JPH08109327A - 熱可塑性重合体組成物 - Google Patents

熱可塑性重合体組成物

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JPH08109327A
JPH08109327A JP27179794A JP27179794A JPH08109327A JP H08109327 A JPH08109327 A JP H08109327A JP 27179794 A JP27179794 A JP 27179794A JP 27179794 A JP27179794 A JP 27179794A JP H08109327 A JPH08109327 A JP H08109327A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電防止性能、熱安定性、成形品表面外観、
ウェルド外観及びウェルド強度に優れた熱可塑性重合体
組成物を提供する。 【構成】(A)ハード成分がポリアミドからなり、ソフ
トセグメントがポリ(アルキレンオキシド)グリコール
からなるポリアミドエラストマー1〜70重量% (B)他の熱可塑性重合体99〜30重量% 上記(A)+(B)からなる組成物において、(A)成
分の共重合成分が少なくとも1種の芳香環を有すること
を特徴とする熱可塑性重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯電防止性能、熱安定
性、成形品表面外観、ウェルド外観及び強度に優れた熱
可塑性重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ABS樹脂、AS樹脂、HI
PS、ポリエチレン、ポリプロピレン、PBT等の熱可
塑性樹脂は、成形加工性、物理的性質及び機械的性質に
優れていることから、電気・電子分野、家電分野、自動
車分野、雑貨などの幅広い分野に使用されている。しか
しながら、これらの熱可塑性樹脂は静電気を帯びやす
く、表面にほこりが付いたり、電気機器関係において帯
電した電気が妨害を与えるという欠点を有している。こ
れらの欠点を改良する方法として、一般的に帯電防止剤
を練り込む方法が知られているが、この方法では表面固
有抵抗値が経時変化し高くなる、すなわち帯電防止効果
が持続しないという欠点を有している。帯電防止効果の
持続性を向上させる方法として、ポリエチレングリコー
ルとポリアミド6を主成分とするポリエーテルエステル
アミドエラストマーをスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂
に配合する方法が提案されている。しかし、かかる組成
物は、熱安定性が劣る、ウェルド外観及びウェルド強度
が劣る等の欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、帯電防止性能、熱安
定性、剛性、ウェルド外観及び強度に優れた熱可塑性重
合体組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ハード
成分がポリアミドからなり、ソフトセグメントがポリ
(アルキレンオキシド)グリコールからなるポリアミド
エラストマー1〜70重量%、(B)他の熱可塑性重合
体99〜30重量%上記(A)+(B)からなる組成物
において(A)成分の共重合成分が少なくとも1種の芳
香環を有することを特徴とする熱可塑性重合体組成物を
提供するものである。
【0005】本発明に用いる(A)成分のポリアミドエ
ラストマーに用いるハードセグメントであるポリアミド
としては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
ドデカメチレンジアミン、2,3,4もしくは2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3もしく
は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス
(p−アミノシクロヘキシル)メタン、フェニレンジア
ミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン等
の脂肪族、脂環族叉は芳香族ジアミンとアジピン酸、ス
ベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸等の脂肪族、脂環族または
芳香族ジカルボン酸とから導かれるポリアミド、カプロ
ラクタム、ラウリルラクタムなどのラクタム類の開環重
合によって得られるポリアミド、ω−アミノカプロン
酸、ω−アミノエナン酸、アミノウンデカン酸、1,2
−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸などから導か
れるポリアミド、これらの共重合ポリアミドさらにはこ
れらの混合ポリアミド等が挙げられる。上記ポリアミド
