、あるいは含浸させ、次いで乾燥加熱処理する方法な
どがある。
【0038】一般式[1]で表されるビスチオウレア化
合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組成物(ある
いは近赤外線吸収剤)の樹脂の重合体(あるいは、共重
合体)に対する添加量は、最終製品である近赤外線吸収
性樹脂の成形体に求められる性能(例えば、可視光透過
率、近赤外線吸収の強度など)により決定されるべきで
あり、特に限定されるものではないが、樹脂 100重量部
に対して、0.05〜5重量部の範囲が適当である。さらに
望ましくは、 0.1〜1重量部の範囲がよい。0.05重量部
未満では、十分な近赤外線吸収性が得られにくく、また
一方、5重量部を越える場合は、可視光透過率が低下が
著しいからである。すなわち、0.05〜5重量部の範囲で
添加することにより着色が少なく、可視光透過率が良
く、かつ近赤外線吸収性に優れた近赤外線吸収性樹脂を
得ることができる。
合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組成物(ある
いは近赤外線吸収剤)の樹脂の重合体(あるいは、共重
合体)に対する添加量は、最終製品である近赤外線吸収
性樹脂の成形体に求められる性能(例えば、可視光透過
率、近赤外線吸収の強度など)により決定されるべきで
あり、特に限定されるものではないが、樹脂 100重量部
に対して、0.05〜5重量部の範囲が適当である。さらに
望ましくは、 0.1〜1重量部の範囲がよい。0.05重量部
未満では、十分な近赤外線吸収性が得られにくく、また
一方、5重量部を越える場合は、可視光透過率が低下が
著しいからである。すなわち、0.05〜5重量部の範囲で
添加することにより着色が少なく、可視光透過率が良
く、かつ近赤外線吸収性に優れた近赤外線吸収性樹脂を
得ることができる。
【0039】このような近赤外線吸収性樹脂を組成の点
から言い換えれば、樹脂 100重量部に対して、一般式
[1]で表されるビスチオウレア化合物と銅化合物を0.
05〜5重量部含有している近赤外線吸収性樹脂(組成
物)と言うことができる。
から言い換えれば、樹脂 100重量部に対して、一般式
[1]で表されるビスチオウレア化合物と銅化合物を0.
05〜5重量部含有している近赤外線吸収性樹脂(組成
物)と言うことができる。
【0040】したがって、熱線吸収性グレ−ジング材料
として用いる場合、(メタ)アクリル酸系樹脂 100重量
部に対して、一般式[1]で表されるビスチオウレア化
合物と銅化合物を0.05〜5重量部含有している近赤外線
吸収性樹脂(組成物)、あるいはポリカ−ボネ−ト系樹
脂 100重量部に対して、一般式[1]で表されるビスチ
オウレア化合物と銅化合物を0.05〜5重量部含有してい
る近赤外線吸収性樹脂(組成物)が好ましい。
として用いる場合、(メタ)アクリル酸系樹脂 100重量
部に対して、一般式[1]で表されるビスチオウレア化
合物と銅化合物を0.05〜5重量部含有している近赤外線
吸収性樹脂(組成物)、あるいはポリカ−ボネ−ト系樹
脂 100重量部に対して、一般式[1]で表されるビスチ
オウレア化合物と銅化合物を0.05〜5重量部含有してい
る近赤外線吸収性樹脂(組成物)が好ましい。
【0041】また、熱線吸収性グレ−ジング材料の場
合、透明性(言い換えれば、可視光透過性)が重要なポ
イントであり、用いられる樹脂に相溶性の高いビスチオ
ウレア化合物、あるいは銅化合物を選択する必要があ
る。特に、銅化合物については、特開平3-246256号公報
に開示しているような樹脂の単量体に溶解性の高いフタ
ル酸誘導体の銅塩が好ましい。
合、透明性(言い換えれば、可視光透過性)が重要なポ
イントであり、用いられる樹脂に相溶性の高いビスチオ
ウレア化合物、あるいは銅化合物を選択する必要があ
る。特に、銅化合物については、特開平3-246256号公報
に開示しているような樹脂の単量体に溶解性の高いフタ
ル酸誘導体の銅塩が好ましい。
【0042】本発明の近赤外線吸収性樹脂(組成物)
は、必要に応じて、添加剤、例えば、可塑剤、難燃剤、
熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、着色剤、無機充填剤などを添加してもよい。
は、必要に応じて、添加剤、例えば、可塑剤、難燃剤、
熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、着色剤、無機充填剤などを添加してもよい。
【0043】もう1つの方法は、本発明の近赤外線吸収
剤用組成物、あるいはその組成物を加熱して得られる近
赤外線吸収剤を、樹脂の単量体に添加し、重合(あるい
は共重合)させる方法である。
剤用組成物、あるいはその組成物を加熱して得られる近
赤外線吸収剤を、樹脂の単量体に添加し、重合(あるい
は共重合)させる方法である。
【0044】この方法で用いられる樹脂の単量体は、前
述した本発明で用いられる樹脂の単量体であればよい
が、特に、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エ
ステル、スチレン、オレフィン、塩化ビニル、酢酸ビニ
ルなどのラジカル重合性不飽和単量体の場合がより望ま
しい。これらの単量体は、単独で重合(あるいは共重
合)させてもよいし、2種類以上混合して重合(あるい
は共重合)してもよい。
述した本発明で用いられる樹脂の単量体であればよい
が、特に、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エ
ステル、スチレン、オレフィン、塩化ビニル、酢酸ビニ
ルなどのラジカル重合性不飽和単量体の場合がより望ま
しい。これらの単量体は、単独で重合(あるいは共重
合)させてもよいし、2種類以上混合して重合(あるい
は共重合)してもよい。
【0045】例えば、(メタ)アクリル酸系樹脂の場
合、前述した(メタ)アクリル酸系樹脂の単量体((メ
タ)アクリル酸メチル、あるいは(メタ)アクリル酸メ
チルと共重合が可能な単量体など)に、本発明の近赤外
線吸収剤用組成物(あるい近赤外線吸収剤)を混合し、
ラジカル重合開始剤の存在下、加熱重合することにより
近赤外線吸収性(メタ)アクリル酸系樹脂を製造するこ
とができる。
合、前述した(メタ)アクリル酸系樹脂の単量体((メ
タ)アクリル酸メチル、あるいは(メタ)アクリル酸メ
チルと共重合が可能な単量体など)に、本発明の近赤外
線吸収剤用組成物(あるい近赤外線吸収剤)を混合し、
ラジカル重合開始剤の存在下、加熱重合することにより
近赤外線吸収性(メタ)アクリル酸系樹脂を製造するこ
とができる。
【0046】これらのラジカル重合性不飽和単量体の重
