JPH08109301A - フッ素ポリマー組成物及びその製法 - Google Patents
フッ素ポリマー組成物及びその製法Info
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- JPH08109301A JPH08109301A JP24421894A JP24421894A JPH08109301A JP H08109301 A JPH08109301 A JP H08109301A JP 24421894 A JP24421894 A JP 24421894A JP 24421894 A JP24421894 A JP 24421894A JP H08109301 A JPH08109301 A JP H08109301A
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- fluororesin
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Abstract
(57)【要約】
【構成】含フッ素エラストマー架橋体(A)を含む媒体
中での重合反応により熱可塑性含フッ素樹脂(C)を生
成させ、得られる(A)と(C)の複合物に必要により
熱可塑性含フッ素樹脂(D)が混合されてなる、(A)
が5〜90重量%と(C)+(D)の合計が10〜95
重量%の組成物。 【効果】含フッ素エラストマー架橋体が熱可塑性含フッ
素樹脂中に均一分散した微細な相構造を有する成形性良
好な組成物であり、表面荒れ等の欠陥がなく機械物性に
優れた成形物を与える。
中での重合反応により熱可塑性含フッ素樹脂(C)を生
成させ、得られる(A)と(C)の複合物に必要により
熱可塑性含フッ素樹脂(D)が混合されてなる、(A)
が5〜90重量%と(C)+(D)の合計が10〜95
重量%の組成物。 【効果】含フッ素エラストマー架橋体が熱可塑性含フッ
素樹脂中に均一分散した微細な相構造を有する成形性良
好な組成物であり、表面荒れ等の欠陥がなく機械物性に
優れた成形物を与える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性含フッ素樹脂
と含フッ素エラストマー架橋体からなる機械物性と柔軟
性に優れた成形物を与えるフッ素ポリマー組成物及びそ
の製法に関する。
と含フッ素エラストマー架橋体からなる機械物性と柔軟
性に優れた成形物を与えるフッ素ポリマー組成物及びそ
の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性含フッ素樹脂は、耐熱性、耐薬
品性、機械特性、電気的特性に優れているが、結晶性ポ
リマーであるが故に柔軟性に乏しい。これに対し含フッ
素エラストマーは、柔軟性には富むが、機械特性が樹脂
に比べて低く、また、加硫を施さないと実質的には成形
品として使用できず成形に手間がかかるものである。
品性、機械特性、電気的特性に優れているが、結晶性ポ
リマーであるが故に柔軟性に乏しい。これに対し含フッ
素エラストマーは、柔軟性には富むが、機械特性が樹脂
に比べて低く、また、加硫を施さないと実質的には成形
品として使用できず成形に手間がかかるものである。
【0003】そこで、熱可塑性含フッ素樹脂と含フッ素
エラストマーとの組成物を用い、含フッ素エラストマー
成分のみを加硫することで、成形性、柔軟性を両立させ
ることが試みられている(特開昭61−57641号公
報)。また、同公報では、このような組成物の製造方法
として、熱可塑性含フッ素樹脂と含フッ素エラストマー
を溶融ブレンドしながら、含フッ素エラストマーを加硫
せしめることからなる動的加硫方法が提案されている。
エラストマーとの組成物を用い、含フッ素エラストマー
成分のみを加硫することで、成形性、柔軟性を両立させ
ることが試みられている(特開昭61−57641号公
報)。また、同公報では、このような組成物の製造方法
として、熱可塑性含フッ素樹脂と含フッ素エラストマー
を溶融ブレンドしながら、含フッ素エラストマーを加硫
せしめることからなる動的加硫方法が提案されている。
【0004】しかし、動的加硫方法で用いられる含フッ
素エラストマーは、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロ
プロピレン系共重合体であり、その加硫方法としてはビ
スフェノールAF、受酸剤、オニウム塩の組み合わせに
よるポリオール加硫、又は、有機過酸化物と多官能不飽
和化合物の組み合わせによるパーオキシド加硫が用いら
れている。これらの加硫方法では、含フッ素エラストマ
ーを完全に加硫するために時間を要し、動的加硫のみで
は、現実的には組成物中のエラストマーの加硫不足によ
って機械物性が不充分で、特に永久歪が大きいなどの問
題があり、動的加硫後さらにオーブン加硫を必要とする
場合があった。
素エラストマーは、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロ
プロピレン系共重合体であり、その加硫方法としてはビ
スフェノールAF、受酸剤、オニウム塩の組み合わせに
よるポリオール加硫、又は、有機過酸化物と多官能不飽
和化合物の組み合わせによるパーオキシド加硫が用いら
れている。これらの加硫方法では、含フッ素エラストマ
ーを完全に加硫するために時間を要し、動的加硫のみで
は、現実的には組成物中のエラストマーの加硫不足によ
って機械物性が不充分で、特に永久歪が大きいなどの問
題があり、動的加硫後さらにオーブン加硫を必要とする
場合があった。
【0005】また、熱可塑性含フッ素樹脂の溶融粘度は
一般に大きく、動的加硫方法ではブレンドした後に含フ
ッ素エラストマーを加硫しながら充分に分散させること
は困難であり、分散エラストマー粒子間での橋かけ構造
が生成して成形性も充分とはいえなかった。
一般に大きく、動的加硫方法ではブレンドした後に含フ
ッ素エラストマーを加硫しながら充分に分散させること
は困難であり、分散エラストマー粒子間での橋かけ構造
が生成して成形性も充分とはいえなかった。
【0006】また、予め架橋構造を導入した含フッ素エ
ラストマー粒子を熱可塑性含フッ素樹脂とブレンドする
方法が提案されている(特開平6−248146号公
報)。しかし、含フッ素エラストマー粒子が架橋されて
いるとはいえ、粒子間の二次凝集が起き、均一な分散状
態が得られず、電線、チューブなどの薄物の成形物に表
面荒れ等の欠陥部分が生起するといった問題があった。
ラストマー粒子を熱可塑性含フッ素樹脂とブレンドする
方法が提案されている(特開平6−248146号公
報)。しかし、含フッ素エラストマー粒子が架橋されて
いるとはいえ、粒子間の二次凝集が起き、均一な分散状
態が得られず、電線、チューブなどの薄物の成形物に表
面荒れ等の欠陥部分が生起するといった問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
問題点を解消し、充分な機械物性と柔軟性を有する成形
体を与えることができ、かつ、成形性に優れた有用なフ
ッ素ポリマー組成物、詳しくは、特に含フッ素エラスト
マー架橋体が熱可塑性含フッ素樹脂中に均一に分散した
微細な相構造を有する組成物及びその製造方法の提供に
ある。
問題点を解消し、充分な機械物性と柔軟性を有する成形
体を与えることができ、かつ、成形性に優れた有用なフ
ッ素ポリマー組成物、詳しくは、特に含フッ素エラスト
マー架橋体が熱可塑性含フッ素樹脂中に均一に分散した
微細な相構造を有する組成物及びその製造方法の提供に
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、前記問題点
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ブレンドによって
含フッ素エラストマー架橋体を分散させるのではなく、
重合反応と同時に架橋を行って橋かけ構造を有した含フ
ッ素エラストマーのラテックスを製造し、このラテック
ス中で熱可塑性含フッ素樹脂の重合反応による製造を行
うことで、含フッ素エラストマー架橋体が熱可塑性含フ
ッ素樹脂中に均一に分散した所望の組成物が得られるこ
とを見出した。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ブレンドによって
含フッ素エラストマー架橋体を分散させるのではなく、
重合反応と同時に架橋を行って橋かけ構造を有した含フ
ッ素エラストマーのラテックスを製造し、このラテック
ス中で熱可塑性含フッ素樹脂の重合反応による製造を行
うことで、含フッ素エラストマー架橋体が熱可塑性含フ
ッ素樹脂中に均一に分散した所望の組成物が得られるこ
とを見出した。
【0009】また、上記のようにして得られる表面に熱
可塑性含フッ素樹脂層が形成された含フッ素エラストマ
ー架橋体を用いれば、さらに熱可塑性含フッ素樹脂とブ
レンドしても、均一に分散された所望の組成物として得
られることをも見出した。さらに、このようなフッ素ポ
リマー組成物は、成形物に表面荒れ等の欠陥部分を生起
しないものであることをも見出した。
可塑性含フッ素樹脂層が形成された含フッ素エラストマ
ー架橋体を用いれば、さらに熱可塑性含フッ素樹脂とブ
レンドしても、均一に分散された所望の組成物として得
られることをも見出した。さらに、このようなフッ素ポ
リマー組成物は、成形物に表面荒れ等の欠陥部分を生起
しないものであることをも見出した。
【0010】本発明は、前記の知見に基づき完成された
ものであり、第一に、含フッ素エラストマーの架橋体
(A)が5〜90重量%と溶融成形可能な熱可塑性含フ
ッ素樹脂(B)が10〜95重量%の混合物からなるフ