成分の数平均分子量は特に限定しないが、好ましくは5
00〜10,000、特に500〜5,000の範囲の
ものが本発明の目的を達成するうえで好ましく使用され
る。
【0006】また、ソフトセグメントとして使用される
ポリ(アルキレンオキシド)グリコール成分としては、
ポリエチレングリコール、ポリ(1,2もしくは1,3
−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチ
レンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキ
シド)グリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピ
レンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシド
のブロックまたはランダム共重合体、エチレンオキシド
とテトラヒドロフランとのプロックまたはランダム共重
合体などが挙げられ、好ましいものはポリエチレングリ
コール、ポリエチレンオキシドを主成分とするものであ
り、これらの両末端をアミノ化、カルボキシル化、エポ
キシ化して用いてもよい。また上記ポリ(アルキレンオ
キシド)グリコールの重合に際し、2価フェノール化合
物を共重合したものを用いることができるが、本発明の
目的である帯電防止性能、熱安定性に優れた熱可塑性樹
脂組成物を得るためには、2価フェノール化合物を共重
合したポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフト
セグメントにしたものである。ここで言う熱安定性と
は、押出成形加工や射出成形加工等の成形加工時の熱履
歴によって帯電防止性能が変化しにくく安定しているこ
とを言う。ここで使用される2価フェノールとしては、
公知のものが全て使用されるが、例示すると次の
【化1】
【化6】 等があり、特に好ましいものは
【化2】 すなわちビスフェノールAである。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】ソフトセグメントの分子量は、数平均分子
量で好ましくは200〜20,000、さらに好ましく
は300〜10,000、特に好ましくは300〜4,
000である。
【0014】本発明のポリアミドエラストマーは、公知
の重合法、公知の重合触媒を用いて製造することができ
る。好ましい重合法は、加熱溶融重合であり、好ましい
具体例を挙げれば、ハードセグメントのポリアミド成
分を重合したのちジカルボン酸化合物を添加し、ポリア
ミド成分の両末端をカルボキシル化し、ソフトセグメン
トを添加重合し、ポリアミドエラストマーを得る方法、
ポリアミド成分重合時に分子両末端が実質上カルボキ
シル化される様ジカルボン酸化合物を過剰に添加重合
し、さらにソフトセグメント成分を添加重合し、ポリア
ミドエラストマーを得る方法、ポリアミド生成成分と
過剰のジカルボン酸化合物、ソフトセグメントを規定量
一括添加重合しポリアミドエラストマーを得る方法等が
ある。
【0015】ポリアミド成分の分子両末端をカルボキシ
ル化するのに用いられるジカルボン酸としては、アジピ
ン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等があり、本発明
の目的を達成する上で好ましいものは、テレフタル酸、
イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸化合物である。本
発明の(A)成分に目的とする芳香環を導入する方法と
して、ハードセグメントに前記芳香環を有する化合物を
共重合する方法、ハードセグメントの分子末端に前記芳
香環を有する化合物を共重合する方法、ソフトセグメン
トに芳香環を有する成分を使用する方法及びこれらを併
用する方法がある。
【0016】本発明の(A)成分は、共重合成分の少な
くとも1種に芳香環を有することが必要であるが、特に
好ましいポリアミドエラストマーの具体例としては下記
のものである。 ハードセグメントがε−カプロラクタムからなるポリ
アミドであり、ポリアミド分子末端がテレフタル酸から
なるカルボキシル基で変性され、ソフトセグメントがポ
リエチレングリコールからなるポリアミドエラストマー ハードセグメントがε−カプロラクタムからなるポリ
アミドであり、ポリアミド分子末端がアジピン酸からな
るカルボキシル基で変性され、ソフトセグメントがビス
フェノールA共重合ポリエチレングリコールからなるポ
リアミドエラストマー ハードセグメントがε−カプロラクタムからなるポリ
アミドであり、ポリアミド分子末端がテレフタル酸から
なるカルボキシル基で変性され、ソフトセグメントがビ
スフェノールA共重合ポリエチレングリコールからなる
ポリアミドエラストマー 上記を用いた場合、本発明の目的の他に耐衝撃性に優
れる。上記を用いた場合、本発明の目的の他に耐熱性
に優れる。上記を用いた場合、本発明の目的の他に剛