合(あるいは共重合)は、重合開始剤、または光重合開
始剤を添加して行えばよい。また、近赤外線吸収性樹脂
に求められる性能などによって、塊状重合、溶液重合、
乳化重合、懸濁重合などの重合方法を選択すればよい。
合(あるいは共重合)は、重合開始剤、または光重合開
始剤を添加して行えばよい。また、近赤外線吸収性樹脂
に求められる性能などによって、塊状重合、溶液重合、
乳化重合、懸濁重合などの重合方法を選択すればよい。
【0047】本発明で用いられる重合開始剤として、ア
ゾ化合物系開始剤と過酸化物系開始剤が挙げられる。ア
ゾ化合物系重合開始剤として、例えば、 2,2'-アゾビス
イソブチロニトリル、 2,2'-アゾビス-2,4- ジメチルバ
レロニトリル、 1,1'-アゾビス-1- シクロヘキサンカル
ボニトリル、 2,2'-アゾビスイソ酪酸メチルなどを例示
することができる。また、過酸化物系重合開始剤とし
て、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ-t- ブチル、
ジイソプロピルペルオキシジカルボナート、ジシクロヘ
キシルペルオキシジカルボナートなどを例示することが
できる。本発明の場合、過酸化物系重合開始剤で重合す
るとその種類と添加量により近赤外域の吸収が弱くなる
ことがあるため、アゾ化合物系重合開始剤の使用が好ま
しい。
ゾ化合物系開始剤と過酸化物系開始剤が挙げられる。ア
ゾ化合物系重合開始剤として、例えば、 2,2'-アゾビス
イソブチロニトリル、 2,2'-アゾビス-2,4- ジメチルバ
レロニトリル、 1,1'-アゾビス-1- シクロヘキサンカル
ボニトリル、 2,2'-アゾビスイソ酪酸メチルなどを例示
することができる。また、過酸化物系重合開始剤とし
て、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ-t- ブチル、
ジイソプロピルペルオキシジカルボナート、ジシクロヘ
キシルペルオキシジカルボナートなどを例示することが
できる。本発明の場合、過酸化物系重合開始剤で重合す
るとその種類と添加量により近赤外域の吸収が弱くなる
ことがあるため、アゾ化合物系重合開始剤の使用が好ま
しい。
【0048】重合開始剤の添加量は、単量体の種類、重
合方法、重合条件などに依存するため、特に限定される
ものではない。また、重合開始剤は、単独、または2種
類以上混合して使用してもよい。
合方法、重合条件などに依存するため、特に限定される
ものではない。また、重合開始剤は、単独、または2種
類以上混合して使用してもよい。
【0049】本発明で用いられる光重合開始剤として、
例えば、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノ
ン、ベンゾフェノン、4,4'- ビスジメチルアミノベンゾ
フェノン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテルなど
が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独、あるい
は2種類以上混合して用いられるが、必要に応じて可視
光増感剤を加えてもよい。
例えば、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノ
ン、ベンゾフェノン、4,4'- ビスジメチルアミノベンゾ
フェノン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテルなど
が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独、あるい
は2種類以上混合して用いられるが、必要に応じて可視
光増感剤を加えてもよい。
【0050】光重合は、前述の単量体と本発明の近赤外
線吸収剤組成物(あるいは近赤外線吸収剤)と光重合開
始剤を主成分とする混合物を、基板上に塗布するか、あ
るいは透明なガラス、透明なプラスチックなどの型枠中
に封入した後、光を照射することにより行えばよい。
線吸収剤組成物(あるいは近赤外線吸収剤)と光重合開
始剤を主成分とする混合物を、基板上に塗布するか、あ
るいは透明なガラス、透明なプラスチックなどの型枠中
に封入した後、光を照射することにより行えばよい。
【0051】光重合開始剤の添加量も、単量体の種類、
重合方法、重合条件、光源などに依存するため、特に限
定されるものではない。
重合方法、重合条件、光源などに依存するため、特に限
定されるものではない。
【0052】本発明の近赤外線吸収剤用組成物(あるい
近赤外線吸収剤)は、樹脂の単量体をプレ重合させて得
られるプレポリマ−中に添加し、引き続いて本重合を行
い、近赤外線吸収樹脂を製造してもよい。また、近赤外
線吸収樹脂を重合する際、同時に成形体を製造してもよ
い。
近赤外線吸収剤)は、樹脂の単量体をプレ重合させて得
られるプレポリマ−中に添加し、引き続いて本重合を行
い、近赤外線吸収樹脂を製造してもよい。また、近赤外
線吸収樹脂を重合する際、同時に成形体を製造してもよ
い。
【0053】一般式[1]で表されるビスチオウレア化
合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組成物(ある
いは近赤外線吸収剤)の樹脂の単量体に対する添加量
は、最終製品である近赤外線吸収性樹脂の成形体に求め
られる性能に加えて、重合反応を阻害しない範囲で、決
定されるべきであり、特に限定されるものではない。あ
えて限定すると、単量体 100重量部に対して、0.05〜
2.0重量部の範囲が好ましい。
合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組成物(ある
いは近赤外線吸収剤)の樹脂の単量体に対する添加量
は、最終製品である近赤外線吸収性樹脂の成形体に求め
られる性能に加えて、重合反応を阻害しない範囲で、決
定されるべきであり、特に限定されるものではない。あ
えて限定すると、単量体 100重量部に対して、0.05〜
2.0重量部の範囲が好ましい。
【0054】本発明の近赤外線吸収剤用組成物(あるい
近赤外線吸収剤)を混合後、重合(あるいは共重合)を
行うことにより得られる近赤外線吸収性樹脂も、組成の
点から言い換えると、樹脂 100重量部に対して、一般式
[1]で表されるビスチオウレア化合物と銅化合物を0.
05〜2重量部含有している近赤外線吸収性樹脂組成物と
言うことができる。
近赤外線吸収剤)を混合後、重合(あるいは共重合)を
行うことにより得られる近赤外線吸収性樹脂も、組成の
点から言い換えると、樹脂 100重量部に対して、一般式
[1]で表されるビスチオウレア化合物と銅化合物を0.