ッ素ポリマー組成物において、熱可塑性含フッ素樹脂
(B)の少なくとも一部は、架橋体(A)を含む媒体中
で溶融成形可能な熱可塑性含フッ素樹脂(C)を与える
単量体を重合せしめて得られる(A)と(C)の複合物
における溶融成形可能な熱可塑性含フッ素樹脂(C)で
あり、架橋体(A)の100重量部に対して熱可塑性含
フッ素樹脂(C)が少なくとも3重量部であり、必要に
より熱可塑性含フッ素樹脂(B)の残部として溶融成形
可能な熱可塑性含フッ素樹脂(D)が混合されているこ
とを特徴とするフッ素ポリマー組成物を提供する。
ものであり、第一に、含フッ素エラストマーの架橋体
(A)が5〜90重量%と溶融成形可能な熱可塑性含フ
ッ素樹脂(B)が10〜95重量%の混合物からなるフ
ッ素ポリマー組成物において、熱可塑性含フッ素樹脂
(B)の少なくとも一部は、架橋体(A)を含む媒体中
で溶融成形可能な熱可塑性含フッ素樹脂(C)を与える
単量体を重合せしめて得られる(A)と(C)の複合物
における溶融成形可能な熱可塑性含フッ素樹脂(C)で
あり、架橋体(A)の100重量部に対して熱可塑性含
フッ素樹脂(C)が少なくとも3重量部であり、必要に
より熱可塑性含フッ素樹脂(B)の残部として溶融成形
可能な熱可塑性含フッ素樹脂(D)が混合されているこ
とを特徴とするフッ素ポリマー組成物を提供する。
【0011】第二に、本発明は、含フッ素エラストマー
の架橋体(A)を含む媒体中で溶融成形可能な熱可塑性
含フッ素樹脂(C)を与える単量体を重合せしめること
により、架橋体(A)の100重量部に対して熱可塑性
含フッ素樹脂(C)が少なくとも3重量部である複合物
を生成せしめ、必要によりこの複合物と溶融成形可能な
熱可塑性含フッ素樹脂(D)を混合することにより、含
フッ素エラストマーの架橋体(A)が5〜90重量%と
溶融成形可能な熱可塑性含フッ素樹脂(B)が10〜9
5重量%の混合物であって、かつ熱可塑性含フッ素樹脂
(B)が熱可塑性含フッ素樹脂(C)と必要により混合
される熱可塑性含フッ素樹脂(D)とからなるフッ素ポ
リマー組成物を得ることを特徴とするフッ素ポリマー組
成物の製法を提供する。
の架橋体(A)を含む媒体中で溶融成形可能な熱可塑性
含フッ素樹脂(C)を与える単量体を重合せしめること
により、架橋体(A)の100重量部に対して熱可塑性
含フッ素樹脂(C)が少なくとも3重量部である複合物
を生成せしめ、必要によりこの複合物と溶融成形可能な
熱可塑性含フッ素樹脂(D)を混合することにより、含
フッ素エラストマーの架橋体(A)が5〜90重量%と
溶融成形可能な熱可塑性含フッ素樹脂(B)が10〜9
5重量%の混合物であって、かつ熱可塑性含フッ素樹脂
(B)が熱可塑性含フッ素樹脂(C)と必要により混合
される熱可塑性含フッ素樹脂(D)とからなるフッ素ポ
リマー組成物を得ることを特徴とするフッ素ポリマー組
成物の製法を提供する。
【0012】本発明における含フッ素樹脂(C)及び含
フッ素樹脂(D)は、熱可塑性を有することが必要であ
り、含フッ素エラストマーの架橋体(A)の劣化が問題
にならない温度で溶融成形できる熱可塑性含フッ素樹脂
であることが好ましい。通常の含フッ素樹脂のうち、ポ
リテトラフルオロエチレン樹脂を除くすべての熱可塑性
含フッ素樹脂が採用できる。
フッ素樹脂(D)は、熱可塑性を有することが必要であ
り、含フッ素エラストマーの架橋体(A)の劣化が問題
にならない温度で溶融成形できる熱可塑性含フッ素樹脂
であることが好ましい。通常の含フッ素樹脂のうち、ポ
リテトラフルオロエチレン樹脂を除くすべての熱可塑性
含フッ素樹脂が採用できる。
【0013】本発明における含フッ素樹脂(C)及び含
フッ素樹脂(D)としては、テトラフルオロエチレン、
ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、フ
ッ化ビニリデン、フッ化ビニル、クロロトリフルオロエ
チレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(た
だし、アルキル基の炭素数は1〜8である。)から選ば
れる少なくとも1種の含フッ素単量体を含むエチレン性
不飽和化合物(ただし、テトラフルオロエチレン単独の
場合を除く)を重合せしめて得られるものが好ましい。
フッ素樹脂(D)としては、テトラフルオロエチレン、
ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、フ
ッ化ビニリデン、フッ化ビニル、クロロトリフルオロエ
チレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(た
だし、アルキル基の炭素数は1〜8である。)から選ば
れる少なくとも1種の含フッ素単量体を含むエチレン性
不飽和化合物(ただし、テトラフルオロエチレン単独の
場合を除く)を重合せしめて得られるものが好ましい。
【0014】エチレン性不飽和化合物としては、上記含
フッ素単量体の他に、例えばエチレン、プロピレン、あ
るいはアルキルビニルエーテル類、(パーフルオロブチ
ル)エチレンなどの(パーフルオロアルキル)エチレン
類が挙げられる。
フッ素単量体の他に、例えばエチレン、プロピレン、あ
るいはアルキルビニルエーテル類、(パーフルオロブチ
ル)エチレンなどの(パーフルオロアルキル)エチレン
類が挙げられる。
【0015】本発明における含フッ素樹脂(C)及び含
フッ素樹脂(D)としては、フッ素含有量が35重量%
以上、特には50重量%以上、であるものが好ましい。
フッ素含有量が余りに低いと、含フッ素樹脂としての本
来の耐熱性、耐溶剤性、耐油性が得られなくなる。
フッ素樹脂(D)としては、フッ素含有量が35重量%
以上、特には50重量%以上、であるものが好ましい。
フッ素含有量が余りに低いと、含フッ素樹脂としての本
来の耐熱性、耐溶剤性、耐油性が得られなくなる。
【0016】本発明における含フッ素樹脂(C)及び含
フッ素樹脂(D)としては、具体的には、テトラフルオ
ロエチレン/エチレン系共重合体、テトラフルオロエチ
レン/ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、テトラフ
ルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニルエーテ
ル)系共重合体、クロロトリフルオロエチレン/エチレ
ン系共重合体などが例示され得る。特に、テトラフルオ
ロエチレン/エチレン系共重合体が好ましく、テトラフ
ルオロエチレン/エチレン/(パーフルオロブチル)エ
チレン共重合体などが例示され得る。また、複数の熱可
塑性含フッ素樹脂の混合物を用いても支障ない。さら
に、含フッ素樹脂(C)と含フッ素樹脂(D)とを同種
のもので採用してもよいし、異種のもので採用してもよ
い。
フッ素樹脂(D)としては、具体的には、テトラフルオ
ロエチレン/エチレン系共重合体、テトラフルオロエチ
レン/ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、テトラフ
ルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニルエーテ
ル)系共重合体、クロロトリフルオロエチレン/エチレ
ン系共重合体などが例示され得る。特に、テトラフルオ
ロエチレン/エチレン系共重合体が好ましく、テトラフ
ルオロエチレン/エチレン/(パーフルオロブチル)エ
チレン共重合体などが例示され得る。また、複数の熱可
塑性含フッ素樹脂の混合物を用いても支障ない。さら
に、含フッ素樹脂(C)と含フッ素樹脂(D)とを同種
のもので採用してもよいし、異種のもので採用してもよ
い。
【0017】また、後述の含フッ素エラストマーとの組
み合わせにおいても好適な熱可塑性含フッ素樹脂は選択
され得る。例えば、熱可塑性含フッ素樹脂又は含フッ素
エラストマーがフッ化ビニリデンの重合単位を多く有す
る重合体である場合には、極性が発生する。したがっ
て、熱可塑性含フッ素樹脂及び含フッ素エラストマーと
して、フッ化ビニリデンの重合単位を有するもの同志、
又は、同単位を有しないもの同志を組み合わせて選択す
ることが均一で良好な物性を得るために好ましい。
み合わせにおいても好適な熱可塑性含フッ素樹脂は選択
され得る。例えば、熱可塑性含フッ素樹脂又は含フッ素
エラストマーがフッ化ビニリデンの重合単位を多く有す
る重合体である場合には、極性が発生する。したがっ
て、熱可塑性含フッ素樹脂及び含フッ素エラストマーと
して、フッ化ビニリデンの重合単位を有するもの同志、
又は、同単位を有しないもの同志を組み合わせて選択す
ることが均一で良好な物性を得るために好ましい。
【0018】本発明に用いられる含フッ素エラストマー
は、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化
ビニル、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)(ただし、アルキル基の炭
素数は1〜12である。)から選ばれる少なくとも1種
の含フッ素単量体を含むエチレン性不飽和化合物を重合
せしめて得られるものが好ましい。エチレン性不飽和化
合物としては、上記含フッ素単量体類の他に、例えばエ
チレン、プロピレン、あるいはアルキルビニルエーテル
類、(パーフルオロアルキル)エチレン類が挙げられ
る。
は、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化
ビニル、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)(ただし、アルキル基の炭