性に優れる。
【0017】本発明の(A)成分であるポリアミドエラ
ストマーのハードセグメントとソフトセグメントの割合
は、ハードセグメント/ソフトセグメント=90〜10
/10〜90重量%の割合にあることが好ましく、さら
に好ましくは80〜20/20〜80重量%、特に好ま
しくは70〜30/30〜70重量%である。(A)成
分の分子量は特に限定されるものではないが、還元粘度
(ηsp/c)(ギ酸溶液中、0.5g/100ml、2
5℃で測定)は、1.0〜3.0の範囲にあることが好
ましく、さらに好ましくは1.2〜2.5である。以上
の(A)ポリアミドエラストマーは、1種単独であるい
は2種以上併用することもできる。
【0018】本発明の目的である帯電防止性能をさらに
向上させる目的から、ナトリウム化合物、カリウム化合
物、リチウム化合物を(A)成分の重合前原料成分と共
に添加してもよく、重合中に添加してもさらに重合後に
添加してもよい。ナトリウム化合物、カリウム化合物、
リチウム化合物としては有機酸、過塩素酸、チオシアン
酸、硫酸、炭酸、ハロゲン、リン酸、ホウ酸等との化合
物があり、好ましい具体例としてNaCl、KCl、L
iClがあり、特に好ましくはLiClである。これら
の使用量は、(A)ポリアミドエラストマー中カリウ
ム、ナトリウム、リチウム原子換算で10〜50,00
0ppmが好ましく、さらに好ましくは20〜30,0
00ppm、特に好ましくは50〜10,000ppm
である。
【0019】さらに(A)成分の変性物例えば(A)成
分にポリオレフィン、スチレン系樹脂、ポリエステル等
を共重合したものも含まれる。(A)成分にポリオレフ
ィンを共重合する方法として(A)成分の分子末端をヘ
キサメチレンジアミン等でアミノ化し、無水マレイン酸
変性PP、PE等を反応させる。またスチレン/アクリ
ロニトリル/グリシジルメタクリレート共重合体を
(A)成分と反応させる等の方法で得ることができる。
この場合の変性量は(A)成分の50重量%以下が好ま
しい。本発明の熱可塑性重合体組成物における(A)成
分の使用量は1〜70重量%、好ましくは4〜50重量
%、さらに好ましくは4〜30重量%、特に好ましくは
7〜25重量%である。1重量%未満では帯電防止性能
が劣り、70重量%を超えると成形品表面外観が劣り好
ましくない。
【0020】本発明の(B)成分としては、ゴム質重合
体、他の熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂等があ
り、好ましいものは熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂を
50重量%以上含有するものである。ゴム質重合体とし
ては、エチレン−プロピレン系ゴム及びその変性物、ポ
リブタジエン系ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が
ある。熱可塑性エラストマーとしてはポリエステルエラ
ストマー、ポリオレフィン系エラストマー(TPO)、
スチレン−ブタジエン系のブロック共重合体またはその
水素化物等がある。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピ
レン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の
ポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン46等のポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリフルフォン、PPS、液晶ポリマー、P
MMAおよび下記のスチレン系樹脂があり、1種または
2種以上併用して用いることができる。好ましい熱可塑
性樹脂は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂
である。さらに好ましくは、スチレン系樹脂またはスチ
レン系樹脂を30重量%以上含有するものである。スチ
レン系樹脂としては、ゴム質重合体存在下または非存在
下に芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物及び
該芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル系単量
体からなる単量体成分を重合して得られるものである。
【0021】ゴム質重合体としては、例えばポリブタジ
エン、ポリイソプレン、ブチルゴム、スチレン−ブタジ
エン共重合体(スチレン含量5〜60重量%が好まし
い)、スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、エチレン−α−オレフィン共
重合体、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合