05〜2重量部含有している近赤外線吸収性樹脂組成物と
言うことができる。
【0055】重合(あるいは共重合)法による近赤外線
吸収性樹脂(組成物)も、同様に、前述の各種添加剤を
含有してもよい。
吸収性樹脂(組成物)も、同様に、前述の各種添加剤を
含有してもよい。
【0056】本発明の近赤外線吸収剤用組成物(あるい
は近赤外線吸収剤)を樹脂に含有させる方法としては、
前者の方法の方が、簡便である。重合(あるいは共
重合)条件の制約を受けないなどの点でより好ましいも
のである。
は近赤外線吸収剤)を樹脂に含有させる方法としては、
前者の方法の方が、簡便である。重合(あるいは共
重合)条件の制約を受けないなどの点でより好ましいも
のである。
【0057】本発明の近赤外線吸収性樹脂(あるいは近
赤外線吸収性樹脂組成物)は、通常の成型法、例えば、
押出成形法(Tダイ法、インフレ−ション成形法な
ど)、カレンダ−成形法、射出成形法、圧縮成形法、ブ
ロ−成形法、真空成形法などにより、任意の形状に成形
すればよい。
赤外線吸収性樹脂組成物)は、通常の成型法、例えば、
押出成形法(Tダイ法、インフレ−ション成形法な
ど)、カレンダ−成形法、射出成形法、圧縮成形法、ブ
ロ−成形法、真空成形法などにより、任意の形状に成形
すればよい。
【0058】本発明の近赤外線吸収性樹脂を、熱線吸収
性グレ−ジング材料として用いる場合には、1次成形と
しては、フィルム、あるいはシ−トにするのが好まし
い。フィルム、およびシ−トの厚さは、最終製品の仕様
により決定されるので、特に限定されないが、0.01〜50
mm程度が適当である。
性グレ−ジング材料として用いる場合には、1次成形と
しては、フィルム、あるいはシ−トにするのが好まし
い。フィルム、およびシ−トの厚さは、最終製品の仕様
により決定されるので、特に限定されないが、0.01〜50
mm程度が適当である。
【0059】本発明の近赤外線吸収性樹脂は、ガラス繊
維ネット、あるいはステンレス金網を含有させ、強度の
向上などを図ってもよい。
維ネット、あるいはステンレス金網を含有させ、強度の
向上などを図ってもよい。
【0060】本発明の近赤外線吸収性樹脂は、特開平5-
177786号公報に記載されているような近赤外線吸収性樹
脂の積層体としてもよい。すなわち、例えば、前述のポ
リカ−ボネ−ト系樹脂のシ−トに、前述の近赤外線吸収
性(メタ)アクリル酸系樹脂のフィルムを積層した積層
体が挙げられる。この積層体において、ポリカ−ボネ−
ト系樹脂のシ−トの厚さは、 0.2〜30mmの範囲、特に波
板とする場合は 0.6〜5mmの範囲が適当である。また、
近赤外線吸収性(メタ)アクリル酸系樹脂のフィルムの
厚さは、0.02〜 0.3mmの範囲、特に波板とする場合は0.
04〜0.06mmの範囲がよい。
177786号公報に記載されているような近赤外線吸収性樹
脂の積層体としてもよい。すなわち、例えば、前述のポ
リカ−ボネ−ト系樹脂のシ−トに、前述の近赤外線吸収
性(メタ)アクリル酸系樹脂のフィルムを積層した積層
体が挙げられる。この積層体において、ポリカ−ボネ−
ト系樹脂のシ−トの厚さは、 0.2〜30mmの範囲、特に波
板とする場合は 0.6〜5mmの範囲が適当である。また、
近赤外線吸収性(メタ)アクリル酸系樹脂のフィルムの
厚さは、0.02〜 0.3mmの範囲、特に波板とする場合は0.
04〜0.06mmの範囲がよい。
【0061】近赤外線吸収性樹脂の積層体の製造は、公
知の積層方法(エクストル−ジョンラミネ−ション法、
ドライラミネ−ション法、ウエットラミネ−ション法、
ホットメルトラミネ−ション法、コエクストル−ジョン
ラミネ−ション法など)を用いればよい。積層は、2層
でもよいし、2層以上でもよい。
知の積層方法(エクストル−ジョンラミネ−ション法、
ドライラミネ−ション法、ウエットラミネ−ション法、
ホットメルトラミネ−ション法、コエクストル−ジョン
ラミネ−ション法など)を用いればよい。積層は、2層
でもよいし、2層以上でもよい。
【0062】近赤外線吸収性樹脂の積層体は、通常の成
型法により、任意の形状(シ−ト状、フィルム状、波状
など)に成形すればよい。
型法により、任意の形状(シ−ト状、フィルム状、波状
など)に成形すればよい。
【0063】近赤外線吸収性樹脂の積層体は、複数以上
組み合わせて、複合積層体としてもよく、あるいはリブ
を用いて所定間隔で一体化してもよい。
組み合わせて、複合積層体としてもよく、あるいはリブ
を用いて所定間隔で一体化してもよい。
【0064】本発明の近赤外線吸収剤用組成物(あるい
は近赤外線吸収剤)は、従来の近赤外線吸収剤用組成物
(あるいは近赤外線吸収剤)に比べて、耐熱性が向上し
ているので、近赤外線吸収剤用組成物(あるいは近赤外
線吸収剤)を樹脂に含有させる時、あるいは成形体の製
造時などに、発生する臭気の低減、あるいは防止を図る
ことができる。用いられる樹脂の成形温度を考慮して、
ビスチオウレア化合物を選択することが大切である。
は近赤外線吸収剤)は、従来の近赤外線吸収剤用組成物
(あるいは近赤外線吸収剤)に比べて、耐熱性が向上し
ているので、近赤外線吸収剤用組成物(あるいは近赤外
線吸収剤)を樹脂に含有させる時、あるいは成形体の製
造時などに、発生する臭気の低減、あるいは防止を図る
ことができる。用いられる樹脂の成形温度を考慮して、
ビスチオウレア化合物を選択することが大切である。
【0065】本発明の近赤外線吸収剤用組成物(あるい
は近赤外線吸収剤)は、用いられる樹脂によって条件が
異なるが、耐熱性が損なわれない範囲で、チオアミド化
合物、チオウレア化合物(モノチオウレア化合物、一般
式[1]で表されるビスチオウレア化合物以外のビスチ
オウレア化合物など)を含有してもよい。
は近赤外線吸収剤)は、用いられる樹脂によって条件が
異なるが、耐熱性が損なわれない範囲で、チオアミド化
合物、チオウレア化合物(モノチオウレア化合物、一般
式[1]で表されるビスチオウレア化合物以外のビスチ
オウレア化合物など)を含有してもよい。
【0066】本発明の近赤外線吸収剤用組成物(あるい
は近赤外線吸収剤)は、特開平5-255643号公報に開示さ
れているような熱線吸収用ハ−ドコ−ト組成物として利
用することも可能である。
は近赤外線吸収剤)は、特開平5-255643号公報に開示さ
れているような熱線吸収用ハ−ドコ−ト組成物として利
用することも可能である。
【0067】例えば、本発明の近赤外線吸収剤用組成物
(あるいは近赤外線吸収剤)をシリコーン系ハードコー
ト剤に溶解して塗布液を調整し、その塗布液を基材表面