素数は1〜12である。)から選ばれる少なくとも1種
の含フッ素単量体を含むエチレン性不飽和化合物を重合
せしめて得られるものが好ましい。エチレン性不飽和化
合物としては、上記含フッ素単量体類の他に、例えばエ
チレン、プロピレン、あるいはアルキルビニルエーテル
類、(パーフルオロアルキル)エチレン類が挙げられ
る。
【0019】含フッ素エラストマーとしては、具体的に
は、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン系共
重合体、テトラフルオロエチレン/プロピレン系共重合
体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキル
ビニルエーテル)系共重合体、フッ化ビニリデン/テト
ラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン系共重
合体などが例示され得る。特に、テトラフルオロエチレ
ン/プロピレン系共重合体が好ましい。複数の含フッ素
エラストマーの混合物を用いても支障ない。
は、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン系共
重合体、テトラフルオロエチレン/プロピレン系共重合
体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキル
ビニルエーテル)系共重合体、フッ化ビニリデン/テト
ラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン系共重
合体などが例示され得る。特に、テトラフルオロエチレ
ン/プロピレン系共重合体が好ましい。複数の含フッ素
エラストマーの混合物を用いても支障ない。
【0020】これら含フッ素エラストマーとしての共重
合体には、共重合可能なその他の成分がさらに共重合さ
れていてもよい。テトラフルオロエチレン/プロピレン
/その他の共重合可能な不飽和化合物の重合単位のモル
比が30〜80/20〜55/0〜40である共重合体
からなる含フッ素エラストマーが好ましい。これらの含
フッ素エラストマーのフッ素含有量は通常50〜65重
量%が好ましい。フッ素含有量が余りに小さいと耐熱
性、耐薬品性が充分でなく、また、余りに大きいと弾性
が低下する。
合体には、共重合可能なその他の成分がさらに共重合さ
れていてもよい。テトラフルオロエチレン/プロピレン
/その他の共重合可能な不飽和化合物の重合単位のモル
比が30〜80/20〜55/0〜40である共重合体
からなる含フッ素エラストマーが好ましい。これらの含
フッ素エラストマーのフッ素含有量は通常50〜65重
量%が好ましい。フッ素含有量が余りに小さいと耐熱
性、耐薬品性が充分でなく、また、余りに大きいと弾性
が低下する。
【0021】本発明における含フッ素エラストマーの架
橋体(A)は、実質的に橋かけ構造を有するものであ
る。通常は、架橋体(A)は粒子径1μm以下の微粒子
であることが望ましい。また、架橋体(A)としては、
上記のような含フッ素エラストマーの重合反応による製
造時に架橋せしめられたものであることが好ましい。
橋体(A)は、実質的に橋かけ構造を有するものであ
る。通常は、架橋体(A)は粒子径1μm以下の微粒子
であることが望ましい。また、架橋体(A)としては、
上記のような含フッ素エラストマーの重合反応による製
造時に架橋せしめられたものであることが好ましい。
【0022】この架橋体(A)は、含フッ素エラストマ
ーの重合反応による製造時に、2個以上のエチレン性不
飽和基を有する共重合性単量体を共存させて重合及び架
橋を行わしめることによって円滑有利に得られる。この
ような重合反応においては、上記共重合性単量体中のエ
チレン性不飽和基は成長しているポリマー連鎖に取り込
まれる。このとき共重合性単量体中のエチレン性不飽和
基が別々のポリマー成長連鎖に取り込まれることで、重
合反応過程において架橋反応が進行して架橋体(A)が
生成する。
ーの重合反応による製造時に、2個以上のエチレン性不
飽和基を有する共重合性単量体を共存させて重合及び架
橋を行わしめることによって円滑有利に得られる。この
ような重合反応においては、上記共重合性単量体中のエ
チレン性不飽和基は成長しているポリマー連鎖に取り込
まれる。このとき共重合性単量体中のエチレン性不飽和
基が別々のポリマー成長連鎖に取り込まれることで、重
合反応過程において架橋反応が進行して架橋体(A)が
生成する。
【0023】2個以上のエチレン性不飽和基を有する共
重合性単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレ
ン、ペンタジエン、ヘキサジエン、ジビニルエーテル、
アリルビニルエーテル、ブテニルビニルエーテル、ジビ
ニルベンゼン、1,4−ブタンジオールジビニルエーテ
ルなどが挙げられる。これらの共重合性単量体として
は、部分的にあるいは完全にフッ素化されたものなども
使用できる。重合時の反応性の観点から、ジビニルエー
テル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテルが好ま
しい。これらの共重合性単量体は、ポリマー中に0.1
〜10モル%導入されるように、反応性に応じて重合時
に仕込めばよい。
重合性単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレ
ン、ペンタジエン、ヘキサジエン、ジビニルエーテル、
アリルビニルエーテル、ブテニルビニルエーテル、ジビ
ニルベンゼン、1,4−ブタンジオールジビニルエーテ
ルなどが挙げられる。これらの共重合性単量体として
は、部分的にあるいは完全にフッ素化されたものなども
使用できる。重合時の反応性の観点から、ジビニルエー
テル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテルが好ま
しい。これらの共重合性単量体は、ポリマー中に0.1
〜10モル%導入されるように、反応性に応じて重合時
に仕込めばよい。
【0024】含フッ素エラストマーの重合反応による製
造には、乳化重合法が好ましく用いられる。乳化重合に
よれば、ポリマー微粒子を重合時に形成でき、エラスト
マー粒子径も小さく、粒径分布も比較的狭いものが得ら
れる。重合反応過程において架橋も進行させる場合に
は、架橋体(A)としても粒径分布の狭い微粒子が得ら
れる。なお、上記のような乳化重合法によれば、架橋体
(A)が平均粒子径0.1μm程度の微粒子状態で得ら
れ、粒子径1μmを超える粒子は実質的に認められな
い。
造には、乳化重合法が好ましく用いられる。乳化重合に
よれば、ポリマー微粒子を重合時に形成でき、エラスト
マー粒子径も小さく、粒径分布も比較的狭いものが得ら
れる。重合反応過程において架橋も進行させる場合に
は、架橋体(A)としても粒径分布の狭い微粒子が得ら
れる。なお、上記のような乳化重合法によれば、架橋体
(A)が平均粒子径0.1μm程度の微粒子状態で得ら
れ、粒子径1μmを超える粒子は実質的に認められな
い。
【0025】また、含フッ素エラストマーの架橋体
(A)は、乳化重合により得た含フッ素エラストマーを
ラテックスの状態で、加硫剤や加硫助剤等を含浸させて
加硫させたり、あるいは放射線等を照射して得ることも
できる。さらに、各種の重合方式で得られる含フッ素エ
ラストマーを架橋後に微粒子に粉砕したり、あるいは、
含フッ素エラストマーを微粒子に粉砕した後に架橋せし
めるなどの方法によっても、架橋体(A)を得ることが
できる。
(A)は、乳化重合により得た含フッ素エラストマーを
ラテックスの状態で、加硫剤や加硫助剤等を含浸させて
加硫させたり、あるいは放射線等を照射して得ることも
できる。さらに、各種の重合方式で得られる含フッ素エ
ラストマーを架橋後に微粒子に粉砕したり、あるいは、
含フッ素エラストマーを微粒子に粉砕した後に架橋せし
めるなどの方法によっても、架橋体(A)を得ることが
できる。
【0026】含フッ素エラストマーを架橋させる方法と
しては、ビスフェノールAF、受酸剤、オニウム塩の組
み合わせによるポリオール加硫、有機過酸化物と多官能
不飽和化合物の組み合わせによるパーオキシド加硫、ポ
リアミン化合物を用いるアミン加硫、エポキシ基による
エポキシ加硫、イオン加硫等一般に周知のエラストマー
加硫方法も採用できる。
しては、ビスフェノールAF、受酸剤、オニウム塩の組
み合わせによるポリオール加硫、有機過酸化物と多官能
不飽和化合物の組み合わせによるパーオキシド加硫、ポ
リアミン化合物を用いるアミン加硫、エポキシ基による
エポキシ加硫、イオン加硫等一般に周知のエラストマー
加硫方法も採用できる。
【0027】このようにして得た架橋体(A)をシード
粒子として、先に述べた熱可塑性含フッ素樹脂(C)を
構成する単量体を供給し、媒体中での重合、例えば乳化
重合により共重合せしめることによって、架橋体(A)
と含フッ素樹脂(C)からなる複合物が得られる。この
複合物においては、架橋体(A)は微粒子形状を保持し
ており、かかる架橋体(A)の粒子表面に含フッ素樹脂
(C)層が形成されているので、本発明において望まし
い態様となる。
粒子として、先に述べた熱可塑性含フッ素樹脂(C)を
構成する単量体を供給し、媒体中での重合、例えば乳化
重合により共重合せしめることによって、架橋体(A)
と含フッ素樹脂(C)からなる複合物が得られる。この
複合物においては、架橋体(A)は微粒子形状を保持し
ており、かかる架橋体(A)の粒子表面に含フッ素樹脂
(C)層が形成されているので、本発明において望まし
い態様となる。
【0028】本発明において、架橋体(A)の微粒子形
状を保持した状態で架橋体(A)と含フッ素樹脂(C)