体、シリコンゴム、アクリルゴム、ブタジエン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、ポリイソプレン、ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソ
プレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン
ブロック共重合体、水素化ブタジエン系重合体、エチレ
ン系アイオノマーなどが挙げられる。また、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブ
ロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパー型、
ラジアルテレブロック型の構造を有するものなどが含ま
れる。さらに、水素化ブタジエン系重合体は、上記ブロ
ック共重合体の水素化物のほかに、スチレンブロックと
スチレン−ブタジエンランダム共重合体のブロックの水
素化物、ポリブタジエン中の1,2−ビニル結合含有量
が20重量%以下のブロックと1,2−ビニル結合含量
が20重量%を超えるポリブタジエンブロックからなる
重合体の水素化物が含まれる。
【0022】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ブロムスチ
レンなどが挙げられる。特にスチレン、α−メチルスチ
レンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、1種
単独であるいは2種以上混合して用いられる。
【0023】芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビ
ニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリルなどのビニルシアン化合物;メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアク
リル酸エステル、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのメタクリ
ル酸エステル、マレイミド、N−メチルマレイミド、N
−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シ
クロヘキシルマレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボ
ン酸のマレイミド化合物;グリシジルメタクリレート、
アリルグリシジルエーテルなどの不飽和エポキシ化合
物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和カ
ルボン酸アミド、アクリルアミン、メタクリル酸アミノ
メチル、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミ
ノプロピル、アミノスチレンなどのアミノ基含有不飽和
化合物;ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシ−1−プ
ロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒド
ロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−
ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレートなどの水酸基含有不飽和化合物;ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸など
の不飽和酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シ
トラコン酸などの酸無水物基含有不飽和化合物、および
ビニルオキサゾリンなどのオキサゾリン基含有不飽和化
合物などがあり、これらの芳香族ビニル化合物と共重合
可能なビニル単量体は、1種または2種以上で使用され
る。
【0024】スチレン系樹脂はゴム質重合体存在下に前
記各種単量体を重合したグラフト重合体、ゴム質重合体
非存在下に各種単量体を重合した重合体およびこれらの
混合物がある。スチレン系樹脂としては、耐衝撃性の面
からゴム質重合体が存在するものが好ましく、スチレン
系樹脂中のゴム量は3〜80重量%の範囲にあることが
好ましく、さらに好ましくは5〜60重量%、特に好ま
しくは10〜40重量%である。本発明の目的を達成す
るうえでゴム質重合体存在下に重合されたスチレン系樹
脂のゴム量は30〜70重量%、好ましくは40〜65
重量%のものを用いさらに適宜ゴム質重合体非存在下に
重合されたスチレン系樹脂と混合したものが特に好まし
い。またスチレン系樹脂のメチルエチルケトン可溶部の
固有粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、