に塗布、次いで加熱処理すると、近赤外線吸収性のガラ
ス質保護被覆を得ることができる。
(あるいは近赤外線吸収剤)をシリコーン系ハードコー
ト剤に溶解して塗布液を調整し、その塗布液を基材表面
に塗布、次いで加熱処理すると、近赤外線吸収性のガラ
ス質保護被覆を得ることができる。
【0068】ここで用いられるシリコーン系ハードコー
ト剤は、ポリシロキサンをアルコール類(例えば、メチ
ルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、iso-プロピルアルコ
−ルなど)、セロソルブ類(例えば、メチルセルソルブ
など)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケ
トンなど)などの溶剤に溶解し、硬化触媒を加え、さら
に、必要な機能に応じて各種の添加剤を添加して調製し
たゾルのことである。このハードコート剤は、各種基
材、例えば、紙、合成紙、不織布、金属箔、前述の樹脂
のフィルム、前述の樹脂のシ−ト、あるいはこれらを組
み合わせたものに塗布、加熱硬化すればよい。シリコー
ン系ハードコート剤は、比較的低温度(例えば、 120〜
150℃程度)で硬化させることができる点に利点があ
る。
ト剤は、ポリシロキサンをアルコール類(例えば、メチ
ルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、iso-プロピルアルコ
−ルなど)、セロソルブ類(例えば、メチルセルソルブ
など)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケ
トンなど)などの溶剤に溶解し、硬化触媒を加え、さら
に、必要な機能に応じて各種の添加剤を添加して調製し
たゾルのことである。このハードコート剤は、各種基
材、例えば、紙、合成紙、不織布、金属箔、前述の樹脂
のフィルム、前述の樹脂のシ−ト、あるいはこれらを組
み合わせたものに塗布、加熱硬化すればよい。シリコー
ン系ハードコート剤は、比較的低温度(例えば、 120〜
150℃程度)で硬化させることができる点に利点があ
る。
【0069】また、本発明の近赤外線吸収剤用組成物
(あるいは近赤外線吸収剤)は、特開平4-245910号公報
に開示されている光熱変換繊維、光熱融着繊維に利用し
たり、あるいは特開平5-238783号公報に開示されている
ような熱線遮蔽ガラス複合体に利用してもよい。
(あるいは近赤外線吸収剤)は、特開平4-245910号公報
に開示されている光熱変換繊維、光熱融着繊維に利用し
たり、あるいは特開平5-238783号公報に開示されている
ような熱線遮蔽ガラス複合体に利用してもよい。
【0070】
【作用】本発明の近赤外線吸収剤用組成物(あるいは近
赤外線吸収剤)を樹脂の重合体(あるいは共重合体)に
含有させる際、あるいは近赤外線吸収性樹脂を成形する
際などにおいて、発生する臭気の低減、あるいは防止を
図ることができる。これは、一般式[1]で表されるよ
うなビスチオウレア化合物が、従来のモノチオウレア化
合物に比較して分解温度が高いので、成形時などの高温
条件下におけるチオウレア化合物の熱分解を抑制、ある
いはその熱分解率を低下させることができるためと考え
られる。
赤外線吸収剤)を樹脂の重合体(あるいは共重合体)に
含有させる際、あるいは近赤外線吸収性樹脂を成形する
際などにおいて、発生する臭気の低減、あるいは防止を
図ることができる。これは、一般式[1]で表されるよ
うなビスチオウレア化合物が、従来のモノチオウレア化
合物に比較して分解温度が高いので、成形時などの高温
条件下におけるチオウレア化合物の熱分解を抑制、ある
いはその熱分解率を低下させることができるためと考え
られる。
【0071】一方、一般式[1]で表されるビスチオウ
レア化合物と銅化合物を加熱処理することにより得られ
る近赤外線吸収剤、あるいはそれを含有する近赤外線吸
収性樹脂は、近赤外線領域全域に幅広い強い吸収を有し
ている。しかしながら、その近赤外線吸収性の理由は、
未だ不明である。これについては、ビスチオウレア化合
物と銅化合物の間で何らかの反応が起き、コンプレック
ス(錯体)が生じていることも推定される。
レア化合物と銅化合物を加熱処理することにより得られ
る近赤外線吸収剤、あるいはそれを含有する近赤外線吸
収性樹脂は、近赤外線領域全域に幅広い強い吸収を有し
ている。しかしながら、その近赤外線吸収性の理由は、
未だ不明である。これについては、ビスチオウレア化合
物と銅化合物の間で何らかの反応が起き、コンプレック
ス(錯体)が生じていることも推定される。
【0072】
【実施例】以下に、この発明の実施例を記載してより具
体的に説明する。
体的に説明する。
【0073】[合成例1〜30]以下のような一般的な合
成法を用いて、化合物 A-1〜A-30を合成した。ジアミン
化合物(1等量)を、酢酸エチル(あるいはアセトン)
に溶解した。反応溶液にモノイソチオネ−ト化合物(2
等量)を加え、所定温度(室温〜80℃の範囲)で、所定
時間反応させた。反応後、析出した沈殿を濾過し、酢酸
エチル/n-ヘキサンで、TLC上で1スポットになるま
で洗浄し、ビスチウレア化合物を得た。また、沈殿が析
出しない場合は、反応液を、酢酸エチルで希釈、希塩
酸、食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮
して沈殿を得て、その沈殿を精製し、ビスチウレア化合
物を得た。化合物によっては、ジイソチオシアネ−ト化
合物(1等量)にモノアミン化合物(2等量)を反応さ
せて、合成を行った。
成法を用いて、化合物 A-1〜A-30を合成した。ジアミン
化合物(1等量)を、酢酸エチル(あるいはアセトン)
に溶解した。反応溶液にモノイソチオネ−ト化合物(2
等量)を加え、所定温度(室温〜80℃の範囲)で、所定
時間反応させた。反応後、析出した沈殿を濾過し、酢酸
エチル/n-ヘキサンで、TLC上で1スポットになるま
で洗浄し、ビスチウレア化合物を得た。また、沈殿が析
出しない場合は、反応液を、酢酸エチルで希釈、希塩
酸、食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮
して沈殿を得て、その沈殿を精製し、ビスチウレア化合
物を得た。化合物によっては、ジイソチオシアネ−ト化
合物(1等量)にモノアミン化合物(2等量)を反応さ
せて、合成を行った。
【0074】[実施例1〜33]ビスチオウレア化合物
(化合物 A-1〜A-30)と銅化合物を、表1〜表3に示す
ようなモル比率で配合し、近赤外線吸収剤用組成物を調