からなる複合物を得るためには、乳化重合により含フッ
素エラストマーの合成とその架橋を行い、得られる架橋
体(A)を含有するラテックス中で、引き続き含フッ素
樹脂(C)を乳化重合により合成することが好ましい。
このような架橋体(A)と含フッ素樹脂(C)からなる
複合物の製造法の代表的な一例を下記に示す。
状を保持した状態で架橋体(A)と含フッ素樹脂(C)
からなる複合物を得るためには、乳化重合により含フッ
素エラストマーの合成とその架橋を行い、得られる架橋
体(A)を含有するラテックス中で、引き続き含フッ素
樹脂(C)を乳化重合により合成することが好ましい。
このような架橋体(A)と含フッ素樹脂(C)からなる
複合物の製造法の代表的な一例を下記に示す。
【0029】まず、反応器に重合媒体として水、連鎖移
動剤としてt−ブタノール、重合開始剤として過硫酸ア
ンモニウム、乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アン
モニウム、レドックス剤としてヒドロキシメタンスルフ
ィン酸ナトリウム水溶液及び鉄−テトラエチレンジアミ
ン錯体等を仕込む。その後、含フッ素エラストマーを構
成するテトラフルオロエチレンとプロピレン及び含フッ
素エラストマーの架橋構造を付与する1,4−ブタンジ
オールジビニルエーテルの単量体の所定量を仕込んで反
応させることにより、含フッ素エラストマーを生成せし
めるとともに架橋反応せしめて、架橋体(A)を製造す
る。
動剤としてt−ブタノール、重合開始剤として過硫酸ア
ンモニウム、乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アン
モニウム、レドックス剤としてヒドロキシメタンスルフ
ィン酸ナトリウム水溶液及び鉄−テトラエチレンジアミ
ン錯体等を仕込む。その後、含フッ素エラストマーを構
成するテトラフルオロエチレンとプロピレン及び含フッ
素エラストマーの架橋構造を付与する1,4−ブタンジ
オールジビニルエーテルの単量体の所定量を仕込んで反
応させることにより、含フッ素エラストマーを生成せし
めるとともに架橋反応せしめて、架橋体(A)を製造す
る。
【0030】次いで、含フッ素樹脂(C)を構成するテ
トラフルオロエチレンとエチレン及び必要により(パー
フルオロブチル)エチレンを含めた単量体の所定量を仕
込んだ後、反応温度を上げ、残存する上記の重合開始剤
のラジカル開裂下において重合せしめて、含フッ素樹脂
(C)を架橋体(A)の微粒子の表面に製造する。
トラフルオロエチレンとエチレン及び必要により(パー
フルオロブチル)エチレンを含めた単量体の所定量を仕
込んだ後、反応温度を上げ、残存する上記の重合開始剤
のラジカル開裂下において重合せしめて、含フッ素樹脂
(C)を架橋体(A)の微粒子の表面に製造する。
【0031】本発明においては、上記のような方法によ
って架橋体(A)と含フッ素樹脂(B)との混合物から
なるフッ素ポリマー組成物が得られるが、この場合にお
ける含フッ素樹脂(B)はその全部が含フッ素樹脂
(C)となる。
って架橋体(A)と含フッ素樹脂(B)との混合物から
なるフッ素ポリマー組成物が得られるが、この場合にお
ける含フッ素樹脂(B)はその全部が含フッ素樹脂
(C)となる。
【0032】さらに、本発明においては、上記のような
方法によって架橋体(A)と含フッ素樹脂(C)からな
る複合物を合成し、必要によりこの複合物と含フッ素樹
脂(B)の残部として溶融成形可能な熱可塑性含フッ素
樹脂(D)をブレンドすることによっても、架橋体
(A)と含フッ素樹脂(B)との混合物からなるフッ素
ポリマー組成物が得られる。
方法によって架橋体(A)と含フッ素樹脂(C)からな
る複合物を合成し、必要によりこの複合物と含フッ素樹
脂(B)の残部として溶融成形可能な熱可塑性含フッ素
樹脂(D)をブレンドすることによっても、架橋体
(A)と含フッ素樹脂(B)との混合物からなるフッ素
ポリマー組成物が得られる。
【0033】ブレンドする含フッ素樹脂(D)として
は、2種以上の熱可塑性含フッ素樹脂の混合物でもよ
い。含フッ素樹脂(D)としては、フッ素含有量が35
重量%以上であることが好ましく、2種以上の混合物で
採用する場合には、同様にこの混合物としてのフッ素含
有量が35重量%以上であることが好ましい。上記複合
物における含フッ素樹脂(C)とブレンドされる含フッ
素樹脂(D)とが同一ないしは同種である場合が特に好
ましい。含フッ素樹脂(C)と含フッ素樹脂(D)とを
同一ないしは同種とすることによって、含フッ素エラス
トマーの架橋体(A)の微粒子が二次凝集した粒子集合
体を形成させ難くするという効果がより発揮され得るも
のである。
は、2種以上の熱可塑性含フッ素樹脂の混合物でもよ
い。含フッ素樹脂(D)としては、フッ素含有量が35
重量%以上であることが好ましく、2種以上の混合物で
採用する場合には、同様にこの混合物としてのフッ素含
有量が35重量%以上であることが好ましい。上記複合
物における含フッ素樹脂(C)とブレンドされる含フッ
素樹脂(D)とが同一ないしは同種である場合が特に好
ましい。含フッ素樹脂(C)と含フッ素樹脂(D)とを
同一ないしは同種とすることによって、含フッ素エラス
トマーの架橋体(A)の微粒子が二次凝集した粒子集合
体を形成させ難くするという効果がより発揮され得るも
のである。
【0034】また、架橋体(A)と含フッ素樹脂(C)
からなる複合物における含フッ素樹脂(C)の量は、架
橋体(A)の100重量部に対して3重量部以上であ
る。含フッ素樹脂(C)の量が余りに少ないと、必要に
よりブレンドされる含フッ素樹脂(D)と上記複合物と
のブレンド時に、架橋体(A)の粒子の二次凝集が起こ
りやすく、均一に分散したフッ素ポリマー組成物が得ら
れ難い。架橋体(A)の100重量部に対して含フッ素
樹脂(C)が約11重量部以上の複合物は、そのまま本
発明のフッ素ポリマー組成物となるので、好ましい態様
といえる。
からなる複合物における含フッ素樹脂(C)の量は、架
橋体(A)の100重量部に対して3重量部以上であ
る。含フッ素樹脂(C)の量が余りに少ないと、必要に
よりブレンドされる含フッ素樹脂(D)と上記複合物と
のブレンド時に、架橋体(A)の粒子の二次凝集が起こ
りやすく、均一に分散したフッ素ポリマー組成物が得ら
れ難い。架橋体(A)の100重量部に対して含フッ素
樹脂(C)が約11重量部以上の複合物は、そのまま本
発明のフッ素ポリマー組成物となるので、好ましい態様
といえる。
【0035】架橋体(A)と含フッ素樹脂(C)からな
る複合物を製造する方法としては、上記の代表的な一例
の他に、媒体中での溶液重合法や懸濁重合法なども採用
され得る。また、含フッ素樹脂(D)の製造方法として
は、特に限定されずに、種々の方法が採用され得る。
る複合物を製造する方法としては、上記の代表的な一例
の他に、媒体中での溶液重合法や懸濁重合法なども採用
され得る。また、含フッ素樹脂(D)の製造方法として
は、特に限定されずに、種々の方法が採用され得る。
【0036】これらの重合反応の条件についても、特に
限定されずに広い範囲から適宜選定され得る。例えば、
重合反応温度は、重合開始剤の種類などにより最適値が
選定でき、通常は0〜100℃程度、特に30〜90℃
程度が採用され得る。反応圧力も適宜選定でき、通常は
2〜100kg/cm2 、特に5〜20kg/cm2程
度を採用するのが反応速度の点から好ましい。
限定されずに広い範囲から適宜選定され得る。例えば、
重合反応温度は、重合開始剤の種類などにより最適値が
選定でき、通常は0〜100℃程度、特に30〜90℃
程度が採用され得る。反応圧力も適宜選定でき、通常は
2〜100kg/cm2 、特に5〜20kg/cm2程
度を採用するのが反応速度の点から好ましい。
【0037】さらに、重合開始剤や連鎖移動剤として
も、重合方式などに応じて適宜選定して採用され得る。
例えば、ジ(クロロフルオロアシル)パーオキシド、ジ
(パーフルオロアシル)パーオキシド、t−ブチルパー
オキシイソブチレート、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ
ウム等の無機過酸化物などが挙げられる。
も、重合方式などに応じて適宜選定して採用され得る。
例えば、ジ(クロロフルオロアシル)パーオキシド、ジ
(パーフルオロアシル)パーオキシド、t−ブチルパー
オキシイソブチレート、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ
ウム等の無機過酸化物などが挙げられる。
【0038】上記の(A)と(C)からなる複合物に必
要により含フッ素樹脂(D)をブレンドする方法として
は、架橋体(A)と含フッ素樹脂(C)からなる複合物
のラテックスと含フッ素樹脂(D)のラテックスとをブ
レンドした後に共凝集する方法、あるいは、上記複合物
のラテックスを凝集、乾燥した後、含フッ素樹脂(D)
と溶融ブレンドする方法などを採用できる。
要により含フッ素樹脂(D)をブレンドする方法として
は、架橋体(A)と含フッ素樹脂(C)からなる複合物
のラテックスと含フッ素樹脂(D)のラテックスとをブ
レンドした後に共凝集する方法、あるいは、上記複合物
のラテックスを凝集、乾燥した後、含フッ素樹脂(D)
と溶融ブレンドする方法などを採用できる。
【0039】本発明の製造方法によれば、幅広い組成割
合範囲において、架橋体(A)が微細に分散した相構造
のフッ素ポリマー組成物が得られる。しかし、フッ素ポ
リマー組成物中の含フッ素樹脂(B)が10重量%未満
では、熱可塑性を発現するマトリックスとなる含フッ素
樹脂相の割合が少なすぎ、成形性が低下する。架橋体