0.3〜1.5が好ましい。本発明のスチレン系樹脂成
分は、公知の重合法である乳化重合、溶液重合、懸濁重
合、塊状重合などで製造することができる。グラフト共
重合体のグラフト率は好ましくは5〜200重量%、さ
らに好ましくは5〜150重量%である。
【0025】本発明の(B)成分の使用量は、99〜3
0重量%、好ましくは96〜50重量%、さらに好まし
くは96〜70重量%、特に好ましくは3〜75重量%
である。99重量%以上では帯電防止性能が劣り、30
重量%未満では成形品表面外観が劣り好ましくない。
【0026】本発明の熱可塑性重合体組成物の使用に際
して、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビー
ズ、ガラス粉、ワラストナイト、ロックフィラー、炭酸
カルシウム、タルク、マイカ、ガラスフレーク、カオリ
ン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグ
ネシウム、酸化亜鉛ウイスカー、チタン酸カリウムウイ
スカーなどの充填剤を、単独または併用して用いること
ができる。これらの充填剤のうち、ガラス繊維、炭素繊
維の形状としては、6〜60μmの繊維径と30μm以
上の繊維長を有するものが好ましい。これらの充填剤
は、本発明の組成物100重量部に対して2〜150重
量部程度用いられる。また、本発明の組成物には、その
ほか公知の抗菌・防カビ剤、難燃剤、酸化防止剤、可塑
剤、着色剤、顔料、滑剤などを添加物として配合するこ
ともできる。また前記ナトリウム、カリウム、リチウム
化合物を適宜配合することができる。抗菌剤としては銀
系抗菌剤が好ましく、使用量は本発明の組成物100重
量部に対して0.05〜5重量部が好ましい。本発明の
組成物に抗菌・防カビ剤を配合した場合、特に抗菌・防
カビ性の発現効果が大きい。
【0027】本発明の熱可塑性重合体組成物は、各種押
し出し機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールな
ど、好ましくは押し出し機を用い、各成分を混練りする
ことによって得ることができる。各成分を混練りするに
際し、各成分を一括して混練りしてもよく、また多段添
加方式で混練りしてもよい。本発明の熱可塑性重合体組
成物は、射出成形、シート押し出し、真空成形、異形成
形、発泡成形などによって各種成形品となすことができ
る。このようにして得られる成形品は、その優れた性質
を利用して家電製品の各種部品、ハウジング、および電
気・電子分野 、自動車分野の各種部品、雑貨などに有
用である。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明する。なお実施例中、部および%は、特にことわ
らない限り重量基準である。また、実施例における各種
測定は、下記に従って測定した。帯電防止性 直径100mm、厚み2mmの円板を230℃で射出成
形し、23℃×相対湿度50%で7日間状態調節したの
ち、横河ヒューレット・パッカード(株)製、4329A
型超絶縁抵抗計を用いて表面固有抵抗(オーム)を測定
した。熱安定性 上記帯電防止性の測定法において射出成形温度を260
℃にアップさせ、シリンダー内に15分間滞留させたの
ち同様の成形品を得、同一条件で表面固有抵抗(オー
ム)を測定した。成形品表面外観 射出成形機にて平板を成形し、成形品の表面外観を下記
の評価基準で目視評価した。 ○:平滑であり良好 ×:成形品表面にムラ、凹凸などがあり不良ウェルド外観 ASTM1号ダンベルを両サイドゲートで射出成形し、
平行部中央にウェルドラインを作った。ウェルド部位を
下記の評価基準で目視評価した。 ○:ウェルドラインが目立ち難く良好 ×:ウェルドラインが目立ち易く不良ウェルド強度 上記同条件でASTM1号ダンベルを1点のサイドゲー
トで射出成形し、ウェルドラインのない成形品を得た。
ASTM試験法D638に準拠してウェルドを有するダ
ンベルの引っ張り強度(1)及びウェルドのないダンベ
ルの引っ張り強度(2)を測定し、以下の式よりウェル
ド強度保持率を求めた。 ウェルド強度保持率(%)=引っ張り強度(1)/引っ
張り強度(2)× 100
【0029】参考例(各成分の調製)重合体A−1 ステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム、
テレフタル酸及び水を仕込み、チッ素置換後230℃で
加圧密閉下で4時間加熱攪拌し、分子末端にカルボキシ
ル基を有するポリアミドオリゴマーを得た。次にビスフ
ェノールA骨格を有する数平均分子量約1,500のポ
リエチレンオキシドグリコール、触媒として酢酸ジルコ
ニウム及び塩化カリウムを加え、250℃、1mmHg
以下の減圧下の条件で4時間重合し、粘ちゅうなポリマ
ーを得た。このポリマーをベルト上にストランド状に取
り出し、ペレット化し、水分量0.1%以下に乾燥した
後ポリエーテルエステルアミドエラストマー(重合体A