整した。この組成物をポリメタクリル酸メチル(PMM
A)(商品名:スミペックス/住友化学工業(株)製)
に対して表1〜表3に示す重量%加えてドライブレンド
し、押出機で混練して、近赤外線吸収性PMMAペレッ
トを作製した。次いで、得られた近赤外線吸収性PMM
Aペレットを、成形機で、厚さ 2mmのプラスチックシ−
トに成形した。
(化合物 A-1〜A-30)と銅化合物を、表1〜表3に示す
ようなモル比率で配合し、近赤外線吸収剤用組成物を調
整した。この組成物をポリメタクリル酸メチル(PMM
A)(商品名:スミペックス/住友化学工業(株)製)
に対して表1〜表3に示す重量%加えてドライブレンド
し、押出機で混練して、近赤外線吸収性PMMAペレッ
トを作製した。次いで、得られた近赤外線吸収性PMM
Aペレットを、成形機で、厚さ 2mmのプラスチックシ−
トに成形した。
【0075】[比較例1〜3]チオウレア化合物(化合
物 B-1〜 B-3)を、実施例1〜30の場合と同様にして、
近赤外線吸収性PMMAペレットを作製し、次いでプラ
スチックシ−トを成形した。 化合物 B-1:1,3-ジフェニルチオウレア 化合物 B-2:1,3-ジ−(o-クロロフェニル)チオウレア 化合物 B-3:1,3-ジ−o-トリルチオウレア
物 B-1〜 B-3)を、実施例1〜30の場合と同様にして、
近赤外線吸収性PMMAペレットを作製し、次いでプラ
スチックシ−トを成形した。 化合物 B-1:1,3-ジフェニルチオウレア 化合物 B-2:1,3-ジ−(o-クロロフェニル)チオウレア 化合物 B-3:1,3-ジ−o-トリルチオウレア
【0076】表1〜表3に、実施例1〜33、および比較
例1〜3において、用いたチオウレア化合物、そのチオ
ウレア化合物の融点(mp)、あるいは分解温度(dp)、
用いた銅化合物、組成比(チオウレア化合物:銅化合物
のモル比)、樹脂に対する添加比率(樹脂に対する(チ
オウレア化合物+銅化合物)の重量%)について、まと
めた。
例1〜3において、用いたチオウレア化合物、そのチオ
ウレア化合物の融点(mp)、あるいは分解温度(dp)、
用いた銅化合物、組成比(チオウレア化合物:銅化合物
のモル比)、樹脂に対する添加比率(樹脂に対する(チ
オウレア化合物+銅化合物)の重量%)について、まと
めた。
【0077】
【表1】
【表2】
【表3】
【0078】実施例1〜33、および比較例1〜3におい
て、押出機で混練する際の発生ガス(アミン系化合物、
硫化水素)の測定を行った。 (押出し時の発生ガスの測定)押出機で加熱混練中に、
直読式ガス検知管(ガステック製)を用いて発生するア
ミン系化合物(測定範囲: 0.5〜 60ppm)、ベンゼン系
化合物(測定範囲: 2.5〜120ppm)、及び硫化水素(測
定範囲:0.25〜 60ppm)について調べた。測定結果を表
4、表5にまとめる。ただし、表4、表5において、No
neは、検知管で検出できなかったことを表す。
て、押出機で混練する際の発生ガス(アミン系化合物、
硫化水素)の測定を行った。 (押出し時の発生ガスの測定)押出機で加熱混練中に、
直読式ガス検知管(ガステック製)を用いて発生するア
ミン系化合物(測定範囲: 0.5〜 60ppm)、ベンゼン系
化合物(測定範囲: 2.5〜120ppm)、及び硫化水素(測
定範囲:0.25〜 60ppm)について調べた。測定結果を表
4、表5にまとめる。ただし、表4、表5において、No
neは、検知管で検出できなかったことを表す。
【0079】
【表4】
【表5】
【0080】得られたプラスチックシ−トの透過スペク
トルも測定した。 (近赤外線吸収性の測定)実施例1〜33で、得られたプ
ラスチックシ−トの透過スペクトルを、近赤外分光光度
計(商品名: UV-3100/(株)島津製作所製)を用い
て、波長範囲 240nm〜2500nmで、測定した。図1に実施
例11の場合の透過スペクトルを挙げるが、その他の実施
例の場合も、ほぼ同様なスペクトルが得られ、近赤外線
領域( 800nm〜2500nm)において良好な吸収性を示し
た。
トルも測定した。 (近赤外線吸収性の測定)実施例1〜33で、得られたプ
ラスチックシ−トの透過スペクトルを、近赤外分光光度
計(商品名: UV-3100/(株)島津製作所製)を用い
て、波長範囲 240nm〜2500nmで、測定した。図1に実施
例11の場合の透過スペクトルを挙げるが、その他の実施
例の場合も、ほぼ同様なスペクトルが得られ、近赤外線
領域( 800nm〜2500nm)において良好な吸収性を示し
た。
【0081】[実施例34]化合物A−1とステアリン酸
銅を2:1のモル比で混合し、近赤外線吸収剤用組成物
を調整した。この組成物をポリカ−ボネ−ト(PC)
(商品名:タフロン/出光石油化学(株)製)に対して
0.3重量%加えてドライブレンドし、押出機で混練し
て、近赤外線吸収性PCペレットを作製した。次いで、
得られた近赤外線吸収性PCペレットを、成形機で、厚
さ 2mmのプラスチックシ−トに成形した。
銅を2:1のモル比で混合し、近赤外線吸収剤用組成物
を調整した。この組成物をポリカ−ボネ−ト(PC)
(商品名:タフロン/出光石油化学(株)製)に対して
0.3重量%加えてドライブレンドし、押出機で混練し
て、近赤外線吸収性PCペレットを作製した。次いで、
得られた近赤外線吸収性PCペレットを、成形機で、厚
さ 2mmのプラスチックシ−トに成形した。
【0082】[実施例35]化合物A−11とβ−アクロイ
ルオキシプロピルハイドロゲンフタレ−ト銅を2:1の
モル比で混合し、近赤外線吸収剤用組成物を調整した。
この組成物をポリカ−ボネ−ト(PC)(商品名:タフ
ロン/出光石油化学(株)製)に対して 0.3重量%加え
てドライブレンドし、押出機で混練して、近赤外線吸収
性PCペレットを作製した。次いで、得られた近赤外線
吸収性PCペレットを、成形機で、厚さ 2mmのプラスチ
ックシ−トに成形した。
ルオキシプロピルハイドロゲンフタレ−ト銅を2:1の
モル比で混合し、近赤外線吸収剤用組成物を調整した。
この組成物をポリカ−ボネ−ト(PC)(商品名:タフ
ロン/出光石油化学(株)製)に対して 0.3重量%加え
てドライブレンドし、押出機で混練して、近赤外線吸収
性PCペレットを作製した。次いで、得られた近赤外線
吸収性PCペレットを、成形機で、厚さ 2mmのプラスチ
ックシ−トに成形した。
【0083】[実施例36]化合物A−21とβ−ステアリ
ン酸銅を1:1のモル比で混合し、近赤外線吸収剤用組
成物を調整した。この組成物をポリカ−ボネ−ト(P