(A)が5重量%未満では、架橋体(A)による物性上
の改良効果が実質的に得られない。したがって、架橋体
(A)が5〜90重量%と含フッ素樹脂(B)が95〜
10重量%の混合物である必要があり、好ましくは前者
が20〜75重量%と後者が80〜25重量%の混合物
からなるフッ素ポリマー組成物である。
合範囲において、架橋体(A)が微細に分散した相構造
のフッ素ポリマー組成物が得られる。しかし、フッ素ポ
リマー組成物中の含フッ素樹脂(B)が10重量%未満
では、熱可塑性を発現するマトリックスとなる含フッ素
樹脂相の割合が少なすぎ、成形性が低下する。架橋体
(A)が5重量%未満では、架橋体(A)による物性上
の改良効果が実質的に得られない。したがって、架橋体
(A)が5〜90重量%と含フッ素樹脂(B)が95〜
10重量%の混合物である必要があり、好ましくは前者
が20〜75重量%と後者が80〜25重量%の混合物
からなるフッ素ポリマー組成物である。
【0040】本発明においては、上記のように、含フッ
素樹脂(B)は、その全部が含フッ素樹脂(C)からな
る場合、及び、含フッ素樹脂(C)と必要により混合さ
れる含フッ素樹脂(D)からなる場合がある。
素樹脂(B)は、その全部が含フッ素樹脂(C)からな
る場合、及び、含フッ素樹脂(C)と必要により混合さ
れる含フッ素樹脂(D)からなる場合がある。
【0041】本発明のフッ素ポリマー組成物は、走査型
電子顕微鏡観察において粒子径1μmを超える大きさの
架橋体(A)の粒子集合体が実質的に認められないプレ
ス成形シートを与える。ただし、プレス成形シートはフ
ッ素ポリマー組成物を300℃、100kg/cm2 、
10分間でプレス成形したものである。
電子顕微鏡観察において粒子径1μmを超える大きさの
架橋体(A)の粒子集合体が実質的に認められないプレ
ス成形シートを与える。ただし、プレス成形シートはフ
ッ素ポリマー組成物を300℃、100kg/cm2 、
10分間でプレス成形したものである。
【0042】
【作用】本発明のフッ素ポリマー組成物が、機械物性と
柔軟性に優れ、かつ、表面荒れ等の欠陥部分のない成形
物を与える作用機構については、必ずしも明確ではない
が、次のように考えうる。すなわち、含フッ素エラスト
マーの架橋体を含む媒体中で重合反応により熱可塑性含
フッ素樹脂を生成させ、該架橋体の表面に該熱可塑性含
フッ素樹脂層が形成されてなる複合物とすることによ
り、架橋体と含フッ素樹脂との良好な界面が形成されて
いるからであると考えられる。このような良好な界面に
おいては、架橋体と含フッ素樹脂のそれぞれの成分を機
械的にブレンドして形成される界面の状態よりも、分子
の絡み合いなどの相互作用が大きくなっているものと考
えられる。
柔軟性に優れ、かつ、表面荒れ等の欠陥部分のない成形
物を与える作用機構については、必ずしも明確ではない
が、次のように考えうる。すなわち、含フッ素エラスト
マーの架橋体を含む媒体中で重合反応により熱可塑性含
フッ素樹脂を生成させ、該架橋体の表面に該熱可塑性含
フッ素樹脂層が形成されてなる複合物とすることによ
り、架橋体と含フッ素樹脂との良好な界面が形成されて
いるからであると考えられる。このような良好な界面に
おいては、架橋体と含フッ素樹脂のそれぞれの成分を機
械的にブレンドして形成される界面の状態よりも、分子
の絡み合いなどの相互作用が大きくなっているものと考
えられる。
【0043】以上のことは後述の実施例と比較例の結果
からも裏付けられる。すなわち、本発明による成形物の
引張強度は、ブレンドによる成形物よりも少なくとも1
0%高い結果となっており、架橋体粒子の二次凝集によ
る粒子径1μmを超える大きさの粒子集合体も認められ
ない。このような作用効果は、機械的ブレンドによって
は全く達成されない。
からも裏付けられる。すなわち、本発明による成形物の
引張強度は、ブレンドによる成形物よりも少なくとも1
0%高い結果となっており、架橋体粒子の二次凝集によ
る粒子径1μmを超える大きさの粒子集合体も認められ
ない。このような作用効果は、機械的ブレンドによって
は全く達成されない。
【0044】
【実施例】例1〜3及び例8〜11は実施例であり、例
4〜7及び例12〜13は比較例である。例1〜3、例
7及び例12〜13において、生成する含フッ素樹脂
(C)のASTM−D−3159によるメルトインデッ
クス(以下、単にメルトインデックスという)の測定
は、含フッ素エラストマーの架橋体(A)を生成させな
い、あるいはその仕込みを行わない以外は同様の条件下
で共重合せしめて得られる含フッ素樹脂(C)について
行った。
4〜7及び例12〜13は比較例である。例1〜3、例
7及び例12〜13において、生成する含フッ素樹脂
(C)のASTM−D−3159によるメルトインデッ
クス(以下、単にメルトインデックスという)の測定
は、含フッ素エラストマーの架橋体(A)を生成させな
い、あるいはその仕込みを行わない以外は同様の条件下
で共重合せしめて得られる含フッ素樹脂(C)について
行った。
【0045】また、容量流速は、高化式フローテスター
を用いて温度300℃、荷重30kg/cm2 、直径
2.1mm、長さ8mmのノズルからフッ素ポリマー組
成物を流出させ、単位時間(秒)に流出するフッ素ポリ
マー組成物の容量(mm3 )である。
を用いて温度300℃、荷重30kg/cm2 、直径
2.1mm、長さ8mmのノズルからフッ素ポリマー組
成物を流出させ、単位時間(秒)に流出するフッ素ポリ
マー組成物の容量(mm3 )である。
【0046】[参考例]2リットルのオートクレーブ
に、脱酸素水1000g、t−ブタノール100g、パ
ーフルオロオクタン酸アンモニウム6.0g、過硫酸ア
ンモニウム5.0g、リン酸水素ナトリウム23.5
g、水酸化ナトリウム2.5g、鉄−テトラエチレンジ
アミン錯体0.2gを仕込む。
に、脱酸素水1000g、t−ブタノール100g、パ
ーフルオロオクタン酸アンモニウム6.0g、過硫酸ア
ンモニウム5.0g、リン酸水素ナトリウム23.5
g、水酸化ナトリウム2.5g、鉄−テトラエチレンジ
アミン錯体0.2gを仕込む。
【0047】オートクレーブ内を窒素置換した後、テト
ラフルオロエチレン100g、プロピレン3.5gを仕
込む。撹拌しながら温度を30℃に保ち、ヒドロキシメ
タンスルフィン酸ナトリウム水溶液を圧入する。反応が
始まって圧力が下がり始めたら、これを補うようにテト
ラフルオロエチレン/プロピレンのモル比が56/44
の混合ガスを導入しながら、かつ、1,4−ブタンジオ
ールジビニルエーテルをテトラフルオロエチレン/プロ
ピレンの混合ガスの合計導入モル数に対し3.5モル%
となるようにマイクロポンプで添加しながら6時間反応
を続ける。
ラフルオロエチレン100g、プロピレン3.5gを仕
込む。撹拌しながら温度を30℃に保ち、ヒドロキシメ
タンスルフィン酸ナトリウム水溶液を圧入する。反応が
始まって圧力が下がり始めたら、これを補うようにテト
ラフルオロエチレン/プロピレンのモル比が56/44
の混合ガスを導入しながら、かつ、1,4−ブタンジオ
ールジビニルエーテルをテトラフルオロエチレン/プロ
ピレンの混合ガスの合計導入モル数に対し3.5モル%
となるようにマイクロポンプで添加しながら6時間反応
を続ける。
【0048】1,4−ブタンジオールジビニルエーテル
は反応して、成長しているポリマー鎖に取り込まれる。
このとき1,4−ブタンジオールジビニルエーテルの2
個のビニルエーテル基が別々のポリマー成長連鎖に重合
反応し取り込まれることで重合中に架橋が生成する。
は反応して、成長しているポリマー鎖に取り込まれる。
このとき1,4−ブタンジオールジビニルエーテルの2
個のビニルエーテル基が別々のポリマー成長連鎖に重合
反応し取り込まれることで重合中に架橋が生成する。
【0049】反応終了後、モノマーガスをパージして、
テトラフルオロエチレン/プロピレン/1,4−ブタン
ジオールジビニルエーテルの各重合単位のモル比が54
/42.5/3.5である含フッ素エラストマーの架橋
体(A)−1の濃度が16.6重量%のラテックス−1
を得た。
テトラフルオロエチレン/プロピレン/1,4−ブタン
ジオールジビニルエーテルの各重合単位のモル比が54
/42.5/3.5である含フッ素エラストマーの架橋
体(A)−1の濃度が16.6重量%のラテックス−1
を得た。
【0050】得られたラテックス−1を塩化カルシウム
を塩析剤として凝集させ、水洗浄、乾燥して架橋体
(A)−1を得た。
を塩析剤として凝集させ、水洗浄、乾燥して架橋体
(A)−1を得た。
【0051】IR分析により、架橋体(A)−1には
1,4−ブタンジオールジビニルエーテルに由来する二
重結合が見られなかった。これは、添加した1,4−ブ
タンジオールジビニルエーテルが全て有効に架橋反応に
用いられたことを示している。また、テトラヒドロフラ
ンに対する可溶成分は約2重量%であり、架橋体(A)
−1は実質的に架橋していることがわかった。
1,4−ブタンジオールジビニルエーテルに由来する二
重結合が見られなかった。これは、添加した1,4−ブ
タンジオールジビニルエーテルが全て有効に架橋反応に
用いられたことを示している。また、テトラヒドロフラ
ンに対する可溶成分は約2重量%であり、架橋体(A)
−1は実質的に架橋していることがわかった。
【0052】[例1]参考例で得たラテックス−1の9
00gを、1リットルのオートクレーブに仕込み、脱酸
素後、テトラフルオロエチレン/エチレンのモル比が6
0/40の混合ガスを23kg/cm2 (ゲージ)まで
仕込んだ。さらに、(パーフルオロブチル)エチレン4
gを圧入した。温度を80℃に昇温し、ラテックス−1