−1)を得た。このものの(a)ポリアミド成分と
(b)ポリエチレンオキシドグリコール成分の重合比率
は(a)/(b)=45/55であった。 また還元粘
度(ηsp/c)(ギ酸溶液中、0.5g/100ml、
25℃測定)は1.65であった。さらにカリウム量
は、原子換算で800ppmであった。結果を表1に示
す。
【0030】
【表1】
【0031】重合体A−2 ポリアミドエラストマー製造の際にε−カプロラクタ
ム、テレフタル酸の仕込みと同時に酸化防止剤としてチ
バガイギー社製イルガノックス1010を0.3部仕込
んだ以外は、重合体A−1と同様にしてポリアミドエラ
ストマーを得た。結果を表1に示す。
【0032】重合体A−3〜11 重合体A−1の条件でハードセグメント、ソフトセグメ
ントの量、種類及び電解質の量、種類を変えて、また重
合反応時間を変えて重合体A−3〜11を得た。結果を
表1に示す。 (a)成分の種類で(a)−1はテレフタル酸末端 (a)−2はアジピン酸末端 (b)成分の種類で(b)−1はビスフェノールA骨格
を有するポリエチレンオキシドグリコールを用いた例 (b)−2はポリエチレンオキシドグリコールを用いた
【0033】重合体A−12 重合体A−1の反応終了後、ヘキサメチレンジアミンを
添加し重合体A−1分子末端をアミノ化した。本重合体
を回収した後、無水マレイン酸変性ポリプロピレン30
%配合し、200℃の押し出し機中で混練り、ペレット
化し重合体A−12を得た。
【0034】ゴム質重合体1〜5 (B)スチレン系樹脂に使用されるゴム質重合体として
表2のものを用いた。
【0035】
【表2】
【0036】スチレン系樹脂B−1〜B−11 ゴム質重合体1〜5の存在下または非存在下に芳香族ビ
ニル化合物、または芳香族ビニル化合物と他のビニル系
単量体からなる単量体成分を重合し、表3に示す重合体
B−1〜B−11を得た。このうち重合体B−1、B−
5、B−6、B−9〜B−11は乳化重合で、また重合
体B−2〜B−4、B−8は溶液重合で得た。
【0037】
【表3】
【0038】重合体B−12 ブロックタイプのポリプロピレンその他の成分 銀系抗菌剤として品川燃料製ゼオミックXAW10Dを
用いた。また抗菌性は、初期菌数3×105で24時間
後の大腸菌の生菌数を測定した。
【0039】実施例1〜15、比較例1〜8 上記各種重合体・樹脂を、水分量0.1%以下に乾燥
し、表4に示す配合処方で混合し、ベント付き二軸押し
出し機を用い、溶融・混練りしペレット化した。得られ
たペレットを除湿乾燥機で水分量0.1%以下まで乾燥
し、帯電防止性能、熱安定性、成形品表面外観、ウェル
ド外観、ウェルド強度測定用試験片を作製し、各種物性
を評価した。結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】比較例1、2は、(A)成分に芳香環が含
まれない本発明の範囲外のものであり、熱安定性、ウェ
ルド外観、ウェルド強度が劣る。比較例3は、(A)成
分の使用量が本発明の範囲外で多く、また(B)成分の
使用量が本発明の範囲外で少ない例であり、成形品表面
外観が劣る。比較例4は、(A)成分の使用量が本発明
の範囲外で少なく、また(B)成分の使用量が本発明の
範囲外で多い例であり、帯電防止性能が劣る。
【0042】
【発明の効果】本発明の熱可塑性重合体組成物は、帯電
防止性能、熱安定性、成形品表面外観、ウェルド外観、
ウェルド強度に優れ、家電製品の各種部品、ハウジン
グ、および電気・電子分野、自動車分野の各種部品、雑
貨などに有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ハード成分がポリアミドからなり、
    ソフトセグメントがポリ(アルキレンオキシド)グリコ
    ールからなるポリアミドエラストマー1〜70重量%、 (B)他の熱可塑性重合体99〜30重量% 上記(A)+(B)からなる組成物において(A)成分
    の共重合成分が少なくとも1種の芳香環を有することを
    特徴とする熱可塑性重合体組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002226704A (ja) * 2001-02-06 2002-08-14 Riken Technos Corp 制電性組成物
WO2005097905A1 (ja) 2004-03-31 2005-10-20 Techno Polymer Co., Ltd. 熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形体
JP2006036812A (ja) * 2004-07-22 2006-02-09 Mitsubishi Chemicals Corp 熱可塑性エラストマー組成物並びにそれを用いてなる積層体及び複合成形体

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