C)(商品名:タフロン/出光石油化学(株)製)に対
して 0.3重量%加えてドライブレンドし、押出機で混練
して、近赤外線吸収性PCペレットを作製した。次い
で、得られた近赤外線吸収性PCペレットを、成形機
で、厚さ 2mmのプラスチックシ−トに成形した。
ン酸銅を1:1のモル比で混合し、近赤外線吸収剤用組
成物を調整した。この組成物をポリカ−ボネ−ト(P
C)(商品名:タフロン/出光石油化学(株)製)に対
して 0.3重量%加えてドライブレンドし、押出機で混練
して、近赤外線吸収性PCペレットを作製した。次い
で、得られた近赤外線吸収性PCペレットを、成形機
で、厚さ 2mmのプラスチックシ−トに成形した。
【0084】[比較例4]化合物A−1の代わりに化合
物B−1を用いて、実施例34と同様にして、近赤外線吸
収性PCペレットを作製し、次いでプラスチックシ−ト
を成形した。
物B−1を用いて、実施例34と同様にして、近赤外線吸
収性PCペレットを作製し、次いでプラスチックシ−ト
を成形した。
【0085】[実施例37]化合物A−12とステアリン酸
銅を2:1のモル比で混合し、近赤外線吸収剤用組成物
を調整した。この組成物をポリスチレン(PS)(商品
名:エスチレン/新日鉄化学(株)製)に対して 0.5重
量%加えてドライブレンドし、押出機で混練して、近赤
外線吸収性PSペレットを作製した。次いで、得られた
近赤外線吸収性PSペレットを、成形機で、厚さ 2mmの
プラスチックシ−トに成形した。
銅を2:1のモル比で混合し、近赤外線吸収剤用組成物
を調整した。この組成物をポリスチレン(PS)(商品
名:エスチレン/新日鉄化学(株)製)に対して 0.5重
量%加えてドライブレンドし、押出機で混練して、近赤
外線吸収性PSペレットを作製した。次いで、得られた
近赤外線吸収性PSペレットを、成形機で、厚さ 2mmの
プラスチックシ−トに成形した。
【0086】[実施例38]化合物A−12とステアリン酸
銅を2:1のモル比で混合し、近赤外線吸収剤用性組成
物とし、これを 100℃で2分間処理して近赤外線吸収剤
を調整した。この吸収剤をポリスチレン(PS)(商品
名:エスチレン/新日鉄化学(株)製)に対して 0.5重
量%加えてドライブレンドし、押出し温度約 190℃で押
出機で混練して、近赤外線吸収性PSペレットを作製し
た。次いで、得られた近赤外線吸収性PSペレットを、
成形機で、厚さ 2mmのプラスチックシ−トに成形した。
銅を2:1のモル比で混合し、近赤外線吸収剤用性組成
物とし、これを 100℃で2分間処理して近赤外線吸収剤
を調整した。この吸収剤をポリスチレン(PS)(商品
名:エスチレン/新日鉄化学(株)製)に対して 0.5重
量%加えてドライブレンドし、押出し温度約 190℃で押
出機で混練して、近赤外線吸収性PSペレットを作製し
た。次いで、得られた近赤外線吸収性PSペレットを、
成形機で、厚さ 2mmのプラスチックシ−トに成形した。
【0087】[比較例4]化合物A−12の代わりに化合
物B−1を用いて、実施例37と同様にして、近赤外線吸
収性PSペレットを作製し、次いでプラスチックシ−ト
を成形した。
物B−1を用いて、実施例37と同様にして、近赤外線吸
収性PSペレットを作製し、次いでプラスチックシ−ト
を成形した。
【0088】実施例34〜38、および比較例4〜5につい
ても、押出機で混練する際の発生ガス(アミン系化合
物、ベンゼン系化合物、硫化水素)の測定を行った。測
定結果を表6にまとめる。
ても、押出機で混練する際の発生ガス(アミン系化合
物、ベンゼン系化合物、硫化水素)の測定を行った。測
定結果を表6にまとめる。
【0089】
【表6】
【0090】得られたプラスチックシ−トの透過スペク
トルも測定した。図2に実施例36の場合の透過スペクト
ルを挙げるが、その他の実施例の場合も、ほぼ同様なス
ペクトルが得られ、近赤外線領域( 800nm〜2500nm)に
おいて良好な吸収性を示した。
トルも測定した。図2に実施例36の場合の透過スペクト
ルを挙げるが、その他の実施例の場合も、ほぼ同様なス
ペクトルが得られ、近赤外線領域( 800nm〜2500nm)に
おいて良好な吸収性を示した。
【0091】[実施例39]化合物A−12とβ−アクロイ
ルオキシプロピルハイドロゲンフタレ−ト銅を2:1の
モル比で混合し、近赤外線吸収剤用組成物を調整した。
メタクリル酸メチル 100重量部に対して、この組成物
0.3重量部を溶解させ、2,2'- アゾビスイソブチロニト
リル0.15重量部加えて、60℃で3時間プレ重合を行っ
た。そのプレ重合物を鋳型に注入し、 100℃で2時間処
理して、本重合を行った後、冷却して重合物を取り出
し、厚さ 2.2mmのプラスチックシ−トを得た。得られた
プラスチックシ−トの透過スペクトルを測定したとこ
ろ、実施例15の場合の透過スペクトルとほぼ同様なスペ
クトルが得られ、良好な近赤外線吸収性を示した。
ルオキシプロピルハイドロゲンフタレ−ト銅を2:1の
モル比で混合し、近赤外線吸収剤用組成物を調整した。
メタクリル酸メチル 100重量部に対して、この組成物
0.3重量部を溶解させ、2,2'- アゾビスイソブチロニト
リル0.15重量部加えて、60℃で3時間プレ重合を行っ
た。そのプレ重合物を鋳型に注入し、 100℃で2時間処
理して、本重合を行った後、冷却して重合物を取り出
し、厚さ 2.2mmのプラスチックシ−トを得た。得られた
プラスチックシ−トの透過スペクトルを測定したとこ
ろ、実施例15の場合の透過スペクトルとほぼ同様なスペ
クトルが得られ、良好な近赤外線吸収性を示した。
【0092】(熱線遮蔽効率の測定)各実施例の透過ス
ペクトルより、JIS R 3106に規定された方法にしたがっ
て、日射透過率(A)、可視光透過率(B)を求め、下
記のような計算式(イ)より、熱線遮蔽効率を評価し
た。
ペクトルより、JIS R 3106に規定された方法にしたがっ
て、日射透過率(A)、可視光透過率(B)を求め、下
記のような計算式(イ)より、熱線遮蔽効率を評価し
た。
【数1】η=[(A−B)/50]×100 (イ) (Aは可視光透過率、Bは日射透過率を表す。) 例えば、実施例14のプラスチックシ−トは、41%の熱線
遮蔽効率を示し、他の実施例のプラスチックシ−トも30
〜42%の熱線遮蔽効率を示した。
遮蔽効率を示し、他の実施例のプラスチックシ−トも30
〜42%の熱線遮蔽効率を示した。
【0093】[実施例40]化合物A−11とフタル酸メタ
クリロイルオキシエチル銅塩を2:1のモル比で混合
し、近赤外線吸収剤用組成物を調整した。この組成物