中に残存している過硫酸アンモニウムを分解させて重合
反応を開始させる。
00gを、1リットルのオートクレーブに仕込み、脱酸
素後、テトラフルオロエチレン/エチレンのモル比が6
0/40の混合ガスを23kg/cm2 (ゲージ)まで
仕込んだ。さらに、(パーフルオロブチル)エチレン4
gを圧入した。温度を80℃に昇温し、ラテックス−1
中に残存している過硫酸アンモニウムを分解させて重合
反応を開始させる。
【0053】オートクレーブの圧力降下を補うようにテ
トラフルオロエチレン/エチレンのモル比が60/40
の混合ガス、及び該混合ガスに対し3モル%の(パーフ
ルオロブチル)エチレンを加え、上記の混合ガスを合計
100g導入したところで反応を終了させた。
トラフルオロエチレン/エチレンのモル比が60/40
の混合ガス、及び該混合ガスに対し3モル%の(パーフ
ルオロブチル)エチレンを加え、上記の混合ガスを合計
100g導入したところで反応を終了させた。
【0054】生成した含フッ素樹脂(C)−1は、テト
ラフルオロエチレン/エチレン/(パーフルオロブチ
ル)エチレンの各重合単位のモル比が58/39/3で
あり、メルトインデックスが3.7である。架橋体
(A)−1と含フッ素樹脂(C)−1からなる複合物−
1のラテックス−2を得た。このラテックス−2を、塩
化カルシウムを塩析剤として凝集させ、水洗浄、乾燥し
て複合物−1からなるフッ素ポリマー組成物−1を得
た。
ラフルオロエチレン/エチレン/(パーフルオロブチ
ル)エチレンの各重合単位のモル比が58/39/3で
あり、メルトインデックスが3.7である。架橋体
(A)−1と含フッ素樹脂(C)−1からなる複合物−
1のラテックス−2を得た。このラテックス−2を、塩
化カルシウムを塩析剤として凝集させ、水洗浄、乾燥し
て複合物−1からなるフッ素ポリマー組成物−1を得
た。
【0055】この組成物−1の含フッ素樹脂/架橋体の
組成割合は40/60(重量比)であった。組成物−1
の容量流速を測定し、また、組成物−1を用いて、30
0℃にて予熱5分間、100kg/cm2 の加圧5分間
の条件にて1mmの厚さのシートを作成し、ミクロダン
ベルにて引張強度、引張伸度を測定した。
組成割合は40/60(重量比)であった。組成物−1
の容量流速を測定し、また、組成物−1を用いて、30
0℃にて予熱5分間、100kg/cm2 の加圧5分間
の条件にて1mmの厚さのシートを作成し、ミクロダン
ベルにて引張強度、引張伸度を測定した。
【0056】また、この組成物−1の相構造は非常に微
細であり、分散した架橋体の平均粒子径は約0.1μm
であった。さらに、この組成物−1を300℃、100
kg/cm2 、10分間でプレス成形して得られるプレ
ス成形シートには、走査型電子顕微鏡(5千〜1万倍)
観察において、粒子径1μmを超える大きさの架橋体
(A)の粒子集合体が認められなかった。これらの結果
を表1に示す。
細であり、分散した架橋体の平均粒子径は約0.1μm
であった。さらに、この組成物−1を300℃、100
kg/cm2 、10分間でプレス成形して得られるプレ
ス成形シートには、走査型電子顕微鏡(5千〜1万倍)
観察において、粒子径1μmを超える大きさの架橋体
(A)の粒子集合体が認められなかった。これらの結果
を表1に示す。
【0057】[例2〜3]重合時に加えるテトラフルオ
ロエチレン/エチレンのモル比が60/40の混合ガス
の導入量を合計150g(例2)又は合計65g(例
3)とする以外、例1と同様にしてフッ素ポリマー組成
物−2(例2)又はフッ素ポリマー組成物−3(例3)
を得た。これらにおける含フッ素樹脂/架橋体の組成割
合(重量比)は、組成物−2が50/50であり、組成
物−3が30/70であった。
ロエチレン/エチレンのモル比が60/40の混合ガス
の導入量を合計150g(例2)又は合計65g(例
3)とする以外、例1と同様にしてフッ素ポリマー組成
物−2(例2)又はフッ素ポリマー組成物−3(例3)
を得た。これらにおける含フッ素樹脂/架橋体の組成割
合(重量比)は、組成物−2が50/50であり、組成
物−3が30/70であった。
【0058】これらの組成物につき、例1と同様に、容
量流速の測定、及びシートの作成、ならびに引張強度、
引張伸度の測定、さらにはプレス成形シートの走査型電
子顕微鏡観察を行った。また、これらの組成物の相構造
は非常に微細であり、分散した架橋体の平均粒子径は約
0.1μmであった。結果を表1に示す。
量流速の測定、及びシートの作成、ならびに引張強度、
引張伸度の測定、さらにはプレス成形シートの走査型電
子顕微鏡観察を行った。また、これらの組成物の相構造
は非常に微細であり、分散した架橋体の平均粒子径は約
0.1μmであった。結果を表1に示す。
【0059】[例4〜6]参考例の架橋体(A)−1を
用い、例1〜3と同様な含フッ素樹脂と架橋体の組成割
合となるように、テトラフルオロエチレン/エチレン/
(パーフルオロブチル)エチレンの各重合単位のモル比
が58/39/3であり、メルトインデックスが4であ
る含フッ素樹脂(D)−1のペレットと溶融ブレンドし
て、フッ素ポリマー組成物−4(例4)、フッ素ポリマ
ー組成物−5(例5)、又はフッ素ポリマー組成物−6
(例6)を得た。
用い、例1〜3と同様な含フッ素樹脂と架橋体の組成割
合となるように、テトラフルオロエチレン/エチレン/
(パーフルオロブチル)エチレンの各重合単位のモル比
が58/39/3であり、メルトインデックスが4であ
る含フッ素樹脂(D)−1のペレットと溶融ブレンドし
て、フッ素ポリマー組成物−4(例4)、フッ素ポリマ
ー組成物−5(例5)、又はフッ素ポリマー組成物−6
(例6)を得た。
【0060】これらの組成物につき、例1と同様に、容
量流速の測定、及びシートの作成、ならびに引張強度、
引張伸度の測定を行った。結果を表2に示す。例1〜3
と比較して引張強度に劣るものであった。また、これら
の組成物の相構造は例1〜3と同様の微細部分もある
が、分散した架橋体の一部は粒子径が0.5〜2μm程
度に二次凝集しており、例1と同様のプレス成形シート
の走査型電子顕微鏡観察において、粒子径1μmを超え
る大きさの架橋体(A)の粒子集合体が多数認められ
た。さらに、容量流速の測定時に得られる約2mm径の
押出ストランドの表面はつや消し状であり、微小で不規
則な凹凸が見られ、明らかに成形性に劣るものであっ
た。
量流速の測定、及びシートの作成、ならびに引張強度、
引張伸度の測定を行った。結果を表2に示す。例1〜3
と比較して引張強度に劣るものであった。また、これら
の組成物の相構造は例1〜3と同様の微細部分もある
が、分散した架橋体の一部は粒子径が0.5〜2μm程
度に二次凝集しており、例1と同様のプレス成形シート
の走査型電子顕微鏡観察において、粒子径1μmを超え
る大きさの架橋体(A)の粒子集合体が多数認められ
た。さらに、容量流速の測定時に得られる約2mm径の
押出ストランドの表面はつや消し状であり、微小で不規
則な凹凸が見られ、明らかに成形性に劣るものであっ
た。
【0061】[例7]参考例で得たラテックス−1の9
00gを、1リットルのオートクレーブに仕込み、脱酸
素後、テトラフルオロエチレン/エチレンのモル比が6
0/40の混合ガスを23kg/cm2 (ゲージ)まで
仕込んだ。温度を80℃に昇温し、ラテックス−1中に
残存している過硫酸アンモニウムを分解させて重合反応
を開始させる。反応による圧力降下を補うようにテトラ
フルオロエチレン/エチレンのモル比が60/40の混
合ガスを10g添加したところで反応を終了させた。
00gを、1リットルのオートクレーブに仕込み、脱酸
素後、テトラフルオロエチレン/エチレンのモル比が6
0/40の混合ガスを23kg/cm2 (ゲージ)まで
仕込んだ。温度を80℃に昇温し、ラテックス−1中に
残存している過硫酸アンモニウムを分解させて重合反応
を開始させる。反応による圧力降下を補うようにテトラ
フルオロエチレン/エチレンのモル比が60/40の混
合ガスを10g添加したところで反応を終了させた。
【0062】生成した含フッ素樹脂(C)−2は、テト
ラフルオロエチレン/エチレンの各重合単位のモル比が
59/41、メルトインデックスが4.7である。架橋
体(A)−1と含フッ素樹脂(C)−2からなる複合物
−2のラテックス−3を得た。このラテックス−3を、
塩化カルシウムを塩析剤として凝集させ、水洗浄、乾燥
して複合物−2を得た。
ラフルオロエチレン/エチレンの各重合単位のモル比が
59/41、メルトインデックスが4.7である。架橋
体(A)−1と含フッ素樹脂(C)−2からなる複合物
−2のラテックス−3を得た。このラテックス−3を、
塩化カルシウムを塩析剤として凝集させ、水洗浄、乾燥
して複合物−2を得た。
【0063】複合物−2は架橋体の100重量部に対し
て含フッ素樹脂が6.25重量部からなるものであっ
た。この複合物−2につき、例1と同様にしてシートを
作成しようと試みたが、溶融流動性が低く物性測定可能
なシートが得られなかった。容量流速は極端に小さく、
成形性の劣る組成物であった。結果を表2に示す。
て含フッ素樹脂が6.25重量部からなるものであっ
た。この複合物−2につき、例1と同様にしてシートを
作成しようと試みたが、溶融流動性が低く物性測定可能
なシートが得られなかった。容量流速は極端に小さく、
成形性の劣る組成物であった。結果を表2に示す。
【0064】[例8〜10]例4〜6における含フッ素
樹脂(D)−1のペレットと例7の複合物−2を表1に
示す組成割合で溶融混合して、フッ素ポリマー組成物−
8(例8)、フッ素ポリマー組成物−9(例9)、又は
フッ素ポリマー組成物−10(例10)を製造した。
樹脂(D)−1のペレットと例7の複合物−2を表1に