を、シリコ−ンハ−ドコ−ト剤(商品名:Si-801A /大
八化学(株)製)に対して 5.0重量%加えて、近赤外線
吸収性用ハ−ドコ−ト剤を得た。このハ−ドコ−ト剤
を、ポリカ−ボネ−トのプラスチックシ−ト(厚さ: 2
mm)上に塗布(塗布量:8.4g/m2 )し、 150℃で 2分
間加熱処理をして、近赤外線吸収性ポリカ−ボネ−トの
プラスチックシ−トを得た。得られたプラスチックシ−
トの透過スペクトルを測定したところ、近赤外線領域に
おいて良好な吸収性を示した。
クリロイルオキシエチル銅塩を2:1のモル比で混合
し、近赤外線吸収剤用組成物を調整した。この組成物
を、シリコ−ンハ−ドコ−ト剤(商品名:Si-801A /大
八化学(株)製)に対して 5.0重量%加えて、近赤外線
吸収性用ハ−ドコ−ト剤を得た。このハ−ドコ−ト剤
を、ポリカ−ボネ−トのプラスチックシ−ト(厚さ: 2
mm)上に塗布(塗布量:8.4g/m2 )し、 150℃で 2分
間加熱処理をして、近赤外線吸収性ポリカ−ボネ−トの
プラスチックシ−トを得た。得られたプラスチックシ−
トの透過スペクトルを測定したところ、近赤外線領域に
おいて良好な吸収性を示した。
【0094】
【発明の効果】本発明の近赤外線吸収剤用組成物(ある
いは近赤外線吸収剤)を用いることにより、近赤外線吸
収剤用組成物(あるいは近赤外線吸収剤)を樹脂の重合
体(あるいは共重合体)に含有させる際、あるいは近赤
外線吸収性樹脂を成形する際などにおいて、発生する臭
気の低減、あるいは防止を図ることができる。
いは近赤外線吸収剤)を用いることにより、近赤外線吸
収剤用組成物(あるいは近赤外線吸収剤)を樹脂の重合
体(あるいは共重合体)に含有させる際、あるいは近赤
外線吸収性樹脂を成形する際などにおいて、発生する臭
気の低減、あるいは防止を図ることができる。
【0095】また、本発明の近赤外線吸収性樹脂(ある
いはその成形体)は、熱線吸収性グレ−ジング材料とし
て有用である。例えば、本発明の近赤外線吸収性樹脂
(あるいはその成形体)は、一方で太陽光線の中の可視
光線を十分透過しながら、他方で近赤外線、および紫外
線をカットすることができるので、夏場に、これらをカ
ーポート、サンルーム、テラスなどの屋根材、外窓材な
どのエクステリア分野に用いれば、明るく涼しい光を供
給することが可能であり、室内における温度上昇の抑
制、あるいは冷房の使用量の削減などに役立つと期待さ
れる。
いはその成形体)は、熱線吸収性グレ−ジング材料とし
て有用である。例えば、本発明の近赤外線吸収性樹脂
(あるいはその成形体)は、一方で太陽光線の中の可視
光線を十分透過しながら、他方で近赤外線、および紫外
線をカットすることができるので、夏場に、これらをカ
ーポート、サンルーム、テラスなどの屋根材、外窓材な
どのエクステリア分野に用いれば、明るく涼しい光を供
給することが可能であり、室内における温度上昇の抑
制、あるいは冷房の使用量の削減などに役立つと期待さ
れる。
【0096】本発明の近赤外線吸収性樹脂(あるいはそ
の成形体)を用いた熱線吸収性グレ−ジング材料は、そ
の“熱線遮蔽”効果の利用もあるが、逆に“熱線蓄熱”
効果の利用も考えられる。冬場に、近赤外線吸収性樹脂
(あるいはその成形体)に近赤外線を吸収、樹脂に蓄熱
させることにより、暖房の使用量の軽減などに役に立つ
かもしれない。
の成形体)を用いた熱線吸収性グレ−ジング材料は、そ
の“熱線遮蔽”効果の利用もあるが、逆に“熱線蓄熱”
効果の利用も考えられる。冬場に、近赤外線吸収性樹脂
(あるいはその成形体)に近赤外線を吸収、樹脂に蓄熱
させることにより、暖房の使用量の軽減などに役に立つ
かもしれない。
【0097】本発明の近赤外線吸収剤用組成物(あるい
は近赤外線吸収剤)、および近赤外線吸収性樹脂(ある
いはその成形体)は、光学材料(例えば、近赤外線カッ
トフィルタ−など)、記録材料(例えば、光記録体用の
吸収剤など)、熱線遮蔽材料、蓄熱材料などに利用する
ことができ、温室用の材料などとしても期待される。
は近赤外線吸収剤)、および近赤外線吸収性樹脂(ある
いはその成形体)は、光学材料(例えば、近赤外線カッ
トフィルタ−など)、記録材料(例えば、光記録体用の
吸収剤など)、熱線遮蔽材料、蓄熱材料などに利用する
ことができ、温室用の材料などとしても期待される。
【図1】 実施例11のプラスチックシ−トの透過スペク
トル
トル
【図2】 実施例36のプラスチックシ−トの透過スペク
トル
トル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69/00 KKM (72)発明者 佐竹 寿巳 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社中央研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】 一般式[1]で表されるビスチオウレア
化合物と銅化合物から成る近赤外線吸収剤用組成物。 【化1】 (ここで、Rは、置換または未置換の炭素数1〜18個の
アルキル基、シクロヘキシル基、アリル基、置換または
未置換の炭素数6〜30個のアリ−ル基、置換または未置
換の炭素数2〜20個のアルコキシカルボニル基、炭素数
2〜20個の1置換アミノ基、置換または未置換の炭素数
5〜20個のピリジル基を表す。Xは、炭素数1〜4個の
低級アルキル基、炭素数1〜4個の低級アルコキシ基、
ニトロ基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表す。ま
た、nは、1〜2の整数を表す。) - 【請求項2】 請求項1記載の近赤外線吸収剤用組成物
を加熱処理して得られる近赤外線吸収剤。 - 【請求項3】 樹脂 100重量部に対して、一般式[1]
で表されるビスチオウレア化合物と銅化合物を0.05〜5
重量部含有している近赤外線吸収性樹脂組成物。 - 【請求項4】 (メタ)アクリル酸系樹脂 100重量部に
対して、一般式[1]で表されるビスチオウレア化合物
と銅化合物を0.05〜5重量部含有している近赤外線吸収
性(メタ)アクリル酸系樹脂組成物。 - 【請求項5】 ポリカ−ボネ−ト系樹脂 100重量部に対
して、一般式[1]で表されるビスチオウレア化合物と
銅化合物を0.05〜5重量部含有している近赤外線吸収性
ポリカ−ボネ−ト系樹脂組成物。 - 【請求項6】 ポリスチレン系樹脂 100重量部に対し
て、一般式[1]で表されるビスチオウレア化合物と銅
化合物を0.05〜5重量部含有している近赤外線吸収性ポ
リスチレン系樹脂組成物。 - 【請求項7】 請求項3、請求項4、請求項5、あるい
は請求項6記載の近赤外線吸収性樹脂組成物の成形体。 - 【請求項8】 請求項3、請求項4、請求項5、あるい
は請求項6記載の近赤外線吸収性樹脂組成物を主成分と
する被覆層を有する近赤外線吸収性材料。 - 【請求項9】 請求項1記載の近赤外線吸収剤用組成
物、あるいは請求項2記載の近赤外線吸収剤を含有する
近赤外線吸収性ハードコート剤。 - 【請求項10】 請求項9記載の近赤外線吸収性ハード
コート剤を主成分とする被覆層を有する近赤外線吸収性
材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24743094A JPH08109365A (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | ビスチオウレア化合物を含有する近赤外線吸収剤用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24743094A JPH08109365A (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | ビスチオウレア化合物を含有する近赤外線吸収剤用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08109365A true JPH08109365A (ja) | 1996-04-30 |
Family
ID=17163329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24743094A Pending JPH08109365A (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | ビスチオウレア化合物を含有する近赤外線吸収剤用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08109365A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009054060A1 (ja) * | 2007-10-25 | 2009-04-30 | Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. | 高耐熱性マスターバッチ、熱線遮蔽透明樹脂成形体、並びに熱線遮蔽透明積層体 |
JP2010229125A (ja) * | 2009-03-03 | 2010-10-14 | Ube Ind Ltd | 新規ジチオカルバメート化合物及びその製法 |
WO2015111532A1 (ja) * | 2014-01-21 | 2015-07-30 | 富士フイルム株式会社 | 近赤外線吸収性物質の分光調整方法、近赤外線吸収性組成物、近赤外線カットフィルタおよびその製造方法、カメラモジュール、ならびに、銅化合物の分光調整剤 |
JP2015158662A (ja) * | 2014-01-21 | 2015-09-03 | 富士フイルム株式会社 | 近赤外線吸収性組成物、近赤外線カットフィルタおよびその製造方法、ならびに、カメラモジュールおよびその製造方法 |
JP2016098176A (ja) * | 2014-11-18 | 2016-05-30 | 日本テルペン化学株式会社 | 多官能アリルチオウレア化合物、その製造方法およびその重合物 |
TWI642767B (zh) * | 2014-01-21 | 2018-12-01 | 富士軟片股份有限公司 | 近紅外線吸收性組成物、近紅外線截止濾波器及其製造方法以及照相機模組及其製造方法 |
-
1994
- 1994-10-13 JP JP24743094A patent/JPH08109365A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009054060A1 (ja) * | 2007-10-25 | 2009-04-30 | Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. | 高耐熱性マスターバッチ、熱線遮蔽透明樹脂成形体、並びに熱線遮蔽透明積層体 |
US8268460B2 (en) | 2007-10-25 | 2012-09-18 | Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. | High heat resistant masterbatch, heat ray shielding transparent molded resin, and heat-ray shielding transparent lamination body |
JP2010229125A (ja) * | 2009-03-03 | 2010-10-14 | Ube Ind Ltd | 新規ジチオカルバメート化合物及びその製法 |
WO2015111532A1 (ja) * | 2014-01-21 | 2015-07-30 | 富士フイルム株式会社 | 近赤外線吸収性物質の分光調整方法、近赤外線吸収性組成物、近赤外線カットフィルタおよびその製造方法、カメラモジュール、ならびに、銅化合物の分光調整剤 |
JP2015158662A (ja) * | 2014-01-21 | 2015-09-03 | 富士フイルム株式会社 | 近赤外線吸収性組成物、近赤外線カットフィルタおよびその製造方法、ならびに、カメラモジュールおよびその製造方法 |
JP2015158657A (ja) * | 2014-01-21 | 2015-09-03 | 富士フイルム株式会社 | 近赤外線吸収性物質の分光調整方法、近赤外線吸収性組成物およびその製造方法、近赤外線カットフィルタおよびその製造方法、カメラモジュール、ならびに、銅化合物の分光調整剤 |
TWI642767B (zh) * | 2014-01-21 | 2018-12-01 | 富士軟片股份有限公司 | 近紅外線吸收性組成物、近紅外線截止濾波器及其製造方法以及照相機模組及其製造方法 |
JP2016098176A (ja) * | 2014-11-18 | 2016-05-30 | 日本テルペン化学株式会社 | 多官能アリルチオウレア化合物、その製造方法およびその重合物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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