示す組成割合で溶融混合して、フッ素ポリマー組成物−
8(例8)、フッ素ポリマー組成物−9(例9)、又は
フッ素ポリマー組成物−10(例10)を製造した。
【0065】これらの組成物における含フッ素エラスト
マーの架橋体/含フッ素樹脂(含フッ素樹脂(C)−2
と含フッ素樹脂(D)−1の合計量)の割合(重量比)
は、それぞれ60/40(例8)、50/50(例
9)、70/30(例10)である。これらの組成物に
つき、例1と同様に、容量流速を測定し、シートを作成
し、引張強度、引張伸度を測定し、さらにはプレス成形
シートの走査型電子顕微鏡観察を行った。また、これら
組成物の相構造は非常に微細であり、分散した架橋体の
平均粒子径は約0.1〜0.15μmであった。結果を
表1に示す。
マーの架橋体/含フッ素樹脂(含フッ素樹脂(C)−2
と含フッ素樹脂(D)−1の合計量)の割合(重量比)
は、それぞれ60/40(例8)、50/50(例
9)、70/30(例10)である。これらの組成物に
つき、例1と同様に、容量流速を測定し、シートを作成
し、引張強度、引張伸度を測定し、さらにはプレス成形
シートの走査型電子顕微鏡観察を行った。また、これら
組成物の相構造は非常に微細であり、分散した架橋体の
平均粒子径は約0.1〜0.15μmであった。結果を
表1に示す。
【0066】[例11]例4〜6における含フッ素樹脂
(D)−1のラテックス−4の90gと例7のラテック
ス−3の150gを混合した後に共凝集させ、複合物−
2と含フッ素樹脂(D)−1の混合物からなるフッ素ポ
リマー組成物−11を製造した。
(D)−1のラテックス−4の90gと例7のラテック
ス−3の150gを混合した後に共凝集させ、複合物−
2と含フッ素樹脂(D)−1の混合物からなるフッ素ポ
リマー組成物−11を製造した。
【0067】この組成物−11における含フッ素エラス
トマーの架橋体/含フッ素樹脂(含フッ素樹脂(C)−
2と含フッ素樹脂(D)−1の合計量)の割合は60/
40(重量比)である。この組成物につき、例1と同様
に、容量流速を測定し、シートを作成し、引張強度、引
張伸度を測定し、さらにはプレス成形シートの走査型電
子顕微鏡観察を行った。この組成物の相構造は非常に微
細であり、分散した架橋体の平均粒子径は約0.1μm
であった。結果を表1に示す。
トマーの架橋体/含フッ素樹脂(含フッ素樹脂(C)−
2と含フッ素樹脂(D)−1の合計量)の割合は60/
40(重量比)である。この組成物につき、例1と同様
に、容量流速を測定し、シートを作成し、引張強度、引
張伸度を測定し、さらにはプレス成形シートの走査型電
子顕微鏡観察を行った。この組成物の相構造は非常に微
細であり、分散した架橋体の平均粒子径は約0.1μm
であった。結果を表1に示す。
【0068】[例12]参考例で得たラテックス−1の
900gを、1リットルのオートクレーブに仕込み、脱
酸素後、テトラフルオロエチレン/エチレンのモル比が
60/40の混合ガスを23kg/cm2 (ゲージ)ま
で仕込んだ。温度を80℃に昇温し、ラテックス−1中
に残存している過硫酸アンモニウムを分解させて重合反
応を開始させる。反応による圧力降下を補うようにテト
ラフルオロエチレン/エチレンのモル比が60/40の
混合ガスを8g添加したところで反応を終了させた。
900gを、1リットルのオートクレーブに仕込み、脱
酸素後、テトラフルオロエチレン/エチレンのモル比が
60/40の混合ガスを23kg/cm2 (ゲージ)ま
で仕込んだ。温度を80℃に昇温し、ラテックス−1中
に残存している過硫酸アンモニウムを分解させて重合反
応を開始させる。反応による圧力降下を補うようにテト
ラフルオロエチレン/エチレンのモル比が60/40の
混合ガスを8g添加したところで反応を終了させた。
【0069】生成した含フッ素樹脂(C)−3は、テト
ラフルオロエチレン/エチレンの各重合単位のモル比が
59/41であり、メルトインデックスが4.7であ
る。
ラフルオロエチレン/エチレンの各重合単位のモル比が
59/41であり、メルトインデックスが4.7であ
る。
【0070】架橋体(A)−1と含フッ素樹脂(C)−
3からなる複合物−3のラテックス−5を得た。このラ
テックス−5を、塩化カルシウムを塩析剤として凝集さ
せ、水洗浄、乾燥して複合物−3を得た。複合物−3は
架橋体の100重量部に対して含フッ素樹脂が2.65
重量部からなるものであった。
3からなる複合物−3のラテックス−5を得た。このラ
テックス−5を、塩化カルシウムを塩析剤として凝集さ
せ、水洗浄、乾燥して複合物−3を得た。複合物−3は
架橋体の100重量部に対して含フッ素樹脂が2.65
重量部からなるものであった。
【0071】含フッ素樹脂(D)−1のペレットと複合
物−3を溶融混合して、含フッ素樹脂(含フッ素樹脂
(C)−3と含フッ素樹脂(D)−1の合計量)/含フ
ッ素エラストマーの架橋体(A)の割合(重量比)が4
0/60であるフッ素ポリマー組成物−12を得た。
物−3を溶融混合して、含フッ素樹脂(含フッ素樹脂
(C)−3と含フッ素樹脂(D)−1の合計量)/含フ
ッ素エラストマーの架橋体(A)の割合(重量比)が4
0/60であるフッ素ポリマー組成物−12を得た。
【0072】この組成物につき、例1と同様に、容量流
速を測定し、シートを作成し、引張強度、引張伸度を測
定した。また、この組成物の相構造は例1〜3と同様の
微細部分もあるが、架橋体の表面に形成された含フッ素
樹脂(C)の割合が不充分なため、分散した架橋体の一
部は粒子径が0.5〜2μm程度に二次凝集しており、
例1と同様のプレス成形シートの走査型電子顕微鏡観察
において、粒子径1μmを超える大きさの架橋体(A)
の粒子集合体が多数認められた。結果を表2に示す。
速を測定し、シートを作成し、引張強度、引張伸度を測
定した。また、この組成物の相構造は例1〜3と同様の
微細部分もあるが、架橋体の表面に形成された含フッ素
樹脂(C)の割合が不充分なため、分散した架橋体の一
部は粒子径が0.5〜2μm程度に二次凝集しており、
例1と同様のプレス成形シートの走査型電子顕微鏡観察
において、粒子径1μmを超える大きさの架橋体(A)
の粒子集合体が多数認められた。結果を表2に示す。
【0073】[例13]1,4−ブタンジオールジビニ
ルエーテルを用いないこと以外は参考例と同様にして、
含フッ素エラストマー(X)のラテックス−6を得た。
ラテックス−1の代わりに該ラテックス−6を用いる以
外は例7と同様にして、未架橋の含フッ素エラストマー
(X)と含フッ素樹脂(C)−2からなる複合物−4の
ラテックス−7を得た。複合物−4は未架橋の含フッ素
エラストマー(X)の100重量部に対して含フッ素樹
脂(C)−2が6.25重量部からなるものであった。
ルエーテルを用いないこと以外は参考例と同様にして、
含フッ素エラストマー(X)のラテックス−6を得た。
ラテックス−1の代わりに該ラテックス−6を用いる以
外は例7と同様にして、未架橋の含フッ素エラストマー
(X)と含フッ素樹脂(C)−2からなる複合物−4の
ラテックス−7を得た。複合物−4は未架橋の含フッ素
エラストマー(X)の100重量部に対して含フッ素樹
脂(C)−2が6.25重量部からなるものであった。
【0074】このラテックス−7と例4〜6における含
フッ素樹脂(D)−1のラテックス−4をブレンドし共
凝集して、複合物−4と含フッ素樹脂(D)−1の混合
物からなるフッ素ポリマー組成物−13を製造した。
フッ素樹脂(D)−1のラテックス−4をブレンドし共
凝集して、複合物−4と含フッ素樹脂(D)−1の混合
物からなるフッ素ポリマー組成物−13を製造した。
【0075】この組成物−13における未架橋の含フッ
素エラストマー(X)/含フッ素樹脂(含フッ素樹脂
(C)−1と含フッ素樹脂(D)−1の合計量)の割合
は60/40(重量比)である。
素エラストマー(X)/含フッ素樹脂(含フッ素樹脂
(C)−1と含フッ素樹脂(D)−1の合計量)の割合
は60/40(重量比)である。
【0076】この組成物につき、例1と同様に、容量流
速を測定し、シートを作成し、引張強度、引張伸度を測
定した。この組成物からの成形物は機械的性質に劣り、
また、相構造は含フッ素エラストマー(X)が架橋され
ていないため、例11に比して分散した含フッ素エラス
トマー(X)同志の二次凝集が著しく、平均粒子径は
1.5ミクロンであった。さらに、例1と同様にして、
この組成物からプレス成形シートを作成し、走査型電子
顕微鏡観察を行った結果、粒子径1μmを超える大きさ
の未架橋含フッ素エラストマー(X)の粒子集合体が大
部分を占めていた。結果を表3に示す。
速を測定し、シートを作成し、引張強度、引張伸度を測
定した。この組成物からの成形物は機械的性質に劣り、
また、相構造は含フッ素エラストマー(X)が架橋され
ていないため、例11に比して分散した含フッ素エラス
トマー(X)同志の二次凝集が著しく、平均粒子径は
1.5ミクロンであった。さらに、例1と同様にして、
この組成物からプレス成形シートを作成し、走査型電子
顕微鏡観察を行った結果、粒子径1μmを超える大きさ
の未架橋含フッ素エラストマー(X)の粒子集合体が大
部分を占めていた。結果を表3に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【発明の効果】本発明のフッ素ポリマー組成物は、含フ
ッ素エラストマーの架橋体が熱可塑性含フッ素樹脂中に
均一に分散した微細な相構造を有する組成物である。こ
のようなフッ素ポリマー組成物は、成形性に優れてお
り、充分な機械物性と柔軟性を有する成形物を与えるこ
とができる。しかも、得られる成形物には、表面荒れ等
の欠陥部分が認められない。
ッ素エラストマーの架橋体が熱可塑性含フッ素樹脂中に
均一に分散した微細な相構造を有する組成物である。こ
のようなフッ素ポリマー組成物は、成形性に優れてお
り、充分な機械物性と柔軟性を有する成形物を与えるこ
とができる。しかも、得られる成形物には、表面荒れ等
の欠陥部分が認められない。
【0081】また、本発明の製造方法によれば、上記の
ような優れたフッ素ポリマー組成物を円滑有利に製造で
きる。すなわち、本発明の製造方法によれば、含フッ素
エラストマーの架橋体を含む媒体中で重合反応により熱
可塑性含フッ素樹脂を生成させることにより、含フッ素
エラストマー架橋体の表面に熱可塑性含フッ素樹脂層が
形成されてなる複合物が得られるので、直接的に優れた
フッ素ポリマー組成物を製造できる。さらに、上記の含
フッ素エラストマー架橋体と熱可塑性含フッ素樹脂の複
合物を用いることにより、該複合物と熱可塑性含フッ素
樹脂をブレンドしても、優れたフッ素ポリマー組成物を
製造できる。
ような優れたフッ素ポリマー組成物を円滑有利に製造で
きる。すなわち、本発明の製造方法によれば、含フッ素
エラストマーの架橋体を含む媒体中で重合反応により熱
可塑性含フッ素樹脂を生成させることにより、含フッ素
エラストマー架橋体の表面に熱可塑性含フッ素樹脂層が
形成されてなる複合物が得られるので、直接的に優れた
フッ素ポリマー組成物を製造できる。さらに、上記の含
フッ素エラストマー架橋体と熱可塑性含フッ素樹脂の複
合物を用いることにより、該複合物と熱可塑性含フッ素
樹脂をブレンドしても、優れたフッ素ポリマー組成物を
製造できる。
フロントページの続き (72)発明者 三宅 晴久 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内
Claims (18)
- 【請求項1】含フッ素エラストマーの架橋体(A)が5
〜90重量%と溶融成形可能な熱可塑性含フッ素樹脂
(B)が10〜95重量%の混合物からなるフッ素ポリ
マー組成物において、熱可塑性含フッ素樹脂(B)の少
なくとも一部は、架橋体(A)を含む媒体中で溶融成形
可能な熱可塑性含フッ素樹脂(C)を与える単量体を重
合せしめて得られる(A)と(C)の複合物における溶
融成形可能な熱可塑性含フッ素樹脂(C)であり、架橋
体(A)の100重量部に対して熱可塑性含フッ素樹脂
(C)が少なくとも3重量部であり、必要により熱可塑
性含フッ素樹脂(B)の残部として溶融成形可能な熱可
塑性含フッ素樹脂(D)が混合されていることを特徴と
するフッ素ポリマー組成物。 - 【請求項2】架橋体(A)が粒子径1μm以下の微粒子
である請求項1のフッ素ポリマー組成物。 - 【請求項3】架橋体(A)が含フッ素エラストマーの重
合反応による製造時に架橋せしめられたものである請求
項1又は2のフッ素ポリマー組成物。 - 【請求項4】熱可塑性含フッ素樹脂(B)の全部が熱可
塑性含フッ素樹脂(C)である請求項1〜3のいずれか
のフッ素ポリマー組成物。 - 【請求項5】熱可塑性含フッ素樹脂(B)が、熱可塑性
含フッ素樹脂(C)と必要により混合される溶融成形可
能な熱可塑性含フッ素樹脂(D)とからなる請求項1〜
3のいずれかのフッ素ポリマー組成物。 - 【請求項6】架橋体(A)が、含フッ素エラストマーの
重合反応による製造時に2個以上のエチレン性不飽和基
を有する共重合性単量体を共存させて重合及び架橋を行
わしめることによって得られるものである請求項1〜5
のいずれかのフッ素ポリマー組成物。 - 【請求項7】含フッ素エラストマーがテトラフルオロエ
チレン/プロピレン系共重合体である請求項1〜6のい
ずれかのフッ素ポリマー組成物。 - 【請求項8】熱可塑性含フッ素樹脂(C)及び/又は熱
可塑性含フッ素樹脂(D)が、テトラフルオロエチレン
/エチレン系共重合体である請求項1〜7のいずれかの
フッ素ポリマー組成物。 - 【請求項9】走査型電子顕微鏡観察において粒子径1μ
mを超える大きさの架橋体(A)の粒子集合体が実質的
に認められないプレス成形シートを与える請求項1〜8
のいずれかのフッ素ポリマー組成物。ただし、プレス成
形シートはフッ素ポリマー組成物を300℃、100k
g/cm2 、10分間でプレス成形したものである。 - 【請求項10】含フッ素エラストマーの架橋体(A)を
含む媒体中で溶融成形可能な熱可塑性含フッ素樹脂
(C)を与える単量体を重合せしめることにより、架橋
体(A)の100重量部に対して熱可塑性含フッ素樹脂
(C)が少なくとも3重量部である複合物を生成せし
め、必要によりこの複合物と溶融成形可能な熱可塑性含
フッ素樹脂(D)を混合することにより、含フッ素エラ
ストマーの架橋体(A)が5〜90重量%と溶融成形可
能な熱可塑性含フッ素樹脂(B)が10〜95重量%の
混合物であって、かつ熱可塑性含フッ素樹脂(B)が熱
可塑性含フッ素樹脂(C)と必要により混合される熱可
塑性含フッ素樹脂(D)とからなるフッ素ポリマー組成
物を得ることを特徴とするフッ素ポリマー組成物の製
法。 - 【請求項11】架橋体(A)が粒子径1μm以下の微粒
子である請求項10のフッ素ポリマー組成物の製法。 - 【請求項12】架橋体(A)が含フッ素エラストマーの
重合反応による製造時に架橋せしめられたものである請
求項10又は11のフッ素ポリマー組成物の製法。 - 【請求項13】熱可塑性含フッ素樹脂(B)の全部が熱
可塑性含フッ素樹脂(C)である請求項10〜12のい
ずれかのフッ素ポリマー組成物の製法。 - 【請求項14】熱可塑性含フッ素樹脂(B)が、熱可塑
性含フッ素樹脂(C)と必要により混合される溶融成形
可能な熱可塑性含フッ素樹脂(D)とからなる請求項1
0〜12のいずれかのフッ素ポリマー組成物の製法。 - 【請求項15】架橋体(A)が、含フッ素エラストマー
の重合反応による製造時に2個以上のエチレン性不飽和
基を有する共重合性単量体を共存させて重合及び架橋を
行わしめることによって得られるものである請求項10
〜14のいずれかのフッ素ポリマー組成物の製法。 - 【請求項16】含フッ素エラストマーがテトラフルオロ
エチレン/プロピレン系共重合体である請求項10〜1
5のいずれかのフッ素ポリマー組成物の製法。 - 【請求項17】熱可塑性含フッ素樹脂(C)及び/又は
熱可塑性含フッ素樹脂(D)が、テトラフルオロエチレ
ン/エチレン系共重合体である請求項10〜16のいず
れかのフッ素ポリマー組成物の製法。 - 【請求項18】フッ素ポリマー組成物が、走査型電子顕
微鏡観察において粒子径1μmを超える大きさの架橋体
(A)の粒子集合体が実質的に認められないプレス成形
シートを与えるものである請求項10〜17のいずれか
のフッ素ポリマー組成物の製法。ただし、プレス成形シ
ートはフッ素ポリマー組成物を300℃、100kg/
cm2 、10分間でプレス成形したものである。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24421894A JPH08109301A (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | フッ素ポリマー組成物及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24421894A JPH08109301A (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | フッ素ポリマー組成物及びその製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08109301A true JPH08109301A (ja) | 1996-04-30 |
Family
ID=17115508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24421894A Pending JPH08109301A (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | フッ素ポリマー組成物及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08109301A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002037965A (ja) * | 2000-07-28 | 2002-02-06 | Nippon Mektron Ltd | 押出加工性に優れたゲル成分含有含フッ素エラストマー |
JP2006511660A (ja) * | 2002-12-23 | 2006-04-06 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 窒素含有硬化部位を有するフルオロプラスチックポリマー |
WO2010053056A1 (ja) * | 2008-11-05 | 2010-05-14 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素弾性共重合体、その製造方法および架橋ゴム |
JP2013189655A (ja) * | 2013-07-04 | 2013-09-26 | Asahi Glass Co Ltd | 架橋ゴム物品 |
-
1994
- 1994-10-07 JP JP24421894A patent/JPH08109301A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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